JPH08222092A - 真空遮断器の電磁反発駆動装置 - Google Patents

真空遮断器の電磁反発駆動装置

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JPH08222092A
JPH08222092A JP2246195A JP2246195A JPH08222092A JP H08222092 A JPH08222092 A JP H08222092A JP 2246195 A JP2246195 A JP 2246195A JP 2246195 A JP2246195 A JP 2246195A JP H08222092 A JPH08222092 A JP H08222092A
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    • H01H33/02Details
    • H01H33/28Power arrangements internal to the switch for operating the driving mechanism
    • H01H33/285Power arrangements internal to the switch for operating the driving mechanism using electro-dynamic repulsion
    • HELECTRICITY
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    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
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    • H01H33/60Switches wherein the means for extinguishing or preventing the arc do not include separate means for obtaining or increasing flow of arc-extinguishing fluid
    • H01H33/66Vacuum switches
    • H01H33/666Operating arrangements

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  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】接点が消耗しても通電時にその接触状態を良好
に保つとともに、遮断時の接点の開極時間も長くならな
いようにする。 【構成】駆動コイル24が固定ベース30に弾性的に支
持される。これにより、電流遮断を繰り返しても通電時
における接点の接触状態が良好であり、真空遮断器の寿
命が長くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、真空遮断器に付加さ
れ、内蔵接点の開極時間を極端に短くするための装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】真空遮断器の開極時間を短くするため
に、その可動軸に電磁反発型の駆動装置を付加すること
が従来から行われている。図7は、従来の電磁反発駆動
装置の付加された真空遮断器の構成を示す断面図であ
る。真空容器1が両端に蓋1A,1Cを備え、真空封止
された絶縁筒1Bよりなり、この真空容器1内に可動接
触子4と固定接触子5よりなる接点6が収納され、真空
バルブ50が構成されている。可動接触子4と固定接触
子5とには、それぞれ金属性の可動軸2、固定軸3が接
合されている。可動軸2はベローズ15を介して蓋1A
に気密に取り付けられるとともに、真空容器1の外部に
引き出されている。一方、固定軸3は、直接的に蓋1C
を気密に貫通し、真空容器1の外部に引き出されてい
る。また、可動軸2には導体16が接続され、さらに可
とう導体8を介して主回路端子9に接続されている。一
方、固定軸3にも、もう一つの主回路端子7がボルト止
めされている。
【0003】図7の可動軸2の上端は、さらに絶縁連結
軸100が固定されている。この絶縁連結軸100は絶
縁棒よりなり、その上端はピン2Aを介して変換レバー
10が連結され、この変換レバー10の右端もピン11
Aを介して操作ロッド11が連結されている。操作ロッ
ド11の上部には金具14が固定されるとともに、圧縮
スプリング13を介してリング状の金具12が嵌めら
れ、金具12は圧縮スプリング13の押圧力によって常
時、変換レバー10の端部を押圧している。操作ロッド
11と変換レバー10とはリンク機構19を形成し、操
作ロッド11の下方に連結されている図示されていない
操作部によって接点6を開閉駆動させる。操作ロッド1
1がQ方向に引かれると、変換レバー10が固定ピン1
0Aを支点にして時計方向に回動する。この回動によっ
て、可動軸2が上方に駆動され、接点6が開極する。一
方、接点6が開極状態のときに、操作ロッド11をP方
向に押圧すると、変換レバー10が反時計方向に回動
し、この回動によって可動軸2が下方に駆動され、接点
6が閉極する。その際、圧縮スプリング13が金具12
を介して変換レバー10を押圧しているので、接点6の
極間は常時押圧され、固定接触子5と可動接触子4との
接触状態が常時良好に保たれている。主回路端子7と9
とは、外部の図示されていない主回路に接続され、主回
路の投入遮断が行われる。
【0004】図7の装置には電磁反発駆動装置20が付
加されている。絶縁連結軸100にリング状の短絡リン
グ23がピン101Aを介して同軸に固定され、この短
絡リング23の下面に対向して駆動コイル24が配され
ている。駆動コイル24は、可動軸2を巻回するととも
に樹脂モールド33内に収納、固定されている。この樹
脂モールド33の下部には固定ベース30が当てられ、
この固定ベース30は、周囲の図示されていない固定部
によって決して動かないように固定されている。
【0005】図8は、図7の駆動コイル24の両端に結
線される駆動電源の構成を示す回路図である。駆動電源
18が、交流電源25と、この交流電源25に整流器2
6を介して接続されたコンデンサ27とを備え、コンデ
ンサ27の両端がスイッチ28を介して駆動コイル24
に接続されている。交流電源25からの出力が整流器2
6によって直流化され、コンデンサ27に直流電圧が充
電される。スイッチ28を投入することにより、コンデ
ンサ27からパルス状の高周波電流が駆動コイル24に
流される。
【0006】図7に戻り、駆動コイル24に電流を流す
と、この電流によって形成される磁界を打ち消そうとし
て短絡リング23内に渦電流が発生する。この渦電流は
駆動コイル24に流れる電流とは逆の方向に、かつ短絡
リング23の中を絶縁連結軸100を巻回するようにし
て流れる。そのために、渦電流が流れると駆動コイル2
4と短絡リング23とが互いに反発し合う。その場合、
駆動コイル24は、固定ベース30によって固定されて
いるので、短絡リング23が絶縁連結軸100とともに
上方へ移動する。
【0007】図7において、接点6を開極するときに操
作ロッド11をQ方向に引っ張ることによって可動接触
子4を固定接触子5から引き離すが、同時に駆動コイル
24を図8の駆動電源18によって励磁する。これによ
って、可動接触子4と固定接触子5との間に反発力が加
わり、接点6の開極時間が大幅に短縮される。接点6の
開極時間は、電磁反発駆動装置20がないときに20m
s程度であったものが、電磁反発駆動装置20が付加さ
れたことによって、その開極時間が1ms程度に短縮さ
れる。この電流反発駆動装置20の付加によって主回路
を高速に遮断することが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の装置は、電流遮断が繰り返し実施され,
接点が消耗して来ると、固定接触子と可動接触子との通
電時の接触状態が次第に悪くなるという問題があった。
すなわち、図7において、短絡リング23と駆動コイル
24、および可動接触子4と固定接触子5は、それぞれ
密接して配されている。しかし、電流遮断が繰り返され
るにつれて、可動接触子4と固定接触子5とは次第にそ
の対向面が消耗して来る。スプリング13が可動軸2を
下方に押圧しているが、短絡リング23が駆動コイル2
4に当たっているので、可動軸2の下方向への移動が抑
制されている。電流遮断が繰り返されると、次第に可動
接触子4と固定接触子5との間にすき間ができ、通電時
の接点6の接触状態が悪くなって来る。したがって、従
来の装置には、電流の遮断回数に限りがあり、装置の寿
命が短かった。
【0009】なお、短絡リング23と駆動コイル24と
の間に若干のギャップを予め介在させておき、接点6の
消耗をこのギャップによって補償することも考えられ
る。しかし、そのギャップが介在すると、駆動コイル2
4から遠ざかるので短絡リング23側に形成される磁界
が弱まり、その分だけ渦電流も小さくなる。したがっ
て、電磁反発力が弱くなり、遮断時の接点の開極時間が
長くなって来るので不利である。
【0010】この発明の目的は、接点が消耗しても通電
時にその接触状態を良好に保つとともに、遮断時の接点
の開極時間も長くならないようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、真空容器内に固定接触子と可動
接触子とを互いに開閉可能に対向配置して開閉部を形成
し、前記固定接触子および可動接触子をそれぞれ真空容
器内で固定軸および可動軸の一方端に接合し、この固定
軸および可動軸の他方端をそれぞれ前記真空容器の両端
から固定的または可動的に外部へ引出すとともに、前記
真空容器の外部へ引出された可動軸の他方端を絶縁連結
軸を介して前記開閉部に開閉操作力を与える操作部に連
結し、さらに前記絶縁連結軸の途中に固定された短絡リ
ングと、この短絡リングと対向配置され励磁によってこ
の短絡リングに前記開閉部を開極する方向の駆動力を発
生させる駆動コイルと、この駆動コイルを支持する固定
ベースと、前記開閉部を開極させる際に前記駆動コイル
に励磁電流を供給する駆動電源とを備えるものにおい
て、前記駆動コイルを固定ベースに弾性的に支持してな
るものとするとよい。
【0012】また真空容器内に固定接触子と可動接触子
とを互いに開閉可能に対向配置して開閉部を形成し、前
記固定接触子および可動接触子をそれぞれ真空容器内で
固定軸および可動軸の一方端に接合し、この固定軸およ
び可動軸の他方端をそれぞれ前記真空容器の両端から固
定的または可動的に外部へ引出すとともに、前記真空容
器の外部へ引出された可動軸の他方端を絶縁連結軸を介
して前記開閉部に開閉操作力を与える操作部に連結し、
さらに前記絶縁連結軸の途中に固定された短絡リング
と、この短絡リングと対向配置され励磁によってこの短
絡リングに前記開閉部を開極する方向の駆動力を発生さ
せる駆動コイルと、この駆動コイルを支持する固定ベー
スと、前記開閉部を開極させる際に前記駆動コイルに励
磁電流を供給する駆動電源とを備えるものにおいて、短
絡リングと駆動コイルとの対向部にギャップを介して二
次リングが介装され、この二次リングは駆動コイルが励
磁されていないときは駆動コイル側に密接して配されて
なるものとしてもよい。
【0013】また、かかる構成において、ギャップにワ
イプ力が二次リングの重力より大きい圧縮性の圧接スプ
リングが介装されてなるものとしてもよい。また、かか
る構成において、リング状の磁性体が駆動コイルと固定
ベースとの間に介装され、駆動コイルが磁性体の短絡リ
ング側に形成された周回溝内に収納されてなるものとし
てもよい。
【0014】
【作用】この発明の構成によれば、駆動コイルが固定ベ
ースに弾性的に支持される。これにより、接点の消耗と
ともに駆動コイルの位置が接点を圧縮する方向に変位す
るので、接点の接触状態は常に良好に保たれる。しか
も、駆動コイルが固定ベースに弾性的に支持されている
ことによる反発力によって、駆動コイルと短絡リングと
は常に密接したままに保たれるので、電磁反発力も低下
せず、接点の開極時間も長くならない。
【0015】また、短絡リングと駆動コイルとの対向部
にギャップを介して二次リングが介装され、この二次リ
ングは駆動コイルが励磁されていないときは駆動コイル
側に密接して配される。駆動コイルの励磁によって、二
次リング内に絶縁連結軸を周回する渦電流が流れる。そ
のために駆動コイルと二次リングとが反発し合い、二次
リングが反駆動コイル側へ移動する。この移動によって
二次リングが短絡リングに衝突するので、可動軸が反固
定軸側へ急激に移動し接点の開極時間をさらに短くする
ように働く。ギャップが介在しているので接点が消耗し
ても、このギャップがその消耗分を補償し通電時の接点
の接触状態は常に良好である。
【0016】また、かかる構成において、ギャップに圧
縮性の圧接スプリングが介装される。この圧接スプリン
グが通電時に二次リングを駆動コイル側に密接させてい
る。圧接スプリングのワイプ力は、二次リングの重力よ
り大きくしておく。そのために、装置全体の方向をいか
なる向きに配置しても二次リングが駆動コイルから離れ
ることはなくなり、安定した衝撃力を短絡リングに与え
ることができる。
【0017】また、かかる構成において、リング状の磁
性体が駆動コイルと固定ベースとの間に介装される。こ
の駆動コイルは、磁性体の短絡リング側に形成された周
回溝内に収納される。磁性体が短絡リング側または二次
リング側の磁界を強めるので、短絡リングまたは二次リ
ングに働く反発力をさらに高める。したがって、接点の
開極時間がさらに短くなる。
【0018】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。図1は、この発明の実施例にかかる真空遮断器の電
磁反発駆動装置の構成を示す断面図である。駆動コイル
24と固定ベース30との間に樹脂モールド33を介し
て圧縮性の押圧スプリング31が介装され、固定ベース
30の上方はキャップ29が被さっている。その他の構
成は、図7で説明された従来の構成と同じである。同じ
部分には、同一参照符号を付けることにより詳細な説明
を繰り返すことは省略する。キャップ29は固定ベース
30に固着されてあり、樹脂モールド33が固定ベース
30から外へ出ないようにするためのストッパである。
【0019】図1において、押圧スプリング31は圧縮
可能なので、接点が消耗するにつれて絶縁連結軸100
は下方に移動する。押圧スプリング31の圧縮可能な寸
法を接点の消耗寸法以上にしておく。一般に、接点は可
動接触子と固定接触子との対向部に耐弧メタルが張られ
ているが、その大部分の耐弧メタルが消耗するまで許容
される。このように、通電時は、可動軸が常に下方に移
動可能なので、接点は、その許容消耗寸法(通常は数m
m)まで良好な接触状態を保っていられる。また、押圧
スプリング31が常時、駆動コイル24を上方へ押圧し
ているので、駆動コイル24と短絡リング23とが離れ
ることがない。そのために、電流遮断時における短絡リ
ング23の電磁反発力が低下することがなく、接点の開
極時間が長くなることはない。
【0020】図2はこの発明の異なる実施例にかかる真
空遮断器の電磁反発駆動装置の構成を示す断面図であ
る。短絡リング23と駆動コイル24と間にギャップ4
2を介して二次リング32が介装されている。その他
は、図7のものと同じである。この構成において、接点
に消耗が発生していてもギャップ42があるので、絶縁
連結軸100は常時下方に押圧されている。このギャッ
プ42の間隙Gを接点の許容消耗寸法以上にしておけ
ば、通電時、接点は常時良好な接触状態を保っていられ
る。また、電流遮断時、駆動コイルを励磁することによ
って、二次リング32内に渦電流が流れるので、二次リ
ング32が反発されてギャップ42内を上方ヘ移動す
る。この移動によって、二次リング32が短絡リング2
3に勢いよく衝突する。この衝突によって、絶縁連結軸
100が上方への衝撃力を受けるので、接点の開極時間
が短くなるように働く。この衝撃力は、二次リング32
が駆動コイル24との間に働いた反発力を力積として瞬
時に短絡リング23に作用するので、接点の開極時間が
非常に短くなり、従来のものよりも1/2から1/3に
短絡されることが実験により確認された。
【0021】図3は、この発明のさらに異なる実施例に
かかる真空遮断器の電磁反発駆動装置の構成を示す断面
図である。短絡リング34に周回溝34Aが形成される
とともに、二次リング35の内径側に周回状の突出部3
5Aが形成されている。また、短絡リング34と二次リ
ング35との間に二次リング35の重力より大きいワン
プ力を備えた圧縮性の圧接スプリング37が介装される
とともに、ギャップ21が確保されている。その他は、
図2の構成と同じである。圧接スプリング37は、通電
時に二次リング35を駆動コイル24側に密接させてい
る。圧接スプリング37のワイプ力が二次リング35の
落下しようとする重力より大きいので、装置全体の方向
をいかなる向きに配置しても二次リング35が駆動コイ
ル24から離れることがない。したがって、安定した衝
撃力を短絡リング34に与えることができ、装置をどの
方向に配置しても同一の接点開極時間が得られる。
【0022】図6は、この発明のさらにことなる実施例
にかかる真空遮断器の電磁反発駆動装置の構成を示す断
面図である。周回溝36Aを備えたリング状の磁性体3
6が樹脂モールド33内に埋め込まれ、周回溝36A内
に駆動コイル24が収納されている。その他は、図1の
構成と同じである。磁性体36によって短絡リング23
側の磁界が強まるので、短絡リング23に働く反発力が
非常に高くなる。
【0023】磁性体36の有無によって短絡リング23
に働く反発力の違いを磁界計算によって求めた例を次に
示す。図10は磁性体のない図1の構成について計算さ
れた磁界分布図、図11は磁性体36の配された図6の
構成について計算された磁界分布図である。いずれの場
合も、駆動コイル24の体格は外径90mm,内径60
mm,軸方向長5mm、また、短絡リング23(銅、そ
の導電率は2μ・Ω・cm)の体格は外径100mm,
内径40mm,軸方向の外周側厚さ3mm,軸方向の内
周側厚さ6mmとし、駆動コイル24と短絡リング23
との間の絶縁のために必要な絶縁間隙201は3mmと
した。なお、磁界の分布に影響を与えない絶縁体は含め
ていない。図11の磁性体36の比透磁率は1,000
とし、その体格は外径100mm,内径50mm,軸方
向長10mmとした。
【0024】図10、図11において、200は有限要
素法による計算によって求められた磁束を示す。図10
における磁性体の無い場合に比べて、磁性体36が配さ
れると図11のように磁束が磁性体を介するようにな
り、その磁路長が極端に短くなることが判る。そのため
に、磁気抵抗が減少し短絡リング23側の磁界が強くな
る。これによって、短絡リング23内を流れるうず電流
も増加し、短絡リング23が受ける反発力が大きくな
る。
【0025】図9は、短絡リング23に働く反発力を計
算によって求めた特性線図である。横軸に中心からの半
径Rが目盛られ、縦軸に短絡リング23の軸方向に働く
反発力Fが目盛られている。特性40は図6の構成(磁
性耐36が有る場合)のもの、また、特性41は図1の
構成(磁性体の無い場合)のものである。反発力の計算
は、図10、図11で計算された磁界分布から短絡リン
グ23の軸方向へ受ける反発力Fが算出された。なお、
駆動コイル24には1,000ATの電流を流した。
【0026】図9より特性40のピーク値が特性41の
それより約3倍も大きいことが判る。磁性体36によっ
て短絡リング23の反発力Fが増している。電流遮断時
の接点の開極時間も反発力Fの増加によって短くなり、
図6の構成における接点の開極時間は、図1の構成のも
のに対して約1/2も短縮さていることが実験により確
認された。所定の反発力を得るために駆動コイル24に
流す電流も少なくてよくなる。したがって、図8のコン
デンサ27も小容量のものとすることができ、駆動電源
18の出力容量は小さいもので済む。
【0027】図4は、この発明のさらに異なる実施例に
かかる真空遮断器の電磁反発駆動装置の構成を示す断面
図である。周回溝36Aを備えたリング状の磁性体36
が樹脂モールド33内に埋め込まれ周回溝36A内に駆
動コイル24が収納されている。その他は、図2の構成
と同じである。図6の場合と同様に磁性体36によって
二次リング32側の磁界が集中し、二次リング32に働
く反発力が高くなる。
【0028】図5は、この発明のさらに異なる実施例に
かかる真空遮断器の電磁反発駆動装置の構成を示す断面
図である。周回溝36Aを備えたリング状の磁性体36
が樹脂モールド33内に埋め込まれ、周回溝36A内に
駆動コイル24が収納されている。その他は、図3の構
成と同じである。磁性体36によって二次リング35側
の磁界が集中するので、二次リング35に働く反発力が
高くなる。
【0029】
【発明の効果】この発明は前述のように、前記駆動コイ
ルが固定ベースに弾性的に支持される。これにより、電
流遮断を繰り返しても通電時における接点の接触状態が
良好であり、真空遮断器の寿命が長くなる。また、短絡
リングと駆動コイルとの対向部にギャップを介して二次
リングが介装され、この二次リングは駆動コイルが励磁
されていないときは駆動コイル側に密接して配される。
この構成により、真空遮断器の寿命が長くなるととも
に、接点の開極時間が、従来のものよりも1/2から1
/3に短縮される。
【0030】また、かかる構成において、ギャップにワ
イプ力が二次リングの重力より大きい圧縮性の圧接スプ
リングが介装される。これにより、二次リングがずれる
ことがないので、真空遮断器をどの方向に向けても使う
ことができ、装置の盤への取り付けを自由にレイアウト
することができるようになり、取り付け上の制約がなく
なった。
【0031】また、かかる構成において、リング状の磁
性体が駆動コイルと固定ベースとの間に介装される。こ
の駆動コイルは、磁性体の短絡リング側に形成された周
回溝内に収納される。これにより、短絡リングまたは二
次リングの受ける反発力が約3倍も増し、電流遮断時の
接点の開極時間が磁性体のない場合に比べて1/2に短
縮された。また、所定の反発力を得るために駆動コイル
に流す電流も少なくてよいので、駆動電源の出力容量も
小さいもので済むという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる真空遮断器の電磁反
発駆動装置の構成を示す断面図
【図2】この発明の異なる実施例にかかる真空遮断器の
電磁反発駆動装置の構成を示す断面図
【図3】この発明のさらに異なる実施例にかかる真空遮
断器の電磁反発駆動装置の構成を示す断面図
【図4】この発明のさらに異なる実施例にかかる真空遮
断器の電磁反発駆動装置の構成を示す断面図
【図5】この発明のさらに異なる実施例にかかる真空遮
断器の電磁反発駆動装置の構成を示す断面図
【図6】この発明のさらに異なる実施例にかかる真空遮
断器の電磁反発駆動装置の構成を示す断面図
【図7】従来の電磁反発駆動装置の付加された真空遮断
器の構成を示す断面図
【図8】図7の駆動コイル24に結線される駆動電源の
構成を示す回路図
【図9】短絡リングに働く反発力を計算によって求めた
特性線図
【図10】図1の構成における磁界分布図
【図11】図6の構成における磁界分布図
【符号の説明】
1:真空容器、2:可動軸、3:固定軸、4:可動接触
子、5:固定接触子、6:接点、19:リンク機構、2
4:駆動コイル、23,34:短絡リング、30:固定
ベース、31:押圧スプリング、37:圧接スプリン
グ、32,35:二次リング、36:磁性体、36A:
周回溝、42,21:ギャップ、50:真空バルブ、1
00:絶縁連結軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に固定接触子と可動接触子とを
    互いに開閉可能に対向配置して開閉部を形成し、前記固
    定接触子および可動接触子をそれぞれ真空容器内で固定
    軸および可動軸の一方端に接合し、この固定軸および可
    動軸の他方端をそれぞれ前記真空容器の両端から固定的
    または可動的に外部へ引出すとともに、前記真空容器の
    外部へ引出された可動軸の他方端を絶縁連結軸を介して
    前記開閉部に開閉操作力を与える操作部に連結し、さら
    に前記絶縁連結軸の途中に固定された短絡リングと、こ
    の短絡リングと対向配置され励磁によってこの短絡リン
    グに前記開閉部を開極する方向の駆動力を発生させる駆
    動コイルと、この駆動コイルを支持する固定ベースと、
    前記開閉部を開極させる際に前記駆動コイルに励磁電流
    を供給する駆動電源とを備えるものにおいて、前記駆動
    コイルを固定ベースに弾性的に支持してなることを特徴
    とする真空遮断器の電磁反発駆動装置。
  2. 【請求項2】真空容器内に固定接触子と可動接触子とを
    互いに開閉可能に対向配置して開閉部を形成し、前記固
    定接触子および可動接触子をそれぞれ真空容器内で固定
    軸および可動軸の一方端に接合し、この固定軸および可
    動軸の他方端をそれぞれ前記真空容器の両端から固定的
    または可動的に外部へ引出すとともに、前記真空容器の
    外部へ引出された可動軸の他方端を絶縁連結軸を介して
    前記開閉部に開閉操作力を与える操作部に連結し、さら
    に前記絶縁連結軸の途中に固定された短絡リングと、こ
    の短絡リングと対向配置され励磁によってこの短絡リン
    グに前記開閉部を開極する方向の駆動力を発生させる駆
    動コイルと、この駆動コイルを支持する固定ベースと、
    前記開閉部を開極させる際に前記駆動コイルに励磁電流
    を供給する駆動電源とを備えるものにおいて、短絡リン
    グと駆動コイルとの対向部にギャップを介して二次リン
    グが介装され、この二次リングは駆動コイルが励磁され
    ていないときは駆動コイル側に密接して配されてなるこ
    とを特徴とする真空遮断器の電磁反発駆動装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載のものにおいて、ギャップに
    ワイプ力が二次リングの重力より大きい圧縮性の圧接ス
    プリングが介装されてなることを特徴とする真空遮断器
    の電磁反発駆動装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3記載のものにおいて、リ
    ング状の磁性体が駆動コイルと固定ベースとの間に介装
    され、駆動コイルが磁性体の短絡リング側に形成された
    周回溝内に収納されてなることを特徴とする真空遮断器
    の電磁反発駆動装置。
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