JPH08223051A - オーディオ信号復号化方法及び装置 - Google Patents

オーディオ信号復号化方法及び装置

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JPH08223051A
JPH08223051A JP7028036A JP2803695A JPH08223051A JP H08223051 A JPH08223051 A JP H08223051A JP 7028036 A JP7028036 A JP 7028036A JP 2803695 A JP2803695 A JP 2803695A JP H08223051 A JPH08223051 A JP H08223051A
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JP
Japan
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band
audio signal
signal
bands
synthesizing
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JP7028036A
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Masahito Mori
正仁 森
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 演算量が削減できて、帯域合成する際のフィ
ルタリング遅延の少ないオーディオ信号復号化方法及び
装置を提供する。 【構成】 オーディオ信号の帯域をM分割された各帯域
の信号毎に符号化処理することにより得られた符号化信
号から、上記M個の帯域の内の一部の帯域の信号を選択
すると共に、選択された帯域の信号を逆量子化する逆量
子化手段としての逆量子化部8と、この逆量子化部8に
て得られる逆量子化信号を帯域合成する帯域合成手段と
しての合成フィルタバンク9とを有して成るものであ
る。また、合成フィルタバンク9として、通常のフィル
タ処理に用いるより低次数の帯域合成フィルタを用いる
ことで、フィルタリング遅延を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ信号の帯域
をM分割して、M個に1個の割合で取り出された各帯域
の信号毎に符号化処理することにより得られた符号化信
号を復号化処理するオーディオ信号復号化方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年において、デジタルオーディオ信号
に対して、データ量を削減するために、例えば、蓄積用
動画像符号化の検討組織(moving picture image codin
g experts group :MPEG)にて標準化されているM
PEG−1等の符号化アルゴリズムでサブバンド符号化
方式が採用されている。このサブバンド符号化方式は、
ステレオオーディオ信号のデータから、このステレオオ
ーディオ信号の周波数軸方向への偏在の性質を利用し
て、ステレオオーディオ信号に含まれる冗長部分のデー
タを削減する方式である。
【0003】上記サブバンド符号化方式のアルゴリズム
において、先ず、16ビット直線量子化された1フレー
ム当たり384サンプルの入力信号の全帯域を、512
タップのサブバンド分析フィルタで32帯域のサブバン
ド信号を取り出す。このサブバンド信号は、32個に1
個の割合で取り出され、クロックレートは1/32に減
少する。
【0004】次に、各帯域の12サブバンド信号は、波
形と倍率に分けて分離される。このとき、波形は最大振
幅が1.0になるように正規化され、その倍率がスケー
ルファクタとして取り出される。また一方、上記入力信
号を高速フーリエ変換し、この結果を用いてマスキング
値を計算する。
【0005】そして、このマスキング値と上記スケール
ファクタとから、各サブバンド信号に対して、量子化処
理する際の量子化ビットを割り当てる。続いて、この量
子化ビットに基づいて、各サブバンド信号を量子化す
る。
【0006】これら量子化された信号と、上記量子化ビ
ットと、上記スケールファクタとから所定のフォーマッ
トにてビットストリームが形成され、これらビットスト
リームは蓄積メディアに記録される。
【0007】また、上記量子化、すなわち符号化された
信号の復号化処理において、先ず、上記蓄積メディアか
らビットストリームを取り出し、このビットストリーム
から量子化処理された信号と、量子化ビットと、スケー
ルファクタとが得られる。続いて、この符号化された信
号が、上記量子化ビットに基づいて、逆量子化されて3
2帯域のサブバンド信号に成る。これらサブバンド信号
に対して31個の零値を挿入して、この零値の挿入によ
り生じる不要なスペクトルを帯域通過フィルタにて除去
し、これら信号がフィルタ合成される。
【0008】このようにして、符号化処理したオーディ
オ信号を復号化処理して元のオーディオ信号を再現する
ことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のオー
ディオ信号復号化方法おいて、オーディオ信号を符号化
処理する際に帯域分割した符号化信号全てを用いて、復
号化処理を行うため、帯域分割と帯域合成とにおいて
は、同じ次数のフィルタ、前述の例においては512タ
ップの帯域合成フィルタが用いられる。
【0010】帯域分割フィルタと同じ次数の帯域合成フ
ィルタを用いると、演算量が多くなる上に、フィルタリ
ング遅延が大きくなってしまう。
【0011】そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて
なされたものであり、演算量が削減でき、帯域合成する
際のフィルタリング遅延の少ないオーディオ信号復号化
方法及び装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した問題
を解決するために、オーディオ信号の帯域をM分割され
た各帯域の信号毎に符号化処理することにより得られた
符号化信号を復号化処理するオーディオ信号復号化方法
において、上記符号化信号から上記M個の帯域の内の一
部の帯域の信号を選択する帯域選択工程と、上記帯域選
択工程にて選択された信号を逆量子化する逆量子化工程
と、上記逆量子化工程にて得られた逆量子化信号を帯域
合成する帯域合成工程とを有している。
【0013】本発明は、上記オーディオ信号復号化方法
において、上記帯域選択工程により選択される符号化信
号は、所定の帯域より低域側の符号化信号である。
【0014】本発明は、上記オーディオ信号復号化方法
において、上記帯域合成工程にて、上記オーディオ信号
の全帯域の帯域合成に必要とされる次数より低次数の帯
域合成フィルタが用いられるようにしたものである。
【0015】また、本発明は、オーディオ信号の帯域を
M分割された各帯域の信号毎に符号化処理することによ
り得られた符号化信号を復号化処理するオーディオ信号
復号化装置において、上記符号化信号から上記M個の帯
域の内の一部の帯域の信号を選択すると共に、選択され
た帯域の信号を逆量子化する逆量子化手段と、上記逆量
子化手段にて得られた逆量子化信号を帯域合成する帯域
合成手段とを有して成るものである。
【0016】本発明は、上記オーディオ信号復号化装置
において、上記逆量子化手段にて選択される帯域は、所
定の帯域より低域側の帯域である。
【0017】本発明は、上記帯域合成手段は、上記オー
ディオ信号の全帯域の帯域合成に必要とされる次数より
低次数の帯域合成フィルタを有して成るものである。
【0018】
【作用】本発明のオーディオ信号復号化方法によれば、
帯域選択工程にて、符号化信号からM個の帯域の内の一
部の帯域の信号が選択されて、この選択された帯域の符
号化信号のみが、逆量子化工程にて逆量子化される。さ
らに、逆量子化された信号は、帯域合成工程にて帯域合
成される。なお、上記逆量子化工程における逆量子化処
理の演算量は、通常より少なくて済む。
【0019】また、上記オーディオ信号復号化方法にお
いて、上記帯域選択工程により選択される符号化信号を
所定の帯域より低域側に符号化信号にする場合、上記逆
量子化工程における逆量子化処理を低域側の信号のみに
対して行うようになるため、通常の逆量子化処理の演算
量より少ない演算量で済む。
【0020】また、上記オーディオ信号復号化方法にお
いて、上記帯域合成工程にて、上記オーディオ信号の全
帯域の帯域合成に必要とされる次数より低次数の帯域合
成フィルタを用いるようにする場合、上記逆量子化過程
で得られた逆量子化信号を帯域合成するのに、通常の復
号化処理の帯域合成に比べて少ない演算量で、かつ小さ
いフィルタリング遅延で行うことができる。
【0021】また、本発明のオーディオ信号復号化装置
によれば、逆量子化手段における符号化信号の逆量子化
処理は、M個の帯域の内の一部の帯域を選択して行われ
るため、通常の逆量子化処理より演算量が少なくて済
む。
【0022】また、上記オーディオ信号復号化装置にお
いて、上記逆量子化手段にて選択される帯域を所定の帯
域より低域側の帯域とする場合、上記逆量子化手段にお
ける逆量子化処理は低域側の信号のみに対して行われる
ため、通常の逆量子化処理より演算量が少なくて済む。
【0023】また、上記オーディオ信号復号化装置にお
いて、上記帯域合成手段は、上記オーディオ信号の全帯
域の帯域合成に必要とされる次数より低次数の帯域合成
フィルタを有して成る場合、上記逆量子化手段で得られ
た逆量子化信号を帯域合成するのに、通常の復号化処理
の帯域合成に比べて少ない演算量で、かつ小さいフィル
タリング遅延で行うことができる。
【0024】
【実施例】以下、オーディオ信号符号化及び復号化方法
に適用した本発明のオーディオ信号符号化方法の一例
と、オーディオ信号符号化及び復号化装置に適用した本
発明のオーディオ信号復号化装置の一例とについて、図
面を参照しながら説明する。
【0025】上記オーディオ信号符号化及び復号化方法
は、図1に示すように、例えば1フレーム当たり384
サンプルのオーディオ信号の帯域をM分割された各帯域
の信号毎に符号化処理することにより得られた符号化信
号から、上記M個の帯域の内の一部の帯域の信号を選択
する帯域選択工程としてのステップS5と、上記帯域選
択工程にて選択された信号を逆量子化する逆量子化工程
としてのステップS6と、上記逆量子化工程にて得られ
る逆量子化信号を帯域合成する帯域合成工程としてのス
テップS7とを有している。
【0026】上記オーディオ信号符号化及び復号化方法
において、ステップS0では、オーディオ信号が入力さ
れ、ステップS1に進む。ステップS1では、入力され
た上記オーディオ信号がM個の帯域に分割される。また
この時、クロックレートが、標本化時の1/M倍にな
り、ステップS2に進む。
【0027】ステップS2では、上記帯域毎の信号、す
なわち1フレーム当たり384/Mサンプル毎にスケー
リングファクタ計算、ビット割り当て操作、量子化処理
等が行われることで、上記オーディオ信号は符号化処理
され、ステップS3に進む。ステップS3では、上記符
号化処理が施されたオーディオ信号に対して、ビットス
トリームが形成されるようにフォーマット処理がなされ
る。なお、形成されたビットストリームは伝送された
り、ディスク等の記憶メディアに蓄積されたりして、復
号化側に入力されてステップS4に進む。
【0028】ステップS4では、上記ビットストリーム
が展開され、ステップS5に進む。
【0029】ステップS5では、展開されたビットスト
リームより得られた符号化信号からn個(1≦n<M)
の帯域が選択されて、ステップS6に進む。ステップS
6では、選択された上記n個の帯域の符号化信号間に
(M−1)個の零値が挿入され、この零値が挿入された
符号化信号が逆量子化処理されて、ステップS7に進
む。
【0030】ステップS7では、ステップS6にて上記
n個の帯域の符号化信号を逆量子化処理することで得ら
れるn個の帯域の逆量子化信号が、帯域通過フィルタを
通して帯域合成されて、オーディオ信号を得て、ステッ
プS8に進んで、このオーディオ信号を出力する。
【0031】ここで、上記ステップS7にて用いられる
帯域合成フィルタについて説明する。
【0032】上記帯域合成フィルタの動作の説明に先立
って、従来において知られている蓄積用動画像符号化の
検討組織(moving picture image coding experts grou
p :MPEG)にて標準化されているMPEG−1の符
号化アルゴリズムで符号化された信号を復号化処理する
際の帯域合成フィルタの動作の説明を行う。なお、以下
M=32、すなわち各帯域12サンプルで構成される例
を示す。
【0033】ここで、上述した従来における全帯域の符
号化信号を用いて復号化処理する際の帯域合成フィルタ
の動作を図2に示す。
【0034】先ず、上記逆量子化信号をフィルタ処理す
るのに必要なフィルタ係数D[i] (0≦i<512)と
低域通過フィルタから帯域通過フィルタを得るために用
いる回転子N[i][k]とを求めておく。なお、iはデジタ
ルフィルタのタップ数を表す値である。
【0035】ここで、低域から数えてk番目の帯域の帯
域通過フィルタの係数をd[i][k](0≦i<512,0
≦k<32)として、基本的ないわゆるプロトタイプの
低域通過フィルタの係数をH[i] (0≦i<512)と
するとき、d[i][k]は(1)式で定義される。また、こ
のプロトタイプの低域通過フィルタの周波数特性の一例
を図3に、この低域通過フィルタに回転子を乗じて得ら
れた帯域通過フィルタの周波数特性の一例を図4に示
す。なお、(1)式において、M[i][k]は、回転子であ
り(2)式で定義される。
【0036】 d[i][k]=M[i][k]・H[i] ・・・(1) M[i][k]=cos((16+i)(2k+1)π/64) ・・・(2) また、上記M[i][k]は、以下の(3)式で示されるよう
な対称性がある。
【0037】 M[i][k]=−M[i+64][k] ・・・(3) (3)式によれば、回転子M[i][k]は、iが64個で1
周期となる性質を有している。
【0038】ここで、この対称性を利用するために、上
記プロトタイプの低域通過フィルタの係数H[i] でiが
64個単位にて符号が反転するようなフィルタ係数をD
[i](0≦i<512)とする。従って、このD[i]
は、(4)式に示すような性質を有するものである。
【0039】 D[m+64p]=(-1)p・H[m+64p] (0≦m<64,0≦p<8) ・・・(4) さらに、式を簡略化するために、回転子M[i][k]でiが
64個単位にて符号が反転するような回転子をN[i][k]
とする。また、このN[i][k]はD[i] と同様に、(5)
式に示すような性質を有している。こうして、フィルタ
係数D[i] (0≦i<512)と回転子N[i][k]とが得
られ、ステップS12に進む。
【0040】 N[m+64p][k]=(-1)p・M[m+64p][k] (0≦m<64,0≦p<8) ・・・(5) 図2において、ステップS10では、図1のステップS
6にて得られた32個の帯域の逆量子化信号が入力され
る。ここで、逆量子化信号で、時刻t0 におけるk番目
の帯域の信号をS[t0][k] (0≦k<32)とする。ま
た、図1のステップS8にて出力される出力信号をY
[j] (0≦j<32)とする。
【0041】続いて、ステップS11では、上記回転子
N[i][k]を用いて、フィルタ処理に必要な信号を得るた
めに前処理が行われ、U[i] (0≦i<512)が計算
される。ここで、上記Y[j] は、(6)式で示すように
定義される。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、X[t][i](0≦i<512)を
(7)式に示すように定義する。さらに、上記(6)式
は、(4)式、(5)式及び(7)式より(8)式に示
すように変形される。また、図5に、このX[t][i](0
≦i<512)を模式的に示す。
【0044】
【数2】
【0045】この(8)式によれば、X[t][i](0≦i
<512)のデータの内、Y[j] (0≦j<32)を求
めるのに、例えばt0 すなわちs=0においてはi=0
から32までの部分のデータ、(t0−1)すなわちs
=1においてはi=32から64までの部分、・・・、
(t0 −s)すなわちs=sにおいてはi=32sから
32(s+1)までの部分(但し、s=0,1,・・
・,15)のみ、すなわち図5においては斜線部のみが
必要であることがわかる。
【0046】また、(7)式より、以下の(9)式及び
(10)式が得られる。
【0047】 N[i][k]=N[i+64][k] ・・・(9) X[t][i]=X[t][i+64] ・・・(10) (10)式によれば、X[t][i]は1周期が64であるた
め、Y[j] を求めるためには、各時刻tにおいてX[t]
[i](0≦i<64)部分だけのデータを保持すればよ
いことがわかる。ここで、各時刻tにおけるX[t][i]を
取り出し、V[i](0≦i<1024)とすると(1
1)式のようになる。また、図6にV[i] (0≦i<1
024)を模式的に示す。
【0048】 V[i+64s]=X[t0-s][i] ・・・(11) また、(8)式によれば、(11)式のV[i+64s]は、
32毎に符号が反転するデータであることがわかる。従
って、Y[j] (0≦j<32)を求めるために、片側の
符号のデータのみ、すなわち図6においては斜線部のみ
保持すればよいことになる。そこで、このデータをフィ
ルタ処理用のデータU[i] (0≦i<512)とする。
こうして、U[i] が得られ、ステップS13に進む。ま
た、図7にU[i] (0≦i<512)を模式的に示す。
【0049】続いて、図2のステップS12では、上記
フィルタ係数D[i] (0≦i<512)と上記ステップ
S11で得られたフィルタ処理用データU[i] (0≦i
<512)とから、以下の(12)式に従ってW[i]
(0≦i<512)が得られ、ステップS13に進む。
【0050】 W[i]=U[i]・D[i] ・・・(12) 続いて、ステップS13では、ステップS12で得られ
たW[i] (0≦i<512)からY[j] (0≦j<3
2)が(13)式に従って得られてステップS24に進
む。ステップS24では、上記Y[j] (0≦j<32)
が符号化処理前と同じ32帯域の信号すなわち1フレー
ム当たり384サンプルのオーディオ信号に変換され、
ステップS24に進んで、このオーディオ信号が出力さ
れる。
【0051】
【数3】
【0052】また、図2のステップS11における動作
の具体例を説明する。
【0053】上記ステップS11で最初の工程であるス
テップS21では、入力された32帯域の逆量子化信号
S[t][k](0≦k<32)について、図5に示したよう
なX[t][i](0≦i<512)から図6に示したような
V[i] (0≦i<1024)へ変換するためのフォーマ
ット、またはシフト処理のフォーマットが(11)式に
従って施され、ステップS22に進む。このように前処
理いわゆるフォーマット処理しておくことで、X[t][i]
(0≦i<512)を求めることでV[i] (0≦i<1
024)が得られるようになるだけでなく、必要のない
X[t][i]を算出することがないため演算量を削減するこ
とができる。
【0054】ステップS22では、(7)式に示したN
[i][k]×S[t][k]のマトリックス演算をi=0,・・
・,63までについて行ってX[t][i]を得ることでV
[i]が得られ、ステップS23に進む。
【0055】ステップS23では、以下の(14)式及
び(15)式に従って、1024個のV[i] (0≦i<
1024)から512個のU[i] (0≦i<512)が
得られ、上記ステップS12に進む。なお、(14)式
及び(15)式において、qは0から7までの範囲の値
をとり、また、rは0から31までの範囲の値をとるも
のである。
【0056】 U[r+64q]=V[r+128q] ・・・(14) U[r+32+64q]=V[r+96+128q] ・・・(15) 上記(14)式及び(15)式に示した演算は、図6か
ら図7への変換に相当している。
【0057】上述したことを考慮して、図1に示したオ
ーディオ信号符号化及び復号化方法における帯域合成フ
ィルタについて説明する。なお、この帯域合成フィルタ
のタップ数を、例えば256とする。
【0058】図1のステップS6で、32帯域分の符号
化信号の内、ステップS5にて選択された低域側からn
帯域(1≦n<32)、ここでは例えばn=16すなわ
ち低域側から16帯域の符号化信号のみが逆量子化され
る。従って、図2のステップS10では、低域側から1
6帯域分の逆量子化信号が入力される。
【0059】続いて、ステップS21では、上述したフ
ォーマット処理すなわち図8に示したようなX[t][i]
(0≦i<256)から図9に示したようなV[i] (0
≦i<512)へ変換するためのフォーマット、または
シフト処理のフォーマットが上記(11)式に従って施
され、ステップS22に進む。図8によれば、iが0か
ら255までのX[t][i]が有効であるため、以後の処理
を時間軸方向についてt=t0 からt=t0−7までの
8個の信号に対してのみ施せばよくなり、上述の従来に
おいて知られているオーディオ信号復号化方法に比べ
て、さらにフィルタ処理演算の演算量を削減することが
できる。
【0060】ステップS22では、上述のマトリックス
演算をi=0,・・・,63までについて行ってX[t]
[i](0≦i<256)を得ることでV[i] (0≦i<
512)が得られ、ステップS23に進む。
【0061】ステップS23では、上記(14)式及び
上記(15)式に従って、q:0≦q<4とr:0≦r
<32について演算処理して256個のU[i] (0≦i
<256)が得られ、ステップS25に進む。これは、
図9から図10への変換に相当する。
【0062】ステップS12では、上記(12)式(但
し、0≦i<256の範囲)に従ってフィルタ演算処理
が行われて、256個のW[i] (0≦i<256)が得
られて、ステップS13に進む。ステップS13では、
(16)式に示す演算にて合成処理が施され、出力信号
Y[j] (0≦j<32)が得られ、ステップS14に進
んで、この出力信号Y[j] (0≦j<32)が符号化処
理前と同じ32帯域の信号すなわち1フレーム当たり3
84サンプルのオーディオ信号に変換され、このオーデ
ィオ信号が出力される。
【0063】
【数4】
【0064】本発明のオーディオ信号復号化方法によれ
ば、従来において知られているオーディオ信号復号化方
法では符号化された信号全てを用いて復号化処理を行っ
ているが、一般に音声成分は低域側に集中していること
から、本発明においては、低域側の例えば16帯域のみ
を用いて、逆量子化処理及び帯域合成処理すなわち復号
化処理が行われる。また、特に復号化処理に用いる帯域
合成フィルタとして従来においては512タップのフィ
ルタを用いて帯域合成を行っていたが、本発明では例え
ば256タップのフィルタを用いて帯域合成を行うこと
で、従来と同等の音質が得られると共に、演算量が削減
され、さらにフィルタリング遅延が小さくなる。
【0065】上記オーディオ信号符号化及び復号化装置
の要部は、図11に示すように、オーディオ信号の帯域
をM分割された各帯域の信号毎に符号化処理することに
より得られた符号化信号から、上記M個の帯域の内の一
部の帯域の信号を選択すると共に、選択された帯域の信
号を逆量子化する逆量子化手段としての逆量子化部8
と、この逆量子化部8にて得られる逆量子化信号を帯域
合成する帯域合成手段としての合成フィルタバンク9と
を有して成るものである。
【0066】上記オーディオ信号符号化及び復号化装置
によれば、オーディオ信号入力端子10から入力される
オーディオ信号は、分析フィルタバンク1に送られる。
なお、図1で示すフローチャートの各ステップの工程で
各構成部の動作に該当するもののステップ番号を括弧で
示す。
【0067】分析フィルタバンク1は、例えば512タ
ップの帯域分割フィルタを有して成るもので、例えば1
フレーム当たり384サンプルのオーディオ信号の帯域
をM個、例えば32個に分割して、この各帯域12サン
プル毎に分割された信号をスケーリング部2に送る。な
お、M個の帯域に分割された信号のクロックレートは、
標本化時のクロックレートの1/M倍、この場合は1/
32倍になる(ステップS1)。
【0068】また、スケーリング部2は、上記帯域毎の
信号すなわち384/Mサンプル毎、例えば12サンプ
ル毎に最大振幅、いわゆるスケールファクタを求めて、
このスケールファクタ及び帯域毎の信号をビット割り当
て部3に送る。また、ビット割り当て部3は、上記スケ
ールファクタに基づいて上記帯域毎に量子化ビットを割
り当てて、この量子化ビット及び上記帯域毎の信号を量
子化部4に送る。また、量子化部4は、上記量子化ビッ
トに基づいて上記各帯域の信号を量子化処理し、この量
子化された信号をビットストリームフォーマット部5に
送る(以上、ステップS2)。
【0069】また、ビットストリームフォーマット部5
は、上記量子化された信号及び上記量子化ビット等から
ビットストリームを形成し、ビットストリーム蓄積メデ
ィア6に記録する(ステップS3)。
【0070】ビットストリーム蓄積メディア6は、上記
ビットストリームを記録したディスク状記録媒体等の記
憶メディアであり、このビットストリームをビットスト
リーム展開部7に入力するために用いられる。
【0071】ビットストリーム展開部7は、上記ビット
ストリームから上記量子化ビット、上記スケールファク
タ及び上記量子化された信号すなわち符号化信号を取り
出して、各データを逆量子化部8に送る(ステップS
4)。
【0072】逆量子化部8は、上記ビットストリーム展
開部7から送られる符号化信号の内低域側からn個(1
≦n<M、例えばM=32)の帯域例えば16帯域を選
択(ステップS5)し、これら選択したn個の帯域の符
号化信号に対して(M−1)個の零値を挿入して逆量子
化を行う(ステップS6)。
【0073】合成フィルタバンク9は、図2のステップ
S11乃至S15とステップS21乃至S23とに示し
たように動作して、逆量子化部8より送られるn個の帯
域分の逆量子化信号を低域通過フィルタで構成された帯
域通過フィルタを用いて帯域合成し、オーディオ信号を
形成する(ステップS7)。また、このオーディオ信号
をオーディオ信号出力端子11より出力する(ステップ
S8)。
【0074】上記オーディオ信号符号化及び復号化装置
によれば、従来において知られているオーディオ信号復
号化装置では符号化された信号全てを用いて復号化処理
を行っているが、一般に音声成分は低域側に集中してい
ることから、低域側の例えば16帯域のみを用いて、逆
量子化処理と帯域合成すなわち復号化処理が行われる。
また、特に復号化処理に用いる帯域合成フィルタとし
て、従来においては512タップのフィルタを用いて帯
域合成を行っていたが、本発明では例えば256タップ
のフィルタを用いて帯域合成を行うことで、従来と同等
の音質が得られると共に、演算量が削減され、さらにフ
ィルタリング遅延が小さくなる。
【0075】なお、本実施例において、符号化及び復号
化処理に用いたオーディオ信号として、1フレーム当た
り384サンプルのものである例を挙げたが、これに限
定されることはなく、1フレーム当たりのサンプル数は
任意に設定してもよい。また、オーディオ信号の復号化
処理を施すデータとして1フレーム当たり32個の帯域
に分割され符号化された符号化信号を用いたが、これに
限定されることはなく、帯域分割数を任意に設定するこ
とが可能である。また、これに伴い帯域分割時に12サ
ンプル毎に帯域分割を行う例を挙げたが、こちらもこれ
に限定されることはなく、(1フレームのサンプル数)
/M個のサンプル毎で帯域分割されるようにすれば差し
支えない。
【0076】また、本実施例において、オーディオ信号
復号化方法においては帯域選択工程における動作、ま
た、オーディオ信号復号化装置においては逆量子化手段
における帯域を選択する動作において、一例として16
帯域を選択する動作を挙げたが、これに限定されること
はなく、選択帯域数が符号化処理での帯域分割数より少
ない範囲であれば、他の選択帯域数をとっても本発明と
同様の効果を得ることは言うまでもない。
【0077】また、本実施例において、帯域合成フィル
タの次数を256タップとした例を挙げたが、これに限
定されることはなく、従来のオーディオ信号復号化方法
及び装置における帯域合成フィルタの次数より低次数で
ある範囲で任意に設定することが可能である。
【0078】
【発明の効果】以上本発明のオーディオ信号復号化方法
によれば、帯域をM分割したオーディオ信号を符号化処
理した符号化信号の一部の帯域の信号を選択し、選択さ
れた信号のみを用いて復号化処理を行うことで、復号化
処理に係る演算量の削減が可能であり、少ないフィルタ
リング遅延にて復号化処理を行うことが可能になる。
【0079】また、帯域選択工程において上記符号化信
号の低域側の信号のみを選択し、選択された信号のみを
用いて復号化処理を行うことで、復号化処理に係る演算
量の削減が可能である。
【0080】また、帯域合成工程において、上記符号化
信号の全帯域を帯域合成に必要とされる次数より低次数
の帯域通過フィルタを用いることで、復号化処理、特に
帯域合成に係る演算量の削減が可能であり、少ないフィ
ルタリング遅延にて復号化処理を行うことが可能にな
る。
【0081】また、本発明のオーディオ信号復号化装置
によれば、逆量子化手段にて帯域をM分割したオーディ
オ信号を符号化処理した符号化信号の一部の帯域の信号
を選択し選択された信号のみを用いて逆量子化、すなわ
ち復号化処理を行うことで、復号化処理に係る演算量の
削減が可能である。
【0082】また、逆量子化手段において上記符号化信
号の低域側の信号のみを選択し、選択された信号のみを
用いて逆量子化処理、すなわち復号化処理を行うこと
で、復号化処理に係る演算量の削減が可能である。
【0083】また、帯域合成手段において、上記符号化
信号の全帯域を帯域合成に必要とされる次数より低次数
の帯域通過フィルタを用いることで、復号化処理、特に
帯域合成に係る演算量の削減が可能であり、少ないフィ
ルタリング遅延にて復号化処理を行うことが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】オーディオ信号符号化及び復号化方法に適用し
た本発明のオーディオ信号復号化方法の動作を示すフロ
ーチャートを示す図である。
【図2】上記オーディオ信号符号化及び復号化方法にお
ける帯域合成の部分の動作を説明するフローチャートを
示す図である。
【図3】帯域合成時に用いる帯域通過フィルタを構成す
る低域通過フィルタの周波数特性の一例を示す図であ
る。
【図4】上記帯域通過フィルタの周波数特性の一例を示
す図である。
【図5】従来において知られている512タップの帯域
合成フィルタを用いたときのX[t][i]を説明する図であ
る。
【図6】上記512タップの帯域合成フィルタを用いた
ときのV[i] を説明する図である。
【図7】上記512タップの帯域合成フィルタを用いた
ときのU[i] を説明する図である。
【図8】本発明のオーディオ信号復号化方法におけるタ
ップ数256の帯域合成フィルタを用いたときのX[t]
[i]を説明する図である。
【図9】上記タップ数256の帯域合成フィルタを用い
たときのV[i] を説明する図である。
【図10】上記タップ数256の帯域合成フィルタを用
いたときのU[i] を説明する図である。
【図11】オーディオ信号符号化及び復号化装置に適用
した本発明のオーディオ信号復号化装置の要部の一例を
示す図である。
【符号の説明】
8 逆量子化部 9 合成フィルタバンク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーディオ信号の帯域をM分割された各
    帯域の信号毎に符号化処理することにより得られた符号
    化信号を復号化処理するオーディオ信号復号化方法にお
    いて、 上記符号化信号から上記M個の帯域の内の一部の帯域の
    信号を選択する帯域選択工程と、 上記帯域選択工程にて選択される信号を逆量子化する逆
    量子化工程と、 上記逆量子化工程にて得られる逆量子化信号を帯域合成
    する帯域合成工程とを有することを特徴とするオーディ
    オ信号復号化方法。
  2. 【請求項2】 上記帯域選択工程により選択される符号
    化信号は、所定の帯域より低域側の符号化信号であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のオーディオ信号復号化方
    法。
  3. 【請求項3】 上記帯域合成工程にて、上記オーディオ
    信号の全帯域の帯域合成に必要とされる次数より低次数
    の帯域合成フィルタを用いることを特徴とする請求項1
    記載のオーディオ信号復号化方法。
  4. 【請求項4】 オーディオ信号の帯域をM分割された各
    帯域の信号毎に符号化処理することにより得られた符号
    化信号を復号化処理するオーディオ信号復号化装置にお
    いて、 上記符号化信号から上記M個の帯域の一部の帯域の信号
    を選択すると共に、選択された帯域の信号を逆量子化す
    る逆量子化手段と、 上記逆量子化手段にて得られた逆量子化信号を帯域合成
    する帯域合成手段とを有して成ることを特徴とするオー
    ディオ信号復号化装置。
  5. 【請求項5】 上記逆量子化手段にて選択される帯域
    は、所定の帯域より低域側の帯域であることを特徴とす
    る請求項4記載のオーディオ信号復号化装置。
  6. 【請求項6】 上記帯域合成手段は、上記オーディオ信
    号の全帯域の帯域合成に必要とされる次数より低次数の
    帯域合成フィルタを有して成ることを特徴とする請求項
    4記載のオーディオ信号復号化装置。
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