JPH08234679A - ディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取付けスペースを不要に占有することなく、
周囲の明るさに関係なくいつでも情報が読み取れるとと
もに、表示する情報の種類を増加することが可能な技術
を提供する。 【構成】 ディスプレイ装置１は、自動車のフロントウ
インド２の内側の端部に取り付けられて所望の情報を表
示する液晶表示素子３、及びこの液晶表示素子３に隣接
した位置に取り付けられて液晶表示素子３の動作を制御
する液晶制御用ＬＳＩ４を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスプレイ装置に関
し、特に、全体がゆるやかに湾曲した湾曲面を有する板
状の透明体の一部分に所望の情報を表示するディスプレ
イ装置に適用して有効な技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】乗用車で代表される最近の自動車の室内
には、ＣＤプレーヤのような音響装置やナビゲーション
システムのような情報案内装置等が取り付けられて、多
機能化が図られている。

【０００３】さらに、一部の車種には、より商品として
の付加価値を上げるために、ダッシュボードに投光器を
設置してこの投光器からフロントウインドに対して、走
行速度のような所望の情報を表示できるように構成した
ディスプレイ装置を取り付け可能にしたものもある。こ
れにより、運転者はダッシュボードに設けられているメ
ータからだけでなく、フロントウインドに投光器によっ
て表示された情報からも、必要な情報が得られるように
なっている。

【０００４】例えば、日産自動車から発売されていた乗
用車、日産シルビア（形式名Ｓ１３）にはそのようなデ
ィスプレイ装置がオプション設定されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記のようなディスプ
レイ装置を構成するにはダッシュボードに投光器を設置
しなければならないので、ダッシュボードのスペースを
不要に占有してしまうという問題がある。

【０００６】また、フロントウインドには情報を周囲の
明るさに関係なく走行中のいつでも読み取れるようにコ
ントラスト良く表示する必要があるが、投光器による表
示では周囲が明るい場所ではコントラストが劣ってくる
ので、読み取りにくくなるという問題がある。

【０００７】さらに、投光器による表示ではフロントウ
インドに表示できる情報の種類には制約があるという問
題がある。すなわち、フロントウインドに表示できる情
報はほとんど走行速度のみに制約されるので、せっかく
取り付けたディスプレイ装置の機能を有効に利用できな
いので、あまりメリットが得られない。

【０００８】本発明の目的は、取付けスペースを不要に
占有することなく、周囲の明るさに関係なくいつでも情
報が読み取れるとともに、表示する情報の種類を増加す
ることが可能な技術を提供することにある。

【０００９】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば下
記の通りである。

【００１１】（１）本発明のディスプレイ装置は、全体
がゆるやかに湾曲した湾曲面を有する板状の透明体の一
部分に所望の情報を表示するディスプレイ装置におい
て、前記透明体の一部分に各々取り付けられた液晶表示
素子及びこの液晶表示素子の動作を制御する液晶制御用
半導体素子を備えている。

【００１２】（２）本発明の自動車は、フロントウイン
ドの一部に各々取り付けられた、所望の情報を表示する
液晶表示素子及びこの液晶表示素子の動作を制御する液
晶制御用半導体素子を備えている。

【００１３】

【作用】上述した（１）の手段によれば、本発明のディ
スプレイ装置は、全体がゆるやかに湾曲した湾曲面を有
する板状の透明体の一部分に所望の情報を表示するディ
スプレイ装置において、前記透明体の一部分に各々取り
付けられた液晶表示素子及びこの液晶表示素子の動作を
制御する液晶制御用半導体素子を備えているので、取付
けスペースを不要に占有することなく、周囲の明るさに
関係なくいつでも情報が読み取れるとともに、表示する
情報の種類を増加することが可能となる。

【００１４】上述した（２）の手段によれば、本発明の
自動車は、フロントウインドの一部に各々取り付けられ
た、所望の情報を表示する液晶表示素子及びこの液晶表
示素子の動作を制御する液晶制御用半導体素子を備えて
いるので、取付けスペースを不要に占有することなく、
周囲の明るさに関係なくいつでも情報が読み取れるとと
もに、表示する情報の種類を増加することが可能とな
る。

【００１５】以下、本発明について、図面を参照して実
施例とともに詳細に説明する。

【００１６】なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。

【００１７】

【実施例】図１は本発明の実施例によるディスプレイ装
置を示す斜視図で、乗用車に適用した例を示している。
図２は乗用車のフロントウインドを内側（車内）から見
た正面図を示している。本実施例のディスプレイ装置１
は、自動車のフロントウインド２の内側の端部に取り付
けられて所望の情報を表示する液晶表示素子３、及びこ
の液晶表示素子３に隣接した位置に取り付けられて液晶
表示素子３の動作を制御する液晶制御用ＬＳＩ４を備え
ている。

【００１８】液晶表示素子３及び液晶制御用ＬＳＩ４
は、図３及び図４に示すように例えば接着剤５によって
フロントウインド２の内面に取り付けられる。各素子
３、４は配線６によって接続されるとともに、配線７を
通じて例えばダッシュボード９に設置される電源８に接
続される。配線６、７は導電塗料のようなペーストを用
いて形成することができる。ダッシュボード９に設置さ
れる電源８は、わずかなサイズのものが実現可能なの
で、ダッシュボード９を不要に占有することがない。図
５は、本実施例のディスプレイ装置１をブロック図で示
している。

【００１９】図６はディスプレイ装置１を構成する液晶
表示素子３の構造の一例を示すもので、ＩＴＯ（Ｉｎｄ
ｉｕｍ Ｔｉｎ Ｏｘｉｄｅ；錫添加酸化インジウム）
のような透明電極１１が形成された一対のガラス基板１
２が接着剤１３によって一体化され、両者間のスペース
には例えばネマチック液晶からなる液晶層１４が封入さ
れている。各透明電極１１と液晶層１４との間には例え
ばポリエステルのような高分子材料からなる配光層１５
が配置されている。一方のガラス基板１２には偏光板１
６が形成されるとともに、他方のガラス基板１２には反
射板１７が形成されている。また、反射板１７にはバッ
クライトユニット１８が取り付けられている。

【００２０】さらに、この液晶表示素子３としては全体
が光を通過させる透視型から構成することにより、フロ
ントウインド２に取り付けたとき、フロントウインド２
に向かう運転者の視線を遮ることなく、あるいは視線に
ほとんど影響を与えることなく、必要な情報の表示が可
能となる。

【００２１】このような構造の液晶表示素子３におい
て、周囲が明るいときには液晶層１４は偏光板１６から
入射された光１９によって所望の表示を行い、周囲が暗
いときには液晶層１４はバックライトユニット１８から
入射された光２０よって所望の表示を行うように動作す
る。

【００２２】図７はディスプレイ装置１を構成する液晶
制御用ＬＳＩ４の構造の一例を示すもので、例えばポリ
イミドからなるフレキシブル基板２１上にはゴムのよう
な可撓性の接着剤２２によって取り付けられた薄膜ＩＣ
回路素子２３が形成されている。フレキシブル基板２１
の配線膜２４と薄膜ＩＣ回路素子２３との端子とは導電
性インクのような導電層２５によって接続されている。
薄膜ＩＣ回路素子２３には液晶表示素子３の動作を制御
するのに必要な機能が内蔵されている。この薄膜ＩＣ回
路素子２３は、液晶表示素子３に対して、乗用車の走行
速度を初めとして、エンジン回転数、燃料残量、オイル
量、エンジン温度、室内温度等の必要な各種情報を表示
可能に構成されている。これら必要な情報は、予め薄膜
ＩＣ回路素子２３にデータを格納しておくとともに、こ
れを表示するプログラムを組み込んでおくことにより、
容易に実現可能となる。

【００２３】このような液晶制御用ＬＳＩ４によれば、
薄膜ＩＣ回路素子２３がフレキシブル基板２１上に形成
されていることにより、フロントウインド２のように全
体がゆるやかに湾曲した湾曲面を有する板状の透明体に
対しても、その湾曲の影響を受けて薄膜ＩＣ回路素子２
３が破損してその機能を損うことなく取り付けることが
できる。このような液晶制御用ＬＳＩ４は、例えば本出
願人が出願中（特願平５−１９３２６７号）の技術を応
用することにより、容易に製造することができる。

【００２４】このような本実施例のディスプレイ装置１
によれば、フロントウインド２に必要な情報を表示する
場合、情報はフロントウインド２に直接表示するのでは
なく、液晶表示素子３によって表示するので、表示のコ
ントラストを改善することができる。すなわち、走行中
周囲が明るいときには、図６に示すように、偏光板１６
から入射された光１９によって液晶層１４により所望の
表示を行わせ、逆に周囲が暗いときにはバックライトユ
ニット１８を働かせることにより、このバックライトユ
ニット１８から入射された光２０よって液晶層１４によ
り所望の表示を行わせるので、一定のコントラストで所
望の表示を行わせることができるようになる。このと
き、表示形態の切り替えは、予め明るさの情報を液晶制
御用ＬＳＩ４に与えておくことにより、液晶制御用ＬＳ
Ｉ４によって自動的に行うことが可能である。

【００２５】このような本実施例によれば次のような効
果が得られる。

【００２６】（１）ディスプレイ装置１を構成する液晶
表示素子３及び液晶制御用ＬＳＩ４をフロントウインド
２の内面に取り付けるので、ダッシュボードを不要に占
有することがなくなる。

【００２７】（２）フロントウインド２に取り付けた液
晶表示素子３によって所望の情報の表示を行わせるの
で、一定のコントラストで表示が行われるため、いつも
情報が読み取れるようになる。

【００２８】（３）液晶表示素子３に表示させる情報の
種類を液晶制御用ＬＳＩ４によって制御可能なので、情
報の種類に制約を受けないため、ディスプレイ装置の機
能を有効に利用できる。これにより、運転者は走行中メ
ーターを見ないで、ほとんどフロントウインド２に向か
うことが可能となるので、安全運転に寄与することがで
きるようになる。

【００２９】図８は本実施例の変形例を示すもので、フ
ロントウインド２に取り付ける液晶表示素子３及び液晶
制御用ＬＳＩ４を接着剤を用いることなく、直接にフロ
ントウインド２に埋め込むようにした構造を示すもので
ある。

【００３０】このような変形例によっても前記実施例と
同様な効果を得ることができ、これに加えて光の透視度
を高めることができるので、フロントウインド２から前
方の確認をより確実に行うことができるようになる。

【００３１】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記
実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲において種々変更可能であることは勿論である。

【００３２】例えば、前記実施例ではディスプレイ装置
を自動車のフロントウインドに取り付けた例で示した
が、これに限らず全体がゆるやかに湾曲した湾曲面を有
する板状の透明体に対してなら同様に適用することがで
きる。

【００３３】また、フロントウインドの別々の位置に液
晶表示素子及び液晶制御用ＬＳＩを取り付ける例で示し
たが、これに限らず両者を一体化して取り付けることも
可能である。

【００３４】さらに、液晶表示素子及び液晶制御用ＬＳ
Ｉのサイズはフロントウインドのサイズに対して、著し
く小さいので、前方確認に差支えない位置なら任意の位
置に両素子を取り付けても良い。

【００３５】さらにまた、液晶表示素子のサイズを大き
くしてさらに多量の情報を表示可能に構成することもで
きる。例えばナビゲーションシステム、ＴＶ、ＶＴＲ等
の情報を表示させることも可能である。

【００３６】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野であるディス
プレイ装置の技術に適用した場合について説明したが、
それに限定されるものではない。本発明は、少なくとも
全体がゆるやかに湾曲した湾曲面を有する板状の透明体
の一部分に所望の情報を表示する条件のものには適用で
きる。

【００３７】

【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。

【００３８】（１）ディスプレイ装置を構成する液晶表
示素子及び液晶制御用半導体素子を、全体がゆるやかに
湾曲した湾曲面を有する板状の透明体の一部分に取り付
けるので、取付けスペースを不要に占有することがなく
なる。

【００３９】（２）全体がゆるやかに湾曲した湾曲面を
有する板状の透明体に取り付けた液晶表示素子によって
所望の情報の表示を行わせるので、周囲の明るさに関係
なくいつでも情報が読み取れる。

【００４０】（３）液晶表示素子に表示させる情報の種
類を液晶制御用半導体素子によって制御可能なので、表
示する情報の種類を増加することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例によるディスプレイ装置を示す
斜視図である。

【図２】本発明の実施例によるディスプレイ装置の主要
部を示す正面図である。

【図３】本発明の実施例によるディスプレイ装置の主要
部を側面から見た構造を示す断面図である。

【図４】本発明の実施例によるディスプレイ装置の主要
部を上面から見た構造を示す断面図である。

【図５】本発明の実施例によるディスプレイ装置を示す
ブロック図である。

【図６】本発明の実施例によるディスプレイ装置を構成
する液晶表示素子の一例を示す断面図である。

【図７】本発明の実施例によるディスプレイ装置を構成
する液晶制御用半導体素子の一例を示す断面図である。

【図８】本発明の実施例によるディスプレイ装置の変形
例を示す部分断面図である。

【符号の説明】

１…ディスプレイ装置、２…フロントウインド、３…液
晶表示素子、４…液晶制御用半導体素子（ＬＳＩ）、
５、１３、２２…接着剤、６、７…配線、８…電源、９
…ダッシュボード、１１…透明電極、１２…ガラス基
板、１４…液晶層、１５…配光層、１６…偏光板、１７
…反射板、１８…バックライトユニット、１９…偏光板
から液晶層に入射される光、２０…バックライトユニッ
トから液晶層に入射される光、２１…フレキシブル基
板、２３…薄膜ＩＣ回路素子、２４…配線膜、２５…導
電層。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 全体がゆるやかに湾曲した湾曲面を有す
   る板状の透明体の一部分に所望の情報を表示するディス
   プレイ装置において、前記透明体の一部分に各々取り付
   けられた液晶表示素子及びこの液晶表示素子の動作を制
   御する液晶制御用半導体素子を備えることを特徴とする
   ディスプレイ装置。
2. 【請求項２】 前記液晶制御用半導体素子は、フレキシ
   ブル型からなることを特徴とする請求項１に記載のディ
   スプレイ装置。
3. 【請求項３】 前記液晶表示素子は、透視型からなるこ
   とを特徴とする請求項１または２に記載のディスプレイ
   装置。
4. 【請求項４】 フロントウインドの一部に各々取り付け
   られた、所望の情報を表示する液晶表示素子及びこの液
   晶表示素子の動作を制御する液晶制御用半導体素子を備
   えることを特徴とする自動車。
5. 【請求項５】 前記液晶制御用半導体素子は、フレキシ
   ブル型からなることを特徴とする請求項４に記載の自動
   車。