JPH0821707A - 物体又は空間の物理的特性測定方法及びその装置 - Google Patents

物体又は空間の物理的特性測定方法及びその装置

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JPH0821707A
JPH0821707A JP6154570A JP15457094A JPH0821707A JP H0821707 A JPH0821707 A JP H0821707A JP 6154570 A JP6154570 A JP 6154570A JP 15457094 A JP15457094 A JP 15457094A JP H0821707 A JPH0821707 A JP H0821707A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複合フィルム1の基層2の粒子濃度の如何に拘
らずその補正が可能であると共に、短時間で積層膜厚、
粒子濃度などの物理的特性を容易に測定できる、物体又
は空間の物理的特性測定方法及びその装置を提供するこ
と。 【構成】内部に複数の粒子4が存在する複合フィルムに
照明装置6で光を照射し、その反射光をレンズ系7によ
って拡大した後、撮像装置8上に結像させ、次いで該結
像から得られたレンズ系7の焦点付近に存在する粒子数
を粒子演算装置9又は膜厚演算装置10によって演算す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば内部に粒子を含
む多層構造の透明な合成樹脂フィルムの膜厚測定や、内
部に粉塵、粒子等が浮遊する空間の粒子濃度測定等に用
いられる物体又は空間の物理的特性測定方法及びその装
置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープの製造分野で用いられる合成
樹脂フィルムにおいては、よく知られているように、フ
ィルム表面を傷つきにくくし、かつ摩擦係数を小さくす
ると共にダビングによる画質低下を少なくするために複
数のフィルムが積層された多層構造のフィルム(以下、
複合フィルムと称する。)が使用されている(例えば、
特開平2−77431号公報)。
【0003】この複合フィルムは、強度を保つためのフ
ィルム(以下、基層と称する。)を、内部に粒子を含有
し、表面に適度な突起をつくるためのフィルム(以下、
積層と称する。)で積層した構造になっている。この多
層構造は、積層/基層の2層に限らず、積層/基層/積
層の3層もしくはそれ以上の多層構造のものである。と
ころで、品質管理、工程管理のため、この複合フィルム
を構成する複数の層のうち、積層の膜厚を測定する必要
があるが、従来の積層の膜厚測定方法及び装置として
は、例えばヘイズ値測定法(JIS K 7105( 1
981) )や、電子顕微鏡での断面観察法が知られてい
る。
【0004】前者のヘイズ値測定法は、積層表面の垂直
方向から光を照射し、積層内部に含まれる粒子で散乱し
た光の光量を積分球にて測定する。また、フィルム内で
散乱せずに透過してきた光の光量も測定し、前記散乱光
を透過光で割った値がヘイズ値となる。粒子を含む積層
の膜厚が増加すればヘイズ値も大きくなるため、これを
利用して積層膜厚を測定していた。
【0005】一方、電子顕微鏡での断面観察法は、積層
の粒子濃度が高い製品の場合、積層をエポキシ樹脂で包
囲し、これをミクロトームにより厚さ数ミクロンの薄片
に削り、次いでこれを銅金網上に採取して測定サンプル
を作成する。そして、電子顕微鏡でサンプル断面の拡大
写真を撮影し、この写真内において積層に含まれる粒子
に注目し、積層と基層の境界面(線)を特定し膜厚を測
定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の測
定装置では、以下の問題点がある。
【0007】すなわち、前者のヘイズ値測定法において
は、基層が粒子を含み、かつその粒子濃度が変化する場
合、その変化にともない散乱光の光量も変化するが、積
層、基層の散乱光を別々に測定することができないため
にこれを補正することができず、積層の膜厚測定は不可
能である。つまり、1層以上の構造で各層の膜厚、粒子
濃度の条件が2つ以上変化する場合、測定不能となる。
【0008】また、電子顕微鏡での断面観察法による測
定においては、測定サンプルの作成に熟練を要するばか
りか、エポキシ樹脂の硬化に長時間が必要で測定終了ま
でに20時間余りの長時間を要すること、さらに積層の
粒子濃度が低い場合は、上記境界面が不鮮明であるため
に精度よく積層膜厚を測定できないなどの問題である。
【0009】本発明は、上記従来の問題点を解消し、測
定対象の透明な物体又は空間が例えば少なくとも基層と
積層とからなる多層構造の合成樹脂フィルムのようなも
のである場合に、基層の粒子濃度の如何に拘らずその補
正が可能であると共に、短時間で積層の膜厚、粒子濃度
などの物理的特性を容易に測定できる、物体又は空間の
物理的特性測定方法及びその装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る物体又は空間の物理的特性測定方法
は、共に内部に複数の粒子が存在する透明な物体又は空
間の膜厚、粒子濃度等の物理的特性を測定する物体又は
空間の物理的特性測定方法であって、前記物体又は空間
内部に照明装置で光を照射し、その反射光をレンズ系に
よって拡大した後、撮像装置上に結像させ、次いで該結
像から得られた前記レンズ系の焦点付近に存在する粒子
数を粒子演算装置及び膜厚演算装置によって演算するこ
とにより、前記物理的特性を求めることを特徴とする。
【0011】本発明の測定方法で測定しようとする物理
的特性が、前記物体又は空間の粒子濃度である場合は、
前記物体又は空間に含まれる特定範囲に存在する粒子数
を前記粒子演算装置で測定し、得られた粒子数から前記
物体又は空間の粒子濃度を求める。
【0012】また、本発明の測定方法で測定しようとす
る物理的特性が、共に膜厚が既知はもたは変化しない物
体又は空間の粒子濃度である場合は、前記膜厚内部に存
在する粒子数を前記粒子演算装置で測定し、得られた粒
子数から前記物体又は空間の粒子濃度を求める。
【0013】また、本発明の測定方法で測定しようとす
る物理的特性が、共に粒子濃度が既知もしくは変化しな
い物体又は空間の膜厚の場合は、前記膜厚内部に存在す
る粒子数を前記粒子演算装置で測定し、得られた粒子数
から前記物体又は空間の膜厚を求める。
【0014】本発明の測定方法のより好ましい実施態様
としては、上記のいずれかの場合において、透明な物体
又は空間は、少なくとも1層に粒子を含む層が積層され
ている多層膜であり、前記粒子演算装置で多層膜内部の
粒子数を前記多層膜の厚み方向の複数箇所で測定し、得
られた粒子数から前記粒子を含む層の膜厚又は粒子濃度
を求める。
【0015】上記課題を解決するため、本発明に係る物
体又は空間の物理的特性測定装置は、共に内部に複数の
粒子が存在する透明な物体又は空間の膜厚、粒子濃度等
の物理的特性を測定する物体又は空間の物理的特性測定
装置であって、(A)前記透明な物体又は空間を載置す
るXYZ軸ステージと、(B)前記透明な物体又は空間
に光を照射してその内部を照明する照明装置と、(C)
前記透明な物体又は空間からの反射光を拡大するレンズ
系と、(D)該拡大された反射光を結像させ、電気映像
信号に変換して出力する撮像装置と、(E)該拡大され
た反射光を前記撮像装置で結像させるため前記XYZ軸
ステージを前記照射光の光軸方向に昇降させるZ軸ステ
ージ移動装置と、(F)前記透明な物体又は空間を複数
点測定するため前記XYZ軸ステージを前記光軸と直交
する平面内に移動させるXY軸ステージ移動装置と、
(G)前記電気映像信号に基づいて、前記物体又は空間
内に存在する粒子数を演算し、そのデータを出力する粒
子演算装置と、(H)前記粒子演算装置から出力された
データに基づいて、前記物体又は空間の膜厚を演算し、
そのデータを出力する膜厚演算装置と、(I)予め決め
られた手順に基づいて、前記Z軸ステージ移動装置とX
Y軸ステージ移動装置と粒子演算装置と膜厚演算装置と
に操作指令を与える操作指令部と、を備えてなることを
特徴とする。
【0016】この場合、前記透明な物体又は空間は、基
層と積層とからなる少なくとも2層構造の合成樹脂フィ
ルムであって前記積層内部に粒子を含み、かつその粒子
濃度が既知もしくは変化しないものであり、前記照明装
置は、暗視野照明装置であり、前記レンズ系は、光学顕
微鏡であり、前記暗視野照明装置にて前記積層および基
層内部を照射し、前記光学顕微鏡にて前記積層および基
層に焦点を合わせ、前記撮像装置にて前記積層および基
層の画像を撮像し、該撮像内に存在する粒子数を粒子演
算装置にて演算し、その粒子数より前記膜厚演算装置に
て前記積層の膜厚を求める。
【0017】更に、前記XYZステージに反射板を設
け、前記照明装置によって照明された該反射板からの輝
度を測定し、前記粒子演算装置の2値化レベルを変化さ
せることにより、前記照明装置の照明の劣化を補正する
のが好ましい。
【0018】なお、本発明の測定対象となる物体又は空
間とは、透明であって内部に粒子を含む個体、液体、又
は空間であり、例えば内部に粒子を含む透明な多層構造
の合成樹脂フィルムや、内部に粉塵、粒子等が浮遊して
いる空間等をいう。また、物理的特性とは、物体又は空
間の膜厚、これらの内部に存在する粒子数の他、物粒子
形状、粒径分布、粒子濃度分布等も含まれる。
【0019】
【作用】XYZ軸ステージ上に載置された、内部に複数
の粒子が存在する透明な物体又は空間に照明装置から光
が照射されると、レンズ系は、その反射光を拡大し、そ
の撮像を撮像装置上に結像させる。
【0020】次に、該結像から得られたレンズ系の焦点
付近に存在する粒子数を、粒子演算装置と膜厚演算装置
とが演算し、上記物体又は空間の膜厚、粒子濃度、形
状、面積等の物理的特性を求める。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0022】図1は、本発明の測定対象である複合フィ
ルム1の断面図で、複合フィルム1は、膜厚が15μm
のポリエチレンテレフタレートからなる基層2の両面
に、膜厚が1.5μmの同じくポリエチレンテレフタレ
ートからなる積層3が積層された3層構造の複合フィル
ムであり、いずれの層にも所定濃度の粒子4が添加され
ているものである。この粒子は層によって材質、粒径、
粒子濃度が異なっていてもかまわない。
【0023】図2は、本発明の測定装置の模式図で、X
YZ軸ステージ5、照明装置6、レンズ系7、撮像装置
8、粒子演算装置9、膜厚演算装置10、表示装置1
1、Z軸ステージ移動装置12、XY軸ステージ移動装
置13、操作司令部14から構成されている。
【0024】XYZ軸ステージ5は、複合フィルム1の
フィルムサンプル(以下、フィルムサンプルという。)
を表面に載置、固定するためのもので、ステージ5を照
明装置6から照射される照射光の光軸方向に昇降させる
Z軸ステージ13と、ステージ5を光軸と直交する平面
内に移動させるXY軸ステージ移動装置12とを備えて
おり、フィルムサンプルをこれらXYZ軸の3軸方向に
移動できるようになっている。
【0025】照明装置6は、フィルムサンプルに光を照
射してその内部を照明するためのもので、光源と光量を
調節する絞りを有している。具体的な照射方法は、後述
する光学顕微鏡の暗視野照明対物レンズより光軸を中心
とする円上から光学顕微鏡の焦点に向かってリング状に
照射するのが好ましい。光源は、ハロゲンランプ、水銀
ランプ等どのような光源を用いてもかまわないが、添加
粒子の直径が小さく濃度が薄いときは、粒子の反射が少
なく、得られる画像も暗くなるため、より高輝度で光源
の寿命の長いものが好ましい。本実施例では、メタルハ
ライドランプを使用した。
【0026】レンズ系7は、サンプルフイルムからの反
射光を拡大するためのもので、撮像装置、暗視野照明用
対物レンズが取り付けられる光学顕微鏡である。光学顕
微鏡の対物レンズの倍率は、数倍〜数100倍のものを
用いるのが好ましい。対物レンズは、フィルムサンプル
の積層に含まれる粒子の大きさによって選択するのが好
ましく、粒子演算装置9の分解能で粒子径が2〜10画
素程度になる倍率が好ましい。本実施例では、添加粒子
径を考慮して100倍の対物レンズを使用した。この顕
微鏡でスライドガラスに固定したフィルムサンプル内部
の映像を拡大し、撮像装置8上に結像させるものであ
る。サンプルフイルム1の製作は、縦26mm、横76
mmのスライドガラス上に測定対象のフィルムサンプル
でなるべく凹凸の無い場所を選び、縦20mm、横30
mm程度に切りとり、スライドガラスに密着させ片方を
メンディングテープにて張り付けた。なお、サンプル
は、平面状で凹凸が無く、光軸方向に垂直であればどん
な作り方でもかまわない。
【0027】撮像装置8は、拡大された反射光を結像さ
せ、電気映像信号に変換して出力するためのもので、公
知の2次元テレビカメラを主体とするものである。この
撮像装置は、光学顕微鏡にて拡大されたフィルム内部の
画像を2次元で撮像する。得られる画像は、粒子部分が
照明光の反射のため明るく、他の部分は暗い映像とな
る。そして、撮像された画像の画素ごとの光の輝度を示
すアナログの画像信号を出力する。
【0028】粒子演算装置9は、上記撮像装置8からの
画像信号に基づいて、フィルムサンプル内に存在する粒
子数を演算し、そのデータを出力するためのもので、A
/D変換部91、画像記憶部92、画像演算部93、2
値化表示部94で構成されており、操作司令部14より
粒子測定開始信号を与えられると画面内の粒子数の測定
を開始し、測定を終了すると粒子測定終了信号を操作指
令部14に出力する。また、操作指令部14より輝度測
定開始信号を与えられると、撮像装置8の画面内の輝度
の平均(以下、平均輝度という。)を測定し、測定が終
了すると輝度測定終了信号を操作指令部14に出力す
る。A/D変換部91は、撮像装置8から与えられるア
ナログ画像信号を8bit すなわち256階調の濃淡を持
ち、512×480画素のディジタル画像信号(以下、
濃淡画像信号という。)に変換し、この濃淡画像信号を
所定の閾値Sp で2値化するものである。すなわち、前
記閾値Sp よりもレベルの高い画像信号を1(白色レベ
ルという)に、閾値Sp よりもレベルの低い画像信号を
0(黒色レベルという)に置換する。また、濃淡画像を
2値化した2値画像信号と濃淡画像信号は、画像記憶部
92に与えられる。なお、対物レンズ倍率100倍を使
用した場合の1画素の大きさは、0.14×0.14μ
mである。閾値Sp を決定する方法は、粒子同士がくっ
つかない程度の閾値を適当に決定してもよいが、予め品
種ごとに積層の膜厚の異なるフィルムを試作して実際に
粒子数を測定し、積層の膜厚の変化に対して粒子数の変
化がなるべく線形でその変化の割合が最大となる閾値を
探すのが好ましい。画像記憶部92は、A/D変換部9
1から与えられた濃淡画像信号と2値画像信号をいった
ん記憶するためのものである。画像演算部93は、画像
記憶部92に記憶された2値画像信号をマトリクス状に
ならべ、隣接する縦、横、斜めの8方向の画素について
白色レベルの連結を判断し、連結を持つ塊ごとに分け
る。この分けられた白い画素の塊はフィルムに添加され
た粒子であり、この粒子数を数え、後述する膜厚演算装
置10に出力する。本実施例では、粒子数しか測定して
いないが粒子径などを測定して添加粒子の評価の指標な
どに利用してもかまわない。また、画像演算部93にお
いて、得られる画像によっては濃淡画像信号を微分、平
均、などの公知の画像信号の処理を行った後、2値化処
理を行い粒子を測定してもよい。膜厚演算装置10は、
上記粒子演算装置9から出力された後述する積層粒子数
と基層粒子数に基づいて、フィルムサンプルの積層膜厚
を演算し、そのデータを操作指令部14に出力するため
のもので、記憶部101、演算部102から構成されて
いる。記憶部101は、粒子数測定装置9から送られた
基層2と積層3の粒子数、後述する品種別の膜厚計算式
係数を記憶する。演算部102は、粒子数、膜厚計算式
係数より積層3の膜厚(以下、積層膜厚という。)を計
算する。計算された積層膜厚は、表示装置11と操作指
令部14に送られる。なお、積層膜厚は、後述する数4
式によって計算される。
【0029】上記Z軸ステージ移動装置12は、A/D
変換部121、画像記憶部122、画像演算部123、
駆動制御部124を備えており、フィルムサンプルを固
定したXYZ軸ステージ5をZ軸方向に移動させる。移
動には、2つのモードがあり、合焦するための評価式を
最大にするように自動的に移動する機能(以下、AF機
能という。)と、ある定められた量だけZ軸方向に移動
する機能(以下、移動機能という。)である。前者のA
F機能は、画面内の輝度分布の評価式を最大にする位置
を探すように自動的にステージを移動する機能であり、
操作指令部14からAF開始信号を与えられることによ
り動作を開始し、終了後にAF終了信号を操作指令部1
4に与える。AD変換部121、画像記憶部122、画
像演算部123は、このAF機能を選択したときのみ機
能する。A/D変換部121は、撮像装置8から与えら
れる画像信号をティジタル画像信号に変換して画像記憶
部122に与え、画像記憶部122は、A/D変換部1
21から与えられた前記デジタル画像信号をいったん記
憶する。画像演算部123は、画像記憶部122に記憶
され、デジタル画像から用意された評価式より評価値を
計算し、駆動制御部124に評価値を与える。本実施例
においては、評価式として画像記憶部122に記憶され
た画面内輝度の空間微分値の分布を求め、微分値の自乗
の和を評価式とした。この評価式は、測定する粒子が1
つのとき、顕微鏡の焦点面上にその粒子にある場合に最
大となる。測定する粒子が複数あるときは、焦点面付近
になるべく多くの粒子があるようなZ軸位置のとき最大
となる。駆動制御部124は、画像演算部123より与
えられた評価値を最大となるステージ位置になるよう
に、モータ125を駆動する。本実施例で測定したフィ
ルムサンプルは、積層3の粒子濃度が基層2の粒子濃度
よりも濃いフィルムであったので、AF機能を実行する
と対物レンズ側の積層3に焦点が合った。
【0030】一方、移動機能は、移動量の情報を含んだ
移動開始信号を操作指令部14より与えられて動作を開
始し、駆動制御部124でモータ125を駆動し、与え
られた移動量だけステージ5を移動した後に移動終了信
号を操作指令部14に出力する。なお、AF機能は、積
層3にピントを合わせるときに、また移動機能は、積層
3に合ったピント位置から基層2にピント位置をずらす
のに使う。
【0031】XY軸ステージ移動装置13は、駆動制御
部131でモータ132を駆動し、ステージをXY軸方
向に移動させる。操作指令部14より与えられた移動量
の情報を含む移動開始信号により動作を開始し、動作終
了後に移動終了信号を操作指令部14に与える。
【0032】表示装置11は、膜厚演算装置10から出
力された膜厚データを表示する。
【0033】操作指令部14は、決められた手順に基づ
いて、前記Z軸ステージ移動装置とXY軸ステージ移動
装置と粒子演算装置と膜厚演算装置とに操作指令を与え
るためのもので、自動測定機能と手動機能の2つの機能
を持つ。自動測定機能は、膜厚測定信号を与えることに
より動作を開始し、決められた手順に従い装置の動作を
制御し積層膜厚を測定する。手動機能は、各装置に動作
の開始信号を送る機能で、各装置を単独で動作させるこ
とができる。
【0034】図3は、撮像装置8に結像する粒子の像の
輝度レベルと、閾値Sp の関係を示した模式図である。
【0035】図3に示すように、フィルムのピント面上
にある粒子像イは、輝度レベルの最大値が大きく、ピン
ト面から離れたところにある粒子像ロは、輝度レベルの
最大値が小さくなる。この輝度レベルをある適当な閾値
Sp で2値化してその画像に含まれる粒子の個数を粒子
演算装置9の画像演算部93で数えるとピント面付近の
ある範囲の粒子数を測定したことになる。なお、粒子を
測定できる範囲(以下、測定範囲という。図4、図5参
照。)は、粒子材質、粒子形状、レンズ系、照明装置、
照明方法、閾値、撮像装置の感度などにより決定され
る。この測定範囲は、フィルムの2値化画像内のある粒
子に注目し、Z軸ステージ移動装置12にて微少量ずつ
移動させ、どれだけの範囲でその粒子が存在するかを測
定することにより知ることができる。本実施例において
は前記測定範囲は3μmであるが、この微少範囲の粒子
に関する情報を得ることができるということが、本発明
の特徴である。測定対象物が単層で内部に粒子を含むフ
ィルムにおいて、図4に示すように、フィルムの膜厚よ
りも測定範囲が小さい場合には、測定範囲の粒子数から
粒子濃度を測定することができる。
【0036】一方、図5に示すように、フィルムの膜厚
よりも測定範囲が大きい場合には、測定される粒子数は
膜中の全てとなり、粒子濃度が分っている場合には膜厚
を、膜厚が分っている場合には粒子濃度を測定できる。
また、粒子の物理的特性が均一で、かつ測定範囲が一定
の場合には、測定された粒子数から膜厚、粒子濃度を計
算できる。
【0037】図4に示すフィルムの粒子濃度ρは、次の
数1により求めることができる。
【0038】
【数1】 なお、上記数1において各符号は、下記のものを示して
いる。
【0039】 ρ :粒子濃度(重量%) r :粒子半径 (m) N :粒子数 (個) L :測定範囲 (m) D :膜厚 (m) S :測定面積 (m2 ) WF : 粒子比重(Kg/m3 ) WP :ポリマー比重(Kg/m3 ) また、図5に示すフィルムの膜厚Dは、次の数2により
求めることができる。
【0040】
【数2】 更に、図5に示すフィルムの粒子濃度ρは、次の数3に
より求めることができる。
【0041】
【数3】 本実施例では粒子の物理的特性は均一でなく粒子径に分
布を持ち、粒子によって測定される範囲が異なるため、
膜厚と粒子濃度がそれぞれ異なる複数のフィルムサンプ
ルを試作し、それぞれについて測定を行い、得られた粒
子数と予め判明している膜厚との関係から近似的に表現
した膜厚計算式を求め、その式から膜厚、粒子濃度を求
めた。すなわち、図7に示すように、膜厚計算式を求め
るために積層3にピントを合わせた時の積層膜厚−粒子
数の関係と、図8に示すように、基層2の粒子濃度−粒
子数の関係、基層2にピントを合わせた時の基層2の粒
子濃度−粒子数の関係を実験により求めた。
【0042】ここで積層3にピントを合わせた時の粒子
数(以下、積層粒子数という。)の測定は、次の順序で
行う。まず試作フィルムをXYZ軸ステージ5にセット
し、操作指令部14よりAF開始信号をZ軸ステージ移
動装置12に与え、試作フィルムの対物レンズ側の積層
3部分に焦点を合わせる。Z軸ステージ移動装置12か
らAF終了信号が与えられた後、操作指令部14より粒
子測定開始信号を粒子演算装置9に与え、撮像装置によ
り得られた積層3の画面内の粒子数を測定する。図6が
この場合のピント位置での測定範囲を示したものであ
る。すなわち、図6のピント位置では、積層3の全体の
粒子と基層2の一部の粒子をカバーしている斜線領域が
測定範囲となっている。この測定結果より得られた積層
膜厚−積層粒子数の関係を図示したのが図7であり、基
層2の粒子濃度−積層粒子数の関係を図示したのが図8
である。
【0043】一方、基層2にピントを合わせた時の粒子
数(以下、基層粒子数という。)の測定は、次の順序で
行う。まず試作フィルムをXYZ軸ステージ5にセット
し、操作指令部14よりAF開始信号をZ軸ステージ移
動装置12に与え、試作フィルムの対物レンズ側の積層
2の部分に焦点を合わせる。Z軸ステージ移動装置12
からAF終了信号が与えられた後、操作指令部14から
移動開始信号をZ軸ステージ移動装置12に与え、焦点
が基層2に合うように設定された量だけステージ5を昇
降させる。Z軸ステージ移動装置12から移動終了信号
が与えられた後、粒子測定開始信号を粒子演算装置9に
与え、撮像装置により得られた基層2の画面内の粒子数
を測定する。この状態を示したのが図9であり、斜線領
域がピント位置での測定範囲を示している。この図9の
ピント位置では、基層2の粒子濃度を測定することがで
きた。試作フィルムの測定結果より得られた基層2の粒
子濃度−基層粒子数の関係を示したのが図10である。
【0044】前述の結果を纏めると、図7の結果より積
層膜厚とその積層粒子数には、相関関係があること、図
8の結果より基層2の粒子濃度は、上記図6のピント位
置で得られる積層粒子数と相関関係があることが分っ
た。また、図10の結果より、基層2の粒子濃度と基層
粒子数には、相関関係があることが分った。これらの結
果より基層粒子数から基層の粒子濃度を測定し、積層粒
子数に含まれる基層粒子濃度の影響を補正できる。この
ことにより積層膜厚を、積層粒子数と基層粒子数の関数
として考え、積層膜厚をf(X、Y)、積層粒子数を
Y、基層粒子数をXとし、次の数4に示すように2元1
次の平面で近似する。
【0045】
【数4】f(X、Y)=a・X+b・Y+c ここでa、b、cは、積層・基層のポリマ、添加粒子の
種類、積層の粒子濃度、基層の膜厚など製品の条件によ
って異なる定数である。本実施例では、2元1次の計算
式を用いたが、1次以外の指数、対数などの項を計算式
にいれてもかまわない。また、本実施例では、実際に積
層膜厚が判っている複数の積層膜厚、基層粒子濃度を振
ったサンプルについて積層粒子数・基層粒子数を測定
し、最小自乗法よりこの係数を求めたが、上記製品の条
件から係数を算出するようにしてもかまわない。
【0046】ところで同じフィルムサンプルを同じ閾値
で2値化して粒子数を測定しても、照明装置6の経時的
な劣化による照明強度の低下にともない測定できる粒子
数が減少していくため、照明装置6の劣化を補正する必
要がある。本実施例では、照明装置6で照明した反射板
の輝度を測定し、その測定値から、2値化レベルを計算
し補正する方法を用いた。すなわち、プラスチック製の
反射板をスライドガラスとカバーガラスに挟んだサンプ
ル(以下、基準サンプルという。)をXYZ軸ステージ
5に固定し、粒子演算装置9に輝度測定開始信号を与
え、平均輝度を測定し、この平均輝度より2値化レベル
を決定する。本実施例ではプラスチック製の反射板を使
用したが、経時変化が少なく照明光を均一に反射するも
のであればどんなものを用いてもかまわない。
【0047】2値化レベルを決定する式(以下、2値化
レベル計算式という。)を求めるために、照明強度、2
値化レベルの条件を変え、基準サンプルにより平均輝度
をフィルムサンプルにより粒子数を測定した。平均輝度
は、輝度測定開始信号を粒子演算装置9に送り測定す
る。粒子数は、AF開始信号をZ軸ステージ移動装置1
2に送り、積層3にピントを合わせ、粒子測定開始信号
を粒子演算装置9に送ることにより測定する。照明装置
6の照明強度は、絞り、点灯電圧などで調節してもよい
が、公知のNDフィルタを用いて調節するのが実際の劣
化により近似するので好ましい。また、照明光源を連続
点灯し、実際に照明を劣化させながら測定する方法がさ
らに好ましい。
【0048】そして、2値化レベル、平均輝度を変化さ
せた時の積層粒子数を実験により求め、この関係を粒子
数をg(L、K)、2値化レベルをL、平均輝度をKと
した次の数5に示すように、2元2次の多項式で最小自
乗法で近似し、係数a、b、c、d、e、fを求める。
【0049】
【数5】 g(L、K)=a・L2 +b・K2 +c・L・K+d・L+e・K+f 更にこの数5をLについて解くと次の数6となる。
【0050】
【数6】 この数6のg(L、K)は、前述した膜厚計算式を求め
たときの平均輝度と2値化レベルで製品サンプルを測定
した時の粒子数である。この式で基準サンプルの平均輝
度を測定し2値化レベルを算出することにより、照明の
劣化による照明強度の変化の影響を補正することができ
る。また本実施例では、2元2次の計算式を用いたが、
2次以外の指数、対数などの項を計算式にいれてもかま
わない。積層膜厚の測定は、品種別の膜厚計算式、2値
化レベル計算式の係数の呼出、基準サンプルのセット、
基準サンプルによる照明強度の測定、2値化レベルの計
算、測定するフィルムサンプルのセット、積層粒子数の
測定、基層粒子数の測定、積層膜厚の計算の順序で行
う。
【0051】次に、本発明の測定装置の作用を説明す
る。
【0052】まず、測定装置の電源をいれ、照明装置6
が安定したら基準サンプルをXYZステージ5上にセッ
トする。次に粒子演算装置9に輝度測定開始信号を与
え、基準サンプルの平均輝度を測定する。得られた平均
輝度より前述の2値化レベル計算式数6により2値化レ
ベルを決定する。
【0053】次に基準サンプルを取り除き、測定対象の
フィルムサンプルをセットする。操作指令部14に膜厚
測定信号を与えると操作指令部14は、以下に示す手順
で装置に指令を与え、積層膜厚を測定する。
【0054】操作指令部14は、まずZ軸ステージ移動
装置12にAF開始信号を与え、フィルムサンプルの対
物レンズ側の積層3部分に焦点を合わせる。本実施例で
は撮像装置8より得られた画像情報より積層部分に焦点
を合わせたが、レーザ反射式などの方式で焦点を合わせ
てもかまわない。
【0055】Z軸ステージ移動装置12から操作指令部
14へAF終了信号が与えられると、操作指令部14
は、粒子演算装置9に粒子測定開始信号を与え、撮像装
置8により得られた積層の画面内の粒子数を測定する。
この積層粒子数は、膜厚演算装置10の記憶部101に
蓄えられる。
【0056】粒子演算装置9から操作指令部14へ粒子
測定終了信号が与えられると、操作指令部14はZ軸ス
テージ移動装置12へ移動開始信号を与え、焦点が基層
2に合うようにステージ5を対物レンズに近づく方向に
9μm上昇させる。この移動量は積層3の影響をなるべ
く受けずに基層2の粒子濃度を測定できるものが好まし
く、本実施例ではフィルム断面において、厚さ方向の中
間地点を測定するようにした。XY軸ステージ移動装置
13から操作指令部14へ移動終了信号が与えられる
と、操作指令部14は粒子演算装置9に粒子測定開始信
号を与え、撮像装置8により得られた基層2の画面内の
粒子数を測定する。この基層粒子数は、膜厚演算装置1
0の記憶部101に蓄えられる。
【0057】粒子演算装置9から操作指令部14へ粒子
測定終了信号が与えられると、操作指令部14は膜厚演
算装置10に演算開始信号を与え、膜厚演算装置10の
演算部102は、積層粒子数、基層粒子数から膜厚計算
式数4により積層膜厚を計算する。
【0058】そして、膜厚演算装置10から操作指令部
14へ演算終了信号が与えられると、操作指令部14は
XY軸ステージ移動装置13に移動開始信号を与え、X
Y軸ステージ移動装置13は、フィルムの異なる場所に
ついて積層粒子数、基層粒子数を測定できるように予め
設定された量だけステージ5を照明光の光軸に直交する
平面内で移動させる。XY軸ステージ移動装置13から
操作指令部14へ移動終了信号が与えられると、操作指
令部14は、再びZ軸ステージ移動装置12にAF開始
信号を与え、前述と同様の動作で25点の積層膜厚を順
次計算していく。計算された積層膜厚は、膜厚演算装置
10の記憶部101に蓄えられ、平均値をそのフィルム
の積層膜厚として、表示装置11に表示する。上記平均
をとるのは、25点の積層膜厚の分散値を、フィルム表
面状態均一さの評価値として使用するためと、測定精度
を向上させるためである。
【0059】膜厚計算式数4の係数は、予め積層膜厚の
判っている複数の積層膜厚、基層粒子濃度を振ったサン
プルについて測定を行い、積層粒子数、基層粒子数を求
め、これらの測定値から最小自乗法より算出する。
【0060】
【発明の効果】請求項1の物体又は空間の物理的特性測
定方法によれば、測定対象の物体又は空間が、例えば積
層と基層の材質が同じで、かつ基層の粒子濃度が変化す
る複合フィルムの積層膜厚であり、従来のヘイズ値測定
法による測定が不可能である場合にも、積層膜厚が測定
可能になるという優れた効果を有する。
【0061】また、積層の粒子濃度が低く電子顕微鏡に
よる断面測定法では精度よく測定できない場合も、フィ
ルムに何らの前処理を施すこと無く、容易にかつ短時間
で精度よく積層膜厚が測定可能となる優れた効果を有す
る。
【0062】請求項2の測定方法によれば、前記物体又
は空間に含まれる特定範囲に存在する粒子数を前記粒子
演算装置で測定し、得られた粒子数から前記物体又は空
間の粒子濃度を求めるので、検出器等を挿入することな
く非破壊で前記特定範囲内の平均粒子濃度の測定が可能
となる優れた効果が得られる。
【0063】請求項3の測定方法によれば、共に膜厚が
既知もしくは変化しない物体又は空間の内部に存在する
粒子数を前記粒子演算装置で測定し、得られた粒子数か
ら前記物体又は空間の粒子濃度を求めるので、検出器等
を挿入することなく非破壊で前記特定範囲内の平均粒子
濃度の測定が可能となる優れた効果が得られる。
【0064】請求項4の測定方法によれば、共に粒子濃
度が既知もしくは変化しない物体又は空間の内部に存在
する粒子数を前記粒子演算装置で測定し、得られた粒子
数から前記物体又は空間の膜厚を求めるので、検出器等
を挿入することなく非破壊で前記特定範囲内の平均膜厚
の測定が可能となる優れた効果が得られる。
【0065】請求項5の測定方法によれば、前記透明な
物体又は空間は、少なくとも1層に粒子を含む層が積層
されている多層膜であり、前記粒子演算装置で多層膜内
部の粒子数を前記多層膜の厚み方向の複数箇所で測定
し、得られた粒子数から前記粒子を含む層の膜厚又は粒
子濃度を求めるので、粒子を含む層の前記特定範囲内の
平均膜厚又は平均粒子濃度の測定が可能となる優れた効
果が得られる。
【0066】請求項6の物体又は空間の物理的特性測定
装置によれば、測定装置をXYZ軸ステージ、照明装
置、レンズ系、撮像装置、Z軸ステージ移動装置、XY
軸ステージ移動装置、操作指令部、粒子演算装置及び膜
厚演算装置で構成したので、測定対象の透明な物体又は
空間が、例えば少なくとも基層と積層とからなる多層構
造の合成樹脂フィルムのようなものであっても、基層の
粒子濃度の如何に拘らずその補正が可能であると共に、
作業者の熟練に何ら頼らずして短時間で積層膜厚、基層
粒子濃度などの物理的特性を容易に測定できる。
【0067】請求項7の測定装置によれば、前記照明装
置に暗視野照明装置を、前記レンズ系に光学顕微鏡を用
い、前記暗視野照明装置にて前記積層および基層内部を
照射し、前記光学顕微鏡にて前記積層および基層に焦点
を合わせ、前記撮像装置にて前記積層および基層の画像
を撮像し、該撮像内に存在する粒子数を粒子演算装置に
て演算し、その粒子数より前記膜厚演算装置にて前記積
層膜厚を求めるので、例えば少なくとも基層と積層とか
らなる多層構造の合成樹脂フィルムのようなものであっ
ても、基層の粒子濃度の如何に拘らずその補正が可能で
あると共に、作業者の熟練に何ら頼らずして短時間で積
層膜厚の測定が可能となる優れた効果が得られる。
【0068】請求項8の測定装置によれば、前記照明装
置によって照明された該反射板からの輝度を測定し、前
記粒子演算装置の2値化レベルを変化させることで、点
灯電圧による照明強度の調整を行えない照明装置であっ
ても、照明の劣化を補正することにができ、精度の高い
膜厚、粒子濃度の測定が可能となる優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定対象の断面図である。
【図2】本発明の測定装置の全体模式図である。
【図3】レンズ系のピント面と輝度レベルとの関係を示
す模式図である。
【図4】膜厚と測定範囲を示す図である。
【図5】膜厚と測定範囲を示す図である。
【図6】積層にピントを合わせたときの測定範囲を示す
図である。
【図7】積層膜厚と粒子数の関係を示す図である。
【図8】基層粒子濃度と粒子数の関係を示す図である。
【図9】基層にピントを合わせたときの測定範囲を示す
図である。
【図10】基層粒子濃度と粒子数の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1……複合フィルム1 2……基層 3……積層 4……粒子 5……XYZ軸ステージ 6……照明装置 7……レンズ系(光学顕微鏡) 8……撮像装置 9……粒子演算装置 10……膜厚演算装置 11……表示装置 12……Z軸ステージ移動装置 13……XY軸ステージ移動装置 14……操作司令部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 勉 静岡県三島市4845番地 東レ株式会社三島 工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共に内部に複数の粒子が存在する透明な物
    体又は空間の膜厚、粒子濃度等の物理的特性を測定する
    物体又は空間の物理的特性測定方法であって、 前記物体又は空間内部に照明装置で光を照射し、その反
    射光をレンズ系によって拡大した後、撮像装置上に結像
    させ、次いで該結像から得られた前記レンズ系の焦点付
    近に存在する粒子数を粒子演算装置及び膜厚演算装置に
    よって演算することにより、前記物理的特性を求めるこ
    とを特徴とする物体又は空間の物理的特性測定方法。
  2. 【請求項2】前記物理的特性は、前記物体又は空間の粒
    子濃度であって、前記物体又は空間に含まれる特定範囲
    に存在する粒子数を前記粒子演算装置で測定し、得られ
    た粒子数から前記物体又は空間全体に存在する粒子の粒
    子濃度を求めることを特徴とする請求項1の物体又は空
    間の物理的特性測定方法。
  3. 【請求項3】記物理的特性は、共に膜厚が既知もしくは
    変化しない物体又は空間の粒子濃度であって、前記膜厚
    内部に存在する粒子数を前記粒子演算装置で測定し、得
    られた粒子数から前記物体又は空間の粒子濃度を求める
    ことを特徴とする請求項1の物体又は空間の物理的特性
    測定方法。
  4. 【請求項4】前記物理的特性は、共に粒子濃度が既知も
    しくは変化しない物体又は空間の膜厚であって、前記膜
    厚内部に存在する粒子数を前記粒子演算装置で測定し、
    得られた粒子数から前記物体又は空間の膜厚を求めるこ
    とを特徴とする請求項1の物体又は空間の物理的特性測
    定方法。
  5. 【請求項5】前記透明な物体又は空間は、少なくとも1
    層に粒子を含む層が積層されている多層膜であり、前記
    粒子演算装置で多層膜内部の粒子数を前記多層膜の厚み
    方向の複数箇所で測定し、得られた粒子数から前記粒子
    を含む層の膜厚又は粒子濃度を求めることを特徴とする
    請求項2、3又は4の物体又は空間の物理的特性測定方
    法。
  6. 【請求項6】共に内部に複数の粒子が存在する透明な物
    体又は空間の膜厚、粒子濃度等の物理的特性を測定する
    物体又は空間の物理的特性測定装置であって、 (A)前記透明な物体又は空間を載置するXYZ軸ステ
    ージと、 (B)前記透明な物体又は空間に光を照射してその内部
    を照明する照明装置と、 (C)前記透明な物体又は空間からの反射光を拡大する
    レンズ系と、 (D)該拡大された反射光を結像させ、電気映像信号に
    変換して出力する撮像装置と、 (E)該拡大された反射光を前記撮像装置で結像させる
    ため前記XYZ軸ステージを前記照射光の光軸方向に昇
    降させるZ軸ステージ移動装置と、 (F)前記透明な物体又は空間を複数点測定するため前
    記XYZ軸ステージを前記光軸と直交する平面内に移動
    させるXY軸ステージ移動装置と、 (G)前記電気映像信号に基づいて、前記物体又は空間
    内に存在する粒子数を演算し、そのデータを出力する粒
    子演算装置と、 (H)前記粒子演算装置から出力されたデータに基づい
    て、前記物体又は空間の膜厚を演算し、そのデータを出
    力する膜厚演算装置と、 (I)予め決められた手順に基づいて、前記Z軸ステー
    ジ移動装置とXY軸ステージ移動装置と粒子演算装置と
    膜厚演算装置とに操作指令を与える操作指令部と、 を備えてなることを特徴とする物体又は空間の物理的特
    性測定装置。
  7. 【請求項7】前記透明な物体又は空間は、基層と積層と
    からなる少なくとも2層構造の合成樹脂フィルムであっ
    て前記積層内部に粒子を含み、かつその粒子濃度が既知
    もしくは変化しないものであり、前記照明装置は、暗視
    野照明装置であり、前記レンズ系は、光学顕微鏡であ
    り、前記暗視野照明装置にて前記積層および基層内部を
    照射し、前記光学顕微鏡にて前記積層および基層に焦点
    を合わせ、前記撮像装置にて前記積層および基層の画像
    を撮像し、該撮像内に存在する粒子数を粒子演算装置に
    て演算し、その粒子数より前記膜厚演算装置にて前記積
    層の膜厚を求めることを特徴とする請求項6の物体又は
    空間の物理的特性測定装置。
  8. 【請求項8】前記XYZステージに反射板を設け、前記
    照明装置によって照明された該反射板からの輝度を測定
    し、前記粒子演算装置の2値化レベルを変化させること
    により、前記照明装置の照明の劣化を補正することを特
    徴とする請求項7の物体又は空間の物理的特性測定装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008309806A (ja) * 2008-09-29 2008-12-25 Hitachi High-Technologies Corp 異物検出装置

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