JPH08217679A - コレステロール低下剤 - Google Patents

コレステロール低下剤

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JPH08217679A
JPH08217679A JP2666195A JP2666195A JPH08217679A JP H08217679 A JPH08217679 A JP H08217679A JP 2666195 A JP2666195 A JP 2666195A JP 2666195 A JP2666195 A JP 2666195A JP H08217679 A JPH08217679 A JP H08217679A
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JP
Japan
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tetracycline
group
alkyl
hydrogen atom
ldl
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JP2666195A
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Akira Endo
章 遠藤
Keiji Hasumi
恵司 蓮見
Shinji Miura
信仕 三浦
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BIO KOSUMOSU KK
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BIO KOSUMOSU KK
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の式で示される化合物: 【化1】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、若しくはアルキ
ル置換又は無置換のアミノ基を示し、R2は水素原子、水
酸基、アルキル基、またはアルケニル基を示し、R3は水
素原子、水酸基、またはアルキル基を示し、R4は水素原
子または水酸基を示し、R5は水素原子若しくはアルキル
置換又は無置換のアミノ基を示す)、イソテトラサイク
リン、およびアンヒドロテトラサイクリンからなる群か
ら選ばれるテトラサイクリン系化合物を有効成分として
含むコレステロール低下剤。 【効果】 細胞の LDLレセプター活性を亢進することに
より LDLの分解を促進し血中コレステロール濃度を低下
させるので、動脈硬化や高コレステロール血症等の疾患
の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコレステロール低下剤に
関するものである。さらに詳しくは、本発明はテトラサ
イクリン系化合物を有効成分として含むコレステロール
低下剤に関する。
【0002】
【従来の技術】コレステロールは動物細胞膜の構成成分
として、また胆汁酸、ステロイドホルモン、ビタミンD
などの前駆体として重要な脂質である。しかし、血中に
過剰に存在するコレステロールは、動脈壁に沈着して動
脈硬化を引き起こすという問題がある。また血中コレス
テロールレベルが高いほど、冠動脈硬化に起因する心疾
患の危険性が高いことが疫学調査により明らかにされて
いる。
【0003】ヒトの血中コレステロールの大部分は低密
度リポ蛋白質(low density lipoprotein, LDL)の形で運
搬されており、その一部は末梢組織に供給されている。
しかし、残りの多くのコレステロールは、肝臓において
LDLレセプターを介する経路によって血中から除去され
ている。
【0004】LDLレセプターは細胞膜上に局在してお
り、LDL のアポ蛋白質B-100 を認識して結合するレセプ
ターである。このレセプターに結合したLDL は、細胞内
に取り込まれた後、 LDLレセプターと離れてリソソーム
に運搬され、そこで分解されてコレステロールを遊離す
る。この LDLレセプター活性によって血中コレステロー
ルレベルが決定されることが、数々の研究結果により明
らかにされている。したがって、肝臓の LDLレセプター
活性、すなわち LDL代謝を促進することにより、血中 L
DL濃度を低下させ、動脈硬化の危険性を低くすることが
できると期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コレ
ステロール低下剤を提供することにある。さらに詳しく
は、本発明の目的は、肝臓の LDL代謝を促進することに
より血中 LDL濃度を低下させるコレステロール低下剤を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、微生物代謝
産物より LDL代謝を促進する物質を鋭意探索したとこ
ろ、放線菌の生産する抗生物質であるテトラサイクリン
が上記の活性を有することを見出した。テトラサイクリ
ンは1953年に発見され、現在臨床で広く使用されている
抗生物質であるが、テトラサイクリンあるいはその類縁
体(テトラサイクリン系化合物)について LDL代謝に対
する影響は未だ知られていない。
【0007】従って本発明は、下記の式(I) で示される
化合物:
【化3】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、若しくはアルキ
ル置換又は無置換のアミノ基を示し、R2は水素原子、水
酸基、アルキル基、またはアルケニル基を示し、R3は水
素原子、水酸基、またはアルキル基を示し、R4は水素原
子または水酸基を示し、R5は水素原子若しくはアルキル
置換又は無置換のアミノ基を示す)、イソテトラサイク
リン、およびアンヒドロテトラサイクリンからなる群か
ら選ばれるテトラサイクリン系化合物を有効成分として
含むコレステロール低下剤を提供するものである。
【0008】また、本発明によれば、上記の化合物とデ
キストラン硫酸とを有効成分として含むコレステロール
低下剤が提供される。デキストラン硫酸は上記テトラサ
イクリン系化合物のコレステロール低下作用を増強する
作用を有する。
【0009】本発明の上記一般式においてR1が示すハロ
ゲン原子としては、いずれのハロゲン原子でもよいが、
塩素原子が好ましい。R2およびR3が示すアルキル基とし
ては例えば低級または中級アルキル基を挙げることがで
き、好ましくは炭素数1〜4個の低級アルキル基、さら
に好ましくはメチル基を用いることができる。R1および
R5が示すアルキル置換アミノ基としては、上記のアルキ
ル基が1個または2個置換したアミノ基を挙げることが
でき、好ましくはジメチルアミノ基を用いることができ
る。また、R2が示すアルケニル基としては、例えば =CH
-Xで示される基(Xは水素原子または上記のアルキル基を
示す)を挙げることができ、好ましくは=CH2を用いるこ
とができる。
【0010】上記の一般式で示される化合物の好ましい
例としては、例えば、テトラサイクリン[R1:-H; R2:-O
H; R3:-CH3; R4:-H; R5:-N(CH3)2]、ミノサイクリン [R
1:-N(CH3)2; R2:-H; R3:-H; R4:-H; R5:-N(CH3)2]、ク
ロルテトラサイクリン [R1:-Cl; R2:-OH; R3:-CH3; R4:
-H; R5:-N(CH3)2]、ドキシサイクリン[R1:-H; R2:-H; R
3:-CH3; R4:-OH; R5:-N(CH3)2]、オキシテトラサイクリ
ン [R1:-H; R2:-OH; R3:-CH3; R4:-OH; R5:-N(CH3)2]、
メタサイクリン [R1:-H; R2:=CH2; R3:-H; R4:-OH; R5:
-N(CH3)2] 、デモクロサイクリン [R1:-Cl; R2:-OH;
R3:-H; R4:-H; R5:-N(CH3)2]、テトラサイクリン誘導体
A [R1:-H; R2:-CH3; R3:-OH; R4:-H; R5:-H]等を挙げる
ことができるが、これらに限定されることはない。
【0011】また、本発明のコレステロール低下剤の有
効成分としては、上記の一般式で示されるテトラサイク
リン系化合物の他、下記の式で示されるイソテトラサイ
クリン、及びアンヒドロテトラサイクリンを用いること
ができる。
【0012】
【化4】 上記に例示したテトラサイクリン系化合物、並びにイソ
テトラサイクリン及びアンヒドロテトラサイクリンはい
ずれも公知の化合物であり、容易に製造することができ
る(例えば、テトラサイクリン系化合物についての総
説:Barret, G.C., J. Pharmac. Sci., 52, 309-330, 1
963 等を参照のこと)。また、上記一般式に包含される
化合物は、上記の公知の化合物の製造方法に準じていず
れも当業者に容易に製造できる。
【0013】本発明のコレステロール低下剤の有効成分
としては、遊離形態のテトラサイクリン系化合物の他、
その塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、あるいは、酢酸塩、マレ
イン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハ
ク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタン
スルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、10−カンファ
ースルホン酸塩等の有機酸塩である酸付加塩、あるいは
遊離形態または酸付加塩の任意の水和物を用いることが
できる。また、テトラサイクリン系化合物と組み合わせ
て用いるデキストラン硫酸はいかなる分子量のものを用
いてもよいが、例えば 50 万程度の分子量を有するデキ
ストラン硫酸が好適である。
【0014】本発明のコレステロール低下剤の投与形態
は特に制限されず、経口的・非経口的に投与することが
できる。好ましくは、非経口的に、注射あるいは点滴に
より静脈内に投与すればよい。本発明のコレステロール
低下剤としては、有効成分であるテトラサイクリン系化
合物、またはテトラサイクリン系化合物及びデキストラ
ン硫酸をそのまま用いてもよいが、通常は、有効成分で
ある化合物に対して、必要により薬理学的、製剤学的に
許容しうる添加物を加えて、当業者に周知な形態の製剤
として提供されるべきである。
【0015】薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物と
しては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結
合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、
溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化
剤、噴射剤、及び粘着剤等を用いることができる。経口
投与に適する製剤の例としては、例えば、錠剤、カプセ
ル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、又はシロップ剤等
を挙げることができる。非経口投与に適する製剤として
は、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、又は貼付
剤等を挙げることができる。
【0016】経口投与、あるいは経皮又は経粘膜投与に
適する製剤には、薬理学的、製剤学的に許容しうる添加
物として、例えば、ブドウ糖、乳糖、D-マンニトール、
デンプン、又は結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシ
メチルセルロース、デンプン、又はカルボキシメチルセ
ルロースカルシウム等の崩壊剤又は崩壊補助剤;ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース、ポリビニルピロリドン、又はゼラチン等の結
合剤;ステアリン酸マグネシウム又はタルク等の滑沢
剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリ
エチレングリコール又は酸化チタン等のコーティング
剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコー
ル、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、又はハ
ードファット等の基剤を用いることができる。
【0017】また、フロン,ジエチルエーテル、又は圧
縮ガス等の噴射剤;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、ポリイソブチレ
ン、ポリブテン等の粘着剤;木綿布又はプラスチックシ
ート等の基布等の製剤用添加物を用いて製剤を製造して
もよい。注射あるいは点滴用に適する製剤には、注射用
蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等の水性あ
るいは用時溶解型注射剤を構成しうる溶解剤又は溶解補
助剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D-マンニトール、グ
リセリン等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は
有機塩基等のpH調節剤等の製剤用添加物を添加してもよ
い。
【0018】なお、本発明のコレステロール低下剤の有
効成分であるテトラサイクリン系化合物は抗生物質とし
て臨床で広汎に使用されているので、市販の製剤を本発
明のコレステロール低下剤としてそのまま用いてもよ
い。いかなる特定の理論に拘泥するわけではないが、本
発明のコレステロール低下剤は、肝臓の LDLレセプター
活性、すなわち LDL代謝を促進することにより、血中 L
DL濃度を低下させる作用を有する。また、デキストラン
硫酸それ自体は弱いコレステロール低下作用を有する
が、テトラサイクリン系化合物と組み合わせて用いるこ
とにより、テトラサイクリン系化合物のコレステロール
低下作用を著しく増強する。一般に、テトラサイクリン
系化合物 100重量部に対して、デキストラン硫酸を、上
限が 100重量部、好ましくは 50 重量部、下限が 0.1重
量部、好ましくは 0.5重量部となるように配合すればよ
い。
【0019】本発明のコレステロール低下剤は、例え
ば、高コレステロール血症をはじめとする各種虚血性疾
患等、血中あるいは組織中のコレステロール濃度が健常
値よりも高い値を示すあらゆる疾患に適用することがで
きる。本発明のコレステロール低下剤は、上記の疾患の
治療、あるいは上記の疾患以外の治療のために用いられ
る他の薬剤と併用してもさしつかえない。
【0020】本発明のコレステロール低下剤の投与量は
特に制限されないが、投与形態、年齢、体重、症状等に
応じて適宜選択すればよい。例えば、静脈内投与の場合
には、成人1日あたり、有効成分量(テトラサイクリン
系化合物)として 0.5〜50 mg/Kg、好ましくは 1〜10 m
g/Kgを投与すればよい。本発明のコレステロール低下剤
は1日あたり1回もしくは数回に分けて投与してもよ
く、投与期間も、年齢、症状等に応じて任意に定めるこ
とができる。
【0021】なお、本発明のコレステロール低下剤の有
効成分であるテトラサイクリン系化合物は極めて低毒性
であることが知られており(例えば、AMA Drug Evaluat
ion,3rd Edition, 1977, pp.739-752等を参照)、すで
に臨床で抗生物質として広汎に用いられているとおり、
極めて安全性が高い化合物である。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されること
はない。 (1) 肝由来の細胞 Hep G2 細胞による125I-LDLの結合測
定 正常ならびにLDL 受容体欠損細胞のLDL 代謝能は細胞へ
のLDL の結合能の測定により判定できる。
【0023】単層培養された Hep G2 細胞を 0.25%トリ
プシン−0.02% EDTA-2Naを含むリン酸緩衝生理食塩水(P
BS- ) 溶液で細胞をディッシュ底面より剥離させ、アッ
セイに用いた。細胞を被検化合物を含まない増殖培地
(培地A)に懸濁し、コラーゲンコート処理された24穴
ディッシュ(Corning 25820 COL1) に 3×105 細胞/ウ
ェルとなるように、0.3 mlずつ分注し、24時間培養し
た。アッセイ時の細胞の蛋白量は、約 100-140μg/ウェ
ルであった。
【0024】培地を除いた後、1.6%のパラホルムアルデ
ヒドを含む0.2 mlの PBS- 溶液をそれぞれのウェルに加
え4℃で45分インキュベートし、細胞を固定した。この
固定化処理によれば、細胞表面へ125I-LDLは処理前と同
じように結合できるが、細胞内への取り込みや分解は起
こらない。インキュベート後パラホルムアルデヒド溶液
を除き、0.3 mlの buffer B (150 mM NaCl, 50 mM Tris
-HCl, 2 mg/ml ウシ血清アルブミン、pH 7.4) で4回洗
浄した後、10μg/mlの125I-LDLを含む 0.2 mlの培地
(培地Aの血清を LPDS に代えたもの) を加えて37℃、
2時間 CO2インキュベーター中でインキュベートした。
その後培地を除き、buffer Bで細胞を洗浄しヘパリン処
理により遊離する放射活性を測定し、特異的結合量を算
出した。
【0025】上記の様にしてパラホルムアルデヒドによ
り固定化した Hep G2 細胞を 10 μg/mlの125I-LDLと含
む培地B中でテトラサイクリンまたは各種テトラサイク
リン系化合物と37℃、2 時間インキュベートすることに
より Hep G2 細胞に対する125I-LDLの特異的結合に及ぼ
す影響を調べた。結果を以下の表1に示す。この結果か
ら、各種のテトラサイクリン系化合物が肝臓の LDLレセ
プターに対する125I-LDLの特異的結合を促進しているこ
とが明らかである。
【0026】
【表1】 ─────────────────────────────────── テトラサイクリン系 濃 度 125I-LDLの特異的結合 化 合 物 (μg/ml) (ng/mg cell protein) ─────────────────────────────────── (実験例1) 非存在下 - 26 テトラサイクリン 50 106 ミノサイクリン 50 82 クロルテトラサイクリン 50 103 オキシテトラサイクリン 100 42 ドキシサイクリン 100 39 メタサイクリン 100 40 イソテトラサイクリン 50 40 アンヒドロテトラサイクリン 50 171 デモクロサイクリン 50 62 (実験例2) 非存在下 - 72 テトラサイクリン 50 116 テトラサイクリン誘導体 A 100 98 ───────────────────────────────────
【0027】(2) テトラサイクリンとデキストラン硫酸
の併用効果 LDL 受容体欠損フィブロブラスト細胞を PBS- で洗浄
し、125I-LDLを含む1mlの培地D(培地Cの血清を LPD
S に代えたもの)中で37℃、3時間にわたりテトラサイ
クリンおよびデキストラン硫酸と CO2インキュベーター
中でインキュベートした。デキストラン硫酸の存在下で
125I-LDLは細胞を含まないプラスチックディッシュに
著しく付着することが観察され、その値はLDL の調製後
の日数が短いほど高かった。細胞を含むウェルでの結合
量から細胞を含まないウェルでの結合量を引くことによ
って細胞への結合量を求めて示した。またデキストラン
硫酸添加時の125I-LDLの分解の測定は、400 μl の培地
を限外濾過膜(セントリカットW-20、クラボウ)を用い
て濾過してから、その濾液について(1) と同様の処理を
行うことにより求めた。
【0028】結果を表2に示す。表2中、「結合」は細
胞表面に結合した125I-LDLと細胞内に取り込まれた125I
-LDLの量 (ng/mg cell protein) であり、「分解」は細
胞内に取り込まれて分解された125I-LDLの量 (ng/mg ce
ll protein) を示す。また、テトラサイクリン単独の場
合の化合物濃度は 50 μg/mlであり、併用の場合の化合
物濃度は、テトラサイクリンおよびデキストラン硫酸に
ついてそれぞれ 50 μg/mlおよび 6μg/mlとした。この
結果から、両者間には顕著な相乗効果があり、デキスト
ラン硫酸の存在下でテトラサイクリンが約 40 倍に活性
化されていることが明らかである。
【0029】
【表2】 ───────────────────────────────────125 I-LDL濃度 薬物非存在下 テトラサイクリン テトラサイクリン (μg/ml) (対照) 単 独 デキストラン硫酸 結 合 分 解 結 合 分 解 結 合 分 解 ─────────────────────────────────── 5 0 0 13 0 38 39 10 0 0 24 0 62 61 20 0 0 33 0 94 71 ───────────────────────────────────
【0030】(3) デキストラン硫酸の分子量の影響 LDL 受容体欠損フィブロブラスト細胞を PBS- で洗浄
し、5 μg/mlの125I-LDLと 5μg/mlのデキストラン硫酸
(シグマ社製)とを含む培地D中で37℃、3時間にわた
り 50 μg/mlテトラサイクリンの存在下または非存在下
に CO2インキュベーター中でインキュベートし、上記と
同様にして細胞に結合または分解した125I-LDLの量 (ng
/mg cell protein) を求めた。結果を以下の表3に示
す。表3中、テトラサイクリン (-)および(+) は、それ
ぞれテトラサイクリン非存在下および存在下を示し、
「結合」は細胞表面に結合した125I-LDLと細胞内に取り
込まれた125I-LDLの量 (ng/mg cell protein) であり、
「分解」は細胞内に取り込まれて分解された125I-LDLの
量 (ng/mg cell protein) を示す。
【0031】
【表3】 ─────────────────────────────────── デキストラン硫酸 テトラサイクリン (-) テトラサイクリン (+) 分 子 量 結 合 分 解 結 合 分 解 ─────────────────────────────────── 5,000 4 3 10 1 8,000 9 1 15 1 15,000 10 2 22 1 50,000 31 3 210 21 500,000 112 6 535 48 ───────────────────────────────────
【0032】(4) テトラサイクリンの血清コレステロー
ル低下作用 以下の実験条件によりイン・ビボでのテトラサイクリン
の血清コレステロール低下作用を試験した。 (A) 動物:C57BL/6 マウス、メス、4週齢(チャールズ
リバーより購入) (B) 飼料: 通常飼料 船橋農場製 マウス・ラット用固形飼料 F
2 高脂肪飼料 日本クレアで調製、組成は以下のとおりで
ある。 ショ糖 50 % コーン油 1.0 % コール酸 0.5 % DL−メチオニン 0.3 % DL−α−トコフェロール 0.13 % ココアバター 15 % セルロース 4.82 % カゼイン 20.0 % AIN ミネラル・ミクスチャー 5.0 % コレステロール 1.25 % AIN76 ビタミン・ミクスチャー 1.0 % 塩化コリン 1.0 %
【0033】(C) 飼育条件 4週齢で購入したマウスを通常飼料で1週間予備飼育
後、4群に分けた。第1群は通常飼料、第2群は高脂肪
飼料のみ、第3群は高脂肪飼料に 0.0167%テトラサイク
リンを添加したもの、第4群は高脂肪飼料に 0.0667%テ
トラサイクリンを添加したものを摂餌させ、それぞれ3
週間飼育した。水及び飼料は自由に摂取させた。 (D) 結果 各種飼料で3週間飼育後、血液を採取し、その血清コレ
ステロールを酵素法により定量した。結果を表4に示
す。
【0034】
【表4】 ────────────────────────────────── マウス 血清コレステロール値 群 (mg/dl) ────────────────────────────────── 1 52 2 179 (100)* 3 132 ( 74) 4 113 ( 63) ────────────────────────────────── * ( ) 内は第2群の値を 100% とした時のパーセンテージを示す。
【0035】
【発明の効果】本発明のコレステロール低下剤は、肝臓
の LDL代謝を促進することにより、血中 LDL濃度を低下
させる作用を有している。従って、本発明のコレステロ
ール低下剤は、動脈硬化や高コレステロール血症等の疾
患の治療に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(I) で示される化合物: 【化1】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、若しくはアルキ
    ル置換又は無置換のアミノ基を示し、R2は水素原子、水
    酸基、アルキル基、またはアルケニル基を示し、R3は水
    素原子、水酸基、またはアルキル基を示し、R4は水素原
    子または水酸基を示し、R5は水素原子若しくはアルキル
    置換又は無置換のアミノ基を示す)、イソテトラサイク
    リン、及びアンヒドロテトラサイクリンからなる群から
    選ばれるテトラサイクリン系化合物を有効成分として含
    むコレステロール低下剤。
  2. 【請求項2】 上記テトラサイクリン系化合物が、テト
    ラサイクリン、ミノサイクリン、クロルテトラサイクリ
    ン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリン、メタ
    サイクリン、デモクロサイクリン、テトラサイクリン誘
    導体A 、イソテトラサイクリン、及びアンヒドロテトラ
    サイクリンからなる群から選ばれる請求項1記載のコレ
    ステロール低下剤。
  3. 【請求項3】 下記の式で示される化合物: 【化2】 (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、若しくはアルキ
    ル置換又は無置換のアミノ基を示し、R2は水素原子、水
    酸基、アルキル基、またはアルケニル基を示し、R3は水
    素原子、水酸基、またはアルキル基を示し、R4は水素原
    子または水酸基を示し、R5は水素原子若しくはアルキル
    置換又は無置換のアミノ基を示す)、イソテトラサイク
    リン、及びアンヒドロテトラサイクリンからなる群から
    選ばれるテトラサイクリン系化合物とデキストラン硫酸
    とを有効成分として含むコレステロール低下剤。
  4. 【請求項4】 上記テトラサイクリン系化合物が、テト
    ラサイクリン、ミノサイクリン、クロルテトラサイクリ
    ン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリン、メタ
    サイクリン、デモクロサイクリン、テトラサイクリン誘
    導体A 、イソテトラサイクリン、及びアンヒドロテトラ
    サイクリンからなる群から選ばれる請求項3記載のコレ
    ステロール低下剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005187454A (ja) * 2003-12-05 2005-07-14 Sankyo Co Ltd ビタミンe含有ldl低下剤及び/又は動脈硬化抑制剤組成物

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JP2005187454A (ja) * 2003-12-05 2005-07-14 Sankyo Co Ltd ビタミンe含有ldl低下剤及び/又は動脈硬化抑制剤組成物

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