JPH0822758B2 - ブツシング均衡制御器 - Google Patents

ブツシング均衡制御器

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JPH0822758B2
JPH0822758B2 JP63504564A JP50456488A JPH0822758B2 JP H0822758 B2 JPH0822758 B2 JP H0822758B2 JP 63504564 A JP63504564 A JP 63504564A JP 50456488 A JP50456488 A JP 50456488A JP H0822758 B2 JPH0822758 B2 JP H0822758B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 このブッシング均衡制御器は、ガラス繊維製造技術に
関するもので、具体的には、連式セクションを備えたガ
ラス繊維製造ブッシングの各セクションの端部間の温度
を均衡させ維持する装置及び方法に関するものである。
背景技術 ガラス繊維を製造する方法の1つに、精密な金属ブッ
シングに設けた複数個の孔に熔融ガラスを通し、こうし
て出来たガラスの複数本の熔融細流を束ねて繊維にする
ものがある。この金属製ブッシングは、熔融ガラスで満
ちた容器を構成する。ブッシングの底部には、複数個の
孔が形成され、これら孔を通って、熔融ガラスが機械的
手段により引き出される。均一なガラス繊維の製造を容
易にし確保するためには、ブッシングを均一な温度に加
熱するのが有効である。ブッシングを加熱する好ましい
方法は、ブッシングに大きい電流を流すことである。
製造されるガラス繊維の径は、ガラスの組成、ガラス
の温度、ブッシングの温度、熔融ガラス繊維の冷却速度
に影響を与えるブッシングの下における温度条件、及び
機械的な巻取りによってガラス繊維に加わるストレスに
依存する。ガラス繊維製造方法は、均一な直径を有する
複数本のガラス繊維を作ることを目指し、これによりパ
ッケージの重量を均一化することにある。通常、連式セ
クションを備えたブッシングを用い、このような連式セ
クションを備えたブッシングの各セクションの端部間で
温度を一定かつ均一に保つことは、均一な繊維径製造に
とって重要な事柄であることがわかった。
各セクションが、絶えず共通の温度で作動するように
するため、連式セクションを備えたブッシングの個々の
セクションへの熱の付与を制御する種々の提案がなされ
ている。例えば、1987年4月14日に許与されたアメリカ
合衆国特許第46575272号は、設定温度以上の温度で作動
しているブッシングのセクションから電流を迂回させる
ことにより、設定温度を達成し維持することによって、
連式セクションを備えたブッシングにおいて温度を均衡
させている。この方法では、個々のブッシングのセクシ
ョンにおける温度の検出は、ブッシングのセクションの
抵抗変化を検出し、温度及び設定温度からの偏差を計算
することによって行なっている。
温度を検出する別の手段が、アメリカ合衆国特許第45
94087号に開示されている。ここには、複数個の熱電対
を、ブッシングに沿った別々の箇所に配置し、こうし
て、平均温度の読取りを行なう。一対のサイリスターに
よって、ブッシングの各ハーフを通る電流の分路を制御
して所望の温度を保つようにしている。
アメリカ合衆国特許第4024336号には、上述した装置
に多少似通った分割型ブッシング制御器が開示されてい
る。ここでは、2個の温度検出部品が用いられている。
温度検出部品のうちの1つは、ブッシング全体に供給さ
れる電力を調節する第1制御器をコントロールするもの
であり、一方、もう1つの温度センサーと第2制御器と
は、ブッシングの各ハーフを分流する一対の全波可変イ
ンピーダンス装置を制御することによって、2個のブッ
シングのセクションへの対応電流を調節している。
アメリカ合衆国特許第4546485号では、ブッシングに
沿って配置した複数個の熱電対により、平均温度を求
め、これを用いて、電流ひいてはブッシングの温度を制
御し維持している。手動調節可能な可変インピーダンス
装置を調節して、ブッシングの各ハーフの相対温度を制
御することにより、等しいスループットを実現し維持し
ている。
ガラス繊維製造ブッシングの温度制御装置で直面する
先ず考慮しなければならない事柄の一つは、温度検出手
段の選択である。この分野において実用性があるものと
一般的に認めれられているものは、熱電対、赤外すなわ
ち非接触型温度測定及び抵抗温度測定である。
今述べた温度測定手段の各々は、利点及び欠点を備え
ている。例えば、現在の熱電対技術は、極めて正確な温
度測定を行える。しかしながら、ガラス繊維製造ブッシ
ングの作動温度、すなわち約1371.1℃(2500゜F)で
は、熱電対は、相対的に寿命が短いものとなる。更に、
熱電対は、1点においてのみ温度を測定するものであ
り、熱電対は、ブッシングの外部に通常固定されるの
で、熔融ガラスの温度変化とブッシングの温度変化と熱
電対によるこれらの検出との間には、一定の時間遅れが
ある。赤外温度測定技術は、正確ではあるが、熔融ガラ
スの流出細流の存在、及びフィン・シールド(fin shie
ld)その他の温度制御装置によるブッシングの下におけ
る混雑状態によって悪影響を受けている。
抵抗測定法による温度検出制御は、恐らく、この分野
に最も適したアプローチであろうが、これまた、障害な
しとは言い難い。例えば、電流がブッシングを流れてい
る間にブッシングの抵抗値を測定するものであるため、
電源ラインにおけるノイズ又は局部的に発生した妨害に
よる影響を受け易い。更にまた、制御システムが、ブッ
シング全体の各部分を流れる電流を調節するものである
とすると、調節した電流が抵抗値の読取りを妨害しない
ようにする工程をとる必要がある。
連式セクションを備えたガラス製造ブッシングの温度
制御の技術分野における改善が、好ましいだけでなく可
能なものであることは、上述の説明及び先行技術につい
ての説明から明らかである。
発明の開示 本願発明によるブッシング均衡制御器は、連式セクシ
ョンを備えたガラス繊維製造ブッシングの各セクション
の温度を、熱電対又は抵抗(電圧降下)測定技術を用い
て検出し、ブッシングの全体に供給されこれを通過する
電気エネルギーと、ブッシングの1つのセクションを除
いて導入された電気エネルギーとを調節することによ
り、各ブッシングのセクションを所望の設定温度に維持
するものである。
N個のブッシングのセクションに取り付けたN個の熱
電対を用いる場合には、N−1個の熱電対制御器と電源
とにより、電力を供給してN−1個のセクションを制御
する一方で、N番目の熱電対、制御器及び電源により、
電気エネルギーの付与、引いてはN個のセクションを有
するブッシングの全体の温度を制御することにより、N
番目のブッシングのセクションの温度を効率的に制御す
る。
抵抗(電圧降下)測定技術を用いてもよく、この場
合、N個のセクションの各々の端部間の電圧降下を検出
し、設定値からの検出した偏差に従ってN−1個のセク
ションの各々における電気エネルギーの供給を制御し、
N番目のセクションの端部間の電圧降下を検出し、設定
値からの検出した偏差に従ってN個のセクションを有す
る全ブッシングへの電気エネルギーの付与を制御するこ
とにより、N番目のブッシングのセクションの温度を効
果的に制御するものである。この場合、電流を、N−1
個のセクションに供給し、電圧降下を、交流電源のサイ
クル中検出して、正確な検出及び適正制御を確保する。
このように、本発明の目的は、連式セクションのガラ
ス繊維製造ブッシングの個々のセクションの温度を調節
し、維持するブッシング均衡制御器を提供することにあ
る。
本願発明のもう1つの目的は、連式セクションを備え
たガラス繊維製造ブッシングの個々のセクションの温度
を検出し、1個のブッシングのセクションを除く全てに
補充電気エネルギーを供給することにより、ブッシング
の各セクションにおける温度を所望の設定値に維持する
機構を提供することにある。
本願発明のもう1つの目的は、N個のブッシングのセ
クションの温度を検出し、N個のセクションへの電気エ
ネルギーの供給とN個のセクション全てを通る電気エネ
ルギーの流れとを制御する、連式セクションを備えたガ
ラス製造ブッシングの制御器を提供することにある。
本願発明のこのほかの目的及び特有の効果について
は、好ましい実施例についての後述する説明及び添付図
面から明らかとなる。
図面の簡単な説明 第1図は、温度センサーとして熱電対を用いた本発明
による複式セクションを備えたブッシングの制御器の概
略図である。
第2図は、抵抗(電圧降下)温度検出技術を用いた、
複式セクションを備えたガラス繊維製造ブッシングの制
御器の概略図である。
第3図は、複式セクションを備えたガラス繊維製造ブ
ッシングの電気的特性を示す概略図である。
第4図は、抵抗(電圧降下)温度検出技術とインター
リーブされた(interleaved)検出電流供給を用いた、
複式セクションを備えたガラス繊維製造ブッシング用の
制御器の概略図である。
発明を実施するための最良の形態 第1図において、連式セクションからなるブッシング
の温度を電流の導入により制御し維持し、かつ温度セン
サーとして熱電対を用いるシステムが、図示されてお
り、全体を符号10で示してある。システム10には、鉱物
又はガラスの繊維を製造するブッシング集合体12が設け
られており、この集合体は、3つのセクション、つまり
第1すなわち左側セクション14と、第2すなわち中央セ
クション16と、第3すなわち右側セクション18とに分け
られる。3つのセクションからなるブッシングについて
の本願発明の説明は、例示的な説明のためのものである
こと留意されたい。本願発明を用いることの出来る、連
式セクションからなるブッシングにおけるセクションの
実際の数は、ここに述べる3つのセクションよりも多い
又は少ない数にすることは簡単であり又好都合のことも
ある。
電気エネルギーは、一対のライン20及び22から連式セ
クションのブッシング集合体12の全体の両端間に加えら
れる。これら一対のラインは、連式セクションのブッシ
ング集合体12の両端に接続され、第1電源トランス24の
2次側と結合される。第1電源トランス24の1次側に
は、第1パワーパック26からの電気エネルギーが供給さ
れる。第1パワーパック26は、例えば固体制御器であっ
て、ライン28に設けた電気エネルギー源に接続され、更
に制御線30の制御信号を受け入れる。第1パワーパック
26は、制御線30の制御信号に従って、第1電源トランス
24への出力の大きさを調節する。
制御線30の制御信号は、第1プロセス制御器32により
与えられる。この第1プロセス制御器は、連式セクショ
ンのブッシング集合体12の中央セクション16に固定した
第1熱電対36からのライン34の電圧信号を受け入れる。
第1プロセス制御器32は、ウエストバージニア州フェア
モントのエレクトロニック・コントロール・システムズ
(Electronic Control Systems)社により製造されてい
るモデル6810若しくは6403制御器、又は、リーズ・アン
ド・ノースラップ(Leeds and Northrup)社のエマック
ス・ヴイ(Emax V)制御器と同様又は類似のものとする
ことができる。
第1熱電対36は、連式セクションのブッシング集合体
12の中央セクション16の温度だけを検出するものである
が、この熱電対は、電圧信号の形でデータを出し、この
データにより、最終的には、ブッシング集合体12全体へ
の電気エネルギーの供給を制御するものであることを理
解されたい。第1パワーパック26自体としては、例え
ば、約10ないし35キロワットの電気エネルギーの容量を
持つもので良い。
第2熱電対46により、今述べた第1プロセス制御器32
と好ましくは同様な第2プロセス制御器50に通じるライ
ン48に信号を出す。この第2プロセス制御器50の出力
は、第2パワーパック54に通じる制御線52に出される。
第2パワーパック54は、エレクトロニック・コントロー
ル・システムズ社のモデル7702と同様又は類似のものと
することができ、2次電流が約100ミリアンペアとなる
降圧トランス器の1次側へ約30ミリアンペアの電流供給
力を持つものとするのが好ましい。第2パワーパック54
により、第2電源トランス56の1次側へのライン28から
の電気エネルギーの供給を制御する。第2電源トランス
56の2次側の出力は、連式セクションのブッシング集合
体12の第1セクション14の両端にライン60及び62で加え
られる。
連式セクションからなるブッシング集合体12の第3セ
クション18についても、同様にして温度の検出と電気エ
ネルギーの制御とがされる。ここでは、第3熱電対66が
設けられて、ブッシングの第3セクション18の温度を検
出し、第3プロセス制御器70に通じるライン68に電圧信
号をもたらす。第3プロセス制御器70は、好ましくは、
第1及び第2プロセス制御器32及び50と同様なものとす
る。制御線72に設けた第3プロセス制御器70の出力は、
第3パワーパック74に加えられて、第3電源トランス76
の1次側への電気エネルギーの供給を制御する。そし
て、この第3電源トランスにより、その2次側からブッ
シングの第3セクション18の両端に一対のライン80及び
82を通じて電気エネルギーを供給する。第3パワーパッ
ク74は、好ましくは、第2パワーパック54と同様のもの
とする。
ブッシングの第1セクション14に関して述べた部品
と、ブッシングの第3セクション18に関して述べた部品
とにより、設定値からの検出した温度偏差に応じて、ブ
ッシングの各セクションに適当な電流を導入する閉鎖ル
ープ制御システムを構成する。一方、先に述べた構成部
品(第1パワーパック26,第1プロセス制御器32,熱電対
36及びこれらに接続された回路)により、連式セクショ
ンからなるブッシングの集合体12の全体の両端に電気エ
ネルギーの流れを生じさせこれを制御する。
第2図、第3図及び第4図に関して説明すると、連式
セクションからなるブッシングの温度制御システムの第
2実施例を、図示してあり、全体を符号100で示してあ
る。連式セクションからなるブッシングの温度制御シス
テム100は、第1図に示した第1実施例のシステム10に
用いたのと同じ構成部品、具体的には電気エネルギー制
御部品の幾つかを用いており、勿論、同様又は類似のブ
ッシングで作動する。第2実施例のシステム100には、
鉱物又はガラスの繊維を製造するための連式セクション
からなるブッシング集合体12を設けてあり、このブッシ
ング集合体は、3つのセクション、つまり第1すなわち
左側セクション14と、第2すなわち中央セクション16
と、第3すなわち右側セクション18とに分けられてい
る。先の実施例についても述べたように、3つのセクシ
ョンからなるブッシングについての本願発明の第2実施
例の図示及び説明は、単なる例示かつ説明のためのもの
であり、本願発明は、所望ならば、もっと多数の又は少
数のセクションを備えた連式セクションからなるブッシ
ングに用いることも出来ることを理解されたい。第2実
施例のシステム100もまた、一対のライン20及び22を備
えていて、これらのラインは、連式セクションからなる
ブッシング集合体12の両端に接続され、第1電源トラン
スの24の二次側からブッシング集合体へ電気エネルギー
を供給している。第1電源トランス24の1次側には、第
1パワーパック26から電気エネルギーが供給される。こ
の第1パワーパック26により、連式セクションからなる
ブッシング集合体12に通じるライン28の電気エネルギー
の供給を、制御線30の制御信号に従って制御する。
第2実施例のシステム100もまた、第2パワーパック5
0を備えていて、ライン28の電気エネルギーと共に、第
2制御線52の制御信号を受取り、第2電源トランス56の
1次側への電気エネルギーの供給を制御する。第2電源
トランス56の2次側は、ブッシングの第1セクション14
の両端に一対のライン60及び62を介して接続される。こ
の第2実施例のシステム100はまた、第3パワーパック7
0を備えていて、この第3パワーパックには、第3制御
線72の制御信号と、ライン28の電気エネルギーとを供給
して、第3電源トランス76の1次側への電気エネルギー
の供給を制御する。第3電源トランス76の2次側は、ブ
ッシングの第3セクション18の両端に一対のライン80及
び82を介して接続される。
この第2実施例のシステム100は、先に述べた第1実
施例のシステム10と次のように異なっている。この第2
実施例のシステムは、又、ブッシング均衡制御器102を
備えていて、これにより、第1パワーパック26,第2パ
ワーパック50及び第3パワーパック70への制御線30,52
及び72の各々に制御信号を送出する。このブッシング均
衡制御器102は又、ライン104,106,108及び110における
4個の電圧信号を受け入れる。ライン104と106の電圧間
の差は、ブッシングの第1セクション14の端部間の電圧
降下に相当し、ライン106と108の電圧間の差は、ブッシ
ングの第2すなわち中央セクション16の端部間の電圧降
下に相当し、更に、ライン108と110の電圧間の差はブッ
シングの第3セクション18の端部間の電圧降下に相当す
る。この第2実施例のシステム100には又、変流器112が
設けられ、この変流器の1次側は、連式セクションから
なるブッシング集合体12への電気エネルギーの主電源に
組み合されたライン20又は22のいずれかに置かれる。こ
の変流器112により、連式セクションからなるブッシン
グ集合体12の全体を流れる電流を検出する。変流器112
の2次側に誘導された電流信号を、精密抵抗器(precis
on resistor)114に加え、制御線116に電圧信号を生じ
させ、これを、ブッシング均衡制御器102に加える。
第3図は、ブッシング集合体12のような連式セクショ
ンからなるブッシングの電気特性を表わした電気概略図
である。連式セクションからなるガラス繊維製造ブッシ
ングは、電気により加熱されるもので、ブッシングを形
成する金属の抵抗値により発熱を生じさせるものである
から、この抵抗値は、直列接続された抵抗器で表わすこ
とができる。R14は、連式セクションからなるブッシン
グの集合体12の第1すなわち左側セクション14の抵抗値
を表わすものであり、R16は、ブッシング集合体12の第
2すなわち中央セクション16の抵抗値を表わすものであ
り、更に、R18は、ブッシング集合体12の第3すなわち
左側セクション18の抵抗値を表わすものである。これら
の抵抗値の各々は、ブッシングの個々のセクションの温
度が変化するにつれて変化する。
ブッシング均衡制御器102の動作を理解してもらうた
め、動作原理について簡単な説明を行なう。
ガラス繊維製造ブッシングに用いる材質、代表的な金
属の抵抗値/温度関係は、次のように表わされる。
RN=RS[1+∝(TN−TS)]ここで、 RN=ブッシングのセクションNの瞬間抵抗値 RS=設定温度TSにおけるブツシングのN番目のセクショ
ンの抵抗値 TN=ブッシングのセクションNの瞬間温度 TS=設定温度 ∝=ブッシングに用いる材料の抵抗の温度係数 三連式セクションを備えたブッシング集合体12からな
る場合には、ブッシングの合計抵抗値R12は、次のよう
に表わされる。
R12=R14+R16+R18 ブッシングを流れる電流I12は、各セクションが直列
に接続されているので、各セクションを流れる電流と同
じである。電圧は、オームの法則により、電流の抵抗倍
であるので、関係式は次のようになる。
I12R12=I12R14+I12R16+I12R18 すなわち、 E12=E14+E16+E18 このことは、勿論、電流の導入がない場合に当てはま
る。
このように、ライン104及び106,106及び108,並びに10
8及び110間の電位差は、ブッシングの第1セクション1
4,ブッシングの第2セクション16及びブッシングの第3
セクション18の各々の端部間に、ブッシングのこれらの
セクションの抵抗Rを流れる電流I12により生ずる電圧
降下に相当する。ライン104と110間の電圧差は、連式セ
クションからなるブッシング集合体12の全体の両端の電
圧降下に相当する。
以上説明したように、設定温度近くで作動するブッシ
ングのセクションNの抵抗値/温度関係は、次のように
表わされる。
RN=RS[1+∝(TN−TS)] ブッシングBのブッシングセクションNの端部間の電
圧降下ENは、抵抗値の電流倍、すなわち次式で表わされ
る。
EN=IBRN=IBRS[1+∝(TN−TS)] ブッシングのセクションの温度を制御するため、偏差
信号を、次の関係式に基づいて作り出す。
XN=CIB−KEN ここで、C及びKは、定数である。
最後から2番目の等式を前式に置換すると、次のよう
になる。
XN=CIB−KIBRS[1+∝(TN−TS)] ブッシングのセクションが、適正なすなわち設定温度
であると、TN=TSであるので、偏差は、次のように表わ
される。
XN=CIB−KIBRS 偏差信号は、設定温度ではゼロであるので、次式が得
られる。
K=C/RS しかしながら、セクションのある部分における温度
が、設定温度に等しくない場合には、次のようになる。
TN≠TS TN=TS+ΔTN したがって、先の等式は、次のようになる。
XN=CIB−KIBRS[1+∝(TS+ΔTN−TS)] K=C/RSを前式に置換すると、次式が得られる。
XN=KIBRS∝ΔTN K,∝及びRSは、定数であるので、この式は、次のよう
に表わされる。
XN=MIBΔTN ここで、Mは、定数である。
この偏差信号は、小さな範囲Tに渡って線形である。
第2図及び第3図、特に第4図に関し、ブッシング均
衡制御器102を、第2実施例のシステム100の関連する電
気部品と共に、図示してある。ブッシング均衡制御器10
2を図示してある第4図の一部をよく見ればわかるよう
に、ブッシングの第1,第2及び第3セクション14,16及
び18に接続した3つのほぼ同一の回路部分が、他の回路
部分と共に設けてある。前にも述べたように、ブッシン
グ均衡制御器102は、どんな数のセクションからなるブ
ッシングにも適応でき、回路部分は、ブッシングのセク
ションの数に応じて増減して用いられることに留意され
たい。
ブッシング均衡制御器102は、ブッシングの第1セク
ション14の各端部における電圧を示す、信号線104及び1
06の電圧信号を受け入れる。ライン104及び106の電圧信
号は、第1差動増幅器122に加えられる。この差動増幅
器122は、2つの電圧信号間の差を算出して、第1同期
復調器124への出力を行なう。同様にして、ブッシング
の第2すなわち中央セクション16の各端部における電圧
を表わす、ライン106及び108の電圧信号を、第2差動増
幅器142に加え、その出力信号を、第2同期復調器144に
加える。ライン108及び110の電圧信号を、第3差動増幅
器162の入力に加え、この増幅器の出力を、第3同期復
調器164に加える。これら同期復調器124,144及び164
は、これらに加えられる交流信号を、正確に全波整流す
る。
連式セクションからなるブッシング集合体12の両端の
電圧は、ライン104と110に表われ、これらの電圧は、第
4差動増幅器182に加えられる。第4差動増幅器182の出
力により、ゼロ点通過検出器(zero crossing detecto
r)184を駆動し、この検出器により、ブッシング均衡制
御器102に用いる基本制御信号を作り出す。ゼロ点通過
検出器184からの直接の出力は、連式セクションからな
るブッシング集合体12に加えられる正弦波(交流)電力
の0すなわちゼロ点通過を示す一連のパルスである。こ
の一連のパルスは、ライン186に設けた同期復調器124,1
44及び164の各々に加えられて、差動増幅器122,142及び
162の各々からの増幅された電圧降下信号の整流を制御
する。これら一連のパルスは又、2分割回路(divide−
by−two circuit)188にも加えられる。この2分割回路
188により、ライン186における2パルスごとに1パルス
を生ずるパルス列を制御線190に作り出す。制御線190の
パルス列により、第1対の高速、好ましくは電子型の、
スイッチ126及び166を駆動し、これらのスイッチによ
り、断続的に分流を行なって、ライン128及び168に設け
た同期復調器124及び164の各々からの整流された出力信
号を接地する。制御線190のパルス列は又、反転器192の
入力に加えられる。制御線194における反転器192の出力
は、こうして、制御線190におけるパルスとは同期しな
い一連のパルスである。この同期していない一連のパル
スにより、第2対の高速、好ましくは電子型の、スイッ
チ196及び200を駆動する。これらのスイッチ196及び200
により、断続的に分流を行なって、制御線52及び72の信
号を接地することにより、各パワーパック50及び70への
制御信号を交互に作用可能及び作用禁止にする。制御線
190のパルスは、制御線194のパルスに対して反転すなわ
ち同期していないので、第1対のスイッチ126及び166の
開閉は、第2対のスイッチ196及び200の開閉と交互にな
される、すなわち同期していない。
ライン116に表わされる電圧は、明らかに、ブッシン
グの電流に正比例している。この電圧は、第4差動増幅
器210によって増幅される。この第4差動増幅器210の出
力は、第2ゼロ点通過検出器212に加えられ、又、第4
同期復調器214にも加えられる。電流信号に別個のゼロ
点通過検出器を用いることによって、電流信号と電圧信
号間の位相のずれが除かれる。第4同期復調器214から
の出力を、高速スイッチ218に接続されるライン216に載
せ、制御線190にパルスがあるとき、この高速スイッチ
により出力信号を分流して接地する。
電圧降下に関する回路の部分に戻ると、ライン128,14
8及び168の整流された(直流)信号を、演算増幅器130,
150及び170の各々に加える。これら演算増幅器130,150
及び170は、各々、フィードバック回路132,152及び172
を備える。すぐに理解されるように、フィードバック回
路132,152及び172により、演算増幅器130,150及び170の
各々の利得調節を容易化する。フィードバック回路132,
152及び172により、定数∝、RS及びKを設定する。各回
路経路は、個々のフィードバック調節回路を備えている
ので、回路経路は、特定の個々の動作特性に合わせるこ
とが出来る。
演算増幅器130,150及び170の各出力は、同数の加算演
算増幅器134,154及び174の一方の入力に、各々加えられ
る。加算演算増幅器134,154及び174の各々の他方の入力
には、フィードバック回路224を備えた第4演算増幅器2
22からの出力信号を加える。このフィードバック回路22
4により、定数Cである利得を設定する。演算増幅器224
の出力信号は、ブッシング集合体12の電流を示すもの
で、この出力信号は、加算演算増幅器134,154及び174の
各々の他方の入力に信号線226で加えられる。
加算演算増幅器134の出力は、次の偏差信号である。
X14=KIBRS∝ΔT14 同様に、加算増幅器154の出力は、次の偏差信号であ
る。
X16=KIBRS∝ΔT16 そして、加算増幅器174の出力は、次の偏差信号であ
る。
X18=KIBRS∝ΔT18 次いで、加算増幅器134からの偏差信号を、正の誤差
信号の比例積分値を計算する比例積分ステージ(propor
tional and integral stage)136に送る。次いで、この
信号を第2パワーパック50の制御のための条件とするチ
ョッパ(chopper)138に渡す。ブッシングの第2すなわ
ち中央セクション16と関連するブッシングの均衡制御器
102の部分にも、比例積分ステージ156を設けて、チョッ
パ158を作動させ、更に、このチョッパにより、第1パ
ワーパック26を作動させる。ブッシングの第3すなわち
右側セクション18と関連するブッシングの均衡制御器10
2の部分にも又、比例積分ステージ176を設けて、チョッ
パ178を作動させ、更に、このチョッパにより、第3パ
ワーパック70を作動させる。比例積分ステージ136,156
及び176は、チョッパ138,158及び178と共に、単一のユ
ニットにまとめても良い。又、これらの機能は、エレク
トロニック・コントロール・システムズ社により製造さ
れているモデル6810若しくはモデル6403、又はリーズ・
アンド・ノースラップ社のモデル・エマックス・ブイの
ような通常に市販されているプロセス制御器により実現
出来る。
第1実施例のシステム10では熱電対を用いて温度検出
を行っているのに対し、第2実施例のシステム100では
抵抗(電圧降下)技術を用いて温度検出を行っている点
で大きな違いがあるが、これら2つのシステム10及び10
0の動作は、ほぼ同じであり、それについて説明する。
両方のシステムにおいて、ブッシングのN−1個のセク
ションのそれぞれのプロセス制御器を、手動すなわち固
定モードで50%の出力となるように調節する。この予備
調節を行うことにより、自動モードに設定したとき、プ
ロセス制御器により、確実に、正負の温度の範囲の調節
を最大に出来る。次いで、主電源制御器構成部品(第1
実施例における第1プロセス制御器32とこれに接続した
パワーパック26,並びに第2実施例のシステム100におけ
るブッシング均衡制御器102の構成部品142ないし158及
びパワーパック26)を、調節して連式セクションを備え
たブッシング集合体12のスループットが最適かつ均衡さ
れたものとなるようにする。スループットの最適化均衡
化は、フィン調節機構等の機械的な機構等の手段により
行ってもよく、システムが自動制御モードに入る前にほ
ぼ均等のスループットが得られるようにする。次いで、
N−1個の制御器、すなわち第2及び第3パワーパック
54及び74を作動させるプロセス構成部品の設定温度値
を、各々、誤差ゼロを示すように調節する。このとき、
連式セクションからなるブッシング集合体12は、表面上
均衡状態にあり、巻き取られたガラス繊維のパッケージ
径は、ほぼ等しくなる。最後に、N−1個の制御器を、
自動モードにして、第1及び第2実施例のシステム10及
び100を作動させ、均衡された状態を維持する。
第1すなわち主パワーパック26により、連式セクショ
ンからなるブッシング集合体12の第2(N番目の)セク
ション16の設定温度を維持すると共に、連式セクション
からなるブッシング集合体12への電気エネルギーの大部
分を供給する。第2及び第3パワーパック54及び74によ
り、ブッシングのそれぞれに対応するセクション14及び
18への極めて少量の電気エネルギーの供給を行い、連式
セクションからなるブッシング集合体12の各セクション
の検出した温度又は抵抗値に従って、第1及び第3パワ
ーパックにより与えることのできる電気エネルギーを0
から100%の間で導入することにより、温度を整える。
第2実施例100について具体的に説明すると、先に述
べたように、ブッシングの均衡制御器102,詳しく言えば
第2及び第3パワーパック54及び74により導入される電
流は、抵抗(電圧降下)検出中はあってはならない。交
互に作動する高速スイッチ126,146,166及び200により、
ブッシング集合体12に熱暴走が生じてその結果故障して
しまうような状態が発生することを防止する。
好ましい実施例についての添付図面及び説明は、発明
者が知っている、本願発明を実施する最良の形態であ
る。ここに述べた実施例の修正や変形は、可能であるこ
とは、当業者によって明らかである。したがって、本発
明についての上述の説明は、限定的なものではなく、請
求の範囲の記載に従ってのみ限定されるものである。
産業上の利用可能性 ガラス繊維の製造では、均一のパッケージ径が得られ
ることになる、均一径を有する複数本の繊維を製造する
ことが望まれる。本願発明のブッシング均衡制御は、連
式セクションからなるガラス繊維製造ブッシングの制御
を容易にして、ブッシングの複数個のセクションの各端
部間の温度を電流導入により、均衡させ維持することに
よって、均一な繊維径を得る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 3/00 340

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連式セクションからなるブッシングの各セ
    クションの温度を検出する機構と、 このブッシングの各セクション向けの温度制御信号を発
    生する機構と、 温度制御信号の一つに応じて、連式セクションからなる
    ブッシングの全てのセクションに電流を供給する機構
    と、 該1つの温度制御信号に対応する1個のセクションを除
    く全てのセクションの各々に、それぞれのセクション向
    けの温度制御信号に応じて、電流を導入する機構とから
    なる、連式セクションを備えたガラス繊維製造ブッシン
    グの各セクションの温度を制御する装置。
  2. 【請求項2】前記温度検出機構は、熱電対である、請求
    の範囲第1項に記載の装置。
  3. 【請求項3】前記温度検出機構は、前記セクションの各
    々の端部間の電圧降下を測定する機構を備える、請求の
    範囲第1項に記載の装置。
  4. 【請求項4】前記温度制御信号発生機構は、前記電流供
    給機構により供給される電流を測定する機構を備える、
    請求の範囲第1項に記載の装置。
  5. 【請求項5】前記温度検出機構が作動中は、前記電流導
    入機構を作動禁止にし、この電流導入機構が作動中は、
    前記温度検出機構を作動禁止にする機構を備える、請求
    の範囲第1項に記載の装置。
  6. 【請求項6】前記温度検出機構と前記電流導入機構とを
    交互に又は互いに単独に作動させ又は作動禁止にするイ
    ンターリービング機構を備える、請求の範囲第1項に記
    載の装置。
  7. 【請求項7】a) 次の関係式で表わされる抵抗値と温
    度間の線形関係を有する材料で形成され、「N」個のセ
    クションに分けられたガラス繊維製造ブッシングと、 RN=RS[1+∝(TN−TS)] ここで、 N=1からブッシングのセクションの総数まで RN=ブッシングのあるセクションの瞬間抵抗値 RS=設定温度TSにおける材料の抵抗値 ∝=ブッシングに用いる材料についての華氏1゜当たり
    の抵抗値変化 TN=ブッシングのあるセクションの瞬間温度 TS=ブッシングのこのセクションの設定温度 b) 前記ブッシングに電流IBを供給する機構と、 c) 前記ブッシングを流れる電流IBに比例した信号を
    作る変流器と、 d) 前記ブッシングの各セクションの端部間の電圧降
    下ENを測定する機構と、 e) 前記ブッシングの各セクション毎に下記の値を有
    する誤差信号XNを測定する機構と、 XN=CIB−KEN ここで、C及びKは、定数であり、誤差信号はまた、次
    式にも等しい。 XN=KIBRS∝△TN ここで、△TN=ブッシングのあるセクションの瞬間温度
    TNと設定温度TS間の差 f) 前記各N−1個の誤差信号に応じて、ブッシング
    のN−1個のセクションに電流を導入する機構と、 g) N番目の誤差信号に応じて、ブッシングへの電流
    IBの供給を調節する機構と、 h) 電流が導入されている時、電圧降下と電流との測
    定を禁止する機構と、電圧降下と電流とを測定している
    時、電流導入を禁止する機構とからなる、連式セクショ
    ンを備えたガラス繊維製造ブッシングの各セクションに
    おいて温度を一定にする装置。
  8. 【請求項8】a) ガラス繊維製造ブッシングの各セク
    ションの端部間の電圧降下を測定する機構と、 b) このガラス繊維製造ブッシングの端部間の電圧降
    下を測定する機構と、 c) ガラス繊維製造ブッシングのセクションの端部間
    の電圧降下とそのセクションを流れる電流とに基づい
    て、各セクション毎に誤差信号を計算する機構と、 d) 誤差信号の一つを除く各々の誤差信号に従って、
    該除外した誤差信号に対応するセクションを除く全ての
    セクションの各々に電流を導入する機構と、 e) 該除外した誤差信号に従って、ガラス繊維製造ブ
    ッシングの全てのセクションに電流を供給する機構とか
    らなる、 連式セクションを備えたガラス繊維製造ブッシングの各
    セクションの温度を均衡させる装置。
  9. 【請求項9】前記供給機構による電流の供給を検出する
    機構を備えた、請求の範囲第8項に記載の装置。
  10. 【請求項10】前記電圧降下測定機構が作動中、前記電
    流導入機構を作動禁止にし、前記電流導入機構が作動
    中、前記温度検出機構を作動禁止にする機構を備えた、
    請求の範囲第8項に記載の装置。
  11. 【請求項11】連式セクションを備えたガラス繊維製造
    ブッシングの各セクションの温度を測定する工程と、 このブッシングの各セクション毎の温度制御信号を発生
    する工程と、 温度制御信号の一つに応じて、ブッシングの全てのセク
    ションに電流を供給する工程と、 該1つの温度制御信号に対応するセクションを除く全て
    のセクションの各々に、それぞれのセクション向けの温
    度制御信号に応じて電流を導入する工程とからなる、連
    式セクションを備えたガラス繊維製造ブッシングの各セ
    クションの温度を均衡させる方法。
  12. 【請求項12】前記温度測定工程は、各セクションの端
    部間の電圧降下を検出すること、及び検出温度と設定温
    度間の差を表わす誤差信号を発生することからなる、請
    求の範囲第11項に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記温度測定工程は、前記電流導入工程
    を禁止中各区分の端部間の電圧降下を検出すること、及
    び前記電流導入工程を実行中前記電圧降下検出工程を禁
    止することからなる、請求の範囲第11項に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記温度測定工程は、熱電対により行な
    われる、請求の範囲第11項に記載の方法。
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