JPH08222166A - イオン源 - Google Patents

イオン源

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JPH08222166A
JPH08222166A JP2669195A JP2669195A JPH08222166A JP H08222166 A JPH08222166 A JP H08222166A JP 2669195 A JP2669195 A JP 2669195A JP 2669195 A JP2669195 A JP 2669195A JP H08222166 A JPH08222166 A JP H08222166A
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和洋 妹尾
Shigeaki Hamamoto
成顕 濱本
Masakazu Adachi
昌和 足立
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 リン等の固体試料5を加熱して蒸気化するオ
ーブン2とアークチャンバ1とを接続するガス導入管3
及びアダプタ4を、金属よりも熱伝導度が低いアルミナ
にて形成し、アークチャンバ1とオーブン2との間の熱
絶縁を図る。 【効果】 アークチャンバ1の温度がオーブン2の温度
に与える影響が従来よりも少なくなり、オーブン2の温
度を一定に保つことが容易である。また、オーブン2を
使用しないでイオン源を運転する場合に、オーブン2に
残存している固体試料5がアークチャンバ1の影響によ
って蒸気化する量が従来よりも減少し、オーブン2から
アークチャンバ1へ導入される不要なガスを低減するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入装置等のイ
オンビーム装置に供され、プラズマ生成チャンバ内に導
入されたイオン種ガスをプラズマ化してイオンを生成す
るイオン源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、元素をプラズマ化し、プラズマ中
のイオンをイオンビームとして引き出すイオン源は、イ
オン注入をはじめとして、イオンプレーティング、結晶
成長、或いはイオン加工等、様々な分野に利用されてい
る。
【0003】上記イオン源には、フリーマン型イオン源
やバーナス型イオン源等の低電圧アーク放電型のもの、
ECRイオン源等の高周波型のもの、その他種々のタイ
プのものがあるが、基本的には、ガス供給源から高真空
のプラズマ生成チャンバ内にイオン種ガスを供給しなが
ら、アーク放電やマイクロ波放電等を用いて導入ガスを
プラズマ化する構成である。
【0004】上記イオン源のプラズマ生成チャンバに
は、BF3 等のイオン種ガスやアルゴンガス等の洗浄用
ガスをチャンバ内に導入するためのガス導入管が接続さ
れている。また、イオン種がヒ素、リン、或いはその他
の金属の場合には、固体試料を加熱により蒸気化して、
プラズマ生成チャンバ内に導入する必要があり、プラズ
マ生成チャンバの外部に固体試料を加熱するオーブンが
設けられたイオン源もある。ここで、固体試料をイオン
化することが可能な従来のイオン源の構成を、図6に示
す。
【0005】この種のイオン源は、オーブン51とプラ
ズマ生成チャンバ52との間をステンレス等の金属製の
ガス導入管53にて接続し、該金属製のガス導入管53
を通してオーブン内で蒸気化された試料ガスをプラズマ
生成チャンバ52内に導入するようになっている。上記
オーブンからプラズマ生成チャンバ52内に導入される
ガス量の調整は、オーブン51の温度を調整して試料5
4の気化量を変化させることによって行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のイオン源では、
オーブン51とプラズマ生成チャンバ52との間を接続
するガス導入管53、及びガス導入管53の先端部をプ
ラズマ生成チャンバ52に取り付けるためのアダプタ5
5が、耐熱性、強度、加工性等を考慮して、ステンレス
等の金属にて形成されている。このため、プラズマ生成
チャンバ52とオーブン51との間で、比較的熱伝導率
の高い金属性のガス導入管53を介して多量の熱量が伝
達(伝導)される。
【0007】例えばフリーマン型やバーナス型のイオン
源では、プラズマ生成チャンバ52の内部に設けられた
フィラメントに電流を流して該フィラメントを高温に
し、該フィラメントとプラズマ生成チャンバ52との間
にアーク電圧を印加してチャンバ内でアーク放電を生じ
させるので、プラズマ生成チャンバ52の温度は100
0℃を越える高温となる。その他のタイプのイオン源で
もやはり気中放電等によってプラズマ生成チャンバ52
の温度は高温になる。
【0008】例えば、オーブン51を用いてリン等の固
体試料を蒸気化してイオン源を運転した後、オーブン5
1を冷却すると共にアルゴンガスにてプラズマ生成チャ
ンバ52を所定時間クリーニングし、引き続いてBF3
等のイオン種ガスを用いてイオン源を運転する場合、プ
ラズマ生成チャンバ52の熱がガス導入管53を介して
オーブン51に伝達され、これによってオーブン51内
に残存している固体試料が蒸気化してプラズマ生成チャ
ンバ52へ導入されてしまう。
【0009】また、オーブン51を用いたイオン源の運
転中においても、プラズマ生成チャンバ52とオーブン
51との間の熱の伝導により、両者が相互に影響を及ぼ
し合う。例えば、プラズマ生成チャンバ52内のプラズ
マ密度は、アーク電圧を変化させることによって調整さ
れ、この調整に伴ってプラズマ生成チャンバ52の温度
が変化すると、この温度変化がオーブン51の加熱温度
に影響を与え、オーブン51内の試料の気化量が変化す
る。この結果、オーブン51からプラズマ生成チャンバ
52へのガスの導入量が安定しない等の不都合が生じ
る。
【0010】上記イオン源において、プラズマ生成チャ
ンバ52が熱的な影響を受けるのは、オーブン51に対
してだけではない。図7に示すように、プラズマ生成チ
ャンバ52は、ベース板56上に立設されたステンレス
等の金属製の4本の支持棒57…の先端に取り付けられ
た同じく金属製の受板部材58に、ボルト等で固定され
て支持されている。このような従来の支持構造では、高
温になったプラズマ生成チャンバ52の熱が、金属製の
受板部材58及び支持棒57…を介して外部へ逃げてし
まい、プラズマ生成チャンバ52の温度が低下してしま
う。
【0011】例えばオーブン51を用いてリン等の融点
の高い固体試料を蒸気化してイオン源を運転する場合、
プラズマ生成チャンバ52の温度が低いと、該チャンバ
内に固体試料(或いは固体試料と何らかの物質との化合
物)が残存する量が多くなり、この後、他のイオン種に
切り替えてイオン源を運転する場合、クリーニング工程
(プラズマ生成チャンバ52内に残存する他のイオン種
が基準量以下になるまで、アルゴンガス等を用いてイオ
ン源を運転する工程)の所要時間が長くなるという不都
合が生じる。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るイ
オン源は、チャンバ内に導入されたガスをプラズマ化す
るプラズマ生成チャンバと、固体試料を加熱して蒸気化
する蒸発源と、上記プラズマ生成チャンバと蒸発源との
間を接続し、蒸発源にて蒸気化された試料を上記プラズ
マ生成チャンバへ導入するためのガス導入部材とを備え
たものであって、上記の課題を解決するために、以下の
手段が講じられていることを特徴とする。
【0013】即ち、上記ガス導入部材の少なくとも一部
分が、金属よりも熱伝導度の低い熱絶縁材(例えば、A
2 3 )にて形成されている。
【0014】請求項2の発明に係るイオン源は、チャン
バ内に導入されたガスをプラズマ化するプラズマ生成チ
ャンバと、上記プラズマ生成チャンバを支持して所定位
置に固定する支持部材とを備えたものであって、上記の
課題を解決するために、以下の手段が講じられているこ
とを特徴とする。
【0015】即ち、上記支持部材の少なくとも一部分
が、金属よりも熱伝導度の低い熱絶縁材(例えば、Al
2 3 )にて形成されている。
【0016】
【作用】請求項1の発明の構成によれば、プラズマ生成
チャンバと蒸発源との間を接続するガス導入部材の少な
くとも一部分が、金属よりも熱伝導度の低い熱絶縁材に
て形成されているので、プラズマ生成チャンバと蒸発源
との相互間の熱的な影響が従来(ガス導入部材が金属製
のもの)よりも少なくなる。したがって、プラズマ生成
チャンバの温度が蒸発源の温度に与える影響が少なく、
蒸発源の温度を一定に保つことが容易となる。また、蒸
発源を使用しないでイオン源を運転する場合に、蒸発源
に残存している固体試料がプラズマ生成チャンバの熱の
影響によって蒸気化する量は減少し、蒸発源からプラズ
マ生成チャンバへ導入される不要なガス(コンタミネー
ション)を低減することができる。
【0017】請求項2の発明の構成によれば、プラズマ
生成チャンバを支持している支持部材の少なくとも一部
分が、金属よりも熱伝導度の低い熱絶縁材にて形成され
ているので、支持部材を介してプラズマ生成チャンバの
外部へ逃げる熱量が従来(支持部材が金属製のもの)よ
りも少なくなる。したがって、これにより、イオン源の
運転中におけるプラズマ生成チャンバの温度が従来より
も上昇し、融点の高い物質(例えばリン等)のガスを用
いてイオン源を運転している場合でも、プラズマ生成チ
ャンバの内部にその物質(或いはその物質の化合物)が
残存する量が従来よりも少なくなり、イオン種を切り替
えてイオン源を運転する場合に必要なクリーニング時間
を従来よりも短縮することができる。
【0018】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例について図1ないし図3
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0019】本実施例に係るイオン源は、図1に示すよ
うに、プラズマを生成するためのアークチャンバ(プラ
ズマ生成チャンバ)1と、リンやヒ素等の固体試料5を
加熱して蒸気化するオーブン(蒸発源)2と、上記オー
ブン2にて蒸気化された試料をアークチャンバ1へ導入
するためのガス導入管3と、上記ガス導入管3の先端部
をアークチャンバ1へ接続するためのアダプタ4とを備
えている。ここでは、上記ガス導入管3とアダプタ4と
にて特許請求の範囲に記載のガス導入部材が構成されて
いる。
【0020】また、上記イオン源は、BF3 等のイオン
種ガスやアルゴンガス等の洗浄用ガスをガスボックス
(図示せず)からアークチャンバ1内に導入するための
ガス導入管(図示せず)も備えており、固体或いは気体
の何れの状態の試料でも動作可能となっている。
【0021】図1には、一例としてフリーマン型のイオ
ン源を示している。このイオン源は、アークチャンバ1
の内部に直線状のカソードフィラメント(以下、単にフ
ィラメントと称する)1aを備え、その両端部は、アー
クチャンバ1に設けられた絶縁キャップ1b・1bによ
って支持されている。上記アークチャンバ1にはアーク
電源1cの正極端子が、そして、上記フィラメント1a
にはアーク電源1cの負極端子がそれぞれ接続されてお
り、アークチャンバ1とフィラメント1aとの間には、
アーク放電に必要な所定の電位差が生じるようになって
いる。また、上記フィラメント1aの両端部には、該フ
ィラメント1aに電流を流すためのフィラメント電源1
dの端子がそれぞれ接続されている。また、上記アーク
チャンバ1の外部には、フィラメント1aの軸心に平行
な外部磁界を形成する図示しない磁石が設けられてい
る。また、上記アークチャンバ1の壁面には、イオンビ
ームを引き出すためのスリット形状の引出口が、フィラ
メント1aの軸心に平行に形成されている。
【0022】また、上記アークチャンバ1にはガス導入
口1eが穿設されており、ここにアダプタ4を介してガ
ス導入管3の先端が接続される。具体的には、アダプタ
4がアークチャンバ1に螺着されており、このアダプタ
4にガス導入管3の先端部が嵌着された取り付け構造と
なっている。
【0023】本実施例では、上記ガス導入管3及びアダ
プタ4が、何れも金属よりも熱伝導度が低いアルミナ
(酸化アルミニウム:Al2 3 )にて形成され、これ
にてアークチャンバ1とオーブン2との間の熱絶縁が図
れている。
【0024】上記の構成において、アーク電源1c及び
フィラメント電源1dをONにすると、フィラメント1
aに電流が流れて該フィラメント1aが発熱すると共
に、アークチャンバ1とフィラメント1aとの間の電位
差(アーク電源1cの電圧)によって、発熱したフィラ
メント1aから電子が放出され、アーク放電が生じる。
この際、リンやヒ素等の固体試料5をオーブン2で蒸気
化したガス(又はBF3等のイオン種ガス)を、ガス導
入管3(又はイオン種ガス導入用の図示しないガス導入
管)を介してアークチャンバ1の内部へ導入すれば、導
入ガスの粒子と電子とが衝突することによってガス粒子
が電離し、プラズマが生成されることになる。これによ
り、イオン源の運転中は、アークチャンバ1が高温にな
る。
【0025】上記アークチャンバ1内のプラズマ密度
は、アーク電源1cの電圧を変化させることによって調
整され、この調整に伴ってアークチャンバ1の温度が変
化する。従来であれば、このアークチャンバ1の温度変
化の影響を受けて、オーブン2の温度が一定にならない
という不都合が生じていたが、上記のようにガス導入管
3及びアダプタ4をアルミナにて形成してアークチャン
バ1とオーブン2との間の熱絶縁を図ることによって、
オーブン2の温度を一定に保つことが可能となる。この
結果、オーブン2からのガス導入量が安定する。
【0026】また、上記の熱絶縁により、オーブン2を
用いてリン等の固体試料5を蒸気化してイオン源を運転
した後、引き続いてBF3 等のイオン種ガスを用いてイ
オン源を運転する場合でも、従来のようにオーブン2内
に残存している固体試料5が蒸気化してアークチャンバ
1へ導入されるような不都合は生じない。以下に、その
テスト結果を示す。尚、このテストでは、上記のイオン
源をイオン注入装置に組み込んで行ったものである。
【0027】先ず、従来のイオン源及び本実施例のイオ
ン源のそれぞれに対して、下記の運転条件でオーブン2
を用いての運転を行った。
【0028】固体試料:リン オーブン温度:340℃ アーク電圧:60V アーク電流:1.0A 引出電流:4mA 尚、上記の引出電流とは、アークチャンバ1内から引き
出される全てのイオンのビーム電流である。また、イオ
ン源から引き出されたイオンビームを、イオン源の後段
に配した分析マグネットにて質量分析し、ターゲットに
おいてビーム電流30μA、100kVのP2+ビームが
得られる条件とした。
【0029】上記の条件によるイオン源の運転の後、オ
ーブン2を急冷し、従来のイオン源及び本実施例のイオ
ン源のそれぞれに対して、引き続いて下記の運転条件で
オーブン2を用いない運転を行った。
【0030】ガス:BF3 ガス流量:0.74cc/min アーク電圧:60V アーク電流:1.5A 引出電流:10mA また、ターゲットにおいてビーム電流150μA、80
kVのB+ ビームが得られる条件とした。
【0031】従来のイオン源を用いた場合、オーブンを
急冷してから20分後でも、オーブンからのガス(オー
ブン内に残留しているリンがアークチャンバからの熱に
よって加熱されてガス化したもの)により、ターゲット
において400μA程度のリンの残留ビームがあった。
これに対して、本実施例のイオン源を用いた場合、リン
の残留ビームは略0μAであった。
【0032】尚、上記では、ガス導入管3及びアダプタ
4を何れもアルミナで形成したが、ガス導入管3または
アダプタ4の何れか一方をアルミナで形成しても、アー
クチャンバ1とオーブン2との間の熱絶縁が可能であ
り、上記と同様の効果が得られる。
【0033】或いは、図2に示すように、ガス導入管
3′の一部をアルミナで形成してもよい。即ち、同図に
おいて、アダプタ4′をステンレス等の金属で形成し、
ガス導入管3′をアルミナ製の熱絶縁部3aと金属製の
非熱絶縁部3bとを連結した構成としても、上記と同様
の効果が得られる。
【0034】また、アークチャンバ1の壁厚がある程度
の厚さを有しておれば、図3に示すように、アダプタを
用いない構成も可能である。即ち、アダプタは、アーク
チャンバ1の壁厚が薄い場合にもガス漏れを起こさずに
ガス導入管3をアークチャンバ1に接続可能とするもの
であって、アークチャンバ1の壁厚にある程度の厚みが
あれば、アダプタを省略することができる。この場合、
同図に示すように、アークチャンバ1に穿設されたガス
導入口1eにアルミナ製のガス導入管3を直接嵌着すれ
ばよい。尚、図示しないが、上記ガス導入管3の一部分
のみをアルミナで形成してもよい。
【0035】ところで、イオン源に使用する材質として
は、融点、強度、ガスとの反応性等も考慮する必要があ
り、これらの条件を十分に満足し、且つ熱絶縁性にも優
れた(即ち、熱伝導度が金属よりも低い)好適な材質と
して、上記ではアルミナを示した。但し、アルミナに限
定されるものではなく、その他の材質としては、例え
ば、3Al2 3 ・2SiO2 、ジルコニア(酸化ジル
コニウム)、サイアロン(SIALON)等を用いるこ
ともできる。
【0036】〔実施例2〕本発明のその他の実施例につ
いて図4及び図5に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。尚、前記実施例1と同様の機能・構成を有する部
材には、前記実施例1と同じ参照符号を付記してその説
明を省略する。
【0037】本実施例に係るイオン源は、図4に示すよ
うに、ベース板6上に立設された4本の支持棒7…の上
端に取り付けられた受板部材8にアークチャンバ1をボ
ルトで固定してなるアークチャンバ1の支持構造を有す
る。ここでは、上記の支持棒7…と受板部材8にて特許
請求の範囲に記載の支持部材が構成されている。
【0038】上記の各支持棒7の上端部分は、アルミナ
製の熱絶縁部7aを形成しており、その他の部分7bは
ステンレス等の金属製である。また、上記受板部材8
も、ステンレス等の金属製である。
【0039】受板部材8と支持棒7との接続構造を図5
に示す。同図に示すように、受板部材8は、金属製のボ
ルト9によって支持棒7の上端に螺着される。上記受板
部材8を金属製とした場合、アークチャンバ1の熱が受
板部材8に伝導されて受板部材8も高温になる。この場
合、受板部材8の熱が上記ボルト9を介して支持棒7の
金属製の部分7bに伝達されないように、上記ボルト9
と受板部材8との間にはアルミナ製の熱絶縁部材10を
介在させる。
【0040】上記の構成において、イオン源の運転中は
上述のようにアークチャンバ1が高温になるが、その熱
が従来のように支持棒7を介して外部に逃げないよう
に、アルミナ製の熱絶縁部7aによって熱絶縁が図られ
ている。これにより、運転中におけるアークチャンバ1
の温度が従来よりも上昇し、オーブンを用いてリン等の
融点の高い固体試料を蒸気化してイオン源を運転してい
る場合でも、アークチャンバ1の内部に固体試料(或い
は固体試料と何らかの物質との化合物)が残存する量が
従来よりも少なくなる。以下に、そのテスト結果を示
す。尚、このテストも、前記と同様、イオン源をイオン
注入装置に組み込んで行ったものである。
【0041】先ず、従来のイオン源及び本実施例のイオ
ン源のそれぞれに対して、下記の運転条件でオーブンを
用いての運転を行った。
【0042】固体試料:リン オーブン温度:395℃ アーク電圧:60V アーク電流:1.0A 引出電流:4mA また、ターゲットにおいてビーム電流30μAのP2+
ームが得られる条件とした。
【0043】上記条件にて2〜3日運転後、オーブンに
よる加熱を停止し(オーブン0℃設定)、ガスボックス
から洗浄用ガスをアークチャンバ1へ供給しながら下記
の条件でイオン源を運転して、アークチャンバ1の内部
を20分間クリーニングした。
【0044】洗浄用ガス:Ar Arガス流量:0.2cc/min アーク電圧:75V アーク電流:0.85A 引出電流:6mA 上記のクリーニング工程の後、従来のイオン源及び本実
施例のイオン源のそれぞれに対して、引き続いて下記の
運転条件で運転を行い、B+ ビームを出した。
【0045】ガス:BF3 ガス流量:0.74cc/min アーク電圧:60V アーク電流:1.6A 引出電流:7mA 従来のイオン源を用いた場合、上記の運転条件で200
μA程度のリンの残留ビーム(アークチャンバ1内に残
留していたリンがイオン化して引き出されたビームであ
り、質量分析後、ターゲットにて計測されたもの)があ
った。これに対して、本実施例のイオン源を用いた場
合、上記のリンの残留ビームは従来の5分の1の40μ
A程度であった。
【0046】このように、イオン種を切り替えてイオン
源を運転する場合に必要なクリーニング工程(アークチ
ャンバ1内に残存する他のイオン種が基準量以下になる
まで、アルゴンガス等の洗浄用ガスを用いてイオン源を
運転する工程)の所要時間を従来よりも短縮することが
できる(例えば、従来は1時間かかっていたクリーニン
グ時間を30分以下にできる)。即ち、イオン種の切り
替え時間を従来の半分以下に短縮することができ、ひい
ては装置の使用効率の向上が図れる。
【0047】また、クリーニング工程が十分に行われな
かった場合でも、前の運転で使用されたイオン種がコン
タミネーションとしてビームに含まれる量が少なくなる
ので、イオン源をイオン注入に適用した場合において、
ウエハ等のイオン照射対象に注入されるコンタミネーシ
ョンの量を削減できる。
【0048】また、アークチャンバ1の内部に固体試料
(或いはその化合物)が残存する量が従来よりも少なく
なるので、人によるアークチャンバ1の内部の清掃(メ
ンテナンス)も容易となる。
【0049】尚、上記では支持棒7の一部をアルミナで
形成したが、支持棒7の全体をアルミナで形成してもよ
い。また、受板部材8をアルミナで形成しても外部との
熱絶縁が可能であり(この場合、支持棒7は金属製を使
用可)、上記と同様の効果が得られる。或いは、アーク
チャンバ1と受板部材8との間に、アルミナ製の熱絶縁
板(支持部材の一部を構成)を介在させても(この場
合、支持棒7、受板部材8は金属製を使用可)、上記と
同様の効果が得られる。
【0050】また、上記では熱絶縁に好適な材質として
アルミナを示したが、これに限定されるものではなく、
その他の材質としては、例えば3Al2 3 ・2SiO
2 、ジルコニア、サイアロン等を用いることができる。
【0051】上記の各実施例では、一例としてフリーマ
ン型のイオン源を示したが、バーナス型イオン源やEC
Rイオン源等、その他種々のタイプのイオン源にも適用
できる。上記の各実施例は、あくまでも、本発明の技術
内容を明らかにするものであって、そのような具体例に
のみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発
明の精神と特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実
施することができるものである。
【0052】
【発明の効果】請求項1の発明に係るイオン源は、以上
のように、プラズマ生成チャンバと蒸発源との間を接続
するガス導入部材の少なくとも一部分が、金属よりも熱
伝導度の低い熱絶縁材にて形成されている構成である。
【0053】それゆえ、プラズマ生成チャンバの温度が
蒸発源の温度に与える影響が従来よりも少なくなり、蒸
発源の温度を一定に保つことが容易であり、蒸発源から
のガス導入量が安定するという効果を奏する。また、蒸
発源を使用しないでイオン源を運転する場合に、蒸発源
に残存している固体試料がプラズマ生成チャンバの熱の
影響によって蒸気化する量が減少し、蒸発源からプラズ
マ生成チャンバへ導入される不要なガス(コンタミネー
ション)を低減することができるという効果を併せて奏
する。
【0054】請求項2の発明に係るイオン源は、以上の
ように、プラズマ生成チャンバを支持して所定位置に固
定する支持部材の少なくとも一部分が、金属よりも熱伝
導度の低い熱絶縁材にて形成されている構成である。
【0055】それゆえ、イオン源の運転中におけるプラ
ズマ生成チャンバの温度が従来よりも上昇し、融点の高
い物質(例えばリン等)のガスを用いてイオン源を運転
している場合でも、プラズマ生成チャンバの内部にその
物質(或いはその物質の化合物)が残存する量が従来よ
りも少なくなる。したがって、イオン種を切り替えてイ
オン源を運転する場合に必要なクリーニング時間を従来
よりも短縮することができ、イオン源の使用効率の向上
が図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、イオン源
の要部の構成を示す概略の縦断面図である。
【図2】上記イオン源の一変形例を示す概略の縦断面図
である。
【図3】上記イオン源のその他の変形例を示す概略の縦
断面図である。
【図4】本発明のその他の実施例を示すものであり、イ
オン源のアークチャンバの支持構造を示す概略の斜視図
である。
【図5】図4のイオン源の受板部材と支持棒との接続構
造をを示す概略の縦断面図である。
【図6】従来のイオン源の要部の構成を示す概略の縦断
面図である。
【図7】従来のイオン源におけるプラズマ生成チャンバ
の支持構造を示す概略の斜視図である。
【符号の説明】
1 アークチャンバ(プラズマ生成チャンバ) 2 オーブン(蒸発源) 3 ガス導入管(ガス導入部材) 4 アダプタ(ガス導入部材) 5 固体試料 7 支持棒(支持部材) 8 受板部材(支持部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チャンバ内に導入されたガスをプラズマ化
    するプラズマ生成チャンバと、 固体試料を加熱して蒸気化する蒸発源と、 上記プラズマ生成チャンバと蒸発源との間を接続し、蒸
    発源にて蒸気化された試料を上記プラズマ生成チャンバ
    へ導入するためのガス導入部材とを備えたイオン源にお
    いて、 上記ガス導入部材の少なくとも一部分が、金属よりも熱
    伝導度の低い熱絶縁材にて形成されていることを特徴と
    するイオン源。
  2. 【請求項2】チャンバ内に導入されたガスをプラズマ化
    するプラズマ生成チャンバと、 上記プラズマ生成チャンバを支持して所定位置に固定す
    る支持部材とを備えたイオン源において、 上記支持部材の少なくとも一部分が、金属よりも熱伝導
    度の低い熱絶縁材にて形成されていることを特徴とする
    イオン源。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101979224B1 (ko) * 2017-12-26 2019-05-17 인베니아 주식회사 챔버 지지유닛 및 이의 제작방법

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