JPH08233150A - 主蒸気隔離弁 - Google Patents

主蒸気隔離弁

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Publication number
JPH08233150A
JPH08233150A JP4219995A JP4219995A JPH08233150A JP H08233150 A JPH08233150 A JP H08233150A JP 4219995 A JP4219995 A JP 4219995A JP 4219995 A JP4219995 A JP 4219995A JP H08233150 A JPH08233150 A JP H08233150A
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JP
Japan
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valve
valve body
main steam
steam isolation
box
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Pending
Application number
JP4219995A
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English (en)
Inventor
Yuji Maeda
祐治 前田
Mitsuaki Shimamura
光明 島村
Tetsuzo Yamamoto
哲三 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP4219995A priority Critical patent/JPH08233150A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】小型軽量で、耐震性に優れ、定期点検時の分解
および組立時の作業が簡素となって保守性が向上でき、
さらにプラント運転時の圧力損失および弁体の振動が低
減できる主蒸気隔離弁を提供する。 【構成】略直線的な蒸気流路11aを有する弁箱11
と、この弁箱11の蒸気流路に交差する軸心上で移動可
能な弁体12とを備える。この弁体12を弁箱外部に設
けた弁体駆動機構14によって往復動作させて蒸気流路
を開閉する。弁体駆動機構14を、エア供給系統の流量
調整弁による給気流量または排気流量の調整でピストン
14fの往復動作速度を制御するエアシリンダ14aに
よって構成したことを特徴とする主蒸気隔離弁。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉(BW
R)等の蒸気プラントに適用される主蒸気隔離弁に係
り、特に軽量、コンパクト化、耐震性向上、圧力損失低
減、保守作業性向上等を図った主蒸気隔離弁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にBWRプラントでは図23に示す
ように、原子炉圧力容器1を例えば4本の主蒸気管2を
介して蒸気タービン3に直接接続しているので、原子炉
格納容器4の内外において、第1、第2の主蒸気隔離弁
5、6を各主蒸気管2にそれぞれ介在させている。そし
て、これら主蒸気隔離弁5、6を閉じることによって原
子炉圧力容器1を必要に応じて隔離し得るようになって
いる。
【0003】また、蒸気タービン3で仕事をした蒸気は
復水器7で水に凝縮され、その後給水系8を通して再び
原子炉圧力容器1に戻すようになっている。なお、図1
7中、符号9は主蒸気第三弁、10はヘッダ、54はベ
ンチュリ管である。
【0004】従来の主蒸気隔離弁5、6は図18に示す
ように、略直線的な蒸気流路を有する弁箱11の入口端
部と出口端部とを各主蒸気管2の途中に介在させて接続
し、弁箱11の弁体収容部内に有底円筒状の弁体12を
その軸方向に沿って往復動自在に内蔵している。
【0005】弁体12の往復動作用軸心に沿って配置さ
れる弁棒13は、図18中に矢印で示すように、主蒸気
の流入方向に対して例えば45°交差して前傾し、これ
により、流路抵抗の低減が図られている。
【0006】また、弁棒13はカップリング14e、ス
プリングシート14d、オイルシリンダ14bを介して
エアシリンダ14aに接続され、弁体12をその軸方向
に往復動させることにより蒸気流路を開閉するようにな
っている。すなわち、エアシリンダ14aによって弁体
駆動に必要な駆動力が与えられるとともに、オイルシリ
ンダ14bによって弁開閉用の往復動作用速度が設定さ
れ、弁体12が弁座17に着座すると全閉し、図24に
示すように弁体12がその上方に持ち上げられると弁ポ
ートが全開するようになっている。
【0007】なお、エアシリンダ14aは弁蓋17上に
固定された4本のヨークロッド18によって支えられ、
弁棒摺動方向の直線性を確保している。さらにカップリ
ング14eは、外部スプリング14cの反発力を受けて
いるスプリングシート14dに連結され、スプリング力
によって弁体12を閉方向に動作可能となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の主蒸
気隔離弁5、6では弁体駆動機構14が長尺の重量物で
あるため、大口径配管(例えば30インチ以上の主蒸気
管2)用になると、耐震性の要求仕様を達成することが
困難になる。また、弁体駆動機構14が長尺の重量物で
あることで、定期点検時の分解、組立作業が熟練を要す
る複雑な作業になり、作業量(作業人員、時間)が多く
必要となり、作業員に負担がかかるという課題がある。
【0009】このような理由から、主蒸気隔離弁5、6
では、耐震性を向上し、定期点検時の分解、組立作業が
容易になるような弁の構造とすることが望まれていた。
【0010】また、従来の主蒸気隔離弁5、6では、弁
開時の弁箱11内の蒸気流路の流体流線が弁体12およ
び弁座16によって曲げられており、圧力損失が増加し
ている。また、流れの乱れによって弁体12が振動し、
弁各部の信頼性や弁の開閉動作に悪影響を及ぼすという
課題がある。
【0011】このような理由から、主蒸気隔離弁5、6
では、運転時の弁開状態において、弁の圧力損失を低減
し、さらに弁体12の振動を低減可能な構造とすること
が望まれていた。
【0012】本発明は前記の事情を考慮してなされたも
ので、その目的は、小型軽量で、耐震性に優れ、定期点
検時の分解および組立時の作業が簡素となって保守性が
向上でき、さらにプラント運転時の圧力損失および弁体
の振動が低減できる主蒸気隔離弁を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、略直線的な蒸気流路を有
する弁箱と、この弁箱の蒸気流路に交差する軸心上で移
動可能な弁体とを備え、この弁体を弁箱外部に設けた弁
体駆動機構によって往復動作させて前記蒸気流路を開閉
する主蒸気隔離弁において、前記弁体駆動機構を、エア
供給系統の流量調整弁による給気流量または排気流量の
調整でピストンの往復動作速度を制御するエアシリンダ
によって構成したことを特徴とする。
【0014】請求項2記載の発明は、略直線的な蒸気流
路を有する弁箱と、この弁箱の蒸気流路に交差する軸心
上で移動可能な弁体とを備え、この弁体を弁箱外部に設
けた弁体駆動機構によって往復動作させて前記蒸気流路
を開閉する主蒸気隔離弁において、前記弁体駆動機構
を、エア供給系統の流量調整弁による給気流量または排
気流量の調整でピストンの往復動作速度を制御するエア
シリンダによって構成し、かつ前記弁体に連結される弁
棒のエアシリンダ側の先端を、前記エアシリンダのピス
トンに直結したことを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項2記載の主
蒸気隔離弁において、エアシリンダと弁箱の弁蓋とが分
離した構造であることを特徴とする。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項2記載の主
蒸気隔離弁において、エアシリンダの弁箱側の端面が、
弁箱の弁蓋と一体に構成されていることを特徴とする。
【0017】請求項5記載の発明は、略直線的な蒸気流
路を有する弁箱と、この弁箱の蒸気流路に交差する軸心
上で移動可能な弁体とを備え、この弁体を弁箱外部に設
けた弁体駆動機構によって往復動作させて前記蒸気流路
を開閉する主蒸気隔離弁において、前記弁体駆動機構と
前記弁体に連結された弁棒とを接続および切り離しする
弁棒着脱機構を設けるとともに、前記弁棒間とこれが貫
通する弁箱の弁蓋との間の摺動部をシールするグランド
シール部を設けたことを特徴とする。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項5記載の主
蒸気隔離弁において、弁体に連結された弁棒と弁体駆動
機構とを接続および切り離しする弁棒着脱機構は、前記
弁体駆動機構に固定されたガイドフレームと、このガイ
ドフレームにガイドされて開閉するスライド板と、この
スライド板を開閉させるスライド板駆動部と、このスラ
イド板を閉位置に保持するためのスライド板止め部と、
前記弁棒の上部に取り付けられ前記スライド板の開閉に
より固定および解放されるステムコネクタとを備えたこ
とを特徴とする。
【0019】請求項7記載の発明は、請求項6記載の主
蒸気隔離弁において、スライド板駆動部は、各スライド
板に取り付けられる互いに逆ねじを有する駆動用ナット
およびそのガイドのためのリニアブッシュと、このリニ
アブッシュと摺動するガイドロッドと、前記駆動用ナッ
トに接続される左右逆ねじを有する駆動用ねじ棒と、こ
の駆動用ねじ棒の一端に接続された回転駆動部と、前記
ガイドロッドおよび駆動用ねじ棒の両端を固定する固定
板とを備えたことを特徴とする。
【0020】請求項8記載の発明は、請求項6記載の主
蒸気隔離弁において、スライド板駆動部は、第1のスラ
イド板に取り付けられる下側ラックと、第2のスライド
板に取り付けられる上側ラックと、上下のラックの間に
取り付けられ、それらに同時にかみ合うピニオンと、こ
のピニオンに接続される駆動軸と、この駆動軸に接続さ
れる回転駆動部とを備えたことを特徴とする。
【0021】請求項9記載の発明は、請求項5記載の主
蒸気隔離弁において、弁棒と弁体駆動機構とを接続およ
び切り離しする弁棒着脱機構に固定された大型ナット部
と、弁棒上部のねじ部に取り付けられたステムコネクタ
および回り止めナットと、弁棒のステムコネクタよりも
下側部分に取り付けられ、ねじ部および歯車部を有する
大型ねじ部品とから構成され、ステムコネクタを挟んだ
形での大型ねじ部品の大型ナット部品への取り付けおよ
び取り外しにより弁棒と弁体駆動機構とを着脱可能とし
たことを特徴とする。
【0022】請求項10記載の発明は、弁箱内で弁体を
弁体駆動機構により往復動作させて蒸気流路を開閉する
主蒸気隔離弁において、請求項1記載のエアシリンダに
加え、そのエアシリンダの駆動源が喪失した場合に弁体
を閉方向に付勢するスプリングを弁体内部と弁蓋との間
の空間に配置したことを特徴とする。
【0023】請求項11記載の発明は、弁箱内で弁体を
弁体駆動機構により往復動作させて蒸気流路を開閉する
主蒸気隔離弁において、請求項10記載のエアシリンダ
およびスプリングを備えるとともに、弁棒のエアシリン
ダ側の先端を、前記エアシリンダのピストンに接続した
ことを特徴とする。
【0024】請求項12記載の発明は、弁箱内で弁体を
弁体駆動機構により往復動作させて蒸気流路を開閉する
主蒸気隔離弁において、請求項10記載のエアシリンダ
およびスプリングを備えるとともに、前記弁体駆動機構
と前記弁体に連結された弁棒とを接続および切り離しす
る弁棒着脱機構を設けたことを特徴とする。
【0025】請求項13記載の発明は、弁箱内で弁体を
弁体駆動機構により往復動作させて蒸気流路を開閉する
主蒸気隔離弁において、請求項11記載のエアシリンダ
およびスプリングと、請求項2記載の弁体駆動機構およ
び弁棒のピストンへの接続構造とを有し、かつ前記弁体
駆動機構と前記弁体に連結された弁棒とを接続および切
り離しする弁棒着脱機構を設けたことを特徴とする。
【0026】請求項14記載の発明は、弁箱内で弁体を
往復動作させて蒸気流路を開閉する主蒸気隔離弁におい
て、前記蒸気流路の軸心に対して前記弁体の往復動作軸
心を略直交させるとともに、この弁体の往復動作軸心に
対して前記弁箱の弁座面を傾斜させ、かつ前記弁体の対
弁座面を球面状に形成したことを特徴とする。
【0027】請求項15記載の発明は、請求項14記載
の主蒸気隔離弁に対し、請求項10から14までのいず
れかに記載の弁体駆動機構を設けたことを特徴とする。
【0028】請求項16記載の発明は、弁箱内で弁体を
往復動作させて蒸気流路を開閉する主蒸気隔離弁におい
て、前記流体を、この流路の軸心に垂直な平面上に投影
された弁体の往復動作軸心の方向を短軸とした楕円状に
形成し、かつ請求項10から14までのいずれかに記載
の弁体駆動機構を設けたことを特徴とする。
【0029】請求項17記載の発明は、請求項10から
13までのいずれかに記載の主蒸気隔離弁において、蒸
気流路は、直径(D)の円管から蒸気流路の軸心に垂直
な平面上に投影された弁体との往復動作軸心の方向を短
軸とした長軸(D)、短軸(D× cos θ((但し、5
1°≦θ≦65°))の楕円管に変化する入口絞り流路
と、この入口絞り流路の下流端と同一の楕円管に対して
その内部を弁体が流路軸心に対して角度(θ)で往復動
作できる円管が接続された中間流路と、この中間流路と
同一の楕円管から直径(D)の円管に変化する出口広が
り流路とを有する弁体駆動機構を設けたことを特徴とす
る。
【0030】請求項18記載の発明は、請求項10から
15までのいずれかに記載の主蒸気隔離弁において、弁
箱に固定シール部を介して固定される弁蓋と、その弁蓋
に対して固定シール部を介して固定され、かつ弁棒との
間を摺動シールする独立取り外し可能な分離型グランド
シール部とを有することを特徴とする。
【0031】請求項19記載の発明は、請求項10,1
2または14に記載の主蒸気隔離弁において、弁体を速
度調整可能に駆動するエアシリンダと、弁蓋または弁箱
に対して着脱可能に取り付けられるエアシリンダ支持用
の支持手段と、前記弁体に連結された弁棒を前記エアシ
リンダのピストン接続用駆動棒に接続および切り離しす
るために前記エアシリンダと弁蓋との間に設けられた弁
棒着脱機構とを有することを特徴とする。
【0032】請求項20記載の発明は、蒸気流路を開閉
するための弁体を弁箱内に回動可能に取り付けた主蒸気
隔離弁であって、弁開時に弁体と弁箱とにより形成され
る流路の軸心に垂直な断面積が緩やかに変化し、かつ蒸
気流の流線が直線となるように構成される弁箱内部流路
部と、前記弁箱内に設けられる弁座と、この弁座に回動
により着座して流路を遮断する弁体と、前記弁箱に固定
シール部を介して固定される弁蓋と、この弁蓋または前
記弁箱に取り付けられ、前記弁体を回動させる弁体駆動
機構と、この弁体駆動機構の前記弁蓋または前記弁箱を
貫通する駆動軸をシールする駆動軸シール部と、弁体を
弁閉方向に回動させるバックアップ用ばねとを備えたこ
とを特徴とする。
【0033】請求項21記載の発明は、請求項20記載
の主蒸気隔離弁において、弁箱内の蒸気流路部は、流路
軸心に垂直な断面円形の入口部および出口部と、上下方
向が絞られた断面楕円形の弁座部とを滑らかに接続して
なり、弁座は、前記蒸気流路を斜め方向に切断した断面
円形となる位置に設けられ、弁体は、弁座に着座し蒸気
流を遮断する円形のシール面を有することを特徴とす
る。
【0034】請求項22記載の発明は、請求項20記載
の主蒸気隔離弁において、弁箱内の蒸気流路部は、流路
軸心に垂直な断面円形の入口部および出口部と、同様の
断面円形の弁座部とを接続してなり、弁座は、そこを通
過する蒸気流の流線が直線となる位置に設けられ、弁体
は、弁座に着座して流体を遮断する形状のシール面を有
することを特徴とする。
【0035】請求項23記載の発明は、請求項20から
22までのいずれかに記載の主蒸気隔離弁において、弁
箱は、弁開時に弁体を収納する弁体退避部を有すること
を特徴とする。
【0036】請求項24記載の発明は、蒸気流路を開閉
するための弁体を弁箱内に回動可能に取り付けた主蒸気
隔離弁であって、弁箱内流路部に設けられた弁座に回動
により着座して流路を遮断する弁体と、弁箱に固定シー
ル部を介して固定される弁蓋と、弁蓋上に取り付けら
れ、弁体を駆動する弁体駆動機構と、この弁体駆動機構
の弁蓋を貫通する駆動軸シール用の駆動軸シール部と、
前記弁蓋の内側に取り付けられ、前記弁体を回動可能に
保持し、駆動軸から動力伝達を受けて回動させる弁体回
動機構と、弁蓋に取り付けられ、弁体を弁閉方向に回動
させるバックアップ用ばねとを備えたことを特徴とす
る。
【0037】請求項25記載の発明は、請求項24記載
の主蒸気隔離弁において、弁体駆動機構は、弁体を回動
させる駆動力を発生するエアモータと、弁体を弁開位置
に保持するためのエアブレーキと、前記エアモータの駆
動力を便体側に伝達する駆動力伝達部と、エア源を前記
エアモータおよびエアブレーキに接続するエア供給ライ
ンと、このエア供給ラインに設けられた電磁弁と、この
電磁弁を切り換えるための電磁弁制御部と、前記電磁弁
に切り換え用電源が加わっていない場合には前記エアモ
ータおよびエアブレーキへのエア供給を遮断し、または
弁体を弁閉方向に回動させる方向にエアを供給するエア
供給制御部とを有することを特徴とする。
【0038】請求項26記載の発明は、請求項24記載
の主蒸気隔離弁において、弁体回動機構は、弁蓋の内側
に取り付けられた軸取り付け部と、この軸取り付け部に
回転可能に取り付けられた駆動軸と、この駆動軸に取り
付けられた第1の歯車と、前記軸取り付け部に取り付け
られ、弁体を回動可能に保持する弁体軸と、この弁体軸
に取り付けられ、前記第1の歯車と直接に、または歯車
列を介して間接的にかみ合う第2の歯車とを備えたこと
を特徴とする。
【0039】請求項27記載の発明は、請求項24記載
の主蒸気隔離弁において、弁体回動機構は、弁蓋の内側
に取り付けられた軸取り付け部と、この軸取り付け部に
軸回転可能に取り付けられた駆動軸と、この駆動軸に取
り付けられた第1の駆動リンクと、この第1の駆動リン
クに回転軸を介して取り付けられた第2の駆動リンク
と、前記軸取り付け部に取り付けられ、弁体を回動可能
に保持する弁体軸と、前記弁体と第2の駆動リンクとを
回転軸を介して接続する駆動リンク接続部とを備えたこ
とを特徴とする。
【0040】請求項28記載の発明は、蒸気流路を開閉
するための弁体を弁箱内に回動可能に取り付けた主蒸気
隔離弁であって、弁開時に弁体と弁箱とにより形成され
る蒸気流路の軸心に垂直な断面積が緩やかに変化し、か
つ蒸気流の流線が直線となるように構成される弁箱内部
流路部と、前記弁箱内に設けられた弁座と、この弁座に
回動により着座して流路を遮断する弁体と、前記弁箱に
固定シール部を介して固定される弁蓋と、この弁蓋また
は前記弁体を駆動する弁体駆動機構と、この弁体駆動機
構の弁蓋を貫通する駆動軸をシールする駆動軸シール部
と、前記弁蓋の内側に取り付けられ、弁体を回動可能に
保持し、駆動軸から動力伝達を受けて回動させる弁体回
動機構と、前記弁蓋に取り付けられ、弁体を弁閉方向に
回動させるように作用するバックアップ用ばねとを備え
たことを特徴とする。
【0041】請求項29記載の発明は、請求項20から
28までのいずれかに記載の主蒸気隔離弁において、弁
体(主弁体)は、この弁体の閉状態から開動作に必要な
力を軽減するためのパイロット弁を有することを特徴と
する。
【0042】請求項30記載の発明は、請求項29記載
の主蒸気隔離弁において、パイロット弁は、主弁体に設
けられたパイロット弁用穴部と、このパイロット弁用穴
部の入口に設けられたパイロット弁用弁座と、主弁体の
弁軸に取り付けられたパイロット弁アームと、このパイ
ロット弁アームに取り付けられ、パイロット弁用弁座に
着座して流体をシールするパイロット弁用弁体と、これ
らパイロット弁用弁座とパイロット弁用弁体とを引き離
す方向に付勢するパイロット弁用ばねと、前記主弁体と
その弁軸との接続部に設けられ前記パイロット弁用弁体
の開閉範囲を主弁体と弁軸とが空転するように構成する
弁体支持部とを備え、バックアップ用ばねは、パイロッ
ト弁用弁体をパイロット弁用弁座に押し付ける方向に付
勢していることを特徴とする。
【0043】請求項31記載の発明は、請求項20から
30までのいずれかに記載の主蒸気隔離弁において、バ
ックアップ用ばねは、弁体内部に取り付けられているこ
とを特徴とする。
【0044】請求項32記載の発明は、請求項20から
31までのいずれかに記載の主蒸気隔離弁において、弁
体または弁体周辺の弁箱内流路部に、弁開時における隙
間を塞いで蒸気流路の一部を滑らかに形成する流路模擬
部を有することを特徴とする。
【0045】
【作用】請求項1の発明によれば、流量調整弁による給
気流量または排気流量の調整によって往復動速度の制御
が可能なエアシリンダ機構を採用することで、従来の速
度調整用のオイルシリンダを削除することができる。こ
れによって、弁体駆動機構の主要部品点数が削減される
と同時に、弁体駆動機構が軽量になる。その結果、物量
の削減によりコストが低減し、かつ部品点数削減および
軽量化によって保守作業性が向上できる。
【0046】請求項2の発明によれば、弁棒のエアシリ
ンダ側の先端をエアシリンダ内でピストンに接続するこ
とによって弁体駆動機構がコンパクトになる。すなわ
ち、エアシリンダと弁蓋との間に弁棒カップリングがあ
る従来の構成では、弁体の開閉動作に伴って弁棒カップ
リングが移動することから、エアシリンダ下端と弁蓋と
の間隔を弁棒ストロークS以上の動作余裕を確保する必
要があるが、本発明では弁棒のエアシリンダ側の先端を
ピストンに直結することによって弁棒カップリングが省
略できるので、弁体駆動機構の弁蓋上面からの高さを概
ね最大で弁棒ストロークSだけ短縮することが可能にな
る。その結果、弁体駆動機構がコンパクトになり、保守
作業時の取扱いが容易になる。
【0047】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の構成において、エアシリンダと弁蓋が分離した構造に
することによって、弁内を流れる蒸気が高温蒸気である
場合に、弁蓋からの放熱によるエアシリンダの加熱を防
止できると同時に、グランドシール部からエアシリンダ
内へ蒸気が進入する可能性をなくすることができ。しか
も、弁体駆動機構の弁蓋上面からの高さ最大で弁棒スト
ロークSだけ短縮することができる、弁体駆動機構の動
作条件を一定に保ち、動作に対する信頼性を確保できる
とともに、弁体駆動機構がコンパクトになり、保守作業
時の取扱いが容易に行える。
【0048】請求項4の発明によれば、請求項2の発明
において、エアシリンダの弁蓋側の端面を、弁蓋で一体
に構成することによって、これらを分離する従来の構成
では主蒸気隔離弁の弁蓋上面からエアシリンダの端面ま
でに弁棒ストロークSが必要であり、さらにエアシリン
ダの端面からエアシリンダ内部での弁棒長さも弁棒スト
ロークSを必要としていたのに比較して、エアシリンダ
端面と弁蓋との一体化により主蒸気隔離弁の弁蓋上面か
らの高さが概ね弁棒ストロークSで十分となる。その結
果、弁体駆動機構がコンパクトになり、保守作業時の取
扱いが容易になる。
【0049】請求項5の発明によれば、定期点検などの
分解、組立において、弁体駆動機構に取り付けられた弁
棒着脱機構および弁棒に設けられた弁棒着脱機構によ
り、弁体駆動機構と弁棒とを着脱することができる。こ
の弁棒着脱機構は弁棒と弁体駆動機構の接続、切り離し
を単にフランジで結合した場合よりも容易に行なうこと
ができるため、作業性が向上する。
【0050】請求項6の発明によれば、図24に示した
従来例ではスプリングシート14dなどの弁体駆動機構
の駆動板が容易に取り外せなかったのに対して、駆動板
の定期点検などの分解時に駆動板の下部に固定されたス
ライド板型着脱部のスライド板を、弁棒上部に取り付け
たステムコネクタから取り外すように駆動部の駆動力を
作用させ、これにより弁棒を弁体駆動部から分離するこ
とができる。このように、スライド板型着脱部のスライ
ド板を取り外す駆動力を作用させるだけで弁棒と弁体駆
動機構を分解、結合することができるため、作業性が向
上する。
【0051】請求項7の発明によれば、スライド板を開
く場合、スライド板止め部を外し、駆動用ねじ棒に接続
された回転駆動部、例えば手動ハンドルなどを開方向に
回転させる。これにより2つのスライド板を同時に開く
ことができる。このように、一箇所の回転駆動部を回転
させるだけでスライド板を開閉できるため、作業性が向
上する。
【0052】請求項8の発明によれば、スライド板を開
く場合、スライド板止め部を外し、駆動軸に接続された
回転駆動部、例えば手動ハンドルなどを開方向に回転さ
せる。これにより2つのスライド板を同時に開くことが
できる。このように、一箇所の回転駆動部を回転させる
だけでスライド板を開閉できるため、作業性が向上す
る。
【0053】請求項9の発明によれば、定期点検時など
の分解時には、弁体駆動機構の駆動板下部に設けられた
大型ナット部品から弁棒上部の大型ねじ部品を取り外
す。これにより、弁棒と弁体駆動機構を分離することが
できる。このように、大型ねじ部品を取り外すだけで弁
棒と弁体駆動機構を分離、結合できるため、作業性が向
上する。
【0054】請求項10の発明によれば、流量調整弁に
よる給気流量または排気流量の調整によって往復動速度
の制御が可能なエアシリンダ機構を採用することで、従
来の速度調整用のオイルシリンダを削除できる。これに
加えて、エアシリンダの駆動源が喪失した場合に主蒸気
隔離弁を閉止するためのスプリングを弁体内部と弁蓋と
の間の空間に配置したことで、従来エアシリンダと弁蓋
との間に外部スプリングを配置する構成と異なり、外部
構成が簡素となる。
【0055】以上の構成により、上部駆動機構の駆動軸
方向長さをLa、弁棒のストロークをSとすると、以下
に示すように、本発明のLaは従来型のLaよりもSだ
け短縮可能である。
【0056】
【数1】
【0057】さらに、請求項1記載の発明の作用で述べ
たように、弁体駆動機構の主要部品点数が削減されると
同時に、弁体駆動機構が軽量になり、また弁の重心が低
下する。
【0058】以上のように、弁駆動部が軽量およびコン
パクト化され、物量削減によるコストダウン、耐震性の
向上を達成できると同時に、定期検査の際に保守作業を
実施する上で取扱いが容易になり、さらには、弁体と弁
体駆動部からなるアセンブリを一括引き抜きすることに
よって保守作業の簡素化および自動化が可能になる。
【0059】請求項11の発明によれば、流量調整弁に
よる給気流量または排気流量の調整によって往復動速度
の制御が可能なエアシリンダ機構を採用すことによっ
て、従来の速度調整用のオイルシリンダを削除できる。
これに加えて、空気シリンダの駆動源が喪失した場合に
主蒸気隔離弁を閉止するために従来エアシリンダと弁蓋
の間に配置された外部スプリングを、弁体内部と弁蓋の
間の空間に配置することで、外部構成が簡素になる。さ
らに、弁棒のエアシリンダ側の先端を、前記エアシリン
ダ内においてピストンに接続する構造にすることによっ
て、エアシリンダを弁蓋上に直接設置することが可能と
なる。
【0060】以上の構成により、本発明の上記Laは、
【数2】 となり、従来型よりも概ね最大2Sだけ短縮可能であ
る。
【0061】本発明によっても、弁体駆動機構の主要部
品点数が削減されると同時に、弁駆動機構が軽量にな
り、弁の重心も低下する。これらの結果、弁駆動部が軽
量、コンパクト、および低重心になり、物量削減による
コストダウン、耐震性の向上を達成できると同時に、定
期検査の際に保守作業を実施する上で取扱いが容易にな
り、さらには、弁体と弁体駆動と部からなるアセンブリ
を一括引き抜きすることによって保守作業の簡素化およ
び自動化が可能になる。
【0062】請求項12記載の発明によれば、従来の速
度調整用のオイルシリンダを削除できることで、弁体駆
動機構の主要部品点数が削減されると同時に、弁体駆動
機構が軽量になる。また、本発明のLaは従来型のLa
よりもSだけ短縮可能である。その結果、弁の重心が低
下する。
【0063】本発明でも、弁体駆動機構が軽量およびコ
ンバクト化が図れ、定期検査時の分解および組立作業に
自動化機器を導入することが容易になるが、その際、弁
棒着脱部が接続および切り離し容易な構造であるため、
弁棒着脱作業を簡素な構造の自動化機器によって行なう
ことが可能になる。さらに、弁の重心が低下することに
よって、耐震性が向上する。
【0064】請求項13記載の発明によれば、請求項1
0ないし11記載の発明と同様の作用により、従来の速
度調整用のオイルシリンダを削減できることで、弁体駆
動機構の主要部品点数が削減されると同時に、弁体駆動
機構が軽量になる。また、本発明のLaは従来型のLa
よりも概ね最大2Sだけ短縮可能であり、エアシリンダ
の弁蓋側の端面を、弁蓋で構成することによって、主蒸
気隔離弁の弁蓋上面からの高さが概ね弁棒ストロークS
になる。その結果、弁の重心が低下する。
【0065】本発明でも、弁体駆動機構が軽量およびコ
ンパクトになり、定期検査時の分解および組立作業に自
動化機器を導入することが容易になる。その際、弁棒着
脱部が、接続および切り離し容易な構造であるため、弁
棒着脱作業を簡素な構造の自動化機器によって行なうこ
とが可能になる。さらに、弁の重心が低下することによ
って、耐震性が向上する。
【0066】請求項14記載の発明によれば、底部が球
面状の弁体を採用することで弁座に対する接触範囲が拡
大するので、例えば円形弁座の中心線が蒸気流路の軸心
に垂直でない場合、つまり蒸気流路の軸心が直線的でそ
の軸心に対して弁座が傾斜する状態で設けられる場合に
おいても、弁体の往復動作用軸心を蒸気流路の軸心に直
交するように構成することが可能になる。したがって、
水平な主蒸気管に本発明の主蒸気隔離弁を接続した場
合、弁体駆動軸を垂直に配置することが可能になる。そ
の結果、定期検査時に、弁体駆動機構を垂直に吊って弁
の分解組立を実施することが可能となり、保守作業性を
向上することができる。
【0067】請求項15記載の発明によれば、底部が球
面状の弁体を主蒸気隔離弁に適用することによって、水
平に配管された主蒸気管に接続する場合、弁体駆動軸が
垂直で、かつ、駆動機構が軽量かつコンパクトな構成と
することが可能になる。その結果、定期検査時に、弁体
駆動機構を垂直に吊って弁の分解組立を実施することが
可能であると同時に、その弁体駆動機構は軽量かつコン
パクトであるために、保守作業性が向上する。さらに、
弁の耐震性も向上できる。
【0068】請求項16記載の発明によれば、弁箱の蒸
気流路を、蒸気流路の軸心(管軸心)に垂直な平面上に
投影された弁体の往復動作用の軸心(弁棒軸心)方向が
短軸となる楕円状に形成したことで、弁体の往復動作用
の軸心と管軸心との交点から弁蓋の下面中心点までの距
離を、従来に比べて短くすることが可能であり、弁箱を
コンパクトにすることができる。
【0069】この楕円状の流路を形成した弁箱と弁体駆
動機構とで構成された主蒸気隔離弁によれば、駆動機構
と弁箱とが軽量およびコンパクトになると同時に、弁全
体の重心を下げることが可能である。
【0070】その結果、弁駆動部が軽量、コンパクト、
および低重心になり、物量削減によるコストダウン、耐
震性の向上を達成できると同時に、定期検査の際に保守
作業を実施する上で取扱いが容易になり、さらには、弁
体と弁体駆動部からなるアセンブリを一括引き抜きする
ことによって保守作業の簡素化および自動化も可能にな
る。
【0071】一方、流路形状は、流れの向きを変えずに
円形の弁座を形成することが可能なため、弁内の流れが
飛躍的に滑かになり、弁の圧力損失を従来のY型グロー
ブ弁の約半分にすることが可能である。
【0072】請求項17記載の発明によれば、請求項1
6記載の発明の弁箱形状が、例えば図1に示す形状であ
れば、弁体の往復動作用の軸心と管軸がなす角を弁体の
往復動作用の軸心と管軸の交点から弁蓋下面中心点まで
の距離をLbとすると、θ≧51°において、Lb(本
発明)≦Lb(従来型)となり、弁箱のコンパクト化が
可能である。一方、θ≦65°であれば、従来のY型グ
ローブ弁よりも圧損を低減することが可能である。
【0073】この51°≦θ≦65°楕円状の流路を形
成する弁箱と、前記の弁体駆動機構で構成される主蒸気
隔離弁は、弁体駆動機構と弁箱とが軽量およびコンパク
トになり、弁全体の重心を下げることが可能であると同
時に、弁の圧力損失も低減可能である。
【0074】それらの結果、物量削減によるコストダウ
ン、耐震性の向上を達成できると同時に、定期検査の際
の保守作業の簡素化および自動化が可能になる一方、弁
の圧力損失を従来のY型グローブ弁よりも小さくでき、
例えば沸騰水型原子炉の主蒸気隔離弁に適用した場合、
蒸気のエネルギ損失が小さくなってプラント効率を向上
させることが可能になる。
【0075】請求項18記載の発明によれば、定期検査
などで例えば弁体と弁体駆動部とからなる軽量およびコ
ンパクトなアセンブリを一括引き抜き方式で弁室からメ
ンテナンスエリアへ搬入し、自動化機器でそのアセンブ
リの分解を行なう際、エアシリンダと弁蓋との切り離
し、ピストンと弁棒との切り離しと順次行なった後、グ
ランドシール部を分解して弁蓋を取り外すことができ
る。そのグランドシール部の分解は、グランドシール部
を分離型にすることによって、グランドパッキンを一枚
ずつ抜き取ることなく、グランドシール部のみを一括し
て取り外すことが可能になる。
【0076】以上のように、弁体駆動機構の軽量および
コンパクト化と分離型グランドシール部の採用によっ
て、弁の分解および組立作業への自動化機器の導入が容
易になり、保守作業の簡素化および自動化を図ることが
可能になる。
【0077】また、前記分離型グランドシール部のパッ
キン押えに、積層圧縮した皿ばねの力を加えるライブロ
ード方式を採用することによって、請求項4記載の発明
のように組立後にグランドシール部のパッキン押えを増
し締めできない弁体駆動機構においても、安定したシー
ル機能を確保することができる。
【0078】請求項19記載の発明によれば、定期検査
時に弁蓋上で保守作業を行なう場合、弁体駆動機構を弁
蓋上から分離することができる。これによって、弁蓋上
の作業空間が広くなり、作業性が向上する。また、各種
作業用自動化機器の取付が容易になる。さらに、軽量お
よびコンパクトな弁体駆動機構と弁蓋とが分離されてい
ることによって、弁体駆動機構の吊り上げおよび吊り込
み時の取扱い性が向上すると同時に、弁体駆動機構の吊
り上げ、吊り込み、搬出、および搬入作業への自動化機
器の導入が容易になる。その結果、保守作業の簡素化お
よび自動化を図ることが可能になる。
【0079】請求項20記載の発明によれば、プラント
運転中の弁開時には、弁箱内流路は管軸垂直断面断面積
が急激に変化せず、かつ蒸気主流の流線が直線となる形
状となっていることにより、弁の圧力損失を低減でき
る。また、弁体の振動を低減できる。弁の保守時には、
弁の構成部品を順次分解し、保守し、また組み立てるこ
とができるため、保守作業における取扱い重量が小さく
なり、取扱い性および作業性が向上する。
【0080】請求項21記載の発明によれば、プラント
運転中の弁開時には、蒸気は流路の弁座位置において管
軸垂直断面断面積がなめらかに楕円形に絞られる。この
時、蒸気主流の流線は直線に保たれる。これにより、弁
の圧力損失を低減できる。また、弁体の振動を低減でき
る。
【0081】弁閉時には、弁体、弁座のシール面が円形
に構成されているため、蒸気圧力による弁体の弁座への
押し付け力がシール面にほぼ均一に分布し、弁座漏洩が
低減される。また、弁箱および弁体の製造、保守、補修
が容易となる。
【0082】請求項22記載の発明によれば、プラント
運転中の弁開時には、蒸気は流路の弁座部において弁座
によりわずかに絞られる。この時、蒸気主流の流線は直
線に保たれる。これにより、弁の圧力損失を低減でき
る。また、弁体の振動を低減できる。
【0083】また、弁箱の流路を弁座部で大きく絞って
いないため、弁体を大型化することが可能となり、弁閉
時には、大きな流体力によって弁体が弁座に押し付けら
れ、弁座漏洩を低減できる。また、弁体重量が大きくな
るため、エア源喪失時に弁が自然に閉止する機能を向上
できる。
【0084】請求項23記載の発明によれば、弁開時に
は、弁体は弁箱上部に設けられた弁体退避部に収納さ
れ、流体流線を変化させず、また、弁箱内流路形状をな
めらかに保つ。これにより、弁の圧力損失を低減でき
る。また、弁体の振動を低減できる。
【0085】請求項24記載の発明によれば、弁の保守
のための分解時には、まず弁蓋と弁箱の固定部品を外
す。次に、弁蓋を例えばチェーンブロックにより吊り上
げる。この時、弁蓋には、弁体駆動機構、駆動軸シール
部、弁体および弁体回動機構、バックアップ用ばねが取
り付けられているため、一括してこれらを弁箱から取り
外すことができる。これにより、作業空間が狭く環境も
悪い弁箱上で弁蓋吊り上げ作業のみとし、他の作業性や
環境の良い場所に移動して、各部の分解をすることがで
きる。弁の組立時も同様に、各部の組立終了後、一括し
て弁箱に取り付けることができるため、作業性が向上す
る。
【0086】請求項25記載の発明によれば、弁開時に
は、エアモータを弁開方向に回転させ、弁体を上方に回
動させる。回動終了後、エアブレーキにより、エアモー
タ出力軸あるいは駆動力伝達部を固定する。また弁閉時
には、エアブレーキを解除し、エアモータを弁閉方向に
回転させて、弁体を下方に回動させる。
【0087】万が一電磁弁の切り換え用電源が喪失した
場合には、電磁弁は閉方向に切り換わる。すなわち、電
磁弁はエアブレーキを解除し、エアモータを弁閉方向に
回転させる方向に切替わり、またはエアブレーキおよび
エアモータの両方が力を発生しない方向に切替わる。こ
れにより、電源喪失時にも安全側に動作する構成とする
ことができる。
【0088】また、エアモータを使用することにより、
駆動部を小型化できるとともに、歯車などを使用するこ
とにより、動力伝達部を柔軟な構成とすることができ
る。
【0089】請求項26記載の発明によれば、弁体を上
方に回動させる場合、弁体駆動機構により駆動軸を固定
させ、第1の歯車を回転させる。これにより、かみ合う
第2の歯車が回転し、弁体軸が回転し、弁体が回動動作
する。これにより、駆動軸と弁体軸とを分離することが
可能となり、弁体駆動機構と弁体の配置を任意に設定す
ることが可能となる。このため、弁体駆動機構および回
動機構を最適配置し、弁全体の小型化を図ることが可能
となる。
【0090】また、第1の歯車と第2の歯車によって減
速することにより、弁蓋あるいは弁箱を貫通する駆動軸
の回転量を増加させ、弁テスト閉(10%閉)動作時に
おける駆動軸とし、駆動軸シール部の摺動量を増加させ
て、焼き付き防止効果を高めることが可能となる。
【0091】請求項26記載の発明によれば、弁体を上
方に回動させる場合、弁体駆動機構により駆動軸を固定
させ、第1の駆動リンクを駆動軸回りに回転させる。こ
れにより、回転軸によって接続された第2の駆動リンク
が移動し、駆動リンク接続部および回転軸によって接続
された弁体が弁体軸を中心に回動動作する。
【0092】このような構成により、駆動軸と弁体軸を
離すことが可能となり、弁体駆動機構と弁体の配置を任
意に設定することが可能となる。このため、弁体駆動機
構および回動機構を最適配置し、弁全体の小型化を図る
ことが可能となる。
【0093】また、弁閉時の駆動力を駆動リンク接続部
により弁体の中央付近に加えることができるため、弁体
を弁座に押し付ける面圧が比較的均一となり、弁座漏洩
が低減される。
【0094】請求項28記載の発明によれば、プラント
運転中の弁開時には、弁箱内流路は管軸垂直断面断面積
が急激に変化せず、かつ、流体主流の流線が直線となる
形状となっている。これにより、弁の圧力損失を低減で
きる。また、弁体の振動を低減できる。
【0095】弁の保守のための分解時には、まず弁蓋と
弁箱の固定部品を外す。次に、弁蓋を例えばチェーンブ
ロックにより吊り上げる。このとき、弁蓋には、弁体駆
動機構、駆動軸シール部、弁体および弁体回動機構、バ
ックアップ用ばねが取り付けられているため、一括して
これらを弁箱から取り外すことができる。これにより、
作業空間が狭く環境も悪い弁箱上では弁蓋吊り上げ作業
のみとし、他の作業性や環境の良い場所に移動して、各
部の分解をすることができる。弁の組立時も同様に、各
部の組立終了後、一括して弁箱に取り付けることができ
るため、作業性が向上する。
【0096】請求項29記載の発明によれば、弁開時に
は、弁体駆動機構の駆動力により、まずパイロット弁が
開き、弁体の入口側と出口側の圧力差を減少させる。そ
の後弁体が持ち上げられる。
【0097】このような構成により、弁閉から開に移る
ときの駆動力を軽減できるため、弁体駆動機構および弁
体回動機構各部の負荷が軽減され、小型軽量化すること
ができる。
【0098】請求項30記載の発明によれば、弁開時に
は、弁体駆動機構の駆動力により、弁体軸が回転する。
この時、弁体支持部により、弁体軸と弁体は空転し、弁
体は弁座に着座したままで、パイロット弁アームだけが
持ち上げられる。これによりパイロット弁用弁体が持ち
上げられ、弁体の入口側と出口側の圧力差を減少させ
る。この後弁体が持ち上げられ、弁が開状態となる。
【0099】このような構成により、弁閉から開に移る
ときの駆動力を軽減できるため、弁体駆動機構および弁
体回動機構各部の負荷が軽減され、小型軽量化すること
ができる。
【0100】請求項31記載の発明によれば、弁の設置
状態において、ばねが弁内に収納されていることによ
り、弁が小型化され、他の機器や配管などとの空間的干
渉が軽減される。弁の保守時には、同様に弁が小型化さ
れているため、アクセス性が向上し、また運搬および取
扱いが容易となる。
【0101】請求項32記載の発明によれば、弁開時に
は、弁体および弁体周辺の弁箱内流路部は、流路模擬部
により前後の流路となめらかに接続する。
【0102】これにより、流体振動が減少し、圧力損失
も低減される。
【0103】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0104】実施例1(図1) 本実施例の主蒸気隔離弁5(6)は基本的に、断面楕円
状の蒸気流路11aを有する略直線的な蒸気流路を有す
る弁箱11と、この弁箱11の蒸気流路11aに一定の
角度θで交差する軸心上で移動可能な弁体12とを備
え、この弁体12を弁箱11の外部に設けた弁体駆動機
構14によって往復動作させて蒸気流路11aを開閉す
るようになっている。
【0105】詳述すると、弁箱11内の蒸気流路11a
は図1(B)に示すように、流路軸心に垂直な断面円形
の入口部分および出口部分と、上下方向が絞られた断面
楕円形の弁座部分とを滑らかに接続して構成されてい
る。つまり弁開時に流路軸心と垂直な断面積が緩やかに
変化し、かつ蒸気流の流線が直線となるように構成され
ている。換言すれば、流路11aは流路軸心に垂直な平
面上に投影された弁体の往復動作軸心の方向を短軸とし
た楕円状に形成されている。
【0106】具体的には蒸気流路11aは、直径(D)
の円管から流路軸心に垂直な平面上に投影された弁体1
2との往復動作軸心の方向を短軸とした長軸(D)、短
軸(D× cos θ((但し、51°≦θ≦65°))の
楕円管に変化する入口絞り流路11bと、この入口絞り
流路11bの下流端と同一の楕円管に対してその内部を
弁体12が流路軸心に対して角度(θ)で往復動作でき
る円管部(弁室構成部)が接続された中間流路11b
と、この中間流路11bと同一の楕円管から直径(D)
の円管に変化する出口広がり流路11cとを有する。
【0107】ここで、管軸心と傾斜角度について、上限
を(51°≦θ)としたのは流路11aの弁部開口径
S′が従来以下となるための範囲を設定したものであ
り、また、(θ≦65°)としたのは、従来よりも圧力
損失を低下させることができる範囲を設定したものであ
る。
【0108】弁箱11の円管部(弁室構成部)内には、
有底円筒状の弁体12を着座させるための弁座16が、
蒸気流路11aを斜め方向に切断し弁棒軸心方向から見
て円形状をなすように設けられている。弁体12は、弁
座16に着座して蒸気流を遮断する円形のシール面を有
する。
【0109】弁体12は、底部中央に差圧解消用の連通
孔31を有し、この連通孔31を介して蒸気流路11a
と弁室11eとがパイロット弁により連通し得るように
なっている。すなわち、弁体12の連通孔31部分から
上方にピン32を介して一体に支持板33が突設されて
いる。弁棒13の下端には連通孔31を開閉するパイロ
ット弁34および係止鍔35が設けられ、弁閉時には弁
棒13が下降してパイロット弁34が連通孔31を塞ぐ
状態で弁体12を一体的に下降させるようになってい
る。そして最終的に弁体12の底部が弁座16に着座し
て、蒸気流路11aが弁開状態となる。弁開時には弁棒
13が上昇し、パイロット弁34が連通孔31を開く状
態で係止鍔35に当接して弁体12を上昇させ、弁体1
2の底部が弁座16から外れて蒸気流路11aが弁開状
態となる。
【0110】弁体12の内部と弁蓋17との間の空間に
は、弁体12を弁閉方向に回動させるバックアップ用ば
ね圧縮コイル型のスプリング14cが内臓され、このス
プリング14がばね受け部材36を介して弁棒13の係
止鍔35を押し、エア源喪失時においても弁体12を閉
方向に付勢して閉動作させるようになっている。
【0111】弁棒13は、弁蓋17を貫通して上方に突
出し、弁体駆動機構14を構成するエアシリンダ14a
のピストン14fに連結されている。エアシリンダ14
aは、電磁弁18a〜18dおよび流量調整弁19a〜
19dを有する配管20aを介してエア源20に接続さ
れ、これらの流量調整弁19a〜19dによって給気流
量または排気流量を調整することにより、弁棒13の往
復動作速度を制御することができるようになっている。
【0112】なお、弁蓋17はエアシリンダ14aの下
端壁と一体構成となっている。また、弁棒13と、エア
シリンダ14aのピストン14fとは、容易に接続およ
び切り離し可能な弁棒着脱機構としてのカップリング1
4eによって連結されている。さらに、弁棒13と弁蓋
17とは、独立取り外し可能な分離型グランドシール部
21とでシールされている。21aはグランドパッキ
ン、21bはパッキン押えである。
【0113】以上の実施例1による主蒸気隔離弁5、6
の閉動作は、ピストン上側のシリンダ室への給気ライン
を開閉する電磁弁18aを開、同シリンダ室からの排気
ラインを開閉する電磁弁18bを閉、ピストン下側のシ
リンダ室への給気ラインを開閉する電磁弁18cを閉、
同シリンダ室からの排気ラインを開閉する電磁弁18d
を開にすることによって行なう。このとき、主蒸気隔離
弁5、6の開動作速度はピストン上側シリンダ室への給
気ラインに取り付けた流調弁19a、およびピストン下
側シリンダ室からの排気ラインに取り付けた流調弁19
dの開度調節によって制御する。
【0114】主蒸気隔離弁5、6の開動作は、電磁弁1
8aを閉、18bを開、18cを開、18dを閉にして
行なう。閉動作速度は、流調弁19bおよび19cの開
度調節によって制御する。
【0115】また、本実施例において弁の保守のための
分解時には、まず弁蓋17と弁箱11の固定部品とを外
す。次に、弁蓋17を例えばチェーンブロックにより吊
り上げる。この時、弁蓋17には、弁体駆動機構14、
駆動軸のグランドシール部21、弁体13およびバック
アップ用スプリング14cが取り付けられているため、
一括してこれらを弁箱11から取り外すことができる。
これにより、作業空間が狭く環境も悪い弁箱上で弁蓋吊
り上げ作業のみとし、他の作業性や環境の良い場所に移
動して、各部の分解をすることができる。弁の組立時も
同様に、各部の組立終了後、一括して弁箱11に取り付
けることができるため、作業性が向上する。
【0116】そして、本実施例の構成によると、以下の
効果が奏される。
【0117】弁棒13のエアシリンダ14a側の先端を
エアシリンダ14a内でピストン14fに接続すること
によって、弁体駆動機構がコンパクトになる。すなわ
ち、エアシリンダ14aと弁蓋17との間に弁棒カップ
リングがある従来の構成では、弁体の開閉動作に伴って
弁棒カップリングが移動することから、エアシリンダ下
端と弁蓋との間隔を弁棒ストロークS以上の動作余裕を
確保する必要があるが、本実施例では弁棒13のエアシ
リンダ側の先端をピストン14fに直結することによっ
て弁棒カップリングが省略できるので、弁体駆動機構1
4の弁蓋17上面からの高さを概ね最大で弁棒ストロー
クSだけ短縮することが可能になる。
【0118】また、エアシリンダ14aの弁蓋17側の
端面を、弁蓋17で一体に構成することによって、これ
らを分離する従来の構成では主蒸気隔離弁の弁蓋上面か
らエアシリンダの端面までに弁棒ストロークSが必要で
あり、さらにエアシリンダの端面からエアシリンダ内部
での弁棒長さも弁棒ストロークSを必要としていたのに
比較して、エアシリンダ端面と弁蓋との一体化により主
蒸気隔離弁の弁蓋上面からの高さが概ね弁棒ストローク
Sで十分となる。
【0119】このように弁蓋17上の弁体駆動部長さL
aが従来型よりも弁棒ストロークSの2倍だけ短縮で
き、かつオイルシリンダ14bを削除可能であることか
ら弁体駆動機構14が軽量コンパクトになる。また、こ
こで採用している弁軸角θの楕円状の流路の場合、以下
に示すように、弁体の必要な高さhを短縮できるため
に、それによって決まる図中Lbを従来型より短縮可能
である。
【0120】
【数3】 一方、従来型の場合
【数4】h(従来型)=D+δ であり、D=594mm、θ=60°、δ=60mmとする
と、
【数5】h(本発明)=343+60=403mm
【数6】h(従来型)=594+60=654mm弁体の
往復動軸と管軸の交点から弁蓋下面中心点までの距離を
Lbは、
【数7】Lb=h+S′であるから、
【数8】 Lb(本発明)=403+343=746mm
【数9】 Lb(従来型)=654+317=971mm となる。
【0121】したがって、弁軸角θ=60°の楕円状流
路を採用した場合、Lbを225mm短縮できる。
【0122】以上に示した弁体駆動機構14の軽量およ
びコンパクト化とLbの短縮により、以下の効果が期待
できる。(1)弁を大型化する場合も耐震設計が容易に
なる。(2)定検時の分解および組立作業の際に、例え
ば弁体駆動機構14の吊り上げ、設置、搬出および搬入
時の取扱いが容易になり、作業員への負担を軽減でき
る。(3)分解および組立作業に自動化機器を導入する
ことが容易になり、例えば、自動化機器で弁体駆動機構
14の一括引き抜きし、専用のメンテナンスエリアまで
搬出入を行ない、そこで集中的に保守作業を実施するな
どして、作業員の負担を大幅に軽減することが可能にな
る。(4)物量削減によってコストダウンが可能であ
る。
【0123】一方、楕円状の蒸気流路11aの採用によ
って、円形の弁座16を有しながらも流れの向きを変え
ない流路を形成しているので、弁における圧力損失が小
さい。
【0124】また、エアシリンダ14aのエア源20が
喪失した場合に主蒸気隔離弁を閉止するためのスプリン
グ14cを弁体12内部と弁蓋17との間の空間に配置
したことで、従来のエアシリンダと弁蓋との間に外部ス
プリングを配置する構成と異なり、外部構成が簡素とな
る。
【0125】また、定期点検などの分解、組立におい
て、弁体駆動機構14に取り付けられた弁棒着脱機構お
よび弁棒13に設けられた弁棒着脱機構としてのカップ
リング14eにより、弁体駆動機構14と弁棒13とを
着脱することができる。この弁棒着脱機構14eは弁棒
13と弁体駆動機構14との接続および切り離しを単に
フランジで結合した場合よりも容易に行なうことができ
るため、作業性が向上する。
【0126】さらに、弁体駆動機構14の主要部品点数
が削減されると同時に、弁体駆動機構14が軽量にな
り、また弁の重心が低下する。
【0127】以上のように、弁駆動部が軽量およびコン
パクト化され、物量削減によるコストダウン、耐震性の
向上を達成できると同時に、定期検査の際に保守作業を
実施する上で取扱いが容易になり、さらには、弁体13
と弁体駆動部14からなるアセンブリを一括引き抜きす
ることによって保守作業の簡素化および自動化が可能に
なる。
【0128】弁箱11の形状が図1に示す形状であれ
ば、弁体の往復動作用の軸心と管軸とがなす角を弁体1
3の往復動作用の軸心と管軸の交点から弁蓋下面中心点
までの距離をLbとすると、θ≧51°において、Lb
(本発明)≦Lb(従来型)となり、弁箱のコンパクト
化が可能である。一方、θ≦65°であれば、従来のY
型グローブ弁よりも圧損を低減することが可能である。
このように、51°≦θ≦65°楕円状の蒸気流路11
aを形成する弁箱11と、弁体駆動機構14とで構成さ
れる主蒸気隔離弁5、6では、弁体駆動機構14と弁箱
11とが軽量およびコンパクトになり、弁全体の重心を
下げることが可能であると同時に、弁の圧力損失も低減
可能である。
【0129】それらの結果、物量削減によるコストダウ
ン、耐震性の向上を達成できると同時に、定期検査の際
の保守作業の簡素化および自動化が可能になる一方、弁
の圧力損失を従来のY型グローブ弁よりも小さくでき、
例えば沸騰水型原子炉の主蒸気隔離弁に適用した場合、
蒸気のエネルギ損失が小さくなってプラント効率を向上
させることが可能になる。
【0130】また、プラント運転中の弁開時には、弁箱
内流路は管軸垂直断面断面積が急激に変化せず、かつ蒸
気主流の流線が直線となる形状となっていることによ
り、弁の圧力損失を低減でき、また弁体の振動を低減で
きる。弁の保守時には、弁の構成部品を順次分解し、保
守し、また組み立てることができるため、保守作業にお
ける取扱い重量が小さくなり、取扱い性および作業性が
向上する。
【0131】また、プラント運転中の弁開時には、蒸気
は蒸気流路11aの弁座位置において管軸垂直断面断面
積がなめらかに楕円形に絞られる。この時、蒸気主流の
流線は直線に保たれる。これにより、弁の圧力損失を低
減できる。また、弁体の振動も低減できる。
【0132】弁閉時には、弁体13、弁座16のシール
面が円形に構成されているため、蒸気圧力による弁体1
3の弁座16への押し付け力がシール面にほぼ均一に分
布し、弁座漏洩が低減される。また、弁箱11および弁
体13の製造、保守、補修が容易となる。
【0133】また、弁箱11の流路を弁座部で大きく絞
っていないため、弁体13を大型化することが可能とな
り、弁閉時には、大きな流体力によって弁体が弁座に押
し付けられ、弁座漏洩を低減できる。また、弁体重量が
大きくなるため、エア源喪失時に弁が自然に閉止する機
能を向上できる。
【0134】実施例2(図2) 本実施例は前記の実施例1と略同様の構成を有するが、
弁箱11の蒸気流路の構成が前記実施例1とは異なる。
すなわち、本実施例では、蒸気流路11aの断面が全体
に亘って円形となっている。弁体の移動ストロークは
S′である。他の構成は実施例1と略同様であるから、
説明を省略する。
【0135】このような実施例2の構成によれば、流路
断面を楕円形状とした実施例1の効果を除き、それ以外
の点で実施例1と殆ど同様の効果が奏される。すなわ
ち、弁蓋17上部の駆動機構14の長さLaは、従来型
よりも弁棒ストロークSの2倍の長さだけ短縮可能であ
る。その結果、第1実施例に記載の(1)〜(4)の効
果が期待できる。
【0136】実施例3(図3) 本実施例は前記の実施例1,2と略同様の構成を有する
が、弁棒13のエアシリンダ14aへの連結構造が異な
る。すなわち、本実施例では、弁棒13を直接エアシリ
ンダ14aに連結せず、カップリング14e′を介して
駆動軸14gに連結し、この駆動軸14gをエアシリン
ダ14aのピストン14fに連結している。そして、弁
蓋17とエアシリンダ14aとをヨークロッド18で連
結し、弁棒13と駆動軸14gとの連結部分は外部に開
放状態としている。
【0137】このような実施例3の構成によれば、弁棒
13と駆動軸14gとの連結部分を外部に開放状態とす
ることで、グランドシール部21を外部から直接操作す
ることができるので、当該グランドシール部21の保守
点検に係る取り外しおよび装着等が容易に行える。すな
わち、定検時にグランド構造21のパッキン21aの交
換のみを実施する場合に、弁棒カップリング14e′お
よびグランドのパッキン押え21bのみの分解で交換が
可能である。その結果、第1実施例に記載の(1)〜
(4)の効果が期待できる。一方、楕円流路の採用によ
って、円形の弁座を有しながらも流れの向きを変えない
流路を形成しているので、弁における圧力損失が小さ
い。また、本実施例ではカップリング14e′の動作を
弁体ストロークS分だけ必要とするので、弁蓋17上部
の駆動機構の長さLaを従来型よりも弁棒ストロークS
の長さだけ短縮可能であり、かつLbを従来型より短縮
可能である。
【0138】実施例4(図4) 本実施例は実施例3と略同様に弁棒13を駆動軸14g
を介してエアシリンダ14aに連結する構成のものであ
るが、弁箱11の蒸気流路の構成が前記実施例3とは異
なる。すなわち、本実施例では、蒸気流路11aの断面
が全体に亘って円形となっている。弁体の移動ストロー
クはS′である。他の構成は実施例1と略同様であるか
ら、説明を省略する。
【0139】このような実施例4の構成によれば、流路
断面を楕円形状とした実施例3の効果を除き、それ以外
の点で実施例3と殆ど同様の効果が奏される。
【0140】実施例5(図5(A)) 本実施例は実施例3と同様に、弁棒13と駆動軸14g
との連結部分を外部に開放状態としたものであるが、弁
棒13をエアシリンダ14aに直結して、実施例1と同
様の弁棒構成とした点が異なる。
【0141】このような実施例5の構成によれば、弁棒
13をエアシリンダ14aに直結したことにより弁高さ
を実施例1と略同様に低減できる利点と、実施例3で示
したように弁棒13と駆動軸14gとの連結部分を外部
に開放状態とすることで、グランドシール部21を外部
から直接操作することができるので、当該グランドシー
ル部21の保守点検に係る取り外しおよび装着等が容易
に行える利点とが得られる。
【0142】実施例6(図5(B)) 本実施例は前記の実施例5と略同様の構成を有するが、
弁箱11の蒸気流路の構成が前記実施例5とは異なる。
すなわち、本実施例では、蒸気流路11aの断面が全体
に亘って円形となっている。弁体の移動ストロークは
S′である。他の構成は実施例5と略同様であるから、
説明を省略する。
【0143】このような実施例2の構成によれば、流路
断面を楕円形状とした実施例5の効果を除き、それ以外
の点で実施例1と殆ど同様の効果が奏される。
【0144】実施例7(図6) 本実施例の主蒸気隔離弁5,6は、図1に示した実施例
1の弁体駆動機構14と楕円状流路を有する弁箱11を
備えるとともに、弁シート部が球面状をなす弁体12を
備え、この弁体12を流体流路11aの管軸心に概ね直
交する軸心に沿って往復動作可能な構成としたものであ
る。弁体12は、球面状のシート面を弁箱11の傾斜し
た弁座16に対しても、確実に着座する。なお、本実施
例でも内臓型のスプリング14cおよびパイロット弁3
4等を有する。弁体駆動機構等については前記各実施例
と略同様である。
【0145】このような実施例7の構成によれば、弁体
12が傾斜した弁座16に対しても確実に着座するの
で、主蒸気隔離弁5,6を水平配管の主蒸気管2に接続
する場合においても、弁棒13を垂直な構成とすること
が可能になる。したがって、定検時等に弁を分解または
組立てする際、垂直方向の吊り作業が可能となり、従来
のように弁体駆動機構14を斜め方向に吊る必要がな
い。このため、図1の実施例の説明で述べた効果のうち
(2)、(3)の効果をさらに大きくすることが可能に
なる。
【0146】実施例8(図7) 本実施例は前記の実施例7と略同様の構成を有するが、
弁箱11の蒸気流路の構成が前記実施例7とは異なる。
すなわち、蒸気流路11aの断面が全体に亘って円形と
なっている。他の構成は実施例7と略同様であるから、
説明を省略する。
【0147】このような実施例8の構成によれば、流路
断面を楕円形状とした実施例7の効果を除き、それ以外
の点で実施例1と殆ど同様の効果が奏される。すなわ
ち、水平に配管された主蒸気管2に接する場合、弁体駆
動軸が垂直な主蒸気隔離弁5、6を構成することが可能
になる。したがって、定検時に弁を分解または組立する
際、垂直方向の吊り作業になり、従来のように弁体駆動
機構14を斜め方向に吊る必要がない。また、弁蓋17
上部の駆動機構14の長さLaを従来型よりも弁棒スト
ロークSの2倍分だけ短縮可能である。その結果、第1
実施例に記載の(1)〜(4)の効果が期待できる。
【0148】実施例9(図8) 本実施例も前記の実施例7と略同様の構成を有するが、
弁棒13のエアシリンダ14aへの連結構造が異なる。
すなわち、本実施例では、弁棒13を直接エアシリンダ
14aに連結せず、カップリング14e′を介して駆動
軸14gに連結し、この駆動軸14gをエアシリンダ1
4aのピストン14fに連結している。そして、弁蓋1
7とエアシリンダ14aとをヨークロッド18で連結
し、弁棒13と駆動軸14gとの連結部分は外部に開放
状態としている。
【0149】このような実施例9の構成によれば、弁棒
13と駆動軸14gとの連結部分を外部に開放状態とす
ることで、グランドシール部21を外部から直接操作す
ることができるので、当該グランドシール部21の保守
点検に係る取り外しおよび装着等が容易に行える。な
お、本実施例でもカップリング14e′の動作を弁体ス
トロークS分だけ必要とするので、弁高さを従来例に比
して低下できる量は概ねSである。
【0150】実施例10(図9) 本実施例は前記の実施例9と略同様の構成を有するが、
弁箱11の蒸気流路の構成が前記実施例9とは異なる。
すなわち、蒸気流路11aの断面が全体に亘って円形と
なっている。他の構成は実施例9と略同様であるから、
説明を省略する。
【0151】このような実施例10の構成によれば、流
路断面を楕円形状とした実施例7の効果を除き、それ以
外の点で実施例9と殆ど同様の効果が奏される。
【0152】実施例11(図10および図11) 本実施例は、弁棒13と、ピストン14f,カップリン
グ14e′またはスプリングシート14dなど(代表的
に駆動板129と称す)との接合部の構成についてのも
のであり、図10は正面図、図11は下面図である。
【0153】本実施例において、駆動板129は図示し
ない弁体駆動機構によって移動可能に設けられている。
この駆動板129下部のヨークロッド18と干渉しない
位置に、ガイドフレーム130がボルト131により固
定されている。このガイドフレーム130にガイドされ
てスライド可能なように、二つのスライド板132a,
132bが取り付けられている。
【0154】スライド板132a,132bの下部に
は、それぞれ左ねじ、右ねじを持つ駆動用ナット133
a,133bおよびリニアガイド134a,134bが
取り付けられている。駆動用ナット133a,133b
は、駆動用ねじ棒135に取り付けられている。駆動用
ねじ棒135には左ねじ部136aおよび右ねじ部13
6bが設けられている。
【0155】リニアガイド134a,134bは、ガイ
ドロッド137に取り付けられ、また駆動用ねじ棒13
5およびガイドロッド137の両端は、固定板138に
取り付けられている。駆動用ねじ棒135には、ハンド
ル139が取り付けられており、軸回転可能となってい
る。
【0156】ガイドフレーム130には、スライド板1
32を閉位置に保持するためのプランジャ140が取り
付けられている。また、弁棒13先端のねじ部141に
は、ステムコネクタ142が回り止めナット143およ
びセットピン144により取り付けられている。
【0157】このような構成において、弁の分解時に
は、まずプランジャ140を引っ張って解除し、ハンド
ル139を回転させてスライド板132a,132bを
開く。これにより、弁棒13と駆動板129を分離する
ことができる。
【0158】弁の組立時には、弁棒13に取り付けられ
たステムコネクタ142と駆動板129を押し付け、ハ
ンドル139を回転させてスライド板132a,132
bを閉じる。これにより弁棒13と駆動板129を接続
することができる。
【0159】このように、ハンドル139を回すだけ
で、スライド板132a,132bを開閉し、弁棒13
と駆動板129を分離、結合することができるため、作
業性を向上することができる。
【0160】実施例12(図12〜図14) 本実施例は、実施例11の変形例であり、図12は平面
図、図13は図12のA−A断面図、図14(A)は図
12のB−B断面図、図14(B)は図12のC−C断
面図である。
【0161】本実施例において、駆動板129は図示し
ない弁体駆動機構によって移動可能に設けられている。
この駆動板129の下部のヨークロッド18と干渉しな
い位置にガイドフレーム130がボルト131により固
定されている。このガイドフレーム130にガイドされ
てスライド可能なように、二つのスライド板132a,
132bが取り付けられている。
【0162】スライド板132aには上部ギヤラック1
45a,145bが取り付けられている。これらのギヤ
ラック145a,145bと同時にかみ合うようにピニ
オン146がピニオン駆動軸147に取り付けられてい
る。ピニオン駆動軸147はピニオン駆動軸軸受148
を介してガイドフレーム130に取り付けられている。
【0163】このような実施例12の構成において、弁
の組立時には、ピニオン駆動軸147に取り付けられる
図示しないハンドルなどを回転させてラスライド板13
2a,132bを開く。これにより、弁棒13と駆動板
129を分離することができる。
【0164】弁の組立時には、弁棒13に取り付けられ
たステムコネクタ142と駆動板129を押し付け、ハ
ンドルなどを回転させてスライド板132a,132b
を閉じる。これにより、弁棒13と駆動板129を接続
することができる。
【0165】このように、ハンドルあるいは電動工具な
どによって、スライド板132a,132bを開閉し、
弁棒13と駆動板129を分離、結合することができる
ため、作業性を向上することができる。
【0166】実施例13(図15) 本実施例も実施例11の変形例であり、図15は正面図
である。
【0167】本実施例では、駆動板129が図示しない
弁体駆動機構によって移動可能に設けられている。この
駆動板129下部に大型ナット部品149がボルト13
1によって取り付けられている。
【0168】そして、弁棒13の上部にはステムコネク
タ142および回り止めナット143が取り付けられ、
さらにその下側には、大型ねじ部品150が取り付けら
れている。大型ねじ部品150は大型ナット部品149
にねじ込まれる大型ねじ部151を有し、また、図示し
ない電動工具などに駆動される歯車152とかみ合う歯
車部153を持っている。
【0169】このような実施例13の構成において、弁
の分解時には、図示しないが、電動工具などにより歯車
152を回転させ、大型ねじ部品150を大型ナット部
品149から取り外す。これにより、弁棒13と駆動板
129を分離することができる。
【0170】弁はの組立時には、弁棒13に取り付けら
れたステムコネクタ142と駆動板129を押し付け、
歯車152を回転させて大型ねじ部品150を大型ナッ
ト部品149に取り付ける。これにより弁棒13と駆動
板129を接続することができる。
【0171】このように、電動工具などによって大型ね
じ部品150を脱着することにより、弁棒13と駆動板
129を分離、結合することができるため、作業性を向
上することができる。
【0172】実施例14(図16〜図20) 本実施例は、回動式(スイング式)の主蒸気隔離弁につ
いてのもので、図16は一部を断面で示す斜視図、図1
7〜図20は作用を示す断面図である。
【0173】本実施例では図16に示すように、弁箱1
1は図示しない主蒸気管に接続されている。弁箱11内
の流路は、管軸に垂直な断面形状が、弁箱11の入口と
出口では円形であり、その中間では上下方向に絞られた
楕円形となっている。この弁箱11内流路は、弁開時に
その管軸垂直断面断面積が急激に変化せず、かつ流体主
流の流線が直線となるように、なめらかに構成されてい
る。
【0174】弁箱11の上部には、弁開時に弁体12を
収納する弁体退避部101が設けられている。弁箱11
内流路の楕円形断面部を平面で斜めに切った断面形状が
円形となる位置に、座弁座16が設けられている。
【0175】弁箱11上部には、図示しない固定シール
部を挟んで弁蓋17がグレイロック102により取り付
けられている。グレイロック102は、V字状のテーパ
溝を内面に有した半割れリング状の固定具であり、2個
の半割れリングを向かい合せて図示しないナットおよび
ボルトによって締め付けて使用するものである。これに
より、締め付けに用いるねじの本数を削減では、作業性
を向上できる。
【0176】弁蓋17上にはエアモータ103、エアブ
レーキ104が搭載されている。これらは図示しないエ
ア源からのエア供給ラインに接続されている。エア供給
ラインの任意の位置には図示しないエア源からのエア供
給ラインに接続されている。エア供給ラインの任意の位
置には図示しない電磁弁が取り付けられている。電磁弁
は図示しない別室の電磁弁制御部から遠隔操作される。
また電磁弁は、電源が喪失した場合には、エアモータ1
03およびエアブレーキ104にエアを供給しないか、
または弁閉方向にエアを供給するように構成される。
【0177】エアモータ103の出力軸105には、ス
プロケット106aおよびチェーン107が取り付けら
れている。チェーン107は駆動軸108に取り付けら
れたスプロケット106bに接続してある。
【0178】駆動軸108は弁蓋17の側面を貫通して
いる。この駆動軸108と弁蓋17との間は、駆動軸シ
ール部109によってシールされている。駆動軸108
には、弁内の圧力に耐えて回転可能になように、軸受1
10が取り付けられ、また駆動軸108の弁内側の端に
は弁内歯車114aが取り付けられている。
【0179】弁蓋17の内側には、軸取り付け部111
が取り付けられ、この軸取り付け部111の下部には弁
体軸112が回転可能に取り付けられている。弁体軸1
12には弁体12、パイロット弁アーム113および弁
内歯車114aとかみ合う弁内歯車114bが取り付け
られている。パイロット弁アーム113の一端と弁蓋1
7の内側にはバックアップ用ばね115が引張り状態で
取り付けられている。
【0180】次に図17〜図20によって詳細な構成お
よび作用を説明する。図17は弁閉状態を示し、図18
は弁開状態を示している。また、図19は弁体12を拡
大して示し、同図(A)はパイロット弁閉、同図(B)
はパイロット弁開の状態をそれぞれ示している。図20
は回転中心軸部の構成を示している。
【0181】弁体12には、流路模擬部116が取り付
けられており、流路模擬部116は弁開時に弁蓋17と
弁体12の隙間を埋め、流路形状の急激な変化を緩和し
て圧力損失を低減するようになっている。なお、流路模
擬部116は弁箱11に取り付けても同様に機能する。
【0182】パイロット弁アーム113は弁体軸112
に取り付けられている。弁体12は円形のシール面を有
するものであり、弁体支持部121を介して弁体軸11
2に取り付けられている。パイロット弁アーム113の
先端にはパイロット弁用弁体117が設けられている。
また、パイロット弁アーム113と弁体12の間には、
パイロット弁用ばね118がパイロット弁アーム113
を押し上げるように取り付けられている。弁体12に
は、パイロット弁用穴部119およびパイロット弁用弁
座120が設けられている。
【0183】このような実施例14の構成において、プ
ラントの運転状態では弁開状態であり、弁体12は弁箱
11の弁体退避部101に収納されている。この時、弁
体駆動機構を構成するエアモータ103は停止してお
り、エアブレーキ104はエアモータ103の出力軸1
05を固定している。なお、エアモータ103およびエ
アブレーキ104は、図示しない電磁弁制御部による電
磁弁の切り換えにより制御されるものである。バックア
ップ用ばね115はパイロット弁アーム113の一端に
引っ張り力を作用させている。
【0184】この弁開状態から弁を閉じる場合は、エア
ブレーキ104を解除し、エアモータ103を作動させ
て、その出力軸105を弁閉方向に回転させる。これに
より、スプロケット106aが回転する。この回転力は
チェーン107を介してスプロケット106bに伝えら
れ、駆動軸108を回転させる。駆動軸108は弁蓋1
7との間を駆動軸シール部109によりシールされ、軸
受110により回転支持されながら回転し、その先端の
駆動用歯車152aを回転させる。
【0185】これにより駆動用歯車152bが回転し、
弁体軸112が回転して、パイロット弁アーム113を
弁閉方向に回転させる。このとき、バックアップ用ばね
115の引張力も弁閉方向に作用する。これにより、パ
イロット弁アーム113と弁体112間のパイロット弁
用ばね118を介して弁体112が押され、弁体軸11
2を中心に回動して、弁箱11の弁座16へと着座す
る。
【0186】着座後は、図19および図20に示すよう
に、弁体軸112に固定されているパイロット弁アーム
113の可動範囲を弁体12の弁体支持部121と弁体
軸112が回転し、パイロット弁用弁体117が弁体1
2のパイロット弁用弁座120に着座して、流体を遮断
することができる。
【0187】万が一、図示しない電磁弁の電源が喪失し
た場合には、電磁弁はその初期位置に切り換わる。この
状態ではエアモータ103およびエアブレーキ104に
エアが供給されなくても、弁体12はその自重およびバ
ックアップ用ばね115によって自然に閉方向に移動す
る。さらに、弁体12は流体力も受けて弁座16へと着
座し、パイロット弁用弁体117もバックアップばね1
15によって弁体12のパイロット弁用座120に着座
して流体を遮断する。
【0188】弁を開く場合には、エアモータ103を弁
閉時とは逆方向に駆動する。これにより、各部が弁閉時
とは逆に動作し、まずパイロット弁アーム113が持ち
上げられる。この時、弁体軸112と弁体12とは弁体
支持部121の回転余裕部123により空転する。これ
により、弁体12の入口側と出口側の圧力差が小さくな
るため、弁体12を弁座16から引き離す力が小さくな
る。次に弁体軸112のキー122により弁体支持部1
21を介して弁体12が持ち上げられ、弁箱11の弁体
退避部101に収納される。
【0189】弁開状態においては、弁体12の流路を形
成する部分には、流路形状の急激な変化を緩和し流体の
圧力損失を低減する流路模擬部116が設けられてお
り、また、弁箱11内の流路がなめらかに構成されてい
るため、流体主流の流線がほぼ管軸方向の直線に保た
れ、弁の圧力損失が低減される。また、弁体12の流体
振動も低減される。
【0190】このように、本実施例では、スイング型弁
体駆動方式として、弁を小型軽量に保ちながら、弁開時
に弁箱11内の流れの状態を安定化するように弁体1
2、弁箱11を構成しているため、弁の圧力損失の低減
および弁体12の振動の低減を実現できる。
【0191】また、弁蓋17に弁の構成機器を全て取り
付けたことより、保守作業時に弁箱11以外の部分を一
括して取り扱うことが可能となるため、作業性を向上で
きる。
【0192】また、弁体12および弁座16のシール面
を円形に構成していることから、流体圧力による弁体1
2の弁座16への押し付け力をほぼ均一にすることがで
きるため、弁座16からの漏洩を低減できる。また、弁
箱11および弁体12の製造性、補修性、保守作業性が
向上する。
【0193】さらに、バックアップ用ばね115を弁に
内蔵し、かつ、弁蓋上に搭載したエアモータ103、エ
アブレーキ104を使用して従来例と同等の弁体12の
駆動機能および電磁弁電源喪失時の自動閉止機能を実現
できるため、駆動機構各部の小型軽量化が可能となる。
【0194】また、弁蓋17内の弁内歯車114a,1
14bにより弁体12をスイング動作させることによ
り、駆動軸108と弁体軸112間の距離を大きくとる
ことが可能となり、エアモータ103などの弁体駆動部
および弁体12の配置を自由に設定することが可能とな
る。また、弁内歯車114a,114bによって減速す
ることにより、駆動軸108の回転量を増加させ、弁の
テスト閉(10%閉)動作時における駆動軸108と駆
動軸シール部109の摺動量を増加させて、焼き付き防
止効果を高めることが可能となる。
【0195】さらにまた、弁体12にパイロット弁を設
けているため、弁閉から開に移る場合に、弁体12が受
ける流体圧力を軽減し、小さな力で弁を開くことが可能
となり、エアモータ103などの弁体駆動機構各部を小
型軽量化することができる。
【0196】実施例15(図21および図22) 本実施例はスイング式主蒸気隔離弁についての前記実施
例14の変形例である。図21は正断面、図22は側断
面図である。
【0197】本実施例では、図21に示すように、第1
の実施例の弁体軸112と弁体12の接続部である弁体
支持部121とを備えている。弁体軸112にはキー1
22が取り付けられており、また弁体支持部121には
パイロット弁アーム113の動作のためにキー122お
よび弁体軸112と弁体支持部121の回転余裕部12
3が設けられている。
【0198】弁箱11は図示しない主蒸気管に接続さ
れ、この弁箱11内の流路は、管軸心に垂直な断面形状
が、弁箱11の入口と出口では円形であり、その中間で
も同様に円形となっている。
【0199】弁箱11の上部には、弁開時に弁体12を
収納する弁体退避部101が設けられ、弁箱11内流路
には、弁体主流の流線が直線となるように、流路を大き
く横切らない位置に弁座16が設けられている。弁座1
6は、弁体12とともに流体を遮断する形状なってい
る。
【0200】弁箱11には弁蓋17が固定シール部12
4を挟んでグレイロック102により取り付けられてい
る。弁蓋17上には、エアモータ103およびエアブレ
ーキ104が取り付けられている。エアモータ103の
出力軸105には動力伝達歯車125aが取り付けら
れ、また弁蓋17側面には駆動軸108が駆動軸シール
部109によりシールされた状態で取り付けられてい
る。駆動軸108の一端には動力伝達歯車125bが取
り付けられている。
【0201】弁蓋17内側には軸取り付け部111が設
けられている。軸取り付け部111の上部には駆動軸1
08が軸受110により取り付けられている。駆動軸1
08には駆動リンク126aが取り付けられている。駆
動リンク126aには駆動リンク126bが回転軸12
7aにより取り付けられている。駆動リンク126bは
駆動リンク接続部128を介して弁体112によってス
イング動作可能に取り付けられている。また、弁体12
は、亀の甲形であり、弁開時に流路を弁する部分は、前
記流路模擬部116と同等に機能する凹形となってい
る。弁体12は弁蓋17にはバックアップ用ばね115
が引張状態で取り付けられている。
【0202】このような実施例15の構成において、プ
ラントの運転状態では弁開状態であり、弁体12は弁箱
11の弁体退避部101に収納されている。この時、弁
体駆動機構を構成するエアモータ103は停止してお
り、エアブレーキ104はエアモータ103の出力軸1
05を固定している。なお、エアモータ103、エアブ
レーキ104は、図示しない電磁弁制御部による電磁弁
の切り換えにより制御されるものである。バックアップ
用ばね115は弁体12の一端に引っ張り力を作用させ
ている。
【0203】この状態から弁を閉じる場合は、エアブレ
ーキ104を解除し、エアモータ103を作動させて、
その出力軸105を弁閉方向に回転させる。これによ
り、動力伝達歯車125aが回転する。この回転力は動
力伝達歯車125bに伝えられ、駆動軸108を回転さ
せる。駆動軸108は弁蓋17との間を駆動軸シール部
109によりシールされ、軸受110により回転支持さ
れながら回転し、駆動リンク126a,126bを動作
させる。
【0204】駆動リンク126bは弁体12の駆動リン
ク接続部128を押す。この時、バックアップ用ばね1
15の引張力も弁閉方向に作用する。これにより弁体1
2が弁体軸112を中心にスイング動作して、弁箱11
の弁座16へと着座し、流体を遮断することができる。
万が一図示しない電磁弁の電源が喪失した場合、第1の
実施例と同様に弁は自然に閉まるようになっている。
【0205】弁を開く場合には、エアモータ103を弁
閉時とは逆方向に駆動する。これにより、各部が弁閉時
とは逆に動作し、弁体12が持ち上げられて弁箱11の
弁体退避部101に収納される。
【0206】弁開状態においては、弁体12の流路を形
成する部分は、流路形状の急激な変化を緩和し流体の圧
力損失を低減する凹形となっており、また、弁箱11内
の流路は管軸垂直断面が円形となっており、弁座も流体
主流の流線を直線に保つ位置に設けられているため、弁
の圧力損失が低減される。また、弁体12の流体振動も
低減される。
【0207】このように、本実施例では、スイング型弁
体駆動方式として、弁を小型軽量に保ちながら、弁開時
に弁箱11内の流れの状態を安定化するように弁体12
および弁箱11を構成しているため、弁の圧力損失の低
減および弁体12の振動の低減を実現できるい。また、
弁蓋17に弁の構成機器を全て取り付けたことにより、
保守作業時に弁箱11以外の部分を一括して取り扱うこ
とが可能となるため、作業性を向上できる。
【0208】また、弁体12を比較的大型化することが
できるため、その重量により弁の自動閉止機能をより確
実にすることができる。バックアップ用ばね115を弁
に内蔵し、かつ弁蓋上に搭載したエアモータ103、エ
アブレーキ104を使用して従来例と同等の弁体12の
駆動機能および電磁弁電源喪失時の自動閉止機能を実現
できるため、駆動機構各部の小型軽量化が可能となる。
【0209】また、弁体12内の駆動リンク126a,
126bにより弁体12をスイング動作させることによ
り、駆動軸108と弁体軸112間の距離を大きくとる
ことが可能となり、エアモータ103などの弁体駆動部
および弁体12の配置を自由に設定することが可能とな
る。また、駆動リンク126a,126bの長さを適宜
設定し、駆動軸108の回転量に対する弁体12のスイ
ング量を適宜設定することにより、弁閉速度の調節が可
能である。
【0210】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えば、弁蓋17に全ての駆動機構およ
び弁体12を取り付けず、弁箱11にも一部取り付け、
保守作業時には順次分解、組立する方法でも良く、各部
の取扱い重量が軽減するため、作業性が向上する。
【0211】また、弁蓋17と弁箱11はグレイロック
102ではなく、フランジ接続とし、ボルト、ナットで
固定する方法でもよい。
【0212】さらに、エアモータ103の動力を駆動軸
108に伝達する部分は、チェーン107や動力伝達用
歯車152の代りに、タイミングベルトやリンク機構な
どでもよい。
【0213】さらにまた、エアブレーキ104を用いな
いで、エアモータ103のみとし、プラント運転中は常
時エアモータ103に力を発生させておき、弁閉動作時
には、駆動用エアの圧力調整弁により速度制御を行なっ
てもよい。これにより、弁開時に弁体12を弁蓋17に
引き当てておくことが可能となり、弁体12の振動をよ
り軽減できる。
【0214】プラント運転状態では、エアブレーキ10
4とエアモータ103の両方で力を発生する方法を実施
してもよく、またエアブレーキ104により、弁の開閉
速度を調節する構成としてもよい。
【0215】
【発明の効果】以上の実施例で詳述したように、請求項
1ないし4および請求項10ないし13記載の発明によ
れば、弁棒ストロークの長さをSとすると、弁体駆動機
構の軸方向長さを従来型よりも概ねS〜2Sだけ短縮可
能であり、弁陰電極駆動機構が軽量・コンパクトにな
る。
【0216】したがって、(1)弁を大型化する場合も
耐震設計が容易になる。(2)定検時の分解および組立
作業の際に、例えば弁体駆動機構の吊り上げ、設置、搬
出および搬入時の取扱いが容易になり、作業員への負担
を軽減できる。(3)分解および組立作業に自動化機器
を導入することが容易になり、例えば、自動化機器で弁
体駆動機構の一括引き抜きし、専用のメンテナンスエリ
アまで搬出入を行い、そこで集中的に保守作業を実施す
るなどして、作業員の負担を大幅に軽減することが可能
になる等の効果が奏される。
【0217】請求項6〜8記載の発明は、スライド板型
脱着部のスライド板を取り外す駆動力を作用させるだけ
で弁棒と弁体駆動機構を分離、結合することができるた
め、作業性か向上する。
【0218】請求項9記載の発明は、大型ねじ部品を取
り外すだけで弁棒と弁体駆動機構を分離、結合できるた
め、作業性が向上する。
【0219】また、請求項5〜9記載の弁棒脱着機構
を、請求項1ないし4および請求項10ないし13記載
の軽量およびコンパクトな弁体駆動機構と組み合せるこ
とによって、保守作業性の向上の効果が大きくなると同
時に、保守作業への自動化機器の導入割合が大きくな
る。
【0220】請求項14ないし15記載の発明によれ
ば、水平に配管された主蒸気管に接続する場合、弁体駆
動機構が垂直で、かつ、駆動機構か軽量およびコンパク
トな主蒸気隔離弁を構成することが可能になる。したが
って、上記(2),(3)の効果をさらに大きくするこ
とが可能になる。
【0221】請求項16ないし17記載の発明によれ
ば、弁全体をさらにコンパクトにし、れ重心を下げるこ
とが可能になる。したがって、重心に働くモーメントを
考えた場合、腕の長さが短くなり、設計時の荷重条件が
緩和されるため、上記(1)の効果を大きくすることが
可能になる。一方、楕円流路の採用によって、円形の弁
座を有しながらも流れの向きを変えない流路を形成して
いるので、弁における圧力損失が小さい。
【0222】請求項18記載の発明によれば、軽量およ
びコンパクトな弁体駆動機構と分離型グランド構造の採
用によって、保守作業性向上の効果を大きくできると同
時に、弁体駆動機構の取り外しからグランド構造の分解
組立作業までの作業を自動化機器を導入して行なうこと
が容易になり、保守作業の簡素化および自動化を図るこ
とが可能になる。
【0223】請求項19記載の発明によれば、軽量およ
びコンパクト化された弁体駆動機構と、弁蓋とが分離さ
れていることによって、弁体駆動機構の吊り上げ、吊り
込み時の取扱い性が向上すると同時に、弁体駆動機構の
吊り上げ、吊り込み、搬出、および搬入作業への自動化
機器の導入が容易になる。その結果、保守作業の簡素化
および自動化を図ることが可能になる。
【0224】請求項20記載の発明によれば、プラント
運転中の弁開時には、弁箱内流路は管軸垂直断面断面積
が急激に変化せず、かつ、流体主流の流線が直線となる
形状となっている。したがって、弁の圧力損失を低減で
き、また弁体の振動を低減できる。さらに、弁の保守時
には、弁の構成部品を順次分解し、保守し、また組み立
てることができるため、保守作業における取扱い重量が
小さくなり、取扱い性、作業性が向上する。
【0225】請求項21記載の発明によれば、プラント
運転中の弁開時には、流体は流路の弁座位置において管
軸垂直断面断面積がなめらかに楕円形に絞られる。この
時、流体主流の流線は直線に保たれる。したがって、弁
の圧力損失を低減できる。また、弁体の振動を低減で
き、さらに弁閉時には、弁体、弁座のシール面が円形に
構成されているため、流体圧力による弁体の弁座への押
し付け力がシール面にほぼ均一に分布し、弁座漏洩が低
減される。また、弁箱および弁体の製造、保守、補修が
容易となる。
【0226】請求項22記載の発明は、プラント運転中
の弁開時には、流体は流路の弁座部において弁座により
僅かに絞られる。この時、流体主流の流線は直線に保た
れる。したがって、弁の圧力損失を低減できる。また、
弁体の振動を低減できる。また、弁箱の流路を弁座部で
大きく絞っていないため、弁体を大型化することが可能
となり、弁閉時には、大きな流体力によって弁体が弁座
に押し付けられ、弁座漏洩を低減できる。また、弁体重
量が大きくなるため、エア源喪失時に弁が自然に閉止す
る機能を向上できる。
【0227】請求項23記載の発明によれば、弁開時に
は、弁体は弁箱上部とに設けられた弁体退避部に収納さ
れ、流体流線を変化させず、また弁箱内流路形状をなめ
らかに保つ。したがって、弁の圧力損失を低減でき、ま
た弁体の振動を低減できる。
【0228】請求項24記載の発明によれば、弁蓋に弁
体駆動機構、駆動軸シール部、弁体および弁体スイング
機構、バックアップ用ばねが取り付けられている。した
がって、本発明によれば、弁箱以外の弁構成機器を一括
して弁箱から取り外すことができる。これにより、作業
空間が狭く環境も悪い弁箱上では弁蓋吊り上げ作業のみ
とし、他の作業性や環境の良い場所に移動して、各部の
分解をすることができる。弁の組立時も同様に、各部の
組立省略後、一括して弁箱に取り付けることができるた
め、作業性が向上する。
【0229】請求項25記載の発明によれば、エアモー
タ、エアブレーキおよび電磁弁により、電源喪失時にも
安全側に動作する弁の駆動部を構成している。したがっ
て、本発明によれば、弁の安全性を向上することができ
る。また、エアモータを使用することにより、駆動部を
小型化できる。また、歯車などを使用することにより、
動力伝達部を柔軟な構成とすることができる。
【0230】請求項26記載の発明によれば、歯車を使
用して弁体駆動機構の動力を伝達し弁体をスイングさせ
る機構としている。したがって、駆動軸と弁体軸を離す
ことが可能となり、弁体駆動機構と弁体の配置を任意に
設定することが可能となる。このため、弁体駆動機構お
よびスイング機構を最適配置し、弁全体の小型化を図る
ことが可能となる。また、第1の歯車と第2の歯車によ
って減速することにより、弁蓋あるいは弁箱を貫通する
駆動軸の回転量を増加させ、弁のテスト閉(10%閉)
動作時における駆動軸と駆動軸シール部の摺動量を増加
させて、焼き付き防止構造を高めることが可能となる。
【0231】請求項27記載の発明によれば、リンク機
構を使用して弁体駆動機構の動力を伝達し弁体をスイン
グさせる機構としている。したがって、駆動軸と弁体軸
を離すことが可能となり、弁体駆動機構と弁体の配置を
任意に設定することが可能となる。このため、弁体駆動
機構およびスイング機構を最適配置し、弁全体の小型化
を図ることが可能となる。また、弁閉時の駆動力を駆動
リンク接続部により弁体の中央付近に加えることができ
るため、弁体を弁座に押し付ける面圧が比較的均一とな
り、弁座漏洩が低減される。
【0232】請求項28記載の発明によれば、プラント
運転中の弁開時には、弁箱内流路は管軸垂直断面断面積
が急激に変化せず、かつ、流体主流の流線が直線となる
形状となっている。さらに、弁蓋には、弁体駆動機構、
駆動軸シール部、弁体および弁体スイング機構、バック
アップ用ばねが取り付けられているため、一括してこれ
らを弁箱から取り外すことができる。したがって、本発
明によれば、弁の圧力損失を低減できる。また、弁体の
振動を低減できる。弁の保守時には、弁の構成部品を順
次分解し、保守し、また組み立てることができるため、
保守作業における取扱い重量が小さくなり、取扱い性、
作業性が向上する。また、作業空間が狭く環境も悪い弁
箱上では弁蓋吊り上げ作業のみとし、他の作業性や環境
の良い場所に移動して、各部の分解をすることができ
る。弁の組立時も同様に、各部の組立終了後、一括して
弁箱に取り付けることができるため、作業性が向上す
る。
【0233】請求項29および30記載の発明によれ
ば、弁閉状態から弁を開く場合に必要な力を軽減するた
めのパイロット弁を設けている。したがって、本発明に
よれば、弁閉から開に移るときの駆動力を軽減できるた
め、弁体駆動機構および弁体スイング機構各部の負荷が
軽減され、小型軽量化することができる。
【0234】請求項31記載の発明によれば、弁の設置
状態において、ばねが弁内に収納されている。したがっ
て、弁が小型化され、他の機器や配管などとの空間的干
渉が軽減される。弁の保守時には、同様に弁が小型化さ
れているため、アクセス性が向上し、また、運搬、取扱
いが容易となる。
【0235】請求項32記載の発明によれば、弁開時に
は、弁体および弁体周辺の弁箱内流路部、流路模擬部に
より前後の流路となめらかに接続する。したがって、流
体振動が減少し、圧力損失も低減される。
【0236】以上のように、本発明によれば弁本体が小
型軽量化され、分解、組立作業時の取扱い性が向上し、
また、弁の圧力損失が低減され、プラントの運転効率が
向上し、弁体の振動が低減されて弁の信頼性が向上す
る。さらに、弁の分解、組立作業の作業性が向上するた
め、作業の信頼性が向上し、もって、主蒸気隔離弁の信
頼性および原子力発電プラントの信頼性も向上する等の
優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例1
を示す全体構成の縦断面図、(B)は(A)のA−A断
面図。
【図2】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例2を示す全
体構成の縦断面図。
【図3】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例3を示す全
体構成の縦断面図。
【図4】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例4を示す全
体構成の縦断面図。
【図5】(A)は本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例5
を示す全体構成の縦断面図、(B)は、本発明に係る主
蒸気隔離弁の実施例6を示す全体構成の縦断面図。
【図6】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例7を示す全
体構成の縦断面図。
【図7】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例8を示す全
体構成の縦断面図。
【図8】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例9を示す全
体構成の縦断面図。
【図9】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例10を示す
全体構成の縦断面図。
【図10】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例11を示
す正面図。
【図11】図10の下面図。
【図12】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例12を示
す平面図。
【図13】図12のA′−A′断面図。
【図14】(A)は図12のB−B断面図、(B)は図
12のC−C断面図
【図15】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例13を示
す平面図。
【図16】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例14を示
す平面図。
【図17】図16の弁閉状態における要部拡大図。
【図18】図16の弁開状態における要部拡大図。
【図19】(A)は図16のパイロット弁閉状態におけ
る拡大図、(B)は同じくパイロット弁開状態における
拡大図。
【図20】図19の軸部を拡大して示す断面図。
【図21】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例15を示
す正断面図。
【図22】本発明に係る主蒸気隔離弁の実施例15を示
す側断面図。
【図23】従来の技術を説明するための原子力発電プラ
ント系統を示す系統図。
【図24】従来の主蒸気隔離弁の構成を一部側面で示す
断面図。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器 2 主蒸気管 3 蒸気タービン 4 原子炉格納容器 5 第1の主蒸気隔離弁 6 第2の主蒸気隔離弁 7 復水器 8 給水系 9 主蒸気第三弁 10 ヘッダ 11 弁箱 11a 蒸気流路 11b 入口絞り流路 11c 出口広がり流路 11e 弁室 12 弁体 13 弁棒 14 弁体駆動機構 14a エアシリンダ 14b オイルシリンダ 14c 外部スプリング 14d スプリングシート 14e カップリング 14f ピストン 14g 駆動軸 16,17 弁座 18 ヨークロッド 18a,18b,18c,18d 電磁弁 19a,19b,19c,19d 流量調整弁 20 エア源 20a 配管 21 分離型グランドシール部 21a グランドパッキン 21b パッキン押え 31 連通孔 32 ピン 33 支持板 34 パイロット弁 35 係止鍔 36 ばね受け部材 54 ベンチュリ管 101 弁体退避部 102 グレイロック 103 エアモータ 104 エアブレーキ 105 出力軸 106a スプロケット 106b スプロケット 107 チェーン 108 駆動軸 109 駆動軸シール部 110 軸受 111 軸取り付け部 112 弁体軸 113 パイロット弁アーム 114a,114b 弁内歯車 115 バックアップ用ばね 116 流路模擬部 117 パイロット弁用弁体 118 パイロット弁用ばね 119 パイロット弁用穴部 120 パイロット弁用弁座 125b 動力伝達歯車 126a,126b 駆動リンク 127a 回転軸 128 駆動リンク接続部 129 駆動板 130 ガイドフレーム 131 ボルト 132a,132b スライド板 133a,133b 駆動用ナット 134a,134b リニアガイド 135 駆動用ねじ棒 136a 左ねじ部 136b 右ねじ部 137 ガイドロッド 138 固定板 139 ハンドル 140 プランジャ 141 ねじ部 142 ステムコネクタ 143 回り止めナット 144 セットピン 145a,145b 上部ギヤラック 146 ピニオン 147 ピニオン駆動軸 148 ピニオン駆動軸軸受 149 大型ナット部品 150 大型ねじ部品 151 大型ねじ部 152 歯車 152a 駆動用歯車 152b 駆動用歯車 153 歯車部

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直線的な蒸気流路を有する弁箱と、こ
    の弁箱の蒸気流路に交差する軸心上で移動可能な弁体と
    を備え、この弁体を弁箱外部に設けた弁体駆動機構によ
    って往復動作させて前記蒸気流路を開閉する主蒸気隔離
    弁において、前記弁体駆動機構を、エア供給系統の流量
    調整弁による給気流量または排気流量の調整でピストン
    の往復動作速度を制御するエアシリンダによって構成し
    たことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  2. 【請求項2】 略直線的な蒸気流路を有する弁箱と、こ
    の弁箱の蒸気流路に交差する軸心上で移動可能な弁体と
    を備え、この弁体を弁箱外部に設けた弁体駆動機構によ
    って往復動作させて前記蒸気流路を開閉する主蒸気隔離
    弁において、前記弁体駆動機構を、エア供給系統の流量
    調整弁による給気流量または排気流量の調整でピストン
    の往復動作速度を制御するエアシリンダによって構成
    し、かつ前記弁体に連結される弁棒のエアシリンダ側の
    先端を、前記エアシリンダのピストンに直結したことを
    特徴とする主蒸気隔離弁。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の主蒸気隔離弁において、
    エアシリンダと弁箱の弁蓋とが分離した構造であること
    を特徴とする主蒸気隔離弁。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の主蒸気隔離弁において、
    エアシリンダの弁箱側の端面が、弁箱の弁蓋と一体に構
    成されていることを特徴とする主蒸気隔離弁。
  5. 【請求項5】 略直線的な蒸気流路を有する弁箱と、こ
    の弁箱の蒸気流路に交差する軸心上で移動可能な弁体と
    を備え、この弁体を弁箱外部に設けた弁体駆動機構によ
    って往復動作させて前記蒸気流路を開閉する主蒸気隔離
    弁において、前記弁体駆動機構と前記弁体に連結された
    弁棒とを接続および切り離しする弁棒着脱機構を設ける
    とともに、前記弁棒間とこれが貫通する弁箱の弁蓋との
    間の摺動部をシールするグランドシール部を設けたこと
    を特徴とする主蒸気隔離弁。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の主蒸気隔離弁において、
    弁体に連結された弁棒と弁体駆動機構とを接続および切
    り離しする弁棒着脱機構は、前記弁体駆動機構に固定さ
    れたガイドフレームと、このガイドフレームにガイドさ
    れて開閉するスライド板と、このスライド板を開閉させ
    るスライド板駆動部と、このスライド板を閉位置に保持
    するためのスライド板止め部と、前記弁棒の上部に取り
    付けられ前記スライド板の開閉により固定および解放さ
    れるステムコネクタとを備えたことを特徴とする主蒸気
    隔離弁。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の主蒸気隔離弁において、
    スライド板駆動部は、各スライド板に取り付けられる互
    いに逆ねじを有する駆動用ナットおよびそのガイドのた
    めのリニアブッシュと、このリニアブッシュと摺動する
    ガイドロッドと、前記駆動用ナットに接続される左右逆
    ねじを有する駆動用ねじ棒と、この駆動用ねじ棒の一端
    に接続された回転駆動部と、前記ガイドロッドおよび駆
    動用ねじ棒の両端を固定する固定板とを備えたことを特
    徴とする主蒸気隔離弁。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の主蒸気隔離弁において、
    スライド板駆動部は、第1のスライド板に取り付けられ
    る下側ラックと、第2のスライド板に取り付けられる上
    側ラックと、上下のラックの間に取り付けられ、それら
    に同時にかみ合うピニオンと、このピニオンに接続され
    る駆動軸と、この駆動軸に接続される回転駆動部とを備
    えたことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の主蒸気隔離弁において、
    弁棒と弁体駆動機構とを接続および切り離しする弁棒着
    脱機構に固定された大型ナット部と、弁棒上部のねじ部
    に取り付けられたステムコネクタおよび回り止めナット
    と、弁棒のステムコネクタよりも下側部分に取り付けら
    れ、ねじ部および歯車部を有する大型ねじ部品とから構
    成され、ステムコネクタを挟んだ形での大型ねじ部品の
    大型ナット部品への取り付けおよび取り外しにより弁棒
    と弁体駆動機構とを着脱可能としたことを特徴とする主
    蒸気隔離弁。
  10. 【請求項10】 弁箱内で弁体を弁体駆動機構により往
    復動作させて蒸気流路を開閉する主蒸気隔離弁におい
    て、請求項1記載のエアシリンダに加え、そのエアシリ
    ンダの駆動源が喪失した場合に弁体を閉方向に付勢する
    スプリングを弁体内部と弁蓋との間の空間に配置したこ
    とを特徴とする主蒸気隔離弁。
  11. 【請求項11】 弁箱内で弁体を弁体駆動機構により往
    復動作させて蒸気流路を開閉する主蒸気隔離弁におい
    て、請求項10記載のエアシリンダおよびスプリングを
    備えるとともに、弁棒のエアシリンダ側の先端を、前記
    エアシリンダのピストンに接続したことを特徴とする主
    蒸気隔離弁。
  12. 【請求項12】 弁箱内で弁体を弁体駆動機構により往
    復動作させて蒸気流路を開閉する主蒸気隔離弁におい
    て、請求項10記載のエアシリンダおよびスプリングを
    備えるとともに、前記弁体駆動機構と前記弁体に連結さ
    れた弁棒とを接続および切り離しする弁棒着脱機構を設
    けたことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  13. 【請求項13】 弁箱内で弁体を弁体駆動機構により往
    復動作させて蒸気流路を開閉する主蒸気隔離弁におい
    て、請求項11記載のエアシリンダおよびスプリング
    と、請求項2記載の弁体駆動機構および弁棒のピストン
    への接続構造とを有し、かつ前記弁体駆動機構と前記弁
    体に連結された弁棒とを接続および切り離しする弁棒着
    脱機構を設けたことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  14. 【請求項14】 弁箱内で弁体を往復動作させて蒸気流
    路を開閉する主蒸気隔離弁において、前記蒸気流路の軸
    心に対して前記弁体の往復動作軸心を略直交させるとと
    もに、この弁体の往復動作軸心に対して前記弁箱の弁座
    面を傾斜させ、かつ前記弁体の対弁座面を球面状に形成
    したことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の主蒸気隔離弁に対
    し、請求項10から14までのいずれかに記載の弁体駆
    動機構を設けたことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  16. 【請求項16】 弁箱内で弁体を往復動作させて蒸気流
    路を開閉する主蒸気隔離弁において、前記蒸気流路を、
    この流路の軸心に垂直な平面上に投影された弁体の往復
    動作軸心の方向を短軸とした楕円状に形成し、かつ請求
    項10から14までのいずれかに記載の弁体駆動機構を
    設けたことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  17. 【請求項17】 請求項10から13までのいずれかに
    記載の主蒸気隔離弁において、蒸気流路は、直径(D)
    の円管から蒸気流路の軸心に垂直な平面上に投影された
    弁体との往復動作軸心の方向を短軸とした長軸(D)、
    短軸(D×cos θ((但し、51°≦θ≦65°))の
    楕円管に変化する入口絞り流路と、この入口絞り流路の
    下流端と同一の楕円管に対してその内部を弁体が流路軸
    心に対して角度(θ)で往復動作できる円管が接続され
    た中間流路と、この中間流路と同一の楕円管から直径
    (D)の円管に変化する出口広がり流路とを有する弁体
    駆動機構を設けたことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  18. 【請求項18】 請求項10から15までのいずれかに
    記載の主蒸気隔離弁において、弁箱に固定シール部を介
    して固定される弁蓋と、その弁蓋に対して固定シール部
    を介して固定され、かつ弁棒との間を摺動シールする独
    立取り外し可能な分離型グランドシール部とを有するこ
    とを特徴とする主蒸気隔離弁。
  19. 【請求項19】 請求項10,12または14に記載の
    主蒸気隔離弁において、弁体を速度調整可能に駆動する
    エアシリンダと、弁蓋または弁箱に対して着脱可能に取
    り付けられるエアシリンダ支持用の支持手段と、前記弁
    体に連結された弁棒を前記エアシリンダのピストン接続
    用駆動棒に接続および切り離しするために前記エアシリ
    ンダと弁蓋との間に設けられた弁棒着脱機構とを有する
    ことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  20. 【請求項20】 蒸気流路を開閉するための弁体を弁箱
    内に回動可能に取り付けた主蒸気隔離弁であって、弁開
    時に弁体と弁箱とにより形成される流路の軸心に垂直な
    断面積が緩やかに変化し、かつ蒸気流の流線が直線とな
    るように構成される弁箱内部流路部と、前記弁箱内に設
    けられる弁座と、この弁座に回動により着座して流路を
    遮断する弁体と、前記弁箱に固定シール部を介して固定
    される弁蓋と、この弁蓋または前記弁箱に取り付けら
    れ、前記弁体を回動させる弁体駆動機構と、この弁体駆
    動機構の前記弁蓋または前記弁箱を貫通する駆動軸をシ
    ールする駆動軸シール部と、弁体を弁閉方向に回動させ
    るバックアップ用ばねとを備えたことを特徴とする主蒸
    気隔離弁。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の主蒸気隔離弁におい
    て、弁箱内の蒸気流路部は、流路軸心に垂直な断面円形
    の入口部および出口部と、上下方向が絞られた断面楕円
    形の弁座部とを滑らかに接続してなり、弁座は、前記蒸
    気流路を斜め方向に切断した断面円形となる位置に設け
    られ、弁体は、弁座に着座し蒸気流を遮断する円形のシ
    ール面を有することを特徴とする主蒸気隔離弁。
  22. 【請求項22】 請求項20記載の主蒸気隔離弁におい
    て、弁箱内の蒸気流路部は、流路軸心に垂直な断面円形
    の入口部および出口部と、同様の断面円形の弁座部とを
    接続してなり、弁座は、そこを通過する蒸気流の流線が
    直線となる位置に設けられ、弁体は、弁座に着座して流
    体を遮断する形状のシール面を有することを特徴とする
    主蒸気隔離弁。
  23. 【請求項23】 請求項20から22までのいずれかに
    記載の主蒸気隔離弁において、弁箱は、弁開時に弁体を
    収納する弁体退避部を有することを特徴とする主蒸気隔
    離弁。
  24. 【請求項24】 蒸気流路を開閉するための弁体を弁箱
    内に回動可能に取り付けた主蒸気隔離弁であって、弁箱
    内流路部に設けられた弁座に回動により着座して流路を
    遮断する弁体と、弁箱に固定シール部を介して固定され
    る弁蓋と、弁蓋上に取り付けられ、弁体を駆動する弁体
    駆動機構と、この弁体駆動機構の弁蓋を貫通する駆動軸
    シール用の駆動軸シール部と、前記弁蓋の内側に取り付
    けられ、前記弁体を回動可能に保持し、駆動軸から動力
    伝達を受けて回動させる弁体回動機構と、弁蓋に取り付
    けられ、弁体を弁閉方向に回動させるバックアップ用ば
    ねとを備えたことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の主蒸気隔離弁におい
    て、弁体駆動機構は、弁体を回動させる駆動力を発生す
    るエアモータと、弁体を弁開位置に保持するためのエア
    ブレーキと、前記エアモータの駆動力を便体側に伝達す
    る駆動力伝達部と、エア源を前記エアモータおよびエア
    ブレーキに接続するエア供給ラインと、このエア供給ラ
    インに設けられた電磁弁と、この電磁弁を切り換えるた
    めの電磁弁制御部と、前記電磁弁に切り換え用電源が加
    わっていない場合には前記エアモータおよびエアブレー
    キへのエア供給を遮断し、または弁体を弁閉方向に回動
    させる方向にエアを供給するエア供給制御部とを有する
    ことを特徴とする主蒸気隔離弁。
  26. 【請求項26】 請求項24記載の主蒸気隔離弁におい
    て、弁体回動機構は、弁蓋の内側に取り付けられた軸取
    り付け部と、この軸取り付け部に回転可能に取り付けら
    れた駆動軸と、この駆動軸に取り付けられた第1の歯車
    と、前記軸取り付け部に取り付けられ、弁体を回動可能
    に保持する弁体軸と、この弁体軸に取り付けられ、前記
    第1の歯車と直接に、または歯車列を介して間接的にか
    み合う第2の歯車とを備えたことを特徴とする主蒸気隔
    離弁。
  27. 【請求項27】 請求項24記載の主蒸気隔離弁におい
    て、弁体回動機構は、弁蓋の内側に取り付けられた軸取
    り付け部と、この軸取り付け部に軸回転可能に取り付け
    られた駆動軸と、この駆動軸に取り付けられた第1の駆
    動リンクと、この第1の駆動リンクに回転軸を介して取
    り付けられた第2の駆動リンクと、前記軸取り付け部に
    取り付けられ、弁体を回動可能に保持する弁体軸と、前
    記弁体と第2の駆動リンクとを回転軸を介して接続する
    駆動リンク接続部とを備えたことを特徴とする主蒸気隔
    離弁。
  28. 【請求項28】 蒸気流路を開閉するための弁体を弁箱
    内に回動可能に取り付けた主蒸気隔離弁であって、弁開
    時に弁体と弁箱とにより形成される蒸気流路の軸心に垂
    直な断面積が緩やかに変化し、かつ蒸気流の流線が直線
    となるように構成される弁箱内部流路部と、前記弁箱内
    に設けられた弁座と、この弁座に回動により着座して流
    路を遮断する弁体と、前記弁箱に固定シール部を介して
    固定される弁蓋と、この弁蓋または前記弁体を駆動する
    弁体駆動機構と、この弁体駆動機構の弁蓋を貫通する駆
    動軸をシールする駆動軸シール部と、前記弁蓋の内側に
    取り付けられ、弁体を回動可能に保持し、駆動軸から動
    力伝達を受けて回動させる弁体回動機構と、前記弁蓋に
    取り付けられ、弁体を弁閉方向に回動させるように作用
    するバックアップ用ばねとを備えたことを特徴とする主
    蒸気隔離弁。
  29. 【請求項29】 請求項20から28までのいずれかに
    記載の主蒸気隔離弁において、弁体(主弁体)は、この
    弁体の閉状態から開動作に必要な力を軽減するためのパ
    イロット弁を有することを特徴とする主蒸気隔離弁。
  30. 【請求項30】 請求項29記載の主蒸気隔離弁におい
    て、パイロット弁は、主弁体に設けられたパイロット弁
    用穴部と、このパイロット弁用穴部の入口に設けられた
    パイロット弁用弁座と、主弁体の弁軸に取り付けられた
    パイロット弁アームと、このパイロット弁アームに取り
    付けられ、パイロット弁用弁座に着座して流体をシール
    するパイロット弁用弁体と、これらパイロット弁用弁座
    とパイロット弁用弁体とを引き離す方向に付勢するパイ
    ロット弁用ばねと、前記主弁体とその弁軸との接続部に
    設けられ前記パイロット弁用弁体の開閉範囲を主弁体と
    弁軸とが空転するように構成する弁体支持部とを備え、
    バックアップ用ばねは、パイロット弁用弁体をパイロッ
    ト弁用弁座に押し付ける方向に付勢していることを特徴
    とする主蒸気隔離弁。
  31. 【請求項31】 請求項20から30までのいずれかに
    記載の主蒸気隔離弁において、バックアップ用ばねは、
    弁体内部に取り付けられていることを特徴とする主蒸気
    隔離弁。
  32. 【請求項32】 請求項20から31までのいずれかに
    記載の主蒸気隔離弁において、弁体または弁体周辺の弁
    箱内流路部に、弁開時における隙間を塞いで蒸気流路の
    一部を滑らかに形成する流路模擬部を有することを特徴
    とする主蒸気隔離弁。
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