JPH08218552A - 補強用枠体およびその製造方法 - Google Patents
補強用枠体およびその製造方法Info
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- JPH08218552A JPH08218552A JP2182395A JP2182395A JPH08218552A JP H08218552 A JPH08218552 A JP H08218552A JP 2182395 A JP2182395 A JP 2182395A JP 2182395 A JP2182395 A JP 2182395A JP H08218552 A JPH08218552 A JP H08218552A
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- reinforcing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】セメントモルタルやコンクリートの補強材とし
て用いるFRP製枠体とそれを製造する方法を提供す
る。 【構成】緯方向に互いに並行するように配列した炭素繊
維糸3を経方向に延びる2本の補強繊維糸2a 、2b で
もじり織組織し、それら補強繊維糸2a 、2b 、3を熱
可塑性樹脂で固めて格子状体1を作り、その格子状体を
補強繊維糸2a 、2b と補強繊維糸3との非交錯部で折
り曲げ加工して筒状の補強用枠体を得る。
て用いるFRP製枠体とそれを製造する方法を提供す
る。 【構成】緯方向に互いに並行するように配列した炭素繊
維糸3を経方向に延びる2本の補強繊維糸2a 、2b で
もじり織組織し、それら補強繊維糸2a 、2b 、3を熱
可塑性樹脂で固めて格子状体1を作り、その格子状体を
補強繊維糸2a 、2b と補強繊維糸3との非交錯部で折
り曲げ加工して筒状の補強用枠体を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セメントモルタルや
コンクリート等の無機質材料の補強材として好適な補強
用枠体とそれを製造する方法に関する。このような枠体
で補強されたセメントモルタルやコンクリートは、ビル
の内壁材や外壁材、カーテンウォール等の建材として有
用である。
コンクリート等の無機質材料の補強材として好適な補強
用枠体とそれを製造する方法に関する。このような枠体
で補強されたセメントモルタルやコンクリートは、ビル
の内壁材や外壁材、カーテンウォール等の建材として有
用である。
【0002】
【従来の技術】セメントモルタルやコンクリート等の無
機質材料の補強には、従来、鉄筋が最も一般的に使われ
ているが、鉄筋は重くで施工に難があり、また、錆びる
ので、近年、軽くて扱いやすく、また、錆びる心配のな
い、ガラス繊維やポリアラミド繊維等からなる補強繊維
糸と樹脂との複合体、いわゆるFRPからなるものが検
討されるようになり、一部では既に採用されるに至って
いる。
機質材料の補強には、従来、鉄筋が最も一般的に使われ
ているが、鉄筋は重くで施工に難があり、また、錆びる
ので、近年、軽くて扱いやすく、また、錆びる心配のな
い、ガラス繊維やポリアラミド繊維等からなる補強繊維
糸と樹脂との複合体、いわゆるFRPからなるものが検
討されるようになり、一部では既に採用されるに至って
いる。
【0003】そのようなFRP製のものには、棒状のも
の、格子状(メッシュ状)のもの等、いろいろな形態の
ものがあるが、棒状のものは、施工現場で、所望の形
状、たとえば枠体を形成するように組み立てる必要があ
るため、格子状のものをあらかじめ所望の枠体形状に加
工して施工現場に送り込むことが多くなってきている。
さて、上述したような補強用の枠体は、たとえば実開平
4−11823号公報に記載されている。この枠体は、
互いに交差しながら格子を形成するように経方向および
緯方向に配列した補強繊維糸(マルチフィラメント糸)
を熱可塑性樹脂で固め、それを、所望の枠体形状、たと
えば角筒形に折り曲げ加工してなる。そのような枠体
は、たとえばコンクリート中に埋設、複合し、コンクリ
ート柱等とする。ところが、この従来の枠体は、折り曲
げ加工を施す部位に何らの注意も払わないため、折り曲
げ線上に経方向および緯方向の補強繊維糸の交差部(接
合部)がくることがあり、その場合、反りを発生した
り、補強繊維糸同士の接合面が剥離したりして補強効果
が低下するという問題がある。
の、格子状(メッシュ状)のもの等、いろいろな形態の
ものがあるが、棒状のものは、施工現場で、所望の形
状、たとえば枠体を形成するように組み立てる必要があ
るため、格子状のものをあらかじめ所望の枠体形状に加
工して施工現場に送り込むことが多くなってきている。
さて、上述したような補強用の枠体は、たとえば実開平
4−11823号公報に記載されている。この枠体は、
互いに交差しながら格子を形成するように経方向および
緯方向に配列した補強繊維糸(マルチフィラメント糸)
を熱可塑性樹脂で固め、それを、所望の枠体形状、たと
えば角筒形に折り曲げ加工してなる。そのような枠体
は、たとえばコンクリート中に埋設、複合し、コンクリ
ート柱等とする。ところが、この従来の枠体は、折り曲
げ加工を施す部位に何らの注意も払わないため、折り曲
げ線上に経方向および緯方向の補強繊維糸の交差部(接
合部)がくることがあり、その場合、反りを発生した
り、補強繊維糸同士の接合面が剥離したりして補強効果
が低下するという問題がある。
【0004】すなわち、折り曲げ加工は熱可塑性樹脂の
軟化点付近の温度で行うが、経方向および緯方向の補強
繊維糸の交差部で、たとえば緯方向の補強繊維糸を折り
曲げ加工すると、経方向の補強繊維糸が折り曲げの内側
にある場合にはその経方向の補強繊維糸にねじり力が作
用し、その反力で、折り曲げられた緯方向の補強繊維糸
にそれを元にもどそうとする力が働いて反りを発生す
る。反りができると、コンクリート等と複合したときに
そのコンクリート等の被り量にむらができるようになる
ので、補強効果が低下する。また、折り曲げの外側に経
方向の補強繊維糸がある場合には、接合面にひび割れが
できたり、経方向の補強繊維糸が剥離したりする。これ
も、当然、補強効果を低下させる原因になる。
軟化点付近の温度で行うが、経方向および緯方向の補強
繊維糸の交差部で、たとえば緯方向の補強繊維糸を折り
曲げ加工すると、経方向の補強繊維糸が折り曲げの内側
にある場合にはその経方向の補強繊維糸にねじり力が作
用し、その反力で、折り曲げられた緯方向の補強繊維糸
にそれを元にもどそうとする力が働いて反りを発生す
る。反りができると、コンクリート等と複合したときに
そのコンクリート等の被り量にむらができるようになる
ので、補強効果が低下する。また、折り曲げの外側に経
方向の補強繊維糸がある場合には、接合面にひび割れが
できたり、経方向の補強繊維糸が剥離したりする。これ
も、当然、補強効果を低下させる原因になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来の枠体の上述した問題点を解決し、反りや、接合部に
おける剥離等がほとんどなく、補強効果に優れた補強用
枠体を提供するにある。また、この発明の他の目的は、
そのような補強用枠体を簡単に製造する方法を提供する
にある。
来の枠体の上述した問題点を解決し、反りや、接合部に
おける剥離等がほとんどなく、補強効果に優れた補強用
枠体を提供するにある。また、この発明の他の目的は、
そのような補強用枠体を簡単に製造する方法を提供する
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、互いに交差しながら格子を形成するよ
うに経方向および緯方向に配列された補強繊維糸が樹脂
で固められ、かつ、経方向および緯方向の補強繊維糸の
非交差部において折り曲げ加工されている補強用枠体を
提供する。緯方向の補強繊維糸は、経方向の補強繊維糸
に沿い、かつ、緯方向の補強繊維糸に絡みながら延びる
補助糸によって経方向の補強繊維糸と一体化されている
のが好ましい。
に、この発明は、互いに交差しながら格子を形成するよ
うに経方向および緯方向に配列された補強繊維糸が樹脂
で固められ、かつ、経方向および緯方向の補強繊維糸の
非交差部において折り曲げ加工されている補強用枠体を
提供する。緯方向の補強繊維糸は、経方向の補強繊維糸
に沿い、かつ、緯方向の補強繊維糸に絡みながら延びる
補助糸によって経方向の補強繊維糸と一体化されている
のが好ましい。
【0007】また、この発明は、互いに交錯しながら格
子を形成するように経方向および緯方向に配列された補
強繊維糸が樹脂で固められ、かつ、経方向および緯方向
の補強繊維糸の非交錯部において折り曲げ加工されてい
る補強用枠体を提供する。この場合、緯方向の補強繊維
糸に対して経方向の補強繊維糸がもじり織組織されてい
るのが好ましい。
子を形成するように経方向および緯方向に配列された補
強繊維糸が樹脂で固められ、かつ、経方向および緯方向
の補強繊維糸の非交錯部において折り曲げ加工されてい
る補強用枠体を提供する。この場合、緯方向の補強繊維
糸に対して経方向の補強繊維糸がもじり織組織されてい
るのが好ましい。
【0008】上記において、格子の目の大きさは5〜1
50mmの範囲にあるのが好ましい。また、内側および/
または外側に、好ましくは補強繊維糸と熱可塑性樹脂ま
たは熱硬化性樹脂との複合体(FRP)からなる補助筋
が接合されているのも好ましい。そして、これらの補強
用枠体は、セメントモルタルやコンクリート中に埋設、
複合され、セメントモルタル構造体やコンクリート構造
体が構成される。
50mmの範囲にあるのが好ましい。また、内側および/
または外側に、好ましくは補強繊維糸と熱可塑性樹脂ま
たは熱硬化性樹脂との複合体(FRP)からなる補助筋
が接合されているのも好ましい。そして、これらの補強
用枠体は、セメントモルタルやコンクリート中に埋設、
複合され、セメントモルタル構造体やコンクリート構造
体が構成される。
【0009】さらに、この発明は、補強繊維糸を互いに
交差させながら格子を形成するように経方向および緯方
向に配列し、補強繊維糸に熱可塑性樹脂を含浸または被
覆し、熱可塑性樹脂を固化させた後、経方向および緯方
向の補強繊維糸の非交差部において加熱下に折り曲げ加
工するか、補強繊維糸を互いに交錯させながら格子を形
成するように経方向および緯方向に配列し、補強繊維糸
に熱可塑性樹脂を含浸または被覆し、熱可塑性樹脂を固
化させた後、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交錯
部において加熱下に折り曲げ加工する、補強用枠体の製
造方法を提供する。熱可塑性樹脂に代えて熱硬化性樹脂
を用いることもできる。この場合は、補強繊維糸を互い
に交差させながら格子を形成するように経方向および緯
方向に配列し、補強繊維糸に熱硬化性樹脂を含浸または
被覆してプリプレグとした後、経方向および緯方向の補
強繊維糸の非交差部において折り曲げ加工し、その折り
曲げ状態のまま熱硬化性樹脂を硬化させるか、補強繊維
糸を互いに交錯させながら格子を形成するように経方向
および緯方向に配列し、補強繊維糸に熱硬化性樹脂を含
浸または被覆してプリプレグとした後、経方向および緯
方向の補強繊維糸の非交錯部において折り曲げ加工し、
その折り曲げ状態のまま熱硬化性樹脂を硬化させる。
交差させながら格子を形成するように経方向および緯方
向に配列し、補強繊維糸に熱可塑性樹脂を含浸または被
覆し、熱可塑性樹脂を固化させた後、経方向および緯方
向の補強繊維糸の非交差部において加熱下に折り曲げ加
工するか、補強繊維糸を互いに交錯させながら格子を形
成するように経方向および緯方向に配列し、補強繊維糸
に熱可塑性樹脂を含浸または被覆し、熱可塑性樹脂を固
化させた後、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交錯
部において加熱下に折り曲げ加工する、補強用枠体の製
造方法を提供する。熱可塑性樹脂に代えて熱硬化性樹脂
を用いることもできる。この場合は、補強繊維糸を互い
に交差させながら格子を形成するように経方向および緯
方向に配列し、補強繊維糸に熱硬化性樹脂を含浸または
被覆してプリプレグとした後、経方向および緯方向の補
強繊維糸の非交差部において折り曲げ加工し、その折り
曲げ状態のまま熱硬化性樹脂を硬化させるか、補強繊維
糸を互いに交錯させながら格子を形成するように経方向
および緯方向に配列し、補強繊維糸に熱硬化性樹脂を含
浸または被覆してプリプレグとした後、経方向および緯
方向の補強繊維糸の非交錯部において折り曲げ加工し、
その折り曲げ状態のまま熱硬化性樹脂を硬化させる。
【0010】この発明をさらに詳細に説明するに、この
発明で用いる補強繊維糸は、ポリアラミド繊維、炭素繊
維、ガラス繊維、ビニロン繊維等の高強度、高弾性率補
強繊維のマルチフィラメント糸からなっている。なかで
も、より低比重で軽量な枠体を形成することができ、耐
薬品性や耐蝕性にも優れている炭素繊維が好ましい。炭
素繊維糸としては、単糸径が3〜30μm、単糸数が
1,000〜1,000,000本程度のものを用い
る。あまり細いと補強効果が低くなり、あまり太いと高
価な炭素繊維の使用量が多くなってコストが高くなって
しまうからである。また、樹脂としては、ナイロン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、塩化ビニル樹
脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹
脂、アクリルニトリル・スチレン樹脂、ポリメチル・メ
タクリレート樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール
樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性
樹脂を用いると、熱可塑性樹脂は固化後でも加熱すれば
軟化するので、折り曲げ加工を容易に行うことができる
ようになる。また、補助筋が補強繊維糸と熱可塑性樹脂
との複合体からなるものであるとき、その補助筋の接合
を熱融着によって簡単に行うことができるようになる。
発明で用いる補強繊維糸は、ポリアラミド繊維、炭素繊
維、ガラス繊維、ビニロン繊維等の高強度、高弾性率補
強繊維のマルチフィラメント糸からなっている。なかで
も、より低比重で軽量な枠体を形成することができ、耐
薬品性や耐蝕性にも優れている炭素繊維が好ましい。炭
素繊維糸としては、単糸径が3〜30μm、単糸数が
1,000〜1,000,000本程度のものを用い
る。あまり細いと補強効果が低くなり、あまり太いと高
価な炭素繊維の使用量が多くなってコストが高くなって
しまうからである。また、樹脂としては、ナイロン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、塩化ビニル樹
脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹
脂、アクリルニトリル・スチレン樹脂、ポリメチル・メ
タクリレート樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール
樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性
樹脂を用いると、熱可塑性樹脂は固化後でも加熱すれば
軟化するので、折り曲げ加工を容易に行うことができる
ようになる。また、補助筋が補強繊維糸と熱可塑性樹脂
との複合体からなるものであるとき、その補助筋の接合
を熱融着によって簡単に行うことができるようになる。
【0011】さて、この発明においては、互いに交差し
ながら格子を形成するように経方向および緯方向に配列
した補強繊維糸を樹脂で固め、格子状体を形成する。
ながら格子を形成するように経方向および緯方向に配列
した補強繊維糸を樹脂で固め、格子状体を形成する。
【0012】図1はそのような格子状体の一例を示すも
ので、互いに交差する、経方向に並行して配列された補
強繊維糸2と緯方向に並行して配列された補強繊維糸3
を有し、それら補強繊維糸2、3が樹脂で固められて格
子状体1を形成している。緯方向の補強繊維糸3は、経
方向の補強繊維糸2に沿い、かつ、補強繊維糸3に絡み
ながら延びている細い補助糸4によって補強繊維糸2と
一体化されている。もっとも、補助糸4は必須のもので
はない。ただ、補助糸4を用いると、樹脂で固めるまで
の間、すなわち、補強繊維糸2、3がそれらの交差部に
おいて樹脂で接合されるまでの間における補強繊維糸
2、3の配列状態の保持が容易になる。また、格子状体
1に応力が作用したとき、その応力を格子状体1を構成
している各補強繊維糸2、3に分散して伝達するのにも
都合がよい。樹脂は、補強繊維糸2、3に含浸され、ま
たは、それらを被覆するような形で補強繊維糸2、3を
固めている。なお、補助糸は、樹脂で固める際の収縮で
補強繊維糸2、3を過剰に締め付けることがないよう
に、200℃における乾熱収縮率が0.5%以下である
ような繊維、たとえば、炭素繊維、ガラス繊維、ポリア
ラミド繊維、ビニロン繊維等からなるものであるのが好
ましい。
ので、互いに交差する、経方向に並行して配列された補
強繊維糸2と緯方向に並行して配列された補強繊維糸3
を有し、それら補強繊維糸2、3が樹脂で固められて格
子状体1を形成している。緯方向の補強繊維糸3は、経
方向の補強繊維糸2に沿い、かつ、補強繊維糸3に絡み
ながら延びている細い補助糸4によって補強繊維糸2と
一体化されている。もっとも、補助糸4は必須のもので
はない。ただ、補助糸4を用いると、樹脂で固めるまで
の間、すなわち、補強繊維糸2、3がそれらの交差部に
おいて樹脂で接合されるまでの間における補強繊維糸
2、3の配列状態の保持が容易になる。また、格子状体
1に応力が作用したとき、その応力を格子状体1を構成
している各補強繊維糸2、3に分散して伝達するのにも
都合がよい。樹脂は、補強繊維糸2、3に含浸され、ま
たは、それらを被覆するような形で補強繊維糸2、3を
固めている。なお、補助糸は、樹脂で固める際の収縮で
補強繊維糸2、3を過剰に締め付けることがないよう
に、200℃における乾熱収縮率が0.5%以下である
ような繊維、たとえば、炭素繊維、ガラス繊維、ポリア
ラミド繊維、ビニロン繊維等からなるものであるのが好
ましい。
【0013】格子状体1の格子の目、すなわち、補強繊
維糸2、3によって形成される四角い目の大きさは、セ
メントモルタルの補強に供するものである場合には、5
〜30mm程度の範囲がよい。あまり小さいとセメントモ
ルタルが目に入りにくくなり、あまり大きいとセメント
モルタルとの接合面積が小さくなって接合面が剥離しや
すくなる。また、コンクリートの補強に供するものであ
る場合には、20〜150mm程度の範囲がよい。あまり
小さいと骨材である小石等が目に入りにくくなるし、あ
まり大きいと補強効果が小さくなる。要するに、目の大
きさは、補強される材料や用途等に応じて5〜150mm
程度の範囲で選定するのがよい。
維糸2、3によって形成される四角い目の大きさは、セ
メントモルタルの補強に供するものである場合には、5
〜30mm程度の範囲がよい。あまり小さいとセメントモ
ルタルが目に入りにくくなり、あまり大きいとセメント
モルタルとの接合面積が小さくなって接合面が剥離しや
すくなる。また、コンクリートの補強に供するものであ
る場合には、20〜150mm程度の範囲がよい。あまり
小さいと骨材である小石等が目に入りにくくなるし、あ
まり大きいと補強効果が小さくなる。要するに、目の大
きさは、補強される材料や用途等に応じて5〜150mm
程度の範囲で選定するのがよい。
【0014】格子状体は、また、互いに交錯しながら、
すなわち、織組織を形成しながら格子を形成するように
経方向および緯方向に配列した補強繊維糸を樹脂で固め
ることによって形成することができる。すなわち、経方
向および緯方向の補強繊維糸を、図1に示したもののよ
うに交差させるのではなく、交錯させて織組織するので
ある。織組織は、最も単純な平組織(平織)でもよい
が、図2に示すような、緯方向の補強繊維糸3に対し
て、2本の、経方向の補強繊維糸2a 、2b がもじり織
組織(すだれ織組織とも呼ばれる)されているようなも
のであるのが好ましい。樹脂で固めるまでの間における
補強繊維糸2a 、2b 、3の配列状態の保持が容易にな
るし、格子状体1に応力が作用したときにその応力を格
子状体を構成している各補強繊維糸に分散して伝達する
のにも都合がよいからである。ただ、このようなもじり
織組織によるものは、図1に示したものにくらべて、ま
た、平組織されたものにくらべて経方向の補強繊維糸2
a 、2b の屈曲が大きくなる傾向があり、屈曲が大きい
分だけ、格子状体1に応力が作用したときの経方向の補
強繊維糸への応力集中は大きくなる。
すなわち、織組織を形成しながら格子を形成するように
経方向および緯方向に配列した補強繊維糸を樹脂で固め
ることによって形成することができる。すなわち、経方
向および緯方向の補強繊維糸を、図1に示したもののよ
うに交差させるのではなく、交錯させて織組織するので
ある。織組織は、最も単純な平組織(平織)でもよい
が、図2に示すような、緯方向の補強繊維糸3に対し
て、2本の、経方向の補強繊維糸2a 、2b がもじり織
組織(すだれ織組織とも呼ばれる)されているようなも
のであるのが好ましい。樹脂で固めるまでの間における
補強繊維糸2a 、2b 、3の配列状態の保持が容易にな
るし、格子状体1に応力が作用したときにその応力を格
子状体を構成している各補強繊維糸に分散して伝達する
のにも都合がよいからである。ただ、このようなもじり
織組織によるものは、図1に示したものにくらべて、ま
た、平組織されたものにくらべて経方向の補強繊維糸2
a 、2b の屈曲が大きくなる傾向があり、屈曲が大きい
分だけ、格子状体1に応力が作用したときの経方向の補
強繊維糸への応力集中は大きくなる。
【0015】さて、この発明においては、上述したよう
な格子状体を、所望の枠体形状、たとえば筒形、L字
形、コの字形、階段状等に折り曲げ加工し、枠体とす
る。枠体は、終端が、筒のように閉じられたものであっ
ても、コの字のように開放されたものであっても、いず
れでもよい。折り曲げ加工は、次のようにして行うこと
ができる。
な格子状体を、所望の枠体形状、たとえば筒形、L字
形、コの字形、階段状等に折り曲げ加工し、枠体とす
る。枠体は、終端が、筒のように閉じられたものであっ
ても、コの字のように開放されたものであっても、いず
れでもよい。折り曲げ加工は、次のようにして行うこと
ができる。
【0016】たとえば、樹脂が熱可塑性樹脂である場合
には、図1や図2に示したように格子状体をそのまま折
り曲げ加工すればよい。すなわち、補強繊維糸を互いに
交差または交錯させながら格子を形成するように経方向
および緯方向に配列し、補強繊維糸に熱可塑性樹脂溶液
または溶融熱可塑性樹脂を含浸または被覆し、熱可塑性
樹脂を固化させて格子状体を作り、その格子状体を型枠
に当てて加熱下に折り曲げ加工する。熱可塑性樹脂の含
浸または被覆は、たとえば、補強繊維糸を、配列する
前、配列中または配列した後に熱可塑性樹脂溶液または
溶融熱可塑性樹脂の浴に通すことによって行うことがで
きる。加熱温度は、熱可塑性樹脂が軟化する程度でよ
く、型枠を加熱しておいたり、型枠の外部に熱風源や赤
外線ランプ等を置いておくことで容易に行うことができ
る。樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂
は硬化した後は加熱しても軟化せず、折り曲げ加工がで
きないので、まず、補強繊維糸に同様に熱硬化性樹脂溶
液または溶融熱硬化性樹脂を含浸または被覆してプリプ
レグを得る。プリプレグは未だ熱硬化性樹脂が完全には
硬化していない半硬化(Bステージ)の状態にあるの
で、そのまま同様に型枠を用いて折り曲げ加工し、その
折り曲げ状態のまま熱硬化性樹脂を完全硬化(Cステー
ジ)させるようにする。
には、図1や図2に示したように格子状体をそのまま折
り曲げ加工すればよい。すなわち、補強繊維糸を互いに
交差または交錯させながら格子を形成するように経方向
および緯方向に配列し、補強繊維糸に熱可塑性樹脂溶液
または溶融熱可塑性樹脂を含浸または被覆し、熱可塑性
樹脂を固化させて格子状体を作り、その格子状体を型枠
に当てて加熱下に折り曲げ加工する。熱可塑性樹脂の含
浸または被覆は、たとえば、補強繊維糸を、配列する
前、配列中または配列した後に熱可塑性樹脂溶液または
溶融熱可塑性樹脂の浴に通すことによって行うことがで
きる。加熱温度は、熱可塑性樹脂が軟化する程度でよ
く、型枠を加熱しておいたり、型枠の外部に熱風源や赤
外線ランプ等を置いておくことで容易に行うことができ
る。樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂
は硬化した後は加熱しても軟化せず、折り曲げ加工がで
きないので、まず、補強繊維糸に同様に熱硬化性樹脂溶
液または溶融熱硬化性樹脂を含浸または被覆してプリプ
レグを得る。プリプレグは未だ熱硬化性樹脂が完全には
硬化していない半硬化(Bステージ)の状態にあるの
で、そのまま同様に型枠を用いて折り曲げ加工し、その
折り曲げ状態のまま熱硬化性樹脂を完全硬化(Cステー
ジ)させるようにする。
【0017】上述した折り曲げ加工において重要なこと
は、折り曲げ加工を、経方向および緯方向の補強繊維糸
が交差(図1)または交錯(図2)していない部分、す
なわち、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交差部ま
たは非交錯部において行うことである。すなわち、図3
に示すように、折り曲げ線が、必ず、経方向の補強繊維
糸6、6間になるように折り曲げて枠体5を構成する
(緯方向の補強繊維糸に沿って折り曲げる場合にも、同
様に、折り曲げ線が緯方向の補強繊維糸7、7間になる
ようにする)。このように折り曲げることで、折り曲げ
線上に経方向および緯方向の補強繊維糸の交差部や交錯
部がくることはなくなり、上述した従来の技術の問題点
であった反りの発生や接合部における剥離等を防止する
ことができるようになる。なお、図3に示したような筒
状の枠体を得る場合、終端の閉塞は、終端同士を重ね合
わせ、補強繊維糸を固めている樹脂によって、または、
接着剤等を用いて接合することによって行う。
は、折り曲げ加工を、経方向および緯方向の補強繊維糸
が交差(図1)または交錯(図2)していない部分、す
なわち、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交差部ま
たは非交錯部において行うことである。すなわち、図3
に示すように、折り曲げ線が、必ず、経方向の補強繊維
糸6、6間になるように折り曲げて枠体5を構成する
(緯方向の補強繊維糸に沿って折り曲げる場合にも、同
様に、折り曲げ線が緯方向の補強繊維糸7、7間になる
ようにする)。このように折り曲げることで、折り曲げ
線上に経方向および緯方向の補強繊維糸の交差部や交錯
部がくることはなくなり、上述した従来の技術の問題点
であった反りの発生や接合部における剥離等を防止する
ことができるようになる。なお、図3に示したような筒
状の枠体を得る場合、終端の閉塞は、終端同士を重ね合
わせ、補強繊維糸を固めている樹脂によって、または、
接着剤等を用いて接合することによって行う。
【0018】図4は、図3に示したような枠体5をコン
クリート8中に埋設、複合し、補強してなる柱状コンク
リート構造物を示している。このような構造物は、型枠
内に枠体5を置き、型枠内にコンクリートを流し込むこ
とによって簡単に製造することができる。
クリート8中に埋設、複合し、補強してなる柱状コンク
リート構造物を示している。このような構造物は、型枠
内に枠体5を置き、型枠内にコンクリートを流し込むこ
とによって簡単に製造することができる。
【0019】図5、図6は、図3に示したような枠体5
に補助筋9を接合してなる別の補強用枠体を示すもので
ある。補助筋9は、たとえば、上述した高強度、高弾性
率補強繊維を一方向に引き揃え、上述した熱可塑性樹脂
または熱硬化性樹脂と複合してなる複合体、すなわちF
RP棒からなる。補助筋9の枠体5への接合は、ともに
熱可塑性樹脂を用いる場合には熱融着によることができ
るし、ともに熱硬化性樹脂を用いる場合には、プリプレ
グ状態にあるときに圧着し、そのまま硬化させることに
よることができる。接着剤等を用いて接合してもよい。
補助筋を接合する部位は、折り曲げ加工を施している部
位であっても、そうでない部位であっても、いずれでも
よい。また、その配置も任意でよく、図5や図6に示す
ように枠体5を挟んで対向配置したり、枠体5の内また
は外のみに配置したり、内外で千鳥状になるように配置
したりすることができる。要するに、さらに補強を施し
たい部位に配置すればよい。
に補助筋9を接合してなる別の補強用枠体を示すもので
ある。補助筋9は、たとえば、上述した高強度、高弾性
率補強繊維を一方向に引き揃え、上述した熱可塑性樹脂
または熱硬化性樹脂と複合してなる複合体、すなわちF
RP棒からなる。補助筋9の枠体5への接合は、ともに
熱可塑性樹脂を用いる場合には熱融着によることができ
るし、ともに熱硬化性樹脂を用いる場合には、プリプレ
グ状態にあるときに圧着し、そのまま硬化させることに
よることができる。接着剤等を用いて接合してもよい。
補助筋を接合する部位は、折り曲げ加工を施している部
位であっても、そうでない部位であっても、いずれでも
よい。また、その配置も任意でよく、図5や図6に示す
ように枠体5を挟んで対向配置したり、枠体5の内また
は外のみに配置したり、内外で千鳥状になるように配置
したりすることができる。要するに、さらに補強を施し
たい部位に配置すればよい。
【0020】
実施例1 経方向および緯方向の補強繊維糸として炭素繊維糸(単
糸径:7μm、単糸数:12,000本)を、補助糸と
してポリアラミド繊維糸(単糸径:15μm、単糸数:
1,000本)をそれぞれ用い、図1に示したようなよ
うな形状の格子状織物を織成した。目の大きさは20mm
とした。
糸径:7μm、単糸数:12,000本)を、補助糸と
してポリアラミド繊維糸(単糸径:15μm、単糸数:
1,000本)をそれぞれ用い、図1に示したようなよ
うな形状の格子状織物を織成した。目の大きさは20mm
とした。
【0021】次に、上記格子状織物をABS樹脂の20
重量%メチルエチルケトン溶液に浸漬し、乾燥して、図
1に示したような格子状体を得た。
重量%メチルエチルケトン溶液に浸漬し、乾燥して、図
1に示したような格子状体を得た。
【0022】次に、上記格子状体を45×100cmに切
断し、150℃に加熱した、一辺が10cm、長さが10
0cmの四角柱の型枠に巻き付けた。このとき、折り曲げ
線が経方向の補強繊維糸と緯方向の補強繊維糸の非交差
部になるようにした。さらに、巻き付けの終端を200
℃に加熱して接合し、図3に示したような枠体を得た。
この枠体に反りや接合部の剥離は認められなかった。
断し、150℃に加熱した、一辺が10cm、長さが10
0cmの四角柱の型枠に巻き付けた。このとき、折り曲げ
線が経方向の補強繊維糸と緯方向の補強繊維糸の非交差
部になるようにした。さらに、巻き付けの終端を200
℃に加熱して接合し、図3に示したような枠体を得た。
この枠体に反りや接合部の剥離は認められなかった。
【0023】次に、上記枠体を、一辺の長さが16cmの
四角筒形の型枠の中心に上部被りが30mmになるように
セットした後、型枠内にセメントモルタルを流し込み、
28日間養生してセメントモルタル構造物を得た。な
お、セメントモルタルとしては、重量比で、水・セメン
ト比が0.45、細骨材(豊浦の標準砂)・セメント比
が1.0のものを用いた。
四角筒形の型枠の中心に上部被りが30mmになるように
セットした後、型枠内にセメントモルタルを流し込み、
28日間養生してセメントモルタル構造物を得た。な
お、セメントモルタルとしては、重量比で、水・セメン
ト比が0.45、細骨材(豊浦の標準砂)・セメント比
が1.0のものを用いた。
【0024】次に、得られたセメントモルタル構造物に
ついて、JIS A1414 にしたがって4点曲げ試験を行った
ところ、最大曲げ荷重は2,460kgf であった。
ついて、JIS A1414 にしたがって4点曲げ試験を行った
ところ、最大曲げ荷重は2,460kgf であった。
【0025】実施例2 経方向の補強繊維糸として炭素繊維糸(単糸径:7μ
m、単糸数:6,000本)を、緯方向の補強繊維糸と
して炭素繊維糸(単糸径:7μm、単糸数:12,00
0本)をそれぞれ用い、図2に示したような形状の格子
状織物を織成した。目の大きさは20mmとした。
m、単糸数:6,000本)を、緯方向の補強繊維糸と
して炭素繊維糸(単糸径:7μm、単糸数:12,00
0本)をそれぞれ用い、図2に示したような形状の格子
状織物を織成した。目の大きさは20mmとした。
【0026】以下、実施例1と全く同様にして格子状体
を作り、枠体を作り、さらにセメントモルタル構造物を
作り、4点曲げ試験を行ったところ、最大曲げ荷重は
2,650kgf であった。なお、枠体に反りや接合部の
剥離等は認められなかった。
を作り、枠体を作り、さらにセメントモルタル構造物を
作り、4点曲げ試験を行ったところ、最大曲げ荷重は
2,650kgf であった。なお、枠体に反りや接合部の
剥離等は認められなかった。
【0027】比較例1 折り曲げ線が経方向の補強繊維糸と緯方向の補強繊維糸
の交差部になるようにしたほかは実施例1と全く同様に
して枠体を作り、さらにセメントモ費ルタル構造物を作
り、4点曲げ試験を行ったところ、最大曲げ荷重は1,
930kgf であった。なお、枠体には反りが認められ、
また、接合部における剥離が各所に認められた。
の交差部になるようにしたほかは実施例1と全く同様に
して枠体を作り、さらにセメントモ費ルタル構造物を作
り、4点曲げ試験を行ったところ、最大曲げ荷重は1,
930kgf であった。なお、枠体には反りが認められ、
また、接合部における剥離が各所に認められた。
【0028】比較例2 折り曲げ線が経方向の補強繊維糸と緯方向の補強繊維糸
の交差部になるようにしたほかは実施例2と全く同様に
して枠体を作り、さらにセメントモルタル構造体を作
り、4点曲げ試験を行ったところ、最大曲げ荷重は2,
150kgf であった。なお、枠体には反りが認められ、
また、接合部における剥離が各所に認められた。
の交差部になるようにしたほかは実施例2と全く同様に
して枠体を作り、さらにセメントモルタル構造体を作
り、4点曲げ試験を行ったところ、最大曲げ荷重は2,
150kgf であった。なお、枠体には反りが認められ、
また、接合部における剥離が各所に認められた。
【0029】
【発明の効果】この発明の補強用枠体は、経方向および
緯方向の補強繊維糸の非交差部または非交錯部において
折り曲げ加工されており、折り曲げ線上に経方向および
緯方向の補強繊維糸の交差部や交錯部がないから、上述
した従来の技術の問題点であった反りや接合部における
剥離等を防止することができるようになる。したがっ
て、また、実施例と比較例との対比からも明らかなよう
に、補強効果に大変優れている。
緯方向の補強繊維糸の非交差部または非交錯部において
折り曲げ加工されており、折り曲げ線上に経方向および
緯方向の補強繊維糸の交差部や交錯部がないから、上述
した従来の技術の問題点であった反りや接合部における
剥離等を防止することができるようになる。したがっ
て、また、実施例と比較例との対比からも明らかなよう
に、補強効果に大変優れている。
【0030】また、そのような補強用枠体は、補強繊維
糸を互いに交差または交錯させながら格子を形成するよ
うに経方向および緯方向に配列し、補強繊維糸に熱可塑
性樹脂を含浸または被覆し、熱可塑性樹脂を固化させた
後、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交差部または
非交錯部において加熱下に折り曲げ加工するか、熱可塑
性樹脂に代えて熱硬化性樹脂を用いる場合には、補強繊
維糸を互いに交差または交錯させながら格子を形成する
ように経方向および緯方向に配列し、補強繊維糸に熱硬
化性樹脂を含浸または被覆してプリプレグとした後、経
方向および緯方向の補強繊維糸の非交差部または非交錯
部において折り曲げ加工し、その折り曲げ状態のまま熱
硬化性樹脂を硬化させることによって製造できるから、
大変簡単である。
糸を互いに交差または交錯させながら格子を形成するよ
うに経方向および緯方向に配列し、補強繊維糸に熱可塑
性樹脂を含浸または被覆し、熱可塑性樹脂を固化させた
後、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交差部または
非交錯部において加熱下に折り曲げ加工するか、熱可塑
性樹脂に代えて熱硬化性樹脂を用いる場合には、補強繊
維糸を互いに交差または交錯させながら格子を形成する
ように経方向および緯方向に配列し、補強繊維糸に熱硬
化性樹脂を含浸または被覆してプリプレグとした後、経
方向および緯方向の補強繊維糸の非交差部または非交錯
部において折り曲げ加工し、その折り曲げ状態のまま熱
硬化性樹脂を硬化させることによって製造できるから、
大変簡単である。
【図1】この発明で用いる格子状体の概略平面図であ
る。
る。
【図2】この発明で用いる別の格子状体の概略平面図で
ある。
ある。
【図3】この発明の一実施態様に係る補強用枠体の概略
斜視図である。
斜視図である。
【図4】図3に示した補強用枠体を用いたコンクリート
構造体の一部破断概略斜視図である。
構造体の一部破断概略斜視図である。
【図5】この発明の他の実施態様に係る補強用枠体の概
略側面図である。
略側面図である。
【図6】この発明のさらに他の実施態様に係る補強用枠
体の概略側面図である。
体の概略側面図である。
1:格子状体 2:経方向の補強繊維糸 2a :経方向の補強繊維糸 2b :経方向の補強繊維糸 3:緯方向の補強繊維糸 4:補助糸 5:枠体 6:経方向の補強繊維糸 7:緯方向の補強繊維糸 8:コンクリート 9:補助筋
Claims (13)
- 【請求項1】互いに交差しながら格子を形成するように
経方向および緯方向に配列された補強繊維糸が樹脂で固
められ、かつ、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交
差部において折り曲げ加工されている補強用枠体。 - 【請求項2】緯方向の補強繊維糸が、経方向の補強繊維
糸に沿い、かつ、緯方向の補強繊維糸に絡みながら延び
る補助糸によって経方向の補強繊維糸と一体化されてい
る、請求項1の補強用枠体。 - 【請求項3】互いに交錯しながら格子を形成するように
経方向および緯方向に配列された補強繊維糸が樹脂で固
められ、かつ、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交
錯部において折り曲げ加工されている補強用枠体。 - 【請求項4】緯方向の補強繊維糸に対して経方向の補強
繊維糸がもじり織組織されている、請求項3の補強用枠
体。 - 【請求項5】格子の目の大きさが5〜150mmの範囲に
ある、請求項1〜4のいずれかの補強用枠体。 - 【請求項6】内側および/または外側に補助筋が接合さ
れている、請求項1〜5のいずれかの補強用枠体。 - 【請求項7】補助筋が補強繊維糸と熱可塑性樹脂または
熱硬化性樹脂との複合体からなる、請求項6の補強用枠
体。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれかの補強用枠体を補
強材として含むセメントモルタル構造物。 - 【請求項9】請求項1〜7のいずれかの補強用枠体を補
強材として含むコンクリート構造物。 - 【請求項10】補強繊維糸を互いに交差させながら格子
を形成するように経方向および緯方向に配列し、補強繊
維糸に熱可塑性樹脂を含浸または被覆し、熱可塑性樹脂
を固化させた後、経方向および緯方向の補強繊維糸の非
交差部において加熱下に折り曲げ加工する、補強用枠体
の製造方法。 - 【請求項11】補強繊維糸を互いに交錯させながら格子
を形成するように経方向および緯方向に配列し、補強繊
維糸に熱可塑性樹脂を含浸または被覆し、熱可塑性樹脂
を固化させた後、経方向および緯方向の補強繊維糸の非
交錯部において加熱下に折り曲げ加工する、補強用枠体
の製造方法。 - 【請求項12】補強繊維糸を互いに交差させながら格子
を形成するように経方向および緯方向に配列し、補強繊
維糸に熱硬化性樹脂を含浸または被覆してプリプレグと
した後、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交差部に
おいて折り曲げ加工し、その折り曲げ状態のまま熱硬化
性樹脂を硬化させる、補強用枠体の製造方法。 - 【請求項13】補強繊維糸を互いに交錯させながら格子
を形成するように経方向および緯方向に配列し、補強繊
維糸に熱硬化性樹脂を含浸または被覆してプリプレグと
した後、経方向および緯方向の補強繊維糸の非交錯部に
おいて折り曲げ加工し、その折り曲げ状態のまま熱硬化
性樹脂を硬化させる、補強用枠体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2182395A JPH08218552A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 補強用枠体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2182395A JPH08218552A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 補強用枠体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08218552A true JPH08218552A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12065792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2182395A Pending JPH08218552A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 補強用枠体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08218552A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002127224A (ja) * | 2000-10-30 | 2002-05-08 | Toppan Printing Co Ltd | 製膜装置 |
JP2019002094A (ja) * | 2017-06-16 | 2019-01-10 | 武志 衛藤 | 配筋材用の繊維束織物及びこれを使用したコンクリート配筋構造 |
WO2022015157A1 (en) * | 2020-07-17 | 2022-01-20 | Crt Manufacturing Sdn. Bhd. | Reinforcement mesh and method for producing thereof |
-
1995
- 1995-02-09 JP JP2182395A patent/JPH08218552A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002127224A (ja) * | 2000-10-30 | 2002-05-08 | Toppan Printing Co Ltd | 製膜装置 |
JP2019002094A (ja) * | 2017-06-16 | 2019-01-10 | 武志 衛藤 | 配筋材用の繊維束織物及びこれを使用したコンクリート配筋構造 |
WO2022015157A1 (en) * | 2020-07-17 | 2022-01-20 | Crt Manufacturing Sdn. Bhd. | Reinforcement mesh and method for producing thereof |
EP4182514A4 (en) * | 2020-07-17 | 2024-07-31 | Crt Mfg Sdn Bhd | REINFORCING MESH AND PRODUCTION METHOD THEREFOR |
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