JPH08227054A - 立体画像合成装置及びその駆動方法 - Google Patents

立体画像合成装置及びその駆動方法

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JPH08227054A
JPH08227054A JP7302711A JP30271195A JPH08227054A JP H08227054 A JPH08227054 A JP H08227054A JP 7302711 A JP7302711 A JP 7302711A JP 30271195 A JP30271195 A JP 30271195A JP H08227054 A JPH08227054 A JP H08227054A
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JP
Japan
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mirror
stereoscopic image
light
light emitting
image synthesizing
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Application number
JP7302711A
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English (en)
Inventor
Shinya Kawanishi
信也 川西
Takatoshi Mizoguchi
隆敏 溝口
Kiyoshi Ebina
清志 蝦名
Yoshihei Tani
善平 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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Publication of JPH08227054A publication Critical patent/JPH08227054A/ja
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  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を極めて低減でき、システムの小型
化及び軽量化を図れ、且つ立体画像合成のポイントであ
る同期調整も極めて容易にでき、コスト低減、高信頼性
化を実現できる立体画像合成装置を提供する。 【解決手段】 光の出射方向が接眼部方向に向かうよう
配置された単一のLEDアレイ1と、その出射方向前方
に配置された対物レンズ3と、LEDアレイ1から出射
され対物レンズ3を透過した光を右目用ミラー4及び左
目用ミラー5にそれぞれ反射する駆動ミラー6と、右目
用ミラー4及び左目用ミラー6と接眼部との間に各々設
けられた一対の接眼用レンズ7、9とを有することを特
徴とする。以上の立体画像合成装置の駆動方法として
は、駆動ミラー6を一方向へのみ等速回転運動をさせ、
該回転角度の変位に同期させてLEDアレイ1を発光、
消灯させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は立体画像合成装置に
関し、特にゲーム機等に使用される仮想現実(ヴァーチ
ャルリアリティ)画像を実現するための立体画像合成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、人間が画像を立体的に認識できる
立体画像合成装置の一例として、人間の両目それぞれ
に、互いに若干の差異を有する像を人工的に与えること
によって、人間の脳がその像を3次元的な立体像として
認識できるようにした装置が開発されている。
【0003】以下、そのシステム構成例を図に従って説
明する。図17は従来例による立体画像合成の原理を示
した図、図18は図17の光学系を説明するための図、
図19は図18によって得られる視野を説明するための
図である。なお、図17及び図18は、システムを上面
から見た図である。
【0004】従来のシステムは図17に示すように、人
間の右目と左目にそれぞれ対応した同構造の光学系が対
で設けられている。左目に対応する方を説明すると、L
EDアレイ100からの光101を通過させるレンズ部
102と、レンズ部102を通過した光101を反射さ
せ、人間の目(左目103)に入射させる駆動機構付ミ
ラー104が設けられている。
【0005】ここで、駆動機構付ミラー104は反射角
度を矢印方向に自在に変更できるようになっている。な
お、駆動部は省略している。また、LEDアレイ100
は紙面垂直方向に複数個のLEDチップが連続配置され
たものである。レンズ部102は、必要とする大きさの
像を得るためのものである。通常、収差による像の歪み
を調整するために複数枚のレンズが使用される。
【0006】右目に対応する方も全く同構造であり、L
EDアレイ105からの光106がレンズ部107、駆
動機構付ミラー108を介して右目109に入射する構
造となっている。
【0007】上記構造において、駆動機構付ミラー10
4、108がそれぞれ角度を変える(実際には振動す
る)ことによって人間の目103、109はLEDチッ
プの縦一列の発光ではなく、平面状の発光を認識するの
であるが、この原理は下記の通りである。ここでは、左
目の場合のみ取り上げて説明する。
【0008】図18に示すように、駆動機構付ミラー1
04の移動(ここでは、簡略化のために平行移動するこ
とを想定する)に応じて、左目103に入射してくる光
101の光路が変わってくる。つまり、駆動機能付ミラ
ー104がAの位置にあるときに左目に入射してくる光
路は101aである。この駆動機能付ミラー104で反
射する光は散乱光ではないため、この光路以外は左目1
03には入射せず、101aの光路は一義的に定まる。
従って、左目はLEDアレイ1の光点をミラー104の
A1の位置にのみ見ることになる。ここでA1の位置と
は、実際には1ポイントのみではなく、LEDアレイ1
00を構成する紙面垂直方向のLEDチップすべて(ま
たはその一部)である。
【0009】次に、駆動機構付ミラー104がBの位置
に移動した時の光路は101b、同様にCの位置に移動
した時の光路は101cである。このように、駆動機能
付ミラー104がA→B→Cに移動するに従って、左目
が認識する光点(或いは光点の縦列)はA1→B1→C
1へと移動する。駆動機構付ミラー104が逆方向に移
動すると光点も同様に逆方向に移動する。この光点の移
動を紙面垂直方向から見ると、図19に示すような移動
となる。図19において、HはLEDアレイ100の縦
方向の長さを示し、Wは移動距離を示している。つま
り、H×Wの面積を光点が移動することになる。
【0010】そして、上記の駆動機構付ミラー104の
振動速度を例えば一周期20ms程度の速さに設定する
と、人間の目は、各々の光点に追随できなくなる。そこ
で、駆動機構付ミラー104の振動に対してLEDアレ
イ100を同期させて点灯/消灯することにより、目の
残像効果によってチラツキなくあたかも平面的な像が安
定して発光しているかのように認識する。
【0011】実際に上記のH×Wの面積内にある画像を
写し出そうとする時には、以下のように行う。即ち、図
19において、LEDアレイ100の発光がA1のライ
ンにあるときに、LEDアレイ100のどのLEDチッ
プを点灯し、どのLEDチップを消灯するかを決定し、
同様に、B1、C1等各位置での点灯/消灯を決定す
る。
【0012】以上のようにして左目用の平面的画像を作
成するとともに、左目に像が見えるのと同一のタイミン
グで右目用の平面的画像を作成する。この時、2つの画
像に差異を与えておくことにより、人間の脳はこの像を
3次元的な立体画像として認識する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の立体
画像合成装置は、図17に示すように、LEDアレイ
(100、105)、レンズ部(102、107)、駆
動機構付ミラー(104、108)を右目用と左目用
に、それぞれ一対使用している。また、一対のLEDア
レイ(100、105)を互いに離間した箇所に配置す
るため、これらのLEDアレイ用としての駆動回路、プ
リント基板、配線等も一対必要となる。
【0014】このように、従来構造では、使用部品点数
が非常に多く、また、材料コストが高くつき、システム
形状も大型になる、という問題点があった。
【0015】また、立体画像合成装置においては、右目
用及び左目用の画像が互いに非同期になったり、位置ず
れを生じたりすると、得られる立体画像の画質に悪影響
を及ぼすため、この両画像の同期がポイントであった。
しかし、従来構造は前述のように、LEDアレイ、レン
ズ部、駆動機構付ミラーがそれぞれ個別に一対ずつ設け
られたものであり、これらの光学系の微調整、2つのミ
ラーの振動タイミングの同期調整に非常に手間を要し、
コストアップにもつながるという問題点があった。ま
た、部品点数が多い分、信頼性にも問題があった。
【0016】そこで、本発明の目的は、部品点数を極め
て低減でき、システムの小型化及び軽量化を図れ、且つ
立体画像合成のポイントである左右両目に対する同期調
整も極めて容易にでき、コスト低減、高信頼性化を実現
できる立体画像合成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の立体画像合成装置は、光
の出射方向が接眼部方向に向かうよう配置された発光部
と、該発光部の出射方向前方に配置された対物レンズ
と、前記発光部から出射され対物レンズを透過した光を
右目用ミラー及び左目用ミラーにそれぞれ反射する単一
の駆動ミラーと、前記右目用ミラー及び左目用ミラーと
接眼部との間に各々設けられた一対の接眼用レンズとを
有してなることを特徴とする。
【0018】請求項2は、光の出射方向が接眼部とは逆
の方向に向かうよう配置された発光部と、該発光部の出
射方向前方に配置された対物レンズと、前記発光部から
出射され対物レンズを透過した光を右目用ミラー及び左
目用ミラーにそれぞれ反射する単一の駆動ミラーと、前
記右目用ミラー及び左目用ミラーと接眼部との間に各々
設けられた一対の接眼用レンズとを有してなることを特
徴とする。
【0019】請求項3は、光の出射方向が接眼部方向に
向かうよう配置された発光部と、該発光部の出射方向前
方に順次離間するよう配置された透過型液晶シャッター
及び対物レンズと、前記発光部から出射され透過型液晶
シャッター及び対物レンズを透過した光を右目用ミラー
及び左目用ミラーにそれぞれ反射する単一の駆動ミラー
と、前記右目用ミラー及び左目用ミラーと接眼部との間
に各々設けられた一対の接眼用レンズとを有してなるこ
とを特徴とする。
【0020】請求項4は、光の出射方向が接眼部とは逆
の方向に向かうよう配置された発光部と、該発光部の出
射方向前方に順次離間するよう配置された透過型液晶シ
ャッター及び対物レンズと、前記発光部から出射され透
過型液晶シャッター及び対物レンズを透過した光を右目
用ミラー及び左目用ミラーにそれぞれ反射する単一の駆
動ミラーと、前記右目用ミラー及び左目用ミラーと接眼
部との間に各々設けられた一対の接眼用レンズとを有し
てなることを特徴とする。
【0021】請求項5は、反射型液晶シャッターと該反
射型液晶シャッターに対して光を出射する発光部と、前
記反射型液晶シャッターで反射された光を透過させる対
物レンズと、該対物レンズを透過した光を光を右目用ミ
ラー及び左目用ミラーにそれぞれ反射する単一の駆動ミ
ラーと、前記右目用ミラー及び左目用ミラーと接眼部と
の間に各々設けられた一対の接眼用レンズとを有してな
ることを特徴とする。
【0022】請求項6は、請求項1乃至5のいづれかに
記載の立体画像合成装置において、前記発光部はLED
アレイであることを特徴とする。
【0023】請求項7は、請求項6において、前記LE
Dアレイは、赤色、緑色、青色の各発光波長の光をそれ
ぞれ発光するLEDチップが交互に配列されてなること
を特徴とする。
【0024】請求項8は、請求項3乃至5のいづれかに
記載の立体画像合成装置において、前記発光部は赤色、
緑色、青色の各発光波長の光をそれぞれ発光する3個の
LED素子を有してなることを特徴とする。
【0025】請求項9は、請求項1乃至5のいづれかに
記載の立体画像合成装置において、前記駆動ミラーは少
なくとも片面が鏡面の板状のミラーであることを特徴と
する。
【0026】請求項10は、請求項1乃至5のいづれか
に記載の立体画像合成装置において、前記駆動ミラーは
3面以上の多角面を有するポリゴンミラーであることを
特徴とする。
【0027】請求項11は、請求項1乃至5のいづれか
に記載の立体画像合成装置において、前記右目用ミラー
及び左目用ミラーは凹面鏡であることを特徴とする。
【0028】請求項12は、本発明による立体画像合成
装置の駆動方法であって、請求項1または2のいづれか
に記載の立体画像合成装置の前記駆動ミラーを一方向へ
のみ回転運動をさせる一方、該回転角度の変位に同期さ
せて前記発光部を発光、消灯させることを特徴とする。
【0029】請求項13は、請求項3乃至5のいづれか
に記載の立体画像合成装置の駆動ミラーを一方向へのみ
回転運動をさせる一方、該回転角度の変位に同期させて
前記液晶シャッターの開閉及び前記発光部の発光、消灯
を行うことを特徴とする。
【0030】請求項14は、請求項12または13のい
づれかに記載に立体画像合成装置の駆動方法において、
前記駆動ミラーの回転を等速回転としたことを特徴とす
る。
【0031】請求項15は、請求項1または2のいづれ
かに記載の立体画像合成装置の前記駆動ミラーを、前記
LEDアレイからの出射光を前記接眼部に入射するよう
反射できる範囲において正逆回転させる一方、該回転角
度の変位に同期させて前記LEDアレイを発光、消灯さ
せることを特徴とする。
【0032】請求項16は、請求項3乃至5のいづれか
に記載の立体画像合成装置の前記駆動ミラーを、前記L
EDアレイからの出射光を前記接眼部に入射するよう反
射できる範囲において正逆回転させる一方、該回転角度
の変位に同期させて前記液晶シャッターの開閉及び前記
LEDアレイの発光、消灯を行うことを特徴とする。以
下、請求項の作用について説明する。
【0033】請求項1及び2のように、本発明による立
体画像合成装置においては、発光部からの出射光を右目
用ミラー及び左目用ミラーにそれぞれ反射するようにし
ているので、発光部、駆動機構付きのミラー、対物レン
ズ部を各々1個のみによって立体画像合成装置を構成で
きる。従って、全体の構成を極めて簡略化できる。
【0034】従来であれば、上記部品が右目用と左目用
にそれぞれ一対必要であった上、一対の発光部を離間し
た箇所に配置するため、これらの発光部用としての駆動
回路、プリント基板、配線等もさらに一対必要であり、
使用部品点数が非常に多く、また、材料コストが高くつ
きシステム形状も大型になる、という問題点があった
が、本発明ではこれらの問題を解消でき、小型、軽量の
立体画像合成装置を実現できる。さらに、部品点数が少
ないことにより信頼性の向上も図れる。
【0035】また、従来の立体画像合成装置において
は、発光部及びその駆動回路、駆動機構付きミラー、対
物レンズ部等がそれぞれ一対ずつ設けられたものである
が故に、これらの光学系の微調整、2つのミラーの振動
タイミングの同期調整に非常に手間を要し、コストアッ
プにもつながるという問題点があったが、本発明におい
ては、発光部、駆動機構付きのミラーが共通であるた
め、同期調整が容易にできるとともに信頼性もさらに向
上する。
【0036】請求項3乃至5のように、液晶シャッター
を使用することによって、請求項1及び2の効果に加
え、さらに発光部の発光チップ数の低減を図れる。発光
部としてLEDアレイを使用する場合には、発光チップ
の点滅で画像を描くため、一列分として約200〜30
0個のチップが必要である。しかし、液晶シャッターの
開閉によって、光の透過、遮断を行うようにすれば、光
量は別として、基本的には発光部としては1チップのみ
でよい。多色化を図る場合でも、赤色、緑色、青色の3
チップのみとできる。
【0037】また、多色化を図る場合には、コスト的に
より大きなメリットがでる。即ち、発光部としてLED
アレイを使用する場合であれば、約60〜70個の青色
チップを使用することになるが、この青色チップは高価
であり、LEDアレイ及びこれを使用するシステムも比
較的高価となる。これに対して、上記のように液晶シャ
ッターを使用する構成であれば、青色チップは基本的に
は1個のみでよいので、大きなコストダウンを図れる。
【0038】さらに、LEDアレイを使用する場合、2
00〜300個にわたる多数のチップの明るさのばらつ
きが無いようにしないと、画面に横縞が生じる恐れがあ
るが、液晶シャッターを使用するシステムであれば、チ
ップの明るさのばらつきという問題はないので、画質の
安定性にも優れている。
【0039】請求項10のように、駆動ミラーとしてポ
リゴンミラーを使用すれば、多面を有することから同回
転数ならば板状ミラーに比較して、より多くの反射光
(即ち画像データ)を人間の眼に送ることができる。従
って、チラツキの低減を図れ画像を向上できる。
【0040】請求項11のように、右目用(左目用)ミ
ラーの反射面として凹面鏡を使用すれば、反射光の収束
度を向上できるので、駆動ミラーの大きさを小型化でき
る。この結果、装置内のスペースを有効に使用でき、さ
らに軽量化を図れる。また対物レンズの横幅を縮小でき
る。
【0041】請求項14のように、駆動ミラーとして回
転体を使用し等速回転運動をさせる場合、発光部の発光
の時間的なタイミングを選択する自由度が大きい。つま
り、従来構造例として、例えば、発光部からの光を回転
ではなく振動によって反射させる場合があるが、この例
では、一方向に振れたミラーが元の位置に戻るような逆
方向の運動を行うために、ミラーが空間を切る速度が刻
々変化する。このため従来は、ミラーでの光の反射条件
を一定にするために、その速度変化(例えばサインカー
ブ)の中でも、比較的等速運動に近い部分で光の反射を
行うようにしていた。
【0042】即ち、従来構造によれば、発光部の発光の
タイミングが制限されるという問題があったが、本発明
によればこの問題を解消でき、光学的設計の簡易化に寄
与できる。
【0043】
【実施例】本発明の立体画像合成装置の特徴は、従来、
右目用、左目用にそれぞれ必要であった一対の発光部
(例えばLEDアレイ)、この一対の発光部にそれぞれ
対応して設けられた一対の駆動回路、レンズ(対物
用)、駆動機構付のミラーを各々1個に低減でき、極め
て小型、軽量のシステムを実現した点にある。加えてこ
のシステムに液晶シャッターを使用することによって、
画像の安定化を図るとともに、発光部の発光チップ数を
低減し低コスト化を実現したことにある。
【0044】以下、図面を参照して詳細に説明する。図
1(a)及び(b)は、それぞれ本発明の一実施例によ
る立体画像合成装置のシステムを説明するための上面
図、図2は図1の光学系を説明するための図である。
【0045】図1(a)に示すように、本実施例の立体
画像合成装置のシステム(以下、単にシステムと記す)
は、発光部であるLEDアレイ1からの光2を透過させ
る対物レンズ3と、対物レンズ3を透過した光2を右目
用ミラー4または左目用ミラー5に反射させる回転可能
な駆動ミラー6とを有している。
【0046】ここで、LEDアレイ1は、その光出射方
向が人間の目の方向(立体画像合成装置としての接眼部
方向)を向くよう配置されている。また、駆動ミラー6
は板状であり表裏両面ともミラーとなっている。そし
て、右目用ミラー4で反射した光は右目用接眼レンズ7
を介して右目8に、また左目用ミラー5で反射した光は
左目用接眼レンズ9を介して左目10に入射されるよう
になっている。11は外乱光の入射を防止するための遮
光物である。駆動ミラー6の回転中心は、対物レンズ
3、右目用接眼レンズ7及び左目用接眼レンズ9で反射
される光軸のセンターに配置されている。
【0047】上記のような構造において、LEDアレイ
1から出射された光2は、まず対物レンズ3を透過す
る。この対物レンズ3は後述するように、接眼レンズ
7、9との組み合わせによって、LEDアレイ1で描か
れる像を拡大するためのものである。仮に、この対物レ
ンズ3(及び接眼レンズ7、9)がなくても、3次元的
な立体画像は得られるが、その像は極めて小さく実用に
適さないものになるため、これらのレンズを設けてい
る。
【0048】そして、対物レンズ3を通過した光2は、
駆動ミラー6で右目用ミラー4または左目用ミラー5に
反射されるのであるが、この反射は以下のようにして行
われる。即ち、この駆動ミラー6は時計と逆方向に等速
回転しており、図中、R1〜R3の各位置において右目
用ミラー4に対して反射を行い、その後約90°回転し
た位置R4〜R6で、左目用ミラー5に対して反射を行
う。なお、R1〜R3及びR4〜R6は模式的に選択し
たポイントであり、実際には後述するように、より微細
な角度のきざみでLEDアレイ1からの光が反射され
る。
【0049】今、右目用ミラー4に対して光が反射する
場合を考えると、駆動ミラー6がR1の位置にある時
に、LEDアレイ1からの光は光路21を通って右目用
ミラー4で反射し、さらに右目用接眼レンズ7を介して
右目8に入射する。同様に、駆動ミラー6が回転してR
2、R3の位置にある時に、LEDアレイ1からの光は
光路22、23を通って右目8に順次入射する。この駆
動ミラー6の回転による光の入射によって、右目8には
残像効果によってある幅のスクリーンが写ることにな
る。
【0050】ここで、R1からR3までの角度範囲は7
°と設定している。この角度範囲は、どれだけのスクリ
ーン幅が必要であるかによって決定される。なお、駆動
ミラー6の回転角度が7°の時、LEDアレイ1からの
反射光は右目用ミラーに対して14°の振れを生じる。
R4からR6までの角度範囲も同じである。
【0051】次に、駆動ミラー6が90°回転してR4
乃至R6の位置にきた場合を図1(b)に示す。この場
合、LEDアレイ1からの光は光路24を通って左目用
ミラー5で反射し、さらに左目用接眼レンズ9を介して
左目10に入射する。同様に、駆動ミラー6が回転して
R5、R6の位置にある時に、LEDアレイからの光は
それぞれ光路25、26を通って左目10に順次入射す
る。
【0052】以下、本実施例の駆動系についてより詳細
に説明する。
【0053】上記のように、駆動ミラー6の角度が右目
8がスクリーンを認識できる角度内を回転している時
に、駆動ミラー6の角度に同期してLEDアレイの点
灯、消灯を制御する。点灯、消灯の制御はLEDドライ
バーで行うが、ここでは省略している。同様にして、左
目用のスクリーンも得るよう設定する。そして、この
時、両眼のスクリーン画像に差異を持たせることによ
り、人間の脳に3次元の立体画像を人工的に与えること
ができる。
【0054】また、LEDドライバーによってLEDア
レイ1の各LEDドットの点灯時間を制御することによ
り画面の明るさの階調を出すことができる。
【0055】ここで、駆動ミラー6の角度が、スクリー
ン画像構成に不要な角度となっているときは、不要な電
流消費を避けるべくLEDアレイ1は消灯させている。
【0056】次に、本実施例の光学系の構成について具
体的に説明する。図2には、本実施例を構成する部品の
内、LEDアレイ1、対物レンズ3、接眼レンズ7
(9)を示している。なお、説明上、図2の光学系では
図1の駆動ミラー6(対物レンズ3と接眼レンズ7との
間に位置する)を省略している。この図2において、 虚像30と対物レンズ3間の距離を ・・ A LEDアレイ1と対物レンズ3間の距離を B 対物レンズ3と接眼レンズ7間の距離を C 接眼レンズ7と眼間距離を ・・・・・ t 対物レンズ3の焦点距離を ・・・・・ f1 接眼レンズ7の焦点距離を ・・・・・ f2 虚像31と接眼レンズ7間距離 ・・・ d0 LEDアレイ1の半分の長さ ・・・ h 虚像30の長さを ・・・・・・・・・ H 虚像31の長さを ・・・・・・・・・ H’ としている。
【0057】図2において、LEDアレイ1の像(LE
Dチップが発光する実際の長さ)hは、最終的に人間の
右目8(左目10も同じ、以下右目8で説明する)にお
いてH’の大きさの虚像として認識される。
【0058】以下、図面に従って詳細に説明する。LE
Dアレイ1と対物レンズ3間の距離Bを、対物レンズ3
の焦点距離f1より短くなるように配置することによ
り、LEDアレイ1の虚像30が得られる。そして、こ
の虚像30と接眼レンズ7間の距離(A+C)を、接眼
レンズ7の焦点距離f2より短くなるように配置するこ
とによりLEDアレイ1の虚像31を得ることができ
る。
【0059】ここで、LEDアレイ1と人間の右目8と
の間にレンズ(対物レンズ3、接眼レンズ7)を介挿し
ているが、これは以下のような理由による。即ち、レン
ズ体がなくてもLEDアレイ1の像は基本的には人間の
目に把えられるのであるが、LEDアレイ1全体の長さ
は高々10mm程度であり、このままでは眼に写る文
字、図等は小さすぎて実用に値しないため、2枚のレン
ズによって像の拡大を図っている。
【0060】なお、LEDアレイ1と対物レンズ3間の
距離を、対物レンズ3の焦点距離よりも非常に短くすれ
ば、原理的にはレンズ1枚で虚像をいくらでも拡大でき
るが、その際には収差の問題が生じ、画像の歪みがひど
くなってしまうという問題点がある。さらに、本実施例
においては、後述するように人間の左右両目の間の距離
を確保するために、対物レンズ3と接眼レンズ7間の距
離を比較的大きくとる必要があり、上記の2枚レンズを
使用する光学系の構成は不可欠である。しかし、全体の
構成としては、従来よりも格段に小型化できる。
【0061】以下、具体的な数値設計について説明す
る。
【0062】図2の構成においては、まず、 h/B=H/A ・・・(1) H/(A+C)=H’/(d0−t) ・・・(2) H/f2=H’/(d0+f2−t) ・・・(3) の関係が成立する。
【0063】ここで、例えば、 ・d0=350mmの位置でスクリーン高さ=96mm
となるよう虚像31を作るものとする。(H’=96/
2=48mm) ・B=5mm、C=60mm、t=10mmとなるよう
に、LEDアレイ1、対物レンズ3、接眼レンズ7、人
間の右目8の各配置を設定する。
【0064】ここで、LEDアレイ長さ=10mm(h
=5mm)とすると、(1)式より、5/5=H/A、
従ってA=Hとなる。
【0065】また、(2)式より、H/(A+60)=
48/(350−10)となる。
【0066】ここでA=Hであるので、H/(H+6
0)=48/340となる。
【0067】従って、H=9.86mm(=A)とな
る。
【0068】また、h/f1=H/(f1+A)より、5
/f1=9.86/(f1+9.86)、従って、f1
10.14mmとなる。
【0069】即ち、B=5mmの位置にh=5mmのL
EDアレイ1を設置し、f1=10.14mmとなるよ
う対物レンズ3を設計すれば、A=9.86mmの位置
にH=9.86mmの虚像30を得ることができる。
【0070】また、(3)式より、9.86/f2=4
8/(350+f2−10)、従って、f2=87.9m
mとなる。
【0071】即ち、C=60mmの位置に接眼レンズ7
をt=10mmの位置に眼を配置し、f2=87.9m
mとなるよう接眼レンズ7を設計すれば、d0=350
mmの位置にH’=48mmの虚像31を得ることがで
きる。つまり、人間の眼からは、疑似的に350mmの
位置に高さ96mmのスクリーンが見えることになる。
【0072】なお、上記の光学系においては、駆動ミラ
ー6を省略しているが、この光学系を図1の実施例に適
用すると各部の寸法は以下のようになる。
【0073】一般に、人間の左右両目中心間の距離は6
0mm〜70mm程度であり、今、左目用接眼レンズ1
0と右目用接眼レンズ8との距離を64mmとする場合
を考えると、図中b寸法は64mm/2=32mmとな
る。上記光学系においては、対物レンズ3と接眼用レン
ズ8間の距離Cを60mm、即ちa+b+c=60mm
としているので、例えば、図1中のa寸法及びb寸法を
それぞれ、17mm及び11mmとすればよい。また、
駆動ミラー6の直径は約15mmである。
【0074】以上のような寸法であれば、人間の両目中
心間の距離を確保すると同時に、駆動ミラー6を配置す
るスペースもとれ、本実施例の光学系を実現できる。
【0075】ところで、対物レンズ3及び接眼レンズ7
の形状(光が入射する面の形状)は、得ようとするスク
リーン形状が長方形状であれば、それに合わせて長方形
形状または正方形形状とし、円形レンズの周囲の不要箇
所をカットした形状とすれば良い。図3に示すように、
4隅にRを持たせた形状としてもよい。このことによ
り、レンズの小型化、コストダウンを図れる。
【0076】さらに、対物レンズ3のLEDアレイ1の
長手方向と垂直な方向の長さは、LEDアレイ1の長手
方向の長さに対して短くて済むため、それに合わせ図4
に示すような長方形形状とすることによりさらにレンズ
の小型化を図れる。
【0077】以上説明したように、本実施例によれば、
LEDアレイ(及びその駆動回路等)、駆動機構付ミラ
ー、対物レンズ部を各々1個のみによって立体画像合成
装置を構成できるので、全体の構成を極めて簡略化でき
る。従来であれば、上記部品が右目用と左目用にそれぞ
れ一対必要であった上、一対のLEDアレイを別々の場
所に配置するため、これらのLEDアレイ用としてプリ
ント基板、配線等もさらに一対必要であり、使用部品点
数が非常に多く、また、材料コストが高くつき、システ
ム形状も大型になる、という問題点があった。本実施例
によれば、これらの問題を解消でき、小型、軽量の立体
画像合成装置を低コストで実現できる。
【0078】また、従来の立体画像合成装置において
は、LEDアレイ、対物レンズ部がそれぞれ一対ずつ設
けられたものであるが故に、これらの光学系の微調整、
2つのミラーの振動タイミングの同期調整に非常に手間
を要し、コストアップにもつながるという問題点があっ
たが、本実施例においては、同期調整が容易にできると
ともに、信頼性の向上も図れる。
【0079】さらに、本実施例では、駆動ミラーとして
回転体を使用しこれを等速回転運動をさせているので、
LEDアレイ1の発光の時間的なタイミングを選択する
自由度が大きい。例えば、従来構造の一例として、LE
Dアレイからの光を回転ではなく振動によって反射させ
る場合があるが、この例では、一方向に振れたミラーが
元の位置に戻るような逆方向の運動を行うために、ミラ
ーが空間を切る速度が刻々変化する。このため従来は、
ミラーでの光の反射条件を一定にするために、その速度
変化(例えばサインカーブ)の中でも、比較的等速運動
に近い部分で光の反射を行うようにしていた。つまり、
従来構造ではLEDアレイを発光させるタイミングを考
慮しなければならないという問題があったが、本実施例
によればこの問題を解消でき設計の簡易化に寄与でき
る。
【0080】なお、上記実施例において、駆動ミラー6
は両面で反射させるものとしたが、片面のみで反射させ
るようにしてもよいのは勿論である。また、上記実施例
では駆動ミラー6は、一方向のみへの回転を行うよう構
成しているが、反射するのに必要最小限の角度範囲を振
動する(往復する)ように構成しても良い。
【0081】図5は、本発明の他の実施例による立体画
像合成装置を示す上面図である。
【0082】本実施例の動作は、図1の実施例と基本的
に同じであるが、LEDアレイ1の位置を変えて光路の
向きを変更したものである。つまり、LED1の出射方
向を接眼部とは180°逆の方向に向けた構造としてい
る。
【0083】また、図1、図5の駆動ミラーとしては、
板状の回転体に代えて多面体を有するポリゴンミラーを
使用しても良い。図6は図5の実施例に、四角柱のポリ
ゴンミラー12を使用した状態を示す図である。このポ
リゴンミラー12を使用すれば、360°の回転中に4
回の反射を行う事ができるので、板状の駆動ミラーの場
合と同等の速度を確保する場合には人間の眼に2倍の情
報量を与えることができ、画面のチラツキ低減に寄与で
きる。なお、ポリゴンミラー12の多角面の面数を様々
に設定できるのは勿論である。上記図5及び図6の構造
でも、図1の実施例と同様の効果が得られる。
【0084】図7は本発明のさらに他の実施例による立
体画像合成装置を示す上面図である。本実施例は基本的
に図1の構成と同様であるが、右目用ミラー13及び左
目用ミラー14の反射面を凹状に形成した点が異なって
いる。このように凹状のミラー形状とすることによっ
て、反射光を効率よく収束させることができるので、駆
動、ミラー6の大きさを小型化できる。例えば、図1の
実施例に示す駆動ミラー6の直径は15mm程度であっ
たのに対して、図7の凹状のミラー反射面を使用した場
合には直径5mm程度に縮小できる。
【0085】従って、図7の実施例によれば、駆動ミラ
ーの小型化によって装置の内部スペースを有効に使用で
きるとともに、装置の軽量化もさらに図れる。また、光
を有効に反射できることから、対物レンズ3の横幅も短
くできる。
【0086】図8は本発明のさらに他の実施例である。
本実施例の特徴は、上記各実施例より、さらに広範囲視
野角の画像を得るために考えられたものである。
【0087】つまり、上記各実施例の光路は、LEDア
レイ1より出射して最終的に人間の眼に入るまで略同一
平面を移動している。このため、横方向への光の振れ幅
(つまり、人間の眼に写るスクリーン)には、部品が互
いに隣接していることによるスペース上の制限があっ
た。これに対して、図8の実施例は、駆動機構付きの反
射板15と反射ミラー16とを縦方向にずらせた構造と
なっている。従って、例えば反射板15と反射ミラー1
6とをかなり近接して配置することができ、この結果、
横方向への光の振れを大きくでき、人間の眼に写るスク
リーンも拡大できる。
【0088】ところで、図1乃至図8の実施例では、発
光部としてLEDアレイ1を使用しており、アレイを構
成する複数の発光チップの点滅で画像を描くため、アレ
イ1列分として約200〜300個の多数のLEDチッ
プが必要である。ここで、各LEDチップの明るさにば
らつきがあると、画面に横縞としてみえるような輝度む
らを生じてしまうため、明るさの均一性を確保すること
が必要である。しかしながら、200〜300個のLE
Dチップすべての各輝度の同一性を確保することは容易
ではない。
【0089】また、図1乃至図8の実施例では基本的に
単色の画像を得られるものであるが、LEDアレイとし
て例えば赤色、緑色、青色の各波長光を有するLEDを
交互に配列するようにすれば、画像のカラー化を図るこ
ともできる。
【0090】しかしながら、前述のようにLEDアレイ
の一列のLEDチップ数を例えば200〜300個とす
ると、赤、緑、青色の各色のLEDチップがそれぞれ6
7〜100個必要となる。この場合、青色LEDチップ
の単価が現状でかなり高価であることから、LEDアレ
イに要するコストも非常に高価なものとなり、システム
全体の高価格化につながってしまうという問題点があっ
た。
【0091】そこで、上記した複数LEDの明るさの均
一性の問題及び多色化を図った場合のシステムの高価格
化の問題を解消するために、図9の構造が考えられる。
【0092】図9は本発明の一実施例による立体画像合
成装置を説明するための上面図である。図1と同一機能
部分には同一記号を付している。ここでは、主に図1と
異なる点について説明する。図9に示すように、本実施
例による立体画像合成装置は、3色LED20の発光前
面に透過型液晶シャッター21(以下、単に液晶シャッ
ターと記す)が設けられている。ここで、3色LED2
0は赤、緑、青色の各色の発光波長を有するLEDが1
個ずつのみ設けられている。また、液晶シャッター21
は液晶画素がマトリクス状に配置されており、液晶画面
の任意の画素を開閉、つまり、光を透過、遮断すること
ができる。3色LED20からの光を左右に振り分ける
ミラーとしては、6角ポリゴンミラー22が設けられて
いる。
【0093】上記構造において、3色LED20から出
射された赤、緑、青色のいづれか1個または複数個の光
は、液晶シャッター21を通じて対物レンズ3を通過
し、6角ポリゴンミラー22に照射される。ここで、3
色LED20からの光の照射と液晶シャッター21の画
素の開閉を同期させることにより、液晶画面には、任意
の文字、図形を描くことができ、最終的には人間の目に
は拡大されたスクリーン画像として把えることができ
る。
【0094】また、同一形状の画像であっても、赤、
緑、青色以外の色を得ることもできる。例えば赤色LE
Dのみを発光させて描いた画像は当然ながら赤色である
が、赤色LED及び緑色LEDを同時に発光させること
によって黄色の画像を、また赤、緑、青色LED全部を
同時に発光させることによって白色を得ることができ
る。
【0095】これ以外にも、人間の目の残像効果を利用
して多色化を図ることができる。これについて、図10
を参照して説明する。ここでは簡略化のため、横4列の
多色縞を描く場合をとりあげる。
【0096】図10(a)は最終的に得られる画像でS
1〜S4の順に黒色、赤色、黄色、白色の配色となるも
のとする。(b)乃至(d)は(a)の画像を得るため
に必要な時系列順の画像である。要するに、(b)乃至
(d)の画像を人間の目が追随できない速度で順番に映
しだすことによって、これらの色があたかも混合された
ように見え、人間の目には(a)の画像が認識されると
いうものである。
【0097】まず図10(b)に示すように、最初の画
像では、下部1/4(S1)が黒色、上部3/4(S1
+S2+S3+S4)が赤色となるように制御される。
つまり、下部1/4(S1)を液晶シャッター21によ
って閉じた状態にして遮光するとともに、上部3/4
(S1+S2+S3+S4)を開いた状態として赤色L
EDを発光させる。
【0098】同様に、図10(c)では、下部1/2
(S1+S2)が黒色、上部1/2(S3+S4)が緑
色、図10(d)では、下部3/4(S1+S2+S
3)が黒色、上部1/4(S4)が青色となるよう液晶
シャッター21の開閉、3色LED20の点滅が制御さ
れる。ここで、(b)乃至(d)の各発光時間は、6角
ポリゴンミラー22の各平面1面ずつにそれぞれ対応す
るよう制御している。
【0099】この結果、画像の内、下部1/4(S1)
は(b)乃至(d)のすべてが黒色なので最終的にも黒
色、その上の1/4(S2)は(b)で赤色発光してい
るので最終的に赤色、その上の1/4(S3)は(b)
の赤色と(c)の緑色とが混合されて黄色、最も上の1
/4(S4)は(b)の赤色と(c)の緑色と(d)の
青色とが混合されて白色となって、図10(a)に示す
配色が実現される。
【0100】なお、画像が2色(例えば白黒等)のみで
よいのであれば、3色LEDに代えてLEDを1つのみ
使用するだけでよい。また、ここでは横縞を描いたが、
液晶シャッター21のマトリクスに応じて文字、各種映
像を任意に描けることは言うまでもない。
【0101】また、ここで、6角ポリゴンミラー22の
回転速度は、例えば300rpmとすればよい。この場
合、1回転当たりの速度は60sec/300=0.2
secとなる。従って、6角の各ミラー面への照射時間
は33msとなる。つまり、33msの間に右目用画
像、左目用画像を各々1回描くことになり、16.5m
s毎に1回画像を描くことになる。これは現在の液晶の
応答速度からみても充分対応できる速度である。
【0102】なお、液晶技術の向上に伴い、例えば、応
答速度が1.65ms程度の液晶を実現できれば、液晶
シャッター21の幅を1/10にして、1画面を形成す
るために10回の書き換えを行う手段をとることもでき
る。液晶画面は単一画面が大きいほどコストが高くつく
ので、画面幅が1/10のものを10枚使用することに
よって大幅なコストダウンを図れる。
【0103】図11はこの内容を概念的に示した図であ
る。図11(a)は図9の例を示している。即ち、液晶
シャッター画面30に描かれる文字等がそのまま拡大虚
像31とされた例である。これに対して、図11(b)
は上記したように、液晶シャッター画面32が(a)の
1/10となった場合である。この拡大映像33を10
個合わせて得られる拡大虚像34の大きさは、(a)の
拡大虚像31と同じであるが液晶幅が狭いのでコストダ
ウンできる。
【0104】図12は図9の一部を変更した他の実施例
である。図9との違いは、液晶シャッターとして反射型
液晶シャッター23を使用した点が異なっている。
【0105】さらに他の実施例として、図9及び図12
に比較すれば形状的に大型化するものの、図13のよう
な構造も可能である。この実施例では、対物レンズ3、
3色LED20、透過型液晶シャッター21の配置を図
9の構成とは、180°異なる方向に配置している。図
14は図13の一部を変更した実施例である。
【0106】ところで、6角ポリゴンミラー22のよう
な駆動ミラーの回転軸40が図15のように偏心してい
ると、目に見える画像位置が、ミラーの各面毎に異なる
位置になってしまう(点線Lのように反射すべき光が実
線L’のように反射してしまい、画像がゆれてしま
う)。この原因は図16(a)に示すように、回転軸と
なるモーターシャフト41を単独のベアリング42のみ
で固定しているためと考えられる。なお、図16(a)
で、43はモーターシャフト41の外周のスリーブ、4
4は軸受け、45はローターである。
【0107】上記問題を解消するために、図9乃至図1
4の実施例では、図16(b)に示すように、モーター
シャフト41を2つのベアリング42、42で固定する
ようにしている。これによって、画像ぶれのない高品質
の画像が得られる立体画像合成装置を実現できる。
【0108】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、発光部、レンズ部(対物レンズ)、駆動機構付
ミラーを各々1個のみによって立体画像合成装置を構成
できるので、全体の構成を極めて簡略化できる。従来で
あれば、上記部品が右目用と左目用にそれぞれ一対必要
であった上、一対の発光部を別々の場所に配置するた
め、これらの発光部用としての駆動回路、プリント基
板、配線等もさらに一対必要であり、使用部品点数が非
常に多く、また、材料コストが高くつき、システム形状
も大型になる、という問題点があったが本発明ではこれ
らの問題点を解消でき、小型、軽量の立体画像合成装置
を実現できる。
【0109】また、従来の立体画像合成装置において
は、発光部、レンズ部、駆動機構付ミラーがそれぞれ一
対ずつ設けられたものであり、これらの光学系の微調
整、2つのミラーの振動タイミングの同期調整に非常に
手間を要し、コストアップにもつながるという問題点が
あったが、本発明においては、同期調整が容易にできる
とともに、信頼性の向上も図れる。
【0110】また、液晶シャッターを使用することによ
って、発光部の発光チップ数の低減を図れる。
【0111】上記構成において、駆動ミラーとしてポリ
ゴンミラーを使用することによって、人間の眼に多くの
情報量を送ることができ、画像を向上できる。
【0112】また、右目用(左目用)ミラーの反射面を
凹状にすることによって、光の反射効率を向上でき、駆
動ミラーの小型化を図れ、装置の内部スペースの有効活
用を図れるとともにさらに軽量化できる。
【0113】また、駆動ミラーとして回転体を使用し等
速回転運動をさせる場合には、発光部の発光の時間的な
タイミングを選択する自由度が大きく、設計の簡易化を
図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)はそれぞれ、本発明の一実施
例による立体画像合成装置の動作を説明するための上面
図である。
【図2】図1の実施例の光学系を説明するための図であ
る。
【図3】図1の実施例に使用されるレンズの形状を説明
するための図である。
【図4】図1の実施例に使用される他のレンズ形状を説
明するための図である。
【図5】本発明の他の実施例による立体画像合成装置を
示す上面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例による立体画像合成
装置を示す上面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例による立体画像合成
装置を示す上面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例による立体画像合成
装置を示す上面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例による立体画像合成
装置を示す上面図である。
【図10】(a)乃至(d)はそれぞれ、図9の実施例
による画像の配色方法を説明するための図である。
【図11】(a)及び(b)はそれぞれ、液晶シャッタ
ー上の画像が拡大されることを説明するための図であ
る。
【図12】本発明のさらに他の実施例による立体画像合
成装置を示す上面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例による立体画像合
成装置を示す上面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施例による立体画像合
成装置を示す上面図である。
【図15】ポリゴンミラーの問題点を説明するための図
である。
【図16】(a)及び(b)はそれぞれ、従来のモータ
ー断面図及び本発明によるモーター断面図である。
【図17】従来例による立体画像合成装置を説明するた
めの図である。
【図18】図17の立体画像合成装置の動作を説明する
ための図である。
【図19】図17によって得られる画像を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1 LEDアレイ 2 出射光 3 対物レンズ 4 右目用ミラー 5 左目用ミラー 6 駆動ミラー 7 右目用接眼用レンズ 9 左目用接眼用レンズ 21 透過型液晶シャッター 22 ポリゴンミラー 23 反射型液晶シャッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 善平 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の出射方向が接眼部方向に向かうよう
    配置された発光部と、該発光部の出射方向前方に配置さ
    れた対物レンズと、前記発光部から出射され対物レンズ
    を透過した光を右目用ミラー及び左目用ミラーにそれぞ
    れ反射する単一の駆動ミラーと、前記右目用ミラー及び
    左目用ミラーと接眼部との間に各々設けられた一対の接
    眼用レンズとを有してなることを特徴とする立体画像合
    成装置。
  2. 【請求項2】 光の出射方向が接眼部とは逆の方向に向
    かうよう配置された発光部と、該発光部の出射方向前方
    に配置された対物レンズと、前記発光部から出射され対
    物レンズを透過した光を右目用ミラー及び左目用ミラー
    にそれぞれ反射する単一の駆動ミラーと、前記右目用ミ
    ラー及び左目用ミラーと接眼部との間に各々設けられた
    一対の接眼用レンズとを有してなることを特徴とする立
    体画像合成装置。
  3. 【請求項3】 光の出射方向が接眼部方向に向かうよう
    配置された発光部と、該発光部の出射方向前方に順次離
    間するよう配置された透過型液晶シャッター及び対物レ
    ンズと、前記発光部から出射され透過型液晶シャッター
    及び対物レンズを透過した光を右目用ミラー及び左目用
    ミラーにそれぞれ反射する単一の駆動ミラーと、前記右
    目用ミラー及び左目用ミラーと接眼部との間に各々設け
    られた一対の接眼用レンズとを有してなることを特徴と
    する立体画像合成装置。
  4. 【請求項4】 光の出射方向が接眼部とは逆の方向に向
    かうよう配置された発光部と、該発光部の出射方向前方
    に順次離間するよう配置された透過型液晶シャッター及
    び対物レンズと、前記発光部から出射され透過型液晶シ
    ャッター及び対物レンズを透過した光を右目用ミラー及
    び左目用ミラーにそれぞれ反射する単一の駆動ミラー
    と、前記右目用ミラー及び左目用ミラーと接眼部との間
    に各々設けられた一対の接眼用レンズとを有してなるこ
    とを特徴とする立体画像合成装置。
  5. 【請求項5】 反射型液晶シャッターと該反射型液晶シ
    ャッターに対して光を出射する発光部と、前記反射型液
    晶シャッターで反射された光を透過させる対物レンズ
    と、該対物レンズを透過した光を右目用ミラー及び左目
    用ミラーにそれぞれ反射する単一の駆動ミラーと、前記
    右目用ミラー及び左目用ミラーと接眼部との間に各々設
    けられた一対の接眼用レンズとを有してなることを特徴
    とする立体画像合成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいづれかに記載の立体
    画像合成装置において、前記発光部はLEDアレイであ
    ることを特徴とする立体画像合成装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記LEDアレイ
    は、赤色、緑色、青色の各発光波長の光をそれぞれ発光
    するLEDチップが交互に配列されてなることを特徴と
    する立体画像合成装置。
  8. 【請求項8】 請求項3乃至5のいづれかに記載の立体
    画像合成装置において、前記発光部は赤色、緑色、青色
    の各発光波長の光をそれぞれ発光する3個のLED素子
    を有してなることを特徴とする立体画像合成装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至5のいづれかに記載の立体
    画像合成装置において、前記駆動ミラーは少なくとも片
    面が鏡面の板状のミラーであることを特徴とする立体画
    像合成装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至5のいづれかに記載の立
    体画像合成装置において、前記駆動ミラーは3面以上の
    多角面を有するポリゴンミラーであることを特徴とする
    立体画像合成装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至5のいづれかに記載の立
    体画像合成装置において、前記右目用ミラー及び左目用
    ミラーは凹面鏡であることを特徴とする立体画像合成装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項1または2のいづれかに記載の
    立体画像合成装置の前記駆動ミラーを一方向へのみ回転
    運動をさせる一方、該回転角度の変位に同期させて前記
    発光部を発光、消灯させることを特徴とする立体画像合
    成装置の駆動方法。
  13. 【請求項13】 請求項3乃至5のいづれかに記載の立
    体画像合成装置の駆動ミラーを一方向へのみ回転運動を
    させる一方、該回転角度の変位に同期させて前記液晶シ
    ャッターの開閉及び前記発光部の発光、消灯を行うこと
    を特徴とする立体画像合成装置。
  14. 【請求項14】 請求項12または13のいづれかに記
    載に立体画像合成装置の駆動方法において、前記駆動ミ
    ラーの回転は等速回転としたことを特徴とする立体画像
    合成装置の駆動方法。
  15. 【請求項15】 請求項1または2のいづれかに記載の
    立体画像合成装置の前記駆動ミラーを、前記LEDアレ
    イからの出射光を前記接眼部に入射するよう反射できる
    範囲において正逆回転させる一方、該回転角度の変位に
    同期させて前記LEDアレイを発光、消灯させることを
    特徴とする立体画像合成装置の駆動方法。
  16. 【請求項16】 請求項3乃至5のいづれかに記載の立
    体画像合成装置の前記駆動ミラーを、前記LEDアレイ
    からの出射光を前記接眼部に入射するよう反射できる範
    囲において正逆回転させる一方、該回転角度の変位に同
    期させて前記液晶シャッターの開閉及び前記LEDアレ
    イの発光、消灯を行うことを特徴とする立体画像合成装
    置の駆動方法。
JP7302711A 1994-12-15 1995-11-21 立体画像合成装置及びその駆動方法 Pending JPH08227054A (ja)

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