JPH08239332A - シクロペンタジエン類の製造方法 - Google Patents
シクロペンタジエン類の製造方法Info
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- JPH08239332A JPH08239332A JP7352618A JP35261895A JPH08239332A JP H08239332 A JPH08239332 A JP H08239332A JP 7352618 A JP7352618 A JP 7352618A JP 35261895 A JP35261895 A JP 35261895A JP H08239332 A JPH08239332 A JP H08239332A
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Abstract
ンタジエン類を経済的に合成する方法を提供する。 【解決手段】 下記(I)および(II)の工程を含むこ
とを特徴とするシクロペンタジエン類の製造方法、
(I)合計炭素数が7以上の、同種または異種のケトン
またはアルデヒドあるいはケトンおよびアルデヒドを反
応原料とし、酸触媒または塩基触媒の存在下に反応させ
る工程、(II)得られた反応生成物を固体酸触媒の存在
下に気相で環化脱水する工程。
Description
ロペンタジエン類の新規な製造方法に関する。すなわ
ち、構造が簡単で安価なケトンやアルデヒドから、有用
なシクロペンタジエン類を容易に製造する方法に関す
る。
1,3−ジメチルシクロペンタジエンを例に取り従来技
術を説明する。従来、1,3−ジメチルシクロペンタジ
エンの製造方法は種々提案されている。その中でも工業
的に入手可能な原料から製造する方法には、例えば、
(1)ジシクロペンタジエンをアルカリ金属酸化物の存
在下でメタノールと反応させる方法(特開昭62−72
630号公報)、(2)アセトニルアセトンを環化脱水
して生成した3−メチル−2−シクロペンテン−1−オ
ンにグリニャール試薬を反応させる方法(Die Makromol
ekulare Chemie, 127(1969), p.78-93)、(3)5−
メチル−5−ヘキセン−2−オンをアルミナ等の触媒の
存在下で環化脱水する方法(特開平3−215437号
公報)等がある。しかしながら工業的な観点から、上記
(1)の方法ではモノメチル体またはトリメチル体が副
生するほか、ジメチル基の位置異性体が副生するため
1,3−ジメチル体だけの分離が困難である。(2)の
方法では原料がやや高価なうえ、グリニャール試薬が更
に高価であり、また反応溶媒に引火性の高いエーテル系
の溶媒を使う必要がある。更に(3)の方法では原料が
高価である等の欠点がある。
な事情に鑑み、安価な原料から簡単な反応によってシク
ロペンタジエン類を経済的に合成することを目的とす
る。
(I)および(II)の工程を含むことを特徴とするシク
ロペンタジエン類の製造方法に関する。 (I)合計炭素数が7以上の、同種または異種のケトン
またはアルデヒドあるいはケトンおよびアルデヒドを反
応原料とし、酸触媒または塩基触媒の存在下に反応させ
る工程、(II)得られた反応生成物を固体酸触媒の存在
下に気相で環化脱水する工程。本発明の第2は、前記工
程(I)の反応生成物が、β−ヒドロキシカルボニル化
合物、α,β−不飽和カルボニル化合物またはβ,γ−不
飽和カルボニル化合物を含むものであることを特徴とす
る本発明の第1のシクロペンタジエン類の製造方法に関
する。本発明の第3は、前記工程(I)の反応生成物か
ら、β−ヒドロキシカルボニル化合物、α,β−不飽和
カルボニル化合物および/またはβ,γ−不飽和カルボ
ニル化合物を分離精製することなく、上記反応生成物を
環化脱水することを特徴とする本発明の第1のシクロペ
ンタジエン類の製造方法に関する。本発明の第4は、前
記固体酸触媒が、合成固体酸触媒もしくは天然粘土系固
体酸触媒、または無機酸もしくはヘテロポリ酸を多孔質
無機物に担持させたものであることを特徴とする本発明
の第1のシクロペンタジエン類の製造方法に関する。本
発明の第5は、前記固体酸触媒が、シリカ−アルミナ、
シリカ−マグネシア、シリカ−カルシア、アルミナ、シ
リカおよびゼオライトのいずれかであることを特徴とす
る本発明の第1のシクロペンタジエン類の製造方法に関
する。本発明の第6は、前記環化脱水を120〜600
℃の温度で行うことを特徴とする本発明の第1のシクロ
ペンタジエン類の製造方法に関する。本発明の第7は、
前記環化脱水を反応圧力10kg/cm2以下の条件で行うこ
とを特徴とする本発明の第1のシクロペンタジエン類の
製造方法に関する。本発明の第8は、前記シクロペンタ
ジエン類が1,3−、2,5−もしくは1,4−ジメチル
−1,3−シクロペンタジエンまたはそれらの混合物で
あることを特徴とする本発明の第1のシクロペンタジエ
ン類の製造方法に関する。本発明の第9は、前記反応原
料の少なくとも1つが対称型ケトンであることを特徴と
する本発明の第1のシクロペンタジエン類の製造方法に
関する。本発明の第10は、前記反応原料の組合せが、
アセトンおよびイソブチルアルデヒドであることを特徴
とする本発明の第1のシクロペンタジエン類の製造方法
に関する。
ルデヒドとアルデヒドまたはケトンとアルデヒドとを、
酸または塩基触媒の存在下に反応させる工程である。ケ
トンまたはアルデヒドを反応させる場合には、そのケト
ンまたはアルデヒドは同一であってもまた異なるもので
もよい。反応させるべきケトン、アルデヒドまたはケト
ンとアルデヒドの合計炭素数は、7以上であることが必
要である。合計炭素数が7未満では目的物であるシクロ
ペンタジエン類が生成し難いので好ましくない。合計炭
素数が7以上である限り、ケトンやアルデヒド自体の炭
素数は限定されず、例えば炭素数が3以上7未満のケト
ンまたはアルデヒドを使用することができる。合計炭素
数に上限値は特にないが、通常は20個以下である。
びアルデヒドは、炭素数3のものとしてアセトンおよび
プロピオンアルデヒド;炭素数4のものとしてメチルエ
チルケトン、イソブチルアルデヒドおよびブチルアルデ
ヒド;炭素数5のものとしてジエチルケトン、メチルプ
ロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、バレルアル
デヒド、イソバレルアルデヒド、2−メチルブタナール
および2,2−ジメチルプロパナール;炭素数6のもの
としてメチル−n−ブチルケトン、エチルイソプロピル
ケトン、エチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチル−sec−ブチルケトン、メチル−tert
−ブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサナール、4
−メチルペンタナール、3−メチルペンタナール、2−
メチルペンタナール、2−エチルブタナール、3,3−
ジメチルブタナールおよび2,2−ジメチルブタナー
ル;炭素数7では2,3−ジメチルペンタナール、;炭
素数8ではジブチルケトン、2−エチルヘキサナール等
が挙げられる。そのほかに、アセトフェノンまたはプロ
ピオフェノン等の芳香族カルボニル化合物や2−フェニ
ルプロパナールも用いることができる。
に分岐アルキル基、例えば、イソプロピル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基などが少なくとも1個置換して
いるケトンまたはアルデヒドを、反応基質の少なくとも
一方に使用することが好ましい。このようなケトンまた
はアルデヒドを原料に用いると、目的物質であるシクロ
ペンタジエン類の収率が向上する。上記に該当するもの
としては、イソブチルアルデヒド、2−メチルブタナー
ルなどが例示される。例えば、アセトンとイソブチルア
ルデヒドとを原料に用いると1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエン類が;アセトンと2−メチルブタナールとを
原料に用いると1,3−メチルエチルシクロペンタジエ
ン類および1,2,3−トリメチルシクロペンタジエン類
が;メチルエチルケトンとイソブチルアルデヒドとを原
料に用いると1,3−メチルエチルシクロペンタジエン
類および1,2,4−トリメチルシクロペンタジエン類
が;ジエチルケトンとイソブチルアルデヒドとを原料に
用いると2,4−ジメチル−1−エチルシクロペンタジ
エン類が;シクロヘキサノンとイソブチルアルデヒドと
を原料に用いると2−メチル−4,5,6,7−テトラヒ
ドロインデン類がそれぞれ製造される。
ルデヒドまたはケトンとアルデヒドなどのカルボニル化
合物を、酸触媒または塩基触媒の存在下に反応させる方
法は「アルドール縮合」として知られている。工程
(I)における反応の触媒としては、塩酸、硫酸、パラ
トルエンスルホン酸、塩化亜鉛または亜硫酸水素カリウ
ム等の酸触媒;水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、
水酸化カリウムもしくは水酸化バリウム等の金属水酸化
物;ナトリウムエトキシド等の金属アルコキサイド;ピ
ペリジン、ピロリジン、3−メチルピロリジンまたはジ
エチルアミン等のアミン類;炭酸アルカリ、ナトリウム
アミド、シアン化カリウムまたは酢酸ナトリウム等の塩
基触媒が用いられる。酸触媒または塩基触媒の使用量は
特に限定されないが、通常は、反応基質に対して0.0
1〜10重量%の量が使用される。
は、水、アルコール、エーテル、ベンゼンなど反応に不
活性な適宜の溶媒が用いられるが、また反応基質である
ケトンまたはアルデヒド自体を過剰に用いることもでき
る。反応温度や圧力は系が液相である限り特に限定され
ないが、反応温度は通常0〜200℃の範囲から適宜に
選択される。反応時間も同様に特に限定されないが、通
常は1分〜数十時間の範囲で適宜に選択される。反応終
了後、適宜に水洗および中和を行って触媒を除去するこ
とができる。
と、β−ヒドロキシカルボニル化合物が主として得ら
れ、強酸または強塩基触媒により反応を行うと一旦生成
したβ−ヒドロキシカルボニル化合物の脱水反応が起こ
り、α,β−不飽和カルボニル化合物が得られる。また
反応系中で更にα,β−不飽和カルボニル化合物が異性
化し、β,γ−不飽和カルボニル化合物になることもあ
る。これら、β−ヒドロキシカルボニル化合物、α,β
−不飽和カルボニル化合物およびβ,γ−不飽和カルボ
ニル化合物は、いずれも次の環化脱水反応の原料とする
ことができる。
シカルボニル化合物は、例えば、次の式〔I〕で表され
る。
ボニル化合物は、例えば、次の式〔II〕で表される。
ボニル化合物は、例えば、次の式〔III〕で表される。
ことにより、次の式〔IV〕で表されるシクロペンタジエ
ン類が製造される。
一または異なる基を表し、水素原子、アルキル基あるい
はアリール基を表す。また、式〔I〕から〔IV〕におい
て、R1およびR2を結ぶ点線は、R1とR2が連結して脂
肪族5員環または6員環を構成することができることを
表す。また、式〔IV〕の実線で示される5員環内の破線
はその5員環が2つの二重結合を含むことを示す。
はアルデヒドを反応させた後、酸または塩基触媒を分離
し、β−ヒドロキシカルボニル化合物、α,β−不飽和
カルボニル化合物またはβ,γ−不飽和カルボニル化合
物およびそれらの混合物を含む油分を環化脱水反応に供
することによりシクロペンタジエン類を製造するもので
ある。なお、工程(I)で得られたβ−ヒドロキシカル
ボニル化合物は、別途に酸触媒等で脱水することにより
α,β−不飽和カルボニル化合物とし、またはこれを更
に異性化してβ,γ−不飽和カルボニル化合物とした後
に、次の環化脱水反応に供することもできる。また得ら
れたα,β−不飽和カルボニル化合物を別途に酸触媒等
により異性化してβ,γ−不飽和カルボニル化合物とし
た後、これを次の環化脱水反応に供することもできる。
必要に応じて、得られたβ−ヒドロキシカルボニル化合
物、α,β−不飽和カルボニル化合物、β,γ−不飽和カ
ルボニル化合物またはそれらの混合物を適宜に蒸留など
により分離精製することもできる。好ましくは、酸塩基
触媒の除去のみを行い、それ以上の分離精製をすること
なく、次の工程(II)へ供給する。この方法によれば、
分離精製手段を省略することができ経済的である。な
お、この場合に、共存する未反応物や副生成物などは、
次の工程(II)において妨害作用を及ぼさず、また、目
的物であるシクロペンタジエン類を蒸留等により取得す
る際にも特に障害にならないことが確認された。
化脱水反応を行う。環化脱水反応に有効な固体酸触媒
は、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−
カルシア、アルミナ、シリカ、ゼオライト等の合成系触
媒であっても、また酸性白土、活性白土等の天然粘土系
鉱物触媒等であってもよい。ゼオライトを触媒として用
いる場合、例えば、H−ZSM−5、HX型ゼオライ
ト、HY型ゼオライト、水素ホージャサイトまたは水素
モルデナイト等の水素ゼオライトを含有するものを使用
することができる。これら固体酸触媒にナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属を担持させることにより、触媒
に付着するカーボンを低減することもできる。このほか
にリン酸等の無機酸またはリンタングステン酸、ケイタ
ングステン酸、ケイモリブデン酸等のヘテロポリ酸を、
単独または組み合わせて適宜の担体に担持させて使用す
ることができる。担体の具体例としてはアルミナ、マグ
ネシア、シリカ、活性炭等の多孔質無機物が挙げられ
る。上記の固体酸触媒のうち、触媒の安定性等を考慮す
ると合成系固体酸触媒、特にシリカ−アルミナ、シリカ
−マグネシア、シリカ−カルシア、アルミナ、シリカ、
およびゼオライト等が好ましく用いられる。反応の選択
性が高いことを考慮するとシリカ−アルミナが更に好ま
しく、特にHYゼオライト、水素モルデナイトがよい。
工程(II)の環化脱水反応の触媒は、長時間使用してい
るとコーキング等により次第に活性が低下するが、例え
ば500℃程度の高温下において空気等を用いてデコー
キングすることにより、初期の活性を再現することがで
きる。
は、触媒の組成、接触時間、希釈モル比などに応じて、
120〜600℃、好ましくは250〜500℃の範囲
から選択することができる。この範囲より反応温度が高
くなると、環化脱水反応のみならず生成した化合物が芳
香族化したり、更に芳香族化反応で発生する水素により
生成物であるシクロペンタジエン類が水素添加されたも
のと想像されるシクロモノオレフィンが生成するなど副
反応が急速に進行し、選択率が著しく低下する。また、
反応温度がこの範囲より低いと、目的とする環化脱水反
応の反応速度が小さく経済的に好ましくない。
であるため、反応槽中で濃度が高い状態で長時間高温に
保つと、生成したジオレフィンの一部が重合または二量
化して損失となる。これを避けるには、不活性ガス、例
えば窒素、ヘリウム、アルゴン、スチーム等を同伴させ
て原料濃度を希釈する方法が有効である。希釈倍率に特
に制限はない。
れでもよい。反応圧力は原料または生成物が気化し得る
範囲であれば特に限定はないが、通常は10kg/cm2以下
の圧力であり、好ましくは常圧〜5kg/cm2の範囲であ
る。原料と触媒との接触時間は0.005〜20秒、好
ましくは0.01〜10秒、更に好ましくは0.05〜5
秒である。接触時間がこれより短いと反応率が低下して
好ましくない。また、これより長いと、生成したジオレ
フィンが重合したり水素添加されるなど副反応が多くな
り選択率が低下する。
る。必要に応じて上記ガスを炭化水素等の吸収液に通し
て液化成分を吸収させ、目的生成物を回収してもよい。
水と油分を分離した後、必要に応じて蒸留により油分か
ら高純度の目的生成物を回収することができる。目的生
成物は原料より沸点が低いので、両者は容易に分離する
ことができる。
説明する。以下に記載の%は特に付言しない限り重量%
である。
酸化ナトリウム水溶液500mlを仕込み、攪拌しなが
ら10℃に冷却した。これにイソブチルアルデヒド72
1g(10モル)とアセトン1392g(24モル)と
の混合液を反応液の温度が15℃を越えないような速度
で滴下し、滴下終了後、更に室温で4時間反応させた。
ガスクロマトグラフィーで分析した結果、イソブチルア
ルデヒドは定量的に反応していた。反応液を18%塩酸
で中和した後、エバポレーターで過剰のアセトンを留去
すると2層に分離したので、油層(上層)1380ml
を分離した。油層の組成はガスクロマトグラフィーで分
析したところ以下の組成であった。 ジアセトンアルコール 13.0% 5−メチル−3−ヘキセン−2−オン 8.8% 5−メチル−4−ヒドロキシヘキサン−2−オン 59.1% 重質物 17.1%
ルエン1250mlとパラトルエンスルホン酸1.75
gを加え、トルエンの還流温度下でトルエンと水の共沸
により水を反応系外に除去しながら3時間加熱した。ガ
スクロマトグラフィー分析により5−メチル−4−ヒド
ロキシヘキサン−2−オンが完全に消費されていること
を確認した。反応終了後、消石灰で中和して濾過を行
い、更に常圧蒸留によりトルエンを除去して216gの
粗生成物を得た。この粗生成物をガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ以下の組成であった。 4−メチル−3−ペンテン−2−オン 1.8% 5−メチル−3−ヘキセン−2−オン 56.8% 5−メチル−4−ヘキセン−2−オン 5.8% 重質物 33.8%
ルエン1250mlとパラトルエンスルホン酸20gを
加え、トルエンの還流温度下でトルエンと水の共沸によ
り水を反応系外に除去しながら10時間加熱した。ガス
クロマトグラフィー分析の結果、5−メチル−4−ヒド
ロキシヘキサン−2−オンは完全に消費されていた。反
応終了後、消石灰で中和して濾過を行い、更に常圧蒸留
によりトルエンを除去して208gの粗生成物を得た。
この粗生成物を更に蒸留して以下の組成の留分108g
を得た。 5−メチル−3−ヘキセン−2−オン 75% 5−メチル−4−ヘキセン−2−オン 25%
20メッシュに調整し、内径12mm、長さ1mのステ
ンレス管に15ml充填した。次に、上記工程(I)
(その1)で得た反応粗生成物100mlを15ml/hr
の流量で、また希釈剤として水を60ml/hr の流量で、
予熱管を経由して反応温度380℃で触媒層に通し、環
化脱水反応を行った。触媒との接触時間は0.34秒で
あった。環化脱水物を冷却し、ガスおよび水を分離した
後、有機層についてガスクロマトグラフィーにより分析
したところ、5−メチル−4−ヒドロキシヘキサン−2
−オンのピークは消失しており、ジメチルシクロペンタ
ジエン類25.7%を含む反応液が得られた。上記反応
液を常圧蒸留したところ、沸点101〜104℃の留分
10.5gが得られた。これを核磁気共鳴(NMR)、
赤外分光法(IR)および質量分析(MS)により測定
した結果、主成分は1,3−ジメチル−1,3−シクロペ
ンタジエンであった。
シリカ−アルミナ触媒(商品名:N633L、日揮化学
(株)製)を用いて、工程(II)(その1)と同様に反応
を行ったところ、5−メチル−3−ヘキセン−2−オン
および5−メチル−4−ヘキセン−2−オンのピークは
ほぼ消失し、ジメチルシクロペンタジエン類42.5%
を含む反応液が得られた。工程(II)(その1)と同様
に、得られた反応液を常圧蒸留したところ、沸点101
〜104℃の留分25.2gが得られた。NMR、I
R、MS分析の結果、主成分は1,3−ジメチル−1,3
−シクロペンタジエンであることが判った。
にシリカ−アルミナ触媒(商品名:N633L、日揮化
学(株)製)を用いて、工程(II)(その1)と同様に反
応を行ったところ、5−メチル−3−ヘキセン−2−オ
ンおよび5−メチル−4−ヘキセン−2−オンのピーク
はほぼ消失し、ジメチルシクロペンタジエン類39.3
%を含む反応液が得られた。工程(II)(その1)と同
様に、得られた反応液を常圧蒸留したところ、沸点10
1〜104℃の留分10.8gが得られた。NMR、I
R、MS分析の結果、主成分は1,3−ジメチル−1,3
−シクロペンタジエンであることが判った。
い、反応温度を430℃としたほかは工程(II)(その
3)と同様にして、工程(I)(その3)の蒸留流出液
100mlの反応を行い、ジメチルシクロペンタジエン
類50.8%を含む反応液60.8gを得た。ガスクロマ
トグラフィーにより分析したところ、ジメチルシクロペ
ンタジエン類の主成分は1,3−ジメチル−1,3−シク
ロペンタジエンであった。
hr を使用したほかは、工程(II)(その4)と同様に
して反応を行った。反応物は同様に冷却した後、窒素と
共にクメン溶液の中に導入し、反応粗生成物中の油分を
クメンに吸収させた。クメン層から少量の水を分離した
後、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、クメン
を除いた基準で換算すると、1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエン類を71.8%含んでいることが判った。
び触媒として10%水酸化ナトリウム水溶液を仕込ん
だ。ただし、実施例3では触媒として水酸化ナトリウム
水溶液に代わって1N−水酸化カリウム−エタノール溶
液100mlを塩基として用いた。これに2モルのアル
デヒドと2モルのケトンの混合液を反応液の温度が25
℃を越えないような速度で滴下し、滴下終了後、更に室
温で16時間反応させた。上記ケトンおよびアルデヒド
の種類ならびにエタノールの使用量を表1に示す。反応
液を10%硫酸で中和した後、エバポレーターで溶媒、
過剰のケトンおよび未反応のアルデヒドを留去した。得
られた溶液についてガスクロマトグラフィー分析、赤外
分光分析および質量分析を行い、相当するヒドロキシケ
トンが主成分であることを確認した。これにヘキサン2
50mlと10%硫酸10mlを加え、ヘキサンの還流
温度下でヘキサンと水の共沸により水を反応系外に除去
しながら3〜6時間加熱した。ガスクロマトグラフィー
分析により相当するヒドロキシケトンが完全に消費さ
れ、ガスクロマトグラフィー保持時間のより短い位置に
大きなピークが見られることを確認した。10%水酸化
ナトリウム水溶液で中和し、常圧蒸留によりヘキサンと
水を除去し、更に減圧蒸留で表1に示す粗生成物を得
た。この粗生成物をガスクロマトグラフィー、赤外分光
分析、NMR分析および質量分析を行ったところ相当す
るエノンが主成分であった。
ッシュに調整し、内径12mm、長さ1mのステンレス
管に15ml充填した。次に、上記工程(I)で得た反
応粗生成物150mlを10ml/hr の流量で、また希
釈剤として水を60ml/hr の流量で、予熱管を経由して
反応温度330℃で触媒層に通し、環化脱水反応を行っ
た。環化脱水物を冷却し、ガスおよび水を分離した後、
有機層についてガスクロマトグラフィーにより分析した
ところ、相当するエノンのピークは大幅に減少してお
り、更にガスクロマトグラフィー保持時間の短いピーク
を含む反応液が得られた。上記反応液を減圧蒸留し、表
2から表5に示す沸点の留分を得た。これらをNMR、
赤外分光法および質量分析により測定した結果、それぞ
れ表2から表5に示す構造の置換シクロペンタジエンで
あることが判った。
ロペンタジエン類を製造する方法であり、安価な原料か
ら簡単な反応工程で高収率に製造し得る点が特に有利で
ある。
Claims (10)
- 【請求項1】 下記(I)および(II)の工程を含むこ
とを特徴とするシクロペンタジエン類の製造方法、
(I)合計炭素数が7以上の、同種または異種のケトン
またはアルデヒドあるいはケトンおよびアルデヒドを反
応原料とし、酸触媒または塩基触媒の存在下に反応させ
る工程、(II)得られた反応生成物を固体酸触媒の存在
下に気相で環化脱水する工程。 - 【請求項2】 前記工程(I)の反応生成物が、β−ヒ
ドロキシカルボニル化合物、α,β−不飽和カルボニル
化合物および/またはβ,γ−不飽和カルボニル化合物
を含むものであることを特徴とする請求項1に記載のシ
クロペンタジエン類の製造方法。 - 【請求項3】 前記工程(I)の反応生成物からβ−ヒ
ドロキシカルボニル化合物、α,β−不飽和カルボニル
化合物および/またはβ,γ−不飽和カルボニル化合物
を分離精製することなく、該反応生成物を環化脱水する
ことを特徴とする請求項1に記載のシクロペンタジエン
類の製造方法。 - 【請求項4】 前記固体酸触媒が、合成固体酸触媒もし
くは天然粘土系固体酸触媒、または無機酸もしくはヘテ
ロポリ酸を多孔質無機物に担持させたものであることを
特徴とする請求項1に記載のシクロペンタジエン類の製
造方法。 - 【請求項5】 前記固体酸触媒が、シリカ−アルミナ、
シリカ−マグネシア、シリカ−カルシア、アルミナ、シ
リカおよびゼオライトのいずれかであることを特徴とす
る請求項1に記載のシクロペンタジエン類の製造方法。 - 【請求項6】 前記環化脱水を120〜600℃の温度
で行うことを特徴とする請求項1に記載のシクロペンタ
ジエン類の製造方法。 - 【請求項7】 前記環化脱水を反応圧力10kg/cm2以下
の条件で行うことを特徴とする請求項1に記載のシクロ
ペンタジエン類の製造方法。 - 【請求項8】 前記シクロペンタジエン類が1,3−、
2,5−もしくは1,4−ジメチル−1,3−シクロペン
タジエンまたはそれらの混合物であることを特徴とする
請求項1に記載のシクロペンタジエン類の製造方法。 - 【請求項9】 前記反応原料の少なくとも1つが対称型
ケトンであることを特徴とする請求項1に記載のシクロ
ペンタジエン類の製造方法。 - 【請求項10】 前記反応原料の組合せが、アセトンお
よびイソブチルアルデヒドであることを特徴とする請求
項1に記載のシクロペンタジエン類の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35261895A JP3761950B2 (ja) | 1994-12-29 | 1995-12-29 | シクロペンタジエン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-340509 | 1994-12-29 | ||
JP34050994 | 1994-12-29 | ||
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08239332A true JPH08239332A (ja) | 1996-09-17 |
JP3761950B2 JP3761950B2 (ja) | 2006-03-29 |
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JP (1) | JP3761950B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013084828A1 (ja) * | 2011-12-07 | 2013-06-13 | 住友化学株式会社 | アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンの製造方法 |
CN110746262A (zh) * | 2018-07-24 | 2020-02-04 | 新乡市博源生物科技有限公司 | 一种化合物的合成工艺 |
-
1995
- 1995-12-29 JP JP35261895A patent/JP3761950B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2013084828A1 (ja) * | 2011-12-07 | 2013-06-13 | 住友化学株式会社 | アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンの製造方法 |
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