JPH0822372B2 - 複合多孔質膜 - Google Patents

複合多孔質膜

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JPH0822372B2
JPH0822372B2 JP1161872A JP16187289A JPH0822372B2 JP H0822372 B2 JPH0822372 B2 JP H0822372B2 JP 1161872 A JP1161872 A JP 1161872A JP 16187289 A JP16187289 A JP 16187289A JP H0822372 B2 JPH0822372 B2 JP H0822372B2
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porous membrane
fluororesin
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composite porous
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政博 上林
順平 森田
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Nitto Denko Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はフッ素樹脂のみからなる複合多孔質膜の改良
に関するものである。
〈従来の技術〉 多孔質膜は各種分野における浄化処理に使用されてい
るが、特にICまたはLSI製造プロセスにおける微細加工
技術分野で必要とされる薬品の清浄化では、金属溶出の
少ない耐薬品性に優れた多孔質膜が必要であり、かかる
要件を満す多孔質膜としてはフッ素樹脂が有望である。
ところで、フッ素樹脂多孔質膜、特に四フッ化エチレ
ン樹脂製多孔質膜は機械的強度に劣るので単独使用は難
しく、支持体との複合形態で使用することが通常であ
る。而して、フッ素樹脂のみからなる複合多孔質膜とし
て、フッ素樹脂多孔質膜とフッ素樹脂繊維支持体との複
合体が公知であり、その複合化手段としては、(1)フ
ッ素樹脂繊維支持体例えばフッ素樹脂繊維織布とフッ素
樹脂多孔質膜との全接触部分を熱融着するもの(実開昭
56-17124号公報)、(2)フッ素樹脂多孔質膜でフッ素
樹脂支持体をサンドイッチ状に挾み、端部のみを熱融着
によりシールするもの等が知られている。
〈解決しようとする課題〉 しかしながらフッ素樹脂の融着は困難であり、フッ素
樹脂繊維支持体とフッ素樹脂多孔質膜との全接触面を加
圧融着する(1)の場合は、その接触面積が広く、かつ
繊維交点とその交点以外の部分とでは受圧条件が異なる
ために過酷な加圧・加熱を行なわければならず、フッ素
樹脂多孔質膜の損傷が懸念される。(2)の場合、多孔
質膜損傷の懸念はないが、融着する端部において、フッ
素樹脂多孔質膜間にフッ素樹脂支持体が介在するから、
(1)と同様過酷な加圧・加熱を行なわなければなら
ず、膜のみが熱収縮を起こし、端部シールの信頼性に欠
け、しかも(1)の場合とは異なり作業の連続化が難か
しく、作業の複雑化も避けられない。
また、(1)の場合は、フッ素樹脂支持体に融着され
るフッ素樹脂多孔質膜の面積が大きく、この部分の膜面
が閉塞されてしまうので、それだけ有効膜面積が削減さ
れ、透過性能の低下を避け得ない。(2)の場合、かか
る不利は排除できるが、膜と支持体とが一体化されてい
ないので、フイルターの使用時に膜の微小移動が発生
し、給水のオン・オフ時には支持体により膜が擦られて
機械的ダメージを受け易く、特に、加工時にしわが入っ
た部分においては、この影響が大きく膜破損の懸念があ
る。
更に、上記(2)の場合、支持体が膜面に一体化され
ていないため、支持体に繊維の編物ネットを使用する場
合、繊維が解け易いといった不合理もある。本発明の目
的は(1)の場合の不利益並びに(2)の場合の不利益
を排除できるフッ素樹脂製の複合多孔質膜を提供するこ
とにある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明に係る複合多孔質膜は、フッ素樹脂製編物ネッ
トとフッ素樹脂製多孔質膜とを積層し、上記ネットを交
点のみにおいて上記多孔質膜に融着したことを特徴とす
る構成であり、編物ネットのタテ糸とヨコ糸とは交点に
おいて摺動可能とすることが好ましい。
〈実施例の説明〉 本発明において使用するフッ素樹脂製多孔質膜は特に
四フッ化エチレン樹脂製である。その膜厚、孔径は処理
物の種類、濾過目的に応じて選定するが通常、膜厚5〜
50μm、孔径0.01〜10μmである。
本発明において、フッ素樹脂製編物ネットには、四フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピ
レン共重合樹脂(FEP)、エチレン−四フッ化エチレン
共重合樹脂(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTF
E)、エチレン−三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(ECT
FE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVdF)、フッ化ビニル樹
脂(PVF)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EP
E)等の熱可塑性フッ素樹脂、含フッ素共重合樹脂を使
用できる。特に好ましくは、耐薬品性、耐熱性の点でPF
A、FEP、EPE、ETFE、PCTFE、ECTFE、特にPFA、FEP、EPE
である。
この編物ネットの強度としては、濾過圧によって容易
に形崩れしない程度の剛性を付与すればよく、通常厚さ
は0.1〜1.0mm、網目の寸法は0.1〜5.0mm2程度である。
この寸法は、後述するように融着時の糸の切断防止、繊
維間の融着防止にも適合する寸法である。編物ネットの
ヨコ糸またはタテ糸には、単繊維、より線あるいはこれ
らの混成を使用できる。
本発明に係る複合多孔質膜においては、編物ネットの
交点のみが多孔質膜に融着されているから、前記(1)
の場合に較べ、ネットによる膜面の閉塞面積が小さく、
膜面有効面積を大きくとり得、秀れた透過性能を呈す
る。
編物ネットは多孔質膜を機械的に補強し、多孔膜の取
扱い性、つまり、フイルター化の作業性を向上させる
他、濾過時のスペーサ(透過液通路を確保)としても機
能する。而るに、このスペーサ上に濾過膜としての多孔
質体が部分的融着によりたるみなく張設されており、膜
はその表面がほぼ平坦であり、かつ濾過圧に対する機械
的強度も大であるから、前記(1)の場合(ネットの全
面に膜を融着するために、膜表面にネットの凹凸が現れ
る)または前記(2)の場合(ネットと膜とが一体化さ
れていないので、濾過圧に対する機械的強度が小)とは
異なりスケール等の付着なく、長期にわたって安定な透
過性が期待できる。
本発明に係る複合多孔質膜においては、編物ネットの
交点は多孔質膜に融着されているが、ネットのタテ糸と
ヨコ糸とは実質的に結着させないことが好ましい。この
場合、結着する場合の交点の高加圧を排除でき、低加圧
として交点を嵩高く保持できるので、スペーサ効果もよ
く確保できるので、前記(1)の場合に較べ、通液性に
優れ集液に方向性もない。また、多孔質膜の厚さに較べ
て編物ネットの厚さが著しく大であるので、複合多孔質
膜全体の撓み性は編物ネットの曲げ剛性によって実質的
に定まってしまうが、タテ糸とヨコ糸とを結着せずに相
互に摺動可能とする場合は、編物ネットの曲げ剛性を小
にできるので、複合多孔質膜全体の可撓性をよく保証で
き、かかる点からも取扱いが容易である。更に、ネット
が多孔質膜に融着されているから、ネットの解けも回避
でき、前記(2)の場合に較べ、取扱いが容易である。
本発明に係る複合多孔質膜はゴムロールと、表面の面
精度が高い鏡面仕上げのメタルロールを用い、フッ素樹
脂製多孔質膜をメタルロールに接触させるように複合材
料を300℃以上の高温下にて高速でロール加圧する方法
により製造できる。この方法によれば、ネットの交点が
嵩高であるために、この交点がロールを通過する際、そ
の交点箇所の圧力が局部的に高くなり、当該箇所のフッ
素樹脂多孔質膜が緻密化して加熱メタルロールからの熱
がその交点によく伝達され、交点箇所と多孔質膜との接
触部位が融着されるのである。この場合、ネットの糸が
細過ぎたり、ネットの目が小さ過ぎると糸の切断、ある
いは交点でのヨコ糸・タテ糸間の融着が生じるので、ネ
ッとには厚さ0.1〜1.0mm、目の孔面積0.1〜5.0mm2程度
のものを使用している。
〈発明の効果〉 本発明に係る複合多孔質膜は、全体がフッ素樹脂製で
あり、耐薬品性、耐熱性に優れ、金属溶出等の問題がな
く、0.01μ〜10μといった非常に小さな粒子を含む液の
濾過処理が可能であり、しかも、上記したように、膜面
の有効面積を大きくとれる、長期にわたって安定な透過
性を保持できる、通液性に優れ集液に方向性がない、取
扱いが容易である等の利点がある。従って、本発明はLS
I製造プロセス等で使用する薬剤等の精製に特に有効で
ある。
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 平均孔径0.2μm、厚さ50μmのポリテトラフルオロ
エチレン多孔質膜と線径300μm、目の大きさ4mm2四フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体樹脂編物ネットを重ね、表面温度370℃のメタル
ロールとゴムロールとの間に通した。
得られた複合多孔質膜の特性は、エタノール透過流
束:25℃において6.5ml/cm2/min(測定圧力:0.32kg/c
m2、ASTMF317-72に準ずる)、エタノールバルブポイン
ト:1.20kg/cm2(ASTMF316-70に準ずる)であった。
実施例2 フッ素樹脂製多孔質膜として平均孔径0.5μm、厚さ4
0μmのポリテトラフルオロエチレン多孔質膜を使用
し、ネットには線径200μm、目の大きさ、2.5mm2のエ
チレン−四フッ化エチレン共重合樹脂編物ネットを使用
し、ロール温度を320°とした。
得られた複合多孔質膜の特性は、エタノール透過流
束:25℃において13.8ml/cm2/min(測定圧力:0.32kg/c
m2)、エタノールバブルポイント:0.87kg/cm2であっ
た。
実施例3 フッ素樹脂製多孔質膜として平均孔径3.0μm、厚さ1
5μmのポリテトラフルオロエチレン多孔質膜を使用
し、ネットには線径300μm、目の大きさ、5mm2の四フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体樹脂編物ネットを使用し、ロール温度は370℃と
した。
得られた複合多孔質膜の通気度は8.3cc/cm2/sec(測
定圧力:12.7mmH2O.JISL1096-1979に準ずる)。
以上、何れの実施例品の特性とも、各実施例における
ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜単独の特性と比較
して遜色がなく、フッ素樹脂製多孔質膜をその透過性能
を保持したままでフッ素樹脂製編物ネットで補強し得
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂製編物ネットとフッ素樹脂製多
    孔質膜とを積層し、上記ネットを交点のみにおいて上記
    多孔質膜に融着したことを特徴とする複合多孔質膜。
  2. 【請求項2】編物ネットのタテ糸とヨコ糸とが交点にお
    いて摺動可能とされている請求項1記載の複合多孔質
    膜。
JP1161872A 1989-06-24 1989-06-24 複合多孔質膜 Expired - Lifetime JPH0822372B2 (ja)

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JP1161872A JPH0822372B2 (ja) 1989-06-24 1989-06-24 複合多孔質膜

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JPH0326324A JPH0326324A (ja) 1991-02-04
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JPH0326324A (ja) 1991-02-04

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