JPH08234833A - プラント運転支援用異常事象原因究明方法 - Google Patents
プラント運転支援用異常事象原因究明方法Info
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- JPH08234833A JPH08234833A JP4047595A JP4047595A JPH08234833A JP H08234833 A JPH08234833 A JP H08234833A JP 4047595 A JP4047595 A JP 4047595A JP 4047595 A JP4047595 A JP 4047595A JP H08234833 A JPH08234833 A JP H08234833A
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- factor
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- G05—CONTROLLING; REGULATING
- G05B—CONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
- G05B23/00—Testing or monitoring of control systems or parts thereof
- G05B23/02—Electric testing or monitoring
- G05B23/0205—Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults
- G05B23/0259—Electric testing or monitoring by means of a monitoring system capable of detecting and responding to faults characterized by the response to fault detection
- G05B23/0275—Fault isolation and identification, e.g. classify fault; estimate cause or root of failure
- G05B23/0278—Qualitative, e.g. if-then rules; Fuzzy logic; Lookup tables; Symptomatic search; FMEA
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Fuzzy Systems (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Quality & Reliability (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 MYCIN手法を用いて挙げられた要因の中
から、要因の絞り込みを行って、原因を見つけ出す精度
を上げる。 【構成】 複数要因の内のある要因10Cが異常事象1
00Cの原因であれば発生し得ない他の要因の派生事象
について、この発生し得ない他の要因の派生事象を否定
した否定形の派生事象12C,1MCを、上記ある要因
10Cの派生事象としてフォールトツリー図に追加す
る。
から、要因の絞り込みを行って、原因を見つけ出す精度
を上げる。 【構成】 複数要因の内のある要因10Cが異常事象1
00Cの原因であれば発生し得ない他の要因の派生事象
について、この発生し得ない他の要因の派生事象を否定
した否定形の派生事象12C,1MCを、上記ある要因
10Cの派生事象としてフォールトツリー図に追加す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラント運転支援装置
に適用され、異常事象とその原因となる複数の要因の関
係、および上記要因とその派生事象の関係を示すフォー
ルトツリー図、上記派生事象の発生度合を示す事象評価
値を用いて、プラント運転支援装置の異常事象の原因究
明を行うプラント運転支援用異常事象原因究明方法に関
する。
に適用され、異常事象とその原因となる複数の要因の関
係、および上記要因とその派生事象の関係を示すフォー
ルトツリー図、上記派生事象の発生度合を示す事象評価
値を用いて、プラント運転支援装置の異常事象の原因究
明を行うプラント運転支援用異常事象原因究明方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】図3は、プラント運転支援装置における
診断処理の流れを示す図である。まず、ステップS1に
おいて、異常事象の検知が行われると、次にステップS
2において、異常事象の原因の究明を行う。このとき、
原因究明知識ベース1に記憶されている異常事象とこの
異常事象の原因となり得る要因の関係、および派生事象
の関係を示すフォールトツリー図(以下、FT図とい
う)1aが使用される。次にステップS3において、ス
テップS2で究明した原因に対する対応処置の検索が行
われる。このとき、対応処置検索用知識ベース2から、
各要因に対して候補となる対応処置が検索される。ステ
ップS4では、ステップS3で検索した対応処置を運転
員が行った場合に問題が発生しないかどうかについての
問題有無のチェックがなされる。このとき、対応処置チ
ェック用知識ベース3から得られる、対応処置について
のチェック項目が使用される。そして、ステップS5に
おいて、運転員に究明した原因と、今とるべき対応処置
がアドバイスされる。
診断処理の流れを示す図である。まず、ステップS1に
おいて、異常事象の検知が行われると、次にステップS
2において、異常事象の原因の究明を行う。このとき、
原因究明知識ベース1に記憶されている異常事象とこの
異常事象の原因となり得る要因の関係、および派生事象
の関係を示すフォールトツリー図(以下、FT図とい
う)1aが使用される。次にステップS3において、ス
テップS2で究明した原因に対する対応処置の検索が行
われる。このとき、対応処置検索用知識ベース2から、
各要因に対して候補となる対応処置が検索される。ステ
ップS4では、ステップS3で検索した対応処置を運転
員が行った場合に問題が発生しないかどうかについての
問題有無のチェックがなされる。このとき、対応処置チ
ェック用知識ベース3から得られる、対応処置について
のチェック項目が使用される。そして、ステップS5に
おいて、運転員に究明した原因と、今とるべき対応処置
がアドバイスされる。
【0003】ここでステップS2における異常事象の原
因究明において、従来は主にMYCINの手法(MYC
IN手法)を使って診断を行っていた。このMYCIN
とは、1976年スタンフォード大学のShortli
ffeによって開発された医療診断の問題をコンピュー
タにて実現した製品名であり、最近では医療診断だけで
はなく、プラントの異常診断における異常事象原因究明
方法等、幅広い分野に適用されている。図4はこのMY
CIN手法について示す図である。MYCIN手法によ
れば、通常の異常事象は、図4に示すようなFT図で表
すことができる。
因究明において、従来は主にMYCINの手法(MYC
IN手法)を使って診断を行っていた。このMYCIN
とは、1976年スタンフォード大学のShortli
ffeによって開発された医療診断の問題をコンピュー
タにて実現した製品名であり、最近では医療診断だけで
はなく、プラントの異常診断における異常事象原因究明
方法等、幅広い分野に適用されている。図4はこのMY
CIN手法について示す図である。MYCIN手法によ
れば、通常の異常事象は、図4に示すようなFT図で表
すことができる。
【0004】図4において、100Aは異常事象であ
り、10A〜M0Aは異常事象100Aの原因となり得
る各要因である。また、11A〜1NAは要因10Aの
派生事象を示し、M1A〜MKAは要因M0Aの派生事
象を示している。
り、10A〜M0Aは異常事象100Aの原因となり得
る各要因である。また、11A〜1NAは要因10Aの
派生事象を示し、M1A〜MKAは要因M0Aの派生事
象を示している。
【0005】ここで、各要因10A〜M0Aに付されて
いる記号Rは経験的に求められる重み係数であり0〜1
の値を有する。そして、Riは異常事象100Aと各要
因10A〜M0Aとの関連の強さを表し、該当する要因
が発生したとき必ずそれに対応する異常事象100Aが
発生する場合は、Riは大きな値となる。また、Rijは
原因10A〜M0Aと派生事象11A〜MKAとの関連
の強さを表し、該当する要因が発生したとき、必ずそれ
に対応する派生事象が発生する場合は、Rijは大きな値
となる。
いる記号Rは経験的に求められる重み係数であり0〜1
の値を有する。そして、Riは異常事象100Aと各要
因10A〜M0Aとの関連の強さを表し、該当する要因
が発生したとき必ずそれに対応する異常事象100Aが
発生する場合は、Riは大きな値となる。また、Rijは
原因10A〜M0Aと派生事象11A〜MKAとの関連
の強さを表し、該当する要因が発生したとき、必ずそれ
に対応する派生事象が発生する場合は、Rijは大きな値
となる。
【0006】また、Vは派生事象の発生度合を示す事象
評価値を表す。V11〜VMKは、11aに例示するよう
に、しきい関数を用いて計算される。
評価値を表す。V11〜VMKは、11aに例示するよう
に、しきい関数を用いて計算される。
【0007】そして、MYCIN法では、異常事象が発
生したとき、下記計算式(2)にて原因となる各要因の
確信度CF値を求めて、該確信度CFが最も大きくなる
要因を今回生じた異常事象の原因と診断するものであ
る。
生したとき、下記計算式(2)にて原因となる各要因の
確信度CF値を求めて、該確信度CFが最も大きくなる
要因を今回生じた異常事象の原因と診断するものであ
る。
【0008】 CFi=Ri(1−Ri1Vi1)(1−Ri2Vi2)…(1−RijVij) (2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】プラント運転支援装置
での異常事象の原因究明において、従来は、上述したよ
うなMYCINの手法を用いて行っていた。しかし、通
常のプラントにおいては、異常事象に至る要因が発生し
たとき、他の要因と同様の派生事象が発生するので、M
YCIN手法では、今回の異常事象の原因として考えら
れる要因を挙げることができるのみで、さらに、挙げら
れた要因の中から真の原因を見つけ出すために要因を絞
り込むことはできなかった。
での異常事象の原因究明において、従来は、上述したよ
うなMYCINの手法を用いて行っていた。しかし、通
常のプラントにおいては、異常事象に至る要因が発生し
たとき、他の要因と同様の派生事象が発生するので、M
YCIN手法では、今回の異常事象の原因として考えら
れる要因を挙げることができるのみで、さらに、挙げら
れた要因の中から真の原因を見つけ出すために要因を絞
り込むことはできなかった。
【0010】図5は、以上の問題点をさらに具体的に示
すために、蒸気ダービンの潤滑油系統を示す図である。
図5において、4aは高圧タービン、4bは低圧タービ
ン、5はこれらに連結された発電機、6は油冷却器、7
は油温度制御弁、11は冷却水温度、21は冷却水圧
力、31は潤滑油供給温度、41はスラスト軸受排油温
度、51は各軸受の排油温度を示している。いま、冷却
水温度の上昇によって、「蒸気タービンの軸受温度高」
なる異常事象が発生したとき、系統上、冷却水温度だけ
でなく、潤滑油供給温度、スラスト軸受排油温度、軸受
排油温度も上昇する。この場合、図6に示す「蒸気ター
ビン軸受温度高」FT図において、MYCIN手法を用
いて診断を行うと、「蒸気タービン軸受温度高」なる異
常事象100Bに対して、各要因10B〜50Bの重み
係数R1〜R5は全て1.0であり、また、各派生事象1
1B〜51Bの重み係数も全て1.0で、また、事象評
価値V11〜V51が後述する表の様に表される結果、今回
の異常事象の原因として、「冷却水温度上昇」だけでな
く、「油温度制御弁不良」、「スラスト軸受異常」、
「軸受異常」なる他の要因も、原因として考えられる要
因として挙げられることとなるが、MYCINの手法で
は、これ以上要因を絞り込んで真の原因を見つけ出すこ
とはできないという問題点があった。
すために、蒸気ダービンの潤滑油系統を示す図である。
図5において、4aは高圧タービン、4bは低圧タービ
ン、5はこれらに連結された発電機、6は油冷却器、7
は油温度制御弁、11は冷却水温度、21は冷却水圧
力、31は潤滑油供給温度、41はスラスト軸受排油温
度、51は各軸受の排油温度を示している。いま、冷却
水温度の上昇によって、「蒸気タービンの軸受温度高」
なる異常事象が発生したとき、系統上、冷却水温度だけ
でなく、潤滑油供給温度、スラスト軸受排油温度、軸受
排油温度も上昇する。この場合、図6に示す「蒸気ター
ビン軸受温度高」FT図において、MYCIN手法を用
いて診断を行うと、「蒸気タービン軸受温度高」なる異
常事象100Bに対して、各要因10B〜50Bの重み
係数R1〜R5は全て1.0であり、また、各派生事象1
1B〜51Bの重み係数も全て1.0で、また、事象評
価値V11〜V51が後述する表の様に表される結果、今回
の異常事象の原因として、「冷却水温度上昇」だけでな
く、「油温度制御弁不良」、「スラスト軸受異常」、
「軸受異常」なる他の要因も、原因として考えられる要
因として挙げられることとなるが、MYCINの手法で
は、これ以上要因を絞り込んで真の原因を見つけ出すこ
とはできないという問題点があった。
【0011】したがって、このため、従来のMYCIN
手法を用いたプラント運転支援装置においては、挙げた
要因に対する全ての対応処置が表示されるので、運転員
にとっては非常に分かりにくくかつ、異常事象が発生し
たとき、即参照して対応処置が取れる所まで行かなかっ
た。即ち、プラント運転支援装置の理想である「未熟な
運転員でもベテラン運転員並みにプラントを運転するこ
とを可能とする」という状態から程遠いという問題点が
あった。
手法を用いたプラント運転支援装置においては、挙げた
要因に対する全ての対応処置が表示されるので、運転員
にとっては非常に分かりにくくかつ、異常事象が発生し
たとき、即参照して対応処置が取れる所まで行かなかっ
た。即ち、プラント運転支援装置の理想である「未熟な
運転員でもベテラン運転員並みにプラントを運転するこ
とを可能とする」という状態から程遠いという問題点が
あった。
【0012】そこで、この発明は、MYCIN手法を用
いて挙げられた要因の中から、新しい手法を用いて、要
因の絞り込みを行って、原因を見つけ出す精度を上げる
ことができる(MYCIN手法では、ORの診断しかで
きないが、本発明では、ANDの診断法を提案する)プ
ラント運転支援用異常事象原因究明方法を提供すること
を目的としている。
いて挙げられた要因の中から、新しい手法を用いて、要
因の絞り込みを行って、原因を見つけ出す精度を上げる
ことができる(MYCIN手法では、ORの診断しかで
きないが、本発明では、ANDの診断法を提案する)プ
ラント運転支援用異常事象原因究明方法を提供すること
を目的としている。
【0013】本発明の請求項1のプラント運転支援用異
常事象原因究明方法は、異常事象とその原因となる複数
の要因の関係、および上記要因とその派生事象の関係を
示すフォールトツリー図、上記派生事象の発生度合を示
す事象評価値を用いて、プラント運転支援装置の異常事
象の原因究明を行うプラント運転支援用異常事象原因究
明方法において、上記要因の内のある要因が上記異常事
象の原因であれば発生し得ない他の要因の派生事象につ
いて、この発生し得ない他の要因の派生事象を否定した
否定形の派生事象を、上記ある要因の派生事象として上
記フォールトツリー図に追加するようにしたものであ
る。
常事象原因究明方法は、異常事象とその原因となる複数
の要因の関係、および上記要因とその派生事象の関係を
示すフォールトツリー図、上記派生事象の発生度合を示
す事象評価値を用いて、プラント運転支援装置の異常事
象の原因究明を行うプラント運転支援用異常事象原因究
明方法において、上記要因の内のある要因が上記異常事
象の原因であれば発生し得ない他の要因の派生事象につ
いて、この発生し得ない他の要因の派生事象を否定した
否定形の派生事象を、上記ある要因の派生事象として上
記フォールトツリー図に追加するようにしたものであ
る。
【0014】また、本発明の請求項2のプラント運転支
援用異常事象原因究明方法は、請求項1記載のプラント
運転支援用異常事象原因究明方法において、上記各派生
事象の事象評価値をVijとしたとき、式(1)を用い
て、各要因の確信度CFi を計算し、上記各要因の確信
度CFiの中で最も大きな値を有する要因を上記異常事
象の原因として採択するようにした
援用異常事象原因究明方法は、請求項1記載のプラント
運転支援用異常事象原因究明方法において、上記各派生
事象の事象評価値をVijとしたとき、式(1)を用い
て、各要因の確信度CFi を計算し、上記各要因の確信
度CFiの中で最も大きな値を有する要因を上記異常事
象の原因として採択するようにした
【0015】
【作用】本発明の請求項1のプラント運転支援用異常事
象原因究明方法によれば、複数要因の内のある要因が上
記異常事象の原因であれば発生し得ない他の要因の派生
事象について、この発生し得ない他の要因の派生事象を
否定した否定形の派生事象を、上記ある要因の派生事象
として上記フォールトツリー図に追加することにより、
異常事象原因究明における各要因の判断情報量を高める
ことができ、もって、異常事象原因究明の精度を高める
ことができる。
象原因究明方法によれば、複数要因の内のある要因が上
記異常事象の原因であれば発生し得ない他の要因の派生
事象について、この発生し得ない他の要因の派生事象を
否定した否定形の派生事象を、上記ある要因の派生事象
として上記フォールトツリー図に追加することにより、
異常事象原因究明における各要因の判断情報量を高める
ことができ、もって、異常事象原因究明の精度を高める
ことができる。
【0016】本発明の請求項2のプラント運転支援用異
常事象原因究明方法によれば、各派生事象が発生する場
合、および発生しない場合のそれぞれ事象評価値をVij
を与えれば、(1)式により、もっとも確信度CFiの
大きな値をとる要因が、異常事象の原因として信頼度の
高いものとなる。
常事象原因究明方法によれば、各派生事象が発生する場
合、および発生しない場合のそれぞれ事象評価値をVij
を与えれば、(1)式により、もっとも確信度CFiの
大きな値をとる要因が、異常事象の原因として信頼度の
高いものとなる。
【0017】
実施例1.以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の実施例を概念的に示したもの
で、従来方法を示した図4のFT図を、各要因(ここで
は10Cのみ示す)について他要因の派生事象の中か
ら、この要因10Cが今回の異常事象の原因であれば発
生し得ない派生事象の否定形12C〜1MCを、後述す
るように、121C〜1MLGから求め、この要因10
Cの派生事象として追加すしたものである。
明する。図1は、本発明の実施例を概念的に示したもの
で、従来方法を示した図4のFT図を、各要因(ここで
は10Cのみ示す)について他要因の派生事象の中か
ら、この要因10Cが今回の異常事象の原因であれば発
生し得ない派生事象の否定形12C〜1MCを、後述す
るように、121C〜1MLGから求め、この要因10
Cの派生事象として追加すしたものである。
【0018】そして、本発明では、従来のMYCIN手
法で原因として考えられるとして挙げられた要因の中か
ら、下記式を用いて、確信度を計算して、最も確信度の
高い要因を、今回の異常事象の原因とする。即ちこの要
因が異常事象の原因であれば発生し得ない派生事象の発
生有無もチェックして、もし発生していれば、この要因
の確信度が自動的に低くなるように計算する。このよう
にして、最後まで、確信度が高いままで残った要因を今
回の異常事象の原因とするのである。
法で原因として考えられるとして挙げられた要因の中か
ら、下記式を用いて、確信度を計算して、最も確信度の
高い要因を、今回の異常事象の原因とする。即ちこの要
因が異常事象の原因であれば発生し得ない派生事象の発
生有無もチェックして、もし発生していれば、この要因
の確信度が自動的に低くなるように計算する。このよう
にして、最後まで、確信度が高いままで残った要因を今
回の異常事象の原因とするのである。
【0019】いま、ある要因10Cの事象評価値(当要
因の派生事象派生有無)Vi1を下記式(2)にて計算す
る。これは、従来のMYCIN手法での求め方と同じで
ある。なお、ここで、Vi11〜Vi1Nは、要因10Cの派
生事象111C〜11Nの事象評価値であり、Ri11〜
Ri1Nは、派生事象111C〜11Nの重み係数であ
る。
因の派生事象派生有無)Vi1を下記式(2)にて計算す
る。これは、従来のMYCIN手法での求め方と同じで
ある。なお、ここで、Vi11〜Vi1Nは、要因10Cの派
生事象111C〜11Nの事象評価値であり、Ri11〜
Ri1Nは、派生事象111C〜11Nの重み係数であ
る。
【0020】 Vi1=Ri1′[1-(1-Ri11Vi11)(1-Ri12Vi12)・・・(1-Ri1NVi1N)] (2)
【0021】次に、12C〜1MCで示された他要因の
事象評価値(他要因の派生事象派生有無)Vij(j≧
2)をそれぞれ上述したと同様な考え方で、下記式
(3)にて計算する。
事象評価値(他要因の派生事象派生有無)Vij(j≧
2)をそれぞれ上述したと同様な考え方で、下記式
(3)にて計算する。
【0022】 Vij=1-Rij′[1-(1-Rij1Vij1)(1-Rij2Vij2)・・・(1-RijNVijN)](3)
【0023】そして、上記(2),(3)式で計算した事象
評価値を基にして、下記式(1)を用いて、各要因の確
信度CFi を計算する。
評価値を基にして、下記式(1)を用いて、各要因の確
信度CFi を計算する。
【0024】 CFi=Ri・Vi1 Ri1/R・Vi2 Ri2/R・・・・・・・ViM RiM/R (1) (R=Ri1+Ri2+・・・・・+RiM)
【0025】このようにして、各要因の確信度が、求め
られると、各要因の確信度CFi の中で、最も確信度C
Fi の高い要因を、今回の異常事象の原因として採択す
る。
られると、各要因の確信度CFi の中で、最も確信度C
Fi の高い要因を、今回の異常事象の原因として採択す
る。
【0026】次に、本発明をさらに具体的に説明するた
め、従来技術として、図4に示した蒸気ダービンの潤滑
油系統の原因究明に本発明を適用する。図2は、本発明
を適用した「蒸気タービンの軸受温度高」に関するFT
図を示す。図2では、従来のFT図に対して、32D、
33D、42D、52Dに示されるように、他要因20
D〜50Dの派生事象の中で、当要因10Dが原因であ
った場合起こり得ない派生事象を否定する否定形派生事
象を追加した形に変更を加える。ここで、冷却水温度の
上昇が原因(当要因)である場合の各派生事象の事象評
価値Vijは、次の表のように求められる。
め、従来技術として、図4に示した蒸気ダービンの潤滑
油系統の原因究明に本発明を適用する。図2は、本発明
を適用した「蒸気タービンの軸受温度高」に関するFT
図を示す。図2では、従来のFT図に対して、32D、
33D、42D、52Dに示されるように、他要因20
D〜50Dの派生事象の中で、当要因10Dが原因であ
った場合起こり得ない派生事象を否定する否定形派生事
象を追加した形に変更を加える。ここで、冷却水温度の
上昇が原因(当要因)である場合の各派生事象の事象評
価値Vijは、次の表のように求められる。
【0027】 派生事象 事象評価値 V11 冷却水温度>規定値 大 V21 冷却水圧力<規定値 小 V31 潤滑油供給温度>規定値 大 V32 冷却水温度≦規定値 小 V33 冷却水圧力≧規定値 大 V41 スラスト軸受排油温度>規定値 大 V42 潤滑油供給温度≦規定値 小 V51 軸受排油温度>規定値 大 V52 潤滑油供給温度≦規定値 小
【0028】ここで事象評価値大は、0.7〜1.0、小は0.
0〜0.3を目安としている。次に上式(1)を用いて、各
要因の確信度を計算すると、下記の通りとなる。
0〜0.3を目安としている。次に上式(1)を用いて、各
要因の確信度を計算すると、下記の通りとなる。
【0029】 要 因 確信度 CF1 冷却水温度上昇 大 CF2 冷却水流量不足 小 CF3 油温度制御弁不良 中 CF4 スラスト軸受異常 中 CF5 軸受異常 中
【0030】ここで、確信度大は、0.7〜1.0、中は0.3
〜0.7、小は0.0〜0.3を目安としている。このように、
真の原因、冷却水温度上昇の確信度が最も高くなり、プ
ラント運転支援装置は真の原因を見つけ出すことが可能
となる。
〜0.7、小は0.0〜0.3を目安としている。このように、
真の原因、冷却水温度上昇の確信度が最も高くなり、プ
ラント運転支援装置は真の原因を見つけ出すことが可能
となる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、異常事象が発生挙げられた要因の中から絞り
込みを行って真の原因を見つけ出すことができるという
効果を奏し、したがって、原因に対する適確な対応処置
を運転員にアドバイスすることができ、もって異常事象
が発生したときに未熟な運転員でもベテラン運転員並み
に対応処置をとることが可能となるという効果を奏す
る。
によれば、異常事象が発生挙げられた要因の中から絞り
込みを行って真の原因を見つけ出すことができるという
効果を奏し、したがって、原因に対する適確な対応処置
を運転員にアドバイスすることができ、もって異常事象
が発生したときに未熟な運転員でもベテラン運転員並み
に対応処置をとることが可能となるという効果を奏す
る。
【図1】本発明における異常事象の原因究明方法を示す
図である。
図である。
【図2】本発明の実施例に係る蒸気タービン軸受温度高
改良型FT図である。
改良型FT図である。
【図3】プラント運転支援装置での診断の流れを示す図
である。
である。
【図4】MYCINの手法を用いた異常事象の原因究明
方法を示す図である。
方法を示す図である。
【図5】蒸気タービン潤滑油系統図である。
【図6】従来の蒸気タービン軸受温度高FT図である。
【符号の説明】 10C 要因、11C〜1MC 派生事象、100C
異常事象、10D〜50D 要因、11D、21D、3
1D〜33D、41D〜42D、51D〜52D 派生
事象、100D 異常事象。
異常事象、10D〜50D 要因、11D、21D、3
1D〜33D、41D〜42D、51D〜52D 派生
事象、100D 異常事象。
Claims (2)
- 【請求項1】 異常事象とその原因となる複数の要因の
関係、および上記要因とその派生事象の関係を示すフォ
ールトツリー図、上記派生事象の発生度合を示す事象評
価値を用いて、プラント運転支援装置の異常事象の原因
究明を行うプラント運転支援用異常事象原因究明方法に
おいて、 上記要因の内のある要因が上記異常事象の原因であれば
発生し得ない他の要因の派生事象について、この発生し
得ない他の要因の派生事象を否定した否定形の派生事象
を、上記ある要因の派生事象として上記フォールトツリ
ー図に追加することを特徴とするプラント運転支援用異
常事象原因究明方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のプラント運転支援用異常
事象原因究明方法において、 上記各派生事象の事象評価値をVijとしたとき、下記式
を用いて、各要因の確信度CFiを計算し、上記各要因
の確信度CFiの中で最も大きな値を有する要因を上記
異常事象の原因として採択するようにしたことを特徴と
するプラント運転支援用異常事象原因究明方法。 【数1】 CFi=Ri・Vi1 Ri1/R・Vi2 Ri2/R・・・・・・・ViM RiM/R (1) (但し、式中、R=Ri1+Ri2+・・・・・+RiMであ
り、Rinは各派生事象と各要因との関連の強さを示す設
定値である。)
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JP4047595A JPH08234833A (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | プラント運転支援用異常事象原因究明方法 |
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- 1996-02-28 EP EP96102978A patent/EP0730211B1/en not_active Expired - Lifetime
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