JPH08217848A - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

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JPH08217848A
JPH08217848A JP7111726A JP11172695A JPH08217848A JP H08217848 A JPH08217848 A JP H08217848A JP 7111726 A JP7111726 A JP 7111726A JP 11172695 A JP11172695 A JP 11172695A JP H08217848 A JPH08217848 A JP H08217848A
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龍也 菅野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリカーボネート樹脂にポリアセタール樹脂
を配合するポリマーブレンドにおいて、両者の分散性、
樹脂相間の接着性の不良にもとづく射出成形品の表面の
縞状相分離構造、表層剥離等の支障をなくし、成形時の
収縮率、ソリが小さく、かつ分散性を向上させ、成形品
の表面状態が均一平滑で、摩擦・磨耗特性、耐擦傷性等
の改良された熱可塑性樹脂組成物を得る。 【構成】 (A)ポリカーボネート樹脂5〜95重量%と
(B)ポリアセタール樹脂95〜5重量%とからなる樹脂
組成物 100重量部に対して、(C)多官能性イソシアネ
ート 0.1〜10重量部および(D)ポリカプロラクトン樹
脂および/またはポリメタクリル酸メチル樹脂1〜30重
量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物及びその成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネート樹脂と
ポリアセタール樹脂とを成分にもつ樹脂組成物に関す
る。さらに詳しくは、ポリカーボネート樹脂とポリアセ
タール樹脂を主成分とし、多官能性イソシアネートおよ
び、ポリカプロラクトン樹脂および/またはポリメタク
リル酸メチル樹脂を配合した、成形品の表面剥離がな
く、表面硬度が高く、電気的性質、耐摩擦・磨耗性、耐
衝撃性が良好で、かつ成形収縮の小さい熱可塑性樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリカ
ーボネート樹脂は成形収縮が小さく、耐衝撃性が良好
で、広範な分野で用いられているが、耐薬品性、耐摩擦
・磨耗性が低く、そのため利用分野が限定されている。
【0003】一方、ポリアセタール樹脂はバランスのと
れた機械物性、電気的性質、耐熱性、耐薬品性、耐摩擦
・磨耗性等を有し、さらにプラスチック材料として卓越
した耐疲労性を有するが故に代表的なエンジニアリング
プラスチックとして極めて広範な分野において利用され
ている。しかし、成形収縮、ソリが大きく従来から比較
的小型の成形品にしか用いられない。
【0004】ポリアセタール樹脂の性能をさらに向上さ
せる目的で種々の他のポリマーのブレンドも行われてい
る。例えば、耐衝撃性改良のためにポリアセタールに熱
可塑性ポリウレタン樹脂を混合することが知られてお
り、かかる成形品は電気・電子機器や自動車等の靱性を
要する部品に使用されている。ところが、熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の添加は、ポリアセタール樹脂に対する分
散性不良のために成形品表面を粗くさせたり、ウェルド
強度伸度の著しい低下をもたらすといった問題を有して
いる。
【0005】特開平3-188152号公報では、ポリアセター
ル樹脂/熱可塑性ポリウレタン樹脂ブレンドの成形収縮
を改善するために無定形のポリマー(アクリロニトリル
−スチレン共重合体やポリカーボネート樹脂)を配合し
ている。しかし、これらのポリマーはポリアセタール樹
脂と非相溶であるので、機械物性の低下はまぬがれな
い。
【0006】ポリカーボネート樹脂とポリアセタール樹
脂とをブレンドし、成形収縮が小さく、成形性・流動性
が良好で、かつ耐摩擦・磨耗性にも優れた材料が得られ
ていないのが現状である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
に鑑み、ポリカーボネート樹脂にポリアセタール樹脂を
配合するポリマーブレンドにおいて、両者の分散性、樹
脂相間の接着性の不良にもとづく射出成形品の表面の縞
状相分離構造、表層剥離等の支障をなくし、成形時の収
縮率、ソリが小さく、かつ分散性を向上させ、成形品の
表面状態が均一平滑で、摩擦・磨耗特性、耐擦傷性等の
改良された熱可塑性樹脂組成物を得ることを目的として
鋭意検討した結果、多官能性イソシアネートおよび、ポ
リカプロラクトン樹脂および/またはポリメタクリル酸
メチル樹脂を一定割合で配合することによって上記目的
を達成できることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、(A)ポリカーボネ
ート樹脂5〜95重量%と(B)ポリアセタール樹脂95〜
5重量%とからなる樹脂組成物 100重量部に対して、
(C)多官能性イソシアネート 0.1〜10重量部および
(D)ポリカプロラクトン樹脂および/またはポリメタ
クリル酸メチル樹脂1〜30重量部を配合してなる熱可塑
性樹脂組成物及びその成形品を提供するものである。
【0009】本発明の(A)成分としてはポリカーボネ
ート樹脂(以下、PCと称す)が用いられる。PCは、
ホスゲン法、エステル交換法による2価ヒドロキシ化合
物と炭酸ジエステルとを原料として、溶融重縮合によっ
て得られる。さらには固相重合法によっても得られる。
これらの製造法によって限定されるものではない。基本
的には(-OCOO-) の繰り返しカーボネート基を有し、加
えて、常にカーボネートに結合したフェニレン基を有す
るものとして知られている。芳香族ポリカーボネート樹
脂は、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂として
知られるビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プ
ロパンのPCが好ましい。PCは機械的強度および成形
性を考慮して、粘度平均分子量が10,000〜40,000のもの
が好ましい。
【0010】(B)成分として用いられるポリアセター
ル樹脂(以下、POMと称す)は、オキシメチレン基
(-CH2O-) を主たる構成単位とする高分子化合物であ
り、ポリオキシメチレンホモポリマーあるいはオキシメ
チレンを主たる繰り返し単位としてこれ以外に他の構成
単位、例えば、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソ
ラン、1,4−ブタンジオール、ホルマール等のコモノ
マー単位を少量含有するコポリマー、ターポリマー、ブ
ロックコポリマーのいずれでもよく、また、分子が線状
のみならず、分岐架橋構造を有するものであってもよ
く、また、他の官能基を有する公知の変性ポリアセター
ル樹脂であってもよい。その重合度に関しては特に制限
なく、成形加工性を有するものであればよい。例えば、
190℃、2.16kg荷重下でのメルトフロー値(MFR)が
1.0〜100 であればよい。
【0011】一般にPOMは熱的に安定な末端、例え
ば、エステルまたはエーテル基、例えば、アセテートま
たはメトキシ基を有する。一般に10,000〜100,000 の分
子量を有する。メルトフローレート(MFR)が余りに
高いとPOMの溶融粘度は余りに低くなり、適当な剪断
速度での成分の密な混合を十分に達成することが困難に
なる。MFRが余りに低いと、配合操作の温度は余りに
高くなり、劣化が生ずる。
【0012】(C)成分として用いられる多官能性イソ
シアネートには、2官能、3官能あるいはそれ以上のも
のが用いられる。具体的には、トルイレンジイソシアネ
ート(TDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネー
ト(NDI)、o−トルイレンジイソシアネート(TO
DI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(p−イソシアネートフェニル)チオフォスファイト、
ポリメチレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート(I
PDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ブ
テンジイソシアネート、6フッ化プロパン−1,3−ジ
イソシアネート、1−メチルシクロヘキサン−2,4−
ジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシア
ネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ダ
イマー酸ジイソシアネート(DDI)、リジンジイソシ
アネート(LDI)、ジメチルジフェニルメタンジイソ
シアネート(DMMDI)、ポリメリックMDI、TD
I二量体、MDI二量体、HDI三量体、XDI三量
体、IPDI三量体であり、高分子量イソシアネートと
しては、ビニルイソシアネートの共重合体、カルボン酸
含有重合体をイソシアネート基に変換したもの、アミノ
基含有重合体をホスゲンと反応させイソシアネート基に
添加したもの等が挙げられる。
【0013】(D)成分として用いられるポリカプロラ
クトン樹脂(以下、PCLと称す)は、カプロラクトン
の重合によって調製される重合体であり、その分子量は
好ましくは 1,000〜100,000 である。
【0014】本発明で使用されるPCLは次のような構
造を有している。
【0015】
【化1】
【0016】(式中、nは10〜100 の正数を示す。)。
【0017】尚、nが10未満の場合は分子量が低く液状
であるため取扱い難く、ブリードアウトしやすいのでポ
リマー物性の低下を招く。また、nが 100を超えると高
粘度になり流動性が低下して成形品の表面が荒れる。
【0018】本発明におけるPCLは公知の重合法で製
造されるものであって、例えば次のようにして得ること
ができる。すなわち、ε−カプロラクトンを重合してP
CLとする際に、その重合開始剤として水または両末端
が水酸基の化合物を使用する。
【0019】この反応に用いられる触媒としては、有機
スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化
合物等が一般的であり、 0.1〜5,000ppm添加し、 100〜
230℃、好ましくは不活性気体中で重合させることによ
り、所望のPCLを得ることができる。
【0020】重合開始剤としては、レゾルシン、ピロカ
テコール、ハイドロキノン、ピロガロール、クロログル
シン、ベンゼントリオール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールFおよびこれらのエチレンオキサイド付加物、
ジメチロールベンゼン、シクロヘキサンジメタノール、
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,8−ブタンジ
オール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサ
ンジオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ブ
ドウ糖、ショ糖およびテレフタル酸、イソフタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸
等のジカルボン酸成分と、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール等のポリオール成分とから生成される平均分子量
200〜600 のポリエステルポリオール;平均分子量 200
〜600 のポリエチレングリコール;平均分子量 200〜60
0 のポリプロピレングリコール;平均分子量 200〜600
のポリテトラメチレングリコール;エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドとの平均分子量 200〜600 のブ
ロックまたはランダム共重合体;エチレンオキサイド又
はプロピレンオキサイドとテトラヒドロフランとの平均
分子量 200〜600 のブロックまたはランダム共重合体等
を挙げることができる。
【0021】一般にポリエステル樹脂はエステル部分が
経時的に加水分解し、成形物の場合、機械強度が低下す
る。PCLもポリエステル樹脂であり、加水分解による
分子量の低下を引き起こすことがある。これを防止する
ために前述の開始剤となる水の代わりに一部エポキシ樹
脂を添加して重合させると、得られた樹脂は著しく耐加
水分解性が向上する。従って、少量のエポキシ樹脂を添
加することはかまわない。エポキシ樹脂のなかで最も一
般的なエピ−ビス型のエポキシ樹脂を添加するのが耐加
水分解性を改良するのに有効である。また、エポキシ樹
脂を添加するのは重合する際ではなく、本発明で示され
る樹脂組成物を製造するにあたって、ブレンドする際に
添加する方式でもよい。
【0022】同じく(D)成分として用いられるポリメ
タクリル酸メチル樹脂(以下、PMMAと称す)は、メ
タクリル酸メチルの重合によって調製される樹脂であ
り、その分子量は好ましくは 5,000〜500,000 である。
少量の共重合成分を含んでいてもかまわない。例えば、
スチレン、アクリル酸エチル等の共重合成分とメタクリ
ル酸メチルとの共重合体も用いることができる。従っ
て、本願のPMMAとしては、メタクリル酸メチル単
独、またはメタクリル酸メチルと他の共重合性のビニル
またはビニリデン系単量体との混合物を重合し得られる
ものである。そして、共重合の場合は、好ましくは80重
量%以上のメタクリル酸メチル(MMA)を含有するも
のである。また、他の共重合可能なビニルまたはビニリ
デン系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシル
等の炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエステル、スチ
レンおよびアクリロニトリルが挙げられる。好ましくは
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の炭素数1〜8の
アクリル酸アルキルエステル、スチレンおよびアクリロ
ニトリルが挙げられる。
【0023】(A)成分と(B)成分との配合比率(重
量基準)は5〜95/95〜5の範囲において任意に選択で
きる。(A)成分の比率が5重量%に満たない場合には
成形収縮やソリが大きくなり、概観が不良となる。ま
た、95重量%を超える場合にはポリアセタール成分が少
ないために、耐摩擦・磨耗性、耐擦傷性、流動性、耐薬
品性を付与するには不十分である。POMは前述のよう
に高い耐薬品性を示す。POMの耐薬品特性を維持した
い場合には、上記樹脂組成物中でPOMが連続相でなけ
ればならない。POMが連続相になっているか否かは電
子顕微鏡を用いた標準的方法または選択的溶媒を用いて
分散相を取り去り、連続相を残して顕微鏡観察を行う標
準的方法によって決定できる。耐薬品性、応力亀裂また
は表面軟化の決定等の同業者に公知の方法で測定でき
る。
【0024】(C)成分の添加量は、(A)成分と
(B)成分との合計 100重量部に対して0.1〜10重量部
である。 0.1重量部に満たない場合は相溶化効果が不十
分であり、10重量部を超える場合には樹脂組成物が高価
になり、また、溶融粘度の上昇をまねき加工性が低減し
てしまう。
【0025】(D)成分の配合量は、(A)成分と
(B)成分との合計 100重量部に対して1〜30重量部で
ある。1重量部に満たない場合はPOM相とPC相との
層状剥離が著しく、また、得られる組成物の機械物性も
低い。30重量部を超える場合には組成物の耐摩擦・磨耗
特性が低下してしまう。特にPCLが30重量部を超えた
場合には耐熱性・剛性の低下が著しい。
【0026】前述のごとく、PCとPOMとを単純に溶
融混練しただけでは、分散樹脂相が射出成形品の表面に
縞状の相分離構造として現れる。PCLおよび/または
PMMAを配合し、溶融混練温度におけるPCとPOM
との溶融粘度比を調整することにより両者の分散性が改
善され、成形品の表面状態、耐摩擦・磨耗特性が増大す
る。
【0027】また、POMの耐衝撃強度を改良するため
に、熱可塑性ポリウレタン樹脂(以下、TPUと称す)
を配合することが一般的に行われているが、この方法を
本発明の樹脂組成物に適用してもかまわない。
【0028】有用なTPUはジイソシアネートと1種類
以上のジヒドロキシ化合物との縮合生成物である。適当
なジヒドロキシ化合物の例は、ジヒドロキシ末端ポリエ
ーテルまたはポリエステル、アルキレングリコールおよ
びポリアルキレングリコールである。適当な物質の例
は、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、1,
5−ナフチレンジイソシアネート、2,7−フルオレン
ジイソシアネートおよびメチレンジパラフェニレンジイ
ソシアネート(MDI)のようなジイソシアネートと、
例えばポリエチレンスクシネートまたはポリエチレンア
ジペートのようなポリエステル、および例えば1,4−
ブタンジオールのようなグリコールとの縮合生成物であ
る。
【0029】好ましいTPUは硬質セグメントと軟質セ
グメントとを有し、MDIとブタンジオールおよびポリ
エチレンアジペートとの反応生成物である。
【0030】なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前
記(A)、(B)、(C)および(D)成分以外に一般
的に(C)成分のイソシアネートの反応を促進するよう
な触媒を微量添加してもかまわない。このような触媒と
しては、イソシアネートに対して求核的に働く第三級ア
ミン等の塩基、求電子的に働く有機金属化合物等があげ
られる。
【0031】また、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、
電気的性質等の目的に応じてガラス繊維、カーボン繊維
等の繊維状充填剤やその他の充填剤を配合することがで
きる。
【0032】また、本発明の組成物には、酸化防止剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、離型剤、その他通常
の添加剤を添加することができる。また、補助的に少量
の熱可塑性樹脂を添加することができる。
【0033】本発明の組成物は各成分のペレットをタン
ブリングまたは混合し、その混合物を溶融配合すること
により調製するのが望ましい。
【0034】各成分を一緒にして混合、溶融混練しても
よいし、成分(B)および(C)を予備混練して得られ
たペレットを成分(A)、(D)に混練したり、成分
(A)および(D)を予備混練して得られたペレットを
成分(B)、(C)に混練してもよい。
【0035】一般に配合物を混練する温度はPOMを溶
融加工する温度である。POMは通常、 170〜220 ℃で
溶融加工することが好ましく、 200〜220 ℃がさらに好
ましい。
【0036】
【発明の効果】前述のごとく、PCとPOMとを単純に
溶融混練しただけでは、分散樹脂相が射出成形品の表面
に縞状の相分離構造として現れる。PCLおよび/また
はPMMAを配合し、溶融混練温度におけるPCとPO
Mとの溶融粘度比を調整することにより両者の分散性が
改善され、さらに(D)成分として配合する多官能性イ
ソシアネートが相溶化剤的に作用し、成形品の表面状態
が良好になり、耐摩擦・磨耗特性が増大する。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】実施例1〜6および比較例1〜4 (A)PC(三菱ガス化学(株)製ユーピロンS3000) (B)POM(ポリプラスチックス社製、ジュラコンM
90-44) (C)イソフォロンジイソシアネート三量体(三官能イ
ソシアネート、ヒュルス社製 Vestenat IPDI−T18
90) (D)PMMA(住友化学工業(株)製、スミペックス
B) (D)PCL(ダイセル化学工業(株)製プラクセルH
7(公称分子量70,000))を使用した。
【0039】表1に示す割合(重量)で混合し、設定温
度 220℃にて内径30mmの二軸押出機を用いてスクリュー
回転数 120rpm で溶融混練し、ペレット化した。次い
で、該ペレットを射出成形機によって 210℃の設定温度
で成形して試験片を作成し、下記の機械物性評価を行っ
た。
【0040】表面剥離試験;引張り試験片表面に粘着テ
ープを貼りつけ、これを瞬間的に引きはがし、成形片の
表面剥離の有無を目視にて判定した。
【0041】摩擦・磨耗試験;鈴木式摩擦磨耗試験機に
よって鋼S55Cに対する比磨耗量を測定した。
【0042】収縮率;ASTM引張り試験片の一定方向
の寸法を正確に測定し、対応する金属金型寸法との差
(%)を以て、収縮率とした。 成形収縮率=(型の長さ−成形試験片の長さ)×100
÷(型の長さ)。
【0043】引張り強度;ASTM D638 に準拠。
【0044】耐擦傷性;耐擦傷性の評価としてJIS K 54
01の鉛筆硬度試験を行った。
【0045】耐溶剤性;トルエンに射出試験片(10×50
×2mm) を23℃で4時間浸漬後クレーズ発生の有無を肉
眼で判断。
【0046】アイゾット(Izod)耐衝撃強度;ASTM
D256 に準拠、 6.3mm厚みのモールドノッチ付き試験片
を使用して測定した。
【0047】これらの結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 KKK C08L 69/00 KKK LPP LPP //(C08L 69/00 59:00 33:12 77:02)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート樹脂5〜95重量
    %と(B)ポリアセタール樹脂95〜5重量%とからなる
    樹脂組成物 100重量部に対して、(C)多官能性イソシ
    アネート 0.1〜10重量部および(D)ポリカプロラクト
    ン樹脂および/またはポリメタクリル酸メチル樹脂1〜
    30重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 充填剤を配合してなる請求項1記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成
    物を成形することによって得られる、JIS K 5401の鉛筆
    硬度がB以上である熱可塑性樹脂成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006241209A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Idemitsu Kosan Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物および成形体

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JP2006241209A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Idemitsu Kosan Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物および成形体

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