JPH08228627A - 防虫具付き愛玩動物用首輪 - Google Patents

防虫具付き愛玩動物用首輪

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JPH08228627A
JPH08228627A JP3238695A JP3238695A JPH08228627A JP H08228627 A JPH08228627 A JP H08228627A JP 3238695 A JP3238695 A JP 3238695A JP 3238695 A JP3238695 A JP 3238695A JP H08228627 A JPH08228627 A JP H08228627A
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Masaki Manda
正樹 萬田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で効率よく防虫または忌避効果を
発揮し、常に確実な防虫性があり、しかも人間の生活空
間に置いた場合に安全性の高い防虫具付き愛玩動物用首
輪とする。 【構成】 シンナムアルデヒドをシリカゲルまたはシク
ロデキストリンに担持させた状態でポリエチレン樹脂等
の合成樹脂に混練した樹脂組成物を用いて首輪とほぼ同
じ寸法の帯状成形体を形成し、これを首輪本体の内側に
縫着して取り付けた防虫具付き愛玩動物用首輪とする。
または、袋帯状に形成した編布製の首輪本体4とほぼ同
じ長さで若干幅を細して裁断して帯状成形体5を形成
し、その一端には着脱用のリング6を取付け、首輪本体
4の内側には切目7を形成し、切目7から帯状成形体5
の他端をその一端まで挿入して取り付けた防虫具付き愛
玩動物用首輪とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は犬、猫などに装着する
防虫具付き愛玩動物用首輪に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、愛玩動物として飼育される犬、
猫、猿などの皮膚には、蚤、ダニなどの寄生虫が繁殖し
易く、特に室内で飼育される愛玩動物については、適当
な温度環境によって寄生虫が増殖しやすく、それが人間
の清潔な生活環境に進入して不快な思いをすることがあ
る。
【0003】そのような害虫が繁殖しないように、これ
までに使用された害虫駆除剤としては、スミチオンやシ
ョウノウなどの防虫または駆虫用の薬剤があり、これら
は愛玩動物の体表面に振りかけたり、毛に梳き込んだり
して用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来使用の防
虫または駆虫用の薬剤は、愛玩動物の動作によって人間
の生活空間に漂ったり、生活用品に付着したりし易く、
その場合の安全性も定かでないので、好ましい使用態様
であるとはいえず、また、そのような薬剤の用法では、
長期間充分に愛玩動物の防虫または駆虫効果を奏するこ
とができないという問題点がある。
【0005】また、これまでシンナムアルデヒドは、ス
パイス、フレーバーなどの食品香料、またはセッケンな
どの化粧品香料として用いられてきたことからも明らか
なように、少量摂取の条件では人体に無害の物質であ
り、また蚤などの小型昆虫に対しては殺滅性があること
は知られていた。
【0006】しかし、シンナムアルデヒドの防虫効果
(すなわち殺滅性)を充分に発揮させるためには、害虫
に対して所定の有効濃度で一定時間接触させなければな
らないので、従来の防虫剤と同様の使用態様では、充分
に本来の効果を奏し得ないという問題点がある。
【0007】そこで、この発明は、上記した問題点を解
決して、愛玩動物用の防虫具を、簡単な構造で効率よく
防虫または忌避効果を発揮するものに構成すると共に、
そのものには常時、確実な防虫性があり、しかも人間の
生活空間に置いた場合に安全性の高い防虫具とすること
を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、シンナムアルデヒドを含有す
る合成樹脂を帯状に成形し、これを首輪の内側に取り付
けてなる防虫具付き愛玩動物用首輪としたのである。
【0009】または、シクロデキストリンまたはシリカ
ゲルで担持したシンナムアルデヒドを混合した合成樹脂
を帯状に成形し、これを首輪の内側に取り付けた防虫具
付き愛玩動物用首輪としたのである。
【0010】または、通気性のある素材で袋帯状に形成
した愛玩動物用首輪本体内部に、シンナムアルデヒドを
含有する合成樹脂製の帯状成形体を着脱自在に挿入して
なる防虫具付き愛玩動物用首輪としたのである。
【0011】
【作用】この発明の防虫具付き愛玩動物用首輪は、これ
を愛玩動物の首に取り付けた際に、首輪の内側に取付け
られた帯状の合成樹脂が体表面に近接し、また愛玩動物
の体表面に密生する毛の間に濃度の高いシンナムアルデ
ヒドを揮発させ、この揮発成分が体表面近くに滞留す
る。
【0012】そのため、体表面を徘徊する習性を有して
首輪の内側の体表面を通過したり、首輪の内側の温かい
雰囲気に集まってくる蚤、ダニなどの寄生虫が、有効濃
度を越える高濃度のシンナムアルデヒド雰囲気に接して
殺滅される。
【0013】また、蚤、ダニなどの寄生虫は、シンナム
アルデヒドに集まる習性のあることが判明し、前記した
殺滅作用の効率は高まる。
【0014】また、シクロデキストリンで担持したシン
ナムアルデヒドを合成樹脂に保持させると、包接された
シンナムアルデヒドと汗または空気中の水分が置換して
前者が放出され、動物の体温が上がった場合に効率よく
前記効果を発揮する。
【0015】また、シリカゲルで担持したシンナムアル
デヒドを合成樹脂に保持させると、多孔質性のシリカゲ
ルの表面に多量のシンナムアルデヒドを保持できるの
で、長期間安定した防虫効果を発揮できる。
【0016】また、通気性のある素材で袋帯状の首輪本
体内部に、シンナムアルデヒドを含有する合成樹脂製の
帯状成形体を着脱自在に挿入すると、必要に応じて防虫
性を発揮し得る首輪になって適宜に帯状成形体を取り外
しておくことができ、または、効力が低下した帯状成形
体を取り替えてさらに防虫効果を継続して発揮させるこ
ともできる。
【0017】
【実施例】この発明に用いるシンナムアルデヒドは、カ
シアの葉および樹皮油中に存在し、またシンナモンの樹
皮油の主成分をなし、ニッケイの強い芳香を有する黄色
の液体であって、下記の化1の式で示される化合物であ
る。
【0018】
【化1】
【0019】このようなシンナムアルデヒドは、前記樹
皮油などに亜硫酸水素濃溶液を混合し、生成した付加物
を分離し、エタノールで洗浄した後、希硫酸または炭酸
ナトリウム水溶液で分解し、水蒸気蒸留した後、真空蒸
留して得られる。また、食品香料または化粧品香料用と
しての市販品を用いることもできる。
【0020】この発明に用いる合成樹脂は、帯状(薄肉
で長尺状)に成形可能であり、その成形温度においてシ
ンナムアルデヒドを変質させないものであれば、特に種
類を限定することなく使用できる。
【0021】すなわち、シンナムアルデヒドの沸点(一
部分解温度)は252℃であるから、これより低温の成
形温度を有する合成樹脂が好ましく、また溶融成形が可
能な熱可塑性樹脂は特に好ましい材料である。適当な熱
可塑性樹脂の具体例としては、ポリアミド樹脂(ナイロ
ン)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリス
チレン樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
【0022】このような合成樹脂にシンナムアルデヒド
を混合して成形するには、いわゆる含油プラスチックを
成形する要領で、周知の手法を採用することができる。
また、シンナムアルデヒドの合成樹脂組成物中の配合割
合は、0.1重量%から6重量%の範囲である。なぜな
ら、前記所定範囲未満の少量では、首輪に取り付けた場
合の防虫効果が顕著でなく、また所定範囲を越える多量
を配合しても、実用上それ以上の防虫効果の改善性が見
られないからである。
【0023】また、合成樹脂中に分散保持されたシンナ
ムアルデヒドは、成形体表面より過剰に滲み出る場合も
想定されるので、シクロデキストリンまたはシリカゲル
で担持したシンナムアルデヒドを混合することが好まし
い。
【0024】上記したシクロデキストリンは、D−グル
コースが6〜8個環状にα−1,4結合しているオリゴ
糖であり、親油基を有する化合物を環内に取り込み包接
化合物を形成する事が知られた周知の化合物である。こ
のようなシクロデキストリンは、好ましくは、シンナム
アルデヒドに対して、0.1/100(重量比)以上の
配合割合で添加すれば、効率よく包接化合物(いわゆる
分子カプセル)を形成する。
【0025】また、シリカゲルは、シンナムアルデヒド
を担持させる物質として使用し、通常、充填剤として利
用される粉末性の工業材料を採用することができる。こ
のようなシリカゲルは、シンナムアルデヒドに対して3
0/100から70/100の配合比(重量比)で添加
すれば、効率よくこのものを担持するので好ましい。こ
のような傾向から、より好ましい配合割合は40/10
0から60/100の(重量比)であり、特に好ましい
配合割合は、50/100(重量比)である。
【0026】この発明の実施例を以下に貼付図面に基づ
いて説明する。
【0027】〔実施例1〕図1および図2に示すよう
に、実施例1は、シンナムアルデヒドを含有するポリエ
チレン樹脂組成物を帯状に射出成形し、これを首輪とほ
ぼ同じ寸法に裁断して帯状成形体1を形成し、これを首
輪本体2の内側に縫着して取り付けたものである。
【0028】この場合、樹脂組成物中のシンナムアルデ
ヒドは、3重量%とし、シンナムアルデヒドに対するシ
クロデキストリンの配合量を2/100(重量比)とし
た。
【0029】実施例1では、帯状成形体1を首輪本体2
の内側に縫い目線3によって縫着して取り付けたが、溶
融状態のポリエチレン樹脂組成物を首輪本体2の内側面
にコーティングして設けることもできる。
【0030】〔実施例2〕図3および図4に示すよう
に、実施例2は、シンナムアルデヒドを含有するポリエ
チレン樹脂組成物を帯状に射出成形し、これを袋帯状に
形成した編布製の首輪本体4とほぼ同じ長さで若干幅を
細して裁断して帯状成形体5を形成し、その一端には着
脱用のリング6を取付け、首輪本体4の内側には切目7
を形成し、切目7から帯状成形体5の他端をその一端ま
で挿入して取り付けるようにしたものである。
【0031】この場合、樹脂組成物中のシンナムアルデ
ヒドは、3重量%とし、シンナムアルデヒドに対するシ
リカゲルの配合量は、50/100(重量比)とした。
【0032】首輪本体4は、編布製のものを図示した
が、織布、組紐、網状体、パンチ穴を形成した皮革、合
成樹脂もしくは合成皮革またはその他の通気性のある素
材からなる複合材料を採用することもできる。
【0033】実施例1または実施例2の防虫具付き首輪
を複数の小型犬に取り付けて、室内で飼育したところ、
首輪の装着当初に首輪の内側に多数の蚤の死骸が発見で
き、その後、数カ月に亘って蚤などの繁殖が見られなか
った。
【0034】
【効果】この発明は、以上説明したように、安全性の高
いシンナムアルデヒドを帯状の合成樹脂に含ませて首輪
に取付けることにより、体表面の毛の隙間の狭い空間に
濃度の高いシンナムアルデヒドを滞留させるようにした
ので、防虫具付き愛玩動物用首輪が、簡単な構造で効率
よく防虫効果を発揮するものになり、また常に確実な防
虫性が発揮され、しかも人間の生活空間において物に付
着したりすることがないので、安全性の高い防虫性を発
揮する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の裏面図
【図2】図1の拡大断面図
【図3】実施例2の裏面図
【図4】図3の拡大断面図
【符号の説明】
1、5 帯状成形体 2、4 首輪本体 3 縫い目線 6 リング 7 切目

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンナムアルデヒドを含有する合成樹脂
    を帯状に成形し、これを首輪の内側に取り付けてなる防
    虫具付き愛玩動物用首輪。
  2. 【請求項2】 シクロデキストリンまたはシリカゲルで
    担持したシンナムアルデヒドを混合した合成樹脂を帯状
    に成形し、これを首輪の内側に取り付けてなる防虫具付
    き愛玩動物用首輪。
  3. 【請求項3】 通気性のある素材で袋帯状に形成した愛
    玩動物用首輪本体内部に、シンナムアルデヒドを含有す
    る合成樹脂製の帯状成形体を着脱自在に挿入してなる防
    虫具付き首輪。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015041395A1 (ko) * 2013-09-23 2015-03-26 한국생산기술연구원 실리카 표면 개질에 의한 방충 입자의 제조방법

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JPS498459U (ja) * 1972-04-25 1974-01-24
JPS5955471U (ja) * 1982-10-04 1984-04-11 山本 財千 猫用首輪
JPS63160160U (ja) * 1987-04-10 1988-10-19
JPH0190354U (ja) * 1987-11-02 1989-06-14
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