JPH08216315A - 液晶表示装置用偏光板 - Google Patents

液晶表示装置用偏光板

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JPH08216315A
JPH08216315A JP7049177A JP4917795A JPH08216315A JP H08216315 A JPH08216315 A JP H08216315A JP 7049177 A JP7049177 A JP 7049177A JP 4917795 A JP4917795 A JP 4917795A JP H08216315 A JPH08216315 A JP H08216315A
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polarizing plate
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liquid crystal
vinyl acetate
ethylene
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JP7049177A
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Yasuhiro Morimura
泰大 森村
Hideshi Kotsubo
秀史 小坪
喬栄 ▲吉▼田
Takashige Yoshida
Kiyomi Sasaki
清美 笹木
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 偏光フィルム1に保護フィルム2を接着、被
覆してなり、液晶表示装置の液晶セル表面基板に積層さ
れる偏光板4において、偏光フィルム1と保護フィルム
2とをエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする熱
硬化性接着剤3により接着したことを特徴とする。 【効果】 本発明による偏光板は、熱硬化性接着剤層が
柔軟性、弾性、耐衝撃性に富み、かつ接着力が高いの
で、偏光板全体としての強度や信頼性が極めて向上した
ものである。また、加工が低温で行えるので、耐熱限界
の低い偏光フィルム層に何ら悪影響を及ぼすことなく、
貼り合わせ加工を行うことができる。しかも、偏光フィ
ルムや保護フィルムの表面を膨潤させたり、これをあら
したりすることもないため、偏光板としての機能を何ら
低減させることなく、貼り合わせを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オプトエレクトロニク
ス分野において、液晶分子の電場による応答性を利用し
た表示を目的とする液晶表示装置に使用される液晶表示
装置用偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、一面に透明電極及び配向層を形成した2枚の基板の
前記配向層を対向配置させ、その間に液晶層を介在させ
ると共に、一方の基板の他面に偏光板を接着した液晶表
示装置(LCD)が広く使用されている。この場合、偏
光板は、図1に示したように、偏光フィルム1の両面に
保護フィルム2,2を接着剤3,3により接着した構成
を有するものが多く用いられているが、従来、偏光フィ
ルムとその保護フィルムとを貼り合わせる接着剤に感圧
型接着剤を用いる技術(特開昭57−195208号公
報、特開平3−12471号公報)とビニルモノマー又
はオリゴマーを主成分とする液状物を用いる技術(特開
昭58−171007号公報、日東電工(株))が知ら
れている。
【0003】しかし、感圧型接着剤(粘着剤)を用いた
場合、偏光板の耐熱、耐湿熱等の耐久性が著しく低く、
かつ接着力も低いという問題がある。
【0004】一方、ビニルモノマー又はオリゴマーを主
成分とする液状物を用いた場合、 偏光板の構成要素である偏光フィルム層やその保護フ
ィルムをビニルモノマーやオリゴマーが膨潤させ、光学
的に歪みを生じさせる、 ビニルモノマーがアクリル系であるため硬化後の膜
(接着剤層)が硬く、もろく、割れやすい。携帯端末に
使用される液晶表示装置には耐衝撃性(落下時の)が要
求されており、この用途には不向きであり、用途が極め
て限定される、 偏光フィルムや保護フィルムとの密着性が低い、 接着剤が液状であるため、偏光フィルムの偏光度を向
上させる機能を全く有していないという問題がある。
【0005】本発明は上記従来の欠点を解消すべくなさ
れたもので、接着及び各種耐久性に富み、高信頼性を有
する液晶表示装置用偏光板を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、上記偏
光フィルムと保護フィルムとの接着にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を主成分とした熱硬化性接着剤を用いた場
合、 偏光フィルムと保護層を強固に接着させる、 耐熱、耐湿熱、耐冷熱サイクル等の各種耐久性に優れ
る、 偏光フィルムや保護層の光学的機能に何ら影響を与え
ることなく、貼り合わせができる、 偏光フィルムの偏光度を向上させる機能を有する、 硬化膜が柔軟で、かつ弾性に富むため、外部からの衝
撃や変形に対し抵抗力を有するという優れた効果を有
し、高信頼性を有する偏光板が得られることを知見し、
本発明をなすに至ったものである。
【0007】従って、本発明は、偏光フィルムに保護フ
ィルムを接着、被覆してなり、液晶表示装置の液晶セル
表面基板に積層される偏光板において、前記偏光フィル
ムと保護フィルムとをエチレン−酢酸ビニル共重合体を
主成分とする熱硬化性接着剤により接着したことを特徴
とする液晶表示装置用偏光板を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の偏光板は、例えば上述した図1に示す如き構成の偏
光板において、その偏光フィルム1と保護フィルム2と
を接着する接着剤として、エチレン−酢酸ビニル共重合
体を主成分とする熱硬化性接着剤を用いたことを特徴と
している。ここで、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢
酸ビニル含有率は10〜50重量%であることが好まし
く、更に好ましくは14〜45重量%である。酢酸ビニ
ル含有率が10重量%より低いと、加熱硬化させた接着
層の透明度や光学的均一性が充分とならず、一方50重
量%を超えると透明度や光学的均一性は良好となるが、
接着層の強度や耐久性が著しく低下してしまう傾向とな
る。
【0009】本発明による接着剤には、その硬化のため
に有機過酸化物が添加される。添加される有機過酸化物
としては、70℃以上の温度で分解してラジカルを生ず
るものであればいずれも使用可能であるが、半減期10
時間の分解温度が50℃以上のものがより好ましく、成
膜加工温度、架橋温度、貯蔵安定性等を考慮して選択使
用することができる。
【0010】使用可能な過酸化物としては、例えば2,
5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロキシパーオ
キサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3;ジ−t−ブチルパーオキサ
イド;t−ブチルクミルパーオキサイド;2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;
ジクミルパーオキサイド;α,α´−ビス(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,
4−ビス−(t−ブチルパーオキシ)バレレート;2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト;ベンゾイルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ
アセテート;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;メチルエチ
ルケトンパーオキサイド;t−ブチルハイドロパーオキ
サイド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;ヒドロ
キシヘプチルパーオキサイド;クロルヘキサノンパーオ
キサイド;オクタノイルパーオキサイド;デカノイルパ
ーオキサイド;ラウロイルパーオキサイド;クミルパー
オキシオクトエート;サクシニックアジットパーオキサ
イド;アセチルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ
(2−エチルヘキサノエート);m−トルオイルパーオ
キサイド;ベンゾイルパーオキサイド;t−ブチルパー
オキシイソブチレート;2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイドなどが挙げられる。
【0011】有機過酸化物としては、これらのうちの1
種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、
その添加量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重
量部に対し0.1〜10重量部で十分である。
【0012】また、本発明の接着剤には、接着促進剤と
してシランカップリング剤を添加することができる。こ
のシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキ
シシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどがあり、これらの1種を
単独で又は2種以上を混合して用いることができる。こ
れらシランカップリング剤の添加量は、エチレン−酢酸
ビニル共重合体100重量部に対し通常0.01〜5重
量部で充分である。
【0013】更に、本発明の熱硬化性接着剤の物性(機
械的強度、光学的特性、接着性、耐熱性、耐湿熱性、耐
候性、架橋速度)などの改良や調節のために、本発明に
おいては、アクリロキシ基、メタクリロキシ基又はアリ
ル基含有化合物を添加することができる。
【0014】この目的に供せられる化合物としては、ア
クリル酸あるいはメタアクリル酸誘導体、例えばそのエ
ステルやアミドが最も一般的である。この場合、エステ
ル残基としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリ
ル、ラウリルのようなアルキル基の他に、シクロヘキシ
ル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2
−ヒドロエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−ク
ロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。ま
た、アクリル酸又はメタクリル酸とエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等の多官能アルコールとのエステルも同様に
用いられる。アミドとしては、アクリルアミドが代表的
である。また、アリル基含有化合物としては、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル
酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリ
ル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対し
0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部添
加して用いられる。0.1重量部未満であると前記機械
的強度向上という改良効果を低下させることがあり、5
0重量部を超えると接着剤の調製時の作業性や製膜性を
低下させることがある。
【0015】なおまた、本発明の接着剤には、加工性や
貼り合わせ等の加工性向上の目的で炭化水素樹脂を添加
することができる。この場合、添加される炭化水素樹脂
は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでも差支えない。天
然樹脂系ではロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が
好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トール油系
樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導
体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、
エステル化、金属塩化したものを用いることができる。
テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネンなどのテル
ペン系樹脂のほか、テルペンフェノール樹脂を用いるこ
とができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、
コーバル、シェラックを用いても差支えない。一方、合
成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン
系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石
油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合
系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、
クマロンインデン樹脂を用いることができる。フェノー
ル系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール
樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレ
ン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
【0016】上記炭化水素樹脂の添加量は適宜選択され
るが、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対
して1〜200重量部が好ましく、より好ましくは5〜
150重量部である。
【0017】以上の添加剤の他、本発明の熱硬化性接着
剤は紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤等を少
量含んでいても良い。また、場合によってはシリカゲ
ル、炭酸カルシウム、シリコン共重合体の微粒子等の添
加剤を少量含んでも良い。
【0018】本発明の熱硬化性接着剤は、エチレン−酢
酸ビニル共重合体と上述の添加剤とを均一に混合し、押
出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、T
ダイ押出、インフレーション等の製膜法により所定の形
状に製膜して用いることができる。なお、製膜に際して
はブロッキング防止、偏光フィルムあるいは保護フィル
ムとの圧着時の脱気を容易にするため、エンボス加工を
施しても良い。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体と
上述の添加剤とを保護フィルムや偏光フィルムに何ら影
響を及ぼさない溶媒に均一に溶解させ、溶液タイプの接
着剤として用いることもでき、フィルムの表面に均一に
塗布し、仮圧着した後、加熱して接着硬化させることが
できる。
【0019】本発明の偏光板に用いられる偏光フィルム
には、何ら制限はなく、ポリビニルアルコール、ケン化
EVA等のヒドロキシ基を含有する親水性ポリマーにヨ
ウ素及び/又は二色性染料を吸着、配向、延伸させた一
般の偏光フィルムが用いられる。また、その保護フィル
ムにも何ら制限はなく、市販のセルロース系やポリエス
テル系、ポリカーボネート系フィルム等が好適に用いら
れる。
【0020】本発明の熱硬化性接着剤の硬化条件として
は、用いる有機過酸化物の種類に依存するが、70〜1
70℃、特に70〜150℃で2〜60分、特に5〜3
0分とすることが好ましい。この場合、硬化は好ましく
は0.01〜50kgf/mm2、特に0.1〜20k
gf/mm2の加圧下で行うことが推奨される。
【0021】
【発明の効果】本発明による偏光板は、熱硬化性接着剤
層が柔軟性、弾性、耐衝撃性に富み、かつ接着力が高い
ので、偏光板全体としての強度や信頼性が極めて向上し
たものである。また、加工が低温で行えるので、耐熱限
界の低い偏光フィルム層に何ら悪影響を及ぼすことな
く、貼り合わせ加工を行うことができる。しかも、アク
リル系モノマーを多量に含有する従来の液状接着剤のよ
うに、偏光フィルムや保護フィルムの表面を膨潤させた
り、これをあらしたりすることもないため、偏光板とし
ての機能を何ら低減させることなく、貼り合わせを行う
ことができる。さらに、耐熱、耐湿熱、耐冷熱サイクル
いった耐久性の面においては、熱硬化によって架橋した
エチレン−酢酸ビニル共重合体が耐熱性及び耐冷熱サイ
クル性に富み、特に水分や湿気の侵入を防止し得るの
で、湿気に弱い偏光フィルムの劣化が十分に防げる。こ
のことは、従来のアクリル系モノマー又はオリゴマーを
主成分とする液状接着剤には認められず、特に好ましい
点である。また、本発明の熱硬化性接着剤をT−ダイや
カレンダーロール等を用いて製膜した場合、エチレン−
酢酸ビニル共重合体の分子軸が製膜方向に一様に並ぶ傾
向があり、この性質が、偏光フィルムの偏光度に加算さ
れ、偏光板全体の偏光度を向上させるという効果も発揮
する。
【0022】
【実施例】以下、実施例と比較例とを示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0023】[実施例1]エチレン−酢酸ビニル共重合
体(東ソー社製 ウルトラセン627:酢酸ビニル含量
20%)100重量部に対し、ラウロイルパーオキサイ
ドを1重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランを0.5重量部、トリアリルイソシアヌレートを
5重量部混合し、40mm押出機にて50μm厚さの接
着フィルムAを作製した。ついで、図1に示したよう
に、この接着フィルムAを介して、偏光フィルム及び厚
さ50μmのトリアセテートフィルム製の保護フィルム
を重ね合わせた。この積層体を熱プレス間にセットし、
90℃で15分間、0.5kg/cm2の圧力で加熱加
圧し、偏光板Aを得た。
【0024】[実施例2]エチレン−酢酸ビニル共重合
体(東ソー社製 ウルトラセン760:酢酸ビニル含量
42%)100重量部に対し、ベンゾイルパーオキサイ
ドを2重量部、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシ
ランを2重量部、エチレングリコールジメタクリレート
20重量部を60℃のトルエン溶媒中で均一に溶解さ
せ、溶質濃度15重量%の接着剤溶液Bを作製した。
【0025】この溶液Bを保護フィルムである2枚の一
軸延伸ポリエステルフィルム上に塗布し、バーコート法
により均一な厚みの塗膜を得た。50℃のオーブン中で
1時間トルエン成分を揮散させ、ドライ厚みで25μm
の乾燥接着層を得た。偏光フィルムをこれら2枚の一軸
延伸ポリエステルフィルム間に介装し、ゴム袋中にて、
真空状態で90℃、30分間の加熱を行った。その後、
積層体をゴム袋より取り出し、偏光板Bを得た。
【0026】[実施例3]エチレン−酢酸ビニル共重合
体(東ソー社製 ウルトラセン634:酢酸ビニル含量
26%)100重量部に対し、1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンを5重量部、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシ
ランを5重量部、脂環族系炭化水素樹脂アルコンM−1
00(荒川化学工業社製)を30重量部、ネオペンチル
グリコールジアクリレート5重量部を70℃に設定した
ロールミルで混練し、電熱プレスにより80℃×15分
間、50kg/cm2の圧力をかけて100μmの膜厚
の接着フィルムCを作製した。実施例1と同様の方法で
偏光フィルム及びトリアセチルセルロース保護フィルム
を一体化し、偏光板Cを得た。
【0027】[比較例1]トリアセチルセルロース保護
フィルムの片面にメタクリル酸メチル100重量部、メ
タクリル酸グリシジル10重量部、アゾビスイソブチリ
ロニトリル1重量部からなる混合液状物を塗布し、偏光
フィルムの両面に貼り合わせて圧着し、90℃に保持し
たオーブン中に60分間放置して偏光板Dを得た。
【0028】以上、4種の偏光板について、耐熱性、耐
湿熱性の試験を実施し、剥離やズレ、発泡等の外観異常
の有無を調べた。これらの結果を表1にまとめた。
【0029】なお、上述の異常が認められなかった場合
は合格、そうでない場合を不合格と判定した。
【0030】
【表1】
【0031】実施例A〜Cの偏光板は、作製後の目視検
査ではいずれもゆがみや凹凸のない、フラットな積層体
であった。これに対し、比較例の偏光板Dでは、アクリ
ルモノマーによると思われる構成部材表面への溶解や膨
潤により接合面の境界層に光学的ゆらぎを生じ、このた
め透過像が歪んで見えるという不具合が観察された。
【0032】また、表1の結果で明らかなように、本発
明による偏光板は、いずれも構成部材に対する高い接着
性とエチレン−酢酸ビニル共重合体内に形成された架橋
構造による高い耐久性により、耐熱、耐湿熱の両試験で
なんら異常は認められず、実用上高い信頼性を有してい
ることがわかった。ところが、比較例の場合は、両試験
により、偏光フィルムと保護層との間に0.5〜1.0
mm程度のズレと耐湿熱試験ではエッジ部から5mm程
度の接着剥離が観察された。
【0033】以上のことから、本発明により接着及び各
種耐久性に富み、信頼性の高い偏光板の提供が可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光板の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 偏光フィルム 2 保護フィルム 3 接着剤 4 偏光板
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09J 4/06 JBN C09J 4/06 JBN 123/08 JCH 123/08 JCH 131/04 131/04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光フィルムに保護フィルムを接着、被
    覆してなり、液晶表示装置の液晶セル表面基板に積層さ
    れる偏光板において、前記偏光フィルムと保護フィルム
    とをエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする熱硬
    化性接着剤により接着したことを特徴とする液晶表示装
    置用偏光板。
  2. 【請求項2】 熱硬化性接着剤が、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体100重量部に対し、有機過酸化物を0.1
    〜10重量部、シランカップリング剤を0.01〜5重
    量部添加してなることを特徴とする請求項1記載の液晶
    表示装置用偏光板。
  3. 【請求項3】 熱硬化性接着剤が、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体100重量部に対し、アクリロキシ基含有化
    合物、メタクリロキシ基含有化合物及びアリル基含有化
    合物のうち少なくとも1つを0.1〜50重量部添加し
    てなることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示
    装置用偏光板。
  4. 【請求項4】 熱硬化性接着剤が、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体100重量部に対し、炭化水素樹脂を1〜2
    00重量部添加してなることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項記載の液晶表示装置用偏光板。
  5. 【請求項5】 エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビ
    ニル含有率が10〜50重量%であることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか1項記載の液晶表示装置用偏
    光板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013073142A1 (ja) * 2011-11-15 2013-05-23 三井・デュポンポリケミカル株式会社 感圧型粘着フィルムまたはシート、表面保護フィルムまたはシート、および感圧型粘着フィルムまたはシートを物品の表面を保護するために使用する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013073142A1 (ja) * 2011-11-15 2013-05-23 三井・デュポンポリケミカル株式会社 感圧型粘着フィルムまたはシート、表面保護フィルムまたはシート、および感圧型粘着フィルムまたはシートを物品の表面を保護するために使用する方法

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