JPH08228885A - 乗り物シートに使用されるシート・バック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リア・シートに腰かけられる乗員に膝スペー
スを広く確保可能にしてシート・バック背裏において表
皮にポケットを直接的に縫い付け可能にし、そして、コ
ストを安価にできて見栄えを向上する。 【構成】 シート・バック・フレーム１１に支持される
パッド１２上に被せられる表皮１３の背裏面２１におい
てその表皮１３に直接的に縫い付けられるポケット１４
と、そのシート・バック・フレーム１１の両フレーム・
サイド１９，１９に固定的に取り付けられ、そして、そ
の表皮１３よりも内側でその両フレーム・サイド１９，
１９からその表皮１３の背裏面２１の両側に突き出され
て上下方向に伸長される一対の細長い板状ブラケット１
５，１５と、無数の小さなフック付き細帯１７と無数の
小さなループ付き細帯１８とからなり、そして、その細
帯１７，１８の一方がそのブラケットに、その細帯１
７，１８の他方がその表皮１３の背裏面２１の両側にお
いてその表皮１３の裏面にそれぞれ上下方向に伸長され
て固定的に取り付けられる一対のファスナ１６，１６と
を備えるところである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明に関係ある分野】この発明は、乗り物シートに使
用されるシート・バックに関し、特に、ポケットがシー
ト・バック背裏において表皮に直接的に縫い付けられる
シート・バックに関する。

【０００２】

【背景技術】自動車シートでは、ポケットが予めボード
に組み付けて後からシート・バックに装着されるもの
と、ポケットがシート・バック背裏においてトリム・カ
バーに直接的に縫い付けられるものとがある。前者は、
リア・シートに腰かけられる乗員に膝スペースが広くで
きて見栄えが良いのであるがコストが高くつく。一方、
後者は、コストが廉価であるが、物がそのポケットに入
れられると、そのポケットがそのシート・バック背裏の
一般面から外側に食み出されてリア・シートに腰かけら
れる乗員に膝スペースが狭くなって見栄えが悪くなる。

【０００３】

【発明の課題】この発明の課題は、リア・シートに腰か
けられる乗員に膝スペースを広く確保可能にしてシート
・バック背裏において表皮にポケットを直接的に縫い付
け可能にし、そして、コストを安価にできて見栄えを向
上するところの乗り物シートに使用されるシート・バッ
クの提供にある。

【０００４】

【課題に相応する手段およびそれの作用】この発明は、
シート・バック・フレームに支持されるパッド上に被せ
られる表皮の背裏面においてその表皮に直接的に縫い付
けられるポケットと、そのシート・バック・フレームの
両フレーム・サイドに固定的に取り付けられ、そして、
その表皮よりも内側でその両フレーム・サイドからその
表皮の背裏面の両側に突き出されて上下方向に伸長され
る一対の細長い板状ブラケットと、無数の小さなフック
付き細帯と無数の小さなループ付き細帯とからなり、そ
して、その細帯の一方がそのブラケットに、その細帯の
他方がその表皮の背裏面の両側においてその表皮の裏面
にそれぞれ上下方向に伸長されて固定的に取り付けられ
る一対のファスナとを備え、そして、シート・バック背
裏の一般面から内側にそのポケットを引っ込めるところ
である。

【０００５】また、この発明は、シート・バック・フレ
ームに支持されるパッド上に被せられる表皮の背裏面に
おいてその表皮に直接的に縫い付けられるポケットと、
そのシート・バック・フレームの両フレーム・サイドに
固定的に取り付けられ、その表皮よりも内側でその両フ
レーム・サイドからその表皮の背裏面の両側に突き出さ
れて上下方向に伸長され、そして、先端に上下方向に伸
長されるスロットを有する一対の細長い板状ソケット
と、根元に細長い板を一体的に形成し、その表皮の背裏
面の両側においてその表皮の裏面に上下方向に伸長され
てその細長い板で固定的に取り付けられ、そして、その
ソケットのスロットにスナップ・アクションで対応的に
はめ合わせられる一対のビード・ファスナとを備え、そ
して、シート・バック背裏の一般面から内側にそのポケ
ットを引っ込めるところである。

【０００６】

【具体例の説明】以下、特定されて図示された具体例に
基づいて、この発明の乗り物シートに使用されるシート
・バックを説明するに、図１ないし図３は、乗用車のフ
ロント・サイド・シート３０に適用されるこの発明の乗
り物シートに使用されるシート・バックの具体例１０を
示し、このシート・バック１０では、ポケット１４が、
シート・バック・フレーム１１に支持されるパッド１２
上に被せられる表皮１３の背裏面２１においてその表皮
１３に直接的に縫い付けられ、また、一対の細長い板状
ブラケット１５，１５が、そのシート・バック・フレー
ム１１の両フレーム・サイド１９，１９に溶接され、そ
して、その表皮１３よりも内側でその両フレーム、サイ
ド１９，１９からその表皮１３の背裏面２１の両側に突
き出されて上下方向に伸長され、さらに、一対のファス
ナ１６，１６が、無数の小さなフック付き細帯１７と無
数の小さなループ付き細帯１８とからなり、そして、そ
の細帯１７，１８の一方１７がそのブラケット１５，１
５に、その細帯１７，１８の他方がその表皮１３の背裏
面２１の両側においてその表皮１３の裏面にそれぞれ上
下方向に伸長されて固定的に取り付けられる。

【０００７】そのポケット１４は、その表皮１３にトリ
ム・カバーが用いられるので、そのトリム・カバー１３
に同じ表皮材料を所定の寸法に切断し、その切断された
表皮片の上端縁が折り返し縫いされ、その折返し縫い２
２にゴム・バンド２３を通して開口縁２４が形成され、
そして、そのトリム・カバー１３の背裏面２１において
そのトリム・カバー１３に直接的に縫い付けられる。

【０００８】その一対のファスナ１６，１６は、所謂、
特殊ファスナで、その一方の細帯１７がそのブラケット
１５，１５に接着され、そして、その他方の細帯１８が
そのトリム・カバー１３の背裏面２１の両側においてそ
のトリム・カバー１３の裏面に縫い付けられる。

【０００９】また、このシート・バック１０を活用する
ところのそのフロント・サイド・シート３０において、
３１はシート・クッションである。

【００１０】その上述されたシート・バック１０は次の
ようにしてカバーリングされる。予め、そのポケット１
４がそのトリム・カバー１３の背裏面２１においてその
トリム・カバー１３に直接的に縫い付けられ、そのファ
スナ１６，１６の一方の細帯１７がそのブラケット１
５，１５に接着され、そして、そのファスナ１６，１６
の他方の細帯１８がそのトリム・カバー１３の背裏面２
１の両側においてそのトリム・カバー１３の裏面に縫い
付けられているので、先ず、そのシート・バック・フレ
ーム１１にそのパッド１２を組み付け、次に、そのパッ
ド１２にそのトリム・カバー１３を被せて端末をそのシ
ート・バック・フレーム１１に止める。

【００１１】その後、その他方の細帯１８をその一方の
細帯１７に押し付けて互いにきつく密着させる。そのよ
うにして、その他方の細帯１８がその一方の細帯１７に
結合されるので、そのトリム・カバー１３はその背裏面
２１の両側がそのシート・バック・フレーム１１に固定
され、そして、そのトリム・カバー１３の背裏面２１が
そのシート・バック背裏の一般面２０から内側に引っ込
められる。それに伴ってそのポケット１４もそのシート
・バック背裏の一般面２０から内側に引っ込められてそ
のシート・バック１０が組み立てられる。

【００１２】そのシート・バック１０が用いられるその
フロント・サイド・シート３０では、そのポケット１４
がそのシート・バック背裏の一般面２０から内側に引っ
込められて置かれるので、リア・シートに腰かけられる
乗員に膝スペースが広く確保でき、そして、ポケットが
シート・バック背裏においてトリム・カバーに直接的に
縫い付けられる通常のシート・バックに比べて見栄えが
向上され、また、ポケットがボードを用いてシート・バ
ックに装着される通常のシート・バックに比べてコスト
が安価になる。

【００１３】図４ないし図８は、乗用車のフロント・サ
イド・シート６０に適用されるこの発明の乗り物シート
に使用されるシート・バックの具体例４０を示し、この
シート・バック４０では、ポケット４４が、シート・バ
ック・フレーム４１に支持されるパッド４２上に被せら
れる表皮４３の背裏面５５においてその表皮４３に直接
的に縫い付けられ、また、一対の細長い板状ソケット４
５，４５が、そのシート・バック・フレーム４１の両フ
レーム・サイド４９，４９に溶接され、その表皮よりも
内側でその両フレーム・サイド４９，４９からその表皮
４３の背裏面５５の両側に突き出されて上下方向に伸長
され、そして、先端に上下方向に伸長されるスロット４
６を有し、さらに、一対のビード・ファスナ４７，４７
が、根元に細長い板４８を一体的に形成し、その表皮４
３の背裏面５５の両側においてその表皮４３の裏面に上
下方向に伸長されてその細長い板４８で縫い付けられ、
そして、そのソケット４５，４５のスロット４６にスナ
ップ・アクションで対応的にはめ合わせられる。

【００１４】そのポケット４４は、その表皮４３にトリ
ム・カバーが用いられるので、そのトリム・カバー４３
に同じ表皮材料を所定の寸法に切断し、その切断された
表皮片の上端縁が折り返し縫いされ、その折返し縫い５
６にゴム・バンド５７を通して開口縁５８が形成され、
そして、そのトリム・カバー４３の背裏面５５において
そのトリム・カバー４３に直接的に縫い付けられる。

【００１５】その一対の細長い板状ソケット４５，４５
は、プレス機で鋼板から所定の寸法の細長い板片に打ち
抜かれ、そして、そのスロット４６がその細長い板片に
打ち抜かれて作られる。一方、その一対のビード・ファ
スナ４７，４７は、その細長い板４８と一体的に硬質樹
脂から成形される。

【００１６】また、このシート・バック４０において、
５０はフレーム・トップ、５１はフレーム・ボトム、５
２はアッパ・クロス・プレート、そして、５３，５３は
サイド・ブラケットである。

【００１７】また、このシート・バック４０を活用する
ところのそのフロント・サイド・シート６０において、
６１はシート・クッションである。

【００１８】その上述されたシート・バック４０は次の
ようにカバーリングされる。予め、そのポケット４４が
そのトリム・カバー４３の背裏面５５においてそのトリ
ム・カバー４３に直接的に縫い付けられ、その一対の細
長い板状ソケット４５，４５がそのシート・バック・フ
レーム４１の両フレーム・サイド４９，４９に溶接さ
れ、そして、その一対のビード・ファスナ４７，４７が
そのトリム・カバー４３の背裏面５５の両側においてそ
のトリム・カバー４３の裏面に縫い付けられているの
で、先ず、そのシート・バック・フレーム４１にそのパ
ッド４２を組み付け、次に、そのパッド４２にそのトリ
ム・カバー４３を被せて端末をそのシート・バック・フ
レー４１に止める。

【００１９】その後、そのビード・ファスナ４７，４７
をそのソケット４５，４５のスロット４６にスナップ・
アクションではめ込む。そのようにして、そのビード・
ファスナ４７，４７がそのソケット４５，４５に止めら
れるので、そのトリム・カバー４３はその背裏面５５の
両側がそのシート・バック・フレーム４１に固定され、
そして、そのトリム・カバー４３の背裏面５５がそのシ
ート・バック背裏の一般面５４から内側に引っ込められ
る。それに伴ってそのポケット４４もそのシート・バッ
ク背裏の一般面５４から内側に引っ込められてそのシー
ト・バック４０が組み立てられる。

【００２０】そのシート・バック４０が用いられるその
フロント・サイド・シート６０では、そのポケット４４
がそのシート・バック背裏の一般面５４から内側に引っ
込められて置かれるので、リア・シートに腰かけられる
乗員に膝スペースが広く確保でき、そして、ポケットが
シート・バック背裏においてトリム・カバーに直接的に
縫い付けられる通常のシート・バックに比べて見栄えが
向上され、また、ポケットがボードを用いてシート・バ
ックに装着される通常のシート・バックに比べてコスト
が安価になる。

【００２１】先に図面を参照して説明されたところのこ
の発明の特定された具体例から明らかであるように、こ
の発明の属する技術の分野における通常の知識を有する
者にとって、この発明の内容は、その発明の性質（ｎａ
ｔｕｒｅ）および本質（ｓｕｂｓｔａｎｃｅ）に由来
し、そして、それらを内在させると客観的に認められる
別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容
は、その発明の課題に相応し（ｂｅ ｃｏｍｍｅｎｓｕ
ｒａｔｅ ｗｉｔｈ）、そして、その発明の成立に必須
である。

【００２２】

【発明の便益】上述から理解されるように、この発明の
乗り物シートに使用されるシート・バックは、シート・
バック・フレームに支持されるパッド上に被せられる表
皮の背裏面においてその表皮に直接的に縫い付けられる
ポケットと、そのシート・バック・フレームの両フレー
ム・サイドに固定的に取り付けられ、そして、その表皮
よりも内側でその両フレーム・サイドからその表皮の背
裏面の両側に突き出されて上下方向に伸長される一対の
細長い板状ブラケットと、無数の小さなフック付き細帯
と無数の小さなループ付き細帯とからなり、そして、そ
の細帯の一方がそのブラケットに、その細帯の他方がそ
の表皮の背裏面の両側においてその表皮の裏面にそれぞ
れ上下方向に伸長されて固定的に取り付けられる一対の
ファスナとを備えるので、この発明の乗り物シートに使
用されるシート・バックでは、そのポケットがシート・
バック背裏の一般面から内側に引っ込められてリア・シ
ートに腰かけられる乗員に膝スペースが広く確保され、
そして、そのシート・バック背裏において表皮にそのポ
ケットが直接的に縫い付け可能にされ、ポケットがボー
ドを活用してシート・バックに装着される通常のシート
・バックに同様の外観仕上りが得られ、そして、その通
常のシート・バックに比べてコストが安価になり、その
結果、自動車シートにとって非常に有用で実用的であ
る。

【００２３】また、この発明の乗り物シートに使用され
るシート・バックは、シート・バック・フレームに支持
されるパッド上に被せられる表皮の背裏面においてその
表皮に直接的に縫い付けられるポケットと、そのシート
・バック・フレームの両フレーム・サイドに固定的に取
り付けられ、その表皮よりも内側でその両フレーム・サ
イドからその表皮の背裏面の両側に突き出されて上下方
向に伸長され、そして、先端に上下方向に伸長されるス
ロットを有する一対の細長い板状ソケットと、根元に細
長い板を一体的に形成し、その表皮の背裏面の両側にお
いてその表皮の裏面に上下方向に伸長されてその細長い
板で固定的に取り付けられ、そして、そのソケットのス
ロットにスナップ・アクションで対応的にはめ合わせら
れる一対のビード・ファスナとを備えるので、この発明
の乗り物シートに使用されるシート・バックでは、その
ポケットがシート・バック背裏の一般面から内側に引っ
込められてリア・シートに腰かけられる乗員に膝スペー
スが広く確保され、そして、そのシート・バック背裏に
おいて表皮にそのポケットが直接的に縫い付け可能にさ
れ、ポケットがボードを活用してシート・バックに装着
される通常のシート・バックに同様に外観仕上りが得ら
れ、そして、その通常のシート・バックに比べてコスト
が安価になり、その結果、自動車シートにとって非常に
有用で実用的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】乗用車のフロント・サイド・シートに適用され
るこの発明の乗り物シートに使用されるシート・バック
の具体例を後方から見た斜視図である。

【図２】図１の２−２線に沿って示した断面図である。

【図３】図１の３−３線に沿って示した概説断面図であ
る。

【図４】乗用車のフロント・サイド・シートに適用され
るこの発明の乗り物シートに使用されるシート・バック
の具体例を後方から見た斜視図である。

【図５】図４の５−５線に沿って示した断面図である。

【図６】図４の６−６線に沿って示した概説断面図であ
る。

【図７】図４に示されたシート・バックに用いられるシ
ート・バック・フレームおよび細長い板状ソケットを示
した斜視図である。

【図８】図４に示されたシート・バックに用いられるビ
ード・ファスナを示した斜視図である。

【符号の説明】

１１ シート・バック・フレーム １２ パッド １３ 表皮／トリム・カバー １４ ポケット １５ 細長い板状ブラケット １６ ファスナ １７ 無数の小さなフック付き細帯 １８ 無数の小さなループ付き細帯

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート・バック・フレームに支持される
   パッド上に被せられる表皮の背裏面においてその表皮に
   直接的に縫い付けられるポケットと、そのシート・バッ
   ク・フレームの両フレーム・サイドに固定的に取り付け
   られ、そして、その表皮よりも内側でその両フレーム・
   サイドからその表皮の背裏面の両側に突き出されて上下
   方向に伸長される一対の細長い板状ブラケットと、無数
   の小さなフック付き細帯と無数の小さなループ付き細帯
   とからなり、そして、その細帯の一方がそのブラケット
   に、その細帯の他方がその表皮の背裏面の両側において
   その表皮の裏面にそれぞれ上下方向に伸長されて固定的
   に取り付けられる一対のファスナとを備える乗り物シー
   トに使用されるシート・バック。
2. 【請求項２】 シート・バック・フレームに支持される
   パッド上に被せられる表皮の背裏面においてその表皮に
   直接的に縫い付けられるポケットと、そのシート・バッ
   ク・フレームの両フレーム・サイドに固定的に取り付け
   られ、その表皮よりも内側でその両フレーム・サイドか
   らその表皮の背裏面の両側に突き出されて上下方向に伸
   長され、そして、先端に上下方向に伸長されるスロット
   を有する一対の細長い板状ソケットと、根元に細長い板
   を一体的に形成し、その表皮の背裏面の両側においてそ
   の表皮の裏面に上下方向に伸長されてその細長い板で固
   定的に取り付けられ、そして、そのソケットのスロット
   にスナップ・アクションで対応的にはめ合わせられる一
   対のビード・ファスナとを備える乗り物シートに使用さ
   れるシート・バック。