JPH08225420A - 抗菌剤及びその製法 - Google Patents

抗菌剤及びその製法

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JPH08225420A
JPH08225420A JP6331644A JP33164494A JPH08225420A JP H08225420 A JPH08225420 A JP H08225420A JP 6331644 A JP6331644 A JP 6331644A JP 33164494 A JP33164494 A JP 33164494A JP H08225420 A JPH08225420 A JP H08225420A
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polar solvent
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性が高く、各種微生物に対して優れた抗
菌効果を発現し、さらに臭気や着色がほとんどなく、製
品配合上の制約がなく医薬品、化粧品、食品、工業用
品、家庭用品などの幅広い分野において汎用的に利用す
ることのできる抗菌剤を提供すること。 【構成】 ムラヤ属植物から得られる抽出物を必須成分
としてなる。ムラヤ属植物としてはゲッキツ(Murr
aya Koenigii SPRENG)又はオオバ
ゲッキツ(Murraya Exotica LIN
N)が例示され、特にこれら植物の精油残渣からの抽出
物がより好ましく使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は抗菌剤及びその製法に
係り、その目的は極めて安全性が高く、しかも各種微生
物に対して優れた抗菌効果を発現し、その上、臭気や着
色等が弱く、医薬品、化粧品、食品、工業用品、家庭用
品などの幅広い分野において利用することのできる抗菌
剤及びこのような抗菌剤を純度良く簡便に製造すること
のできる抗菌剤の製法を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】高温多湿な我が国は微生物の繁殖に適し
た風土である。このためカビや細菌による食品の腐敗、
変敗、或いは化粧品、医薬品、さらには各種工業用品の
品質劣化が問題となっている。そこで、食品や医薬品、
化粧品においては、カビや細菌による品質劣化を防ぐた
め、安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、グル
コン酸クロルヘキシジン、トリクロサン等の合成化合物
が抗菌剤又は保存料として一般に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年に至
って、消費者の間に天然物志向が急速に高まるようにな
ると、前記した安息香酸やトリクロサン等の合成化合物
からなる抗菌剤ではその安全性に問題があるため、使用
が差し控えられる傾向にある。このような実情に照ら
し、ヒノキチオールやポリリジン等の天然物からなる抗
菌剤の使用が主流となってきているが、これら抗菌剤は
カビや細菌などの多種多様な微生物に対して充分な抗菌
性を示すことができず、効果が弱いという課題が存在し
た。すなわち、前記したヒノキチオールやポリリジン等
の天然物からなる抗菌剤では、抗菌性を発現することの
できる微生物が限定されており、しかも臭気や着色等の
問題により、使用用途が限られてしまい、汎用的ではな
いという課題が存在した。そこでこの発明は、安全性が
高く、しかもカビや細菌等の各種微生物に対して優れた
抗菌効果を発現し、さらに臭気や着色がほとんどなく、
製品配合上の制約がなく医薬品、化粧品、食品、工業用
品、家庭用品などの幅広い分野において汎用的に利用す
ることのできる抗菌剤及びこのような抗菌剤を簡便且つ
効率良く製造できる方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するためになされたものであって、請求項1の抗菌剤
はムラヤ属植物から得られる抽出物を必須成分としてな
ることとした。請求項2の抗菌剤は前記抽出物が精油残
渣からの抽出物であることとした。請求項3の抗菌剤は
前記ムラヤ属植物がゲッキツ(Murraya pan
iculata Jack)又はオオバゲッキツ(Mu
rraya koenigii Spreng)である
こととした。請求項4の抗菌剤は前記抽出物が次式5
(化5)及び/又は次式6(化6)で示すカルバゾール
化合物を含有してなることとした。
【0005】
【化5】
【化6】
【0006】請求項5の抗菌剤は次式7(化7)及び/
又は次式8(化8)で示すカルバゾール化合物を有効成
分としてなることとした。
【化7】
【化8】
【0007】請求項6の抗菌剤の製法はムラヤ属植物の
全草若しくは葉、茎、地下茎、果実のうちの一部分以上
の部位を極性溶媒で一次抽出し、この一次抽出液から溶
媒を留去した抽出物をさらに極性溶媒で二次抽出して二
次抽出物を得る工程において、前記二次抽出処理前又は
処理後に抽出物を水又は水蒸気で洗浄してなることとし
た。請求項7の抗菌剤の製法はムラヤ属植物の全草若し
くは葉、茎、地下茎、果実のうちの一部分以上の部位を
極性溶媒で一次抽出し、この抽出液から溶媒を留去した
抽出物を非極性溶媒で洗浄して抽出物を得る工程におい
て、前記非極性溶媒での洗浄前又は洗浄後の抽出物を水
又は水蒸気で洗浄してなることとした。請求項8の抗菌
剤の製法はムラヤ属植物の全草若しくは葉、茎、地下
茎、果実のうちの一部分以上の部位を非極性溶媒で洗浄
し、得られた被洗浄物を極性溶媒で抽出して抽出物を得
る工程において、前記抽出処理前の被洗浄物又は処理後
の抽出物を水又は水蒸気で洗浄してなることとした。請
求項9の抗菌剤の製法はムラヤ属植物の全草若しくは
葉、茎、地下茎、果実のうちの一部分以上の部位を非極
性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中に溶解させて極性溶媒
可溶分を得、この可溶分を水又は水蒸気で洗浄して抽出
物を得ることとした。請求項10の抗菌剤の製法は前記
混合溶媒が極性溶媒と非極性溶媒とを1:99〜99:
1の割合で含有してなる混合溶媒であることとした。請
求項11の抗菌剤の製法は前記抽出物をさらに吸着剤に
より精製してなることとした。請求項12の抗菌剤の製
法は前記ムラヤ属植物の全草若しくは葉、茎、地下茎、
果実が精油抽出後の残渣であることとした。請求項13
の抗菌剤の製法は前記ムラヤ属植物がゲッキツ(Mur
rayapaniculata Jack)又はオオバ
ゲッキツ(Murraya koenigii Spr
eng)であることとした。
【0008】
【発明の構成】以下、この発明に係る抗菌剤及びその製
法の構成について詳述する。この発明の抗菌剤では、ム
ラヤ属植物から得られる抽出物を必須成分とする。ここ
で、ムラヤ属植物としては、ゲッキツ(Murraya
paniculata Jack)又はオオバゲッキ
ツ(Murraya koenigiiSpreng)
が特に望ましく使用できる。ゲッキツ(Murraya
paniculata Jack)はミカン科ムラヤ
属の芳香を有する常緑高木〜低木である。また、オオバ
ゲッキツ(Murraya koenigii Spr
eng)も同じくミカン科ムラヤ属の芳香を有する常緑
高木〜低木である。
【0009】この発明では以上のようなゲッキツ(Mu
rraya paniculataJack)又はオオ
バゲッキツ(Murraya koenigii Sp
reng)等のムラヤ属植物の全草若しくは葉、茎、地
下茎、果実などのいずれの部位でも使用でき、全草又は
一部分以上の部位からの抽出物を必須成分とする。或い
は、より望ましくはゲッキツ(Murraya pan
iculataJack)又はオオバゲッキツ(Mur
raya koenigii Spreng)等ムラヤ
属植物の葉を水蒸気蒸留して精油を採取した残渣を抽出
原料とするのが、効果の高い抗菌剤を得ることができる
ため好ましい。この場合、水蒸気蒸留における留出液量
は、原料植物の1〜20倍重量、より好ましくは2〜1
0倍重量とされる。この理由は、留出液量が原料植物の
等倍量未満であると充分な精油の抽出ができず、一方、
20倍重量を越えて使用しても精油の抽出量の増加は期
待できないため、いずれの場合も好ましくないからであ
る。
【0010】以上のような抽出原料を乾燥状態、或いは
非乾燥状態で、必要に応じて細断し、溶媒にて抽出を行
う。この発明の第一の製法では、まず極性溶媒で一次抽
出し、得られた抽出液から溶媒を溜去した後洗浄を行
い、この洗浄物を再度極性溶媒で二次抽出した後、溶媒
を溜去して抗菌剤有効成分を得る。一次抽出において使
用される極性溶媒としては、炭素数1〜5の低級アルコ
ール、炭素数1〜3の低級アルコールと脂肪酸とのエス
テル、又は炭素数1〜3のケトン類、或いはこれらの含
水物が好適に使用され、具体的にはメタノール、エタノ
ール、プロパノール、或いはこれらの含水物、酢酸エチ
ル、アセトン等が例示される。このような極性溶媒は抽
出原料に対して、重量比で1〜50倍量、より好ましく
は5〜30倍重量使用される。
【0011】抽出法としては特に限定はされず、常温で
1〜120時間程度、原料植物を極性溶媒中に浸漬させ
ておく方法であっても、或いは40〜70℃程度に溶液
を加温して抽出を行ってもよい。この一次抽出により、
原料中の有効成分を多量に抽出する。抽出後、抽出液を
減圧濃縮して溶媒を留去し、次に洗浄を行う。洗浄は水
による洗浄でも、或いは温水、水蒸気を用いた洗浄でも
よく、特に限定はされない。水又は温水を用いる場合は
抽出物に対して0.1〜50倍重量、より具体的には5
〜30倍重量の水又は温水で洗浄すればよく、水蒸気を
用いる場合はその留出液の量が0.1〜50倍重量とな
る範囲で洗浄を行う。この洗浄は数回行われる。このよ
うな洗浄工程により、水溶性の着色成分や苦み成分を除
去する。得られた洗浄物について、再度極性溶媒により
二次抽出を行う。
【0012】この二次抽出では、前記一次抽出に用いた
極性溶媒よりも極性をさらに高めた溶媒を使用するのが
望ましく、具体的には40〜90%エタノールが好適に
例示される。このように二次抽出で用いる溶媒を極性の
より高いものとするのは、一次抽出で抽出された極性の
低い共雑物を除去するためである。また、抽出は前記一
次抽出と同様に行えばよく特に限定はされない。得られ
た二次抽出液を減圧濃縮し、抗菌剤有効成分を得る。或
いはこの第一の製法では、極性溶媒による一次抽出を行
った後、抽出液から溶媒を溜去し、この抽出物をさらに
極性溶媒で二次抽出した後、得られた抽出物を洗浄して
有効成分としてもよい。以上のような第一の製法では、
一次抽出で除去されなかった極性溶媒抽出物中の共雑物
を二次抽出によりさらに精製するとともに、この二次抽
出処理前或いは処理後に洗浄を行い、抽出物中の水溶性
成分を除去し、純度の高い有効成分を得る。
【0013】第二の製法では、原料植物を極性溶媒で抽
出し、この抽出液から溶媒を留去した後洗浄し、この洗
浄物を非極性溶媒中に溶解して洗浄し、得られた被洗浄
物(残渣)を回収して抗菌剤有効成分を得る。或いは極
性溶媒抽出物を非極性溶媒中に溶解させて洗浄し、得ら
れた被洗浄物を回収した後、これを水又は水蒸気で洗浄
して抗菌剤有効成分としてもよい。抽出に用いる極性溶
媒としては前記第一の製法と同様の低級アルコールやエ
ステル、ケトン類が好適に使用できる。また抽出法や洗
浄法についても前記と同様の方法が特に限定されること
なく使用される。得られた極性溶媒抽出液を溶解させる
非極性溶媒としては、炭素数4〜12までの炭化水素
類、石油エーテル、炭素数3〜6までのエーテル、炭素
数1〜4までの含ハロゲン化合物であればよく、具体的
にはヘキサン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、四
塩化炭素、ブタジエン、クロロホルム等が例示される。
このような非極性溶媒は抽出原料に対して、重量比で
0.1〜20倍量使用される。得られた抽出液を減圧濃
縮して溶媒を留去し、抗菌剤有効成分を得る。第二の製
法では、極性溶媒による一次抽出で、原料中の有効成分
を多量に得、さらに非極性溶媒中に溶解させることによ
り、前記抽出液中に含有される共雑物を除去し、さらに
非極性溶媒による洗浄処理前又は処理後に水又は水蒸気
により洗浄を行うことによって水溶性の着色成分や苦み
成分等を除去し、より純度の高い有効成分を得る。
【0014】第三の製法では原料植物を非極性溶媒中に
溶解して洗浄し、得られた被洗浄物(残渣)を回収して
これをさらに水又は水蒸気で洗浄し、この洗浄物を極性
溶媒で抽出した後、溶媒を溜去して抗菌剤有効成分を得
る。或いは非極性溶媒にて洗浄した被洗浄物を極性溶媒
で抽出した後、得られた抽出物を水又は水蒸気で洗浄し
てもよい。用いる非極性溶媒は、前記第二の製法と同様
の炭素数4〜12までの炭化水素類、石油エーテル、炭
素数3〜6までのエーテル、炭素数1〜4までの含ハロ
ゲン化合物が好適に使用される。洗浄は水、温水、水蒸
気を用いればよく、抽出に用いる極性溶媒としては前記
第一の製法と同様の低級アルコールやエステル、ケトン
類が好適に使用できる。第三の製法では原料植物を非極
性溶媒中に溶解させて洗浄することにより、非極性溶媒
に溶解性を示す共雑物を除去し、ここで得られた被洗浄
物を次いで極性溶媒により抽出して極性溶媒に溶解する
有効成分を得るとともに、この極性溶媒による抽出の処
理前又は処理後に水又は水蒸気で洗浄することにより、
被洗浄物又は抽出液中に含まれる水溶性の着色成分や苦
み成分を除去し、より純度の高い有効成分を得る。
【0015】第四の製法では原料植物を非極性溶媒と極
性溶媒との混合溶媒中に溶解し、このうちの極性溶媒可
溶分を回収した後、この可溶分を水又は水蒸気で洗浄し
て有効成分を得る。用いる非極性溶媒と極性溶媒との混
合溶媒は、非極性溶媒と極性溶媒とが1:99〜99:
1の割合で混合されているものがいずれのものでも使用
できるが、より望ましくは極性溶媒と非極性溶媒とが層
分離するようそれぞれの溶媒を用いるのが好ましい。こ
の理由は、混合溶媒中の極性溶媒と非極性溶媒とが互い
に混じり合ってしまうと、この発明の目的とする純度の
高い有効成分を回収することができず、好ましくないか
らである。また、用いる非極性溶媒は前記同様の炭素数
4〜12までの炭化水素類、石油エーテル、炭素数3〜
6までのエーテル、炭素数1〜4までの含ハロゲン化合
物が好適に使用され、極性溶媒も低級アルコールやエス
テル、ケトン類が好適に使用できる。さらに、洗浄は
水、温水、水蒸気を用いればよく、特に限定はされな
い。この第四の製法では非極性溶媒と極性溶媒との混合
物中に原料植物を溶解させ、原料植物中の成分を極性溶
媒可溶分と不溶分とに分別し、この混合溶媒への溶解に
より、成分を極性溶媒、非極性溶媒可溶分とに一度で分
別して非極性溶媒可溶分を含まない極性溶媒可溶分を回
収し、これをさらに水又は水蒸気で洗浄して極性溶媒可
溶分中に含有される水溶性の共雑物を除去し、より純度
の高い有効成分を得る。
【0016】さらにこの発明では前記第一乃至第四の製
法において、得られた有効成分をさらに吸着剤により精
製する工程に供してもよい。使用される吸着剤として
は、活性炭、ケイソウ土、活性アルミナ、カオリン、珪
酸カルシウム、活性白土、シリカゲル等が好適に例示で
きる。吸着剤の使用量は被処理物に対して0.001〜
1倍重量、より望ましくは0.1〜0.3倍重量使用さ
れる。
【0017】以上のような製法により、ムラヤ属植物か
ら抗菌剤有効成分を得ることができるが、この有効成分
中には次式9(化9)及び/又は次式10(化10)で
示すカルバゾール化合物が含有されている。
【化9】
【化10】
【0018】上記カルバゾール化合物は、抗菌剤として
の効果を充分に発現させるため抽出物中に1〜50%程
度含有されていることが望ましい。この発明では、上記
したような有効成分を単独で用いて抗菌剤としてもよ
く、或いはこの発明の効果を損なわない範囲で他の公知
の抗菌剤、保存料成分、例えばヒノキチオール、安息香
酸等と組み合わせて用いて抗菌剤としてもよく、特に限
定はされない。さらに、抗菌剤の剤型としては特に限定
はされず、溶液状、ペースト状、粉末状、ブロック状な
どいずれの剤型にも適宜調製することができる。また、
この発明の抗菌剤有効成分は水溶性状態でも、或いは有
機溶媒に溶解した状態でもいずれでも安定して抗菌効果
を発現するため、剤型の選択には限定されず、担体に担
持させてその蒸気圧を利用して徐放する剤型にも調製す
ることができる。しかも、この有効成分は着色や臭気が
ほとんど認められないため、製品配合において制限がな
く、食品、医薬品、化粧品、工業用品、家庭用品などの
幅広い分野で利用することができる。
【0019】
【実施例】以下、この発明に係る抗菌剤の効果を実施例
を挙げることにより一層明確に詳述する。但し、この発
明は以下の実施例には限定はされない。
【0020】(実施例1)オオバゲッキツ(Murra
ya paniculata Jack)の葉1Kgを
20Kgのメタノールにて、常温で一昼夜抽出し、一次
抽出液を得た。この一次抽出液を減圧濃縮して溶媒を留
去して一次抽出物120gを得た。この抽出物に80℃
の温水500gを加えて攪拌し、水層と樹脂状固形分層
とに分離するまで静置した。水層をデカンテーションに
より分離、除去し、この工程を3回繰り返した。次に分
離した樹脂状固形分層に80%エタノール溶液500g
を加えて、常温で一昼夜抽出を行った。抽出後、減圧濃
縮して溶媒を留去し、約60gの抽出物を得た。
【0021】(実施例2)オオバゲッキツ(Murra
ya koenigii Spreng)の葉1Kgを
20Kgのメタノールにて、常温で一昼夜抽出し、一次
抽出液を得た。この一次抽出液を減圧濃縮して溶媒を留
去して一次抽出物120gを得た。この抽出物に80℃
の温水500gを加えて攪拌し、水層と樹脂状固形分層
とに分離するまで静置した。水層をデカンテーションに
より分離、除去し、この工程を3回繰り返した。次に分
離した樹脂状固形分層にヘキサン150gを加えて、常
温で一昼夜抽出を行った。抽出後、濾過して残渣を乾燥
させて、約50gの抽出物を得た。
【0022】(実施例3)オオバゲッキツ(Murra
ya koenigii Spreng)の葉1Kgを
20Kgのメタノールにて、常温で一昼夜抽出し、一次
抽出液を得た。この一次抽出液を減圧濃縮して溶媒を留
去して一次抽出物120gを得た。この抽出物を水50
0gと酢酸エチル500gとで分液し、酢酸エチル層を
濃縮乾固して、さらにシリカゲルクロマトグラフィー
(benzene:AcOet=10:1〜5:1)に
より分画し、次いでODSカラムクロマトグラフィー
(H2 O:CH3 CN=2:8)により分画し、次式1
1(化11)で示す化合物400mgと次式12(化1
2)で示す化合物4200mgをそれぞれ単離した。次
式11(化11)及び次式12(化12)で示す化合物
は、磁気共鳴スペクトル分析を行い、そのチャートと標
準品の同チャートとを比較対照した結果、それぞれIs
omahanine、Murrayanolであると同
定した。それぞれの磁気共鳴スペクトル(NMR)のチ
ャートを図1(Isomahanine)、図2(Mu
rrayanol)として示す。
【化11】
【化12】
【0023】
【試験例】前記実施例1〜3で得られた抽出物について
各種腐敗菌に対する最小発育濃度を測定した。使用菌株
としてはStapylococcus aureus
FDA 209P、Bacillus subti
lis IAM 1213、Clostridium
perfringens GM Sakaiの3種を
用いた。まず、液体培地4mlが入った試験管に濃度を
段階的に変化させた実施例1〜3で得られた抽出物を
0.04mlずつ加え攪拌した。これに前培養した各種
菌液0.04mlを添加し、攪拌した。この試験管を3
7℃で1日間培養した後、この培養液の550nmでの
吸光度を測定し、検体の最小発育濃度を測定した。この
結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1の結果から明らかな如く、実施例の抽
出物は腐敗菌に対して強い抗菌効果があることが判る。
また、実施例1〜3の抽出物はそれぞれ同等の抗菌効果
を示しているから、Isomahanine、Murr
ayanolといった化合物以外の抽出物含有物の成分
間相互によっても抗菌効果が発現されることが判る。
【0026】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明はムラヤ属
植物から得られる抽出物を必須成分としてなることを特
徴とする抗菌剤であるから、前記試験例の結果からも明
らかな如く、極めて安全性が高く、しかも各種微生物に
対して優れた抗菌効果を発現し、その上、配合製品に臭
気や着色等を付与することがないから、医薬品、化粧
品、食品、工業用品、家庭用品などの幅広い分野におい
て汎用的に利用することができるという優れた効果を奏
する。またこの発明はムラヤ属植物の全草若しくは葉、
茎、地下茎、果実のうちの一部分以上の部位を極性溶媒
で一次抽出し、この一次抽出液から溶媒を留去した抽出
物をさらに極性溶媒で二次抽出して二次抽出物を得る工
程において、前記二次抽出処理前又は処理後に抽出物を
水又は水蒸気で洗浄してなることを特徴とする抗菌剤の
製法であるから、医薬品、化粧品、食品、工業用品、家
庭用品などの幅広い分野において汎用的に利用すること
ができる抗菌剤有効成分を、より純度の高い状態で簡便
且つ効率良く製造することができるという優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3において得られた化合物Isomah
anineの磁気共鳴スペクトル(NMR)分析の結果
を示すチャート図である。
【図2】実施例3において得られた化合物Murray
anolの磁気共鳴スペクトル(NMR)分析の結果を
示すチャート図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ムラヤ属植物から得られる抽出物を必須成
    分としてなることを特徴とする抗菌剤。
  2. 【請求項2】前記抽出物が精油残渣からの抽出物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の抗菌剤。
  3. 【請求項3】前記ムラヤ属植物がゲッキツ(Murra
    ya paniculata Jack)又はオオバゲ
    ッキツ(Murraya koenigii Spre
    ng)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    抗菌剤。
  4. 【請求項4】前記抽出物が次式1(化1)及び/又は次
    式2(化2)で示すカルバゾール化合物を含有してなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に
    記載の抗菌剤。 【化1】 【化2】
  5. 【請求項5】次式3(化3)及び/又は次式4(化4)
    で示すカルバゾール化合物を有効成分としてなることを
    特徴とする抗菌剤。 【化3】 【化4】
  6. 【請求項6】ムラヤ属植物の全草若しくは葉、茎、地下
    茎、果実のうちの一部分以上の部位を極性溶媒で一次抽
    出し、この一次抽出液から溶媒を留去した抽出物をさら
    に極性溶媒で二次抽出して二次抽出物を得る工程におい
    て、前記二次抽出処理前又は処理後に抽出物を水又は水
    蒸気で洗浄してなることを特徴とする抗菌剤の製法。
  7. 【請求項7】ムラヤ属植物の全草若しくは葉、茎、地下
    茎、果実のうちの一部分以上の部位を極性溶媒で一次抽
    出し、この抽出液から溶媒を留去した抽出物を非極性溶
    媒で洗浄して抽出物を得る工程において、前記非極性溶
    媒での洗浄前又は洗浄後の抽出物を水又は水蒸気で洗浄
    してなることを特徴とする抗菌剤の製法。
  8. 【請求項8】ムラヤ属植物の全草若しくは葉、茎、地下
    茎、果実のうちの一部分以上の部位を非極性溶媒で洗浄
    し、得られた被洗浄物を極性溶媒で抽出して抽出物を得
    る工程において、前記抽出処理前の被洗浄物又は処理後
    の抽出物を水又は水蒸気で洗浄してなることを特徴とす
    る抗菌剤の製法。
  9. 【請求項9】ムラヤ属植物の全草若しくは葉、茎、地下
    茎、果実のうちの一部分以上の部位を非極性溶媒と極性
    溶媒との混合溶媒中に溶解させて極性溶媒可溶分を得、
    この可溶分を水又は水蒸気で洗浄して抽出物を得ること
    を特徴とする抗菌剤の製法。
  10. 【請求項10】前記混合溶媒が非極性溶媒と極性溶媒と
    を1:99〜99:1の割合で含有してなる混合溶媒で
    あることを特徴とする請求項9に記載の抗菌剤の製法。
  11. 【請求項11】前記抽出物をさらに吸着剤により精製し
    てなることを特徴とする請求項6〜10のうちのいずれ
    かに記載の抗菌剤の製法。
  12. 【請求項12】前記ムラヤ属植物の全草若しくは葉、
    茎、地下茎、果実が精油抽出後の残渣であることを特徴
    とする請求項6〜11のうちのいずれかに記載の抗菌剤
    の製法。
  13. 【請求項13】前記ムラヤ属植物がゲッキツ(Murr
    aya paniculata Jack)又はオオバ
    ゲッキツ(Murraya koenigii Spr
    eng)であることを特徴とする請求項6〜12のうち
    のいずれかに記載の抗菌剤の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002032440A1 (en) * 2000-10-16 2002-04-25 Council Of Scientific And Industrial Research Murraya koenigii extracts for treating asthma
WO2004054391A1 (en) * 2002-12-18 2004-07-01 Council Of Scientific And Industrial Research A process for the preparation of antioxidant conserve from indian curry leaves (murraya koenigii spreng.)
US20090104297A1 (en) * 2006-03-29 2009-04-23 Piramal Life Sciences Limited Herbal composition for treatment of infections caused by dermatophytes

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