JPH08225974A - 酸化アルキレンの製造方法 - Google Patents

酸化アルキレンの製造方法

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JPH08225974A
JPH08225974A JP7325206A JP32520695A JPH08225974A JP H08225974 A JPH08225974 A JP H08225974A JP 7325206 A JP7325206 A JP 7325206A JP 32520695 A JP32520695 A JP 32520695A JP H08225974 A JPH08225974 A JP H08225974A
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anode
propylene
oxygen
electrolyte
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クッカー バーナード
Robert N Cochran
エヌ コクラン ロバート
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化アルキレンの電気化学的製造、より詳し
くは、酸化アルキレンが電気化学反応器のアノードとカ
ソードの両方で製造される方法を提供する。 【解決手段】 アノードにおいては、水が電気分解され
て酸素が生成され、この酸素がアノード室に供給される
オレフィンと反応して酸化アルキレンが生成される。同
時に、アノードで生成されてカソードに運ばれるプロト
ンとともにオレフィンと酸素がカソード室に供給され、
これらの物質がカソード室内で反応してやはり酸化アル
キレンが生成される。 【効果】 この方法により二つのもっとも重要な酸化ア
ルキレンである酸化エチレンと酸化プロピレンを同時に
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化アルキレンの
電気化学的製造、より詳しくは、酸化アルキレンが電気
化学反応器のアノードとカソードの両方で製造される方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化アルキレンの製造は非常に大きな工
業的重要性を有する。酸化エチレンは工業的には、銀触
媒作用を用いた、エチレンの分子酸素による気相酸化に
よって製造される。
【0003】酸化プロピレンは工業的には、プロピレン
と有機ヒドロペルオキシドとの触媒反応(基本的な米国
特許第3,351,635号参照)、またはクロロヒド
リンプロセス技術によって製造される。
【0004】酸化アルキレン製造のためのさらに改良さ
れた方法の開発のための研究に努力が傾注されつづけて
おり、また酸化アルキレン製造に電気化学反応法を応用
する努力がなされている。たとえば、米国特許第3,4
27,235号明細書には、水性媒質中に電流を流して
酸素を発生させ、そのようにして発生した酸素をオレフ
ィンと反応させてオキシラン化合物を製造することによ
る、電気化学セル中での酸化オレフィンの電気化学的製
造方法が述べられている。
【0005】米国特許第3,635,803号明細書に
は、電解質としてアセテートを含む水性媒質を用いる電
気化学的方法による酸化プロピレンの製造が述べられて
いる。
【0006】米国特許第3,723,264号明細書に
は、アスベスト隔膜によって隔膜区画した電解槽を用い
る、オレフィンの電気化学的酸化が述べられている。
【0007】米国特許第4,119,507号明細書に
は、アルカリ金属塩化物の水性電解質と、オレフィンク
ロロヒドリン生成とを用いるオレフィンの電気化学的酸
化が述べられている。
【0008】英国特許第1,467,864号明細書に
は、水溶性塩化物または臭化物の水溶液を入れた非分割
セル中でのプロピレンの酸化プロピレンへの電気化学的
酸化が述べられている。電極間隔は0.05〜2mm
で、電流密度1〜100A/dm2 が使用されている。
【0009】米国特許第3,497,431号明細書に
は、電気化学セル中での酸化オレフィンの電気化学的製
造が述べられている。この電気化学セルにおいては、ア
ノードとカソードが中間配置の隔膜によって分離され、
アノード区画室の静水圧がカソード区画室のそれよりも
高くなっている。
【0010】米国特許第4,634,506号明細書に
は、オレフィンの酸化オレフィンへの電気化学的酸化が
述べられている。この方法においては、水性電解質とオ
レフィンとが圧力下で混合され、圧力低下とオレフィン
気化とのために制流装置を通される。
【0011】米国特許第4,270,995号明細書に
は、酸化プロピレンの製造に適した多孔板によって分割
された上部室と下部室とを有する電気化学セルが述べら
れている。
【0012】Holbrookら、“Electroo
xidation of Olefins at a
Silver Electrode”,Journal
of Catalysis,38,p.294〜29
8(1975)では、オレフィンの酸化オレフィンへの
電気化学的酸化が述べられている。
【0013】Van der Eijkら、“Elec
trochemical Epoxidation o
f Olefins”,Catalysis Toda
y,3,p.259〜266(1988)では、オレフ
ィンと電気化学的に生成された銀(II)−ピリジン
イオンとの反応によるオレフィンのエポキシドへの酸化
が述べられている。
【0014】Oduozaら、“Aspects of
the Direct Electrochemic
al Oxidation of Propylen
e”,Chem.Eng.Symp.Series,1
27,p.37〜47(1992)では、バッチおよび
ろ板バイポーラ流動セル中でのアルカリ電解質による、
プロピレンの酸化プロピレンとグリコールへの直接アノ
ード酸化が述べられている。
【0015】Chouら、“Anodic Oxida
tion of Propylene on a Sc
reen Electrode”,Chem.Eng.
Sci.,35,p.1581〜1590(1980)
では、pH12.0〜13.9の水溶液中のスクリーン
アノード上でのプロピレンの酸化プロピレンへの酸化が
述べられている。
【0016】Scottら、“Pilot Scale
Electrosynthesis of Alke
ne Oxides by Direct and I
ndirect Oxidation in a Si
eve Plate Electrochemical
Reactor”,Chem.Eng.Sci.,4
7,No.9〜11,p.2957〜2962(199
2)では、ろ板電気化学反応器中での酸化アルケンの電
気合成が述べられている。
【0017】特開平6−220033号公報では、燃料
電池システムの使用によるオレフィンと酸素からの酸化
アルキレンの製造が述べられている。この燃料電池シス
テムにおいては、水素がアノード室に供給され、オレフ
ィンと酸素がカソード室に供給される。酸化アルキレン
はカソード室内で製造される。
【0018】Otsukaら、“Simultaneo
us Epoxidation of 1−Hexen
e and Hydroxylation of Be
nzene During Electrolysis
of Water”,Chemistry Lett
ers,p.1861〜1864(1994)では、水
の電気分解中に、アノードで1−hexeneのエポキ
シ化とカソードでのベンゼンのヒドロキシル化とを同時
に行う装置が述べられている。Otsukaは、また、
燃料電池システムにおいてシクロヘキセンをアノードエ
ポキシ化している。このとき、酸素をアノードで水から
引出している。最大の電流効率は、エポキシドへの選択
率47.6%のときの4.5%であった。カソードでの
化学反応はプロトンの水素ガスへの還元である。“Ep
oxidation of Cyclohexene
with the Nascent Oxygen G
enerated by electrolysis
of Water”,K.Otsuka,M.Yosh
inaka and I.Yamanaka,J.Ch
em.Soc.,Chem.Commun.,(199
3)、p.611〜612を参照されたい。それぞれア
ノードおよびカソード反応で生成されるMn3+とOH遊
離基とによるトルエンのベンズアルデヒドへの酸化が、
セルのカソード室とアノード室とにおいて同時に行われ
た。アノード反応およびカソード反応のどちらにおいて
も、ベンズアルデヒドの選択率は非常に高い。この一対
の電気酸化によるベンズアルデヒド製造の最大合計電流
効率は171%であった。“Paired Elect
rooxidation.I.Productiono
f Benzaldehyde”,J.J.Jow,
A.C.Lee,T.C.Chou,J.Appl.E
lectrochem.,vol.17,(1987)
p.753〜759を参照されたい。
【0019】過酸化水素の製造において、カソードで生
成される酸素によるアノード消耗は公知である。たとえ
ば、“Processes for the Prod
uction of Mixtures of Cau
stic soda andHydrogen Per
oxide via the Reductionof
Oxygen”,P.C.Foller,R.T.B
ombard,J.of Applied Elect
rochemistry,vol.25(1995),
p.613〜627を参照されたい。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法において、
酸化アルキレンは一つの反応器電極で製造され、また一
般にもう一つの電極の生成物はずっと価値の低いもので
あった。しかし、本発明によれば、酸化アルキレンが電
気化学反応器の両電極で製造される電気化学的方法が提
供される。アノードにおいては、水が電気分解されて酸
素が生成され、この酸素がアノード室に供給されるオレ
フィンと反応して酸化アルキレンが生成される。同時
に、アノードで生成されてカソードに運ばれるプロトン
とともにオレフィンと酸素がカソード室に供給され、こ
れらの物質がカソード室内で反応してやはり酸化アルキ
レンが生成される。
【0021】
【課題を解決するための手段1】本発明によれば、アノ
ードとカソードを有し、またアノードで生成されるプロ
トンをカソードに運ぶプロトン輸送装置を有する電気化
学反応器が提供される。オレフィンと酸素の混合物がカ
ソード帯域に供給され、オレフィンがアノード帯域に供
給される。水性電解質が電気化学反応器に供給されて、
水の電気分解がアノードで起こり、プロトンと酸素が生
成される。このようにして生成された酸素はアノード帯
域においてオレフィンと直接に反応して酸化アルキレン
生成物を生じると考えられる。水の電気分解で生じたプ
ロトンはカソード帯域に効率的に運ばれ、カソード帯域
にはオレフィンと酸素も供給されて、これらの成分が反
応してカソード帯域に酸化アルキレンが生成される。
【0022】理論に束縛されることなく言えば、プロト
ンと酸素がカソードで反応して、過酸化水素、またはカ
ソードの金属の過酸化物イオンもしくはヒドロペルオキ
シドを生じ、さらにこの過酸化物がオレフィンと反応し
て酸化アルキレンを生じる、と考えられる。注意すべき
ことは、一般式xTiO2 (1−x)SiO2 のチタン
シリカライト(一般に、チタン原子を含むゼオライト)
のような物質がカソードにとり込まれるかまたは塗布さ
れた場合、あるいはその他の方法でカソード帯域に加え
られた場合、カソード帯域における酸化アルキレン生成
が著しく促進される、ということである。
【0023】図1においては、アノード1とカソード2
とが示されており、これらに対して導線3および4によ
り電位差が与えられる。独立のアノード室とカソード室
とを備えることができるが、簡明なように、アノードと
カソードとの間にはただ一つの帯域5のみが示してあ
る。オレフィン、酸素、電解室塩と水(水性電解質の形
が適当である)から成る混合物が装置8を通じて帯域5
に供給される。
【0024】アノード表面6において水の電気分解が起
こり、プロトン(H+ )と酸素が生成され、電子が放出
される。このようにして生成された酸素はアノード表面
近傍でオレフィンと反応して酸化アルキレンを生じる。
【0025】同時に、アノード表面で生じたプロトン
は、たとえば水性電解質を通じて帯域5を横断して運ば
れてカソード表面7に達し、カソード表面7において、
装置8により供給される酸素、およびアノード表面6か
らのプロトン、ならびに装置8により供給されるオレフ
ィンの間で反応が起こり、カソード表面7の近傍で酸化
アルキレンが生成される。理論に束縛されることなく言
えば、カソード表面反応には、まず、酸素、プロトン、
および電子の反応が関与して過酸化水素またはカソード
金属の過酸化物イオンもしくはヒドロペルオキシドが生
成され、次に、過酸化物がオレフィンと反応して酸化ア
ルキレンが生成される、と考えられる。
【0026】アノードとカソードとの両方で生成された
酸化アルキレンは装置9により帯域5から排出され、採
取される。他の成分たとえば酸素、オレフィン、水、そ
の他は、分離して再循環させることができる。
【0027】本発明の方法は一般にオレフィンの酸化ア
ルキレンへのエポキシ化に適用することができる。好ま
しいオレフィンは約2〜30個の炭素原子を含むもので
ある。これらのオレフィンの例としては、エチレン、プ
ロピレン、ノルマルブチレン、イソブチレン、ペンテ
ン、メチルペンテン、ノルマルヘキセン、オキセン、ド
デセン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ブタ
ジエン、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、
ビニルシクロヘキセン、フェニルシクロヘキセン、その
他がある。ハロゲン、酸素、硫黄その他を含む置換基を
有するオレフィンが使用できる。そのような置換オレフ
ィンの例としては、アリルアルコール、メタリルアルコ
ール、シクロヘキセノール、ジアリルエーテル、メチル
メタクリレート、メチルオレエート、メチルビニルケト
ン、塩化アリル、その他がある。一般に、従来使用され
ている方法でエポキシ化されるオレフィン物質はすべて
本発明の方法でエポキシ化することができる。
【0028】
【発明の効果】脂肪鎖に約2〜4個の炭素原子を含む低
級オレフィンは、本発明の方法により効率的にエポキシ
化することができる。通常アルファオレフィンまたは第
1オレフィンと呼ばれる種類のオレフィンは、本発明の
方法により特に効率的なやり方でエポキシ化される。
【0029】注意すべきことは、アノード帯域とカソー
ド帯域に同じオレフィンが供給される場合、それぞれの
帯域で生成される酸化アルキレンが同じものである、と
いうことである。しかし、本発明の特徴は、アノード帯
域とカソード帯域に異なるオレフィンが供給される場
合、異なる酸化アルキレンが生成される、ということで
ある。したがって、たとえば、本発明の方法により二つ
のもっとも重要な酸化アルキレンである酸化エチレンと
酸化プロピレンを同時に製造することができる。
【0030】
【課題を解決するための手段2】カソードは、適当な熱
と圧力の条件下で流動しバインダーとして作用する高分
子固体と、周期表のVIII、IX、またはX族の金属
との混合物から成るものとすることができる。適当な高
分子バインダーの例はテフロン樹脂粉末であり、またパ
ラジウム黒(パラジウム粉末)がカソードに適した触媒
金属である。成分粉末は混合され、熱と圧力が加えられ
て、適当な寸法と強度の多孔質平板に成形される。ま
た、カソードはバインダーを含まない、周期表のVII
I、IX、またはX族の金属のみから成るものとするこ
とができ、充実シートまたは多孔質シートに成形するこ
とができる。あるいは、カソードは、たとえば、炭素、
またはテフロンマトリックスに含まれる炭素とすること
ができる。また、カソードは、炭素と、周期表のVII
I、IX、またはX族の金属との混合物とすることもで
きる。カソードは充実板、多孔質シートフォームまたは
メッシュの形とすることができる。アノードは直接アノ
ード酸化を促進することが知られている電極から製造す
ることができる。これらの電極の例としては、304お
よび316ステンレス鋼、ニッケル、銀、グラファイト
/銀混合物、酸化銀/銀混合物、チタン、チタン上の酸
化ルテニウム、酸化イリジウム被覆エボネックス、白金
黒付きチタン、ならびに非晶質炭素(glassy c
arbon)がある。また、銅、コバルト、またはスピ
ネル特にチタンを被覆したニッケル/コバルト(NiC
oO2 )も使用できる。これらの電極は、充実板、多孔
質シート、網状金属、フォーム、またはメッシュとして
使用することができる。特定の幾何学的形状の、特に有
効なアノードおよびカソード材料の特定例を以下の例で
示す。アノードは、少くとも数秒間好ましくは40分以
下連続的に水素ガス放電を起こすのに少くとも十分な値
のカソード負電圧を加えることによって、酸化プロピレ
ン生成効率を改善することができる。また、アノード
は、ニッケルの場合、表面に水酸化ニッケルをカソード
電気めっきすることによって処理して、酸化プロピレン
生成効率を効率的に改善することができる。
【0031】電解質は、一般式Zd a b c の酸素
含有無機塩から成るものとすることができる。この一般
式において、a、b、およびcは正の整数、dは正の整
数またはO、Wはアルカリ金属またはアルカリ土類金
属、Xはモリブデン、タングステン、クロム、亜鉛、ビ
スマス、アンチモン、バナジウム、テルル、セレン、ア
ルミニウム、スズ、ケイ素、リン、臭素、または硫黄、
Yは酸素、Zは水素である。元素Xはその最高の酸化状
態として、アノード酸化に対して不活性にするのが好ま
しい。
【0032】使用できるその他の種類の電解質は、陽イ
オンがアルカリ金属、アルカリ土類、コバルト、タリウ
ム、ニッケル、または銀で、陰イオンがシトレート、オ
キサレート、グルコネート、ベンゾエート、フタレー
ト、ホルメート、またはアセテートから選択される、有
機酸の水溶性塩である。
【0033】電解質はアルカリ金属またはアルカリ土類
の水酸化物から成るものとすることもできる。
【0034】前記電解質の二つ以上の混合物を使用する
ことができる。原理的には、任意の電解質pHを使用す
ることができるが、実際には、電解質は中性または弱塩
基性(6.9<pH<11)とするのが好ましい。これ
よりも低いpHは金属電極、容器、その他の要素に対す
る腐食性が大きく、これよりも高いpHは酸化プロピレ
ンのグリコールへの加水分解を促進する。好ましい電解
質の例としては、リン酸3カリウム(tripotas
sium phosphate)、リン酸1水素2カリ
ウム(dipotassium monohydrog
en phosphate)、リン酸1水素2ナトリウ
ム(disodium monohydrogen p
hosphate)、リン酸とリン酸3カリウムの混合
物、およびこれらのナトリウム対応物の、pH6.9〜
11.0の水溶液がある。ハロゲン化物特にヨウ化物、
臭化物、塩化物は、直接アノード電気化学反応には適当
でない。元素ハロゲンが酸素に優先してアノードで放電
しうるからである。
【0035】割合に穏やかな反応条件が使用できる。温
度範囲の例としては0〜200℃が挙げられるが、10
〜100℃が好ましい。また、圧力範囲の例としては、
1.05〜35kg/cm2 絶対圧(15〜500ps
ia)が挙げられる。
【0036】プロピレンの可溶化を助長するために、電
解質とともに水混和性の有機プロピレン可溶化剤を使用
するのが特に有効である。4〜12個の炭素原子を有す
る第3アルコール特に第3ブチルアルコールが適当であ
る。
【0037】工業的応用のためには、バイポーラスタッ
ク反応器システムが好ましいが、モノポーラ配列も効率
的に機能する。カソードは、適当な熱と圧力との条件下
で流動し、バインダーとして作用する高分子固体と、周
期表のVIII、IX、またはX族の金属との混合物か
ら成る。適当な高分子バインダーの一例はテフロン樹脂
粉末であり、またパラジウム黒(パラジウム粉末)がカ
ソードに適した金属である。成分粉末は混合され、熱と
圧力が加えられて、触媒金属カソード材料となる。成分
粉末は混合され、熱と圧力が加えられて、適当な寸法と
強度の平板が成形される。カソードは、バインダーを含
まない、周期表のVIII、IX、またはX族の金属の
みから成るものとすることもでき、このカソードは充実
シートまたは多孔質シートに成形される。あるいは、カ
ソードは炭素もしくは炭素テフロンマトリックス、また
はその他の材料とすることができる。また、カソードは
炭素と周期表のVIII、IX、またはX族の金属との
混合物とすることもできる。アノードは直接アノード酸
化を促進することが知られている電極から製造すること
ができる。これらの電極の例としては、304および3
16ステンレス鋼、ニッケル、銀、グラファイト/銀混
合物、酸化銀/銀混合物、チタン、チタン上の酸化ルテ
ニウム、酸化イリジウム被覆エボネックス、白金黒付き
チタン、ならびに非晶質炭素がある。電気化学反応器は
平行電極要素と付随ガス供給流路(50〜500の番号
が付けてある)のスタックから成り、このスタックは圧
力容器内にとりつけられている。圧力容器は、電気絶縁
性で使用電解質に対して化学的抵抗力を有するポリマー
その他の物質で内部が被覆されている。電極面の間隔は
一定で、2〜10mmの範囲にある。スタックの各要素
はアノードとカソードから成り、アノードとカソードは
互いに機械的かつ電気的に結合されている。各アノード
/カソード対はスタック全体にわたって同じ向きに配向
されている。電極は、機械的強度、電導、およびガスお
よび/または液体の電極内拡散の要求に応じて、2〜2
0mmの厚さとする。電極板の長さは1〜10mであ
り、好ましくは2〜4mである。電気絶縁スペーサ、た
とえば、ポリプロピレン、ポリエチレンその他の不活性
で成形に適した安価な材料から成るものを、適当な間隔
で電極板の間に配置して、電極の分離が保たれるように
することができる。これらのスペーサは電解質流れ断面
積の50%よりも小さい部分好ましくは10%よりも小
さい部分を占めるようにする。
【0038】電極は円筒形容器の軸に平行で、バイポー
ラスタックの断面は正方形である。収容容器の内径は電
極板幅の1.5倍とし、スタックを収容する容器の寸法
を最小限におさえる。幅2mの電極板は内径3mの容器
にもっとも効率的に収容される。収容容器の接線から接
線までの長さ(tangent to tangent
length,TTL)と内径とのもっとも経済的な
比率は通常2/1〜4/1である。したがって、長さ4
mの電極の幅は0.67〜1.33mである。電極は容
器の下部接線から上部接線までの高さを有する。
【0039】各電極のへりは、ポリプロピレン、ポリエ
チレンその他の不活性で成形に適した安価な材料のスト
リップを用いて電気的に絶縁される。電極板の高さを越
える、電極スタックと容器壁との間の空間には、電極板
のへりにとりつけられるものと同じ電気絶縁材料が充填
される。この絶縁材により、電極面間の電流を除くすべ
ての電流が排除される。また、この絶縁材により、すべ
ての流体流が電気化学反応が起こる電極板間に存在する
ことが保証される。
【0040】収容容器は標準断面形のとりはずし自在の
ふたを有し、電極スタック、絶縁材その他の容器内容物
のとりつけととりはずしとができるようになっている。
【0041】電極間のスペースには流動水性電解質が満
される。水性電解質は流れディストリビュータによって
反応器底部にポンプ輸送される。流れディストリビュー
タはバイポーラスタック内に均一な流体束を供給する。
水性電解質は、プロセスガスとともに、容器頂部から排
出される。流量は、電極間隙の電解質平均速度が3〜1
52cm/s(0.1〜5ft/s)好ましくは30.
5〜152cm/s(1〜5ft/s)となるようなも
のである。液体電解質は、プロセス条件下で化学的に不
活性で、かつ適当な導電率を与えるような、塩の水溶液
から成る。例外は金属水酸化物電解質を使用する場合で
あり、この場合、水酸化物がアノードで酸化されて酸素
になる。溶質の濃度は、一般に0.1〜50wt%また
は飽和濃度の大きな部分のどちらか低い方とする。前述
の電解質を使用する。
【0042】酸化プロピレンが所望の生成物である場
合、プロピレンと酸素ガスの気相混合物をガスディスト
リビュータを通じて反応器に供給する。ガスディストリ
ビュータは電極スタックの下に配置され、スタック断面
全体にわたって均一のガス流束を与える。ガスと液体は
同時にスタック内を流れる。電解質に溶解した酸素はア
ノード反応を起こさず、カソードでプロトンと反応し
て、過酸化水素またはカソード金属のヒドロペルオキシ
ドを生じ、これらはプロピレンによって消費されて、酸
化プロピレンと水になる。プロピレンは、アノードにお
いて、アノードで水から放出された酸素と反応する。プ
ロピレンは、燃料富化、非引火性雰囲気を維持するのに
十分なだけの濃度でガス相中に存在する。電解質、酸化
プロピレン、および残留ガスは反応器から流出し、酸化
プロピレンが蒸留その他の手段によって分離される。バ
イポーラスタックには、最外側電極において、適当な極
性の、電極対あたり0.5〜5Vを印加することによっ
て電気を通じ、すべての介在電極間に二極性が与えられ
るようにする。
【0043】反応器は30〜70℃で運転するのが好ま
しく、運転圧力は電解質が沸騰する圧力よりも大きくな
ければならない。圧力により、プロピレンおよび酸素反
応物の電解質への溶解度が高められ、混合物中のガス体
積分率が低下する。液相酸素およびプロピレン濃度の上
昇により、大きな電流密度の使用が可能になり、またガ
ス体積の圧縮により、2相混合物の導電率が直接線型に
増大する。気相プロピレンを使用する場合、反応器は
3.2〜9.5kg/cm2 ゲージ圧(45〜135p
sig)で運転する。
【0044】下記の例は本発明を説明するためのもので
ある。
【0045】例1 バイポーラスタック配列/流動電解
図2はバイポーラスタック配列と連続流動電解質とを含
む本発明の実施例である。図2において、導線201と
202が備えられ、これらはそれぞれ外部の正のDC端
子と外部の負のDC端子とに接続されている。外部から
極性が与えられる304ステンレス鋼板203が備えら
れ、これは厚さが3mm、長さが91.5cm(3f
t)、幅が91.5cm(3ft)である。
【0046】各バイポーラユニットは304ステンレス
鋼板アノード204とカソード205とから成る。アノ
ードは厚さ3mm、長さ91.5cm(3ft)、幅9
1.5cm(3ft)である。カソードは99wt%の
パラジウムと1wt%のテフロンとの混合物をホットプ
レスによって厚さ1mm、長さ91.5cm(3f
t)、幅91.5cm(3ft)の寸法に成形したもの
である。液体電解質流路206が2mmの幅で備えられ
ている。
【0047】ガス流路207が5mmの幅に備えられて
いる。ガス流路207は孔面積25%の304ステンレ
ス鋼導電メッシュを含み、電極面に平行でアノードとカ
ソードにとりつけられている。このバイポーラスタック
はスタックの下部および上部へりの間が固体プロピレン
絶縁材で包囲されている。プロピレン電気絶縁材208
がバイポーラ電極外周全体にわたって幅9mm×幅9m
mのストリップとして備えられており、これには下端に
カソードガス供給用のスロットが開けられている。
【0048】反応器のすべての電極板に、スタック外側
の電極への極性付与によって極性が与えられる。
【0049】75vol%プロピレンと25vol%酸
素との混合物が211を通じてガス流路207に供給さ
れる。
【0050】流動電解質は209を通じて流路206に
供給され、この流路を上向きに流れる。電解質は水に溶
解した5wt%リン酸水素2ナトリウムであり、プロピ
レンで飽和している。電解質は91.5cm/s(3f
t/s)で電極スタック内をポンプ輸送され、高速の物
質移動が促進され、また酸化プロピレン生成物の平均滞
在時間を最小限におさえてプロピレングリコールへの加
水分解が最小限におさえられるようになっている。各ア
ノードにおいて、水が電気分解され、生成される表面付
着酸素がプロピレンと電解質の混合物からのプロピレン
と反応して、酸化プロピレンを生じる。アノードで生じ
るプロトンはすぐに狭い電極間間隙(2mm)を横断し
てカソードに達し、ガス/電解質/カソード界面または
その近傍において酸素およびプロピレンと反応する。供
給原料から電解質に溶解したプロピレンまたはプロピレ
ン/酸素カソード内ガス供給原料から溶解したプロピレ
ンは、反応して酸化プロピレンを生成し、また電気分解
によって消費された水を再生する。全体として、電解質
の塩と溶剤は保存される。酸化プロピレン生成物は電解
質に溶解して、210を通じて排出電解質流とともに反
応器から出ていき、蒸留によってとり出される。
【0051】ここに示す反応器設計においては、外部か
らの電場が二つの手段によって排除される。断面9mm
×9mmのポリプロピレン電気絶縁材ストリップ208
が各電極板の外周のまわりにとりつけられ、へりからの
電流を防止する。また、外側電極板の背面はポリプロピ
レンで絶縁され、これらの位置からの電流を防止する。
スタックは10個の電極対を有し、耐食性の圧力容器内
で運転される。温度は30℃で、電解質は7kg/cm
2 ゲージ圧(100psig)で供給される。
【0052】この反応器はスタックに印加される27.
0Vの電圧で運転され、電流密度は2,000A/m2
である。この電流に対応して、アノードでは、O2 20
%、酸化プロピレン76%、プロピレングリコール4%
の生成物が生じる。カソードでは、この電流に対応し
て、酸化プロピレン80%、水10%、酸素10%の生
成物が生じる。
【0053】例2 カソード外酸素供給が行われるバイ
ポーラスタック配列 図3は、バイポーラスタック配列とカソード外酸素供給
路とを有する本発明の実施例である。図3において、導
線301と302がそれぞれ外部の負のDC端子と外部
の正のDC端子とに接続され、また316ステンレス鋼
製の電流分配グリッド308と309に接続されてい
る。
【0054】カソード303が備えられ、図2に示すも
のと同じ構造と寸法を有する。これについては、例1で
詳しく説明した。各カソード内には平坦ガス流路304
が備えられ、この流路の幅は1mmである。
【0055】アノード305が備えられ、これは304
ステンレス鋼の多孔質焼結金属板であって、厚さ3m
m、長さ91.5cm(3ft)、幅91.5cm(3
ft)である。隔膜306がアノードとカソードの対の
間に備えられ、これは5wt%のリン酸水素2ナトリウ
ムに浸漬した厚さ1mmのグラスウールである。
【0056】プロピレン溶液流路307が備えられ、こ
れは幅2mmで、プロピレンで飽和した第3ブチルアル
コール溶剤が310を通じて送られる。カソードガス流
路に、75vol%プロピレンと25vol%酸素との
ガス混合物を供給するために、ガス供給装置311が備
えられている。
【0057】グラスウール隔膜に水を供給するために、
供給装置312が備えられている。
【0058】電極スタックは、スタックの下端と上端と
の間が固体プロピレン絶縁材で包囲されている。幅7m
m×厚さ7mmのポリプロピレン固体電気絶縁材ストリ
ップ313が各アノード/隔膜/カソードユニットの外
周全体のまわりに備えられている。
【0059】この反応器システムはバイポーラ配列され
た5個の電極対のスタックから成り、プロピレンの不活
性溶剤溶液がこれらの電極対の間を流れる。アノード3
05は、厚さ3mmで他の寸法が91.5cm(3f
t)の焼結、多孔質304ステンレス鋼から成る。アノ
ードとカソード303は隔膜306によって分離されて
いる。隔膜306は、5wt%のリン酸水素2ナトリウ
ムに浸漬された厚さ1mmのグラスウールから成る。各
カソードは、粉末混合物をホットプレスすることにより
厚さ3mm、その他の寸法91.5cm(3ft)に成
形した、99wt%パラジウム、1wt%テフロンの多
孔質複合材料である。これらのカソードは中央枝分かれ
スロット304を有し、このスロットを通じて、気相プ
ロピレン(75%)と酸素(25%)が電極内部に供給
される。アノード上で反応が起こり、隔膜からの水が表
面付着酸素とプロトンに電気分解される。表面付着酸素
は、電極対間の流路307を流れる液体供給原料に含ま
れるプロピレンと反応する。液体供給原料は、プロピレ
ンで飽和した、20vol%のプロピレン/酸素ガスを
含む第3ブチルアルコールである。このガスの組成は、
75vol%プロピレン、25vol%酸素である。平
均液体供給速度は91.5cm/s(3ft/s)であ
る。
【0060】最初のアノード反応からのプロトンは隔膜
を通ってカソードまで拡散し、そこで311を通るカソ
ードガス供給原料からの酸素と反応して、過酸化水素ま
たはカソード金属ヒドロペルオキシドを生じる、と考え
られる。プロピレンは、311を通るカソード内ガス供
給原料に含まれているか、電極間を流れる液体に溶解し
ているかにかかわりなく、カソード表面上で過酸化物と
反応して、酸化プロピレンと水が生成される。この化学
反応は形式上は隔膜内の水の正味の消耗を生じないが、
隔膜には、312を通じて電極よりもわずかに高い圧力
の脱イオン水をゆっくりと供給し、電極を通って電極間
の液体中に分子拡散することによって失われる水を補給
する。酸化プロピレン生成物は電極間の液体中に溶解
し、314を通る排出液体流によって反応器から出てい
き、蒸留によってとり出される。主要な有機副生物はプ
ロピレングリコールであり、これは抽出によって除去さ
れる。
【0061】電極対のへりは、四つの側面全部に電気絶
縁性ポリプロピレンストリップ313(断面7mm×7
mm)を有し、へりにおける放電が防止される。隣接す
るアノードとカソードとの対のそれぞれは304ステン
レス鋼連続ストリップ315によって連結されている。
ストリップ315は各電極対の外周全体のまわりをめぐ
っており、またポリプロピレンストリップによって三側
面がしゃへいされている。これによって、電気化学反応
を進行させるのに必要なアノードとカソードとの間の電
気的接続が与えられる。バイポーラスタックには、外部
DC電源に接続された導線301と302による、最初
と最後の電極へのDC電圧印加によって、極性が与えら
れる。外部から極性が与えられる最初のアノードと最後
のカソードは、外部導線に接続された304ステンレス
鋼メッシュを含む。このメッシュは電極を機械的に強化
し、さらにアノードとカソードの駆動面全体にわたって
均一な電圧と電流密度とを保証する。均一な電場は、ス
タックの四側面全部にその全高にわたる固体ポリプロピ
レンを使用することにも依存する。これによって、容器
壁への電導が防止される。
【0062】このスタックはポリマー内張り耐食性圧力
容器内で運転される。プロピレン溶液供給原料の温度は
30℃で、圧力は7kg/cm2 ゲージ圧(100ps
ig)である。
【0063】この反応器はスタックに印加される16.
0Vと電流密度2,500A/m2とで運転される。ア
ノードでは、この電流に対応して、O2 20%、酸化プ
ロピレン76%、プロピレングリコール4%の生成物が
生じる。カソードでは、この電流に対応して、酸化プロ
ピレン80%、水10%、酸素10%の生成物が生じ
る。
【0064】例3 カソード外酸素供給が行われるバイ
ポーラスタック配列 この反応器システムを図4に示す。この反応器はバイポ
ーラ配列された5個の電極対のスタックから成り、プロ
ピレン溶液が電極対間を流れる。アノード401は焼結
された多孔質304ステンレス鋼から成り、その寸法は
厚さが3mm、その他の寸法が91.5cm(3ft)
である。アノードとカソードは隔膜403で分離されて
いる。隔膜403は5wt%のリン酸水素2ナトリウム
に浸漬された厚さ1mmのグラスウールから成る。各カ
ソードは、粉末混合物のホットプレスによって、厚さが
3mm、その他の寸法が91.5cm(3ft)に成形
された、99wt%パラジウム、1wt%テフロンの多
孔質複合材料である。アノード上で水の電気分解が起こ
り、隔膜からの水が表面付着酸素とプロトンに電気分解
される。表面付着酸素は、電極対間の帯域405を流れ
る液体供給原料に含まれるプロピレンと反応する。40
5を通る液体供給原料は、プロピレンが飽和した第3ブ
チルアルコールであり、20vol%のプロピレン/酸
素ガス同時供給原料を含む。このガスは70vol%プ
ロピレンと25vol%酸素から成る。平均流速は9
1.5cm/s(3ft/s)である。
【0065】最初のアノード反応からのプロトンは隔膜
403を通ってカソードまで拡散し、そこで酸素と反応
する。この酸素は電極対間を流れる406の液体供給原
料と同時に気相供給原料としてカソードに運ばれる。液
体供給原料に溶解しているプロピレンはカソードまで拡
散し、カソード領域で生成される過酸化物と反応する。
この化学反応は形式上は隔膜中の水の正味の消耗を生じ
ないが、隔膜には電極よりもわずかに高い圧力で407
を通じてゆっくりと脱イオン水供給を行い、電極を通る
分子拡散によって電極間液体中に失われる水を補給す
る。酸化プロピレン生成物は電解質中に溶解し、408
を通る排出電解質流とともに反応器から出ていき、蒸留
によってとり出される。主要な有機副生物はプロピレン
グリコールであり、これは抽出によって除去される。
【0066】電極対のへりは四つの側面全部に電気絶縁
性ポリプロピレンストリップ409(断面5mm×5m
m)を有し、へりにおける放電が防止される。アノード
とカソードの隣接対それぞれは304ステンレス鋼連続
ストリップ410で連結されており、このストリップは
各電極対の外周全体をめぐっており、また三つの側面が
ポリプロピレンストリップ409によってしゃへいされ
ている。これによって、電気化学反応を進行させるのに
必要なアノードとカソードとの間の電気的接続が与えら
れる。このバイポーラスタックには、外部DC電源に接
続された導線411と412により最初と最後の電極に
DC電圧を印加することによって極性が与えられる。外
部から極性が与えられる最初のアノードと最後のカソー
ドとは、外部導線に接続された304ステンレス鋼メッ
シュ413と414とを含む。このメッシュは電極を機
械的に強化し、さらにアノードとカソードの駆動面全体
にわたる均一な電圧と電流密度を保証する。均一な電場
は、スタックの四側面全部にその高さ全体にわたって固
体ポリプロピレンを使用することにも依存する。これに
よって、壁への電導が防止される。
【0067】スタックは、ポリマー内張り耐食性圧力容
器内で運転される。プロピレン溶液供給原料の温度は3
0℃で、圧力は7kg/cm2 ゲージ圧(100psi
g)である。
【0068】この反応器はスタックに印加される15.
0Vで運転され、電流密度は2,000A/m2 であ
る。アノードは、この電流に対応して、O2 20%、酸
化プロピレン76%、プロピレングリコール4%の生成
物を生じる。カソードは、この電流に対応して、酸化プ
ロピレン80%、水10%、酸素10%の生成物を生じ
る。
【0069】例4 バイポーラスタック配列/流動電解
質/プロピレン透過性アノード この連続反応器システムを図5に示す。このシステム
は、平行電極のスタックと両端の電極によりスタックに
電気的極性を与えるための装置とから成る。平行電極間
に電解質流路501が存在する。電極スタックの各ユニ
ットは、カソード502とアノード503、ガス供給流
路504と505、およびガス流を分離する隔壁506
から成る。カソード502は、99wt%パラジウムと
1wt%テフロンの粉末混合物をホットプレスすること
により、厚さが1mmでその他の寸法が91.5cm
(3ft)の導電性多孔質板とすることによって得られ
る。各アノードは、厚さが3mmでその他の寸法が9
1.5cm(3ft)の多孔質焼結304ステンレス鋼
平板である。これらの電極は厚さ3mmの304ステン
レス鋼板で分離された独立のガス供給路を有する。カソ
ード背面のガス流路は、厚さ5mmで25%の孔面積を
有する304ステンレス鋼メッシュである。この流路に
より、507を通じて供給される酸素(25vol%)
とプロピレンガス(75vol%)がカソード領域全体
に接近することが可能になり、ガスは電極の気孔を透過
し、電極流路501に向かって流出する。カソードガス
流路を定める金属メッシュはカソードと、カソードおよ
びアノードガス供給原料を分離する金属隔壁506との
間の電気伝導をも行う。反応器の各電極板には、スタッ
ク外側の電極への極性付与によって極性が与えられる。
図5において、外部から極性が与えられるアノードとカ
ソードは508と509で示される。アノード側の機械
的構成も同じである。アノード側ガス流路505も厚さ
5mmで304ステンレス鋼製であり、25%の孔面積
を有し、アノードおよびカソードガス供給原料を分離す
る金属隔壁506からアノードへの電気伝導を行う。5
10を通るガス供給原料は100%プロピレンであり、
アノード表面のプロピレン濃度を高める。
【0070】511を流れる電解質はプロピレンが飽和
した5wt%リン酸水素2ナトリウム水溶液である。こ
の電解質は迅速な物質移動を促進するために91.5c
m/s(3ft/s)で電極スタック内をポンプ輸送さ
れて、酸化プロピレン生成物の平均滞在時間が最小限に
おさえられ、プロピレングリコールへの加水分解が最小
限におさえられる。アノードで水の電気分解が起こり、
生成される表面付着酸素が電解質とプロピレンの混合物
およびアノード背面のプロピレン流からのプロピレンと
反応する。アノードで生じるプロトンは狭い(2mm)
電極間間隙501を横断してカソードまで高速拡散し、
カソードにおいてガス/電解質/カソード界面またはそ
の近傍で起こる反応にとり込まれる。供給原料から電解
質に溶解したプロピレンまたは507を通るプロピレン
/酸素カソード内ガス供給原料から溶解したプロピレン
は、カソードで生じる過酸化物と反応して、酸化プロピ
レンを生じ、かつ消費された水を再生する。全体とし
て、電解質の塩と溶剤は保存される。電解質中に溶解し
た酸化プロピレン生成物は512を通る排出電解質流と
ともに反応器から出ていき、蒸留によってとり出され
る。
【0071】スタックの電気的2極性は、外部導線51
3と514によってスタックの最初と最後の電極にDC
電圧を印加することにより誘起される。
【0072】この反応器の設計においては、二つの手段
により余分の電場が排除される。断面が17mm×17
mmで各電極板の外周をめぐるポリプロピレン電気絶縁
性ストリップ515により、へりからの電流が防止され
る。また、外側電極板の背面をポリプロピレンで絶縁
し、これらの場所からの電流が防止される。このスタッ
クは5個の電極対を有し、耐食性圧力容器内で運転され
る。温度は30℃で、電解質は7kg/cm2 ゲージ圧
(100psig)で流入する。
【0073】この反応器はスタックに印加される17.
5Vで運転され、電流密度は2,500A/m2 であ
る。アノードでは、この電流に対応して、O2 20%、
酸化プロピレン76%、プロピレングリコール4%の生
成物が生じる。カソードでは、この電流に対応して、酸
化プロピレン80%、水10%、酸素10%の生成物が
生じる。
【0074】例5 バイポーラスタック配列/流動電解
質/液体プロピレン供給原料 この例は例1に似ているが、液体プロピレンが20vo
l%で電解質とともに供給され、反応器圧力が15.4
kg/cm2 ゲージ圧(220psig)であるという
点が異なる。同様の結果が得られる。
【0075】例6 バイポーラスタック配列/カソード
内酸素供給/液体プロピレン供給原料 この例は例2に似ているが、液体プロピレンのかわりに
プロピレン溶液を使用し、反応器圧力が15.4kg/
cm2 ゲージ圧(220psig)であるという点が異
なる。同様の結果が得られる。
【0076】例7 バイポーラスタック配列/カソード
内酸素供給/液体プロピレン供給原料 この例は例3に似ているが、2vol%酸素の液体プロ
ピレンのかわりにプロピレン溶液が使用され、反応器圧
力が15.4kg/cm2 ゲージ圧(220psig)
である、という点が異なる。同様の結果が得られる。
【0077】例8 バイポーラスタック配列/流動電解
質/プロピレン透過性アノード/液体プロピレン供給原
この例は例4に似ているが、液体プロピレンが20vo
l%で電解質とともに供給され、液体プロピレンがアノ
ードガス供給路に供給され、反応器圧力が15.4kg
/cm2 ゲージ圧(220psig)である、という点
が異なる。同様の結果が得られる。
【0078】例9 炭素カソードとニッケルアノードと
を有するバイポーラスタック 図6は本発明のもう一つの実施例であり、この例はバイ
ポーラスタック配列と連続流動電解質とを含む。図6に
おいて、導線601と602はそれぞれ外部の正のDC
端子と外部の負のDC端子に接続される。各バイポーラ
ユニットはアノード603とカソード604から成る。
【0079】このアノードは3次元電極ニッケルフォー
ムであり、大きな見かけの表面積比と開放気孔構造とに
対応して高い活性を有し、電気化学反応が起こる大きな
面積を与え、かつ供給電解質605と同時供給プロピレ
ンガスとの電極領域への接近が容易である。アノードの
一つの面は流動電解質流路に接触し、他の面は充実ニッ
ケル板606にタック溶接されている。これらのアノー
ドには、初放電水素ガスに必要な負のカソード電圧より
も0.05Vだけ大きな負のカソード電圧を印加し、こ
の電位に40分間保つことによって、運転のための調整
が行われる。この時間中、スタックへの印加電圧は、一
時的に、酸化プロピレン製造のために通常加えられるも
のとは逆になる。
【0080】カソードは非触媒添加(uncataly
zed)炭素すなわち事実上異物を含まない炭素であ
り、多孔質のガス拡散電極形式のものである。一つのカ
ソード面は流動電解質607に浸漬され、他の面はガス
供給路608に接触している。ガス供給路608には、
80vol%プロピレン/20vol%酸素609が連
続供給される。電流を維持する、二つの反応物と電解質
とを含むカソード供給ガスは、反応の進行のためにカソ
ード表面の同一の要素に接近するようにしなければなら
ない。“ガス拡散”という概念は、ガスと液体がカソー
ド気孔中で多数の界面を有し、固体電極が電解質によっ
て濡らされている、ということである。ガスはカソード
表面まで拡散するのに非常に短い経路(1〜1000μ
m)を有する。カソードの比表面積は見かけの面積より
もずっと大きく(10〜1000倍)、反応速度を高め
る。カソード面では、供給ガス/電解質液体/電極固体
の著しい相互接触が起こる。
【0081】電極は幅91.5cm(3ft)、長さ1
83cm(6ft)であり、電解質は大きい寸法に平行
に流れる。ニッケルフォームとそれがタック溶接される
ニッケル板とはそれぞれ厚さ3mmである。カソードの
厚さは4mmで、カソードガス供給路の厚さは3mmで
ある。カソードガス供給路は35%孔面積の316ステ
ンレス鋼メッシュから成り、ガスの流れを可能にするも
のであり、このメッシュはカソードと、アノードがとり
つけられたニッケル板とに接触し、これらに対する機械
的支持と電気的接続とを与える。
【0082】ポリプロピレン電気絶縁材が各アノード/
カソード対の外周をめぐるストリップとして使用され、
これはカソードガス供給用のスロットを有する。この絶
縁材はスタックへりからの電流を事実上排除する。バイ
ポーラスタックはポリプロピレン絶縁材610によって
183cm(6ft)の長さにわたって包囲され、61
0は容器壁まで延びている。したがって、電流と電解質
流れとはスタック内部に拘束される。
【0083】電解質はプロピレンで飽和した10wt%
リン酸1水素2カリウム水溶液である。電解質は気体プ
ロピレンとともに供給され、ガスが20vol%を占め
る。この混合物は電極間の流路内にポンプで送られ、ス
タック内を平均流速61cm/s(2ft/s)で流れ
る。
【0084】各応器の各電極対にはスタック外側の電極
への極性付与によって極性が与えられる。
【0085】各アノードにおいて、水が電気分解され、
生成される表面付着酸素がプロピレンと電解質の混合物
からのプロピレンと反応して、酸化プロピレンを生じ
る。アノードで生成されるプロトンは容易に狭い電極間
間隙(2mm)を横断して拡散してカソードに達し、そ
こでガス/電解質/カソード界面またはその近傍におい
て酸素およびプロピレンと反応する。供給原料からの電
解質に溶解しているプロピレンまたはプロピレン/酸素
カソードガス流路供給原料から溶解したプロピレンは、
反応して酸化プロピレンを生じ、電気分解で消費された
水を再生する。全体として、電解質の塩と溶剤は実質的
に保存される。酸化プロピレン生成物は排出される電解
質とガスの流れに溶解しており、蒸留によってとり出さ
れる。
【0086】ここに示す反応器は5個の電極対を有し、
耐食性圧力容器内で運転される。温度は40℃で、電解
質の供給圧力は8.75kg/cm2 ゲージ圧(125
psig)である。
【0087】この反応器はスタックに印加される17.
5Vで運転され、電流密度は2500A/m2 である。
アノードでは、この電流に対応して、酸化プロピレン8
0%、O2 16%、プロピレングリコール4%の生成物
が生じる。カソードでは、この電流に対応して、酸化プ
ロピレン80%、水10%、酸素10%の生成物が生じ
る。
【0088】例10 炭素カソードとニッケルアノード
を有するモノポーラスタック この例は例9に似ているが、電極に、外部からの電圧印
加によって個別に極性が与えられるという点が異なる。
図7を参照されたい。一対のガス拡散炭素カソード60
4は、ガス供給路608および各カソード面およびアノ
ード603によって分離されている。ニッケルフォーム
アノードはニッケル板606の両面にタック溶接され、
機械的に強化される。その他すべての機能、寸法、およ
び構成は例9と同じである。この例は例9で述べた負電
圧の印加によるアノード調整を含む。
【0089】ここに示す反応器は9個のアノードおよび
同数のカソードを有し、耐食性圧力容器内に置かれる。
温度は30℃で、電解質の供給圧力は7kg/cm2
ージ圧(100psig)である。
【0090】この反応器はアノードとカソードとの間の
電圧4Vで運転され、電流密度は3000A/m2 であ
る。アノードでは、この電流に対応して、酸化プロピレ
ン82%、O2 14%、プロピレングリコール4%の生
成物が生じる。カソードでは、この電流に対応して、酸
化プロピレン80%、水10%、O2 10%の生成物が
生じる。
【0091】例11 炭素カソードとニッケルアノード
を有し、両電極に電極内ガス供給が行われるバイポーラ
スタック この例は例10に似ているが、アノードへのガス供給が
カソードへのガス供給と同様にしかし別個に行われる。
ガス供給路とガス供給ディストリビュータが、ニッケル
板の間に配置され、アノードとカソードガス供給路から
分離している。ガス供給路は50%孔面積のニッケルメ
ッシュによって定められ、ガスディストリビュータは多
孔質の焼結ニッケルである。アノードガス供給原料は1
00%プロピレンである。ニッケルメッシュはプロピレ
ンがアノード全領域に迅速に接近することを可能にし、
多孔質の焼結ニッケルはプロピレンをニッケルフォーム
アノードの隙間に均一に分配する。その他のすべての機
能、寸法、および構成は例9と同じである。この例は、
例9で説明した負電圧印加によるアノード調整を含む。
【0092】例12 炭素/チタンシリカライトカソー
ドとニッケルアノードを有するバイポーラスタック この例は例9に似ているが、カソードが10wt%のチ
タンシリカライトと90wt%の炭素から成るという点
が異なる。その他のすべての機能、寸法、および構成は
例9と同じである。この例は例9で説明した負電圧の印
加によるアノード調整を含む。
【0093】例13 酸素カソードとニッケルアノード
とを有し、アノード酸素をカソードで使用するための電
解質ポンプ輸送が行われ、両電極で酸化プロピレンが合
成されるセル 図8にこの例を示す。このセルは3次元ニッケルフォー
ムアノード801と、粒状炭素およびバインダーから成
る多孔質カソード802とから成る。このアノードにニ
ッケル板803にタック溶接されており、多孔ポリプロ
ピレンディストリビュータ804によってカソードから
分離されている。804を通してアノード液805が多
孔質カソードに連続的にポンプ輸送され、そこでアノー
ド液はカソード液となる。ディストリビュータ電解質流
れ抵抗は底部から頂部へと単調に低下し、単位面積あた
り大体均一なアノードからカソードへの電解質流れを与
える。カソードは、75vol%プロピレン/25vo
l%酸素供給原料807用のガスディストリビュータ8
06によって裏打ちされ、807は電解質透過面に対向
するカソード808にはいる。図8に示す構成は50回
繰返されて、バイポーラモードで動作する電極スタック
が作られる。アノードには、初放電水素ガスに必要な電
圧よりも0.05V高い負のカソード電圧を印加するこ
とによって運転のための調整がなされる。この電位は4
0分間印加される。この時間中、スタックへの印加電圧
は、一時的に、酸化プロピレン製造のために通常印加さ
れる電圧の逆になる。
【0094】ニッケル板803の厚さは3mm、フォー
ム801の厚さは5mm、ディストリビュータ804の
厚さは3mm、炭素カソード802の厚さは10mmで
ある。カソードガス供給路806の幅は5mmである。
【0095】電解質供給原料809は10wt%のリン
酸1水素2カリウム水溶液であり、10vol%の気体
プロピレンを混合されている。この原料は91.5cm
/s(3ft/s)でアノード室内に供給され、そこで
電解質の水が酸化されて酸素となり、この酸素がプロピ
レンを酸化プロピレンに酸化する。アノード電流は、酸
化プロピレン80%、プロピレングリコール4%、およ
びO2 16vol%の生成物が得られるように分配され
る。アノード液とアノード生成物は、ディストリビュー
タを通して多孔質カソード内に連続的にポンプ輸送され
る。カソードにおいて、アノードで生成されるプロトン
と、カソードガス供給原料およびアノードからの別ルー
トの廃出酸素ガスによって供給される酸素とが電子と反
応して、過酸化水素または過酸化物を生じる。次にこれ
らの過酸化物は電解質中のプロピレンおよびカソードガ
ス供給原料からのプロピレンと反応して、酸化プロピレ
ンを生じる。カソード生成物は、ここでのカソード電流
に対応して、酸化プロピレン90%、酸素5%、水5%
である。
【0096】本発明の実施に際して生じる化学反応は次
のようなものであると考えられる。
【0097】アノードにおいて、 (1) H2 O → 2e+2H+ +O (2) O+オレフィン → 酸化アルキレン
【0098】カソードにおいて、 (3) O2 +2e+2H+ → H2 2 (4) H2 2 +オレフィン → 酸化アルキレン+
2
【図面の簡単な説明】
添付の図面は本発明のいろいろな実施例を示す。
【図1】本発明を示す簡単な模式図である。
【図2】アノードとカソードとの間でカソードへのプロ
ピレン/酸素供給が行われるバイポーラスタック配列反
応器を用いる本発明の実施例を示す。
【図3】カソード内酸素供給が行われるバイポーラスタ
ック配列反応器を用いる本発明の実施例を示す。
【図4】カソード外酸素供給が行われるバイポーラスタ
ック配列反応器を用いる本発明の実施例を示す。
【図5】流動電解質、オレフィン透過性アノード、およ
びオレフィン/酸素透過性カソードを含むバイポーラス
タック配列反応器を用いる本発明の実施例を示す。
【図6】バイポーラスタック配列と連続流動電解質を含
む本発明の実施例を示す。
【図7】外部からの電圧印加により個別に極性が与えら
れる電極を有する本発明の実施例を示す。
【図7】カソードでアノード酸素を使用するように構成
された電解質流を用いる本発明の実施例を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す簡単な模式図
【図2】アノードとカソードとの間でカソードへのプロ
ピレン/酸素供給が行われるバイポーラスタック配列反
応器を用いる本発明の実施例を示す立断面図
【図3】カソード内酸素供給が行われるバイポーラスタ
ック配列反応器を用いる本発明の実施例を示す立断面
【図4】カソード外酸素供給が行われるバイポーラスタ
ック配列反応器を用いる本発明の実施例を示す立断面
【図5】流動電解質、オレフィン透過性アノード、およ
びオレフィン/酸素透過性カソードを含むバイポーラス
タック配列反応器を用いる本発明の実施例を示す立断面
【図6】バイポーラスタック配列と連続流動電解質を含
む本発明の実施例を示す立断面図
【図7】外部からの電圧印加により個別に極性が与えら
れる電極を有する本発明の実施例を示す立断面図
【図8】 カソードでアノード酸素を使用するように構成
された電解質流を用いる本発明の実施例を示す立断面
【符号の説明】 1 アノード 2 カソード 5 その間の帯域5 201,202 それぞれ外部の正のDC端子と外
部の負のDC端子とに接続される導線 203 ステンレス鋼板 204 アノード 205 カソード 207 ガス流路 301,302 それぞれ外部の負のDC端子と外
部の正のDC端子とに接続される導線 303 カソード 304 ガス流路 305 アノード 411,412 外部DC電源に接続された導線 401 アノード 403 隔膜 406 液体供給原料 513,514 外部導線 508,509 アノード,カソード 504,505 ガス供給流路 506 隔壁 601,602 それぞれ外部の正のDC端子と外
部の負のDC端子に接続される導線 603 アノード 604 カソード 801 アノード 802 カソード 804 ディストリビュータ 809 電解質供給原料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25B 11/12 C25B 11/12 (72)発明者 ロバート エヌ コクラン アメリカ合衆国 ペンシルベニア 19382 ウエスト チェスター カーライル ロ ード 310

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アノードとカソードとを有する電気化学
    反応器中で酸化アルキレンを製造する方法であって、水
    性電解質が反応器アノードで電気分解されて、酸素とプ
    ロトンが生成され、前記酸素がアノードにおいてオレフ
    ィンと反応して、酸化アルキレンが生成され、アノード
    で生成されるプロトンがアノードからカソードに運ば
    れ、カソードにおいて酸素およびオレフィンと反応し
    て、酸化アルキレンが生成されることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 アノードとカソードにおいて生成される
    酸化アルキレンが酸化プロピレンであることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 リン酸1水素2カリウム電解質が使用さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 リン酸1水素2ナトリウム電解質が使用
    されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 水混和性の有機プロピレン可溶化剤を含
    む電解質が使用されることを特徴とする請求項1に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 C4 〜C12第3アルコールを含む電解質
    が使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 第3ブチルアルコールを含む電解質が使
    用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 酸化ニッケルが使用されることを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 炭素カソードが使用されることを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 酸化アルキレン生成が10〜100℃
    で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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