JPH08218135A - 銅合金およびその製造方法 - Google Patents
銅合金およびその製造方法Info
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- JPH08218135A JPH08218135A JP7022058A JP2205895A JPH08218135A JP H08218135 A JPH08218135 A JP H08218135A JP 7022058 A JP7022058 A JP 7022058A JP 2205895 A JP2205895 A JP 2205895A JP H08218135 A JPH08218135 A JP H08218135A
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- electrode
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C1/00—Making non-ferrous alloys
- C22C1/04—Making non-ferrous alloys by powder metallurgy
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F3/00—Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
- B22F3/12—Both compacting and sintering
- B22F3/1208—Containers or coating used therefor
- B22F3/1258—Container manufacturing
- B22F3/1266—Container manufacturing by coating or sealing the surface of the preformed article, e.g. by melting
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C9/00—Alloys based on copper
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F2201/00—Treatment under specific atmosphere
- B22F2201/03—Oxygen
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】種々の異なる被溶接材に適用でき、高電流化お
よび高サイクル化が可能な溶接用電極や電気接点に適し
た銅合金およびその製造方法を提供する。 【構成】0.6重量%以上3.5重量%以下のCrと、
0.03重量%以上0.5重量%以下のAgと、0.0
5重量%以上0.5重量%以下のO2 と、0.03重量
%以上0.2重量%以下のN2 とを備え、残部がCuお
よび不可避成分である。
よび高サイクル化が可能な溶接用電極や電気接点に適し
た銅合金およびその製造方法を提供する。 【構成】0.6重量%以上3.5重量%以下のCrと、
0.03重量%以上0.5重量%以下のAgと、0.0
5重量%以上0.5重量%以下のO2 と、0.03重量
%以上0.2重量%以下のN2 とを備え、残部がCuお
よび不可避成分である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に種々の被溶接材に
対して好適な溶接作業を施すための溶接用電極や電気接
点等に用いられる銅合金およびその製造方法に関する。
対して好適な溶接作業を施すための溶接用電極や電気接
点等に用いられる銅合金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、銅合金からなる溶接用電極や電気
接点は、その接点部において比較的大電流が流れるた
め、両者共に耐熱性、高温強度および高導電性等が要求
されている。以下に溶接用電極を例にとって説明する
と、特に、被溶接材としてアルミニウムが用いられる
際、このアルミニウムの熱伝導率が高いため、電極には
短時間で大電流を流す必要があり、該電極の損傷がきわ
めて大きくなるという弊害が生じている。
接点は、その接点部において比較的大電流が流れるた
め、両者共に耐熱性、高温強度および高導電性等が要求
されている。以下に溶接用電極を例にとって説明する
と、特に、被溶接材としてアルミニウムが用いられる
際、このアルミニウムの熱伝導率が高いため、電極には
短時間で大電流を流す必要があり、該電極の損傷がきわ
めて大きくなるという弊害が生じている。
【0003】そこで、特開平6−210463号公報に
開示されているように、溶融Alに対して濡れ易いCr
−Cu合金基地中にWを分散させることにより、溶融A
lに対する耐濡れ性を向上させた電極を得ようとするも
のが知られている。
開示されているように、溶融Alに対して濡れ易いCr
−Cu合金基地中にWを分散させることにより、溶融A
lに対する耐濡れ性を向上させた電極を得ようとするも
のが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、アルミニウムの抵抗溶接時には、溶融A
lに対する耐濡れ性の改善によって、ある程度の効果が
認められるものの、種類の異なる被溶接材、例えば、自
動車等に広く用いられている亜鉛メッキ鋼板の溶接には
適さないという問題点が指摘されている。すなわち、亜
鉛メッキ鋼板の溶接時には、電極先端の温度が1000
℃以上になるのに対し、電極中の析出クロムは500℃
程度で軟化するため、この析出クロムが再固溶してしま
う。これによって、電極先端が軟化し、この先端直径が
拡大して電流密度が低下してしまい、電極として使用す
ることができないという問題が露呈している。
従来技術では、アルミニウムの抵抗溶接時には、溶融A
lに対する耐濡れ性の改善によって、ある程度の効果が
認められるものの、種類の異なる被溶接材、例えば、自
動車等に広く用いられている亜鉛メッキ鋼板の溶接には
適さないという問題点が指摘されている。すなわち、亜
鉛メッキ鋼板の溶接時には、電極先端の温度が1000
℃以上になるのに対し、電極中の析出クロムは500℃
程度で軟化するため、この析出クロムが再固溶してしま
う。これによって、電極先端が軟化し、この先端直径が
拡大して電流密度が低下してしまい、電極として使用す
ることができないという問題が露呈している。
【0005】本発明は、この種の問題を解決するもので
あり、アルミニウムや亜鉛メッキ鋼板等の種々の被溶接
材に対して効果的に使用することができ、高電流化およ
び高サイクル化が可能な溶接用電極や電気接点に適する
銅合金およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
あり、アルミニウムや亜鉛メッキ鋼板等の種々の被溶接
材に対して効果的に使用することができ、高電流化およ
び高サイクル化が可能な溶接用電極や電気接点に適する
銅合金およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明の銅合金は、0.6重量%以上3.5重量
%以下のCrと、0.03重量%以上0.5重量%以下
のAgと、0.05重量%以上0.5重量%以下のO2
と、0.03重量%以上0.2重量%以下のN2 と、を
備え、残部がCuおよび不可避成分であることを特徴と
する。
めに、本発明の銅合金は、0.6重量%以上3.5重量
%以下のCrと、0.03重量%以上0.5重量%以下
のAgと、0.05重量%以上0.5重量%以下のO2
と、0.03重量%以上0.2重量%以下のN2 と、を
備え、残部がCuおよび不可避成分であることを特徴と
する。
【0007】さらに、本発明の銅合金の製造方法は、
0.6重量%以上3.5重量%以下のCrと、0.03
重量%以上0.5重量%以下のAgと、0.05重量%
以上0.5重量%以下のO2 と、0.03重量%以上
0.2重量%以下のN2 と、残部がCuおよび不可避成
分とからなる原料粉末を得る工程と、前記原料粉末を用
いて金型内静水圧加圧成形する工程と、前記成形後に酸
化処理を施す工程と、前記酸化処理後に焼結する工程
と、を有することを特徴とする。
0.6重量%以上3.5重量%以下のCrと、0.03
重量%以上0.5重量%以下のAgと、0.05重量%
以上0.5重量%以下のO2 と、0.03重量%以上
0.2重量%以下のN2 と、残部がCuおよび不可避成
分とからなる原料粉末を得る工程と、前記原料粉末を用
いて金型内静水圧加圧成形する工程と、前記成形後に酸
化処理を施す工程と、前記酸化処理後に焼結する工程
と、を有することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明に係る銅合金およびその製造方法では、
Crが0.6重量%以上3.5重量%以下の組成範囲と
する。0.6重量%未満では、機械的強度が低く、しか
も合金化を有効に防止すべく十分な量のセラミックス量
を確保することができない。一方、3.5重量%以上の
添加では、十分な量のセラミックス量を確保することが
できるものの、導電性が劣化し(クロム銅以下とな
る)、回路の導電損失や電極先端部の発熱を誘起してし
まい、不適である。
Crが0.6重量%以上3.5重量%以下の組成範囲と
する。0.6重量%未満では、機械的強度が低く、しか
も合金化を有効に防止すべく十分な量のセラミックス量
を確保することができない。一方、3.5重量%以上の
添加では、十分な量のセラミックス量を確保することが
できるものの、導電性が劣化し(クロム銅以下とな
る)、回路の導電損失や電極先端部の発熱を誘起してし
まい、不適である。
【0009】Agは、0.03重量%以上0.5重量%
以下の組成範囲とする。Agは、500℃程度から酸素
分圧の影響を著しく受け、その酸素固溶量および酸化速
度がきわめて速くなり、指数関数的に増加する一方、5
00℃以下では、酸素吸蔵量が急激に低下して固溶して
いた酸素が放出される。そして、このAg中に固溶され
た酸素をセラミックス化元素として利用するものであ
る。
以下の組成範囲とする。Agは、500℃程度から酸素
分圧の影響を著しく受け、その酸素固溶量および酸化速
度がきわめて速くなり、指数関数的に増加する一方、5
00℃以下では、酸素吸蔵量が急激に低下して固溶して
いた酸素が放出される。そして、このAg中に固溶され
た酸素をセラミックス化元素として利用するものであ
る。
【0010】AgのCu中への固溶量は、室温近傍で
0.35重量%程度であるため、このAgを0.35重
量%以上加えても効果に影響はなく、費用の高騰を招く
だけである。但し、粉末焼結の場合、添加効率が100
%ではなく、拡散律速のため焼結温度が1050℃から
融点までの温度範囲でかつ粉末の粒径が50μm以下の
時、その効率は約70%となる。従って、Agの添加量
は、0.5重量%以下に設定される。また、0.03重
量%未満であると、固溶酸素量がセラミックス化に必要
な量に至らず、Agの殆どを酸化しておく等の煩雑な工
程が必要となってしまう。
0.35重量%程度であるため、このAgを0.35重
量%以上加えても効果に影響はなく、費用の高騰を招く
だけである。但し、粉末焼結の場合、添加効率が100
%ではなく、拡散律速のため焼結温度が1050℃から
融点までの温度範囲でかつ粉末の粒径が50μm以下の
時、その効率は約70%となる。従って、Agの添加量
は、0.5重量%以下に設定される。また、0.03重
量%未満であると、固溶酸素量がセラミックス化に必要
な量に至らず、Agの殆どを酸化しておく等の煩雑な工
程が必要となってしまう。
【0011】O2 は、その大部分をAgに固溶された後
に放出され、Crの一部またはその殆どをセラミックス
化する機能を有する。その際、Crのセラミックス化を
全てO2 に担わせると、焼結時の緻密化の阻害のみなら
ず、機械的強度や導電率の低下が惹起され易い。このた
め、N2 が添加され、O2 量の制御やセラミックス化量
の制御が可能になる。
に放出され、Crの一部またはその殆どをセラミックス
化する機能を有する。その際、Crのセラミックス化を
全てO2 に担わせると、焼結時の緻密化の阻害のみなら
ず、機械的強度や導電率の低下が惹起され易い。このた
め、N2 が添加され、O2 量の制御やセラミックス化量
の制御が可能になる。
【0012】O2 は、0.05重量%以上0.5重量%
以下の組成範囲となり、N2 は、0.03重量%以上
0.2重量%以下の組成範囲となる。O2 およびN
2 が、これらの組成範囲未満となると、一般的なアルミ
ナ分散銅以上の効果が得られず、また、この組成範囲以
上となると、物性の低下や導電性の低下により、同様に
このアルミナ分散銅以上の効果が得られない。
以下の組成範囲となり、N2 は、0.03重量%以上
0.2重量%以下の組成範囲となる。O2 およびN
2 が、これらの組成範囲未満となると、一般的なアルミ
ナ分散銅以上の効果が得られず、また、この組成範囲以
上となると、物性の低下や導電性の低下により、同様に
このアルミナ分散銅以上の効果が得られない。
【0013】Cは、成形時に用いられる有機物の分解残
渣を利用するものであるが、O2 量の制御にも必要であ
り、N2 に比べてその効率が高い。このCの組成範囲
は、0.01重量%以上0.1重量%以下である。
渣を利用するものであるが、O2 量の制御にも必要であ
り、N2 に比べてその効率が高い。このCの組成範囲
は、0.01重量%以上0.1重量%以下である。
【0014】さらに、付加的にZr、Nb、VおよびM
oから選択される少なくとも1種の金属を添加してもよ
い。これらの元素は、Cuへの固溶量は小さいが、金属
間化合物を形成するのに有効であり、さらにこれらを介
してのセラミックス化が容易になる。添加量が0.05
重量%未満であると、その添加の効果が認められず、ま
た、0.3重量%以上であると、物性や導電率の低下を
招き、実性能も低下してしまう。このため、0.05重
量%以上0.3重量%以下の組成範囲とする。
oから選択される少なくとも1種の金属を添加してもよ
い。これらの元素は、Cuへの固溶量は小さいが、金属
間化合物を形成するのに有効であり、さらにこれらを介
してのセラミックス化が容易になる。添加量が0.05
重量%未満であると、その添加の効果が認められず、ま
た、0.3重量%以上であると、物性や導電率の低下を
招き、実性能も低下してしまう。このため、0.05重
量%以上0.3重量%以下の組成範囲とする。
【0015】N2 の添加は、焼結時の雰囲気ガス等を用
いて行われる。一方、Cu中のO2の拡散は、Cu中の
Cuの拡散よりも速いことが知られており、成形後の成
形体の表面を酸化し焼結すると、その体積拡散が容易に
なるばかりか、酸素原料の導入も可能となる。その際、
混合や成形時に用いられる有機物が多いと、それらが炭
化して焼結を阻害するため、その添加量を1重量%以下
に制限すべきであるが、通常採用されている射出成形や
加圧成形では不適となる。
いて行われる。一方、Cu中のO2の拡散は、Cu中の
Cuの拡散よりも速いことが知られており、成形後の成
形体の表面を酸化し焼結すると、その体積拡散が容易に
なるばかりか、酸素原料の導入も可能となる。その際、
混合や成形時に用いられる有機物が多いと、それらが炭
化して焼結を阻害するため、その添加量を1重量%以下
に制限すべきであるが、通常採用されている射出成形や
加圧成形では不適となる。
【0016】そこで、金型内静水圧加圧成形法が用いら
れる。すなわち、粉粒体状の原材料に液状添加剤を加え
て混合物を得た後、この混合物を一軸加圧成形して余分
な液状添加剤を除去しつつ予備成形体を成形するもので
ある(特開平4−21194号参照)。この成形法で
は、1重量%の有機物の添加は必要でなく、0重量%か
ら所望量の添加範囲が設定でき、通常、多くとも0.3
重量%程度である。
れる。すなわち、粉粒体状の原材料に液状添加剤を加え
て混合物を得た後、この混合物を一軸加圧成形して余分
な液状添加剤を除去しつつ予備成形体を成形するもので
ある(特開平4−21194号参照)。この成形法で
は、1重量%の有機物の添加は必要でなく、0重量%か
ら所望量の添加範囲が設定でき、通常、多くとも0.3
重量%程度である。
【0017】この成形法を用いることにより、成形後の
酸化が円滑に行われ、均質なものが得られる。酸化温度
は、120℃〜350℃の温度範囲とする。この温度範
囲を逸脱すると、酸化が成形体を構成する粒子の内奥ま
で進行し、焼結の緻密化を阻害して所望の物性が得られ
ない。酸化時間は、15分〜180分の範囲内とする。
15分以下では、均質に表面酸化が行われず、また、1
80分を超えると、作業時間が増加するばかりでなく、
成形体の構成粒子の内奥まで酸化が進行してしまう。
酸化が円滑に行われ、均質なものが得られる。酸化温度
は、120℃〜350℃の温度範囲とする。この温度範
囲を逸脱すると、酸化が成形体を構成する粒子の内奥ま
で進行し、焼結の緻密化を阻害して所望の物性が得られ
ない。酸化時間は、15分〜180分の範囲内とする。
15分以下では、均質に表面酸化が行われず、また、1
80分を超えると、作業時間が増加するばかりでなく、
成形体の構成粒子の内奥まで酸化が進行してしまう。
【0018】
【実施例】本発明に係る銅合金およびその製造方法につ
いて実施例を挙げ、以下に詳細に説明する。実施例1 電解銅粉(44μm以下)に対し、0.5〜3.6重量
%の範囲の金属クロム粉末(10μm以下)と0.01
〜0.5重量%の範囲の電解銀粉末(5μm)とを添加
し、十分に湿式混合した。この混合された原料粉末を用
い、アルコールを圧力伝達媒体として金型内静水圧加圧
成形法を施した。すなわち、原料粉末に液状添加剤を加
えた混合物を得た後、この混合物を金型内に充填して一
軸加圧成形を施すことによって、余分の液状添加剤を除
去して予備成形体を得た。この金型内静水圧加圧成形法
では、焼結時炭化原料として0.01重量%の有機質添
加剤が添加された。これは焼結時にその殆どが分解され
るが、添加量の10〜20%が灰分として残存し、金属
クロムと反応する。
いて実施例を挙げ、以下に詳細に説明する。実施例1 電解銅粉(44μm以下)に対し、0.5〜3.6重量
%の範囲の金属クロム粉末(10μm以下)と0.01
〜0.5重量%の範囲の電解銀粉末(5μm)とを添加
し、十分に湿式混合した。この混合された原料粉末を用
い、アルコールを圧力伝達媒体として金型内静水圧加圧
成形法を施した。すなわち、原料粉末に液状添加剤を加
えた混合物を得た後、この混合物を金型内に充填して一
軸加圧成形を施すことによって、余分の液状添加剤を除
去して予備成形体を得た。この金型内静水圧加圧成形法
では、焼結時炭化原料として0.01重量%の有機質添
加剤が添加された。これは焼結時にその殆どが分解され
るが、添加量の10〜20%が灰分として残存し、金属
クロムと反応する。
【0019】この予備成形体は、φ12×50mmのス
ポット溶接用電極が得られるように成形されたものと、
テストピースとして焼結後の大きさが10×10×12
0mmの強度、導電率および硬度試験片が切り出せるよ
うなものを成形した。
ポット溶接用電極が得られるように成形されたものと、
テストピースとして焼結後の大きさが10×10×12
0mmの強度、導電率および硬度試験片が切り出せるよ
うなものを成形した。
【0020】焼結は、窒素雰囲気下で1055℃の温度
に2時間保持することにより行われた。焼結体は、この
焼結後に直ちにガス冷却され、500℃の温度で2時間
時効処理が施された。この時、焼結体の焼結密度は、略
100%であった。
に2時間保持することにより行われた。焼結体は、この
焼結後に直ちにガス冷却され、500℃の温度で2時間
時効処理が施された。この時、焼結体の焼結密度は、略
100%であった。
【0021】各粉末の配合組成と焼結後の成形体の化学
組成との関係は、表1の実験例1〜38に示すものとな
った。
組成との関係は、表1の実験例1〜38に示すものとな
った。
【0022】
【表1】
【0023】次いで、表2には、実験例1〜38の各引
張強度、硬度および導電率が示されており、表3には、
比較例として市販されているクロム銅(0.8Cr)、
アルミナ分散銅(0.1および0.3Al2 O3 )を用
いた場合におけるこれらの引張強度、硬度および導電率
が示されている。
張強度、硬度および導電率が示されており、表3には、
比較例として市販されているクロム銅(0.8Cr)、
アルミナ分散銅(0.1および0.3Al2 O3 )を用
いた場合におけるこれらの引張強度、硬度および導電率
が示されている。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】また、実験例1〜38および比較例を用
い、厚さ0.8mmの溶融亜鉛メッキ鋼板を3枚合わせ
で溶接し、電極先端がえぐり取られるようにして損耗す
る限界電流をピックアップ開始電流として検出した。そ
の際、電流印加条件は、設定電流が20サイクルであ
り、加圧力が250kgfであった。この結果が、表4
および表5に示されている。
い、厚さ0.8mmの溶融亜鉛メッキ鋼板を3枚合わせ
で溶接し、電極先端がえぐり取られるようにして損耗す
る限界電流をピックアップ開始電流として検出した。そ
の際、電流印加条件は、設定電流が20サイクルであ
り、加圧力が250kgfであった。この結果が、表4
および表5に示されている。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】さらに、厚さ1.5mmの溶融亜鉛メッキ
鋼板を3枚合わせにし、13000Aで8サイクル、2
サイクル休止および15000Aで12サイクルの溶接
条件下において、200打点連続して溶接試験を行い、
電極の摩耗状況およびこの電極の張り付き回数を検出し
た。表4には、この結果も示されている。
鋼板を3枚合わせにし、13000Aで8サイクル、2
サイクル休止および15000Aで12サイクルの溶接
条件下において、200打点連続して溶接試験を行い、
電極の摩耗状況およびこの電極の張り付き回数を検出し
た。表4には、この結果も示されている。
【0030】これにより、本実施例に係る電極では、こ
の電極先端の温度が相当に高温(1000℃以上)にな
る亜鉛メッキ鋼板の溶接において、クロム銅製の電極に
比べて電極先端の摩耗量および張り付き回数が一挙に軽
減され、アルミナ分散銅と同等、場合によっては同等以
上の優れた特性を有するという効果が得られた。
の電極先端の温度が相当に高温(1000℃以上)にな
る亜鉛メッキ鋼板の溶接において、クロム銅製の電極に
比べて電極先端の摩耗量および張り付き回数が一挙に軽
減され、アルミナ分散銅と同等、場合によっては同等以
上の優れた特性を有するという効果が得られた。
【0031】次に、被溶接材としてアルミニウム板を用
い、連続打点性および有効打点数の試験が行われた。電
極材としては、実験例33、27、21および14を用
い、市販材である各種合金電極を比較例1〜7として使
用した(表6参照)。
い、連続打点性および有効打点数の試験が行われた。電
極材としては、実験例33、27、21および14を用
い、市販材である各種合金電極を比較例1〜7として使
用した(表6参照)。
【0032】具体的には、アルミニウム板がAP 50
52 0であってその板厚が3.0mmであり、溶接条
件としては、加圧力が600kgf、溶接電流が38k
Aおよび溶接サイクルが18/50サイクルに設定され
た。
52 0であってその板厚が3.0mmであり、溶接条
件としては、加圧力が600kgf、溶接電流が38k
Aおよび溶接サイクルが18/50サイクルに設定され
た。
【0033】ここで、連続打点性の判断は、航空産業や
自動車業界で独自に採用されている規定に基づいて行わ
れた。また、有効打点数は、アルミニウムの溶接で発生
し易い中ちりや外ちり、合金化に伴う溶接電極の先端荒
れ等によりアルミニウムの打痕部に不良が生じる前まで
の打点数である。
自動車業界で独自に採用されている規定に基づいて行わ
れた。また、有効打点数は、アルミニウムの溶接で発生
し易い中ちりや外ちり、合金化に伴う溶接電極の先端荒
れ等によりアルミニウムの打痕部に不良が生じる前まで
の打点数である。
【0034】
【表6】
【0035】表6に示すように、亜鉛メッキ鋼板では性
能が良好とされたアルミナ分散銅電極(比較例7)を用
いても、アルミニウム板の溶接にはさほどの効果が表れ
ていない。これは、アルミニウム板中のMg成分がアル
ミナ分散銅電極先端に拡散して合金化してしまうことに
よると考えられる。このため、単に合金化された電極で
は、Mgの拡散を防止することができない。
能が良好とされたアルミナ分散銅電極(比較例7)を用
いても、アルミニウム板の溶接にはさほどの効果が表れ
ていない。これは、アルミニウム板中のMg成分がアル
ミナ分散銅電極先端に拡散して合金化してしまうことに
よると考えられる。このため、単に合金化された電極で
は、Mgの拡散を防止することができない。
【0036】これに対して本実施例では、電極先端にク
ロムのセラミックス化が有効になされており、このセラ
ミックスによりMgの拡散を防止することができる。こ
れによって、亜鉛メッキ鋼板の他、アルミニウム板の溶
接作業を効率的かつ確実に遂行することが可能になると
いう効果が得られた。実施例2 実施例1中、実験例21および27を選択し、これらを
用いて1×2×100mmの試験片を作成した後、各試
験片に上下方向から荷重を印加しかつ両端をフリーとす
る自由塑性加工を施した。この時の物性の変化が図1に
示されている。
ロムのセラミックス化が有効になされており、このセラ
ミックスによりMgの拡散を防止することができる。こ
れによって、亜鉛メッキ鋼板の他、アルミニウム板の溶
接作業を効率的かつ確実に遂行することが可能になると
いう効果が得られた。実施例2 実施例1中、実験例21および27を選択し、これらを
用いて1×2×100mmの試験片を作成した後、各試
験片に上下方向から荷重を印加しかつ両端をフリーとす
る自由塑性加工を施した。この時の物性の変化が図1に
示されている。
【0037】図1から諒解されるように、導電率および
硬度ともに、加工率の小さい領域でわずかな増加傾向が
見られる一方、この加工率が45%を超えると低下し始
め、さらに加工率の大きい領域では明らかな物性の低下
が確認された。従って、塑性加工の加工率は、45%以
下に設定することが望ましい。実施例3 実施例1中の実験例21の配合組成を選択し、ジルコニ
ウム(Zr)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)およ
びモリブデン(Mo)を添加し、その物性値を検出し
た。表7には、導電率の変化が示されており、表8に
は、硬度の変化が示されている。
硬度ともに、加工率の小さい領域でわずかな増加傾向が
見られる一方、この加工率が45%を超えると低下し始
め、さらに加工率の大きい領域では明らかな物性の低下
が確認された。従って、塑性加工の加工率は、45%以
下に設定することが望ましい。実施例3 実施例1中の実験例21の配合組成を選択し、ジルコニ
ウム(Zr)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)およ
びモリブデン(Mo)を添加し、その物性値を検出し
た。表7には、導電率の変化が示されており、表8に
は、硬度の変化が示されている。
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】これにより、物性の向上が認められるの
は、これらの元素の添加量が0.05重量%以上0.3
重量%以下の範囲内であることが判った。実施例4 実施例1中の実験例21の配合組成を選択し、これを金
型内静水圧加圧成形法にて24×24×100mmの成
形体を得た。なお、液体としてエチルアルコールを粉末
100重量に対し17重量部添加した。
は、これらの元素の添加量が0.05重量%以上0.3
重量%以下の範囲内であることが判った。実施例4 実施例1中の実験例21の配合組成を選択し、これを金
型内静水圧加圧成形法にて24×24×100mmの成
形体を得た。なお、液体としてエチルアルコールを粉末
100重量に対し17重量部添加した。
【0041】この成形体には、焼結前の予備処理(酸化
処理)が施された。具体的には、100℃〜360℃ま
で温度を変化させるとともに、処理時間を10分〜21
0分まで変化させた。次いで、実験例1と同様の焼結処
理を用いて1065℃の温度で1時間保持し、同一条件
で熱処理したときの密度を測定した。その結果が、図2
に示されている。
処理)が施された。具体的には、100℃〜360℃ま
で温度を変化させるとともに、処理時間を10分〜21
0分まで変化させた。次いで、実験例1と同様の焼結処
理を用いて1065℃の温度で1時間保持し、同一条件
で熱処理したときの密度を測定した。その結果が、図2
に示されている。
【0042】これにより、酸化処理の温度範囲が120
℃〜350℃であり、かつ処理時間が15分〜180分
の範囲である際に、好適な酸化処理が遂行されるという
結果が得られた。
℃〜350℃であり、かつ処理時間が15分〜180分
の範囲である際に、好適な酸化処理が遂行されるという
結果が得られた。
【0043】なお、上記の各実験例では、製造法として
焼結法を用いて説明したが、これに限定されるものでは
なく、鋳造法、押し出し法または線引き法等の種々の製
造方法を採用することができる。
焼結法を用いて説明したが、これに限定されるものでは
なく、鋳造法、押し出し法または線引き法等の種々の製
造方法を採用することができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る銅合金およ
びその製造方法によれば、以下の効果が得られる。
びその製造方法によれば、以下の効果が得られる。
【0045】被溶接材としてアルミニウムや亜鉛メッキ
鋼板等を用いる際にも、電極性能を有効に維持して良好
かつ効率的な溶接作業を行うことができる。これによ
り、汎用性に優れるとともに、高電流化および高サイク
ル化が可能な溶接用電極や電気接点を提供することがで
きる。
鋼板等を用いる際にも、電極性能を有効に維持して良好
かつ効率的な溶接作業を行うことができる。これによ
り、汎用性に優れるとともに、高電流化および高サイク
ル化が可能な溶接用電極や電気接点を提供することがで
きる。
【図1】塑性加工率と物性の関係図である。
【図2】予備処理温度と焼結熱処理後密度との関係図で
ある。
ある。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 友彦 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 池上 潔 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】0.6重量%以上3.5重量%以下のCr
と、 0.03重量%以上0.5重量%以下のAgと、 0.05重量%以上0.5重量%以下のO2 と、 0.03重量%以上0.2重量%以下のN2 と、 を備え、 残部がCuおよび不可避成分であることを特徴とする銅
合金。 - 【請求項2】請求項1記載の銅合金において、0.01
重量%以上0.1重量%以下のCを含有することを特徴
とする銅合金。 - 【請求項3】請求項1または2記載の銅合金において、
Zr、Nb、VおよびMoから選択される少なくとも1
種を、0.05重量%以上0.3重量%以下含有するこ
とを特徴とする銅合金。 - 【請求項4】0.6重量%以上3.5重量%以下のCr
と、0.03重量%以上0.5重量%以下のAgと、
0.05重量%以上0.5重量%以下のO2 と、0.0
3重量%以上0.2重量%以下のN2 と、残部がCuお
よび不可避成分とからなる原料粉末を得る工程と、 前記原料粉末を用いて金型内静水圧加圧成形する工程
と、 前記成形後に酸化処理を施す工程と、 前記酸化処理後に焼結する工程と、 を有することを特徴とする銅合金の製造方法。 - 【請求項5】請求項4記載の製造方法において、前記焼
結後に塑性加工を施す工程を有することを特徴とする銅
合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02205895A JP3329975B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | セラミックス析出銅合金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02205895A JP3329975B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | セラミックス析出銅合金およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08218135A true JPH08218135A (ja) | 1996-08-27 |
JP3329975B2 JP3329975B2 (ja) | 2002-09-30 |
Family
ID=12072320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02205895A Expired - Fee Related JP3329975B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | セラミックス析出銅合金およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3329975B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112008080A (zh) * | 2020-10-19 | 2020-12-01 | 陕西斯瑞新材料股份有限公司 | 一种铺粉式3d打印铜合金水冷套的制备方法 |
-
1995
- 1995-02-09 JP JP02205895A patent/JP3329975B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112008080A (zh) * | 2020-10-19 | 2020-12-01 | 陕西斯瑞新材料股份有限公司 | 一种铺粉式3d打印铜合金水冷套的制备方法 |
CN112008080B (zh) * | 2020-10-19 | 2021-01-29 | 陕西斯瑞新材料股份有限公司 | 一种铺粉式3d打印铜合金水冷套的制备方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3329975B2 (ja) | 2002-09-30 |
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