JPH08218274A - 繊維の処理方法 - Google Patents

繊維の処理方法

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JPH08218274A
JPH08218274A JP2393695A JP2393695A JPH08218274A JP H08218274 A JPH08218274 A JP H08218274A JP 2393695 A JP2393695 A JP 2393695A JP 2393695 A JP2393695 A JP 2393695A JP H08218274 A JPH08218274 A JP H08218274A
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fiber
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silane coupling
fibers
treating
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JP2393695A
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Sadamitsu Murayama
定光 村山
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性、屈曲耐久性、耐水性、耐熱性、耐
薬品性等に優れた有機系繊維を提供する。 【構成】 熱分解温度が300℃以上の有機系繊維をシ
ラン系カップリング剤を主成分とする第1処理剤で処理
した後、融点が240℃以上のフッ素系樹脂を主成分と
する第2処理剤で処理することを特徴とする繊維の処理
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐摩耗性、屈曲耐久性、
難燃性、耐熱性、耐薬品性等に優れた繊維に関するもの
である。さらに詳しくは、ベルト状構造物、コード状構
造物、ロープ状構造物、編織構造物、不織布構造物等の
繊維構造物に用いられる繊維を特定組成の処理剤により
特定条件下で処理し、繊維構造物と表面被覆樹脂との界
面接着性を高めて実用時における前記各特性の耐久性を
向上せしめるものである。
【0002】
【従来の技術】通常、ベルト、コード、ロープ、編織
布、不織布等の繊維構造物に用いられる素材としては、
ポリエステル、ナイロン、ビニロン、ポリエチレン、全
芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、全芳香族ポリ
エステル繊維、超高分子量ポリエチレン繊維などがあ
る。これらの繊維は単独、且つ未処理で用いられる場合
もあるが、通常は、使用繊維の特性を充分に発現させる
為に、繊維の形状で適当な処理剤で処理された後に、繊
維構造物に成形されるか、または、繊維構造物に成形さ
れた後に適当な処理剤で加工され、それぞれの用途で使
用される。この場合、業界で要求される重要な要求特性
として耐摩耗性、屈曲耐久性、耐水性、難燃性、耐熱
性、耐薬品性等がある。
【0003】これらの要求特性を満足させるために現在
では、各種の処理剤による繊維表面被覆が行われてお
り、かかる処理剤として、ポリウレタン樹脂系、シリコ
ン樹脂系、ワックス系樹脂、フッ素系樹脂等が広く用い
られている。例えば、ポリウレタン系樹脂やワックス系
樹脂を耐摩耗性向上剤として用いた技術としては、「ポ
リウレタン、酸化ポリエチレン及びエチレン尿素化合物
を主成分とする混合物で処理されてなる繊維ロープ」
(特公昭62−60511号公報)、「ウレタンプレポ
リマーブロック化物を主成分とする樹脂を繊維ベルト類
に付与し、加熱処理することにより耐摩耗性を改善する
方法」(特開昭60−173174号公報)、「シラン
系カップリング剤を主成分とする第1処理剤で処理した
後、ポリウレタン、酸化ポリエチレン及びエチレン尿素
化合物を主成分とする第2処理剤で処理する方法」(特
公平1ー29909号公報)等があげられる。また、フ
ッ素系樹脂を用いて繊維構造物を処理する技術として
は、「全芳香族ポリアミド繊維及び布帛をフッ素系樹脂
エマルジョンで処理して、繊維表面に被膜を形成した繊
維及び布帛」(特開昭56−107073号公報)、
「フッ素系樹脂を含浸またはコーティングして焼成せし
めた糸を製織してなる織物」(実開昭60ー14078
0号公報)、「耐熱性繊維よりなる不織布にフッ素系樹
脂を含浸せしめてなるフッ素系樹脂含漬不織布」(実開
昭60ー140795号公報)、「芳香族ポリアミド繊
維からなる繊維構造物の繊維表面が無機系の酸化物とフ
ッ素系樹脂とで被覆されてなる耐薬品性炉材」(特公平
4−60686号公報)、「耐熱性繊維材にフッ素系樹
脂を含浸させた後に、特定条件で焼成するフッ素系樹脂
複合材の製造方法」(特開平4ー16339号公報)、
「フッ素系樹脂を用いて特定条件下で処理し、繊維表面
に微粒子状フッ素系樹脂を残存固着させた繊維構造物」
(特開平2−210071号公報)、「合成繊維ロープ
において、ロープを構成する繊維にフッ素系樹脂を含浸
させた合成繊維ロープ」(実開平2ー46895号公
報)、「フッ素系樹脂を用いて特定条件下で処理し、繊
維表面に微粒子状フッ素系樹脂を残存固着させた繊維を
用いてなる繊維ロープ」(特開平3−249276号公
報)、「ポリウレタン、酸化ポリエチレン、フッ素系樹
脂及びエチレン尿素化合物を主成分とする耐摩耗性向上
剤で処理されてなる繊維ロープ」(特開平4−1268
80号公報)、「フッ素原子を含むシランカップリング
剤が繊維表面に被覆されてなる繊維製品」(特開平5ー
321147号公報)、「融点が250℃以上のフッ素
系樹脂の被膜が耐炎繊維不織布の表面に形成されている
フッ素系樹脂加工不織布」(特開平5ー321150号
公報)等(以下先行技術という)がある。
【0004】確かに、上記の先行技術に開示された繊維
は、耐摩耗性や屈曲耐久性や耐水性の改善されることが
認められている。しかしながら、最近の市場における用
途関連技術の高度化に伴い、繊維や繊維構造物に対する
要求性能は益々向上、拡大する傾向にあって上述の先行
技術では、まだ実用時における耐久性が不充分であり、
用途によっては充分対応することができない。例えば、
パラ型アラミド繊維は,20グラム/デニール以上の高
強度を有する為に、最近、この繊維を使用した種々の繊
維構造物が開発され、様々な用途に適用されつつある
が、繊維/繊維間、繊維/物体間の摩擦によりフィブリ
ル化し易く、これが主原因となって強度劣化を生じ、繊
維が本来有する優れた高強度特性を充分に発現出来ない
という問題がある。また、ウレタン系樹脂、フッ素系樹
脂等をアラミド繊維等の繊維表面に被覆した繊維構造物
では、樹脂とアラミド繊維との界面接着が不充分である
為に、樹脂が使用中に脱落して長期の連続使用に耐えら
れないという耐久性不足の問題を有している。
【0005】更に、防護材料や電気関連材料分野では、
高度の難燃性、耐熱性等も要求されるようになりつつあ
り、これらの市場要求に対し、アラミド繊維等の高性能
耐熱性繊維で一部対応中であるが、未処理の繊維構造物
では、まだ充分に市場の要求を満たすに到っていないと
いう問題も有している。
【0006】本発明者等は、先行技術におけるかかる問
題を解決すべく鋭意研究した結果、有機系繊維をシラン
系カップリング剤で処理した後にフッ素系樹脂で処理す
ると、不活性なフッ素系樹脂でも、ガラス繊維で見られ
ると同じような界面接着性向上効果を発現することを見
出し、本発明に到達したものである。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、熱分解温度が300℃
以上の有機系繊維に高度の耐摩耗性、屈曲耐久性、耐水
性、並びに難燃性、耐熱性、耐薬品性等を付与して、市
場要求を充分に満たす新規な繊維構造物を提供すること
にある。
【0008】
【発明の構成】即ち本発明は、「(請求項1) 熱分解
温度が300℃以上の有機系繊維をシラン系カップリン
グ剤を主成分とする第1処理剤で処理した後、融点が2
40℃以上のフッ素系樹脂を主成分とする第2処理剤で
処理することを特徴とする繊維の処理方法。 (請求項2) 熱分解温度が300℃以上の有機系繊維
がポリアリレート系繊維である請求項1の繊維の処理方
法。 (請求項3) 熱分解温度が300℃以上の有機系繊維
がポリパラフェニレンテレフタラミド繊維である請求項
1の繊維の処理方法。 (請求項4) 熱分解温度が300℃以上の有機系繊維
がポリメタフェニレンテレフタラミド繊維である請求項
1の繊維の処理方法。 (請求項5) シラン系カップリング剤がフッ素原子を
含むシラン系カップリング剤である請求項1〜4のいず
れかに記載の繊維の処理方法。 (請求項6) シラン系カップリング剤がアミノ基及び
フェニル基を含むシラン系カップリング剤である請求項
1〜4のいずれかに記載の繊維の処理方法。 (請求項7) シラン系カップリング剤がメルカプト基
を含むシラン系カップリング剤である請求項1〜4のい
ずれかに記載の繊維の処理方法。 (請求項8) シラン系カップリング剤がエポキシ基を
含むシラン系カップリング剤である請求項1〜4のいず
れかに記載の繊維の処理方法。 (請求項9) ラン系カップリング剤がイソシアネート
基を含むシラン系カップリング剤である請求項1〜4の
いずれかに記載の繊維の処理方法。 (請求項10) 融点が240℃以上のフッ素系樹脂が
4フッ化エチレン樹脂、4フッ化エチレン・パーフロロ
アルキルビニルエーテル共重合体、4フッ化エチレン・
6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン・6フ
ッ化プロピレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共
重合体からなる群から選ばれた1である請求項1〜9の
いずれかに記載の繊維の処理方法。」である。
【0009】ここに熱分解温度が300℃以上の有機系
繊維とは、アラミド系繊維(例えばデュポン株式会社製
のケブラー繊維、帝人株式会社製のテクノーラ繊維)、
高強力ポリアリレート系繊維(例えば株式会社クラレ製
のベクトラン繊維)等であるが、柔軟性、耐熱性等の点
からアラミド系繊維が好ましい。なお、繊維の単糸繊度
は0.3〜15.0デニールが好ましい。更に好ましく
は0.5〜8.0デニールである。0.3デニール未満
では繊維構造物製造工程において他物体との摩擦や摩耗
による単繊維切れが発生し易くなる。また、ストランド
(繊維集合体)中における単繊維の引き揃え性が低下す
るため、織編工程における衝撃的な高負荷が特定箇所に
応力集中を生じ易くなり、ストランドが本来有する高強
度や高弾性率を充分に維持出来なくなる。また、15.
0デニールを越えると単繊維の柔軟性が低下するため
に、これを用いた繊維構造物の柔軟性も低下し、耐屈曲
疲労性が悪化し実用耐久性が悪くなる。
【0010】シラン系カップリング剤とは、分子中に加
水分解性基と有機反応性基とを合わせ持つ有機ケイ素化
合物のことである。例えば、加水分解性基としてメトキ
シ基やエトキシ基を一個以上持ち、有機反応性基とし
て、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、
メタアクリル基、グリシジル基、イソシアネート基等を
一個以上、もしくは、異なる加水分解性基や有機反応性
基をそれぞれ一個以上合わせ持つものである。本願発明
で用いるシラン系カップリング剤は、特に限定されない
が、耐熱性や接着性の点からフッ素原子、フェニル基、
エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート
基等を一個以上合わせ持つものが好ましい。通常は水溶
液、アルコール性溶液、または、水とアルコールとの混
合溶液で0.3〜8.0重量%程度に希釈された溶液と
して用いる。
【0011】融点が240℃以上のフッ素系樹脂とは、
4フッ化エチレン樹脂、4フッ化エチレン・パーフロロ
アルキルビニルエーテル共重合体、4フッ化エチレン・
6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン・6フ
ッ化プロピレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共
重合体等であるが、低摩擦性、耐摩耗性、屈曲耐久性等
の点から4フッ化エチレン樹脂、4フッ化エチレン・パ
ーフロロアルキルビニルエーテル共重合体が好ましい。
これらのフッ素系樹脂は通常、分散剤を用いて分散溶媒
中に微粒子状の形態で分散せしめた分散体、あるいは、
乳化剤を用いて水系媒体中に微粒子状の形態でフッ素系
樹脂を乳化せしめた水乳化体として用いる。
【0012】繊維の処理方法は、スプレー法、コーテイ
ング法、浸漬法など従来公知のいかなる方法を用いても
よいが、第1処理も第2処理も比較的粘度の低い液状物
として用いる場合が多いので、繊維を処理剤中に浸漬
し、必要に応じてニップロールで絞り、処理剤のピック
アップ量を調整した後、乾燥、硬化させるのが最も簡単
で効率的である。
【0013】なお、第1処理は溶液濃度0.3〜8.0
重量%程度、好ましくは、0.5〜4.0重量%の範囲
で使用するのが好ましい。溶液濃度が0.3重量%未満
では処理剤付着量(固形分の付着量)が不充分であり、
充分な界面接着向上効果を発現できない。即ち、繊維と
フッ素系樹脂との界面接着力を目標レベルまで向上させ
ることができない。また、8.0重量%を越えると、第
2処理剤の付着性を低めるばかりでなく、凝集力の小さ
いシラン系カップリング剤の働きで、逆に界面接着力を
低下させる現象を生じるようになる。
【0014】第1処理剤で処理した後、約100〜18
0℃程度の温度範囲で0.3〜30分間程度熱処理して
乾燥し、更に必要に応じて同範囲内の比較的高めの温度
の熱処理条件で硬化させる。
【0015】繊維に対する第1処理剤の付着量は、固形
分で0.3〜5.0重量%、更に好ましくは、0.5〜
3.0重量%である。固形分の付着量が0.3重量%未
満では繊維を均一に、且つ充分に表面被覆出来なくなる
ため、フッ素系樹脂を主成分とする第2処理剤とのカッ
プリング効果を充分に発現出来なくなる。また、付着量
(固形分)が5.0重量%を越えると、凝集力の小さい
シラン系カップリン剤そのものが破壊されるようにな
り、フッ素系樹脂を主成分とする第2処理剤との界面接
着力を充分に高めることが出来なくなる。
【0016】フッ素系樹脂を主成分とする第2処理剤の
溶液濃度は、通常5〜60重量%程度の範囲内で使用す
るが、特に限定されない。なぜなら、使用する用途の目
的に応じて、フッ素系樹脂の付着量が比較的少ない方が
良い場合や多量に付着させなければ充分に特徴を発現出
来ない場合などが異なる為である。即ち、第2処理剤に
よる処理は、通常、市場の要求特性を満足させ得る目的
の付着量に達するまで、必要に応じ、1回から数回、繰
り返し行われる。従って、繊維に対する第2処理剤の固
形分重量比率は、特に限定されないが、通常、0.5〜
250重量%である。0.5重量%未満では、フッ素系
樹脂の特徴を充分に発現出来ない。250重量%を越え
ると、繊維の剛性が高くなりすぎる。
【0017】また第2処理時における熱処理温度は10
0〜450℃、熱処理時間は0.2〜60分間が好まし
い。熱処理温度が100℃未満では、処理剤の被膜強度
が充分でなく、450℃を越えると、繊維強度が低下す
る。望ましくは、第2処理剤で処理した後、100〜1
80℃で0.5〜15分間熱処理し、続いて240〜4
50℃で0.5〜30分間熱処理する。なお、この第2
処理剤による処理は、前述の如く、用途の目的に応じ、
必要回数、繰り返し行われる。
【0018】本発明による処理方法が優れた耐摩耗性や
屈曲耐久性、難燃性、耐熱性、耐薬品性等を発現する理
由は、第1処理剤が非常に低粘度で、且つ、反応性に富
むので繊維や繊維構造物の中まで短時間で浸透し、個々
の単繊維表面において、均一に接触反応するばかりでな
く、不活性な第2処理剤とも反応する為、結果的に単繊
維、即ち、繊維や繊維構造物と第2処理剤との結合力を
高めて、第2処理剤との界面接着力を向上せしめ、実用
中における第2処理剤の脱落を防止して耐久性を向上さ
せるためと考えられる。従って、摩擦係数が低く、耐摩
耗性、難燃性、耐熱性、耐薬品性、耐光性等の効果を長
期間、継続発現することができる。また、繊維構造物が
高度に曲げられる場合、繊維とフッ素系樹脂との界面に
存在するシラン系カップリング剤が緩衝材として働く結
果、屈曲耐久性が向上する。
【0019】
【発明の効果】本発明の効果は以下の通りである。 (1) 本発明の方法で処理された繊維は、フッ素系樹
脂との界面接着性が良好であり、耐摩耗性、難燃性、耐
熱性、耐薬品性、耐光性等を長期にわたって継続発現す
ることができる。 (2) 本発明方法で処理された繊維や繊維構造物は、
繰り返し高度に曲げられて使用される場合でも屈曲耐久
性が良好である。
【0020】以下、摩擦や繰り返し屈曲によりフィブリ
ル化し易いパラ系アラミド繊維からなる撚糸コードや織
物を用いた実験を中心に、実施例により本発明を具体的
に説明する。なお界面接着力、屈曲耐久性の評価は下記
方法に従って実施した。
【0021】<界面接着力>定速伸張型引張試験機を用
いた。フッ素系樹脂を介して、プレス機で溶融接着され
た50mm幅の2枚の織物を、100mm/分の速度
で、T字状に引き剥がすときの剥離強力を測定し、繊維
とフッ素系樹脂との界面接着力を評価した。
【0022】<屈曲耐久性>2対の自由に回転する外径
10mmのロールによるS曲げ法により比較評価した。
撚糸コード状の評価サンプルを、この2対のロールにS
字状に掛けた後、引張力2.0グラム/デニールになる
ように設定し、該評価サンプルに往復運動を与えて屈曲
疲労させ、撚糸コード状サンプルが切断するまでの往復
回数で比較判定した。
【0023】
【実施例1】繊維として1500デニール1000フィ
ラメントからなるアラミド長繊維糸(帝人株式会社製、
テクノーラ)を経糸及び緯糸に用い、経糸密度及び緯糸
密度をそれぞれ17本/25mmとして平組織の織物を
作成した。次にこの織物を脱油処理、乾燥した。続い
て、この織物を、加水分解性のエトキシ基と有機反応性
のアミノ基2個を有するシラン系カップリング剤を主成
分とする第1処理剤(固形分濃度3重量%)中に浸漬し
て含浸処理した後に、120℃で2分間熱処理した。こ
の織物に対するシラン系カップリング剤の固形分付着量
は、0.9重量%であった。続いて4フッ化エチレン樹
脂を主成分とする水分散液体(固形分濃度60重量%)
に浸漬した後、120℃で3分間熱処理し、次いで34
0℃で3分間熱処理した。この織物に対する4フッ化エ
チレン樹脂の固形分付着量は、18.5重量%であっ
た。このシラン系カップリング剤及び4フッ化エチレン
樹脂で処理されてなる織物を2枚重ね、圧力15kg/
cm2 、温度350℃で6分間、ホットプレス機を用い
て加熱加圧し、2枚の織物を接着せしめた。評価結果を
表1に示した。
【0024】
【実施例2〜7】第1処理剤として表1に示したそれぞ
れの有機系官能基及び/又はフッ素原子を含有するシラ
ン系カップリング剤を用いた以外は実施例1と同様に行
った。得られた織物を実施例1と同様に、ホットプレス
機で加熱加圧して2枚の織物が積層、接着された評価用
サンプルを得た。評価結果を表1に示した。またシラン
系カップリング剤の固形分付着量及び4フッ化エチレン
樹脂の固形分付着量も併せて表1に示した。
【0025】
【実施例8】繊維としてポリメタフェニレンイソフタラ
ミド繊維(帝人株式会社製、コーネックス)を用い、実
施例6で用いたと同程度の太さの紡績糸を経糸及び緯糸
に用いて製織した織物を使用した以外は、実施例6と同
様に行った。評価結果を表1に示した。
【0026】
【実施例9〜12】表2に示したアミノ基2個及びフェ
ニル基2個を含有するシラン系カップリング剤を第1処
理剤として用い、固形分付着量が、それぞれ表2に示す
値になるように処理し、次いで第2処理剤として4フッ
化エチレン樹脂を用い、固形分付着量が表2に示す値に
なるように、1回から数回処理した以外は実施例1と同
様に行って、評価用サンプルを得た。評価結果を表2に
示した。
【0027】また、1500デニール1000フィラメ
ントからなるアラミド長繊維糸(帝人株式会社製、テク
ノーラ)を、上記と同一の第1処理剤及び第2処理剤に
浸漬し、それぞれ表2に示した固形分付着量になるよう
に調整、熱処理して、シラン系カップリング剤と4フッ
化エチレン樹脂が付着されてなるアラミド長繊維糸を得
た。次に、このアラミド長繊維糸2本を引き揃えてZ方
向に18回/10cmの撚数で撚糸した後、更に、この
撚糸品を2本合わせてS方向に12回/10cmの撚数
で合撚し、6000デニールの撚糸コードを得た。表2
に評価結果を示した。
【0028】
【実施例13】フッ素系樹脂として、4フッ化エチレン
・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体を用いた
以外は実施例10と同様に行った。評価結果を表2に示
した。
【0029】
【実施例14】フッ素系樹脂として、4フッ化エチレン
・6フッ化プルピレン共重合体を用いた以外は実施例1
0と同様に行った。評価結果を表2に示した。
【0030】
【実施例15】繊維として1500デニール300フィ
ラメントからなる高強力アリレート系繊維糸を経糸及び
緯糸に用いて製織した織物を使用した以外は、実施例1
0と同様に行った。評価結果を表2に示した。
【0031】
【実施例16〜17】4フッ化エチレン樹脂の固形分付
着量が表2に示す値になるように第2処理剤による処理
条件を変更した以外は実施例10と同様に行った。評価
結果を表2に示した。
【0032】
【比較例1】実施例10において、第1処理剤で含浸処
理しない以外は実施例10と同様に行って評価用の撚糸
コードと積層接着織物を得た。評価結果を表3に示し
た。
【0033】
【比較例2】実施例10において、第2処理剤で含浸処
理しない以外は実施例10と同様に行って評価用の撚糸
コードと積層接着織物を得た。評価結果を表3に示し
た。
【0034】
【比較例3〜6】実施例10において、第1処理剤によ
る固形分付着量が、それぞれ表3に示す値になるように
処理し、次いで、第2処理剤による固形分付着量が、そ
れぞれ表2に示す値になるように、1回から数回処理し
た以外は実施例10と同様に行って評価用の撚糸コード
と積層接着織物を得た。評価結果を表3に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解温度が300℃以上の有機系繊維
    をシラン系カップリング剤を主成分とする第1処理剤で
    処理した後、融点が240℃以上のフッ素系樹脂を主成
    分とする第2処理剤で処理することを特徴とする繊維の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 熱分解温度が300℃以上の有機系繊維
    がポリアリレート系繊維である請求項1の繊維の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 熱分解温度が300℃以上の有機系繊維
    がポリパラフェニレンテレフタラミド繊維である請求項
    1の繊維の処理方法。
  4. 【請求項4】 熱分解温度が300℃以上の有機系繊維
    がポリメタフェニレンテレフタラミド繊維である請求項
    1の繊維の処理方法。
  5. 【請求項5】 シラン系カップリング剤がフッ素原子を
    含むシラン系カップリング剤である請求項1〜4のいず
    れかに記載の繊維の処理方法。
  6. 【請求項6】 シラン系カップリング剤がアミノ基及び
    フェニル基を含むシラン系カップリング剤である請求項
    1〜4のいずれかに記載の繊維の処理方法。
  7. 【請求項7】 シラン系カップリング剤がメルカプト基
    を含むシラン系カップリング剤である請求項1〜4のい
    ずれかに記載の繊維の処理方法。
  8. 【請求項8】 シラン系カップリング剤がエポキシ基を
    含むシラン系カップリング剤である請求項1〜4のいず
    れかに記載の繊維の処理方法。
  9. 【請求項9】 ラン系カップリング剤がイソシアネート
    基を含むシラン系カップリング剤である請求項1〜4の
    いずれかに記載の繊維の処理方法。
  10. 【請求項10】 融点が240℃以上のフッ素系樹脂が
    4フッ化エチレン樹脂、4フッ化エチレン・パーフロロ
    アルキルビニルエーテル共重合体、4フッ化エチレン・
    6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン・6フ
    ッ化プロピレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共
    重合体からなる群から選ばれた1である請求項1〜9の
    いずれかに記載の繊維の処理方法。
JP2393695A 1995-02-13 1995-02-13 繊維の処理方法 Pending JPH08218274A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113105718A (zh) * 2021-04-21 2021-07-13 西北工业大学 一种碳纤维树脂基复合材料及其制备方法

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CN113105718A (zh) * 2021-04-21 2021-07-13 西北工业大学 一种碳纤维树脂基复合材料及其制备方法

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