JPH08239658A - 抗酸化作用をもつカロチノイド含有エキス、抗酸化剤並びに着色料 - Google Patents
抗酸化作用をもつカロチノイド含有エキス、抗酸化剤並びに着色料Info
- Publication number
- JPH08239658A JPH08239658A JP8310395A JP8310395A JPH08239658A JP H08239658 A JPH08239658 A JP H08239658A JP 8310395 A JP8310395 A JP 8310395A JP 8310395 A JP8310395 A JP 8310395A JP H08239658 A JPH08239658 A JP H08239658A
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- carotenoid
- antioxidant
- extract
- dehydrorhodopine
- lycopene
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 食品、医薬品、化粧品に好適な安全性が高い
天然由来の優れた抗酸化活性をもつ新規抗酸化剤並びに
安全性が高い天然由来の鮮明な赤−赤紫色を呈する新規
着色料を提供する。 【構成】 ロドバクター属に属し新規カロチノイド1、
リコペン、ロドピン、デヒドロロドピンを生産する菌
(具体例 ロドバクター カプシュラタス Rhodo
−bacter cupsulatus:ATCC11
166)から抗酸化活性をもつカロチノイド含有エキ
ス、新規カロチノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒ
ドロロドピンを得る。
天然由来の優れた抗酸化活性をもつ新規抗酸化剤並びに
安全性が高い天然由来の鮮明な赤−赤紫色を呈する新規
着色料を提供する。 【構成】 ロドバクター属に属し新規カロチノイド1、
リコペン、ロドピン、デヒドロロドピンを生産する菌
(具体例 ロドバクター カプシュラタス Rhodo
−bacter cupsulatus:ATCC11
166)から抗酸化活性をもつカロチノイド含有エキ
ス、新規カロチノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒ
ドロロドピンを得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細菌から得られる抗酸
化活性をもつカロチノイド含有エキス、該カロチノイド
含有エキスより抽出される、化1で表されるカロチノイ
ド(以下新規カロチノイド1という)、リコペン、ロド
ピン及びデヒドロロドピンに関する。本発明に係る抗酸
化活性をもつカロチノイド含有エキス並びに、新規カロ
チノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒドロロドピン
はその優れた抗酸化作用を有することから抗酸化剤とし
て用いることができる。さらにこれらのエキスは鮮やか
な赤色−赤紫色を呈するため着色料として用いることが
できる。従って、本発明は、食品、医薬品、化粧品など
の各分野に広く利用できるものである。
化活性をもつカロチノイド含有エキス、該カロチノイド
含有エキスより抽出される、化1で表されるカロチノイ
ド(以下新規カロチノイド1という)、リコペン、ロド
ピン及びデヒドロロドピンに関する。本発明に係る抗酸
化活性をもつカロチノイド含有エキス並びに、新規カロ
チノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒドロロドピン
はその優れた抗酸化作用を有することから抗酸化剤とし
て用いることができる。さらにこれらのエキスは鮮やか
な赤色−赤紫色を呈するため着色料として用いることが
できる。従って、本発明は、食品、医薬品、化粧品など
の各分野に広く利用できるものである。
【0002】
【従来の技術と問題点】従来より、食品、医薬品、化粧
品或いは油脂などの酸化を防止するため酸化防止剤が数
多く市販に供されている。例えば、ブチルヒドロキシア
ニソール(BHA)や、ブチルヒドロキシルトルエン
(BHT)などの合成抗酸化剤は、その安全性の面から
使用の際に問題が生じ、消費者の合成抗酸化剤に対する
拒否反応が強く、その使用量も減少しているのが現状で
ある。
品或いは油脂などの酸化を防止するため酸化防止剤が数
多く市販に供されている。例えば、ブチルヒドロキシア
ニソール(BHA)や、ブチルヒドロキシルトルエン
(BHT)などの合成抗酸化剤は、その安全性の面から
使用の際に問題が生じ、消費者の合成抗酸化剤に対する
拒否反応が強く、その使用量も減少しているのが現状で
ある。
【0003】しかも、活性酸素により生体内に生成する
過酸化物は細胞の老化、炎症、発ガンなどの原因にな
る。従って、安全性の高い、天然由来の抗酸化物質は、
生体内における抗酸化的な防御機構を支援する物質とし
て、食品、特に健康食品や栄養食品のほか、医薬品や化
粧品などの技術分野において、非常に期待されている。
過酸化物は細胞の老化、炎症、発ガンなどの原因にな
る。従って、安全性の高い、天然由来の抗酸化物質は、
生体内における抗酸化的な防御機構を支援する物質とし
て、食品、特に健康食品や栄養食品のほか、医薬品や化
粧品などの技術分野において、非常に期待されている。
【0004】しかしながら、天然由来の抗酸化剤はアス
コルビン酸、トコフェロールなどが使用されているにす
ぎない。こうした天然由来の抗酸化剤を食品、医薬品、
化粧品などに適宜使用するためには、性質の異なった天
然抗酸化剤を見いだし、それぞれの特徴を発揮する条件
で活用することが重要である。
コルビン酸、トコフェロールなどが使用されているにす
ぎない。こうした天然由来の抗酸化剤を食品、医薬品、
化粧品などに適宜使用するためには、性質の異なった天
然抗酸化剤を見いだし、それぞれの特徴を発揮する条件
で活用することが重要である。
【0005】また、周知の通り、食品、化粧品等に用い
られる着色料は、特に安全性が要求されているので、安
全性が高い天然由来の着色料の需要が増加している。
られる着色料は、特に安全性が要求されているので、安
全性が高い天然由来の着色料の需要が増加している。
【0006】従来より、光合成細菌を用いて有用物質を
得る様々な技術手段が提案されている。即ち、例えば、
特公昭52−7079号公報にはロドシュウドモナス
(Rhodopseudomonas)属、ロドスピリ
ウム(Rhodospirillum)属及びクロマチ
ウム(Chromatium)属から抗ウイルス活性物
質を得る技術が開示されており、また、特公昭47−7
954号公報にはロドシュウドモナス カプスラタス
(Rhodopseu−domonas capsul
atus:微工研菌寄第879号)菌体からユビキノン
50を得る技術が、特公昭56−34278号公報には
同菌体よりユビキノンQ10を得る技術が開示されてい
る。
得る様々な技術手段が提案されている。即ち、例えば、
特公昭52−7079号公報にはロドシュウドモナス
(Rhodopseudomonas)属、ロドスピリ
ウム(Rhodospirillum)属及びクロマチ
ウム(Chromatium)属から抗ウイルス活性物
質を得る技術が開示されており、また、特公昭47−7
954号公報にはロドシュウドモナス カプスラタス
(Rhodopseu−domonas capsul
atus:微工研菌寄第879号)菌体からユビキノン
50を得る技術が、特公昭56−34278号公報には
同菌体よりユビキノンQ10を得る技術が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の通り、食品、医
薬品、化粧品の各分野においては、安全性が高い天然由
来の抗酸化剤並びに着色料への需要が高いが、現在、実
用されている天然由来の抗酸化剤の種類は非常に限られ
たものであり、その使用に当たって、多岐にわたる処方
がくみ難いという問題点がある。
薬品、化粧品の各分野においては、安全性が高い天然由
来の抗酸化剤並びに着色料への需要が高いが、現在、実
用されている天然由来の抗酸化剤の種類は非常に限られ
たものであり、その使用に当たって、多岐にわたる処方
がくみ難いという問題点がある。
【0008】また、現在、実用されている安全性が高い
天然由来の着色料の種類は、上記抗酸化剤の場合に比較
すれば多いが、それでも多様な変化に富む色彩を現出さ
せるには、限界があるという問題がある。
天然由来の着色料の種類は、上記抗酸化剤の場合に比較
すれば多いが、それでも多様な変化に富む色彩を現出さ
せるには、限界があるという問題がある。
【0009】本発明は、上記諸問題点に鑑み、安全性が
高い天然由来の新規抗酸化剤並びに新規着色料が大量且
つ安定して供給できる技術手段の提供を技術的課題とす
る。本発明者等は、上記課題を達成するために、数多く
の微生物、植物を対象として系統的な研究、実験を重ね
た結果、ロドバクター属に属する細菌が優れた抗酸化活
性を持つカロチノイドを産生するという刮目すべき新知
見を得、本発明を完成したのである。
高い天然由来の新規抗酸化剤並びに新規着色料が大量且
つ安定して供給できる技術手段の提供を技術的課題とす
る。本発明者等は、上記課題を達成するために、数多く
の微生物、植物を対象として系統的な研究、実験を重ね
た結果、ロドバクター属に属する細菌が優れた抗酸化活
性を持つカロチノイドを産生するという刮目すべき新知
見を得、本発明を完成したのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。
通りの本発明によって達成できる。
【0011】即ち、本発明は、ロドバクター属に属する
抗酸化活性をもつカロチノイド生産菌から有機溶媒を用
いて抽出した抗酸化活性をもつカロチノイド含有エキ
ス、ロドバクター属に属する抗酸化活性をもつカロチノ
イド生産菌から有機溶媒を用いて抽出した抗酸化活性を
もつカロチノイド含有エキスを抽出源として有機溶媒を
用いて抽出した新規カロチノイド1、リコペン、ロドピ
ン及びデヒドロロドピンである。
抗酸化活性をもつカロチノイド生産菌から有機溶媒を用
いて抽出した抗酸化活性をもつカロチノイド含有エキ
ス、ロドバクター属に属する抗酸化活性をもつカロチノ
イド生産菌から有機溶媒を用いて抽出した抗酸化活性を
もつカロチノイド含有エキスを抽出源として有機溶媒を
用いて抽出した新規カロチノイド1、リコペン、ロドピ
ン及びデヒドロロドピンである。
【0012】また、本発明は、上記カロチノイド含有エ
キス、新規カロチノイド1、リコペン、ロドピン及びデ
ヒドロロドピンを有効成分とする抗酸化剤である。
キス、新規カロチノイド1、リコペン、ロドピン及びデ
ヒドロロドピンを有効成分とする抗酸化剤である。
【0013】また、本発明は、上記抗酸化活性をもつカ
ロチノイド含有エキスからなる着色料である。
ロチノイド含有エキスからなる着色料である。
【0014】また、本発明は、ロドバクター属に属する
抗酸化活性をもつカロチノイド生産菌を培養し、該菌体
をメタノール、エタノール、酢酸エチル又はアセトンか
ら選ばれる有機溶媒で抽出し、該抽出液を濃縮すること
からなる抗酸化活性をもつカロチノイド含有エキス、ロ
ドバクター属に属する抗酸化活性をもつカロチノイド生
産菌を培養し、該菌体をメタノール、エタノール、酢酸
エチル又はアセトンから選ばれる有機溶媒で抽出し、該
抽出液を濃縮し、該濃縮物をシリカゲルクロマトグラフ
ィーにより分画して5%ジエチルエーテル・n−ヘキサ
ンで溶出する赤色フラクションを濃縮することからなる
リコペン、ロドバクター属に属する抗酸化活性をもつカ
ロチノイド生産菌を培養し、該菌体をメタノール、エタ
ノール、酢酸エチル又はアセトンから選ばれる有機溶媒
で抽出し、該抽出液を濃縮し、該濃縮物をシリカゲルク
ロマトグラフィーにより分画して30%ジエチルエーテ
ル・n−ヘキサンで溶出する赤色フラクションを濃縮す
ることからなるロドピン、ロドバクター属に属する抗酸
化活性をもつカロチノイド生産菌を培養し、該菌体をメ
タノール、エタノール、酢酸エチル又はアセトンから選
ばれる有機溶媒で抽出し、該抽出液を濃縮し、該濃縮物
をシリカゲルクロマトグラフィーにより分画して40%
ジエチルエーテル・n−ヘキサンで溶出する紫色フラク
ションを濃縮することからなる新規カロチノイド1及び
ロドバクター属に属する抗酸化活性をもつカロチノイド
生産菌を培養し、該菌体をメタノール、エタノール、酢
酸エチル又はアセトンから選ばれる有機溶媒で抽出し、
該抽出液を濃縮し、該濃縮物をシリカゲルクロマトグラ
フィーにより分画して50%ジエチルエーテル・n−ヘ
キサンで溶出する赤色フラクションを濃縮することから
なるデヒドロロドピンである。
抗酸化活性をもつカロチノイド生産菌を培養し、該菌体
をメタノール、エタノール、酢酸エチル又はアセトンか
ら選ばれる有機溶媒で抽出し、該抽出液を濃縮すること
からなる抗酸化活性をもつカロチノイド含有エキス、ロ
ドバクター属に属する抗酸化活性をもつカロチノイド生
産菌を培養し、該菌体をメタノール、エタノール、酢酸
エチル又はアセトンから選ばれる有機溶媒で抽出し、該
抽出液を濃縮し、該濃縮物をシリカゲルクロマトグラフ
ィーにより分画して5%ジエチルエーテル・n−ヘキサ
ンで溶出する赤色フラクションを濃縮することからなる
リコペン、ロドバクター属に属する抗酸化活性をもつカ
ロチノイド生産菌を培養し、該菌体をメタノール、エタ
ノール、酢酸エチル又はアセトンから選ばれる有機溶媒
で抽出し、該抽出液を濃縮し、該濃縮物をシリカゲルク
ロマトグラフィーにより分画して30%ジエチルエーテ
ル・n−ヘキサンで溶出する赤色フラクションを濃縮す
ることからなるロドピン、ロドバクター属に属する抗酸
化活性をもつカロチノイド生産菌を培養し、該菌体をメ
タノール、エタノール、酢酸エチル又はアセトンから選
ばれる有機溶媒で抽出し、該抽出液を濃縮し、該濃縮物
をシリカゲルクロマトグラフィーにより分画して40%
ジエチルエーテル・n−ヘキサンで溶出する紫色フラク
ションを濃縮することからなる新規カロチノイド1及び
ロドバクター属に属する抗酸化活性をもつカロチノイド
生産菌を培養し、該菌体をメタノール、エタノール、酢
酸エチル又はアセトンから選ばれる有機溶媒で抽出し、
該抽出液を濃縮し、該濃縮物をシリカゲルクロマトグラ
フィーにより分画して50%ジエチルエーテル・n−ヘ
キサンで溶出する赤色フラクションを濃縮することから
なるデヒドロロドピンである。
【0015】上記各発明におけるロドバクター属に属す
る抗酸化活性をもつカロチノイド生産菌の具体例は、ロ
ドバクター カプシュラタス(Rhodobacter
cupsulatus:ATCC11166)であ
る。
る抗酸化活性をもつカロチノイド生産菌の具体例は、ロ
ドバクター カプシュラタス(Rhodobacter
cupsulatus:ATCC11166)であ
る。
【0016】次に、本発明の構成を更に詳しく説明す
る。本発明において用いるロドバクター属に属する抗酸
化活性をもつカロチノイド生産菌は、周知の培養法(例
えば、前出特公昭47−7954号公報参照)によっ
て、容易に大量培養が行える。例えばYPS培地 [酵
母エキス0.3%、ポリペプトン0.3%、MgSO4
・7H2O 0.05%、CaCl2 0.03%及び
水からなる培地(pH7.4)]を用い、30℃、約4
8時間、光照射下で培養すれば、容易に大量の細菌が培
養できる。培養した細菌の集菌、洗浄は常法に従って行
えばよい。
る。本発明において用いるロドバクター属に属する抗酸
化活性をもつカロチノイド生産菌は、周知の培養法(例
えば、前出特公昭47−7954号公報参照)によっ
て、容易に大量培養が行える。例えばYPS培地 [酵
母エキス0.3%、ポリペプトン0.3%、MgSO4
・7H2O 0.05%、CaCl2 0.03%及び
水からなる培地(pH7.4)]を用い、30℃、約4
8時間、光照射下で培養すれば、容易に大量の細菌が培
養できる。培養した細菌の集菌、洗浄は常法に従って行
えばよい。
【0017】菌体から抗酸化活性をもつカロチノイド含
有エキスを得るための抽出溶媒としてはメタノール、エ
タノール、酢酸エチル又はアセトンなどの有機溶媒を用
いることができる。なお、菌体を水で抽出した場合、水
抽出画分には抗酸化活性は認められない。
有エキスを得るための抽出溶媒としてはメタノール、エ
タノール、酢酸エチル又はアセトンなどの有機溶媒を用
いることができる。なお、菌体を水で抽出した場合、水
抽出画分には抗酸化活性は認められない。
【0018】菌体から抽出した上記カロチノイド含有エ
キスから新規カロチノイド1、リコペン、ロドピン及び
デヒドロロドピンを得るに当たっての濃縮・分画手段自
体は、例えば、カラムクロマトグラフィーを用いて、常
法に従えばよいが、新規カロチノイド1はシリカゲルク
ロマトグラフィーによる40%ジエチルエーテル・n−
ヘキサンで溶出する紫色フェラクションを、リコペン、
ロドピン、デヒドロロドピンはそれぞれ5%ジエチルエ
ーテル・n−ヘキサン、30%ジエチルエーテル・n−
ヘキサン、50%ジエチルエーテル・n−ヘキサンで溶
出する赤色のフラクションを濃縮することによって得ら
れる。
キスから新規カロチノイド1、リコペン、ロドピン及び
デヒドロロドピンを得るに当たっての濃縮・分画手段自
体は、例えば、カラムクロマトグラフィーを用いて、常
法に従えばよいが、新規カロチノイド1はシリカゲルク
ロマトグラフィーによる40%ジエチルエーテル・n−
ヘキサンで溶出する紫色フェラクションを、リコペン、
ロドピン、デヒドロロドピンはそれぞれ5%ジエチルエ
ーテル・n−ヘキサン、30%ジエチルエーテル・n−
ヘキサン、50%ジエチルエーテル・n−ヘキサンで溶
出する赤色のフラクションを濃縮することによって得ら
れる。
【0019】新規カロチノイド1は紫外−可視部吸収
(UV−VIS)スペクトル(図1)、エレクトロンイ
ンパクトマススペクトル(EI−MS)(図2)、水素
核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)(図3)及び2
次元NMRスペクトル(図4)によりその構造を13−
シス−1,1’−ジメトキシ−3,4.3’,4’−テ
トラデヒドロ−1,2,1’,2’−テトラハイドロ−
γ,γ−カロテン−20−アール[IUPAC命名法]
と決定した。
(UV−VIS)スペクトル(図1)、エレクトロンイ
ンパクトマススペクトル(EI−MS)(図2)、水素
核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)(図3)及び2
次元NMRスペクトル(図4)によりその構造を13−
シス−1,1’−ジメトキシ−3,4.3’,4’−テ
トラデヒドロ−1,2,1’,2’−テトラハイドロ−
γ,γ−カロテン−20−アール[IUPAC命名法]
と決定した。
【0020】以下に新規カロチノイド1の主な物性値を
示す。UV−VIS(ether)331,386,5
14nm,EI−MS m/z610.4438
([M]+,C42H58O3,for610.443
3),584,479,440,386,73,1H−
NMR(CDCl3)δ1.16(12H,s),1.
94(6H,s),2.02(3H,s),2.04
(3H,s),2.06(3H,s),2.33(4
H,d,7.5),5.75(1H,dt,15,7.
5),5.76(1H,dt,15,7.5),6.1
3(2H,d,11),6.17(2H,d,15),
6.22(1H,d,11),6.26(1H,d,1
1),6.35(1H,dm,11),6.37(2
H,d,15),6.42(1H,d,15),6.5
5(1H,d,15.5),6.67(2H,dd,1
5.5,11),6.82(1H,dd,15.5,1
1),6.89(1H,m),7.09(1H,m),
9.56(1H,d,2).
示す。UV−VIS(ether)331,386,5
14nm,EI−MS m/z610.4438
([M]+,C42H58O3,for610.443
3),584,479,440,386,73,1H−
NMR(CDCl3)δ1.16(12H,s),1.
94(6H,s),2.02(3H,s),2.04
(3H,s),2.06(3H,s),2.33(4
H,d,7.5),5.75(1H,dt,15,7.
5),5.76(1H,dt,15,7.5),6.1
3(2H,d,11),6.17(2H,d,15),
6.22(1H,d,11),6.26(1H,d,1
1),6.35(1H,dm,11),6.37(2
H,d,15),6.42(1H,d,15),6.5
5(1H,d,15.5),6.67(2H,dd,1
5.5,11),6.82(1H,dd,15.5,1
1),6.89(1H,m),7.09(1H,m),
9.56(1H,d,2).
【0021】本発明に係るリコペン、ロドピン及びデヒ
ドロロドピンの同定はUV−VIS、EI−MS及び1
H−NMRスペクトルによって行った。
ドロロドピンの同定はUV−VIS、EI−MS及び1
H−NMRスペクトルによって行った。
【0022】リコペン、ロドピン及びデヒドロロドピン
の主な物性値を以下に示す。リコペンUV−VIS(e
ther)430,469,499,EI−MS m/
z 536([M]+,C40H56),1H−NMR
(CDCl3)δ1.62(6H,d,2),1.69
(6H,s),1.82(6H,s),1.97(12
H,s),2.12(8H,d,7.5),5.12
(2H,m),5.95(2H,d,11),6.18
(2H,d,11),6.25(4H,d,15),
6.35(2H,d,15),6.49(4H,dd,
15,11),6.65(2H,m).
の主な物性値を以下に示す。リコペンUV−VIS(e
ther)430,469,499,EI−MS m/
z 536([M]+,C40H56),1H−NMR
(CDCl3)δ1.62(6H,d,2),1.69
(6H,s),1.82(6H,s),1.97(12
H,s),2.12(8H,d,7.5),5.12
(2H,m),5.95(2H,d,11),6.18
(2H,d,11),6.25(4H,d,15),
6.35(2H,d,15),6.49(4H,dd,
15,11),6.65(2H,m).
【0023】ロドピンUV−VIS(ether)43
0,469,499,EI−MS m/z554
([M]+,C40H58O),1H−NMR(CDC
l3)δ1.23(6H,s),1.50(4H,
m),1.62(3H,d,1.5),1.69(3
H,s),1.82(3H,s),1.96(12H,
s),2.12(6H,m),5.11(1H,m),
5.95(1H,d,11),6.04(1H,d,1
1),6.18(1H,d,11),6.23(4H,
m),6.25(2H,d,15),6.35(2H,
d,15),6.49(2H,dd,15,11),
6.63(2H,m).
0,469,499,EI−MS m/z554
([M]+,C40H58O),1H−NMR(CDC
l3)δ1.23(6H,s),1.50(4H,
m),1.62(3H,d,1.5),1.69(3
H,s),1.82(3H,s),1.96(12H,
s),2.12(6H,m),5.11(1H,m),
5.95(1H,d,11),6.04(1H,d,1
1),6.18(1H,d,11),6.23(4H,
m),6.25(2H,d,15),6.35(2H,
d,15),6.49(2H,dd,15,11),
6.63(2H,m).
【0024】デヒドロロドピンUV−VIS(ethe
r)453,480,513,EI−MS m/z55
2([M]+,C40H56O),1H−NMR(CD
Cl3)δ 1.23(6H,s),1.62(3H,
d,2),1.69(3H,s),1.82(3H,
s),1.93(3H,s),1.97(9H,s),
1.98(3H,s),2.12(2H,d,7.
5),2.31(2H,d,7.5),5.12(1
H,m),5.75(1H,dt,15,7.5),
5.95(1H,d,11),6.04(1H,d,1
1),6.13(1H,d,11),6.18(1H,
d,11),6.21(1H,d,15),6.23
(2H,m),6.25(1H,d,15),6.35
(1H,d,15.5),6.38(1H,d,15.
5),6.49(2H,dd,15.5,11),6.
60(2H,dd,15.5,11),6.63(2
H,m).
r)453,480,513,EI−MS m/z55
2([M]+,C40H56O),1H−NMR(CD
Cl3)δ 1.23(6H,s),1.62(3H,
d,2),1.69(3H,s),1.82(3H,
s),1.93(3H,s),1.97(9H,s),
1.98(3H,s),2.12(2H,d,7.
5),2.31(2H,d,7.5),5.12(1
H,m),5.75(1H,dt,15,7.5),
5.95(1H,d,11),6.04(1H,d,1
1),6.13(1H,d,11),6.18(1H,
d,11),6.21(1H,d,15),6.23
(2H,m),6.25(1H,d,15),6.35
(1H,d,15.5),6.38(1H,d,15.
5),6.49(2H,dd,15.5,11),6.
60(2H,dd,15.5,11),6.63(2
H,m).
【0025】本発明に係る抗酸化活性をもつカロチノイ
ド含有エキス、新規カロチノイド1、リコペン、ロドピ
ン及びデヒドロロドピンは、アスコルビン酸やトコフェ
ロールを用いる場合と同様の使用形態によって、抗酸化
剤として用いることができる。
ド含有エキス、新規カロチノイド1、リコペン、ロドピ
ン及びデヒドロロドピンは、アスコルビン酸やトコフェ
ロールを用いる場合と同様の使用形態によって、抗酸化
剤として用いることができる。
【0026】また、本発明に係る抗酸化活性をもつカロ
チノイド含有エキスは、天然由来の着色料(例えば、パ
プリカ色素やキャロットオイルなど)を用いる場合と同
様の使用形態によって、着色料として用いることができ
る。
チノイド含有エキスは、天然由来の着色料(例えば、パ
プリカ色素やキャロットオイルなど)を用いる場合と同
様の使用形態によって、着色料として用いることができ
る。
【0027】本発明に係る抗酸化活性をもつ新規カロチ
ノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒドロロドピンは
β−カロチンより強い抗酸化作用を示す。
ノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒドロロドピンは
β−カロチンより強い抗酸化作用を示す。
【0028】また、本発明に係る抗酸化活性をもつカロ
チノイド含有エキスは鮮明な赤色〜赤紫色を呈してお
り、天然由来の着色料と同等の着色力をもっている。
チノイド含有エキスは鮮明な赤色〜赤紫色を呈してお
り、天然由来の着色料と同等の着色力をもっている。
【0029】
【実施例】実施例によって本発明の構成、作用を具体的
に説明すれば、次の通りである。 (細菌の培養)YPS培地[酵母エキス0.3%、ポリ
ペプトン0.3%、MgSO4・7H2O 0.05
%、CaCl2 0.03%、pH7.4]で光照射
下、30℃、48時間培養した後、9500rpm,5
℃、10分間遠心分離して、菌体を集めた。
に説明すれば、次の通りである。 (細菌の培養)YPS培地[酵母エキス0.3%、ポリ
ペプトン0.3%、MgSO4・7H2O 0.05
%、CaCl2 0.03%、pH7.4]で光照射
下、30℃、48時間培養した後、9500rpm,5
℃、10分間遠心分離して、菌体を集めた。
【0030】(抗酸化活性物質の分離)ロドバクター
カプシュラタスの菌体60gをアセトン5000mlで
2回室温で抽出する。抽出液をろ過した後、37℃で減
圧濃縮し赤色の粗抽出エキス10gを得た。この抽出エ
キスを直径3cm長さ30cmのシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによりn−ヘキサン、ジエチルエーテル
混合溶媒により精密に溶出分画した。5%ジエチルエー
テル・n−ヘキサンで溶出した赤色フラクションを、オ
クタドデシルシランを固定相として20%ジクロロメタ
ン・アセトニトリルによる高速液体クロマトグラフィー
によって精製した後、37℃で減圧濃縮して赤色物質9
mgを得た。ここに得た赤色物質はUV−VIS、EI
−MSおよび1H−NMRスペクトルの解析結果から、
リコペンと同定できた。30%ジエチルエーテル・n−
ヘキサンで溶出した赤色フラクションを、オクタドデシ
ルシランを固定相として20%ジクロロメタン・アセト
ニトリルによる高速液体クロマトグラフィーによって精
製した後、37℃で減圧濃縮して赤色物質20mgを得
た。ここに得た赤色物質はUV−VIS、EI−MSお
よび1H−NMRスペクトルの解析結果から、ロドピン
と同定できた。40%ジエチルエーテル・n−ヘキサン
で溶出した赤色フラクションを、オクタドデシルシラン
を固定相として20%ジクロロメタン・アセトニトリル
による高速液体クロマトグラフィーによって精製した
後、37℃で減圧濃縮して紫色物質5mgを得た。ここ
に得た赤色物質は新規カロチノイドでUV−VIS、E
I−MSおよび1H−NMRスペクトルの解析結果から
その構造を13−シス−1,1’−ジメトキシ−3,
4.3’,4’−テトラデヒドロ−1,2,1’,2’
−テトラハイドロ−γ,γ−カロテン−20−アールと
決定した。50%ジエチルエーテル.n−ヘキサンで溶
出した赤色フラクションを、オクタドデシルシランを固
定相として20%ジクロロメタン・アセトニトリルによ
る高速液体クロマトグラフィーによって精製した後、3
7℃で減圧濃縮して赤色物質20mgを得た。ここに得
た赤色物質はUV−VIS、EI−MSおよび1H−N
MRスペクトルの解析結果から、デヒドロロドピンと同
定できた。
カプシュラタスの菌体60gをアセトン5000mlで
2回室温で抽出する。抽出液をろ過した後、37℃で減
圧濃縮し赤色の粗抽出エキス10gを得た。この抽出エ
キスを直径3cm長さ30cmのシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによりn−ヘキサン、ジエチルエーテル
混合溶媒により精密に溶出分画した。5%ジエチルエー
テル・n−ヘキサンで溶出した赤色フラクションを、オ
クタドデシルシランを固定相として20%ジクロロメタ
ン・アセトニトリルによる高速液体クロマトグラフィー
によって精製した後、37℃で減圧濃縮して赤色物質9
mgを得た。ここに得た赤色物質はUV−VIS、EI
−MSおよび1H−NMRスペクトルの解析結果から、
リコペンと同定できた。30%ジエチルエーテル・n−
ヘキサンで溶出した赤色フラクションを、オクタドデシ
ルシランを固定相として20%ジクロロメタン・アセト
ニトリルによる高速液体クロマトグラフィーによって精
製した後、37℃で減圧濃縮して赤色物質20mgを得
た。ここに得た赤色物質はUV−VIS、EI−MSお
よび1H−NMRスペクトルの解析結果から、ロドピン
と同定できた。40%ジエチルエーテル・n−ヘキサン
で溶出した赤色フラクションを、オクタドデシルシラン
を固定相として20%ジクロロメタン・アセトニトリル
による高速液体クロマトグラフィーによって精製した
後、37℃で減圧濃縮して紫色物質5mgを得た。ここ
に得た赤色物質は新規カロチノイドでUV−VIS、E
I−MSおよび1H−NMRスペクトルの解析結果から
その構造を13−シス−1,1’−ジメトキシ−3,
4.3’,4’−テトラデヒドロ−1,2,1’,2’
−テトラハイドロ−γ,γ−カロテン−20−アールと
決定した。50%ジエチルエーテル.n−ヘキサンで溶
出した赤色フラクションを、オクタドデシルシランを固
定相として20%ジクロロメタン・アセトニトリルによ
る高速液体クロマトグラフィーによって精製した後、3
7℃で減圧濃縮して赤色物質20mgを得た。ここに得
た赤色物質はUV−VIS、EI−MSおよび1H−N
MRスペクトルの解析結果から、デヒドロロドピンと同
定できた。
【0031】(抗酸化活性の検定) A.脂溶性アゾ化合物AMVN:2,2’−azobi
s(2,4−dimethylvaleronitri
le)によって誘導されるリノール酸メチルの過酸化反
応の抑制作用(脂質ペルオキシラジカルLOO・による
脂質の過酸化抑制作用)0.1Mリノール酸メチルのn
−ヘキサン−2−プロパノール(1:1)v/v溶液1
mlに100mM AMVNのn−ヘキサン溶液0.1
mlを加え遮光下、37℃で浸とうしながらインキュベ
ートする、経時的に、この反応溶液10μlを取り、高
速液体クロマトグラフィーによってリノール酸メチルヒ
ドロパーオキシドの含量を測定した(対照区)。一方
0.1Mリノール酸メチルのn−ヘキサン−2−プロパ
ノール(1:1)v/v溶液にあらかじめ抗酸化力を検
定する物質を添加し5分間インキュベートした後、AM
VNを加えインキュベートし、同様に高速液体クロマト
グラフィーによりリノール酸メチルヒドロパーオキシド
の含量を測定し、対照区と比較し過酸化抑制作用を検定
した。(図5)に新規カロチノイド1の700μM,1
75μM,87μM,43μM(濃度は上記反応系に於
ける被検物質の最終濃度)での過酸化反応の抑制作用を
示した。新規カロチノイド1は濃度依存的に過酸化反応
を抑制した。更に700μMでは過酸化物の生成を認め
なかった。(図6)に新規カロチノイド1、リコペン、
ロドピン、デヒドロロドピン及びβ−カロチンのそれぞ
れ150μM(濃度は上記反応系に於ける被検物質の最
終濃度)での上記過酸化反応の抑制作用を示した。新規
カロチノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒドロロド
ピンはいずれもこの過酸化反応を強く抑制した。反応開
始60分に於ける対照区を100%としたそれぞれの試
験区での過酸化物生成比は、β−カロチン(45%)、
新規カロチノイド1(10%)、リコペン(10%)、
ロドピン(8%)、デヒドロロドピン(9%)であり、
ロドバクター カプシュラタスから得られたカロチノイ
ドがβ−カロチンにくらべ4〜5倍脂質ペルオキシラジ
カルに対する抗酸化活性を持つことが明かとなった。
s(2,4−dimethylvaleronitri
le)によって誘導されるリノール酸メチルの過酸化反
応の抑制作用(脂質ペルオキシラジカルLOO・による
脂質の過酸化抑制作用)0.1Mリノール酸メチルのn
−ヘキサン−2−プロパノール(1:1)v/v溶液1
mlに100mM AMVNのn−ヘキサン溶液0.1
mlを加え遮光下、37℃で浸とうしながらインキュベ
ートする、経時的に、この反応溶液10μlを取り、高
速液体クロマトグラフィーによってリノール酸メチルヒ
ドロパーオキシドの含量を測定した(対照区)。一方
0.1Mリノール酸メチルのn−ヘキサン−2−プロパ
ノール(1:1)v/v溶液にあらかじめ抗酸化力を検
定する物質を添加し5分間インキュベートした後、AM
VNを加えインキュベートし、同様に高速液体クロマト
グラフィーによりリノール酸メチルヒドロパーオキシド
の含量を測定し、対照区と比較し過酸化抑制作用を検定
した。(図5)に新規カロチノイド1の700μM,1
75μM,87μM,43μM(濃度は上記反応系に於
ける被検物質の最終濃度)での過酸化反応の抑制作用を
示した。新規カロチノイド1は濃度依存的に過酸化反応
を抑制した。更に700μMでは過酸化物の生成を認め
なかった。(図6)に新規カロチノイド1、リコペン、
ロドピン、デヒドロロドピン及びβ−カロチンのそれぞ
れ150μM(濃度は上記反応系に於ける被検物質の最
終濃度)での上記過酸化反応の抑制作用を示した。新規
カロチノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒドロロド
ピンはいずれもこの過酸化反応を強く抑制した。反応開
始60分に於ける対照区を100%としたそれぞれの試
験区での過酸化物生成比は、β−カロチン(45%)、
新規カロチノイド1(10%)、リコペン(10%)、
ロドピン(8%)、デヒドロロドピン(9%)であり、
ロドバクター カプシュラタスから得られたカロチノイ
ドがβ−カロチンにくらべ4〜5倍脂質ペルオキシラジ
カルに対する抗酸化活性を持つことが明かとなった。
【0032】B.メチレンブルーの光化学反応によって
誘導されるリノール酸メチルの過酸化反応の抑制作用
(一重項酸素による過酸化防止作用) 0.1Mリノール酸メチルのn−ヘキサン−2−プロパ
ノール(1:1)v/v溶液2mlに0.1mMメチレ
ンブレーのエタノール溶液2mlを加え蛍光燈を照射し
た。経時的に、この反応溶液10μlを取り、高速液体
クロマトグラフィーによつてリノール酸メチルヒドロパ
ーオキシドの含量を測定した(対照区)。一方0.1M
リノール酸メチルのn−ヘキサン−2−プロパノール
(1:1)v/v溶液2mlに、あらかじめ抗酸化力を
検定する物質を加え浸とうし溶解した後、0.1mMメ
チレンブルーのエタノール溶液2mlを加え蛍光燈を照
射した。同様に高速液体クロマトグラフィーによつてリ
ノール酸メチルヒドロパーオキシドの含量を測定し、対
照区と比較し過酸化抑制作用を検定した。(図7)に新
規カロチノイド1、リコペン、ロドピン、デヒドロロド
ピン及びβ−カロチンのそれぞれ75μM(濃度は上記
反応系に於ける被検物質の最終濃度)での過酸化反応の
抑制作用を示した。(図7)からも明かなごとく、新規
カロチノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒドロロド
ピンは、いずれもこの過酸化反応を強く抑制した。
誘導されるリノール酸メチルの過酸化反応の抑制作用
(一重項酸素による過酸化防止作用) 0.1Mリノール酸メチルのn−ヘキサン−2−プロパ
ノール(1:1)v/v溶液2mlに0.1mMメチレ
ンブレーのエタノール溶液2mlを加え蛍光燈を照射し
た。経時的に、この反応溶液10μlを取り、高速液体
クロマトグラフィーによつてリノール酸メチルヒドロパ
ーオキシドの含量を測定した(対照区)。一方0.1M
リノール酸メチルのn−ヘキサン−2−プロパノール
(1:1)v/v溶液2mlに、あらかじめ抗酸化力を
検定する物質を加え浸とうし溶解した後、0.1mMメ
チレンブルーのエタノール溶液2mlを加え蛍光燈を照
射した。同様に高速液体クロマトグラフィーによつてリ
ノール酸メチルヒドロパーオキシドの含量を測定し、対
照区と比較し過酸化抑制作用を検定した。(図7)に新
規カロチノイド1、リコペン、ロドピン、デヒドロロド
ピン及びβ−カロチンのそれぞれ75μM(濃度は上記
反応系に於ける被検物質の最終濃度)での過酸化反応の
抑制作用を示した。(図7)からも明かなごとく、新規
カロチノイド1、リコペン、ロドピン及びデヒドロロド
ピンは、いずれもこの過酸化反応を強く抑制した。
【0033】
【着色力試験】ここに得た鮮明な赤紫色の抽出エキスを
用いて、次の通りの着色力試験を行った。赤紫色の抽出
エキス0.5mgをエーテル2mlに溶解したところ該
溶液はマンセル色度で5R5/10の色調を示した。上
記溶液を白色濾紙に浸込ませた後、風乾したところ、該
濾紙はマンセル色度で5R5/10−5R5/8の色調
に染まった。この濾紙を水洗しても色落ちは殆ど認めら
れなかった。次に、赤紫色の抽出エキス0.5mgをエ
ーテル・エタノール(1:1)2mlに溶解した後、
0.5%Tween20(商品名:界面活性剤)水溶液
10mlに加えて攪拌し、更に、この溶液を精製水40
mlに加えたところ、該精製水はマンセル色度で5R5
/10−5R5/8の色調に着色された。以上の試験結
果から、ここに得た抽出エキスが、優れた着色力をもっ
ていることが確認できる。
用いて、次の通りの着色力試験を行った。赤紫色の抽出
エキス0.5mgをエーテル2mlに溶解したところ該
溶液はマンセル色度で5R5/10の色調を示した。上
記溶液を白色濾紙に浸込ませた後、風乾したところ、該
濾紙はマンセル色度で5R5/10−5R5/8の色調
に染まった。この濾紙を水洗しても色落ちは殆ど認めら
れなかった。次に、赤紫色の抽出エキス0.5mgをエ
ーテル・エタノール(1:1)2mlに溶解した後、
0.5%Tween20(商品名:界面活性剤)水溶液
10mlに加えて攪拌し、更に、この溶液を精製水40
mlに加えたところ、該精製水はマンセル色度で5R5
/10−5R5/8の色調に着色された。以上の試験結
果から、ここに得た抽出エキスが、優れた着色力をもっ
ていることが確認できる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、実施例にも示した通
り、安全性が高い天然由来の優れた抗酸化活性をもつ新
規抗酸化剤並びに新規着色料が提供できる。そして、本
発明によって提供される新規抗酸化剤は、単独で使用で
きることは勿論、既存の天然由来の各種抗酸化剤と組み
合わせて使用することもできるから、食品、医薬品、化
粧品等の各対象物に応じた多岐にわたる処方を組むこと
が可能となり、また本発明によって提供される新規着色
料も、単独で使用できることは勿論、既存の天然由来の
各種着色料と組み合わせて使用することもできるから、
多様な変化に富む色彩を現出させることが可能となる。
また、本発明に用いる菌体は、大量培養が容易に低コス
トで行えるので、各目的物を比較的安価に得ることがで
きる。従って、本発明の産業利用性は非常に大きいとい
える。
り、安全性が高い天然由来の優れた抗酸化活性をもつ新
規抗酸化剤並びに新規着色料が提供できる。そして、本
発明によって提供される新規抗酸化剤は、単独で使用で
きることは勿論、既存の天然由来の各種抗酸化剤と組み
合わせて使用することもできるから、食品、医薬品、化
粧品等の各対象物に応じた多岐にわたる処方を組むこと
が可能となり、また本発明によって提供される新規着色
料も、単独で使用できることは勿論、既存の天然由来の
各種着色料と組み合わせて使用することもできるから、
多様な変化に富む色彩を現出させることが可能となる。
また、本発明に用いる菌体は、大量培養が容易に低コス
トで行えるので、各目的物を比較的安価に得ることがで
きる。従って、本発明の産業利用性は非常に大きいとい
える。
【図1】本発明に係る新規カロチノイド1の紫外−可視
部吸収(UV−VIS)スペクトル。
部吸収(UV−VIS)スペクトル。
【図2】本発明に係る新規カロチノイド1のエレクトロ
ンインパクトマススペクトル。
ンインパクトマススペクトル。
【図3】本発明に係る新規カロチノイド1の水素核磁気
共鳴スペクトル(1H−NMR)。
共鳴スペクトル(1H−NMR)。
【図4】本発明に係る新規カロチノイド1の2次元NM
Rスペクトル。
Rスペクトル。
【図5】脂溶性ラジカル発生剤AMVNにより誘導され
るリノール酸メチルの過酸化反応に対する抑制作用を示
すグラフ。
るリノール酸メチルの過酸化反応に対する抑制作用を示
すグラフ。
【図6】脂溶性ラジカル発生剤AMVNにより誘導され
るリノール酸メチルの過酸化反応に対する抑制作用を示
すグラフ。
るリノール酸メチルの過酸化反応に対する抑制作用を示
すグラフ。
【図7】メチレンブルーの光化学反応により誘導される
一重項酸素によるリノール酸メチルの過酸化反応に対す
る抑制作用を示すグラフ。
一重項酸素によるリノール酸メチルの過酸化反応に対す
る抑制作用を示すグラフ。
なし。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01)
Claims (12)
- 【請求項1】 式 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 で表される、抗酸化活性をもつ新規カロチノイド1(化
1)、リコペン(化2)、ロドピン(化3)及びデヒド
ロロドピン(化4)のうちの一つ以上を産生するロドバ
クター属に属する細菌を有機溶媒で抽出してなる抗酸化
剤。 - 【請求項2】 請求項1記載のロドバクター属に属する
細菌を有機溶媒を用いて抽出したことを特徴とする、新
規カロチノイド1を含有してなる抗酸化活性をもつカロ
チノイド含有エキス。 - 【請求項3】 請求項1記載のロドバクター属に属する
細菌を有機溶媒を用いて抽出してなる抗酸化活性をもつ
新規カロチノイド1。 - 【請求項4】 請求項1記載のロドバクター属に属する
細菌を有機溶媒を用いて抽出してなる抗酸化活性をもつ
リコペン。 - 【請求項5】 請求項1記載のロドバクター属に属する
細菌を有機溶媒を用いて抽出してなる抗酸化活性をもつ
ロドピン。 - 【請求項6】 請求項1記載のロドバクター属に属する
細菌を有機溶媒を用いて抽出してなる抗酸化活性をもつ
デヒドロロドピン。 - 【請求項7】 請求項2記載のカロチノイド含有エキス
を有効成分とする抗酸化剤。 - 【請求項8】 請求項3記載の新規カロチノイド1を有
効成分とする抗酸化剤。 - 【請求項9】 請求項4記載のリコペンを有効成分とす
る抗酸化剤。 - 【請求項10】 請求項5記載のロドピンを有効成分と
する抗酸化剤。 - 【請求項11】 請求項6記載のデヒドロロドピンを有
効成分とする抗酸化剤。 - 【請求項12】 請求項2記載の抗酸化活性をもつカロ
チノイド含有エキスからなる着色料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8310395A JPH08239658A (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 抗酸化作用をもつカロチノイド含有エキス、抗酸化剤並びに着色料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8310395A JPH08239658A (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 抗酸化作用をもつカロチノイド含有エキス、抗酸化剤並びに着色料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08239658A true JPH08239658A (ja) | 1996-09-17 |
Family
ID=13792864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8310395A Pending JPH08239658A (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 抗酸化作用をもつカロチノイド含有エキス、抗酸化剤並びに着色料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08239658A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1198972A (ja) * | 1997-09-25 | 1999-04-13 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | 乳幼児用栄養組成物 |
US20220409753A1 (en) * | 2005-06-13 | 2022-12-29 | Dentsply Sirona Inc. | Photosensitising composition and uses thereof |
-
1995
- 1995-03-03 JP JP8310395A patent/JPH08239658A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1198972A (ja) * | 1997-09-25 | 1999-04-13 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | 乳幼児用栄養組成物 |
US20220409753A1 (en) * | 2005-06-13 | 2022-12-29 | Dentsply Sirona Inc. | Photosensitising composition and uses thereof |
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