JPH08236003A - チップ型電流保護素子およびその製造法 - Google Patents

チップ型電流保護素子およびその製造法

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JPH08236003A
JPH08236003A JP7312421A JP31242195A JPH08236003A JP H08236003 A JPH08236003 A JP H08236003A JP 7312421 A JP7312421 A JP 7312421A JP 31242195 A JP31242195 A JP 31242195A JP H08236003 A JPH08236003 A JP H08236003A
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thickness
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chip
insulating substrate
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JP7312421A
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Koichi Tsuyama
宏一 津山
Koji Nishimura
厚司 西村
Yorio Iwasaki
順雄 岩崎
Minoru Taniguchi
▲穣▼ 谷口
Mitsuo Tetsupouzuka
三夫 鉄▲砲▼塚
Wataru Shimizu
亘 清水
Hisachika Kobori
久爾 小堀
Kosuke Takada
孝輔 高田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】電流保護素子の形成精度に優れ、放熱を抑える
と共に発煙、発火の抑制され、溶断後の絶縁抵抗が高く
信頼性の高いチップ型電流保護素子とその製造法を提供
する。 【解決手段】両面に金属箔を張合わされた絶縁基板にお
いて、この厚さが3から8ミクロンである金属箔をエッ
チングすることによって複数の電流保護素子配線部5
を、絶縁基板の片面に形成し、この形成物と、絶縁材料
と、金属箔とを、積層接着し、もしくは、電流保護素子
配線部の形成物と、金属箔張りの絶縁材料とを、積層接
着する工程において、積層接着物の特定部に圧力がかか
らないように、穴の開いた板で圧力をかけて、積層接着
し、この積層接着物に端面接続用の穴8をあけ、めっき
を行い、穴8内を導体化し、電極部分をエッチングで形
成し、穴8部分の切断によって、この部分が両端の電極
部10となるように、個々のチップ型電流保護素子に切
り分ける製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機樹脂製チップ
型電流保護素子及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】電流保護素子は、電子機器の過電流保護
に使用されるものである。本発明でいう電流保護素子
は、電気回路と直列につなぎ、過電流が流れた時に、保
護素子内の配線が切断され、それ以降の電流を遮断する
ことによって、機器の保護を行うものである。この様な
素子は、一般的な名称として、ヒューズと言われている
が、ヒューズと言うためには、各種規格に定められた特
性を満たす必要がある。しかし、電子機器の多様化にと
もない、従来のヒューズ規格と異なる特性の電流保護素
子も現れてきている。本発明は、ヒューズを含め、上に
述べたような動作機構を行う電流保護素子(英名:カレ
ントプロテクタ)に関するものである。過電流保護装置
には、上記の様な電流保護素子の他、サイリスタやトラ
ンジスタを用いた電子スイッチを使用することもでき
る。しかし、そのような場合、回路部品が増加するこ
と、また、その保護回路によって消費される電力も増加
することから、電池動作の携帯型機器等のように、小形
化、低消費電力を要求される用途には、必ずしも適して
いなかった。
【0003】そこで、特開昭60−143544号公報
にも開示されているように、セラミック基体に、第1層
に銀または銀−パラジウム、第2層にニッケル層、第3
層にはんだまたは錫の3層の導電層を形成し、はんだ付
け時の溶断特性を向上したものが知られている。また、
この公報には、導電層表面をシリコーン樹脂等の不燃
(難燃)性樹脂で被覆することも開示されている。しか
し、セラミック基体に、電流保護素子(ヒューズ)を設
けたものは、セラミック基体の熱抵抗が小さく、たと
え、前記特開昭60−143544号公報に開示されて
いるように、不燃(難燃)性の樹脂で、電流保護素子を
覆ったとしても、放熱性が高く、周囲の温度によって、
溶断する電流値がばらつくことが多いという課題があっ
た。
【0004】このセラミック基体の課題を解決するため
に、有機樹脂製絶縁基板を用いる方法がある。しかし、
基板の樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイ
ミド樹脂等の場合、発煙や燃焼の問題があった。そこ
で、絶縁基板に有機樹脂の一つであるフッ素樹脂を用い
ることによって、セラミックスに比べて熱伝導性を低く
でき、ヒューズの溶断精度を向上できることが、特開平
5−166454号公報に開示されている。この公報で
も、ヒューズ配線の表面をシリコーン樹脂(ゴム)で被
覆することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−16645
4号公報では、基材に不燃(難燃)性の性質を有するフ
ッ素樹脂を用いることによって、特開昭60−1435
44号公報の上記の問題点を解決した。しかし、ヒュー
ズ配線の表面の被覆にシリコーンゴムを用いているた
め、過電流通電の条件によって、溶断時の高温によっ
て、シリコーンゴム被膜がわずかに損傷し、1から2秒
間程度、微量の煙のでることがあるという課題があっ
た。電流保護素子配線部の形成は、特開昭63−141
233号公報に開示されているように、印刷またはめっ
きによって行われていたが、この電流保護素子配線部
(ヒューズ)の形成精度、特に厚さの制御を行うことが
困難であり、電流保護素子配線部の抵抗値のばらつき
を、ロット間を含めて30%以内におさめることは困難
であった。
【0006】本発明は、電流保護素子の形成精度(配線
の厚さ、幅)に優れ、また有機樹脂製絶縁基板を用いる
ことによって放熱を抑えると共に発煙、発火の抑制さ
れ、さらに、溶断後の絶縁抵抗が高く信頼性の高いチッ
プ型電流保護素子とその製造法を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ型電流保
護素子は、有機樹脂製絶縁基板と、この絶縁基板の両端
に設けられた1対の電極と、前記電極間に配線形成さ
れ、かつ、絶縁基板の内部に収容された電流保護素子配
線部とからなるチップ型電流保護素子において、電流保
護素子配線部の配線の厚さが3から8ミクロンであり、
かつ、電流保護素子配線部およびその近傍が、絶縁基板
材料と接着していないことを特徴とする。
【0008】ここで、電流保護素子配線部の厚さが、3
ミクロン以下では、厚さ精度の管理が難しく、また、ピ
ンホールの発生も避けがたい。8ミクロン以上では、過
電流通電時の溶断を精度よく行うための電流保護素子配
線の形成が困難になる。配線を形成するための絶縁基板
に使用する金属箔としては、極薄銅箔やアルミニウムキ
ャリア付きの極薄銅箔、特開平4−217815号公報
に示されている銅(キャリア)/ニッケル合金(ストッ
パ)/銅(極薄銅)の複合箔を用いる方法などがある。
【0009】本発明の目的から、金属箔の厚さの精度が
極めて重要である。筆者らの得た実験結果から、電流保
護素子配線部の抵抗のばらつきを15%以下に抑えるた
めには、金属箔の厚さの精度をプラスマイナス5%程度
以内にする必要があり、抵抗のばらつきを12%以下に
抑えるためには、金属箔の厚さの精度をプラスマイナス
3%程度以内にする必要があった。上記の極薄銅箔や複
合箔は、電解法や圧延法で製造され、その厚さ精度は、
一般的に入手できるものでも極めて良好である。重量測
定(複合箔では、極薄銅層を溶解して測定)の結果で
は、平均値に対して、同一ロット品では、プラスマイナ
ス1%程度であった。抵抗のばらつきの許容度によっ
て、要求される金属箔の厚さの精度は異なるが、上記の
結果から、金属箔の厚さ精度は、プラスマイナス5%以
内、より望ましくは、3%以内である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いる有機樹脂製絶縁基
板は、樹脂と強化材とからなる基材を用いることが望ま
しく、この樹脂は、フッ素樹脂が望ましい。強化材は、
ガラス布、ガラス紙から選択されたものであることが望
ましい。
【0011】基材に用いるフッ素樹脂は、これ自体が極
めて燃えにくく、また、煙もでにくいことから、本構造
と組合わせることによって、さらに効果が高まる。フッ
素樹脂には、ポリテトラフルオロエチレンや、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、
テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重
合体のような共重合体、フッ素樹脂を他の有機樹脂で変
成した変成樹脂等が使用可能である。価格からは、ポリ
テトラフルオロエチレンが安く好適である。また、成形
温度が低いことからは、テトラフルオロエチレン−エチ
レン共重合体が適している。
【0012】このようなチップ型電流保護素子は、 a.両面に張合わされた金属箔のうち、少なくとも片面
の金属箔の厚さが3から8ミクロンである絶縁基板にお
いて、この厚さが3から8ミクロンである金属箔をエッ
チングすることによって複数の電流保護素子配線部を、
絶縁基板の片面に形成する工程、 b.電流保護素子配線部の形成物と、絶縁材料と、金属
箔とを、積層接着する工程、もしくは、電流保護素子配
線部の形成物と、金属箔張りの絶縁材料とを、積層接着
する工程において、積層接着物の特定部に圧力がかから
ないように、穴の開いた板で圧力をかけて、積層接着す
る工程、 c.この積層接着物に端面接続用の穴をあける工程、 d.めっきを行い、端面接続用の穴内を導体化する工
程、 e.電極部分をエッチングで形成する工程、 f.端面接続用の穴部分の切断によって、この部分が両
端の電極部となるように、個々のチップ型電流保護素子
に切り分ける工程、 を含む一連の工程によって作製することができる。
【0013】また、別の方法として、 a.絶縁基板に張合わす金属箔のうち、少なくとも、一
方の面の金属箔が、10から50ミクロンの範囲の厚さ
の第1の銅層と、3から8ミクロンの範囲の厚さの第2
の銅層と、その2つの銅層の中間層として厚さが1ミク
ロン以下のニッケルあるいはその合金層を有する金属箔
であり、その金属箔を、第2の銅層が接触するように張
りあわす工程、 b.第1の銅層を除去する工程、 c.さらに、中間層を除去し、第2の銅層を露出させる
工程、 d.第2の銅層をエッチングすることによって複数の電
流保護素子配線部を絶縁基板の片面に形成する工程、 e.電流保護素子配線部の形成物と、絶縁材料と、金属
箔とを、積層接着する工程、もしくは、電流保護素子配
線部の形成物と、金属箔張りの絶縁材料とを、積層接着
する工程において、積層接着物の特定部に圧力がかから
ないように、穴の開いた板で積層接着物に圧力をかけ
て、積層接着する工程、 f.この積層接着物に端面接続用の穴をあける工程、 g.めっきを行い、端面接続用の穴内を導体化する工
程、 f.電極部分をエッチングで形成する工程、 h.端面接続用の穴部分の切断によって、この部分が両
端の電極部となるように、個々のチップ型電流保護素子
に切り分ける工程、 を含む一連の工程によって作製することができる。
【0014】素子の設置される場所の環境温度変化や、
素子自身を流れる電流のオン、オフによる温度変化によ
る熱ストレスは、電流保護素子と同一面の電極と端面接
続部がつながる部分に集中しやすい。そこで、この部分
の電極の厚さを厚くすることが、接続信頼性を向上する
のに効果がある。その厚さは、厚いほど効果があるが、
あまり厚いと、製造上の負担(作業時間の増加、材料の
増加、樹脂材料による埋め込み性低下にともなう積層接
着条件の変更など)が増加する。また、ある程度以上の
厚さになると、それ以上厚くしても、その効果が小さく
なる。これらのことから、その厚さは、10から50ミ
クロンが適している。この部分の形成は、極薄銅箔を用
いる場合には、めっきレジストで他の部分を被覆して、
電極部のみにめっきを行うことによってできる。また、
先に述べた三層からなる複合箔を用いる場合には、第1
の銅層のエッチング時に、エッチングレジストで電極部
を被覆して、電極部のみに第1の銅層を残すことによっ
て得ることができる。
【0015】電流保護素子配線部の形成物と他の材料と
の接着には、基板に使われているフッ素樹脂の再軟化、
溶着によってもよいが、電流保護素子配線部の形成物と
他の絶縁板材料との間に、軟化点が低い樹脂フィルムを
介挿し、このフィルムによって接着してもよい。このと
きに、樹脂フィルムの厚さが厚いと、積層接着時に圧力
がかからないようにして、接着させないことを意図した
部分も、樹脂の流れなどによって接着する現象がおき
る。このことを防ぐためには、接着フィルムは、30ミ
クロン以下、より望ましくは、15ミクロン以下であ
る。なお、安定的に入手できることが必要なことから、
5ミクロン以上が望ましい。なお、積層接着時に電流保
護素子配線部の形成物に用いられている樹脂材料の軟化
点よりも低い材料を介挿して、積層接着する方が、寸法
精度は向上し(積層接着における電流保護素子配線部の
形成物の熱歪みが小さくなる)、小型のチップ型電流保
護素子の製造法としては適している。このとき、接着以
外の絶縁材料には、ポリテトラフルオロエチレンを用
い、接着には、ポリテトラフルオロエチレンに比べて軟
化点の低いテトラフルオロエチレンとエチレンの共重合
体を用いる組合わせが適している。
【0016】本発明は、絶縁基板内に電流保護素子配線
部が収容された構造とし、過電流による溶断時に、外部
に火花や煙の発生しにくくしたものである。特に、基材
にフッ素樹脂を用いることにより、フッ素樹脂の耐熱性
が高く、空気中では燃えないことから、素子の発火を防
ぎ、安全性が高いという利点が得られる。この点につい
ては、基材にセラミックスを用いたものも、同様に安全
であるが、セラミックスでは熱抵抗が低く、溶断に必要
な熱が局所に集中しにくいため、低電流で溶断する電流
保護素子の製造が難しかったが、本発明の場合は、有機
樹脂を主体としているので、その問題も解決されてい
る。さらに、本発明では、電流保護素子配線部を接着し
ないようにしている。このため、電流保護素子配線部周
辺に酸素を含む空気を保つことができ、過電流が通電す
る時の発熱によって、配線が速やかに酸化されて溶断す
る効果が得られる。また、空気があれば、フッ素樹脂は
加熱されてもほとんど炭化物が生じず、速やかに不燃性
のガスになっているものと思われるが、空気のない状
態、すなわち、フッ素樹脂中で、抵抗線を加熱した場合
には、フッ素樹脂でも炭化物を生成しすることを見いだ
した。電流保護素子配線部を基板内に収容した場合に
も、過電流による溶断時にも同様の炭化現象が見られ、
溶断後の絶縁抵抗のばらつきの原因の一つと考えられ
た。本発明では、溶断後の絶縁抵抗が充分に高くなる作
用が得られ、特に、電流保護素子を高信頼性を要求され
る用途に用いる場合に有効である。即ち、わずかながら
存在する空気によって、炭化物の生成を防ぎ、また、空
気の存在によって、電流保護素子配線部の酸化が速やか
に起こり、溶断特性がシャープになっているものと考え
られる。
【0017】
【実施例】
実施例1 片面に厚さが5ミクロンの極薄銅箔を、他方の面には通
常の18ミクロンの銅箔を張りあわせた絶縁基板を作製
した(図1(a)に示す。)。この絶縁基板の基材に
は、自家製のガラス布強化ポリテトラフルオロエチレン
樹脂プリプレグを用い、極薄銅箔と通常銅箔を重ねあわ
せて、プレス条件を、温度380℃、時間90分間、圧
力20kg/cm2として作製した。このものをエッチン
グすることによって、電流保護素子配線部のパターンの
形成を行った。パターンは、複数の電流保護素子配線部
が電極を挾んで縦方向には直列となるように配列し、横
方向には1列の連続した配列を並行に整列した形状とし
た(図1(b)に示す。)。電流保護素子配線部の形成
物と、片面に銅箔張りのガラス布強化ポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂絶縁基板とを、6ミクロンの厚さのテト
ラフルオロエチレン−エチレン共重合体フィルムである
アフレックスCOPフィルム(商品名、旭ガラス株式会
社製)を介挿して積層接着した。この積層接着は、積層
接着物の特定部(最終的に、電流保護素子配線部となる
部分及びその近傍)に圧力がかからないように、積層接
着物の片面に穴の開いた金属板(圧着用)を挟んで行っ
た(図1(c)に示す。ただし、図では、厚さ6ミクロ
ンの樹脂フィルムを省略した)。このものに、図1
(d)に示すように、端面接続用の穴をあけ、15ミク
ロンの厚さのめっきを行った(図1(e)に示す。)。
次に、図1(f)に示すように、電極部をエッチングに
よって形成した。
【0018】実施例2 15ミクロンの厚さの第1の銅層と、5ミクロンの厚さ
の第2の銅層と、その2つの銅層の中間層として厚さが
0.2ミクロンのニッケル−リン合金層を有する金属箔
を準備した。この金属箔は、特開昭4−217815号
公報にも示されている公知のものである。この金属箔
を、第2の銅層が接触するように、一方の面に、他方の
面には、18ミクロンの銅箔を張りあわせた絶縁基板を
作製した。絶縁基板の材料、積層接着条件は、実施例1
と同じである。次に、第1の銅層を除去し(形状は、図
1(a)と同じ)、さらに、中間層を除去し、第2の銅
層を露出させた後、第2の銅層をエッチングして複数の
電流保護素子配線部を形成した(形状は、図1(b)と
同じ)。電流保護素子配線部の形成物と、この絶縁材料
の両面に位置するように配置するテトラフルオロエチレ
ンとエチレンの共重合体であるアフレックスフィルム
(旭ガラス株式会社製、商品名)の12ミクロンの厚さ
のものと、さらに、ポリテトラフルオロエチレン樹脂と
ガラス布強化材からなる基材の片面に銅箔つきである絶
縁材料とを、穴の開いた金属板(圧着用)の穴の部分を
電流保護素子配線部と位置合せして積層接着した。この
時のプレス条件は、温度280℃、時間30分間、圧力
20kg/cm2とした(形状は、図1(c)と同じ)。
この積層接着物に端面接続用の穴をあけ、めっきを行
い、端面接続用の穴内を導体化した後、電極部分をエッ
チングで形成した。
【0019】比較例 穴のあいた金属板(圧着用)を用いなかったことを除
き、実施例1の工程、材料ともに全く同じにして作製し
た。実施例1、2および、比較例で作製したチップ型電
流保護素子基板を、電流保護素子単位となるように切断
した。
【0020】実施例、比較例ともに、電流保護素子配線
部の導体幅が、0.05mmであり、抵抗値が約180
mΩであった。その抵抗値のばらつきは、10%以内で
あった。溶断試験をそれぞれ20個づつ行った結果、実
施例1、2ともに、溶断後の抵抗値は、10メグオーム
以上あり、ほとんどは、ギガオームのレベルであった。
比較例では、50キロオームから500メグオームの範
囲にあった。なお、発火や発煙は、実施例、比較例とも
にすべてのもので見られなかった。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、発火
や発煙の抑制に優れているとともに、低電流に対しても
溶断可能なチップ型電流保護素子において、とくに、溶
断後の絶縁抵抗が高く、信頼性の高いチップ型電流保護
素子およびその製造法を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、本発明の一実施例を説明す
るための各工程であり、(a)および(c)〜(f)は
断面図、(b)は平面図を示す。
【図2】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1.極薄銅箔 2.基材 3.銅箔 4.電極部 5.電流保護素子配線部 6.圧着用の金属板 21.基材 8.端面接続用の穴 9.めっき 10.電極部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 ▲穣▼ 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 鉄▲砲▼塚 三夫 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 清水 亘 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 小堀 久爾 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 高田 孝輔 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機樹脂製絶縁基板と、この絶縁基板の両
    端に設けられた1対の電極と、前記電極間に配線形成さ
    れ、かつ、絶縁基板の内部に収容された電流保護素子配
    線部とからなるチップ型電流保護素子において、電流保
    護素子配線部の配線の厚さが3から8ミクロンであり、
    かつ、電流保護素子配線部およびその近傍が、絶縁基板
    材料と接着していないことを特徴とするチップ型電流保
    護素子。
  2. 【請求項2】3から8ミクロンの厚さの配線の厚さ精度
    が、その平均値に対してプラスマイナス5%以内である
    ことを特徴とする請求項1に記載のチップ型電流保護素
    子。
  3. 【請求項3】電流保護素子配線部と同一面の電極部の配
    線の厚さが、10から50ミクロンであることを特徴と
    する請求項1または2のいずれかに記載のチップ型電流
    保護素子。
  4. 【請求項4】有機樹脂製絶縁基板が、樹脂と強化材から
    なり、該樹脂がフッ素樹脂であり、該強化材が、ガラス
    布、ガラス紙から選択されたものであることを特徴とす
    る請求項1から3のうちいずれかに記載のチップ型電流
    保護素子。
  5. 【請求項5】a.両面に張合わされた金属箔のうち、少
    なくとも片面の金属箔の厚さが3から8ミクロンである
    絶縁基板において、この厚さが3から8ミクロンである
    金属箔をエッチングすることによって複数の電流保護素
    子配線部を、絶縁基板の片面に形成する工程、 b.電流保護素子配線部の形成物と、絶縁材料と、金属
    箔とを、積層接着する工程、もしくは、電流保護素子配
    線部の形成物と、金属箔張りの絶縁材料とを、積層接着
    する工程において、積層接着物の特定部に圧力がかから
    ないように、穴の開いた板で圧力をかけて、積層接着す
    る工程、 c.この積層接着物に端面接続用の穴をあける工程、 d.めっきを行い、端面接続用の穴内を導体化する工
    程、 e.電極部分をエッチングで形成する工程、 f.端面接続用の穴部分の切断によって、この部分が両
    端の電極部となるように、個々のチップ型電流保護素子
    に切り分ける工程、 を含むことを特徴とするチップ型電流保護素子の製造
    法。
  6. 【請求項6】a.絶縁基板に張合わす金属箔のうち、少
    なくとも、一方の面の金属箔が、10から50ミクロン
    の範囲の厚さの第1の銅層と、3から8ミクロンの範囲
    の厚さの第2の銅層と、その2つの銅層の中間層として
    厚さが1ミクロン以下のニッケルあるいはその合金層を
    有する金属箔であり、その金属箔を、第2の銅層が接触
    するように張りあわす工程、 b.第1の銅層を除去する工程、 c.さらに、中間層を除去し、第2の銅層を露出させる
    工程、 d.第2の銅層をエッチングすることによって複数の電
    流保護素子配線部を絶縁基板の片面に形成する工程、 e.電流保護素子配線部の形成物と、絶縁材料と、金属
    箔とを、積層接着する工程、もしくは、電流保護素子配
    線部の形成物と、金属箔張りの絶縁材料とを、積層接着
    する工程において、積層接着物の特定部に圧力がかから
    ないように、穴の開いた板で積層接着物に圧力をかけ
    て、積層接着する工程、 f.この積層接着物に端面接続用の穴をあける工程、 g.めっきを行い、端面接続用の穴内を導体化する工
    程、 f.電極部分をエッチングで形成する工程、 h.端面接続用の穴部分の切断によって、この部分が両
    端の電極部となるように、個々のチップ型電流保護素子
    に切り分ける工程、 を含むことを特徴とするチップ型電流保護素子の製造
    法。
  7. 【請求項7】3から8ミクロンの厚さの金属箔または3
    から8ミクロンの厚さの第2の銅層の厚さ精度が、その
    平均値に対してプラスマイナス5%以内であることを特
    徴とする請求項5または6に記載のチップ型電流保護素
    子の製造法。
  8. 【請求項8】絶縁基板が、樹脂と強化材からなり、樹脂
    がフッ素樹脂であり、強化材が、ガラス布、ガラス紙か
    ら選択されたものであることを特徴とする請求項5から
    7のうちいずれかに記載のチップ型電流保護素子の製造
    法。
  9. 【請求項9】絶縁材料の積層接着工程において、積層接
    着を、電流保護素子配線部の形成物に使用した絶縁材料
    の樹脂よりも軟化点が低く、かつ、その厚さが5から3
    0ミクロンである樹脂のフィルムを介挿することによっ
    て行うことを特徴とする請求項5から8のうちいずれか
    に記載のチップ型電流保護素子の製造法。
  10. 【請求項10】軟化点の低い樹脂材料が、エチレンとテ
    トラフルオロエチレンの共重合体であり、他の樹脂材料
    がポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする
    請求項5から9のうちいずれかに記載のチップ型電流保
    護素子の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014201060A (ja) * 2013-04-03 2014-10-27 Jx日鉱日石金属株式会社 キャリア付銅箔

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