JPH08223083A - スペクトラム拡散通信無線局の多元接続方法 - Google Patents

スペクトラム拡散通信無線局の多元接続方法

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JPH08223083A
JPH08223083A JP7021528A JP2152895A JPH08223083A JP H08223083 A JPH08223083 A JP H08223083A JP 7021528 A JP7021528 A JP 7021528A JP 2152895 A JP2152895 A JP 2152895A JP H08223083 A JPH08223083 A JP H08223083A
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Application number
JP7021528A
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Inventor
Takaaki Hatakeuchi
孝明 畠内
Yukio Makita
幸雄 槇田
Kazuhiko Sugino
一彦 杉野
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Fuji Electric Co Ltd
Fuji Facom Corp
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Fuji Facom Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複雑な符号センスやホッピングパターン・セン
スを行うことなく、衝突による通信障害を発生しないス
ペクトラム拡散通信無線局の多元接続方法。 【構成】無線局は、情報メッセージD1,D2 を処理し拡散
通信を制御する論理回路21,31 と、全無線局に共通な拡
散符号PN1 を発生する制御情報用拡散符号発生器22,32
と、複数のデータ用拡散符号から1つのデータ用拡散符
号PN2,PN4 を選択的に出力するデータ用拡散符号発生器
23,33 と、制御情報用拡散符号PN1 とデータ用拡散符号
PN2,PN4 の両拡散符号を切換える第1、第2の拡散符号
切換え手段25,35 と、切換え手段25で選択された拡散符
号PN3 で情報メッセージD1を拡散変調する拡散変調器28
と、切換え手段35で選択された拡散符号PN5 で他無線局
から受信した情報メッセージを逆拡散復調する逆拡散復
調器38と、を備え、情報メッセージD1,D2 は制御情報c1
〜c4と送受信データd0〜dNとから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変復調にスペクトラム
拡散技術を用いた無線局の多元接続に関し、特に、複数
の拡散符号により情報メッセージを直接符号拡散変調
し、スペクトラム拡散通信を行い,各拡散符号をチャネ
ルとして多元接続を行なう無線局の多元接続方法に関す
る。
【0002】また、複数のホッピングパターンにより周
波数ホッピング・スペクトラム拡散通信を行い、各ホッ
ピングパターンをチャネルとして多元接続を行なう無線
局の多元接続方法に関する。
【0003】
【従来の技術】スペクトラム拡散技術は、伝送する情報
信号以外の手段を用いた信号変換により、帯域幅を大幅
に広げ、受信側では逆信号変換により元の情報信号を得
る方法であり、この信号変換の代表的な手法として、広
帯域の擬似ランダム符号を乗積する手法(直接拡散変
調)、広帯域の擬似ランダム符号により定まる順序に従
い搬送周波数を順次切り換える手法(周波数ホッピング
変調)がある。異なった擬似ランダム符号により符号分
割多重化が可能であり、電力スペクトラム密度が低く信
号の秘匿性があるとともに狭帯域通信への妨害が小さく
また妨害波に対する耐力が高いなどの特徴を有する。
【0004】多元接続方法は、上述の異なった擬似ラン
ダム符号により符号分割多重化することにより、複数の
無線チャネルを構成し、無線局間の通信を行うとき、送
信側無線局が空き無線チャネルを選択し、相手局との交
信を行う。図11に従来技術による多元接続方法の例を示
す。図11において、左側に送信側無線局を、右側に受信
側無線局を示し、時間軸が上から下に流れる。全ての無
線局の受信手段は、この無線通信システムで定めた共通
のチャネルで待機状態となっている。図11ではこの状態
を制御チャネルと呼んでいる。送信側無線局は、この共
通な制御チャネルを使って制御情報を送信する。この制
御情報には、通信相手局とデータ伝送用に使うチャネル
を識別する情報が入っており、相手局との接続要求を行
うことができる。
【0005】各無線局の受信手段は、この送信されてき
た制御情報を解析し、自分宛に通信要求があることを知
ると、了解の旨を確認応答としてこの制御チャネルで返
信し、これ以降は、送信側無線局で指定されたデータ伝
送用のチャネル(データチャネル)で待機状態になり、
送信側無線局からの送信待ちに入る。無線局の送信手段
は、相手局の受信手段からの確認応答を受信すると、先
に指定したデータチャネルでデータを送信し、必要に応
じて相手局からもデータの返信をうける。この通信が終
了すると、送信側無線局と相手局はお互いに了解の上で
制御チャネルでの待機状態に戻る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の様
な従来技術のスペクトラム拡散通信無線局の多元接続方
法では、データチャネルの空きを確認するためにキャリ
ア・センスを行い、空きチャネルを交信相手の無線局間
の送受信手段がお互いに通知することでこれを行なうこ
とが多い。一般的に、スペクトラム拡散通信では、キャ
リア・センスが符号センスやホッピングパターン・セン
スとなるため、狭帯域通信と比較すると、このチャネル
の空きを見つけるための処理が複雑になる。
【0007】また、一旦通信を終結すると新たに通信を
行なうために、符号やパターンの同期を捕捉するのに時
間がかかる。このため、上述の様な複雑なやりとりを行
わないで、交信チャネルを固定して通信を行い、また、
衝突による通信障害が発生すると、これを検出して再送
するなどの対策を行なうのが一般的である。本発明は上
記の点にかんがみてなされたものであり、その目的は前
記した課題を解決して、データチャネルの空きを確認す
るため、符号センスやホッピングパターン・センスなど
の複雑な処理を行うことなく、また、データチャネルの
衝突による通信障害が発生することがない、スペクトラ
ム拡散通信無線局の多元接続方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明においては、アンテナと送信手段と受信
手段とを備えてなる無線局が選択された拡散符号で情報
メッセージを拡散変復調しスペクトラム拡散通信を行う
無線局の多元接続方法において、無線局は、情報メッセ
ージを処理しスペクトラム拡散通信を制御する論理回路
と、全ての無線局に共通の拡散符号を発生する制御情報
用拡散符号発生器と、論理回路から符号設定信号により
複数のデータ用拡散符号から1つのデータ用拡散符号を
選択的に出力し,制御情報用拡散符号と符号の周期単位
で同期するデータ用拡散符号を発生するデータ用拡散符
号発生器と、論理回路から拡散符号切換信号により制御
情報用拡散符号とデータ用拡散符号の両拡散符号を切換
える第1、第2の拡散符号切換え手段と、この第1拡散
符号切換え手段によって選択される拡散符号で論理回路
から送出される情報メッセージを拡散変調する拡散変調
器と、第2拡散符号切換え手段によって選択される拡散
符号で他無線局から受信した情報メッセージを逆拡散復
調する逆拡散復調器と、を備え、情報メッセージは制御
情報と送受信するデータとからなるものとする。
【0009】また、第2の発明においては、アンテナと
送信手段と受信手段とを備えてなる無線局が選択された
ホッピングパターンで情報メッセージを周波数ホッピン
グ変復調しスペクトラム拡散通信を行う無線局の多元接
続方法において、無線局は、情報メッセージを処理し周
波数ホッピング・スペクトラム拡散通信を制御する論理
回路と、全ての無線局に共通のホッピングパターンを発
生する制御情報用ホッピングパターン発生器と、論理回
路からパターン設定信号により複数のデータ用ホッピン
グパターンから1つのデータ用ホッピングパターンを選
択的に出力し,制御情報用ホッピングパターンとホッピ
ングパターンの周期単位で同期するデータ用ホッピング
パターンを発生するデータ用ホッピングパターン発生器
と、論理回路からホッピングパターン切換え信号により
制御情報用ホッピングパターンとデータ用ホッピングパ
ターンの両ホッピングパターンを切換える第1、第2の
ホッピングパターン切換え手段と、この第1ホッピング
パターン手段によって選択されるホッピングパターンで
論理回路から送出される情報メッセージを周波数ホッピ
ング変調する拡散変調器と、第2ホッピングパターン切
換え手段によって選択される拡散符号ホッピングパター
ンで他無線局から受信した情報メッセージを逆に周波数
ホッピング復調する逆拡散復調器と、を備え、情報メッ
セージは制御情報と送受信するデータとからなるものと
する。
【0010】また、第3の発明においては、無線局は、
他局から送信されてきた制御情報を受信し,この制御情
報が自分宛でなければ,他局間同志の交信用に指定した
データ用拡散符号またはデータ用ホッピングパターンを
一定時間送信用に選択しないものとする。
【0011】
【作用】上記構成により、無線局が情報メッセージを送
信するとき、送信手段は、論理回路より拡散符号切換え
信号を出力し、第1拡散符号切換え手段を制御情報用拡
散符号側とし、少なくとも、通信相手局を識別する相手
局識別情報とデータ用拡散符号を識別するデータ用拡散
符号識別情報とが格納されている制御情報を送出し、拡
散変調器でスペクトラム拡散変調を行い、アンテナを介
して全無線局に制御情報を送信する。続いて、第1拡散
符号切換え手段をデータ用拡散符号側とし、複数のデー
タ用拡散符号から1つのデータ用拡散符号をランダムに
選択し、論理回路から送出される送信データをこのラン
ダムに選択されたデータ用拡散符号で上記拡散変調器で
スペクトラム拡散変調を行い、アンテナを介して情報メ
ッセージを送信する。
【0012】無線局が情報メッセージを受信するとき、
受信手段は、論理回路より拡散符号切換え信号を出力
し、第2拡散符号切換え手段を制御情報用拡散符号側と
し、送信されてくる制御情報を待ち受け、他局からの制
御情報を受信する。この制御情報が自局宛であれば、第
2拡散符号切換え手段をデータ用拡散符号側とし、制御
情報中に格納されている送信局がランダムに選択したデ
ータ用拡散符号識別情報に基づき、符号設定信号で当該
データ用拡散符号を選択し、このデータ用拡散符号で受
信回路で受信した情報メッセージを逆拡散復調器で逆拡
散復調する。このことにより、任意の無線局間で交信を
行うことができる。
【0013】また、無線局が情報メッセージを送信する
とき、送信手段は、論理回路よりホッピングパターン切
換え信号を出力し、第1ホッピングパターン切換え手段
を制御情報用ホッピングパターン側とし、少なくとも、
通信相手局を識別する相手局識別情報とデータ用ホッピ
ングパターンを識別するデータ用ホッピングパターン識
別情報とが格納されている制御情報を送出し、拡散変調
器で周波数ホッピングスペクトラム拡散変調を行い、ア
ンテナを介して全無線局に制御情報を送信しする。続い
て、第1ホッピングパターン切換え手段をデータ用ホッ
ピングパターン側とし、複数のデータ用ホッピングパタ
ーンから1つのデータ用ホッピングパターンをランダム
に選択し、論理回路から送出される送信データをこのラ
ンダムに選択されたデータ用ホッピングパターンで上記
拡散変調器で周波数ホッピングスペクトラム拡散変調を
行い、アンテナを介して情報メッセージを送信する。
【0014】無線局が情報メッセージを受信するとき、
受信手段は、論理回路よりホッピングパターン切換え信
号を出力し、第2ホッピングパターン切換え手段を制御
情報用ホッピングパターン側とし、送信されてくる制御
情報を待ち受け、他局からの制御情報を受信する。この
制御情報が自局宛であれば、第2ホッピングパターン切
換え手段をデータ用ホッピングパターン側とし、制御情
報中に格納されている送信局がランダムに選択したデー
タ用ホッピングパターン識別情報に基づき、ホッピング
パターン設定信号で当該データ用ホッピングパターンを
選択し、このデータ用ホッピングパターンで受信回路で
受信した情報メッセージを逆拡散復調器で周波数ホッピ
ング復調する。このことにより、任意の無線局間で交信
を行うことができる。
【0015】また、無線局は、制御情報を受信し、この
制御情報が自分宛でなければ、他局間同志の交信用に指
定されたデータ用拡散符号またはデータ用ホッピングパ
ターンを一定時間送信用に選択しない。このことによ
り、複数の無線局間で同時に交信状態が発生しても、ス
ペクトラム拡散通信によるチャネルの確保ができ、交信
衝突による通信障害を防止することができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の第一の実施例による直接符号
拡散変復調するスペクトラム拡散技術を用いた無線局の
ブッロク回路図、図2は制御情報用拡散符号とデータ用
拡散符号と拡散符号切換え信号のタイミングを説明する
説明図、図3は情報メッセージの送受信の様子を説明す
る説明図、図4は制御情報とデータとからなる情報メッ
セージの構成例を説明する説明図、図5は一実施例の受
信処理プログラムを説明する説明図、図6は一実施例に
よる無線局間の多元チャネル接続を説明する説明図、図
7は本発明の第二の実施例による周波数ホッピング・ス
ペクトラム拡散技術を用いた無線局のブッロク回路図、
図8は本発明の第三の実施例による受信処理プログラム
を説明する説明図、図9は第三の実施例による拡散符号
使用状態の管理テーブルを説明する説明図、図10は第三
の実施例の処理プログラムを説明する説明図である。
【0017】図1は説明を簡明化するため、直接符号拡
散変復調を行うスペクトラム拡散技術を用いた無線局が
アンテナ1と,送信手段2と受信手段3を分離構成した
1無線局分のみ図示しているが、同様な無線局が複数あ
り、この複数の無線局間で同時に交信を行うとき、選択
された拡散符号で交信チャネルを選択し、この拡散符号
で情報メッセージを拡散変復調し、スペクトラム拡散通
信を行い、無線局間の多元接続を行う。
【0018】図1の(A) において、無線局の送信手段2
は、情報メッセージD1を処理し,スペクトラム拡散通信
を制御する論理回路21と、全ての無線局に共通の拡散符
号PN1 を発生する制御情報用拡散符号発生器22と、論理
回路21から符号設定信号24により複数のデータ用拡散符
号から1つのデータ用拡散符号PN2 を選択的に出力し,
制御情報用拡散符号PN1 と符号の周期単位で同期するデ
ータ用拡散符号PN2 を発生するデータ用拡散符号発生器
23と、論理回路21から拡散符号切換信号26により制御情
報用拡散符号PN1 とデータ用拡散符号PN2 の両拡散符号
を切換える第1拡散符号切換え手段25と、図示例では論
理回路21からの情報メッセージD1を周波数変調(FSK),あ
るいは位相変調(PSK) する一次変調器27と、第1拡散符
号切換え手段25によって選択される拡散符号PN3 で一次
変調器27から送出される一次変調された情報メッセージ
F1を拡散変調する拡散変調器28と、送信回路29と、から
構成される。
【0019】また、図1の(B) に図示される無線局の受
信手段3は、送信手段2と同様に構成され、対応する構
成要素の符号は、送信手段2の構成要素を20番台の符号
で表示したものを30番台に置き換えて表示している。送
信手段2と異なる主な点は、論理回路31から符号設定信
号34により複数のデータ用拡散符号から1つのデータ用
拡散符号PN4 を選択的に出力し、制御情報用拡散符号PN
1 と符号の周期単位で同期するデータ用拡散符号PN4 を
発生するデータ用拡散符号発生器33と、論理回路31から
拡散符号切換信号36により、制御情報用拡散符号PN1 と
データ用拡散符号PN4 の両拡散符号を切換える第2拡散
符号切換え手段35と、アンテナ1で受信した電波11B を
受信する受信回路39と、第2拡散符号切換え手段35によ
って選択される拡散符号PN5 で他無線局から受信した電
波11B の信号を逆拡散復調する逆拡散復調器38と、この
出力信号F2を周波数復調(FSK),あるいは位相復調(PSK)
して情報メッセージD2に変換する一次復調器37と、から
構成される。
【0020】拡散変調器28および逆拡散復調器38に入力
される拡散符号PN3,PN5 は、同期を確立して制御情報を
送受信するための符号列(符号1、図2参照)とデータ
伝送用の符号列(符号2)とからなる。制御情報用の符
号列(符号1)は、全ての無線局の送信手段、受信手段
に共通である。また、データ伝送用の符号列(符号2)
は論理回路21,31 から設定可能な構造になっている。拡
散変調器28および逆拡散復調器38にいずれの符号列が入
力されるかは、論理回路21,31 からの符号設定24,34 に
より切換え可能な構造になっている。また、送信回路29
のバンド・パス・フィルタや送信アンプなど、あるい
は、受信回路のバンド・パス・フィルタ,受信アンプ,
ゲイン制御回路などは従来技術による回路で構成され
る。
【0021】また、情報メッセージは、図4に図示され
る様に、制御情報c1〜c4と、送受信データd0, d1〜dN
と、からなり、制御情報は、一実施例ではビット同期コ
ードc1とフレーム同期コードc2と相手局識別情報c3とデ
ータ用拡散符号識別情報c4とから構成され、データ部
は、フレーム同期コードd0と送受信データd1〜dNとから
構成される。
【0022】以下、図1〜図6を用いて直接符号拡散変
復調による無線局間の多元接続方法を説明する。図1の
(A) に図示される上記構成により、無線局が情報メッセ
ージD1を送信するとき、送信手段2は、論理回路21より
拡散符号切換え信号26を出力し、第1拡散符号切換え手
段25を制御情報用拡散符号側とし、全無線局共通の制御
情報拡散符号PN1 を選択する。他方、図4に図示される
様に、少なくとも、通信相手局を識別する相手局識別情
報c3とデータ用拡散符号を識別するデータ用拡散符号識
別情報c4とが格納されている制御情報を送出し、一次変
調器27でこの制御情報を周波数変調(FSK) あるいは位相
変調(PSK) を行い、上記選択された拡散符号PN3(=PN1)
と,一次変調器27で一次変調された制御情報(F1)と,を
拡散変調器28でスペクトラム拡散変調を行い、アンテナ
1を介して全無線局に制御情報を電波11A として送信す
る。
【0023】続いて、送信手段2は、第1拡散符号切換
え手段26をデータ用拡散符号側とし、複数のデータ用拡
散符号から1つのデータ用拡散符号PN2 をランダムに選
択し、論理回路21から送出され一次変調された送信デー
タd0〜dNをこのランダムに選択されたデータ用拡散符号
PN2 で上記拡散変調器28でスペクトラム拡散変調を行
い、アンテナ1を介して送信データd0〜dNを電波11A と
して送信する。
【0024】また、図1の(B) に図示される構成によ
り、無線局が他局から送信される情報メッセージを受信
するとき、受信手段3は、論理回路31より拡散符号切換
え信号36を出力し、第2拡散符号切換え手段35を制御情
報用拡散符号側とし、全無線局共通の制御情報拡散符号
PN1 を選択し、送信されてくる制御情報を待ち受け、少
なくとも、他局からの上記制御情報c3,c4 を受信する。
この制御情報(相手局識別情報)c3が自局宛であれば、
第2拡散符号切換え手段35をデータ用拡散符号側とし、
制御情報中に格納されている他送信局がランダムに選択
したデータ用拡散符号識別情報c4に基づき, 符号設定信
号34で当該データ用拡散符号PN4 を選択する。このデー
タ用拡散符号(PN5=PN4) で受信回路39で受信した情報メ
ッセージの内データ部分を上述の逆拡散復調器38で逆拡
散復調し、一次復調器37で復調し、論理回路31に受信デ
ータd1〜dNを渡し、必要な情報処理を行うことができ
る。
【0025】図2は拡散変調器28および逆拡散復調器38
に入力される上述の制御情報用拡散符号列とデータ用拡
散符号列と拡散符号切換え信号とのタイミングを説明す
るものであり、図示例では簡単化のため送信側のみを示
す。図2において、横軸に時間軸を、縦に上から制御情
報用拡散符号PN1 と, データ用拡散符号PN2 と, 拡散符
号切換え信号26と, この切換え信号26によって選択され
た拡散符号PN3 とが図示される。制御情報用拡散符号列
(符合1)およびデータ用拡散符号列(符号2)は、細
線で区切られた拡散符号の周期単位で同期する様に構成
され、この周期単位に対応して、情報メッセージD1のビ
ット単位の0,1 データが対応する。即ち、送信時は、ビ
ット単位の0,1 データを自己相関に鋭いピークを有する
拡散符号列(符合1または符号2)で拡散変調(例え
ば、排他論理和)し、受信時に同一拡散符号列(符合1
または符号2)で拡散復調(例えば、排他論理和)する
ことにより、他の拡散符号と著しい電力差をもって0,1
のビット単位データに復元することができる。
【0026】また、図2の(C) に図示されるように、拡
散符号切換え信号26も上述の拡散符号の周期に同期して
変化する。従って、拡散符号切換え後の符号列は図2の
(D)に図示されるように、符号切換えが行われる周期の
切れ目でスムーズに切り換えることができる。この結
果、一連の制御情報部のデータをビット単位毎に制御情
報用拡散符号列(符合1)で拡散変調し、次に、送信デ
ータをデータ用拡散符号列(符合2)で拡散変調して送
信を行う。
【0027】図3は本発明による情報メッセージの送受
信の様子を説明するものであり、横軸に時間軸を、縦軸
に上から順次、一次変調された情報メッセージF1と, 制
御情報用拡散符号PN1 と, データ用拡散符号PN2 と, 第
1拡散符号切換え手段25の切換え状態と, 拡散変調され
電波11A として送出される状態と、この送出された電波
11A を電波11B として受信し拡散復調するための制御情
報用拡散符号PN1 と,データ用拡散符号PN4 と, 第2拡
散符号切換え手段35と, 受信データF2とが示されてい
る。送信手段および受信手段の制御情報用拡散符号PN1
は、図2に図示される符号列(符号1)が繰返し発生し
ている。同様に、送信手段および受信手段のデータ用拡
散符号PN2,PN4 は、符号列(符号2)が繰返し発生して
いる。
【0028】即ち、一次変調された情報メッセージF1
は、制御情報c1〜c4部分を制御情報用拡散符号PN1 で拡
散変調し、データd0, d1〜dN部分をランダムに選択され
たデータ用拡散符号PN2 で拡散変調して電波11A として
送出する。この電波11A は他無線局の受信手段3で電波
11B として受信され、この受信手段3が受信電波11B を
全無線局共通の制御情報用拡散符号PN1 で拡散復調し、
相手局識別情報c3より送信相手からの電波11B が自局宛
であることを検出すると、データ用拡散符号識別情報c4
によりデータ用拡散符号PN4(=PN2) を選択し、拡散復調
して、受信データ(F2(=F1)) を検出する。この検出され
た受信データ(F2)は、一次復調器37で周波数復調(FSK)
あるいは位相復調(PSK) を行い、受信データ(D2)として
復調する。論理回路31は、この受信データD2を必要に応
じて、データの誤り検出および誤り訂正処理をし、必要
とする交信を無線局間でとり行う。
【0029】なお、受信手段の制御情報用逆拡散符号PN
1 およびデータ用逆拡散符号PN4 の符号列をそれぞれ送
信側の制御情報用拡散符号PN1 の符号列(符号1)およ
びデータ用拡散符号PN2 の符号列(符号2)と同じもの
にすることにより、交信を行う無線局間の半二重通信が
可能である。送信手段側の拡散符号と受信手段側の逆拡
散符号は、図示省略された同期捕捉回路により同期化が
行われる。即ち、送信手段側の拡散符号列で拡散変調さ
れた制御情報部のビット同期コードc1を受信手段側が受
信電波11B として受信し、この受信したビット同期コー
ドc1により受信手段側の拡散符号列の符号周期とを同期
化をとり、次に、フレーム同期コードc2により、制御情
報の情報メッセージのフレーム同期化を行う。また、受
信データのフレーム同期コードd0は、データ部分のデー
タフレーム(d1 〜dN) のフレーム同期化を行うものであ
る。
【0030】図5は上述の一実施例の受信処理プログラ
ムを説明するものである。ステップS1で受信待機中の無
線局は、受信した制御情報部のビット同期コードc1で制
御情報用拡散符号PN1 の符号列(符号1)のビット同期
同期捕捉を行なう。次に、ステップS2で制御情報用のフ
レーム同期コードc2を捜し、これを確認し、フレーム同
期を確立した後に、有効な制御情報c3,c4 が格納されて
いることを知る。次に、相手局識別情報c3を確認し、こ
の識別情報c3が自局宛に送信されたものかどうかを調べ
る。自局宛であればステップS4に移行し、続くデータ用
拡散符号識別情報c4によって指示される拡散符号をデー
タ用逆拡散符号PN4(=PN2) として取り出し、ステップS5
で第2拡散符号切換え手段35をデータ用拡散符号側に
し、逆拡散符号PN1 から逆拡散符号PN4 に切り換える。
ステップS6でデータフレーム同期コードd0を捜し、これ
を確認し、フレーム同期を確立した後に有効なデータが
格納されているものとして、ステップS7で送信相手から
の送信データd1〜dNを受信する。この受信が完了し、例
えば、データの誤り検出・訂正をし、相手局への正常受
信を知らせる応答とか、必要に応じては相手局からの要
求データの返信などを行い、両無線局間での交信が完了
すると、ステップS8に移行し、第2拡散符号切換え手段
35を制御情報用拡散符号側にし、データ用逆拡散符号PN
4 を制御情報用逆拡散符号PN1 に切り換え、ステップS9
で交信を終了し、受信待機状態に戻る。なお、ステップ
S3で送信相手からの電波11B が自局宛でないときは、そ
のままステップS9に移行し、受信待機状態に戻る。
【0031】図6は上述の無線局間の多元チャネル接続
を説明するものであり、横軸方向に時間軸をとり、縦軸
方向に多元交信チャネルである制御チャネルCH1 と、デ
ータチャネル CH2〜CH5 を示す。 SS1〜SS3 は、制御チ
ャネルCH1 で受信待機状態にあり拡散符号をチャネルと
して多元接続を行なう無線局を示す。図6において、こ
こでは図示省略されている無線局SS11が時刻t1で制御チ
ャネルCH1 を介して、無線局SS1 に交信を勧誘する。こ
のとき、無線局SS11はランダムに選択したデータ用拡散
符号識別情報c4でデータチャネルCH3 を選択すると、勧
誘を受けた無線局SS1 は制御チャネルCH1 で自局宛の勧
誘とデータ用拡散符号識別コードc4を認識し、データチ
ャネルCH3 で無線局SS11と交信を開始し、時刻t4まで交
信を行う。また、図示省略されている無線局SS21が時刻
t2で制御チャネルCH1 を介して無線局SS2 にデータチャ
ネルCH5 で交信を勧誘すると、勧誘を受けた無線局SS2
は制御チャネルCH1 で自局宛の勧誘とデータ用拡散符号
識別コードc4を認識し、データチャネルCH5 で無線局SS
21と交信を開始し、時刻t5まで交信を行う。さらに、時
刻t3で無線局SS31が制御チャネルCH1 を介して無線局SS
3 にデータチャネルCH2 で交信を勧誘すると、勧誘を受
けた無線局SS3 は制御チャネルCH1 で自局宛の勧誘とデ
ータ用拡散符号識別コードc4を認識し、データチャネル
CH2 で無線局SS31と交信をし、時刻t6まで交信を行う。
【0032】本発明では、無線局(SS1〜SS31) は、他局
から送信されてきた制御情報を受信し、この制御情報が
自局宛でなければ、他局間同志の交信用に指定したデー
タ用拡散符号を一定時間送信用に選択しないことによ
り、複数の無線局間でデータチャネルでの衝突を防止し
ながら多元チャネル接続を行うことができる。また、図
1の構成では、無線局は送信手段(装置)2と受信手段
(装置)3の個別装置で説明したが、送信装置と受信装
置の一部を共用し、送受信装置として構成しても同様の
効果が得られる。例えば、論理回路21,31 はマイコンお
よびそのプログラムを含む回路で一体構成し、データD
1,D2 の送受信機能に加えて、データ用拡散符号の設定
機能24,34 、制御情報用拡散符号PN1 とデータ用拡散符
号PN2,PN4 の切換え機能26,36 を備える。
【0033】また、図示例では、一次変調器27は従来技
術による拡散変調器28に先立つ変調(PSK,FSK) を行なう
回路であり、一次復調器37は拡散復調器38の後段で一次
変調(PSK,FSK) 分を復調するものである。一次変調器27
と拡散変調器28あるいは一次復調器37と拡散復調器38の
配置位置を入替えて、情報メッセージを直接拡散符号で
変復調しても、本発明で説明した無線局間の多元接続を
行うことができる。
【0034】図7は本発明の第二の実施例による周波数
ホッピング・スペクトラム拡散技術を用いた無線局のブ
ッロク回路図である。図7において、周波数ホッピング
変復調しスペクトラム拡散通信を行う無線局は、アンテ
ナ1と、送信手段5と受信手段6を分離構成した1無線
局分のみ図示しているが、同様な無線局が複数あり、こ
の複数の無線局間で同時に交信を行うとき、選択された
ホッピングパターンで交信チャネルを選択し、このホッ
ピングパターンで情報メッセージD1を拡散変復調し、ス
ペクトラム拡散通信を行い、無線局間の多元接続を行
う。
【0035】図7の(A) において、無線局の送信手段5
は、情報メッセージD1を処理し、周波数ホッピング・ス
ペクトラム拡散通信を制御する論理回路51と、全ての無
線局に共通のホッピングパターンHf1 を発生する制御情
報用ホッピングパターン発生器52と、論理回路51からパ
ターン設定信号54により複数のデータ用ホッピングパタ
ーンから1つのデータ用ホッピングパターンHf2 を選択
的に出力し、制御情報用ホッピングパターンHf1 とホッ
ピングパターンの周期単位で同期するデータ用ホッピン
グパターンHf2 を発生するデータ用ホッピングパターン
発生器53と、論理回路51からホッピングパターン切換信
号56により、制御情報用ホッピングパターンHf1 とデー
タ用ホッピングパターンHf2 の両ホッピングパターンを
切換える第1ホッピングパターン切換え手段55と、この
第1ホッピングパターン切換え手段55によって選択され
るホッピングパターンHf3 で周波数偏移を行う周波数シ
ンセサイザFS1 と、論理回路51からの情報メッセージD1
を周波数変調(FSK),あるいは位相変調(PSK) する一次変
調器57と、この一次変調器57から送出され一次変調され
る情報メッセージF1を周波数ホッピング・変調する拡散
変調器58と、送信回路59と、から構成される。
【0036】また、図7の(B) に図示される無線局の受
信手段6は、送信手段5と同様に構成され、対応する構
成要素の符号は、送信手段5の構成要素の符号が50番台
で表示されているのを60番台に置き換えて表示してい
る。送信手段5と異なる主な点は、論理回路61からパタ
ーン設定信号64により複数のデータ用ホッピングパター
ンから1つのデータ用ホッピングパターンHf4 を選択的
に出力し、制御情報用ホッピングパターンHf1 とホッピ
ングパターンの周期単位で同期するデータ用ホッピング
パターンHf4 を発生するデータ用ホッピングパターン発
生器63と、論理回路61からホッピングパターン切換信号
66により、制御情報用ホッピングパターンHf1 とデータ
用ホッピングパターンHf4 の両ホッピングパターンを切
換える第2ホッピングパターン切換え手段65と、この第
2ホッピングパターン切換え手段65によって選択される
ホッピングパターンHf5 で周波数偏移を行う周波数シン
セサイザFS2 と、アンテナ1で受信した電波12B を受信
する受信回路69と、他無線局から受信した電波12B の信
号を逆周波数ホッピング復調する逆拡散復調器68と、こ
の出力信号F2を周波数復調(FSK),あるいは位相復調(PS
K) して情報メッセージD2に変換する一次復調器67と、
から構成される。また、情報メッセージD1は、図1で説
明した直接符号拡散変復調の場合と同様、制御情報c1〜
c4と, 送信データd0, d1〜dNとから構成される。
【0037】なお、前述の図1で説明した直接符号拡散
変復調の場合と同様に、送信手段5と受信手段6の一部
を共用し、送受信装置として構成しても同様の作用効果
が得られる。図7において、論理回路51,61 は、マイコ
ンおよびそのプログラムを含む回路である。周波数シン
セサイザFS1,FS2 に入力されるホッピングパターンHf3,
Hf5 は、制御情報用ホッピングパターンとデータ伝送用
ホッピングパターンとからなる。制御情報用ホッピング
パターンHf1 は、全ての無線機の送信手段、受信手段に
共通である。データ伝送用ホッピンパターンHf2,Hf4
は、論理回路51,61 から設定可能な構造になっている。
拡散変調器58および逆拡散復調器68用の周波数シンセサ
イザFS1,FS2 にいずれのホッピングパターンが入力され
るかは、論理回路51,61 からの設定により切り換え可能
な構造になっている。その他の構成要素は発明1の場合
と同様である。
【0038】ホッピングパターンの同期や切換えタイミ
ング、データの構成などは、第1の発明と同様であり、
第1の発明の拡散符号をホッピングパターンとして置き
換えて考えればよい。以下、簡潔に説明する。かかる構
成において、無線局が情報メッセージD1を送信すると
き、送信手段5は、論理回路51よりホッピングパターン
切換え信号56を出力し、第1ホッピングパターン切換え
手段55を制御情報用ホッピングパターン側とし、全無線
局共通の制御情報用ホッピングパターンHf1 を選択し、
周波数シンセサイザFS1 で周波数偏移を行う。他方、少
なくとも、通信相手局を識別する相手局識別情報c3と,
データ用ホッピングパターンを識別するデータ用ホッピ
ングパターン識別情報c4と,が格納されている制御情報
を送出し、一次変調器57でこの制御情報を周波数変調(F
SK) あるいは位相変調(PSK) を行い、この変調出力F1
と、上記周波数シンセサイザFS1 の周波数偏移出力とを
拡散変調器58でスペクトラム拡散変調を行い、アンテナ
1を介して電波11A として全無線局に制御情報を送信す
る。
【0039】続いて、送信手段5は、第1ホッピングパ
ターン切換え手段55をデータ用ホッピングパターン側と
し、複数のデータ用ホッピングパターンから1つのデー
タ用ホッピングパターンHf2 をランダムに選択し、周波
数シンセサイザFS1 で周波数偏移を行い、論理回路51か
ら送出される送信データd0〜dNと上記周波数シンセサイ
ザFS1 の周波数偏移出力とを拡散変調器58で周波数ホッ
ピングパターン変調を行い、アンテナ1を介して情報メ
ッセージD1を電波11A として送信する。
【0040】また、図7の(B) に図示される構成によ
り、無線局が他局から送信される情報メッセージを受信
するとき、受信手段6は、論理回路61よりホッピングパ
ターン切換え信号66を出力し、第2ホッピングパターン
切換え手段65を制御情報用ホッピングパターン側とし、
全無線局共通の制御情報用ホッピングパターンHf1 を選
択し、送信されてくる制御情報を待ち受け、他局からの
上記制御情報c3,c4 を受信する。この制御情報c3が自局
宛であれば、第2ホッピングパターン切換え手段65をデ
ータ用拡散符号側とし、制御情報中に格納されている他
送信局がランダムに選択したデータ用ホッピングパター
ン識別情報c4に基づき、ホッピングパターン設定信号64
で当該データ用ホッピングパターンHf4 を選択する。周
波数シンセサイザFS2 はこのデータ用ホッピングパター
ンHf4 で周波数偏移を行い、受信回路69で受信した情報
メッセージを上述の逆拡散復調器68で逆拡散復調し、図
示省略されているバンドパスフィルタを介して一次復調
器67で周波数復調(FSK) あるいは位相復調(PSK) を行
い、情報メッセージD2に復調し、論理回路61に送信デー
タd1〜dNを渡し、必要な情報処理を行うことができる。
【0041】図8は本発明の第三の実施例による受信処
理プログラムの例を説明する説明図である。なお、この
実施例は直接符号拡散変調するスペクトラム拡散通信に
も、周波数ホッピング・スペクトラム拡散通信にも、い
ずれの拡散通信にも適用できるので、ここでは、直接符
号拡散変調方法を例にとり説明する。図8と図5との違
いは、ステップS3で制御情報を解析し、宛先が自局では
ないとき、図5ではステップS9に移行し受信待機状態で
終了していたが、図8の第三の実施例では、ステップS1
1 に移行し、データ用拡散符号識別情報c4で示されるデ
ータ用拡散符号を取り出し、ステップS12 で該当するデ
ータ用拡散符号を一定時間送信用として選択できないこ
ととする。即ち、送信手段2は符号設定手段24によりデ
ータ用拡散符号をランダムに選択するが、この選択した
データ用拡散符号が上記一定時間送信用として禁止され
たデータ用拡散符号のとき、再度データ用拡散符号をラ
ンダムに選択することにより、任意の無線局間で選定し
たデータ用拡散符号が同一時刻で重複することを防止
し、同時に複数の無線局間で交信を行っていても、交信
中の衝突を防止することができる。その他の処理は、図
5で説明したものと同じである。なお、ここで一定時間
とは、先に制御情報部を送信した無線局が該当する拡散
符号を使用してデータを送信している時間の内、予測さ
れる最大値である。この値は全ての無線局に共通に設定
されており、各無線局はこの時間を越えてデータ伝送を
行わない。
【0042】次に、上述の先に選択されたデータ用拡散
符号が一定時間選択できなくするための方法について述
べる。図9は本発明の第三の実施例の無線局が内部に有
するテーブルである。このテーブルは、データ用拡散符
号列(CH2〜CH7 …) と、上述の先に選択され使用中デー
タ用拡散符号のカウンタ値と、を格納する領域から構成
されている。図9において、CH2,CH3,CH4,CH5,CH6,CH7
がデータ用拡散符号列であり、Nが先に選択され使用中
のカウンタ値であり、図示例では、CH5 が選択できなく
なるように設定されている。
【0043】図10は、第三の実施例の処理プログラムの
例である。図10の(A) は、自局宛でない制御情報部を受
信したとき、該当する拡散符号を一定時間、送信用とし
て使用不可にするための処理プログラムである。即ち、
ステップS21 で該当する拡散符号のチャネル番号位置CH
N のカウンタ領域にカウント値Nを格納する。図10の
(B) は、一定時間を測定するための処理プログラムであ
る。この処理プログラムは、一定周期t毎に起動され
る。ステップS31 で先ずデータ用拡散符号列CH2 からス
タートし、ステップS32 でデータ用拡散符号列CH2 のカ
ウント値を調べ、0でないカウント値を見出したとき、
ステップS33 でこのカウント値を−1して、ステップS3
4 に移行する。また、ステップS32 でカウント値が0の
とき直ちにステップS34 に移行し、次のデータ用拡散符
号列 (例えば、CH3)とし、ステップS35 で全てのデータ
用拡散符号列が終了したか否かを調べ、未終了のときス
テップS32 に戻り、全データ用拡散符号列のカウント値
が0以外のとき、このカウント値を−1し、ステップS3
6 で終了する。この処理プログラムは周期t毎に起動さ
れるので、カウントがNから0になるまでの時間は(t
×N)であり、Nを適当に選択することで一定時間を決
定することができる。
【0044】図10の(C) は、送信時にデータ用の拡散符
号を選択する処理プログラムである。本発明の第一の実
施例および第二の実施例のときと同様に、ランダムに拡
散符号(第二の実施例のときは、制御情報用ホッピング
パターン)を選択し、この選択した拡散符号のカウント
値が0でないときは、再度、拡散符号をランダムに選択
し、カウント値が0の拡散符号を選択するまでこれを繰
り返す。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明の構成によれ
ば、第1の発明による直接符号拡散変調し、スペクトラ
ム拡散通信を行う方法では、一回当たりの通信におい
て、通信開始に当たり、全ての無線機に共通の拡散符号
で制御情報を伝送し、次にデータをランダムに選択した
拡散符号で拡散変調して伝送する。この結果、空チャネ
ルセンスや複雑なやりとり無しで符号多元接続すること
ができる。また、ランダムに拡散符号を選択しているの
で、データ伝送中に第三者による新たな通信を開始して
も、通信チャネルの衝突の可能性を低く抑えることがで
きる。
【0046】また、第2の発明による周波数ホッピング
・スペクトラム拡散通信では、一回当たりの通信におい
て、通信開始に当たり、全ての無線機に共通のホッピン
グパターン制御情報を伝送し、次にデータをランダムに
選択したホッピングパターンで周波数ホッピング・スペ
クトラム拡散変調して伝送する。この結果、空チャネル
センスや複雑なやりとり無しで符号多元接続することが
できる。また、ランダムにホッピングパターンを選択し
ているので、データ伝送中に第三者による新たな通信を
開始しても、衝通信チャネルの衝突の可能性を低く抑え
ることができる。
【0047】また、第3の発明では、第三者がデータ伝
送中の拡散符号あるいはホッピングパターンを一定時間
自局の送信用として選択できないようにしたため、第1
の発明および第2の発明における通信チャネルの衝突を
回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例による直接符号拡散変復
調するスペクトラム拡散技術を用いた無線局のブッロク
回路図
【図2】制御情報用拡散符号とデータ用拡散符号と拡散
符号切換え信号のタイミングを説明する説明図
【図3】情報メッセージの送受信の様子を説明する説明
【図4】制御情報とデータとからなる情報メッセージの
構成例を説明する説明図
【図5】一実施例の受信処理プログラムを説明する説明
【図6】一実施例による無線局間の多元チャネル接続を
説明する説明図
【図7】本発明の第二の実施例による周波数ホッピング
・スペクトラム拡散技術を用いた無線局のブッロク回路
【図8】本発明の第三の実施例による受信処理プログラ
ムを説明する説明図
【図9】第三の実施例による拡散符号使用状態の管理テ
ーブルを説明する説明図
【図10】第三の実施例の処理プログラムを説明する説明
【図11】従来技術によるスペクトラム拡散通信無線局の
多元接続方法を説明する説明図
【符号の説明】
1 アンテナ 11A,11B,12A,12B 電波 2、5 送信手段 21、31、51、61 論理回路 22、32 制御情報用拡散符号発生器 23、33 データ用拡散符号発生器 24、34 符号設定信号 25、35 拡散符号切換え手段 26、36 拡散符号切換え信号 27、57 一次変調器 28、58 拡散変調器 29、59 送信回路 3、6 受信手段 37、67 一次復調器 38、68 逆拡散変調器 39、69 受信回路 52、62 制御情報用ホッピングパターン発生器 53、63 データ用ホッピングパターン発生器 54、64 パターン設定信号 55、56 ホッピングパターン切換え手段 CH1 〜CH5 データチャネル D1,D2 情報メッセージ F1,F2 一次変復調された情報メッセージ FS1,FS2 周波数シンセサイザ Hf1 制御情報用ホッピングパターン Hf2,Hf4 選択されたデータ用ホッピングパターン Hf3,Hf5 符号切換え後のホッピングパターン N カウント値 PN1 制御情報用拡散符号 PN2,PN4 選択されたデータ用拡散符号 PN3,PN5 符号切換え後の拡散符号 SS1 〜SS3 無線局 c1 ビット同期コード c2,d0 フレーム同期コード c3 相手局認識情報 c4 データ用拡散符号認識情報 d1〜dN 送受信データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 一彦 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンテナと送信手段と受信手段とを備えて
    なる無線局が選択された拡散符号で情報メッセージを拡
    散変復調しスペクトラム拡散通信を行う無線局の多元接
    続方法において、 無線局は、 情報メッセージを処理し、スペクトラム拡散通信を制御
    する論理回路と、 全ての無線局に共通の拡散符号を発生する制御情報用拡
    散符号発生器と、 前記論理回路から符号設定信号により複数のデータ用拡
    散符号から1つのデータ用拡散符号を選択的に出力し、
    前記制御情報用拡散符号と符号の周期単位で同期するデ
    ータ用拡散符号を発生するデータ用拡散符号発生器と、 前記論理回路から拡散符号切換信号により、前記制御情
    報用拡散符号とデータ用拡散符号の両拡散符号を切換え
    る第1、第2の拡散符号切換え手段と、 この第1拡散符号切換え手段によって選択される拡散符
    号で前記論理回路から送出される情報メッセージを拡散
    変調する拡散変調器と、 前記第2拡散符号切換え手段によって選択される拡散符
    号で他無線局から受信した情報メッセージを逆拡散復調
    する逆拡散復調器と、を備え、 情報メッセージは、制御情報と送受信するデータとから
    なり、 無線局が情報メッセージを送信するとき、前記送信手段
    は、 前記論理回路より拡散符号切換え信号を出力し、第1拡
    散符号切換え手段を制御情報用拡散符号側とし、少なく
    とも、通信相手局を識別する相手局識別情報と,データ
    用拡散符号を識別するデータ用拡散符号識別情報と,が
    格納されている制御情報を送出し、前記拡散変調器でス
    ペクトラム拡散変調を行い、前記アンテナを介して全無
    線局に制御情報を送信し、続いて、第1拡散符号切換え
    手段をデータ用拡散符号側とし、複数のデータ用拡散符
    号から1つのデータ用拡散符号をランダムに選択し、論
    理回路から送出される送信データをこのランダムに選択
    されたデータ用拡散符号で前記拡散変調器でスペクトラ
    ム拡散変調を行い、前記アンテナを介して情報メッセー
    ジを送信し、 無線局が情報メッセージを受信するとき、前記受信手段
    は、 前記論理回路より拡散符号切換え信号を出力し、第2拡
    散符号切換え手段を制御情報用拡散符号側とし、送信さ
    れてくる制御情報を待ち受け他局からの前記制御情報を
    受信し、この制御情報が自局宛であれば、第2拡散符号
    切換え手段をデータ用拡散符号側とし、制御情報中に格
    納されている送信局がランダムに選択したデータ用拡散
    符号識別情報に基づき、符号設定信号で当該データ用拡
    散符号を選択し、このデータ用拡散符号で受信回路で受
    信した情報メッセージを前記逆拡散復調器で逆拡散復調
    し、任意の無線局間で交信を行う、 ことを特徴としたスペクトラム拡散通信無線局の多元接
    続方法。
  2. 【請求項2】アンテナと送信手段と受信手段とを備えて
    なる無線局が選択されたホッピングパターンで情報メッ
    セージを周波数ホッピング変復調しスペクトラム拡散通
    信を行う無線局の多元接続方法において、 無線局は、 情報メッセージを処理し、周波数ホッピング・スペクト
    ラム拡散通信を制御する論理回路と、 全ての無線局に共通のホッピングパターンを発生する制
    御情報用ホッピングパターン発生器と、 前記論理回路からパターン設定信号により複数のデータ
    用ホッピングパターンから1つのデータ用ホッピングパ
    ターンを選択的に出力し、前記制御情報用ホッピングパ
    ターンとホッピングパターンの周期単位で同期するデー
    タ用ホッピングパターンを発生するデータ用ホッピング
    パターン発生器と、 前記論理回路からホッピングパターン切換え信号によ
    り、前記制御情報用ホッピングパターンとデータ用ホッ
    ピングパターンの両ホッピングパターンを切換える第
    1、第2のホッピングパターン切換え手段と、 この第1ホッピングパターン手段によって選択されるホ
    ッピングパターンで前記論理回路から送出される情報メ
    ッセージを周波数ホッピング変調する拡散変調器と、 前記第2ホッピングパターン切換え手段によって選択さ
    れる拡散符号ホッピングパターンで他無線局から受信し
    た情報メッセージを逆に周波数ホッピング復調する逆拡
    散復調器と、を備え、 情報メッセージは、制御情報と送受信するデータとから
    なり、 無線局が情報メッセージを送信するとき、前記送信手段
    は、 前記論理回路よりホッピングパターン切換え信号を出力
    し、第1ホッピングパターン切換え手段を制御情報用ホ
    ッピングパターン側とし、少なくとも、通信相手局を識
    別する相手局識別情報と,データ用ホッピングパターン
    を識別するデータ用ホッピングパターン識別情報と,が
    格納されている制御情報を送出し、前記拡散変調器で周
    波数ホッピングスペクトラム拡散変調を行い、前記アン
    テナを介して全無線局に制御情報を送信し、続いて、第
    1ホッピングパターン切換え手段をデータ用ホッピング
    パターン側とし、複数のデータ用ホッピングパターンか
    ら1つのデータ用ホッピングパターンをランダムに選択
    し、論理回路から送出される送信データをこのランダム
    に選択されたデータ用ホッピングパターンで前記拡散変
    調器で周波数ホッピングスペクトラム拡散変調を行い、
    前記アンテナを介して情報メッセージを送信し、 無線局が情報メッセージを受信するとき、前記受信手段
    は、 前記論理回路よりホッピングパターン切換え信号を出力
    し、第2ホッピングパターン切換え手段を制御情報用ホ
    ッピングパターン側とし、送信されてくる制御情報を待
    ち受け、他局からの前記制御情報を受信し、この制御情
    報が自局宛であれば、第2ホッピングパターン切換え手
    段をデータ用ホッピングパターン側とし、制御情報中に
    格納されている送信局がランダムに選択したデータ用ホ
    ッピングパターン識別情報に基づき、ホッピングパター
    ン設定信号で当該データ用ホッピングパターンを選択
    し、このデータ用ホッピングパターンで受信回路で受信
    した情報メッセージを前記逆拡散復調器で周波数ホッピ
    ング復調し、任意の無線局間で交信を行う、 ことを特徴としたスペクトラム拡散通信無線局の多元接
    続方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のスペクト
    ラム拡散通信無線局の多元接続方法において、無線局
    は、他局から送信されてきた制御情報を受信し、この制
    御情報が自分宛でなければ、他局間同志の交信用に指定
    したデータ用拡散符号またはデータ用ホッピングパター
    ンを一定時間送信用に選択しない、ことを特徴とするス
    ペクトラム拡散通信無線局の多元接続方法。
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