JPH0823360B2 - 圧縮機のサ−ジング検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、多段のインペラからなる圧縮機に係り、特
に圧縮機のサージングを防止すべき圧縮機に差圧発信器
を設けた圧縮機のサージング検出装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 一般に多段のインペラからなる圧縮機は、第３図に示
すようにケーシングａに回転軸ｂが回転自在に支承さ
れ、その回転軸ｂにインペラが多段に設けられる。ケー
シングａ内には、そのインペラｃの形状に応じて被圧縮
流体を案内するための流路ｄが形成される。この流路ｄ
は、インペラｃ間を結ぶリターンガイドベーンｅと、そ
のリターンガイドベーンｅへ被圧縮流体を供給するため
の吸込スクロールｆと、リターンガイドベーンｅからの
被圧縮流体を案内するための吐出スクロールｇとを有す
る。

被圧縮流体は、吸込口ｈから低圧段の吸込スクロール
ｆに入り、第１段のインペラｃで、圧縮されたのちリタ
ーンガイドベーンｅを通して次段のインペラc₂で圧縮さ
れ、吐出スクロールｇに流れ、その吐出スクロールｇか
ら一旦中間吐出口ｉを通してケーシングａ側に排出され
て冷却されたのち、中間吸込口ｊを介して次段の吸込ス
クロールｆに供給され圧縮される。このようにして被圧
縮流体は、順次ケーシングａ内の流路ｄを流れる間に圧
縮され、その最終段のインペラcnで圧縮されて最終段の
吐出スクロールgnより吐出口ｋへ吐出される。

この圧縮機Ａは、第４図に示すようにその吐出ライン
ｌより分岐して放風弁ｎが接続され、吐出ラインｌに流
量計（オリフィス）、温度計、圧力計などの検出器ｍが
接続され、圧縮機Ａがサージング圧付近に近づいたとき
放風弁ｎを開いて圧縮機Ａのサージングを防止してい
る。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、このサージング検出装置は、高温、高
圧である吐出ラインｌに、そのラインの配管口径に見合
った流量計、圧力計、温度計等の検出器ｍを接続ことを
必要とし、コスト高になると共に装置が大型化しやすい
問題がある。

本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、装置
を小型化できる圧縮機のサージング検出装置を提供する
ことを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記目的を達成するために、ケーシング
に、インペラを多段に設けた回転軸を設けると共に該ケ
ーシングにインペラの前後に吸入スクロールからインペ
ラに至る吸込側流路とリターンガイドベーンへ至る吐出
側流路とからなる被圧縮流体の流路を形成し、この圧縮
機に吐出ラインを接続すると共に、この吐出ラインに分
岐して放風弁を接続し、その圧縮機のサージングを防止
すべく上記放風弁を開閉するためのサージング検出装置
において、被圧縮流体の吸込側流路に、一方は上記回転
軸に対し径方向内方に、もう一方は径方向外方の吸込側
スクロールにそれぞれ位置させて圧力を取り出すための
圧力取出口を設け、この圧力取出口に導圧管を接続する
と共にその導圧管をケーシングを通してケーシング外に
延出し、その導圧管に差圧発信器を接続し、その差圧発
信器の信号により上記放風弁を開閉制御するようにした
ものである。

［作用］ 上記構成によれば、多段圧縮機の被圧縮流体の吸込ス
クロールからインペラに至る吸込側流路における、径方
向内方と径方向外方の二箇所の圧力を導圧管を介してケ
ーシング外に導き、差圧発信器でその流路内を流れる被
圧縮流体の流量を検出することで、従来のようなライン
に接続する流量計などの検出器が不要となり、また検出
する位置の流路断面が小さくなるために導圧管の径も小
さくなるので装置を大巾に小型化できる。

［実施例］ 以下、本発明上係る圧縮機のサージング検出装置の好
適一実施例を添付図面に基づいて説明する。

第１図は本発明の全体の構成を示す概略図で、図にお
いて１は圧縮機で、第４図で説明した圧縮機と同様の構
造となっている。

この圧縮機１には、被圧縮流体の吸込ライン２が接続
されると共に圧縮後の吐出ライン３が接続される。吐出
ライン３にはその吐出ライン３に分岐して放風ライン４
が接続され、その放風ライン４に放風弁５が接続され
る。

圧縮機１には、後述するようにその圧縮機１内の流路
を流れる被圧縮流体の流量を差圧で検出する差圧発信器
６が設けられ、この差圧発信器６により圧縮機１がサー
ジングとなる圧力（流量）に近づいたとき自動的に放風
弁５を開放するよう開閉制御するようになっている。

第２図は、圧縮機内における圧力取出部分の構成の一
例を示し、図において８は回転軸でその回転軸８にイン
ペラ９が設けられている。このインペラ９は、第４図で
説明した圧縮機の任意の段に該当するもので、そのイン
ペラ９の前後に被圧縮流体の通る流路10がケーシング20
に形成される。

この流路10は、吸込スクロールからインペラ９に至る
吸込側流路10aと、リターンガイドベーンへ至る吐出側
流路10bとからなっている。

この流路10の吸込側流路10aには、その流路10a内を流
れる被圧縮流体の圧力を取出す二つの圧力取出口11,12
が設けられる。圧力取出口11,12は被圧縮流体の全圧が
同じところで、かつその流速の違う二ケ所の静圧を計測
するもので、その圧力取出口11,12より夫々導圧管13,14
を介して差圧発信器６を接続する。

差圧発信器６は、圧縮機１の特性により、あらかじめ
サージング付近の圧力及び流量を求めておき、検出する
差圧ΔＰがその圧力及び流量に該当する差圧となる場合
に放風弁６に出力し、その放風弁６を開くようになって
いる。

以上において、差圧発信器６の導圧管13,14は、直接
圧縮機１のケーシング20のスペースを利用して設けるこ
とができ、装置が小型化でき、かつそのコストも安くで
きる。

［発明の効果］ 以上詳述してきたことから明らからように本発明によ
れば次のごとき優れた効果を発揮する。

（１） 圧縮機内の流路における差圧を計測することに
より圧縮機内部を流れる被圧縮流体の流量を検出するこ
とができる。これにより放風弁を制御するための流量計
（オリフィス）などの検出装置が不用となる。

（２） 差圧発信器で放風弁の開度制御を行なうので、
その圧縮機のサージングを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全体概略図、第２図は
第１図の要部の詳細断面図、第３図は圧縮機の全体断面
図、第４図は従来例を示す図である。 図中、１は圧縮機、３は吐出ライン、５は放風弁、６は
差圧発信器、８は回転軸、９はインペラ、10は流路であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーシングに、インペラを多段に設けた回
   転軸を設けると共に該ケーシングにインペラの前後に吸
   入スクロールからインペラに至る吸込側流路とリターン
   ガイドベーンへ至る吐出側流路とからなる被圧縮流体の
   流路を形成し、この圧縮機に吐出ラインを接続すると共
   に、この吐出ラインに分岐して放風弁を接続し、その圧
   縮機のサージングを防止すべく上記放風弁を開閉するた
   めのサージング検出装置において、被圧縮流体の吸込側
   流路に、一方は上記回転軸に対し径方向内方に、もう一
   方は径方向外方の吸込側スクロールにそれぞれ位置させ
   て圧力を取り出すための圧力取出口を設け、この圧力取
   出口に導圧管を接続すると共にその導圧管をケーシング
   を通してケーシング外に延出し、その導圧管に差圧発信
   器を接続し、その差圧発信器の信号により上記放風弁を
   開閉制御するようにしたことを特徴とする圧縮機のサー
   ジング検出装置。