JP4152525B2 - 濾過膜支持用織物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は特にフッ素繊維により織製された特定断面形状をもってなる改良された濾過膜支持用織物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に高分子物質により製膜された濾過膜(多孔質膜)は、多機能分離膜として被濾過体(気体、液体)の分離に使用されている。該濾過膜はモジュ−ルとして組み込まれるが、その際に該多孔質膜自身を支持(補強、保護)したり、被濾過物の整流性を良くしたりするために支持用部材が併用される。
【0003】
ところで該支持部材としては、種々の材料と共に種々の使い方(形状、組み込み方)がある。種々の材料の中で耐熱性、耐薬品性に優れていることからフッ素系樹脂が好ましく選ばれる。そしてこれの使い方は、例えば不織布状、編状又は織状にしたシ−ト状繊維を濾過膜に貼合して使うものであるが、中でも特に整流性の点では編状又は織状、より好ましくは織状シ−トを支持部材とするの良い。この編・織の支持部材については、例えば特開平9−38410号公報に開示されている。
そして該編物または織物シ−トを濾過膜に組み込む方法は、そのまま該膜のワンサイド又は両サイドに添装して平坦状で組み込むこともあれば、該添装して平坦状に重層した物をプリ−ツ状に加工しこれを組み込む場合もある。
【0004】
前記プリ−ツ状で組み込む場合の例としては、例えばフイルタ−カ−トリッジの濾過材としての使用がある。これは2枚の該織物を濾過膜に挟持してプリ−ツ状に折り畳んで円筒状に丸めて該カ−トリッジに嵌挿すると言うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記濾過膜にフッ素繊維による織物又は編物シ−トを重層する場合、該シ−トが該膜面に親和的に貼着されることは好ましいことではあるが、しかしあまりも密着される状態での貼着は被濾過体の通過性を悪くし、整流も好ましく行われないことになる。
またこの重層に際して問題になるのは、該膜自身が極めて薄いために,たとえ織物又は編物シ−トであっても、その表面によって押し傷が着き易いことである。この押し傷は、該膜と該シ−トとを重層する場合は勿論、加圧下での濾過操作中にも着く場合がある。従って該織物シ−トを支持体とする場合でも、二律背反的で十分に満足されるものにはなっていないのが実状である。
また前記プリ−ツ状での使用の場合は、濾過面積が大きくなり被濾過体の濾過効率はアップするが、しかし濾過時間の経時に連れプリ−ツ間隔が狭くなり(例えば除々に収縮することにより)、効率的流路の確保が困難になる危険性もある。
【0006】
本発明は、前記濾過膜の各種支持部材の中で、より好ましい織状シ−トに関し、更なる改良、つまり該膜との適度の貼着性をもってこれを支持し、耐押し傷性のより一層の向上と、プリ−ツ状での使用の際に見られる収縮によるプリ−ツ間隔の変化に対する濾過効率の低下の抑制を主たる解決課題として、鋭意検討した結果見い出されたものである。これは次の手段によって容易に解決する事ができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、請求項1に記載する手段によるものである。つまり経又は緯の一方が他方よりもより大きくクリンプされるように、太さの異なる経と緯とのフッ素系繊維で織製された濾過膜支持用織物であって、織製が朱子組織と変化平織組織又は変化斜文織組織との混合組織よりなり、該織物の一面の有する中心線平均粗さが0.5〜40μmに対して、他面のそれが1.5〜15倍の粗さをもって断面平凸形状を有している濾過膜支持用織物によるものである。そしてこの請求項1に従属して請求項2〜3も合わせて提供し、好ましい発明としても提供するものである。以下本発明を次の実施形態で詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施形態】
まず素材となるフッ素系繊維は、溶融紡糸性能を有するフッ素系樹脂、例えばテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン又はパ−フルオロアルキルビニルエ−テルとの二元コポリマ、エチレンとテトラフルオロエチレン又はクロロトリフルオロエチレンとの二元コポリマ、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレンの単独ポリマ等を使って、所定形状(断面形状、口径)の口金から溶融押し出しすることで得る。ここで押出後は、延伸し更に熱収縮防止のための熱処理を行っておくことも好ましことである。
【0009】
そして前記フッ素系繊維でもって、まず濾過膜支持用織物が織製されるが、その第一の条件は、経又は緯の一方が他方よりもより大きくクリンプ(屈曲)されるような太さの異なる少なくとも2本の該繊維が使われることである。これにより得られる該織物の一面が凸的で、他面が平的になっている。この様な形状の該織物にすることで前記欠点、例えば両面共に凸的の場合に見られる濾過膜に押し傷がつけられ易いとか
、逆に両面共に平的な該織物で、特にプリ−ツ状(蛇腹状)濾過材として使用する時に見られる被濾過物の通過効率の低下傾向の危険性が解消される方向に大きく作用することになる。
この様な断面平凸的な形状の該織物は、基本的には経又は緯糸として使ういずれかのフッ素系繊維の太さを変えることで得られる。ここで該繊維の断面形状は、異形断面でも良いが、円形に近い程好ましい。これは特にエッジの多い異形断面の繊維では
、仮に該織物が平凸的断面形状であっても濾過膜面への損傷の危険性が高くなるからである。
また該繊維は、経、緯いずれも数本程度合わせたマルチフィラメントでも良いが、モノフィラメントである方が好ましい。これは該織物がより理想的な平凸的形状て得られ易くなるからである。
【0010】
しかし前記の通り平凸的断面形状を有する濾過膜支持用織物であっても、前記する本発明の課題が十分に満足される状態で解決されないので、更に第二の条件として、該平凸的断面形状を次の様に特定することで解決される。つまり該織物の一面の有する中心線平均粗さ(以下Raと呼ぶ)が5〜40μm、好ましくは7〜35μm(平面的側に相当し濾過膜面に接する面)であるのに対して、他面のそれが1.5〜15倍、好ましくは3〜12倍の粗さよりなる凸状面(濾過膜面に接しない面)を有する織物によって達成されるのである。
【0011】
前記のように特定されるのは次のような理由による。まず平面的側のRa=5〜40μmは次の通りである。濾過膜はこの平面側に貼合して支持することになることから、理想的にはこのRaは可能な限り小さく平滑である方が該膜に押し傷もつかず、支持効果も大きいのでよいことになる。しかしあまりにも平滑であると、より密着状態になるので被濾過体の広がりが緩慢になり、その結果整流も悪く濾過効率の低下を招くことになる。この濾過効率の低下もなく、且つ該膜に押し傷もつけない最低のRaが5μmと言うことである。従って上限の40μmは、該膜に押し傷の点で、これよりも大きいと該押し傷を着けやすくなることで避ける必要があることで設定されとものである。
【0012】
一方前記平面的側Ra=5〜40μmに対して、凸的面側がRa=1.5〜15倍(7.5〜600μm)に特定されるのは、次の理由によるものである。まず1.5倍よりも小さいと被濾過体の透過面積が小さくなる方向に傾くこと。そして前記するように特にプリ−ツ状で支持する場合、プリ−ツの隙間が狭くなる場合に見られる被濾過体の透過性の低下である。つまり被濾過体の透過効率の低下を招くようになる。しかし逆に15倍よりも大きくあまりにも凸状であると、特にプリ−ツ状で支持する場合、プリ−ツの隙間が狭くなった場合、相互に押さえ合うことになり、その結果その大きな突起が間接的ではあるが、透過膜を押しつけることになり、その結果押し傷をつけると言う危険を招くので避けねばならない。
尚Raは、JIS B0601−1982により株式会社東京精密製の表面粗さ測定機サ−フコム575A−3Dにて測定した値である。
【0013】
次に前記特定される濾過膜支持用織物の織製手段について例示する。
まず織製組織については、前記条件を達成するものであれば特定はされないが、中でも効果的組織は朱子組織、更により効果的組織は該朱子組織と変化平織組織又は変化斜文織組織とのいずれかの混合組織である。
そしてモノフィラメントとしての太さについては、緯糸に細糸を、経糸に太糸を使用するとして説明する。まず緯糸では太さ50〜150μm、好ましくは60〜120μmの範囲にあるフッ素系モノフィラメントを、そして経糸は太さ75〜525μm(該緯糸の1.5〜3.5倍)、好ましくは100〜450μmのモノフィラメントを使い、この中で両者太さが違うように適宜選らぶことになる。斯く経緯の糸の太さが数値で例示されるのは、前記Raを有する断面平凸形状の織物を織製するのにより効果的であることによる。その理由は、まず緯糸に関し50μmより小さいと支持用織物としての好ましい形状保持性とか、好ましい平凸面の付与の点で悪い方向に傾く。逆に150μmよりも大きいと経糸との差が小さくなり両面平面状の織物になり易い。一方、経糸として75μmより小さいと緯糸との差が小さくなり片面凸状を有する織物になりにくい。逆に525μmよりも大きいと緯糸との差が極めて大きく両面凸的面になり、しかも厚く硬い織物になり支持部材そのものとしても使用できないものになると言うことからである。
尚ここで該糸の太さは断面が円形である場合には実直径であるが、異形断面の場合にはその断面の全てを覆うように描かれる仮想円で最小の仮想直径をもって太さとする。
【0014】
前記太さの異なるモノフィラメントの製造手段は、異径のノズルを使うのも良いが、それよりも同径のノズルから紡糸した後、延伸と言う方法によって倍率を変えることで行うのが良い。
【0015】
かくして得られた太さの異なる経緯糸は、例えば前記好ましい朱子組織で、又はより好ましく例示する該組織と変化平織組織又は変化斜文組織との混合組織をもって織られ、目的とする濾過膜支持用織物を得る。
ここで該朱子組織を主体とする組織を詳細に説明すると次の通りである。まず該組織の基本的は経緯糸の組合せが連続することなく、一定の間隔で配置された組織であり、表面に経糸が多く現れるものを経朱子、反対を緯朱子と言っている。これを図解すると、例えば図1に示すように浮糸構造(1本の糸について、直交する糸との交点が遠く離れている状態)を有し、この浮き(クリンプ)1が多数集合されることでその面全体が平面状態になり、反対面の浮かない糸2の飛び集合でその面は凸面状態が形成される。つまり浮き糸の多い朱子組織を主体で織ることで本発明の織物の一面を構成する平的面が得やすくなると言うことである。具体的には5枚朱子とか、8枚朱子がある。5枚朱子は、2飛びと3飛び(2つの数を加えると5になって公約数を含まない2と3を飛数という)の2種がある。8枚朱子は、これを平面模型図で例示したものが図2である。(A)は上へ、Bは右へ、Cは左から上へ、Dは左へ3飛することを示している。これらの他に5飛もある。斯く朱子組織にて織れば、本発明にいうRaを有する織物になる。
【0016】
更には前記図2の朱子組織を若干変化させたものとして、図3の(E)〜(G)に例示する変化(変則)朱子組織がある。該組織は図1の朱子組織よりも、全体が若干しっかりして織られるので、取扱い易い(組織が乱れにくい)とか、摩擦に対して若干強い傾向にあるということで、この変化朱子組織の方が好ましいと言える。
尚該組織の朱子は、2個以上の飛び数をもって組織点を不規則に配置するが、朱子の外観を保ちしかも朱子線を現さないというものであり、(E)は6枚の変化朱子織り、(F)と(G)とは8枚の変化朱子織りを示す。
【0017】
更に前記変化朱子組織の他に、図4の(H)〜(I)に例示する朱子組織と変化平織組織との混合組織がある。該混合組織は該変化朱子組織よりも更に目ずれのない織物になり、取扱い、支持性、耐摩擦性等に優れたものになるので、より好ましいものとして例示できる。この(H)、(I)は浮き糸構造を有する朱子組織と変化平織り織との組合せを基本とし、ところどころに畦をもたせた組織にしている。この畦(Rib)は、前記効果のより一層の向上に寄与する一つの因子になっている。この畦は該図の(H)では2本緯畦、(I)では3本緯畦を形成し、更に(H)及び(I)では縦方向に変化平織組織と変化朱子組織とを組み合わせている。
尚図2〜図4における黒四角印(■)は、経糸が緯糸の上にあって浮かない部分(非浮き糸部分)、白四角印(□)は浮き糸部分を示している。
【0018】
尚、本発明は特に素材としてフッ素系繊維を用い、そしてこれによる特定断面形状をもたせた織物ということの組み合わせで始めてその目的が達成されることになり、従って仮りに、該特定断面形状条件が同じでも該フッ素系繊維が他の繊維に変われば、本発明の目的は達成されるものではない。つまり両者不可避的に結合し相乗的効果として達成される発明といえる。
【0019】
【実施例】
以下に比較例と共に、実施例によって更に詳述する。
【0020】
(実施例1)
まずテトラフルオロエチレンとパ−フルオロアルキルビニルエ−テルとのコポリマ(PFA)を紡糸して繊径250μmと80μmのモノフイラメント(円形断面)を得た。そして太い250μm糸は経糸として、細い80μm糸は緯糸として(経糸は緯糸に対して約3.1倍)図4の(H)で示す混合組織をもって、経方向24本/inch、緯方向56本/inchになるようにして織り、濾過膜支持用織物を得た。該組織は具体的には次の通りである。80μm緯糸が、250μm経糸に対して2本飛びの緯畦になるように変化平織りとし経方向に対して4回(a)、次に経方向に対して2本飛びの朱子織りを2回(b)、更に先の2本飛びの変化平織りを同様にして経方向に対し4回(a1)、次に先の経方向の2本飛びの朱子織りを2回(b1)の織りを一単位として一つの該織物としている。
【0021】
かくして織製した前記織物は、その1面は浮き糸(白印)(経糸)により平面的に作られ、他面は非浮き糸(黒印)(緯糸)により凸状的に作られ、断面を観察すると平凸形状を有していた。そしてこの織物の平的面の粗さを測定すると、Ra=17.5±1.3μmであり、他方の凸的面はRa=44±1.1μmであった。
【0022】
そして前記織物の作用効果を確認するために、次のようなテストを行った。濾過膜として孔径0.2μm、膜厚80μm、多孔度75%のポリ4フッ化エチレン膜を使い、該膜の面に該織物の平面的面とを合せて、しっかりと貼合し一体化した。該膜は該織物によってしっかりと支えられていたことを確認し、次に10kg/cm2の圧力でプレスし、該膜面の押し傷等をチェックした。該膜面への押し傷等は実質的に見られず、現状を維持しつつ支持していることも確認できた。そして更に該織物の凸状面から水滴を1滴垂らして見たところ、しばらくすると該膜と該織物の貼合界面全体に該水滴が拡散して行くことも確認できた(このことは該織物の平的面が全くの平滑面ではなく、Ra=0.5〜40μmにあるためである)。
【0023】
(実施例2)
まずテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマを紡糸して、繊径200μmと110μmのモノフイラメント(円形断面)を得た。そして太い200μm糸は経糸として、細い110μm糸は緯糸として(経糸は、緯糸に対して約1、9倍)図4の(I)で示す混合組織をもって、経方向30本/inch、緯方向70本/inchになるように織り、濾過膜支持用織物を得た。該織物は具体的には次のようにして織ったものである。110μm緯糸を200μm経糸に対して3本飛びの緯畦をもつ変化平織りとし経方向に4回(c)、次に緯方向に3本飛びの朱子織りを経方向に3回(d)、更に先の3本飛びの変化平織りを同様にして経方向に4回(c1)、次に先の緯方向に3本飛びの朱子織りを経方向に2回(d1)の織りを一単位として1つの該織物としている。
【0024】
かくして織製した前記織物は、断面を観察すると平凸形状を有し、そして平的面の粗さを測定するとRa=11±1.1μmであり、他方の凸的面のそれはRa=31±1.5μmであった。
【0025】
そして前記織物の作用効果を確認するために、実施例1と同一条件で加圧テストと水滴通過テストとを行った。その結果は実施例1と同様に濾過膜面への押し傷等は実質的に見られず、現状を維持しつつ支持し、水滴の拡散も良好であったことが確認できた。
【0026】
(実施例3)
実施例1と同じPFAを用いて紡糸して繊径195μmと70μmのモノフイラメント(円形断面)を得た。そして太い195μm糸は経糸として、細い70μm糸は緯糸として(経糸は緯糸に対して約2.8倍)図3の(E)で示す8枚朱子織りにて、経方向170本/inch−緯方向255本/inchの織り密度で織製した。得られた織物の粗面度を測定すと、一面は10±1.9μm、他面は50±2.5μmであり本発明の断面平凸形状を有していた。但し実施例1、2に比較して非目ずれに欠け、取扱い中に組織が崩れやすい状態であり、この点若干差が見られた。
【0027】
そして前記得た織物について実施例1と同様にして濾過膜に貼合し加圧による押し傷と、水滴の拡散状況をテストした。加圧テストでは、微かではあるが濾過膜面に押された跡がついたが、逆に水滴の拡散は若干速かった。
【0028】
(比較例1)
まず実施例1のPFAを用いて紡糸して、繊径180μmと165μmの二種のモノフィラメントを製糸した。そして経糸に繊径180μm、緯糸に165μm(経糸は緯糸に対して約1.1倍)を使って、25本/inchの密度で平織組織で織製した。得られた織物についてまず表面粗さを測定すると、一面は70μm、他面は66μmであり、断面は両面共に凸的面であった。次に該織物を実施例1と同様に濾過膜に貼合して加圧テストと水滴の拡散テストとを行った。その結果加圧テストでは全面に該凸的面による押し跡が賦形された上に、所々に微少ではあるが孔が空いていた。そして水滴の拡散は実施例1よりも遅かった。これは該織物の凸部が加圧によって濾過膜ににしっかりと食い込まれて密着状態になったためであると考えられる。
【0029】
(比較例2)
まず実施例1のPFAを用いて紡糸して、繊径70μmと55μmの二種のモノフィラメントを製糸した。そして経糸に繊径70μm、緯糸に55μm(経糸は緯糸に対して約1.27倍)を使って、110本/inchの密度で平織組織で織製した。得られた織物についてまず表面粗さを測定すると、一面は13μm、他面は10μmであり、断面は両面共に平的面であった。次に該織物を実施例1と同様に濾過膜に貼合して加圧テストと水滴の拡散テストとを行った。その結果加圧テストでは押し傷はつかなかったが、水滴の拡散は実施例1よりも遅かった。これは該織物に本発明に言う必要最少限の表面粗さも持たず、あまりにも平面的で加圧によって濾過膜に隙間なく密着した状態になったためと考えられる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は前記の通り構成されているので、次のような効果を奏する。
【0031】
まず薄膜の高分子濾過膜でもしっかりと支持(補強、保護)し、そして従来に増して被濾過物を良く拡散整流しつつ、効率的に濾過するようになった。
【0032】
そしてより高い加圧下での濾過条件でも前記濾過膜に押し傷等はつくことなく、より迅速に濾過する事ができるようになった。
【0033】
また、特にプリ−ツ状で円筒状にして、これが例えばフイルタ−カ−トリッジの濾過部材に使用された場合、加熱条件下での濾過の場合に見られる収縮に基づくプリ−ツ間隔が狭ばまって行く現象に対して、少々の狭まりでも整流の乱れとか、濾過速度の低下も少なく効率良く濾過することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】浮糸構造の例を模型的に平・側面図で示す。
【図2】朱子織組織を模型的に示す図である。
【図3】変化朱子織組織を模型的に示す図である。
【図4】朱子織組織と変化平織組織との混合組織を模型的に示す図である。
【符号の説明】
1 浮き糸
2 浮かない糸
Claims (3)
- 経又は緯の一方が他方よりもより大きくクリンプされるように、太さの異なる経と緯とのフッ素系繊維で織製された濾過膜支持用織物であって、織製が朱子組織と変化平織組織又は変化斜文織組織との混合組織よりなり、且つ該織物の一面の有する中心線平均粗さが0.5〜40μmに対して、他面のそれが1.5〜15倍の粗さをもって断面平凸形状を有していることを特徴とする濾過膜支持用織物。
- 経又は緯のいずれかのフッ素系繊維の太さが50〜150μmであるのに対して、一方の緯又は経のそれは1.5〜3.5倍の太さをもってなる請求項1に記載の濾過膜支持用織物。
- フッ素系繊維がテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ又はテトラフルオエチレンとパ−フルオロアルキルビニルエ−テルとのコポリマのいずれかである請求項1又は2に記載の濾過膜支持用織物。
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