JPH08222771A - 熱電発電素子及び熱電発電装置 - Google Patents

熱電発電素子及び熱電発電装置

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JPH08222771A
JPH08222771A JP7046468A JP4646895A JPH08222771A JP H08222771 A JPH08222771 A JP H08222771A JP 7046468 A JP7046468 A JP 7046468A JP 4646895 A JP4646895 A JP 4646895A JP H08222771 A JPH08222771 A JP H08222771A
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Japan
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power generation
thermoelectric power
porous
thermoelectric
type semiconductor
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JP7046468A
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English (en)
Inventor
Ryozo Echigo
亮三 越後
Hideo Yoshida
英生 吉田
Motoi Furuta
基 古田
Hiroshi Kikuchi
啓 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】相異なる二種の熱電発電材料の多孔性シ−トの
端部を交互に溶接して多数つなぎあわせ、この両多孔性
シ−トの間にポ−ラス状の電気絶縁材料を介在させてな
ることを特徴とする熱電発電素子及びこれを用いた熱電
発電装置。 【効果】本発明の熱電発電素子及び発電装置によれば、
急峻且つきわめて高い温度差△Tを得ることができ、こ
れによって発電電力W及び熱電変換効率η(=W/Q)
を飛躍的に向上させ、有効な電力を取り出すことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱電発電素子及びこれ
を用いた熱電発電装置に関し、より具体的には特に急峻
で大きな温度差の生成を可能とし、高い熱電変換効率を
得ることができる熱電発電素子及びこれを用いた熱電発
電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電発電(熱電気発電)は、ゼ−ベック
効果すなわち相異なる二種の金属やp型半導体とn型半
導体等の相異なる熱電発電材料を熱的に並列に置き、電
気的に直列に接続して、接合部間に温度差を与えると、
両端に熱起電力が発生する熱電効果を利用して、熱エネ
ルギ−を直接電力に変換する技術であり、外部に負荷を
接続して閉回路を構成することにより回路に電流が流
れ、電力を取り出すことができる。この技術は僻地用電
源、宇宙用電源、軍事用電源等として一部で実用化され
ている。
【0003】図1は、その熱電発電素子の一態様を原理
的に説明する模式図であり、n型半導体とp型半導体と
を組合せたものである。図1中、1はp型半導体、2は
n型半導体、3は高温側接合部、4は低温側接合部であ
り、Qは高温熱源、Thは高温側温度、Tcは低温側温
度を示し、またSは絶縁空間である。図示のとおり高温
側接合部には高温側電極5を共通に設け、低温側接合部
には低温側電極6、7が別個に設けられている。この態
様の熱電発電素子において、高温側接合部3と低温側接
合部4との間に温度差ΔT=Th−Tcを与えると、両
電極間(5と6及び7との間)に電圧が発生する。それ
故低温側の両電極6と7との間に負荷(R)を接続する
と電流(I)が流れ、電力(W)として取り出すことが
できる。
【0004】この種の熱電発電素子において、その電気
出力Wは次式(1)で表わされる。ここで式(1)中、
I:電流、R:負荷抵抗、α:熱電能、ΔT=Th−T
c、r:内部抵抗、m=R/rである。
【0005】
【数 1】
【0006】式(1)から明らかなとおり、電気出力W
は、高温側温度と低温側温度との差に大きく依存し、Δ
Tの2乗に比例している。ところが材料の一端を加熱し
たときにΔTがどのくらい得られるかは、材料の熱電導
率k(及び入熱Q、材料サイズ)によって決ってしま
う。このためΔTを飛躍的に大きくすることはできず、
ΔTをより大きくする工夫としては、せいぜい低温側の
放熱を促進させるぐらいのものである。
【0007】一方、そこで用いられる熱電素子材料自体
については、これまでn−Bi88Sb12、n−PbTe
(0.055mol%PbI2 )、p−Bi2Te3(5
5)+Sb2Te3(45)その他各種のものが知られて
いるが、これらの熱電素子材料は、通常、以下に述べる
とおりの性能指数Z(又は無次元性能指数ZT)によっ
て評価される。
【0008】まず熱電変換素子の最大効率ηmaxは次式
(2)で与えられる。但し、式(2)中、Z=α2/ρ
λ、α=ゼ−ベック係数、ρ=電気抵抗率、λ=熱伝導
率、Th=高温側温度、Tc=低温側温度、T=(Th
+Tc)/2である。
【0009】
【数 2】
【0010】上記式(2)において、例えばTh=13
00K、Tc=300Kであるとすると、ZT=1の場
合、ηmax =13.8%となり、また同じ温度差100
0Kで、ZT=2の場合にはηmax =21.9%とな
る。図2はこれまで知られている種々の熱電材料につい
ての性能指数(Z)と温度変化の関係を示すものである
が〔昭和63年2月28日、(社)電気学会発行「新版
電気工学ハンドブック」第848頁〕、その性能は概ね
ZT=1の壁を超えてはいない。この理由は、前記α、
ρ、λは、本質的にすべてキャリヤ濃度の関数であり、
独立に変化させることは極めて難しいという事情による
ものである。
【0011】ところで式(2)から明らかなとおり、熱
電変換素子の最大効率ηmax は、高温側温度Thと低温
側温度Tc間の温度差ΔT(=Th−Tc)にも大きく
依存している。しかし熱電変換素子の高温側と低温側と
は通常微小な距離しか取れないため、両接合部間におい
てこの温度差を大きくすることはなかなか難かしい。の
みならず発生した電力を取り出すに際して、熱電発電素
子内にジュ−ル発熱が起こり、これにより熱損失を増加
させるという事情もある。このためジュ−ル発熱を小さ
くなるように熱電発電素子の材料として導電率σの大き
いものを選択すると、熱伝導率λも大きくなって、結果
的に低温側接合部の温度Tcを押し上げてΔTが小さく
なり、ゼ−ベック効果の低下を招くことになってしま
う。
【0012】本発明者は、このような諸問題点を解決す
るものとして、多孔質媒体の内部における燃焼現象とし
て、往復動燃焼法という燃焼法により多孔質媒体内に急
峻な温度勾配が得られる点に着目し、これを利用する新
規且つ有用な技術を先に開発し、提案しているが(特開
平6−302867号)、さらに研究、検討を進めてい
るうち、有効な温度差ΔTを得る手法として特定の材質
からなる通気性の多孔質燃焼体を巧みに利用し応用する
ことにより、優れた熱電発電素子とすることができるこ
とを見い出し、本発明に到達するに至ったものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
相異なる二種の金属やn型半導体とp型半導体等の相異
なる熱電発電材料を特殊、特定の形状として交互に接合
し、その間に特殊、特定の通気性多孔質燃焼体すなわち
ポ−ラス状の電気絶縁材料を介在させることにより、こ
のポ−ラス状電気絶縁材料にガスを通過させるととも
に、その表面部で燃焼を起こさせるようにしてなる熱電
発電素子及びこれを用いた熱電発電装置を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、相異なる二種
の熱電発電材料の多孔性シ−トの端部を交互に接合して
多数つなぎあわせ、該両多孔性シ−トの間にポ−ラス状
の電気絶縁材料を介在させてなることを特徴とする熱電
発電素子を提供するものである。
【0015】また本発明は、燃料ガスと空気又は酸素
(本明細書中「燃焼用ガス」という)との混合ガス供給
管及び排気ガス排出管を備える筒状ケ−シング内に、相
異なる二種の熱電発電材料の多孔性シ−トの端部を交互
に接合して多数つなぎあわせ、該両多孔性シ−トの間に
ポ−ラス状の電気絶縁材料を介在させてなる熱電発電素
子を配置、固定し、その素子両端部に導線を連結してな
ることを特徴とする熱電発電装置を提供する。
【0016】図3〜図4は、本発明に係る熱電発電素子
構成上の一態様を示すものである(なお、ここでは熱電
発電材料としてp型及びn型半導体を用いた場合を記載
しているが、異種の金属を組合せた場合等についても同
様である)。図3(a)中、A・・・はp型半導体の箔
状メッシュ、B・・・はn型半導体の箔状メッシュ、C
・・・は両者の接合部である。図示のとおりp型半導体
の箔状メッシュA・・・及びn型半導体の箔状メッシュ
B・・・を交互に配置し、接合部C・・・により接合す
る。この接合は、素子製作時や後述発電操作時に歪みや
剥がれが等が生じない手法により行う必要があり、この
ような手法であれば適用できるが、その例としては好ま
しくは溶接により行うことができる。
【0017】なお、図3(a)の場合はp型半導体の箔
状メッシュA・・・とn型半導体の箔状メッシュB・・
・とを直かに接合する態様であるが、両箔状メッシュ間
の接合部位に導電性のスペ−サ−を配置、介在させて接
合し、断面コ字状に構成することもでき、これにより両
箔状メッシュ間に、ポ−ラス状の電気絶縁材料を両メッ
シュによる歪みをより少なくして、挟持、介在させるこ
とができる。
【0018】ここで本発明における上記相異なる熱電発
電材料の組み合わせとしては、特に限定はないが、例え
ばアルメル合金(n型)−クロメル合金(p型)、
鉄シリサイド(FeSi2 )、シリコン−ゲルマニウ
ム(Si−Ge)等を挙げることができる。このうち
アルメル−クロメルの場合には、n型のアルメル合金と
p型のクロメル合金の組み合わせとなるが、鉄シリサ
イド(FeSi2 )の場合には、Mn又はCrをド−プ
したp型鉄シリサイド〔FeSi2(Mn orCr)〕
とCoをド−プしたn型鉄シリサイド〔FeSi2(C
o)〕の組み合わせとして、またシリコン−ゲルマニ
ウム(Si−Ge)の場合には、ホウ素(B)をド−プ
したp型シリコン−ゲルマニウム〔Si−Ge(B)〕
とリン(P)ド−プのn型シリコン−ゲルマニウム〔S
i−Ge(P)〕の組み合わせとして使用する。
【0019】また、本発明では、相異なる熱電発電材料
をともに多孔性シ−トとして適用するが、この形態とし
ては熱電発電材料のシ−トをパンチングしたもの(パ
ンチングシ−ト)、細線状又は繊維状の熱電発電材料
素材を織布又は不織布に編成してシ−ト状のメッシュと
したもの(シ−トメッシュ)、粒子状又は粉末状にし
た熱電発電材料をプレス処理し、焼結してシ−ト状メッ
シュとしたもの(焼結処理により、粉粒体の一部が相互
に溶着し合い、しかも粉粒体の間に微細な空隙ができ
る)等、各種態様で適用することができる。
【0020】図4は、このうちパンチングシ−トの場
合を示しているが、パンチング孔自体の形状としては円
孔形とは限らず、三角形、四角形等、ガスが通過し得る
形状であれば足りる。またその孔径や各孔相互の配置、
間隔等については双方の熱発電材料シ−ト間にポ−ラス
状の電気絶縁材料を挟んで保持し得る程度に構成するこ
とができ、そして双方の熱発電材料シ−ト間にポ−ラス
状の電気絶縁材料を挟んで保持し得る程度に構成する点
は上記〜のようなシ−トメッシュの場合についても
同様である。
【0021】本発明の素子は、異種金属やp型半導体と
n型半導体等の相異なる熱電発電材料の多孔性シ−トの
間にポ−ラス状の電気絶縁材料を介在させて構成され
る。この介在のさせ方としては、例えば両シ−ト間にポ
−ラス状の電気絶縁材料を挟んだ後、両端部から圧縮す
る態様で行うことができる。図3(b)は、両多孔性シ
−ト間にポ−ラス状の電気絶縁材料を挟んだ状態を示す
ものであり、図3(b)中、Pはそのポ−ラス状の電気
絶縁材料である。図示のとおりポ−ラス状の電気絶縁材
料Pは、交互にジグザグ状に接合された相異なる熱電発
電材料の両箔状メッシュA・・・及びB・・・間に挟
み、その両端部方向から圧縮することで挟持し、介在さ
せる。
【0022】ここで上記ポ−ラス状の電気絶縁材料Pと
しては、マット又はマット状に積層したものを使用する
が、本発明においてはこの電気絶縁材料Pに燃料ガスと
燃焼用ガスとの混合ガスを通過させるとともに、この表
面(後述のとおり、排気ガス側の表面)で燃焼を起こさ
せる。この燃焼により、そのマットの両表面間において
通常の固体熱伝導とは比較にならないほど急峻で大きな
温度勾配が得られる。すなわち前述△Tが大きくとれる
ため、発電電力W及び熱電変換効率η(=W/Q)を飛
躍的に向上させることができるものである。
【0023】また、本発明では、このマットの材料とし
て電気絶縁性の材料を使用するが、この材料としては例
えばガラスファイバ−、セラミックファイバ−等を挙げ
ることができる。これらファイバ−(微細繊維)を例え
ば編成して織布とするか、ランダムに積層、層状化し、
ポ−ラス状のマットに形成して適用する。この場合その
ファイバ−の材質、その径(素線径)、またマットとし
たときの気孔率(Porosity)等は、上記作用す
なわちそのマット中で燃料ガスと燃焼用ガスとの混合ガ
スを通過させるとともに、その表面で燃焼を起こさせ、
平面火炎を有効に形成させ得る限度で適宜設定、選定す
ることができ、例えばファイバ−自体の素線径として数
十μm程度、これを織布又はマットとしたときの気孔率
として40〜60%程度に構成することができる。
【0024】次に図5は、本発明に係る熱電発電素子を
使用した熱電発電装置の一態様を示すものである。な
お、図5には縦型の例を示しているが、横型としても適
用できることは勿論である。図5中、11は筒状の装置
容器すなわちケ−シング、12は熱電発電素子、13は
燃料ガス及び燃焼用ガスの供給管、14は排気ガス導管
であり、熱電発電素子12は、図示のとおりケ−シング
11中に層状すなわちベッド状に設置されるが、このと
きその素子12の外周縁を、これと当接するケ−シング
11の内周面と気密に配置し、固定する必要がある。
【0025】上記筒状ケ−シング11としては、その断
面は矩形とは限らず、円筒状に構成することもできる
が、この場合には熱電発電素子12の外周縁をその形状
に合わせて構成する。また図5中、15は導線、Rは負
荷であり、導線15は熱電発電素子12の両端部に接合
され、負荷Rを介して電力Wが取り出される。さらに本
装置における燃料ガスとしては、水素、メタン、都市ガ
ス、LPGその他適宜のガス燃料を使用することがで
き、これに空気、酸素等の燃焼用のガスを混合し、燃焼
させる。この場合、両ガスは均一に混合し且つ素子の全
面に均一に供給して燃焼させる必要があるが、図6はこ
のための一態様を示すものである。
【0026】図6中、16はバッファ−、17はケ−シ
ング内壁側との間にガス通路18を設けて配置された多
孔板である。燃料ガスと燃焼用ガスとが予め均一に混合
された可燃性ガスを導管13から供給すると、バッファ
−16に突き当たってガス通路18へ迂回し、次いでケ
−シング11内周縁部からバッファ−16と素子表面と
の間の空間に流れる。例えばこのような態様により混合
可燃性ガスを熱電発電素子表面に均一に供給することが
できる。
【0027】この装置の操作、作動に際しては、ガス供
給管13から燃料ガス及び燃焼用ガスを均一に混合して
供給すると、熱電発電素子12の表面(排気ガス側表
面)で着火して面状に燃焼し、平面火炎を発生する。こ
の平面火炎は、上流側(排気ガス側)の熱電発電素子1
2の面及びその表面の極く近傍に形成され、この平面火
炎が素子12に熱を放出して高温に加熱する。図5中、
Thはその表面の温度である。またこの加熱、また火炎
安定性を維持するため、その混合ガスについて空気比
(酸素比)、燃焼負荷(発熱量=燃料ガス消費量)、流
速等を適宜調整し、制御する。
【0028】一方、熱電発電素子12への混合ガス流の
供給側の表面は、作動時に熱電発電素子12の表面(排
気ガス側表面)からの伝熱により加熱されるが、常時混
合ガス流により冷却されており、特にポ−ラス状の電気
絶縁材料Pがふく射熱の透過を妨げる役割も担っている
ので、その分高温側から低温側への熱移動が起こりにく
く、実際に大きな温度差が得られる(ふく射伝熱の影響
は極めて少ない)。本発明においては、これらによって
その素子12表面の温度(Th)より非常に低い温度に
維持される。図5中、Tcはその温度である。本発明で
は、これらの構成、作用により、前述式(1)〜(2)
に基づき、この両者間の温度差△T(=Th−Tc)を
利用して電力を発生させ、導線15及び負荷Rを介して
電力Wを取り出すことができる。
【0029】本発明における熱電発電素子によれば、こ
のようにその温度差△T(=Th−Tc)を格段に増大
させることができ、この素子について実施した実験結果
によると、例えばその熱電発電素子の火炎側表面の温度
(Th):約700〜1050℃、混合ガス供給側表面
の温度(Tc):約400〜700℃、温度差△T(=
Th−Tc)にして約200〜400℃を得ることがで
きた。
【0030】図7はその実測値を示すものである。この
実験では、後述実施例のような素子及び装置を用い、燃
料ガスとして都市ガス13Aを、燃焼用ガスとして空気
を用い、ガス流量を0.012l/sec(リットル/
秒)として実施している。なお図7中「当量比」とは、
燃焼用ガスに対する燃料ガスの当量比を示している。ま
た図8は、その各当量比(Φ)の場合について、負荷抵
抗(図5中、R)に対する出力電力(W/m2 )の変化
を実測したものであるが、図8のとおり、その一例とし
て現実に100W/m2 もの電力が得られている。
【0031】上記温度差△Tの程度は、その素子構成材
料の材質、組み合わせやその素子の規模(両メッシュの
対数、寸法等)、また混合ガスの空燃比(燃料ガスに対
する燃焼用ガスの比率)等の諸条件により左右される
が、本発明によればこれら条件如何により400℃以上
の温度差を得ることも可能である。本発明では、このよ
うにして発電電力W及び熱電変換効率η(=W/Q)を
さらに向上させ、有効な電力を取り出すことができるも
のである。
【0032】なお、従来、各種金属材料やセラミック素
材からなる多孔質燃焼体を利用した表面燃焼バ−ナ−が
知られているが、これらはガスがもつエネルギ−を放射
エネルギ−に変換するもので、家庭用放射暖房器や工業
用・業務用放射加熱源として用いられ、また放射加熱を
利用する乾燥炉等への利用のほか、小型ボイラ−のコン
パクト化、低NOx化や小型加熱炉への適用も期待され
ている。これに対して本発明では、放射エネルギ−をそ
のように利用するのではなく、その多孔質燃焼体を、そ
の材料として特に熱電材料を使用し、これを通気性多孔
質燃焼体として構成することにより、ガス燃焼を熱電発
電素子における電力発生用の温度差を得るために巧みに
利用し、応用したものである。なお、この場合、熱電変
換用の温度差を得るために利用されたエネルギ−以外の
残りの放射エネルギ−は、従来同様、燃焼熱として利用
することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこの実施例に限定されないことは勿論である。本実施
例では、図3に示すような形状の熱電発電素子を作製
し、これを図5に示すような使用態様で適用した。
【0034】相異なる二種の熱電発電材料からなる多
孔性シ−トとして、クロメル合金の多孔性シ−トとアル
メル合金の多孔性シ−トを使用した。この両シ−トは、
クロメル及びアルメルの各シ−トを、図4に示すように
パンチングすることにより多孔性シ−トとし(パンチン
グメタル、パンチ孔径0.14mm、孔ピッチ0.35
mm、気孔率32%)、ともに厚さ60μm、50mm
×50mmの矩形としたものである。
【0035】これら両多孔性シ−トを各々200個用
意し、これらをパ−カッション溶接(percussi
on welding)により交互に直列に接合し、図
3(a)に示すような合計200対からなるアルメル−
クロメルシ−トの接合体を作製した。引続き、直列に
接合された各対の間に素線径22μmのガラスファイバ
−を織布として編製したガラスファイバ−のマット(厚
さ=0.49mm、気孔率=50%)を図3(b)のよ
うに挟んだ後、両側からマットを圧潰しないよう注意し
ながら圧縮し、幅50mm×50mm、厚さ25mmの
熱電発電素子を構成した。
【0036】次いで、上記素子を図5のように配置し
た発電装置を構成した。この場合、ケ−シング11とし
ては断面矩形のステンレス鋼管の内面に断熱内張りをし
たものを使用し、その内径は素子形状に合わせて50m
m×50mmとした。操作に際して、導管13から燃料
ガス及び空気を供給し、燃焼排ガスは導管14から排気
したが、燃料ガスとして都市ガスを使用し、空気比(当
量比)1となる割合で空気を混合、供給した(発生熱量
として400kW/m2 )。この混合ガスの供給速度は
熱電発電素子12の表面上(排気ガス側の表面)に火炎
を形成させて、この状態を持続させるとともに、逆火が
起らないよう調整、制御した。
【0037】以上の操作を続けながら、出力電圧を測定
するとともに、熱電発電素子12の両表面の温度Th及
びTcを計測したが、出力電圧値=3.5V、Th=1
030℃、Tc=628℃を示した。この出力電圧値
3.5Vは、ほぼ理論値どおりであり、また前述式
(1)のとおり、電気出力Wは温度差△Tの2乗に比例
するが、本実施例で得られたその温度差△Tは、約40
0℃(△T=Th−Tc=1030−628≒400
℃)にも及んでいる。
【0038】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の熱電発電素子及
び発電装置によれば、急峻できわめて高い温度差△Tを
得ることができ、これによって発電電力W及び熱電変換
効率η(=W/Q)を飛躍的に向上させ、有効な電力を
取り出すことができる。また本発明は、僻地用電源、宇
宙用電源等として適用できるほか、燃焼機器の制御等の
電子回路用電源等としても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱電発電素子の一態様を原理的に説明する模式
図。
【図2】各種熱電材料についての性能指数(Z)と温度
変化の関係を示す図。
【図3】本発明に係る熱電発電素子の構成態様を示す
図。
【図4】本発明に係る熱電発電素子の構成態様を示す
図。
【図5】本発明に係る熱電発電素子を用いた熱電発電装
置の一態様を示す図。
【図6】図5の熱電発電装置における可燃性ガスの供給
態様を示す図。
【図7】本発明に係る一熱電発電素子についての火炎側
表面温度(Th)と混合ガス供給側表面温度(Tc)の
実測値を示す図。
【図8】本発明に係る一熱電発電素子についての負荷抵
抗に対する出力電力(W/m2 )変化を実測した図。
【符号の説明】
1 p型半導体 2 n型半導体 3 高温側接合部 4 低温側接合部 5 高温側電極 6、7 低温側電極 S 絶縁空間 A・・・ p型半導体の箔状メッシュ B・・・ n型半導体の箔状メッシュ C・・・ A・・・とB・・・との接合部 P ポ−ラス状の電気絶縁材料 11 ケ−シング 12 熱電発電素子 13 燃料ガス及び燃焼用ガスの供給管 14 排気ガス導管 15 導線 R 負荷 16 バッファ− 17 多孔板 18 ガス通路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相異なる二種の熱電発電材料の多孔性シ−
    トの端部を交互に接合して多数つなぎあわせ、該両多孔
    性シ−トの間にポ−ラス状の電気絶縁材料を介在させて
    なることを特徴とする熱電発電素子。
  2. 【請求項2】上記相異なる二種の熱電発電材料が、p型
    半導体及びn型半導体である請求項1記載の熱電発電素
    子。
  3. 【請求項3】上記相異なる二種の熱電発電材料が、アル
    メル合金及びクロメル合金である請求項1記載の熱電発
    電素子。
  4. 【請求項4】上記相異なる二種の熱電発電材料の多孔性
    シ−トの端部の交互の接合が、溶接により接合されてな
    る請求項1、2又は3記載の熱電発電素子。
  5. 【請求項5】上記ポ−ラス状の電気絶縁材料が、ガラス
    ファイバ−製又はセラミックファイバ−製である請求項
    1、2、3又は4記載の熱電発電素子。
  6. 【請求項6】燃料ガスと燃焼用ガスの混合ガス供給管及
    び排気ガス排出管を備える筒状ケ−シング内に、相異な
    る二種の熱電発電材料の多孔性シ−トの端部を交互に接
    合して多数つなぎあわせ、該両多孔性シ−トの間にポ−
    ラス状の電気絶縁材料を介在させてなる熱電発電素子を
    配置、固定し、その素子両端部に導線を連結してなるこ
    とを特徴とする熱電発電装置。
  7. 【請求項7】上記相異なる二種の熱電発電材料が、p型
    半導体及びn型半導体である請求項6記載の熱電発電装
    置。
  8. 【請求項8】上記相異なる二種の熱電発電材料が、アル
    メル合金及びクロメル合金である請求項6記載の熱電発
    電装置。
  9. 【請求項9】上記相異なる二種の熱電発電材料の多孔性
    シ−トの端部の交互の接合が、溶接により接合されてな
    る請求項6、7又は8記載の熱電発電装置。
  10. 【請求項10】上記ポ−ラス状の電気絶縁材料が、ガラ
    スファイバ−製又はセラミックファイバ−製である請求
    項6、7、8又は9記載の熱電発電装置。
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