JPH08229793A - 光学素子の研磨装置 - Google Patents

光学素子の研磨装置

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JPH08229793A
JPH08229793A JP7038629A JP3862995A JPH08229793A JP H08229793 A JPH08229793 A JP H08229793A JP 7038629 A JP7038629 A JP 7038629A JP 3862995 A JP3862995 A JP 3862995A JP H08229793 A JPH08229793 A JP H08229793A
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JP
Japan
Prior art keywords
optical element
polishing
electrorheological fluid
voltage
polishing apparatus
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Pending
Application number
JP7038629A
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English (en)
Inventor
Toshitaka Murakami
敏貴 村上
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】非球面形状光学素子の表面をくまなく、高精度
に研磨することができる光学素子の研磨装置を提供す
る。 【構成】研磨装置は、砥粒を混入した電気粘性流体10
7を充填するための輪帯状の加工槽108を備える。そ
して、加工槽108の回転による電気粘性流体107の
流動と、スピンドルシャフト102による光学素子10
4の回転とによって、光学素子104の表面をくまなく
研磨する。また、電気粘性流体107に印加する電圧の
大きさを変えれば電気粘性流体107の粘度を変えるこ
とができるので、最適な研磨圧力により研磨加工を行う
ことができる。結果として、より高精度に光学素子10
4の表面を仕上げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学素子の表面をくま
なく研磨する研磨装置に関し、特に非球面光学素子の表
面を全面均等に研磨するのに適した研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超精密切削加工技術や高精度研削
加工技術の進歩がめざましく、レンズやミラー等の光学
素子を低コストで効率良く、かつ高精度に加工すること
が可能となった。また、従来、加工が困難であった非球
面形状光学素子を効率的に加工することが可能となった
ので、これまで用途が特殊なものに限定されていた非球
面レンズ等が一般民生製品へ数多く適用されるようにな
った。
【0003】しかし、光学素子には一般に脆性材料が用
いられているために、加工工程で、表面に加工変質層が
残存したり微細な加工痕(破砕痕)が生じやすいという
問題があった。そこで、一般に、このような光学素子の
表面を精度良く仕上げるために、光学素子製造の一工程
として、「一様研磨」を行っている。この「一様研磨」
とは、光学研磨とほぼ同様な方法により、レンズ、プリ
ズム、ミラー等の光学素子の表面仕上げ加工を行うもの
である。詳細には、研磨工具と光学素子の表面との間に
研磨材を介在させ、研磨工具と光学素子との摺動運動に
よって、光学素子の表面仕上げ加工を行うものである。
このような「一様研磨」によれば、光学素子の表面をほ
ぼ均一に研磨し、残存する加工変質層や微細な加工痕等
を均等に除去するので、前加工面の形状を崩さずに表面
粗さを向上させることができる。このような「一様研
磨」によって、平面または球面形状の光学素子であれば
良好な表面状態を得ることができる。
【0004】さて、放物面や双曲面等を含む非球面形状
光学素子や、回転対称でない形状を有する非球面形状光
学素子や、球面あるいは平面形状からのずれ量(変化
量)が大きい非球面形状光学素子等の、曲率が不定な非
球面形状光学素子の表面の「一様研磨」を行う場合に
は、通常、ラップ工具あるいはポリシャといった通常用
いられる研磨工具の代わりに、柔軟性を有する研磨工具
(スポンジの様なもの)が用いられる。このように柔軟
性を有する研磨工具を用いるのは、研磨工具の形状が非
球面形状光学素子の表面形状にならって変形して、曲率
が不定な非球面形状光学素子の表面であっても均一に研
磨することができるからである。
【0005】それ以外にも、曲率が不定な非球面形状光
学素子の表面仕上げ加工を行う方法として、非球面形状
光学素子の径に比べて十分小径な研磨工具を用いて、積
極的に前加工面を形状修正しながら研磨する研磨方法が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記小径な研磨工具を
用いた研磨方法により非球面形状光学素子の表面仕上げ
加工を行う場合、光学素子の形状測定と、研磨軌跡の算
出と、修正研磨とを繰り返して研磨加工を行うので、前
加工面の形状精度を維持できないという問題がある。ま
た、非効率的であり生産性が良くないという問題もあ
る。
【0007】また、上記柔軟性を有する研磨工具により
非球面形状光学素子の表面の「一様研磨」を行う場合、
研磨工具の径に比べて非球面形状光学素子の形状の曲率
半径が小さいと、研磨工具の形状変形が不十分で非球面
形状光学素子の表面をくまなく研磨するのが困難である
という問題がある。また、研磨工具が弾性を備えるこ
と、非球面形状光学素子の形状の曲率半径が小さいこと
等の他様々な加工条件によって、非球面形状光学素子の
表面に作用する研磨圧力が変動することがある。そし
て、このような研磨圧力の変動が非球面形状光学素子の
形状精度に影響を及ぼすという問題がある。すなわち、
柔軟性を有する研磨工具には、加工条件により研磨特性
が変動しやすいという欠点がある。
【0008】そこで、本発明は、非球面形状光学素子の
表面をくまなく、かつ高精度に研磨することができる研
磨装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明では、光学素子の表面を研磨する光学素子の
研磨装置であって、砥粒が混入され、印加される電圧の
大きさに応じて粘度が変化する電気粘性流体と、前記電
気粘性流体を充填する加工槽と、前記光学素子を前記電
気粘性流体の中で回転させながら、前記電気粘性流体に
対して相対的に運動させる回転手段と、前記電気粘性流
体の中の前記光学素子の両側に配置された、前記電気粘
性流体に電圧を印加する2つの電極と、前記電気粘性流
体に印加する電圧の大きさを制御する電圧制御手段とを
備えることを特徴とする光学素子の研磨装置を提供す
る。
【0010】
【作用】本発明に係る光学素子の研磨装置によれば、前
記回転手段は、前記光学素子を前記電気粘性流体の中で
回転させながら前記電気粘性流体に対して相対的に運動
させる。また、前記2つの電極により前記電気粘性流体
に電圧を印加すると、前記印加された電圧の大きさに応
じて前記光学素子の周囲の前記電気粘性流体の粘度が変
化する。また、前記電圧制御手段は、前記電気粘性流体
に印加する電圧の大きさを制御する。
【0011】このように、本研磨装置では、光学素子を
前記電気粘性流体の中で回転させながら前記電気粘性流
体に対して相対的に運動させることによって、前加工面
の形状を崩さずに、光学素子の表面をくまなく研磨する
ことができる。例えば、このような研磨装置において、
光学素子に電気粘性流体に対して相対的な運動を与える
ために加工槽を回転させるようにすれば、加工槽の回転
による電気粘性流体の流動と、光学素子の回転とによっ
て、前加工面の形状を崩さずに、非球面形状光学素子の
表面をくまなく研磨することができる。
【0012】また、前記電圧制御手段により電圧の大き
さを変えれば電気粘性流体の粘度を変えることができる
ので、最適な研磨圧力により研磨加工を行うことができ
る。その結果、より高精度に光学素子の表面を仕上げる
ことができる。また、研磨加工中に、前記電圧制御手段
によって、前記電気粘性流体に印加する電圧の大きさを
連続的に変化させれば、様々な加工条件に対応した柔軟
な表面仕上げ加工を行うことができる。
【0013】
【実施例】以下、添付の図面を参照しながら本発明に係
る実施例を説明する。
【0014】まず、図1を参照しながら、本実施例に係
る研磨装置101の基本的な構成について説明する。
【0015】図1に示すように、本研磨装置101は、
砥粒を混入した電気粘性流体107を充填するための輪
帯状の加工槽108を備える。この加工槽108は、中
心線Aを回転軸として任意の回転数で回転できるように
スピンドル上に載置されている(不図示)。ところで、
この電気粘性流体107とは外部から印加される電圧に
応じて粘度が変化する粘性流体であり、一例としてシリ
カゲル等の高分子を分散相とするもの等が挙げられる。
なお、本実施例では、電気粘性流体107として、図3
中の実線で示すような、印加される電圧の増加に伴い粘
度が増加する特性を備える液体を用いる。
【0016】また、この電気粘性流体107に混入する
砥粒には、例えばアルミナ、ジルコニア、セリア等の、
一般的に使用される研磨材を使用することができる。た
だし、研磨材を選択する場合には、研磨する光学素子1
04の材質を十分考慮することが望ましい。102は、
図中Bを回転軸として、加工物保持具103により装着
された光学素子104を任意の回転数で回転させるスピ
ンドルシャフトである。
【0017】105a、105bは、電気粘性流体10
7に電圧を印加するための電極であり、光学素子104
を挾むように左右に配置される。このように2つの電極
105a、105bを配置するのは、光学素子104の
周辺の電気粘性流体107の粘度を変化させるためであ
る。したがって、必ずしも図1のように光学素子104
の左右に配置する必要はなく、図2に示すように光学素
子104の上下に配置しても構わない。ただし、詳細は
後述するが、電極105a、105bと光学素子104
との位置関係が光学素子104表面の研磨の具合を左右
するので、前加工面の形状精度を考慮して当該位置関係
を決定する必要がある。なお、図2の研磨装置101で
は、一方の電極105bを、加工物保持具として併用し
ている。
【0018】また、図1中、106は、電気粘性流体1
07に印加する電圧を制御する電圧制御装置である。
【0019】このような研磨装置101によれば、前加
工面の形状を崩すことなく非球面形状光学素子の表面を
均一に研磨することができる。以下、図1を参照しなが
ら、この研磨方法について詳細に説明する。
【0020】まず、光学素子104を加工物保持具10
3によりスピンドルシャフト102に装着し、電気粘性
流体107の中に侵漬する。ただし、この状態、すなわ
ち電気粘性流体107に電圧を印加していない状態で
は、電気粘性流体107の粘度が小さいので、気泡等が
入ることなく、電気粘性流体107が光学素子104の
表面にくまなく密着している。
【0021】次に、電気粘性流体107が適当な粘度、
すなわち研磨中に光学素子104の表面と電気粘性流体
107との密着状態が十分保たれる程度の粘度となるよ
うに、電極105a、105b間に電圧を印加する。そ
して、光学素子を回転させながら、加工槽108の回転
により電気粘性流体107を流動させれば、光学素子1
04の全表面をくまなく効率的に研磨することができ
る。このとき、単位時間当たりの研磨加工量(図3参
照)と、光学素子の表面に働く研磨圧力を考慮しなが
ら、電気粘性流体107に印加する電圧を電圧制御装置
106によって制御することが望ましい。
【0022】本実施例に係る研磨方法によれば、複雑な
表面形状を備えた非球面形状光学素子であっても、電気
粘性流体107との密着状態を保ちながら全表面をくま
なく効率的に研磨することができる。また、電圧の大き
さを制御すれば電気粘性流体107の粘度を変えること
ができるので、最適な研磨圧力により研磨加工を行うこ
とができる。その結果、より高精度に光学素子の表面を
仕上げることができる。また、研磨加工中に連続的に電
圧の大きさを変化させれば、単位時間ごとの研磨加工量
を任意に変えることができ、様々な加工条件に対応した
柔軟な表面仕上げ加工を行うことができる。
【0023】さて、ここで、前述したように、電極10
5a、105bと光学素子104との位置関係が光学素
子104表面の研磨の具合に及ぼす影響について図1及
び図2を参照しながら説明する。
【0024】電極105a、105b間に電圧を印加し
た場合、電極105a、105b間に生じる電場の強さ
は一様となるわけではない。したがって、光学素子10
4の周囲の電気粘性流体107の粘度も一様とはなら
ず、電極105a、105bに近いほど高粘度となり、
電極105aと105bとの中央付近では比較的低粘度
となる。このような状態で研磨を行うと、光学素子10
4の表面上では、位置によって研磨加工量に差が生じる
ことになる。すなわち、図1の研磨装置101では、光
学素子104の表面上の領域Cの研磨加工量が大きく、
図2の研磨装置101では、光学素子104の表面上の
領域Dの研磨加工量が大きくなる。しかし、一般に前加
工面はある程度の形状誤差を有することが多いことか
ら、このような光学素子104の表面上の位置による研
磨加工量の差が生じることは、非球面を創成する上でか
えって好都合となる。例えば、前加工面の形状誤差が中
央付近で大きくなっている場合、すなわち必要な研磨加
工量が周辺部よりも中央部において大きい場合には、図
2に示すように電極105a、105bを配置すれば良
く、逆に前加工面の形状誤差が周辺部付近で大きくなっ
ている場合、すなわち必要な研磨加工量が中央部よりも
周辺部において大きい場合には、図1に示すように電極
105a、105bを配置すれば良い。
【0025】このように、本実施例に係る研磨装置10
1では、電極105a、105bと光学素子104の位
置関係を変更することにより、非球面の創成に適した研
磨加工を行うことができる。
【0026】以上本研磨装置101において1つのスピ
ンドルシャフト102を備える場合(図1、図2参照)
について説明したが、スピンドルシャフト数は必ずしも
1つである必要はなく、複数の光学素子104を同時に
研磨できるように複数備えるようにしてもよい。但し、
この場合には、各々のスピンドルシャフトが備える電極
による電場が互いに干渉しないように加工槽108の大
きさを考慮する必要がある。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る光学素子の研磨装置によれ
ば、非球面形状光学素子の表面をくまなく、高精度に研
磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る研磨装置の構成図であ
る。
【図2】本発明の実施例に係る研磨装置の構成図であ
る。
【図3】本発明の実施例に係る研磨装置の印加電圧と、
電気粘性流体の粘度および研磨加工量との関係を説明す
る図である。
【符号の説明】
101…本実施例に係る光学素子の研磨装置、102…
スピンドルシャフト、103…加工物保持具、104…
光学素子、105a、105b…電極、106…電圧制
御装置、107…砥粒を混入した電気粘性流体、108
…加工槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学素子の表面を研磨する光学素子の研磨
    装置であって、 砥粒が混入され、印加される電圧の大きさに応じて粘度
    が変化する電気粘性流体と、 前記電気粘性流体を充填する加工槽と、 前記光学素子を前記電気粘性流体の中で回転させなが
    ら、前記電気粘性流体に対して相対的に運動させる回転
    手段と、 前記電気粘性流体の中の前記光学素子の両側に配置され
    た、前記電気粘性流体に電圧を印加する2つの電極と、 前記電気粘性流体に印加する電圧の大きさを制御する電
    圧制御手段とを備えることを特徴とする光学素子の研磨
    装置。
  2. 【請求項2】光学素子の表面を研磨する光学素子の研磨
    装置であって、 砥粒が混入され、印加される電圧の大きさに応じて粘度
    が変化する電気粘性流体と、 前記電気粘性流体を充填する、回転可能な加工槽と、 前記光学素子を前記電気粘性流体の中の所定の位置で回
    転させながら保持する回転手段と、 前記電気粘性流体の中の所定の位置で保持された前記光
    学素子の両側に配置された、前記電気粘性流体に電圧を
    印加する2つの電極と、 前記電気粘性流体に印加する電圧の大きさを制御する電
    圧制御手段とを備えることを特徴とする光学素子の研磨
    装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光学素子の研磨装置であっ
    て、 前記2つの電極は、それぞれ前記光学素子の左右両側に
    配置されていることを特徴とする光学素子の研磨装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の光学素子の研磨装置であっ
    て、 前記2つの電極は、それぞれ前記光学素子の上下両側に
    配置されていることを特徴とする光学素子の研磨装置。
JP7038629A 1995-02-27 1995-02-27 光学素子の研磨装置 Pending JPH08229793A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281424A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Toshiba Mach Co Ltd 研磨材、研磨工具、研磨装置、研磨材の製造方法、研磨工具の製造方法、及び研磨方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281424A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Toshiba Mach Co Ltd 研磨材、研磨工具、研磨装置、研磨材の製造方法、研磨工具の製造方法、及び研磨方法

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