JPH08226988A - 被監視容積内の異常を検出する装置と方法 - Google Patents

被監視容積内の異常を検出する装置と方法

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JPH08226988A
JPH08226988A JP7209375A JP20937595A JPH08226988A JP H08226988 A JPH08226988 A JP H08226988A JP 7209375 A JP7209375 A JP 7209375A JP 20937595 A JP20937595 A JP 20937595A JP H08226988 A JPH08226988 A JP H08226988A
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JP7209375A
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David A Greene
デイヴィッド・アラン・グリーン
Rosemary A Greene
ローズマリー・アン・グリーン
Donald C Gaubatz
ドナルド・チェスター・ゴウバッツ
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General Electric Co
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    • G01M3/00Investigating fluid-tightness of structures
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M3/00Investigating fluid-tightness of structures
    • G01M3/02Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum
    • G01M3/04Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point
    • G01M3/24Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point using infrasonic, sonic, or ultrasonic vibrations

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被監視容積内の異常を検出する方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 被監視容積の複数個の局在部分に1組の
変換器を夫々結合し、各々の変換器により、前記被監視
容積の局在部分の振動変位の関数である低周波成分を持
つ夫々のアナログ電気信号を出力し、前記1組の変換器
の内の一部の変換器群から出力されるアナログ電気信号
を標本化し、前記標本化したアナログ電気信号を夫々の
ディジタル電気信号のデータ配列に変換し、前記データ
配列を処理して、関心のある容積内の3次元の騒音場を
求め、該騒音場は前記関心のある容積内に位置する網目
の各々の節点に於ける騒音絶対強度で構成されており、
前記騒音場を処理して、前記関心のある容積内に異常が
存在する兆候を判定することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は全般的に3次元の騒音場に於け
る騒音絶対強度のマッピング(mapping)、並び
に監視される場内の部品又は構造の動作特性又は性能特
性を推定する為に3次元の騒音絶対強度を利用すること
に関する。局在した騒音源が、離れた変換器の配列を使
って抽出され、変換器の場所で背景騒音によって完全に
包み込まれている時でも、絶対強度を測定することが出
来る。特に本発明は液体金属(ナトリウム)高速増殖炉
(LMFBR)の蒸気発生器の非破壊検査、並びに蒸気
発生器内の絶対的な騒音場の3次元マッピングにより、
水及びナトリウムの回路の間の境界の破損を推定して、
裂け目を検出すると共にその場所を突き止めることに関
する。
【0002】
【発明の背景】典型的なLMFBRの蒸気発生器の殻側
を高温の液体金属(ナトリウム)が流れ、このナトリウ
ムとは逆向きに高圧の水/蒸気が内側管束の中を流れ
る。ナトリウムと水の回路の間の障壁に欠陥がある場
合、その欠陥の場所で局在的なナトリウムと水との反応
が起こる。ナトリウムと水の反応ならびに反応生成物
(水素ガス)の泡の成長により、容器内に局在した騒音
源が生じる。漏れの場所は不動すなわち空間的に固定で
ある。ナトリウムと水との反応によって発生された不規
則な音圧を監視して、容器内のどの場所に漏れが存在す
るかどうかを推定し、もし漏れが存在すれば、この漏れ
の大きさ並びにそれによって起こり得る損傷を予測する
ことが出来る。
【0003】LMFBRパワー・プラントの運転経験か
ら、蒸気発生器が、プラントの利用度を減ずる可能性を
持つ主な構成要素であることが判った。ナトリウムと水
との反応による損傷の検査データから、蒸気発生器の伝
熱管に壁を通抜ける孔があると、どんな孔であっても、
損傷の伝搬を防止する是正措置をとらなければ、蒸気発
生器に重大な損傷を招くことがあることが判った。図1
に示す様に、実験による証拠は、この是正措置を中規模
の漏れが開始してから40秒以内にとらなければならな
いことが判る。この時間は、オペレータの有効な介入に
は短すぎる。この様な条件を充たすことが出来るのは、
適当な漏れ検出システムによって作動される発気発生器
に対する自動運転停止システムのみである。
【0004】改良型液体金属原子炉(ALMR)は、ナ
トリウムで加熱されて、タービン4を駆動するための過
熱蒸気を発生する螺旋コイル蒸気発生器2(図2参照)
を持っている。蒸気発生器は、蒸気発生器の外殻6と外
側シュラウド8の間に冷たい空気を吹き込むことによ
り、対流によって冷却される様に設計されている。反応
生成物分離タンク10及び水素逃がし装置12が、蒸気
発生器内で万一ナトリウムと水との反応があった場合
に、2次伝熱システムを保護する。容器は、蒸気発生器
からナトリウムをタンク10に放出させて、中間ループ
及び原子炉を損傷から保護する破裂板14を持つ様に設
計されている。
【0005】蒸気発生器に於けるナトリウムと水との反
応は、ナトリウム回路と蒸気/水回路の間の障壁の破損
の結果として起こる。この破損は、約1グラム/秒未満
の水を侵入させる1本の管の中の微視的に小さい欠陥
(小さな漏れ)から、約100グラム/秒の水を侵入さ
せる1本の管の中の比較的大きな孔(中規模の漏れ)、
又は短い期間内に水の侵入速度(injection
rate)が何千グラム/秒に達する程の1本又は更に
多くの伝熱管の完全な破損(大きな漏れ)までに及ぶこ
とがある。水/蒸気の侵入は、管シートの破損によって
も起こることがあり、この場合も広い範囲の侵入速度に
わたる可能性がある。
【0006】ALMRの2次伝熱システム、特に蒸気発
生器に対する基準設計は、ナトリウムと水との反応に対
処し、原子炉システムの他の部分に対して損傷が伝搬す
る惧れを無視し得るレベルに減ずる特徴を含んでいる。
蒸気発生器に於ける中規模又は大規模なナトリウムと水
との反応事象の通常の進行により、蒸気発生器の圧力が
正常レベルから上昇する。管の破壊により約10マイク
ロ秒以内に破裂板14(図2参照)の破裂を起こさせる
ことが出来る。一層小さな漏れでは、過剰な加圧が徐々
に起こり、2MPaで破裂板の破裂が起こる。装置の過
剰な加圧により、装置の基部にある破裂板が破裂すると
共に、蒸気/水の隔離及びブローダウン・システムが作
動される。蒸気発生器保護システムが破裂板の破裂から
30秒以内に水側の隔離およびブローダウンを行い、反
応生成物が破裂した破裂板を介して受動形で逃がされ
る。反応生成物は特別に設計された反応生成物収集タン
クに重力により排出され、気体状の水素は燃焼させて蒸
気を形成してから大気中に放出する。2次ループは反応
度が極めて低いレベルであるので、プラントの境界を越
えて反応生成物が放出されることは殆どない。
【0007】ナトリウムで加熱される蒸気発生器の伝熱
管の欠陥を通し水が浸出することにより、最初の割れ目
の自己拡大が起こる。最初は、損傷はナトリウム側のク
レータ(crater)の形をとり、これは最初の割れ
目によって水側に接続されている。クレータが深くなる
間、割れ目を介しての水/蒸気の侵入が閉塞した流れに
よって制限され、これは最初の割れ目の最小面積の関数
である。この現象は「自己損耗」と呼ばれる。クレータ
が最終的に深くなって、管の水側に突き抜けると、侵入
速度が何桁も増大し、「中規模」と分類される漏れの速
度になる。最初の欠陥の寸法が十分大きいと(数ミ
ル)、水/蒸気の自立的なジェット(毎秒1グラム未満
から数グラムまで)がナトリウムの中へ侵入する。小さ
な漏れのジェットは高温の極めて腐食性の強い反応生成
物を生成する様に反応し、この生成物が隣接の管にぶつ
かる。こう云う生成物は、管の損耗を招き、最終的に管
の破損を招く。この結果起こる水侵入速度は一般的に中
規模(10グラム/秒乃至1キログラム/秒の水/蒸
気)である。このような増大(エスカレーション)は数
秒(>3秒)以内に起こり得る。損耗による又は管の過
熱と破裂による損傷の一層の増大により、侵入速度は毎
秒数百グラムを越え、これは「大規模」と分類される。
増大の時間も数十秒程度である。
【0008】微小な漏れも小さな漏れも中規模の漏れに
拡大し、微小な漏れは兆候なしであり、小さな漏れは精
々曖昧な兆候を持つ。試験並びにプラントの運転事例か
ら、中規模の漏れが蒸気発生器システムに最大の損傷を
招くことが判った。系統的な一連の試験から、この様な
漏れの音響信号は確実に検出することが出来、損傷のこ
れ以上の拡大を防止するのに間に合う様に、自動的な是
正措置をとることが出来ることが判った。化学的検出も
ナトリウムの流量が大きい時は同様な保護作用をし得る
が、漏れ箇所から検出器までの通過時間が30秒より長
いと、中規模の漏れに対する保護をするには有効ではな
くなる。多くの運転条件では、通過時間がこれより長く
なり、その為、化学的検出システムでカバー出来る範囲
が限られている。
【0009】割れ目を介しての水/蒸気の侵入は必ずし
も一定ではなく、かなりの期間の間、微小な漏れが詰ま
ったまゝになっていることがある。微小な漏れの現象で
は侵入が間欠的に起こると云うこと並びに時間が長いと
云うことにより、漏れが増大する前に信頼性よく漏れを
検出することが出来ない。水のゆっくりした浸出から中
規模の漏れに移るのに要する漏れの実際の増大時間が、
ナトリウムの中への水の漏れの検出及び保護システムを
設計する時の重要なパラメータである。この増大時間が
20分又はそれ以上であれば、原子炉のオペレータが損
傷の伝搬を防ぐ為の是正措置をとることが出来る。この
時間が約2分より短いと、オペレータが十分敏速に反応
することが出来ず、自動保護システムが必要である。こ
う云うシステムは、虚偽の警報並びにプラントの利用度
を低下させる惧れを少なくする為に、漏れが存在すると
云うことを確認する証拠を必要とする。自動保護システ
ムの1つの候補が反応生成物に対する化学的監視であ
る。全出力時の漏れ箇所から化学的モニタまでの通過時
間は何分と云う程度である。数秒と云う実証された漏れ
の増大時間は、ナトリウムの流れが最大の状態でも、化
学的モニタの有用性が、損傷の増大に対して保護するに
は問題があることを示している。
【0010】ナトリウムの中への水/蒸気の侵入速度が
非常に低い時、即ち、約0.01グラム/秒までの微小
な漏れである時、どんな漏れ検出システムも効果がな
い。反応によって放出された水素又は反応の騒音は非常
に小さいので、パラメータの通常の背景的な変動に隠れ
てしまう。初期の欠陥寸法は、非破壊検査(NDE)方
式による検出/場所突き止めの実用的な限界より小さ
い。
【0011】パワー・プラントのオペレータ並びに蒸気
発生器の設計技術者が、損耗現象並びにその結果につい
ての十分な知識を持つことが、漏れ検出モニタの挙動か
ら必要な措置を判断するのに不可欠である。検出システ
ムの極端な感度は、虚偽の警報の惧れ並びにプラントの
利用度を減ずる惧れを高める。警報レベルは、検出の誤
りを最小限に抑えながら、保護作用をする様に設定しな
ければならない。レベルの設定が高すぎると、大規模な
漏れへの損傷の伝搬が起こる。レベルの設定が低すぎる
と、本来は要らなかったプラントの運転停止によって利
用度が低下し、最終的にはプラントの信頼性が低下す
る。これは、毎回の敏速な運転停止が、装置を熱的及び
機械的な過渡状態及び衝撃にさらすからである。
【0012】現在運転されている蒸気発生器システムに
設計されてとり入れられている大多数の漏れ検出システ
ムは、可能な最も小さい漏れを検出しようとしている。
通常、異常信号が存在する時、プラントのオペレータに
警告を与えることによって、是正措置が開始される。信
号レベルが極めて高い場合には蒸気発生器の何らかの自
動的な運転停止が開始されることがあるが、閾値は破裂
板の破裂が最初に起こる様に高く設定するのが普通であ
る。
【0013】ナトリウムと水との反応は、音響範囲(2
0kHzまで)内に最大のエネルギ及び振幅を持つ広帯
域信号、及び超音波周波数(80乃至500kHz)で
検出し得る信号を発生する。背景騒音も同様な特性を持
っていて、可聴範囲にピークを持ち、fn (nは−2乃
至−3の値を持ち、周波数と共に増加する)でパワー及
び振幅が低下する。従来の音響式漏れ検出プログラム
は、騒音源を検出すると共にその場所を突き止め、背景
騒音に完全に隠れている信号を検出する能力があること
を実証した。従来の超音波式漏れ検出プログラムは、確
実な信号対雑音比が選ばれた検出周波数帯に存在するこ
とに頼っていた。
【0014】
【発明の要約】本発明は、補助冷却システムをそなえた
蒸気発生器を有するLMFBRに使う様に設計された音
響式漏れ検出システムを提供する。この蒸気発生器の容
器は大きな直径を持ち、これが化学的及び音響式の両方
の漏れ検出システムの感度に影響する。検出システムの
感度は、蒸気発生器の直径が増加するのにつれて低下す
る。
【0015】化学的漏れ検出システムがナトリウム中の
反応生成物(即ち水素)濃度の変化に応答する。容器の
容積は、容器の直径の自乗と容器の高さとの積として増
加するので、直径が増加すると、化学的漏れ検出システ
ムの感度が低下する。従って化学的漏れ検出システム
は、大形の蒸気発生器に於ける水の漏れに対して保護作
用をするには不適切である。
【0016】これと対照的に、音響式漏れ検出システム
の感度は、信号強度が直径に反比例するので、容器の直
径の増加に伴う低下がずっと少ない。音響式漏れ検出シ
ステムでは、蒸気発生器の動作モードと云う別の因子を
考慮に入れなければならない。容器の壁に於ける信号の
振幅ではなく、信号と背景騒音との比が重要なパラメー
タである。一層大きな容器に於ける動作状態により(例
えば蒸気速度が一層低いことにより)背景騒音レベルが
一層低くなれば、音響式漏れ検出システムは更に感度を
よくすることが出来る。
【0017】漏れ検出システムは静的な状況を監視する
ものではない。損傷の伝搬は、ナトリウムと水の反応生
成物が隣接する管にぶつかることによって生ずるのであ
り、これによって多くの管の破滅的な破損を招くことが
ある。損傷の伝搬を制限する為には、初期の漏れを検出
し、数十秒以内に是正措置をとらなければならない。漏
れが急速に増大する場合、破裂板では内部の容器構造に
対する重大な損傷を防ぐことが出来ないので、敏速で信
頼性のある音響式漏れ検出システムが必要である。こう
云うシステムは、破裂板が働く前に、出力のランバック
(runback)を開始して、蒸気圧力を下げ、蒸気
発生器を損傷が拡大しない状態におくことが出来、こう
してコストのかゝる運転停止を少なくする。
【0018】化学的(水素及び酸素)濃度監視システム
が、多くのプラントにおける基準の漏れ検出システムで
ある。これらのシステムは、小さなループではかなりの
感度を持つことが出来るが、応答が遅いこと、信頼性が
低いこと及び出力信号が急変し易いことにより、大きな
ループには不向きである。この為に、音響式漏れ検出シ
ステムが開発されることになった。アメリカ合衆国エネ
ルギ省の計画として、低周波及び高周波の両方の音響式
漏れ検出システムが開発された。この各々の漏れ検出シ
ステムは信号の振幅を弁別子(discriminat
or)として使っている。
【0019】本発明の統合音響式漏れ検出システム(I
ALDS)は、低周波及び高周波音響式漏れ検出システ
ムの利点を化学的漏れ検出システムからの情報並びにプ
ラント運転パラメータと共に独特の形で統合して、信頼
性の高い頑丈な漏れ検出システムを提供する。IALD
Sは、容器の外側の信号源を排除すると共に、弁別子と
して信号の振幅ではなく周波数成分を使う検出アルゴリ
ズムを用いる。
【0020】本発明のIALDSの全体的な構成が図3
に示されている。IALDSはセンサ・システム及び信
号処理システムを含む。センサ・システムは、蒸気発生
器の容器の壁に結合された音響センサ(例えば加速度
計)と、液体ナトリウムの水素含有量及びカバー・ガス
を監視する様に容器の内側に配置された化学的センサを
含む。信号処理システムは、基本的には、敏速に漏れを
検出する為の神経回路網をベースとしたプリプロセッサ
と、正確で信頼性のある漏れの確認をする為のビーム形
成装置をベースとした主プロセッサとで構成されてい
る。信号処理システムは3つの相異なる検出レベルで動
作する。
【0021】一番高い検出レベルでは、訓練した神経回
路網システムが、漏れの何らかの兆候があるかどうか、
容器の長さにわたって監視する。こゝで提案する方式
は、センサ信号の何のビーム形成をも必要としない弁別
子を用いる。この検出レベルの目的は2つあり、(1)
容器内に漏れが存在するかも知れないという漏れの兆候
を表示し、そして(2)蒸気発生器の内、その漏れを含
むと最も考えられる部分を隔離することである。
【0022】漏れの存在および容器内でのその大体の場
所が、ファジイ論理エキスパート・システムを使って判
定される。この判定は、低周波弁別子を監視する神経回
路網からの出力、高周波弁別子を監視する神経回路網か
らの出力、及び化学的モニタからの信号に基づく。ファ
ジイ論理システムは、給水の中へのヒドラジンの最近の
注入と云う様な、モニタからの出力に影響を与え得るあ
らゆるパラメータを考慮に入れる。
【0023】この検出レベルによって、毎日、多くの漏
れの兆候が表示されるが、それらは検出システムの外に
通されることはない。漏れの兆候の表示は第2の検出レ
ベル、即ち容器の指示された部分を監視するビーム形成
装置に送られる。ビーム形成装置は従来のビーム形成方
法を用いる。ビーム形成装置のセンサが、ファジイ論理
漏れ検出制御装置によって選ばれる。それは、最も漏れ
がありそうな場所にタグを付ける。
【0024】第3の検出レベルは、タグが付けられた場
所を系統的に監視し、漏れが実際に存在するかどうか決
定すると共に、特定の場所にとゞまって、定められた閾
値より高い漏れを、虚偽警報が30年の運転で約1回と
云う精度で検出する。とるべき措置が、第2のファジイ
論理エキスパート・インターフェース制御装置によって
制御される。これが漏れの兆候に対する合理的な応答を
する。
【0025】IALDSは漏れの兆候に対して人間的な
計算機応答をする。例えば、自動的な運転停止を開始す
る代わりに、出力の低下を制御して開始することが出来
る。これによって容器内の温度が下がれば、損傷の伝搬
速度が低下し、ファジイ論理インターフェース制御装置
は、運転停止までの適切な変更を行なうことが出来る。
システムが運転停止に向かって進んでいる時、背景騒音
が減少し、それに伴って検出能力が増大する。この場合
も、インターフェース制御装置がこの変化を考慮に入れ
る。一層低い出力レベルで信号が確認されなければ、応
答が所定出力への復帰であることもあり得る。その代わ
りに、急速な増大が起これば、インターフェース制御装
置は一層急速な運転停止で応答し、或いは適切な場合、
容器のブローダウンを行なって、中間の熱輸送システム
全体に対する損傷を最小限に抑える。インターフェース
制御装置は、従来のシステムが行なうことが出来たより
も、更に人間の判断に近い応答特性を提供する。
【0026】
【好ましい実施例の詳しい説明】ナトリウムと水との反
応からの音圧の変動が蒸気発生器の容器の壁に当たり、
壁を変位させる。本発明の音響式検出システムでは、こ
の局部的な壁の運動が外部に取付けられた変換器によっ
て監視される。こう云う変動の到着時間の空間的に一意
的な評価を必要とする場合、壁の各々の部分が独立に動
かなければならない。低周波音響式検出システムの主な
条件の1つは、壁の動きがスチフネスによって制御され
るのではなく、慣性(又は質量)で制御される様な周波
数範囲を選ぶことである。その時、壁はその任意の点に
加えられた力に比例する加速度で応答する。この予備的
な評価により、蒸気発生器の外殻では、1乃至13kH
zの慣性制御の周波数限界が示された。
【0027】実験上の証拠から、ナトリウムと水との反
応が、約10kHzの帯域幅を持つ不規則な騒音を発生
することが判る。特性的な周波数が発生されると云う証
拠は全くない。従って、データの全ての解析は次の仮定
に基づく。(イ)ナトリウムと水との反応は、1乃至1
3kHzの周波数帯内に変数のガウス分布を持つ不規則
に励振される音圧源である。(ロ)周囲圧力レベルは、
1乃至13kHzの周波数帯内にあるガウス分布の騒音
発生源により容器の容積内に不規則に発生される。
【0028】信号対雑音比は、ナトリウムと水との反応
によって発生された直接的な音圧波による壁に於ける音
響強度と、センサの場所に同時に到達する容器内の他の
全ての源からの音響強度との比と定義する(これは、壁
に到達する前に、反射を起こしたナトリウムと水との反
応からの全ての波、即ち残響エネルギを含む)。蒸気発
生器の壁に於ける背景騒音の振幅は、幾つかの音響発生
源、即ち、容器の中でのナトリウムの流れによって発生
される騒音、管束内での蒸気又は水の流れによって発生
される騒音、管の内部での水の沸騰によって発生される
騒音、音響式監視システムに伴う電子雑音、蒸気発生器
の中まで伝達された遠い場の騒音、及び漏れ源による残
響エネルギから生じる。IALDSの性能を予測する
為、こう云う各々の成分の振幅を運転状態の関数として
予測しなければならない。
【0029】慎重に設計され実行されたプログラムで、
ナトリウムと水との反応からの騒音の絶対振幅を測定し
た。最初は幾つかの独立の方法を用いて、残響特性を測
定した。残響特性が判ると、測定された信号を直接成分
及び間接成分に分離することが出来る。10グラム(H
2 O)/秒までの侵入速度を含めた広い範囲の試験状態
により、源から30cmの所に於けるナトリウムと水と
の反応の騒音についての全般的な相関が得られた。
【0030】A=200G0.5 こゝでAは絶対信号振幅(マイクロバール)、Gは水侵
入速度(グラム(H2 O)/秒)である。試験データに
よって、この式が中規模の漏れのナトリウムと水との反
応から生ずる騒音レベルを予測するのにも有効であるこ
とが判った。センサに達する実際の信号エネルギは、源
からのセンサの距離dに関係する。容器を音響的に均質
と見なすことが出来、源の場所から音響エネルギが球形
に分散するとすると、センサに於ける信号強度はdに反
比例する。
【0031】本発明の音響式検出/位置突き止めシステ
ムは、ビーム形成装置の分解格子が信号源の幅と釣合う
時、最大効率を持つ。この源の幅は、同じ場所に2つの
源が存在すると仮定し、次に一方の源を別個の単体とな
るまで移動させることによって定める。これは、騒音の
自己相関を求め、その後、2つの接近した源の間の空間
的な分解が、自己相関の反曲点で起こるとすることに相
当する。反曲点は、gを選ばれた騒音帯域幅の最大周波
数に於ける波長として、g/2に等しい。典型的には、
ナトリウムと水との反応は10kHzの自己相関帯域幅
を持ち、これは音響式検出/位置突き止めシステムの空
間的な分解能がナトリウム内で約12cmであることを
意味する。12cmより接近した源は区別出来ないこと
がある。即ち、2つの接近した源(<12cm)が容器
内に存在する場合、IALDSは強い方の騒音(積分パ
ワー)源を節点として示す。
【0032】従って、騒音源を求めて蒸気発生器の容積
内を探索する時、蒸気発生器が12cmの立方体要素の
3次元配列で構成されると仮定して十分である。各々の
立方体の節点を音響式検出システムで逐次的に走査し、
その場所での絶対騒音の発生を測定する。ALMR蒸気
発生器の長さにより、内側ダクトと外側の流れシュラウ
ドとの間のドーナッツ形の空間に約200個の平面が出
来る。各々の平面は、容器の直径が大きい為に、螺旋コ
イル領域内に約1200個の配列した焦点(容積要素)
を含む。
【0033】センサの配列を使う効果を単純に解釈すれ
ば、配列を信号増幅装置と見なすことである。2つのパ
ラメータ、即ち、(1)容器の軸方向の単位長当たりの
センサ密度及び(2)測定平面内での漏れの場所が配列
の利得に影響する。測定平面に配置されるセンサの数を
増やすと、配列利得が増加する。所定数のセンサの場
合、配列利得は、容器の単位長当たりのその密度の関数
でもある。センサが平面から離れるにつれて、センサと
漏れ源との間の距離が増加し、源と同じ平面で測定した
時に較べて、信号レベルが下がる。
【0034】配列利得に影響する2番目のパラメータ
は、漏れ源の場所である。漏れが平面内の中心位置から
離れるにつれて、漏れは幾つかのセンサに一層接近する
と共に他のセンサからは遠ざかり、その結果、配列利得
が減少する。配列利得は騒音源の強度の関数ではないこ
とに注意すべきである。配列利得は、測定平面の周縁上
の場所で測定した、中心にある源からの信号強度を基準
として、比として定義される。測定平面の直径が変わる
と、基準強度及び配列強度に同じ様に影響があり、配列
利得は一定である。測定平面の直径が増加するにつれ
て、信号対雑音比に大きな影響がある。背景騒音強度は
一定であるが、一定の漏れ源では、容器の壁で測定され
た信号強度は直径に反比例する。直径が一定の場合、セ
ンサ密度を高めることによって配列利得を増加すると、
信号対雑音比が改善される。
【0035】コンピュータ・プログラムを使って、セン
サの密度及び場所や形状を設定するのを助けることが出
来る。配列の設計基準は、(1)蒸気発生器の形状、
(2)測定平面内の任意の漏れの場所で一定に近い配列
利得、(3)測定平面内の任意の場所で、0.1グラム
(H2 O)/秒の漏れ速度に対し−25dBの信号対雑
音比、(4)蒸気発生器1台当たり、30年に1回と云
う虚偽警報率、及び(5)容器に対するセンサの取付け
を簡単にする為の最適なセンサ密度及び最適な形状を含
む。2つの制御パラメータは、最小の漏れ速度と所定の
時間内の検出である。2番目のパラメータ(検出時間)
は、信号対雑音比及び虚偽警報率から直接的に計算され
る。信号対雑音比は、センサ密度の関数である配列利得
に直接的に関係する。検出しようとする漏れの寸法及び
検出に許される最大時間が、必要とするセンサの数を左
右する。好ましい配列では、センサは3点出発螺旋パタ
ーンで軸方向に配置され、容器の軸長の1メートル当た
り8個のセンサを設ける。
【0036】センサの場所に於ける蒸気発生器内の背景
騒音の主な成分は、近い場(nearfield)又は
遠い場(farfield)の騒音と分類することが出
来る。近い場の騒音は、近くにある騒音源から変換器の
位置する容器の壁までの直接的な圧力変動である。遠い
場の騒音は、音圧波として容器の内部を伝搬し、この波
が容器の壁に衝突する前の多重反射の可能性がある為に
残響性を持っている。近い場及び遠い場の騒音の2つの
性質が、音響式漏れ検出にとって重要である。即ち、配
列内の各々のセンサの場所における任意の背景騒音源か
らの空間的なコヒーレンスの程度、及び考えられる全て
の背景騒音発生源による、蒸気発生器の容器の壁に取付
けられた個別のセンサの場所に於ける騒音の大きさであ
る。
【0037】漏れの様な騒音発生源の空間的なコヒーレ
ンスが、ナトリウムと水との反応の主な検出指標として
使われる。容器内にあるこの他の任意の強い局在した源
が漏れの検出を混同させる惧れがある。蒸気発生器に於
ける測定で確認された解析による推定で、背景騒音の発
生は強力な近い場の空間的なコヒーレンスを持たないこ
とが判った。近い場の騒音の主な源は、ナトリウムが壁
と接触している為、ナトリウムの流れである。流れの騒
音は、渦の寸法の大きさと同様な距離にわたってのみ、
コヒーレントである。典型的な渦の寸法は、配列内にあ
るセンサの間の隔たりよりもずっと小さい。遠い場の騒
音が、管内での沸騰又は流れ分配板中の多数のオリフィ
スの様な分布した騒音源から生じるものであるとき、反
射の数が多いことにより、配列内のセンサの所では、背
景騒音に総合的なコヒーレントのない増加を生ずる。試
験結果から、螺旋コイル蒸気発生器の背景騒音に存在す
る空間的なコヒーレンスのレベルは極めて低いことが確
かめられた。
【0038】2番目のパラメータは、各々のセンサの場
所に於ける背景騒音の大きさである。背景騒音の大きさ
は、容器に沿った軸方向の場所に応じて変化する。強い
乱流を発生する運転状態では、各々の場所で、近い場の
騒音が支配的な背景騒音源である。乱流騒音が、流体速
度の3乗に比例することが予測されたが、その通り確か
められた。
【0039】蒸気発生器が高温の待機状態又は低い部分
的な負荷状態にある時、ナトリウムと水との反応からの
残響騒音/漏れによって発生された騒音が、背景騒音の
主な源になり得る。中規模又は大きな漏れからの遠い場
の残響騒音は、蒸気発生器のこう云う運転状態では、背
景騒音として支配的である。遠い場の騒音の全体的な大
きさは、小さい漏れでは低く、ある場合には、変換器及
び電子装置に伴う電子雑音で構成される。データによ
り、残響騒音は漏れの場所からの直接的な騒音の約2倍
であることが判った。
【0040】蒸気の流れによって発生される音は3乗関
係にあるから、出力が減少するにつれて、背景騒音がか
なり低下すると予想される。この減少が検出感度を高め
る。例えば、出力の減少と蒸気の速度が正比例していれ
ば、全出力の時の騒音の振幅が790マイクロバールで
あるのに対して、80%の出力の時の騒音は全出力の時
の騒音の51%すなわち約405マイクロバールにな
る。水取入管シート領域中のギャギング(gaggin
g)オリフィスに水が流れる時に発生される騒音の振幅
についても、同様な減少が起こる。
【0041】蒸気発生器内の源から容器の壁上にあるセ
ンサへのエネルギの伝達は2つの経路を辿る。第1の経
路は、ナトリウムを通るものであり、第2の経路は隣接
する任意の金属構造を通るものである。ナトリウムの中
を半径方向に進行する超音波エネルギは減衰する。18
0kHz帯でナトリウムの中を伝搬する時の減衰係数に
対する実験的な相関が導き出された。
【0042】 Na中での減衰=0.214×109 ×d-0.667×T-3 ここでdは騒音源と変換器の間の距離(吋)、Tは源と
変換器の間の平均温度(°F)である。典型的には、6
00°Fのナトリウムを通って100吋の距離の所で測
定されたエネルギは、最初のエネルギの約5%である。
実験データから次の結論が引き出される。(1)信号強
度は漏れオリフィスの形状によって支配される周波数で
最高であり、監視される周波数が増加又は減少するにつ
れてかなり低下する。(2)監視される周波数が増加す
るにつれて、信号損失(減衰)が増加する。(3)イン
ピーダンス不整合並びに源とセンサとの間の回旋金属経
路による信号損失(減衰)は、管に沿った信号減衰より
も一層顕著である。(4)ナトリウムを介しての信号の
伝達が、センサへの超音波エネルギの伝達のモードとし
て最も起こりそうなモードである。
【0043】超音波背景騒音源には主に2種類ある。即
ち、蒸気発生器の通常の運転によるものと、蒸気発生器
の過渡的な運転の際に発生される騒音及び遠い場の騒音
である。次のパラメータ、すなわち(1)水の流れの騒
音、(2)蒸気の流れの騒音、(3)水の沸騰する騒音
及び(4)ナトリウムの流れの騒音と云うパラメータ
が、実験室及び蒸気発生器の運転で監視した時の背景騒
音の源であることが判った。
【0044】本発明のIALDSは、蒸気発生器の容器
内の音圧を監視して、その結果として起こる壁の運動を
測定するために、外部に取付けた加速度計を用いる。外
部に取付けた加速度計は次に述べる理由で、内部のマイ
クロホンより好ましい。加速度計は運転中に接近が可能
であり、加速度計は水又はナトリウムの回路に入り込ま
ずに取り換えることが出来、加速度計は固体装置であ
り、即ち頑丈であって、長い動作寿命を持つと予想さ
れ、加速度計は高温マイクよりもコストがずっと安い。
【0045】高温(475℃)加速度計は極めて高価で
あり、その性能及び信頼性は不確実である。本発明で
は、熱的な隔離により、蒸気発生器に低温加速度計(2
50℃)を使える様にする。市場で入手し得る加速度計
の「ストリップド・ダウン」版をIALDSに使うこと
が出来る。普通のコネクタに代わって一体のハード・ワ
イヤ式ケーブルを使う。
【0046】現在の設計のALMR蒸気発生器に特有の
問題は、蒸気発生器の外殻に変換器を取付けることであ
る。図5を参照して説明すると、補助冷却システム(A
CS)のダクト16が外殻を取り囲んでおり、加速度計
はこのダクトを介して外殻に取付けなければならない。
ダクトと蒸気発生器との間の環状部分が、蒸気発生器の
外殻と同様な温度にあると予想され、これは許容し得る
最高の加速度計温度をはるかに越える。加速度計取付け
方式の概念を示す設計が図4及び5に示されている。低
周波システムは、加速度計が蒸気発生器の外殻の運動を
監視することを必要とする。加速度計の質量が壁の実効
質量を増加するが、信号の振幅に対しては二次的な効果
しかない。高周波システムは取付け棒に沿った超音波の
伝達を監視する。
【0047】加速度計の取付けが図5に示されている。
鋼の棒18が容器の壁6に取付けられる。その延長部の
合金のスタブ又は棒20が変換器(典型的には加速度
計)22をシュラウド8の外側に配置することが出来る
様にする。鋼及び合金の棒18、20は、1/8乃至1
/4吋の範囲内の直径を持ち、超音波に対する導波管と
して作用する。通常の熱絶縁体24をシュラウド上に設
け、効率の高い熱絶縁体26を図示の様に加速度計に直
接接近する領域に詰め込む。この絶縁体は、組立の便宜
の為に蟹の甲羅形に作られた軽金属のカップ28を用い
て所定位置に保持される。加速度計22の熱的な保護及
び熱的な隔離が、加速度計22と合金の棒20との間に
取付けた発泡硝子挿着体30によって施される。随意選
択により、ラビリンス封じ集成体32を合金の棒20及
びカップ28に取付けて、シュラウド8の内側からの高
温空気の流れを減らすと共に、加速計22の過熱を防止
することが出来る。
【0048】変換器(加速度計)集成体の場所が図2に
示されている。多数の変換器集成体が蒸気発生器の容器
の外壁6に取付けられる。各々の加速度計がアナログ電
気信号をIALDS電子回路34に送り、この回路が蒸
気発生器のブローダウン・システム36を制御する。こ
の代わりに、外側シュラウドを備えていない蒸気発生器
では、加速度計をそこから出る熱から隔離する為の適当
な熱絶縁を施して、加速度計を直接的に容器の壁に取付
けることが出来る。特に、加速度計22は、図6に示す
様に、(鋼/合金の取付け棒を使わずに)セラミックの
熱隔離体104によって容器の壁6に結合することが出
来る。更にこの取付け構造は、加速度計ケーブル23、
通常の熱絶縁体24、高い効率の熱絶縁体26、2
6′、金属カップ絶縁ホルダ28′、加速度計押えねじ
及びワッシャ106、音響結合剤108、皿形ばねワッ
シャ110、押え板112、ねじ山を設けた柱114、
ナットとワッシャ116及び熱放射体118を有する。
【0049】高周波及び低周波音響騒音に対する変換器
集成体の典型的な応答特性が図7に示されている。低周
波音響応答は、典型的には100Hz乃至15kHzの
範囲内である。変換器の内部共鳴は45kHzの領域で
ある。実効的な高周波超音波応答は約80kHzから数
百キロヘルツに及ぶ。1個の変換器を用いて低周波及び
高周波信号を監視することにより、かなりの節約になる
と共に、信頼性が高まり、保守の条件が低下する。変換
器は低周波の帯域幅(約10Hzから15kHzまで)
にわたって平坦な応答を持つ様に設計される。これは、
圧電結晶38(図8及び9参照)を保持する機械的な構
造が、特定された帯域幅内の最高周波数の約3倍で共振
する様に設計することによって達成される。図7に示す
変換器の応答では、これによって約45kHzで共振す
る。15及び45kHzの間では、応答が次第に非線形
になり、共振周波数より上では系統的に低下する。低周
波応答は、結晶の電気特性の関数である。同様に、高周
波変換器は、共振周波数の約2倍から上限まで線形の応
答を有する。上限は、結晶の漂遊電気特性の関数である
が、普通は約500kHz程度である。上側の線形応答
は約100kHzから500kHzまでゞあるが、低周
波領域より信号の振幅がずっと低くなる。
【0050】センサ電子回路の第1の設計(図8参照)
は大きなダイナミック・レンジを持つ高温広帯域増幅
器、例えば、砒化ガリウム増幅器を用いる。この第1の
考えに対する信号調整システムは、低利得の増幅器40
に続いて高利得(対数形)増幅器42を加速度計22a
の内部に持つ給電式高温前置増幅器で構成される。この
前置増幅器は、外部電源54からケーブル集成体50を
介して給電される。ケーブルは、出て行く高周波及び低
周波加速度計信号を信号調整装置52に伝達すると云う
二重の作用を持っている。
【0051】2番目の設計(図9参照)は二重周波数形
であって、帯域制限高周波増幅器48を持ち、高域フィ
ルタ44を用いて変換器38に接近した高周波信号を分
割する。低周波信号は受動形の低域フィルタ46を介し
て信号調整装置52の低周波部分に伝達される。本発明
のIALDSのセンサ・システムは、低周波及び高周波
信号の両方を検出する為に、コストが安く、頑丈で信頼
性のある市場で入手し得る部品に基づいており、低周波
及び高周波信号を監視するのに大体同じ数の変換器を持
ち、この後の解析及び漏れの確実な検出の為に安定な信
号を発生し、漏れによる信号と原子炉プラントに起因す
る信号を弁別することが出来る様にする。
【0052】センサ・システムは多数の独立の周波数範
囲にわたって同時に動作することが出来る振動センサで
構成される。センサ・システムは、センサ内での周波数
分離、周波数が一層高い成分の増幅、及びそれ自身の導
体での各々の成分の伝送又は1本の中心導体を持つのシ
ールド・ケーブルに沿った伝送と共に2つの成分の混合
を取り入れている。
【0053】センサ取付け構造は、取付け棒(図5の1
8、20)に沿って伝達される高い方の周波数によって
制御される超音波振動エネルギの独立した検出と同時
に、蒸気発生器の壁の質量によって制御された運動を検
出することをセンサが出来る様にする。センサ取付け構
造は、積極的な冷却をせずに、音響振動センサに伝導さ
れる熱エネルギ量を制限して、普通の低廉な圧電性/圧
力抵抗性半導体材料及びセンサの設計を用いることが出
来る様にする。この様な熱的な離隔により、高温(典型
的には>475℃)の蒸気発生器の容器に低温(<25
0℃)の音響振動センサを使うことが出来る様になる。
更に、信号経路に挿入された発泡硝子は、検出しようと
する振動を通過させながら、センサに対する熱伝導を防
止する。このセンサ取付け構造は、蒸気発生器/補助冷
却システムのシュラウドの容易な組立て並びに音響振動
センサの容易な取付け、又は必要な場合は、(蒸気発生
器が全出力運転されている最中に)交換することが出来
る様にする。
【0054】更に、このセンサ取付け構造は、蒸気発生
器の容器の壁にセンサを取付けるのに、溶接された鋼の
スタブ又は棒を持っている。溶接部が壁材料の容積に影
響する部分は、材料の構造的な破損の解析の為にASM
Eによって推奨される欠陥容積より小さい。この為、セ
ンサの取付けによって、蒸気発生器の容器の壁の安全性
能が低下しない。
【0055】容器に配置されるセンサの数は、漏れの所
定の規模に対する短い検出時間及びコストの兼ね合いで
ある。センサの配列の性能は、主に容器の上にある加速
度計の表面密度の関数である。蒸気発生器の外殻上にあ
る加速度計の数及び場所を左右する2番目の因子は信号
の減衰である。漏れ箇所を離れた任意の圧力波の振幅
は、その源から拡がるにつれて減衰する。信号の強度
は、信号源とセンサの場所の間の距離に直接的な関係を
持って低下する。所定の漏れの規模に対し、信号レベル
が低下すると、信号対雑音比が減少すると考えてはなら
ない。水/蒸気の速度とナトリウムの速度が、直径の小
さい容器に於けるよりも一層大きな容器では一層低いと
すると、背景騒音はかなり低くなることがある。信号対
雑音比は、容器の寸法が増加する時に一定にとゞまる傾
向があることがある。背景騒音は速度の3乗に比例す
る。蒸気の流れの速度が100%から80%に低下する
ことは、背景騒音が、100%の速度の時の背景騒音の
50%に減少することに相当する。信号騒音の振幅は、
同じ信号対雑音比で、約25%の容器の直径の増加に相
当するのと同様な分だけ減少することがある。容器の直
径が増加すると、焦点の数が、大体容器の直径の2乗の
比で増加する。これは、必要とする計算の回数も同じ倍
率で増加することを意味する。この様に計算負荷が増加
することにより、特定された検出時間内に全ての計算を
完了することが出来る様にする為には、ディジタル信号
処理装置の数が増加することがある。
【0056】アナログ処理システムは、典型的には変換
器からの32個の入力を扱うことの出来るモジュールで
ある。変換器からの信号が、略同時に捕捉する為に、個
別のサンプルホールド(S/H)チップに送られる。S
/Hが高インピーダンスであることにより、加速度計を
S/H入力に直接的に接続することが出来る。1個の高
速アナログ・ディジタル(A/D)変換器が、S/H電
圧をディジタル値に変換する。その後、それが真の先入
れ先出し(FIFO)バッファにロードされる。全FI
FOバッファのデータが、この後ホスト・コンピュータ
の制御のもとに1つ又は更に多くの(典型的には3つ
の)解析装置に転送される。この時、最初のFIFOバ
ッファ・データが外に転送されるのにつれて、並列のF
IFOバッファが新しいデータで埋められる。データ配
列が2つのFIFOバッファから交互にスイッチを介し
て転送され、実時間のデータ捕捉を行なう。
【0057】データがFIFOバッファで収集される。
このバッファは典型的に64KBの16ビット・ワード
を保持する。データ収集モジュールとホスト・コンピュ
ータとの間のインターフェースが、FIFOバッファか
らの直接的なメモリ・アクセス転送を行なう。プロセッ
サによって要請された時、新しいデータが常に利用出
来、実時間のデータ監視が出来る。RS232/485
形直列(又は並列)ポートを設け、場合によっては局部
的なマイクロプロセッサに取付けて、付随した診断機能
の為、又は技術者又はオペレータによるデータの局部的
な監視の為のデータに対する「スマート・アクセス」を
行なう。
【0058】各々の変換器(典型的には加速度計)から
のデータを正規化する。個別の変換器(又は同様な信号
平均エネルギを発生する別個の専用チップ)から捕捉さ
れた全てのデータの自乗平均平方根が、倍率/正規化係
数である。これがセンサ相互の較正因子の差を自動的に
補償する。更にIALDSは、漏れの検出の為に最適に
した3次元の音/騒音場監視アルゴリズムを含む。この
アルゴリズムは、騒音場の完全な3次元のマッピングを
行ない、ズーム能力(後で説明する)を持つ。マッピン
グ・アルゴリズムの時間領域版又は周波数領域版の何れ
かを用いて、データ配列を解析することが出来る。マッ
ピング・ビーム形成装置の出力は、配列の焦点に於ける
源のパワーと各々のセンサの場所での局部的な背景騒音
との加算によるものである。配列共分散行列の対角線の
項が、各々のセンサ信号の自己共分散に対応し、信号源
の情報を含まない。対角線から外れた項は、信号源から
センサまでの減衰と、源の場所の両方の情報を含む。ア
ルゴリズムは、この源情報を抽出し、それを監視される
場の中の考えられる各々の場所(配列の節点)に於ける
騒音絶対強度の直接的な目安に変換する。
【0059】センサのこう云う出力が神経回路網によっ
て監視され、背景から漏れが存在することを抽出する。
1つの回路網は高周波の監視をし、他の回路網は低周波
の監視をする。神経回路網は、生の信号と、(センサ信
号のパワー・スペクトル密度の様な)漏れの弁別を改善
する様に処理された信号の両方を使う。神経回路網は、
それに対して並列に入力された信号に対して実効的にパ
ターン認識を行なう。漏れの兆候があれば、神経回路網
に対する入力を検査して、漏れの表示子である可能性が
最も大きいセンサか評価する。
【0060】神経回路網プリプロセッサ又はファジイ論
理プリプロセッサの出力を予測する際にどの入力が強い
弁別子であるかを確認する様に開発されたアルゴリズム
が重要度指標(importance index)で
ある。入力、隠れた層及び出力の間の訓練済み神経回路
網接続重み行列を処理して、各々の入力に対する「重要
度指標」を作る(入力は一般的に予め調整されたセンサ
信号である)。このアルゴリズムは、他の全ての入力に
較べた各々の入力の相対的な影響を計算することによ
り、各々の入力が特定の神経回路網の出力を生ずる能力
を測定し又は区切る。例えば、神経回路網は100を越
える入力を持つことが出来るが、全部が出力に影響する
わけではない。区切りアルゴリズムは、外来入力を確認
して、除去すべきものと見なすことが出来る様にする。
その時、ファジイ論理プリプロセッサが、程度は一層小
さいが、他方の神経回路網のモニタによってやはり漏れ
が表示されているかどうかを見る為に、試験の許容公差
を調節し、且つ化学的モニタの応答並びにプロセス・パ
ラメータの変化があれば、それを評価する。漏れの疑い
がある場合、ファジイ論理エキスパート・プリプロセッ
サが重要度指標を使って、容器のどの部分に漏れのある
可能性が最も大きいかを決定する。ファジイ論理プリプ
ロセッサに対する重要度指標が、ルールベース(rul
ebase)に埋設されている。神経回路網プリプロセ
ッサの出力及び化学的検出システムの様な他の監視シス
テムからの入力が、入力の相対的な重要度を定める区切
りアルゴリズムに従って区切られる。確認された部分を
監視する8個のセンサの出力を、この後、ビーム形成し
て、後で説明する低周波ビーム形成技術を用いて、漏れ
の場所を突き止める。
【0061】その結果がファジイ論理プロセッサに送ら
れる。第2のファジイ論理エキスパート・システムが、
低周波の場所の解析の為に選ばれたのと同じセンサから
の高周波信号をも検査し、同時に化学的モニタの応答及
びプロセス・パラメータを評価する。漏れが検出される
と、プロセッサは漏れの規模、虚偽警報率を評価し、予
測された漏れの規模及び検出の信頼性にとって適切な是
正措置を開始する。これは、蒸気発生器の運転出力を減
らし、検出の信頼性を高める為、又は蒸気発生器システ
ムの運転を停止する為の決定にすることが出来る。決定
が出力を減少することである場合、プロセッサが、試験
許容公差を変えるとか、ビーム形成装置の解析の為の解
析時間を延長するとかと云う様に、漏れに対する監視を
どの様に続けるかについて、プリプロセッサに命令を送
る。
【0062】システムのブロック図が図10に示されて
いる。全ての音響センサ22の出力信号が、信号分割器
74によって高周波及び低周波信号成分に分割される。
低周波信号がケーブルに沿って信号調整モジュール76
に伝達される。このモジュールは増幅及び帯域フィルタ
の全ての部品を含む。信号調整モジュールは、3つの並
列接続の独立に制御されるモジュールに信号を転送す
る。第1のモジュールはマルチプレクサ78を持ち、こ
れが全ての低周波信号を解析の為に神経回路網連想エン
ジン駆動プリプロセッサ・システム80、80′に転送
する。同様な1組のモジュール82、82′が高周波信
号に対して同じ作用をする。ファジイ論理連想エンジン
駆動モジュール84は低周波及び高周波プリプロセッサ
神経回路網モジュールからの入力、化学的モニタ86か
らの入力、及びプラント・プロセス・コンピュータ90
から受取ったプロセス・パラメータ88を持っている。
ファジイ論理連想エンジン84は、この入力を解析した
後、容器内に漏れが存在すると判定すると、考えられる
容器の軸方向の場所に関する情報をファジイ論理インタ
ーフェース・プロセッサ92及び低周波ビーム形成装置
モジュール94に供給する。後者のモジュールは最適な
センサ配列を選んで、第2のマルチプレクサ96を使っ
て、軸方向の部分を検査する。ビーム形成装置モジュー
ル94によって解析が行なわれる。この解析の結果がイ
ンターフェース・プロセッサ92に戻される。インター
フェース・プロセッサは、一層高い信頼性(低い虚偽警
報率)の為に一層詳しい解析を必要とする場合、第3の
マルチプレクサ98を使って、警報プロセッサ・モジュ
ール100によって漏れを確認する為に、配列22から
の適当なセンサを選ぶ。低周波ビーム形成装置94は、
高周波プリプロセッサ82、82′、低周波プリプロセ
ッサ80、80′、又は蒸気発生器2の化学的モニタ8
6からの漏れの兆候を確認する。音響パラメータ、化学
的パラメータ及びプロセス・パラメータの全体的な応答
に基づいて、インターフェース・プロセッサ92はプラ
ントI/Oインターフェース・モジュール102に是正
措置を伝達する。
【0063】ファジイ論理プリプロセッサが、神経回路
網プリプロセッサ、プロセス計装、並びに音響式及び化
学的漏れ検出システムの各々からの明確な(又は離散的
な)入力値を受取る。(線形でも非線形でも、時間に不
変でも或いは時系列等でも)システムを表示する従来の
1つの方式は、システムに対して考えられる全ての入力
と、入力のあらゆる組み合わせに対するシステムの考え
られる応答又は出力を表に作成するものであった。こう
云う種類の方式は、よくても粗雑で手に負えないもので
あり、実用的でない場合が多い。システム設計技術者
は、単純化によってこう云う制約に対処しようとする
が、この単純化が、現実のシステムに用いられた時、応
用の範囲を制限することがある。ファジイ論理プリプロ
セッサは、入力点を入力領域又はファジイ集合に指定す
ることにより、テーブルの規模(又はルールベース)を
大幅に減少する。ファジイ集合が、一定値入力の領域の
間の補間をする。ファジイ集合は重なっていてよく、入
力が重なり合う範囲にある時、幾つかのルールを働かせ
る。これによって、言語変数を使うことにより、曖昧
な、不確実な又は近似的な知識を表すことが出来る。こ
の方式は、解析的に手に負えなくない程複雑なシステム
を、数字ではなく、言葉で表すことが出来るようにす
る。
【0064】ナトリウムと水との反応、その場所とアラ
インメント、損傷の伝搬が開始する可能性、反応生成物
の組成及び輸送の変化、蒸気発生器の運転状態の影響、
及び監視システムの複雑な特性が非常に複雑なシステム
を作る。この各々のパラメータが実験的及び解析的に検
討され、入力をファジイ集合に分類するのに適した情報
及びモデルが利用出来る。ファジイ集合の重なり合い
が、入力と出力の間の精密な関係を限定する時の固有の
変わり易さに対処する。ファジイ・ルールベース・シス
テムは、直線性について仮定をしないので、非線形の関
係にも応用することが出来る。例えば、漏れは微小な漏
れ、小さな漏れ、中規模の漏れ、大きな漏れ等と分類さ
れる場合が多い。各々の種類に対してぴったりと限界を
定めることは不可能であり、各々の種類に対し明確な限
界を定めることは出来ないが、各々の種類に対し(重な
りを持つ)漏れ速度の範囲についてはかなり一般的な合
意がある。多くの検出特性もこう云う漏れの種類に対し
て分類し得る。ファジイ論理プリプロセッサに対するど
の1つの入力も特定の応答を引き起こすことが出来る
が、入力集合の間の相互作用は一層信頼性のある出力応
答をもたらす。例えば、1つの検出システムの入力の小
さな増加は、是正措置をとらなければならない程の証拠
とは見なされないことがあるが、何れも肯定的な小さな
入力を発生する幾つかの検出器があれば、是正措置が開
始される確率が高くなる。
【0065】入力をファジイにして、考えられる全ての
明確な入力の間の滑らかな移行が出来る様にする。シス
テムは、ファジイ・ルールベースから引き出された推論
に従って応答する。プリプロセッサからの出力はファジ
イ解除して、非常に明確な又は離散的な応答又は値にす
る。一般的にシステムは通常の動作方式で動作する。こ
れは、許容し得る出力を中心とし、この出力には多少の
摂動、雑音及び予想される変化が含まれる。通常の応答
は是正措置なしである。システムはたまには、蒸気発生
器の始動及び運転停止の様な拡大動作方式に入ることが
ある。出力は再び明確でなければならず、蒸気発生器、
並びに場合によっては検出システムの動作状態の一層大
きな変動に応答すると共にそれに対処する。システムが
たまに異常な動作状態にあることもあり得る。極めてま
れであるが、それは他の動作状態にとっても同じく重要
であり、オペレータに対して適切で明確な出力を供給し
なければならない。異常な状態の一例は、フランジから
大気へ蒸気が漏れること、又は保護用の破裂板の破裂で
ある。異常な状態(又は不可能な状態も)を考慮に入れ
ることが、ファジイ論理プリプロセッサの設計及び明確
な応答出力の定義の一部分である。第1のファジイ論理
プリプロセッサ(84)の1つの特定の明確な出力は、
受動形音響断層撮影ビーム形成装置システム(94、1
00)によって使われるセンサの集合を限定することで
ある。この時、このシステムは、適切な虚偽警報基準に
合わせて、漏れの有無を確認することが出来る。第2の
ファジイ論理プリプロセッサ(92)がファジイ化され
たその全ての入力に対してファジイ論理ルールベース推
論エンジンを適用して、是正措置を開始する為の明確な
出力をオペレータに供給する。入力の一層高いレベルに
対し、明確な出力は自動的に特定の1組の制御措置を開
始すること(102)であろう。別の1組の入力に対し
て、プリプロセッサが蒸気発生器の動作モードの変更を
開始して、音響的な信号対雑音比を高める、例えば、背
景騒音の振幅を減らす為に出力を減少し、IALDSの
感度及び精度を高める。プリプロセッサの特性を蒸気発
生器について説明して来た。更に一般的な場合、他の多
くの考えられる用途では、同様な多重因子の多重変量特
性がある。
【0066】更に、本発明の処理システムは、空間的な
ズーム能力を持たせる為の可変寸法の節点網目(nod
al mesh)を有する。節点網目の寸法は、局部的
な騒音源の実効的な寸法と定義する。これは、騒音源か
らの出力の自己相関から推定される。騒音源の仮定寸法
は、源の帯域幅の直接的な関数である。ナトリウムと水
との反応の場合の源の帯域幅は約10kHzである。し
かし、網目の寸法は、考えられる全ての用途に対して絶
対的な量ではない。異なる帯域幅を持つ騒音源を監視す
る時、又は局在した騒音源を一層厳密にマッピングする
時、節点網目を変更しなければならない。典型的には、
20kHzの帯域幅を持つ騒音は、10kHzの帯域幅
の騒音に較べて、網目の節の数を4倍に増加する。その
結果、データ標本化速度は4倍に高くなる。ビーム形成
システムは、クロック(標本化)周波数を容易に変える
ことの出来る様なA/D変換器を使う。同時に、S/H
及びA/D回路の前にあるフィルタが、変更された状態
を自動的に追跡する。
【0067】受動形音響断層撮影ビーム形成装置94
(図10参照)が、関心のある容積内の3次元の騒音場
を測定する為にセンサの配列を使う。各々の節点で騒音
絶対強度を測定する。配列内の1つ又は更に多くのセン
サを較正して、センサの場所に於ける全体的な騒音強度
の測定絶対値を作る。その後、配列のセンサに到達する
コヒーレント騒音をこの基準レベルに関係づけて、場の
中にある各々の節点に対する絶対強度の測定値を発生す
る。センサは、節点網目の各点で最適の配列利得が得ら
れる様な形状で、関心のある容積にわたって空間的に配
置されている。注意深く配置すると、容積にわたる配列
利得の変動を最小限に抑えることが出来、又は、最も重
要な特定の場所で最高の配列利得が得られる様に最適に
することが出来る。センサ配列の形状及び節点の場所か
ら、各々の節点に於ける配列利得を計算する。各々の節
点に於ける強度は実際の配列利得に対して補正される。
簡単な時間遅延形ビーム形成装置が図11に示されてい
る。3つの遅延D1、D2及びD3を使って、配列を位
置Lに集束することが出来る。実際のシステムでは、位
置Lにある任意の騒音源のゴースト像が、センサの場所
を通る双曲線のあらゆる交点に現れる。こう云うゴース
ト像の強度は、真の源に於ける騒音強度に較べると、配
列内にあるセンサの数が増加するにつれて急速に低下す
る。経験によると、最小限8個のセンサを含む配列は、
ゴースト像を満足に抑圧することが判った。
【0068】受動形音響断層撮影ビーム形成装置は他に
2つの性質を持っている。その1番目は、オイラー又は
ラグランジェ座標の節点網目を使うことが出来ることで
あり、2番目は、重要なあらゆる容積領域内で更に詳し
い測定値を得る為に配列の焦点の「ズーム」作用が出来
ることである。オイラー座標方式は、その空間的な形状
が時間と共に不変である節点網目を使うものであり、例
えば、こゝで説明する蒸気発生器の音響式漏れ検出シス
テムで使われる節点網目がそれである。これと対照的
に、ラグランジアン網目(Lagrangian me
sh)は、時間と共に変化し得る幾何学的な座標系を持
つ節点網目を用い、例えば、この節点網目は風洞で試験
されるプロペラ又は回転子羽根と同期して回転させるこ
とが出来る。これは、移動する容積上の同じ場所から、
時間に対し連続的な測定値が得られる。
【0069】本発明のビーム形成装置はズーム能力を持
っている。図12に示す単純化したビーム形成装置がこ
のズーム作用の考えを例示している。3つの遅延(DD
1、DD2及びDD3)により、ビーム形成装置を位置
Lに集束することが出来る。センサからのデータをディ
ジタル化して、メモリに記憶し、その後、節点の騒音強
度の計算の為に、逐次的にアクセスする。節点に於ける
強度を求める為にことごとくのデータ点が使われるので
はない。各々のセンサのデータが節点集束作用で正しく
使われる様にする為に、幾つかのデータ点を飛び越して
適当な遅延時間のデータを作る。ズーム作用(又は節点
形状を変えること)は、2つの工程に分けて行なわれ
る。最初の工程は、遅延が各々のセンサ信号(DD1、
DD2及びDD3)に加えられる様に信号速度同期を変
更するか、或いはその代わりに、各々のデータ入力にプ
ログラム可能な遅延を設定する。(これは基準帯域幅の
サンプル速度を想定している。)これは実効的に節点網
目の中心を原点Cから点Lに移すことである。次の工程
は、A/D変換器のクロック周波数を変えることによっ
て、データ標本化速度を変えることである。これは実効
的に、標本化速度と基準速度との比で、網目の寸法を減
少又は増加する。ソフトウエア・アルゴリズムが一定の
基準の1組の節点網目の点を使い、マッピングされる実
効面積を減少する。この代わりに、節点の数を変えて、
用途に応じて、一層大きい又は一層小さい区域をカバー
することが出来る。限界では、ビーム形成システムは、
連続的な監視の為、比較的小さな区域又は1点に集束す
ることが出来る。自動突き止め及び監視の用途では、焦
点を自動的に検出し、その後、動き又は源の特性のその
他の変化に追従する様に変えることが出来る。
【0070】LMFDR蒸気発生器での実時間の検出を
行なうビーム形成装置を設計する時の重要なパラメータ
は、(イ)容器の各々の軸方向の平面で検査される焦点
又はビン(bin)の数、(ロ)容器の長さに沿った軸
方向の平面の数、(ハ)信号の位相合わせ又はセンサ配
列のビーム形成に必要な最大遅延時間、及び(ニ)漏れ
が存在する確率について判断を下す前に必要な推定の回
数である。
【0071】最初の2つのパラメータはナトリウムと水
との反応の音響幅(又は信号の帯域幅)によって定ま
る。実験結果によると、約12cmの格子間隔が必要で
あることが判った。蒸気発生器の各平面に於けるビン又
は焦点の数は、容器の直径の自乗に比例して増加する。
直径1.2m(4ft)の容器では、ビームの数は約5
0であり、直径3.7m(12ft)の容器に対する5
00まで増加する。平面の数は、12cmの隔たり並び
に容器の長さから計算され、容器の長さが約22m(7
0ft)であると、約200個の平面になる。
【0072】加速度計からの8個の信号を平均パワーに
対して正規化して、複雑なアルゴリズムのデータ操作を
避ける。各々の信号の正規化の後、ビーム形成装置が夫
々を、焦点から各々の加速度計までの伝搬時間の差に対
応する分だけ遅延させる。位相調整データを使って、焦
点の音響パワーを求める。各ビンに対するコヒーレント
・パワーは次の比から得られる。
【0073】(Pphased−Punphased)/Punphased ここで、Pphasedは位相調整されたパワーを表し、P
unphasedは位相調整しないパワーを表す。この比にCO
RCOと云う名前をつける。音圧データは、その性質か
ら、時間に対して一貫性を持つ振幅を持たない。COR
COの値が異常に(統計的に)高くなる確率について判
定を下す前に、多数のコヒーレント・パワーの推定値を
累積することが必要である。局在したコヒーレント・パ
ワーが高いことは、容器の容積内の漏れ箇所であると想
定される。
【0074】必要とするCORCOの推定値又はサンプ
ルの数は、全般的な背景騒音に較べた漏れ騒音の相対的
な強度に関係する。大きな漏れは何時も比較的大きな値
のCORCOを出すので、比較的少数のサンプルを累積
した後で、判断を下すことが出来る。逆に、小さな漏れ
は多数のサンプルを必要とする。必要なサンプルの数が
統計的な法則によって左右される。
【0075】時間領域のビーム形成装置が、典型的には
各チャンネルに対して51ミリ秒と0.1秒との間の期
間の間、データ・フレームを累積する。その後、このデ
ータを配列としてバッファに記憶し、ビーム形成装置に
よってこの配列をアクセスすることが出来る。ビーム形
成は、もとの8個の信号の各々に対する相対的な遅延時
間に対応する特定の場所に累積したデータ配列をベクト
ル操作することによって行なわれる。このベクトル操作
は、各々のビンに対して4番目のデータ点毎に行なうこ
とが出来、各々の増分がその場所からの信号パワーの独
立の推定値を与える。平面内の各々の焦点に対し、同様
なデータ・ベクトル操作及び累積を行なわなければなら
ない。このデータ操作が行なわれている間、第2組の信
号を捕捉し、第2のデータ・バッファに記憶する。この
目的は、データ収集時間内に全てのデータ操作を完了
し、その後第2のデータ配列に切り換えて、この過程を
繰り返すことである。
【0076】周波数領域のビーム形成が、本発明に従っ
て実時間の音響監視を実施する好ましい方法である。時
間領域から周波数領域への変更は、8個の隣接したセン
サからのディジタル化したデータの数学的な操作によっ
て達成される。下記の工程が関係する(図13参照)。 (イ)8個の独立の並列のアナログ電圧チャンネルが周
波数領域ビーム形成装置に入力を伝える。各々のアナロ
グ電圧はピーク間10ボルト、500−30kHz、5
0オームである。
【0077】(ロ)8個のアナログ・チャンネルからの
信号が、80kHz又はそれ以上の速度で同時にディジ
タル化される。各々のワードは少なくとも10ビットの
長さである。各々のチャンネルに対し、相次ぐ1024
個のサンプルをディジタル化する。 (ハ)入力データの分散を計算する。各々の値を分散で
除すことにより、データを正規化する。最終的な結果は
±350(基数10)のディジタル範囲内に収まる様に
調節する。8個のrms電圧レベルの値をホスト・コン
ピュータに出力して、次のデータ・パスに対する正しい
利得の設定を行なう。
【0078】(ニ)各々の正規化データの値を、順方向
の高速フーリエ変換(FFT)を使って周波数成分に変
換する。変換された各々の信号は単一の周波数及び既知
の振幅を持っている。 (ホ)個別の周波数成分は共役複素数で乗算して、クロ
スパワー・スペクトルを決定する。云い換えれば、信号
1のデータに信号2のデータを乗じ、1×3、1×4…
……7×8と云う様に信号を操作する。これによって、
周波数の関数として、任意の2つのセンサ信号の間のク
ロスパワーの28個のデータ配列が形成される。
【0079】(ヘ)各々のクロスパワー値に対するデー
タを、警報状態を検査するのに必要な最低期間に対応す
る期間T(典型的には51ミリ秒)にわたって平均す
る。 (ト)平均クロスパワー・スペクトルの逆FFTを求め
る。これが28個の信号の対の各々に対する共分散にな
る。共分散をもとのデータの平均振幅で除すことによ
り、相互相関係数が求められる。
【0080】(チ)その結果は、相互相関係数データの
28組のデータ配列である。相互相関係数は、一方を不
動にし、他方を時間的に遅延させた時の2つのもとの信
号の間の類似性の目安である。今の例では、512個の
別々の遅延時間に対し、係数を計算して記憶する。こう
云う遅延時間は、現在の平面内の任意の場所にビーム形
成するのに必要なものをカバーする。512個の時間遅
延の歩進は十分小さいので、その間の補間は不必要であ
る。このビーム形成バッファにあるデータが、プログラ
ム可能な制御装置の作用を受ける。
【0081】(リ)考えられる全ての加速度計の対偶に
対し(特定の場所からセンサまでの経路の間の適当な差
別的な遅延時間に於て)これらの28個のデータ配列に
ベクトル操作することにより、特定の場所に漏れが存在
する可能性を求める。CORCOの値がベクトル操作し
た28個の値の平均パワー(背景パワーに対する比)で
ある。
【0082】今日のディジタル信号処理(DSP)ハー
ドウエアは、高速フーリエ変換(FFT)の様な標準的
な関数を計算する時の計算速度を高める為に、数多くの
データ操作機能がハードウエアの中に埋め込まれてい
る。コストが一層安く、DSP機能がハードウエアに一
体化されていることにより、並列処理及び多重タクスを
する多数のプロセッサを用いたビーム形成システムの設
計が得られた。この設計は、多数の配列データの操作を
行なう為の、DSPに埋め込まれた専用のプロセッサを
使う。ビーム形成システムは、ホスト・コンピュータに
相補的なコンピュータ・シュミレーション・プログラム
を持ち、これが他のセンサをシミュレートし、データ処
理の再構成又は配列処理の強化を行なうことが出来る。
最初、シミュレーションは、マッピング過程の連続的な
動作とは独立に行なわれる。シミュレーションが満足し
得るものであれば、次にセンサ配列(FIFOの出力)
から放送された実時間データを使い、最終的にマッピン
グ過程の鏡像を作り、ビーム形成システムの出力を予測
することが出来る。シミュレーションしたシステムが満
足し得るものである時、PSPプロセッサは、シミュレ
ーション・ソフトウエアによって新しい形に自動的にプ
ログラムすることが出来る。このオンライン・シミュレ
ーションは、後で説明する神経回路網/ファジイ論理シ
ステムのシミュレーションと、こう云うシステムに使わ
れる埋め込まれた連想(又は推論)エンジンのプログラ
ムのし直しを含むことが出来る。
【0083】ビーム形成システムは、システム、サブシ
ステム及び部品の信頼性を高める様な、診断能力の著し
い強化が出来る。前に述べたスマート・アクセスの特徴
は、現在並びに記録用のデータ及び部品及びその一部分
の性能に関する情報の両方をもたらす。前に述べた一体
のシミュレータ能力を使うことによって、一層の強化が
得られる。この為、シミュレーション・モデルの初めの
性能予測に較べた時、システムの現在の性能の独立の評
価が出来る。システムの性能モデルは神経回路網システ
ムでもシミュレーションすることが出来る。神経回路網
は最初シミュレータを用いて訓練され、その後、実際に
プラントの運転によってその等級を上げる。
【0084】神経回路網プリプロセッサがIALDSに
対する初期の漏れの表示子として使われる。回路網は、
回路網に対するセンサ入力の配列から、データの弁別パ
ターンを認識することにより、漏れを検出する様に訓練
されている。最初、この回路網は、前に述べた一体のシ
ミュレーション・ソフトウエアからのデータを使って訓
練され、その後、実際にプラントを運転することによっ
てその認識能力の等級を高める。シミュレーションを使
うことにより、回路網を、広い範囲の種々の運転状態及
び漏れ特性を表す広い範囲のパターンにさらすことが出
来る。神経回路網は、頑丈で安定であるばかりでなく、
訓練の基本を越えた補外の融通性及び能力を持つ様に保
証する為、シミュレーション・データを使って訓練する
と共に試験する。これは、訓練に使われた例とは異なる
漏れが存在することを(低周波帯又は高周波帯の何れか
を使って)認識して表示する能力を持つことを意味す
る。漏れを認識する様に神経回路網を訓練するには長い
時間を要するかも知れないが、訓練された回路網は1秒
未満の内に、実際の検出評価を実施する。
【0085】神経回路網漏れ検出システム及びIALD
Sプリプロセッサの別の特徴は、検出確率の1つのレベ
ル(例えば検出確率90%、誤り確率10%)に訓練
し、その後入力データを検出確率の一層低いレベル(例
えば検出確率60%、誤り確率40%)まで試験するこ
とが出来ることである。事実上、神経回路網プリプロセ
ッサは可変の検出感度を持つ検出システムである。神経
回路網を(更に感度のよい検出器で)漏れを検出する可
能性を一層大きくする様に広げることが出来るが、それ
に対応して正確さは低下する(虚偽表示の確率が一層高
くなる)。幾つかのプリプロセッサが相異なる軸方向の
領域を同時に監視しているので、2つ又は更に多くが、
この程度の検出感度で漏れの表示を発生するのに十分強
力な信号を受取っていることがある。検出能力を広くし
て漏れが表示された場合、プリプロセッサのファジイ論
理部分が、直ちに検出能力を引締めて、実際の表示を確
認することが出来る。検出能力を引締めても、なお表示
が出れば、ファジイ論理エキスパート・システムは、高
めた検出感度及び非常に低い虚偽警報率で、容器の適切
な領域をシステムに走査させる。
【0086】本発明のシステムを、液体金属蒸気発生器
に於ける漏れの検出に使った場合について説明した。同
じシステムは他の多くの用途があり、例えば、故障の検
出、性能の監視及び診断の為、医療用、化学用及びプロ
セス・プラントに用途がある。以上説明したシステム
は、性能の監視、診断及び訓練の機能に対するその効用
を拡げる随意選択の多くの特徴を持たせることが出来
る。変換器からの電気信号電圧は、可聴レベル、応答の
監視並びに/又は人間の解釈の為に、オペレータに提示
することが出来る。一例として、このシステムを蒸気発
生器の容器に用いた場合、変換器配列が容器の表面をカ
バーする。液体/ガス面の下方で検出される音の特性
は、界面より上方でセンサに伝達される音響エネルギと
は著しく異なる。この為、各々のセンサの身元及び場所
が判っていると、この様な溶液内の液面を容易に演繹す
ることが出来る。同じセンサ出力電圧により、緩んだ部
品、ポンプ及び弁の動作、流体を移動させる部品の未詳
の故障、監視される容器の近辺に於ける異常な音の監視
等の検出をすることが出来る。
【0087】ALMRの設計技術者に対話形システム・
デザインの道具を提供する為に一体のシミュレーション
が開発されると考えられる。これによって、高級なDS
Pハードウエアにより、設計技術者とのインターフェー
スが促進され、実時間の最適化の研究が出来る。シミュ
レーションは、システムの検証及び有効認定活動の際、
実験設備からの実時間の入力を受入れることも出来る。
同じシミュレーションがALMRのライセンス運転の際
に強力な武器になり、最終的には原子炉のオペレータを
仕込む訓練シミュレータになる。
【0088】更に、プロセス・プラントの部品の多くの
故障は局在する騒音源を伴う。同様に、同じ技術によ
り、残響の強い場の中で部品又は構造の動作特性又は性
能特性を確認する風洞内のモデルによる騒音の発生をマ
ッピングする時の様に、残響のある場でマスクされてい
る時でも、騒音の発生源を確認することが出来る。好ま
しい実施例を例として説明した。この実施例の種々の変
更は、ディジタル信号処理、配列処理、人口知能又は音
響及び超音波検出の分野の当業者には容易に明らかであ
ろう。この様な全ての変更は特許請求の範囲に包含され
ることを承知されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】蒸気発生器でナトリウムの中に水が漏れた場合
の水侵入速度の増大を時間に対して示すグラフ。
【図2】本発明による変換器の配置位置を示す、液体金
属高速増殖炉の2次伝熱システムの概略系統図。
【図3】本発明の統合音響式漏れ検出システムのブロッ
ク図。
【図4】本発明による統合音響式漏れ検出システムの概
略系統図で、図2の蒸気発生器の容器に於けるセンサの
取付けを詳しく示す。
【図5】本発明の好ましい実施例の変換器(加速度計)
集成体の断面図。
【図6】本発明の別の好ましい実施例による変換器(加
速度計)集成体の断面図。
【図7】加速度計の応答特性を示すグラフ。
【図8】本発明の第1の好ましい実施例の変換器(加速
度計)増幅システムの概略系統図。
【図9】本発明の第2の好ましい実施例の変換器(加速
度計)増幅システムの概略系統図。
【図10】本発明の蒸気発生器漏れ信号処理システムの
ブロック図。
【図11】従来使われていた音響式漏れ検出システムで
使われるビーム形成技術の基本的な考えを示す線図。
【図12】本発明の音響式漏れ検出システムで使われる
ビーム形成技術の基本的な考えを示す線図。
【図13】本発明の音響式漏れ検出システムで使われる
ビーム形成過程の工程の順序を示すフローチャート。
【符号の説明】
2 蒸気発生器 22 変換器(加速度計) 44 高域フィルタ 46 低域フィルタ 84,92 ファジイ論理連想エンジン・プリプロセ
ッサ 94 低周波ビーム形成装置 100 警報プロセッサ・ビーム形成装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01M 19/00 G01M 19/00 Z G01N 29/00 G01N 29/00 (72)発明者 ドナルド・チェスター・ゴウバッツ アメリカ合衆国、カリフォルニア州、カッ ペルチノ、ヒルクレスト・ロード、10033 番

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被監視容積内の異常を検出する検出装置
    に於て、 前記被監視容積の複数個の局在部分に夫々結合されてい
    る1組の変換器であって、各々が前記被監視容積の局在
    部分の振動変位の関数である低周波成分を持つ夫々のア
    ナログ電気信号を出力する1組の変換器と、 前記1組の変換器の内の一部の変換器群から出力される
    アナログ電気信号を標本化する手段と、 前記標本化したアナログ電気信号を夫々のディジタル電
    気信号のデータ配列に変換するアナログ・ディジタル変
    換手段と、 前記データ配列を処理して、関心のある容積内の3次元
    の騒音場を求めるビーム形成手段であって、前記騒音場
    が前記関心のある容積内に位置する網目の各々の節点に
    於ける騒音絶対強度で構成されているビーム形成手段
    と、 前記騒音場を処理して、前記関心のある容積内に異常が
    存在する兆候を判定する判定手段とを含むことを特徴と
    する検出装置。
  2. 【請求項2】 前記被監視容積が壁を持つ容器であり、
    各々の前記変換器が音響変換器で構成されており、更
    に、複数個の頑丈な取付け手段の各々により、前記音響
    変換器の夫々が前記容器の壁の夫々の局在部分に結合さ
    れている請求項1記載の検出装置。
  3. 【請求項3】 前記アナログ・ディジタル変換手段が変
    更可能な標本化速度を持ち、前記網目の寸法が選ばれた
    標本化速度に応じて変えられる請求項1記載の検出装
    置。
  4. 【請求項4】 更に、各々の前記変換器から得られたデ
    ィジタル電気信号の自乗平均平方根を倍率/正規化係数
    として使って、各々の前記変換器から得られたディジタ
    ル電気信号を正規化する手段を含む請求項1記載の検出
    装置。
  5. 【請求項5】 更に、前記変換器群の各々の変換器に対
    し、前記正規化データの高速フーリエ変換を行なう手段
    と、前記変換器群の内の各々1対の変換器に対する高速
    フーリエ変換の結果から1組の相互相関係数を決定する
    手段を含み、前記ビーム形成手段が、前記相互相関係数
    からコヒーレント・パワーを計算する手段を有する請求
    項4記載の検出装置。
  6. 【請求項6】 被監視容積内の異常を検出する検出方法
    に於て、 前記被監視容積の複数個の局在部分に1組の変換器を夫
    々結合し、各々の変換器により、前記被監視容積の局在
    部分の振動変位の関数である低周波成分を持つ夫々のア
    ナログ電気信号を出力し、 前記1組の変換器の内の一部の変換器群から出力される
    アナログ電気信号を標本化し、 前記標本化したアナログ電気信号を夫々のディジタル電
    気信号のデータ配列に変換し、 前記データ配列を処理して、関心のある容積内の3次元
    の騒音場を求め、該騒音場は前記関心のある容積内に位
    置する網目の各々の節点に於ける騒音絶対強度で構成さ
    れており、 前記騒音場を処理して、前記関心のある容積内に異常が
    存在する兆候を判定する工程を含むことを特徴とする検
    出方法。
  7. 【請求項7】 更に、各々の変換器から得られたディジ
    タル電気信号の自乗平均平方根を倍率/正規化係数とし
    て使って、各々の変換器から得られたディジタル電気信
    号を正規化する工程を含む請求項6記載の検出方法。
  8. 【請求項8】 更に、前記変換器群の各々の変換器に対
    し正規化されたデータの高速フーリエ変換を行ない、前
    記変換器群の内の各々1対の変換器に対する高速フーリ
    エ変換の結果から1組の相互相関係数を決定し、前記相
    互相関係数からコヒーレント・パワーを計算する工程を
    含む請求項7記載の検出方法。
  9. 【請求項9】 被監視容積内の異常を検出する検出方法
    に於て、 前記被監視容積の複数個の局在部分に1組の変換器を夫
    々結合し、各々の変換器により、前記被監視容積の局在
    部分の振動変位の関数である低周波成分を持つ夫々のア
    ナログ電気信号を出力し、 前記1組の変換器から出力されるアナログ電気信号を標
    本化し、 前記標本化したアナログ電気信号を夫々のディジタル電
    気信号の第1のデータ配列に変換し、 ビーム形成をしない時の前記第1のデータ配列内のデー
    タの弁別パターンを認識し、該弁別パターンは前記被監
    視容積の内側に異常が存在する可能性を示しており、 データの前記弁別パターンを導き出した関心のある容積
    を確認し、 前記1組の変換器の内の一部の変換器群から出力される
    アナログ電気信号を標本化し、 前記標本化したアナログ電気信号を夫々のディジタル電
    気信号の第2のデータ配列に変換し、 前記第2のデータ配列を処理して前記関心のある容積内
    の3次元の騒音場を求め、該騒音場は前記関心のある容
    積内に位置する網目の各々の節点に於ける騒音絶対強度
    で構成されており、 前記騒音場を処理して、前記関心のある容積内に異常が
    存在する兆候を判定する工程を含む検出方法。
  10. 【請求項10】 前記被監視容積がナトリウムで加熱さ
    れる蒸気発生器の外殻であり、前記異常は水とナトリウ
    ムとを分け隔てる境界の漏れである場合において、更
    に、前記標本化する工程の間の背景騒音を減らす為に、
    前記変換器群から出力されるアナログ電気信号を標本化
    する工程の前に、前記蒸気発生器によって発生される出
    力を減らす工程を含み、更に随意選択により、ナトリウ
    ムと水との反応生成物が前記容器の内側に存在すること
    を検出する工程を含む請求項9記載の検出方法。
JP7209375A 1994-08-18 1995-08-17 被監視容積内の異常を検出する装置と方法 Pending JPH08226988A (ja)

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