JPH08216289A - 更生タイヤの製造方法 - Google Patents

更生タイヤの製造方法

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JPH08216289A
JPH08216289A JP7053658A JP5365895A JPH08216289A JP H08216289 A JPH08216289 A JP H08216289A JP 7053658 A JP7053658 A JP 7053658A JP 5365895 A JP5365895 A JP 5365895A JP H08216289 A JPH08216289 A JP H08216289A
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    • B29C35/08Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould by wave energy or particle radiation
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Abstract

(57)【要約】 【目的】形成される更生タイヤの品質を高めかつ更生に
要する製造コストの低減を図る。 【構成】カーカス6およびベルト層7又はバンド層8な
どのタイヤ補強部材9を有する台タイヤ2のトレッド更
生面4に、加硫されたリトレット部材3を貼着する更生
タイヤの製造方法であって、前記台タイヤは、前記トレ
ッド更生面に近い前記タイヤ補強部材をスチールコード
を用いて形成し、かつ前記台タイヤのトレッド更生面と
リトレット部材との間に生ゴム系接着剤からなる接着層
10を介在させるとともに、前記スチールコードからな
るタイヤ補強部材を、高周波加熱により加熱することに
より接着層を加硫し、台タイヤと、リトレット部材とを
一体化する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレッドゴムへの熱影
響を抑制しつつリトレット部材を貼着でき、品質を高め
るとともに加硫時における加硫時間を短縮でき、経済的
に製造しうる更生タイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用タイヤ、殊にトラック、バス用
など重荷重用タイヤにあっては、タイヤ経費節減のた
め、トレッド部が摩耗することにより用済みとなったタ
イヤを、トレッド部を交換し再利用を図るいわゆる更生
タイヤが増加しつつある。
【0003】従来、タイヤを更生するには、図5に示す
ように摩耗又は破損したトレッド部を取除いた台タイヤ
aに新品タイヤと略同質のリトレット部材bを貼合わせ
た後、この台タイヤaとリトレット部材bとを加硫金型
dを用いて加硫成形し、両者を接着するとともに、リト
レット部材bにトレッド溝eを加工するなどトレッド部
の成形加工を併せて行うリモールド方式による更生方法
が用いられていた。
【0004】しかし前記リモールド方式では、未加硫の
トレッド部材と加硫済みの台タイヤとを同時に加硫する
ため、加硫後のタイヤは、トレッド部と台タイヤとの間
にゴム特性値に差が生じることとなり、接地圧に不均等
が生じがちであるため、新品タイヤに比べて耐摩耗性、
耐偏摩耗性が低く耐久性に劣る。
【0005】そこで、リトレット部材として予めパター
ンを形成しかつ加硫を施したリトレット用のゴムを台タ
イヤに貼付け更生タイヤを製造するいわゆるプリキュア
方式が提案されている。
【0006】この方式を用いた場合は、前記リトレット
部材は加硫済みであることによって、最終の加硫工程は
台タイヤとリトレット部材とを接着剤などを用いて貼合
わせてかつ両者をシート状のエンベロープで覆った台タ
イヤを加硫する方法である。
【0007】このプリキュア方式は、前述のリモールド
方式のような大掛りな加硫金型を必要とせず簡易な装置
でしかも複数個同時に加硫できるなど製法上の利点があ
り、しかもプリキュア方式により更生されたタイヤは、
トレッド再生ゴムシート及び台タイヤはともに加硫済み
の部材を用いてかつ両部材を接合しかつ一体化し形成さ
れたものであるため、均質なタイヤが得られることによ
り、リモールド方式で更生されたタイヤに比べて耐摩耗
性、耐偏摩耗性に優れ耐久性が高まるという利点があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このプリキュ
ア方式は、両部材の接合に際し、台タイヤとリトレット
部材とを嵌め合わせてかつ全体を加熱する方法であるた
め、又台タイヤのトレッド部及びリトレット部材はとも
に熱伝導度の低いゴムを用いて形成されているため、境
界面を加熱するためには、台タイヤ、リトレット部材と
もに高温に加温する必要があり、又接合面全体を均等温
度に加温することは、作業上困難を伴う。このように、
トレッド部を過温することによって、トレッドゴムが変
質し、ゴムの物性値が低下するため、耐摩耗性が劣ると
いう問題がある。
【0009】発明者は前記問題点の解決を図るべく研究
を重ねた結果、カーカス、ベルト層などのタイヤ補強部
材にスチールコードを用いて形成したタイヤにおいて
は、このスチールコードに外部からの電磁誘導による渦
電流を生じさせスチールコードを発熱させることにより
接合面を効率よく、かつトレッドゴムを過熱することな
く昇温させうることを見出し本発明を完成させたのであ
る。
【0010】本発明は、台タイヤとリトレット部材とを
トレッドゴムのゴム特性を低下させることなく接合で
き、品質を高めかつ加硫時間を節減でき経済的に製造し
うる更生タイヤの製造方法の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、カーカスおよ
びベルト層又はバンド層などのタイヤ補強部材を有する
台タイヤのトレッド更生面に、加硫されたリトレット部
材を貼着する更生タイヤの製造方法であって、前記台タ
イヤは、前記トレッド更生面に近い前記タイヤ補強部材
をスチールコードを用いて形成し、かつ前記台タイヤの
トレッド更生面とリトレット部材との間に生ゴム系接着
剤からなる接着層を介在させるとともに、前記スチール
コードからなるタイヤ補強部材を、高周波加熱により加
熱することにより接着層を加硫し、台タイヤと、リトレ
ット部材とを一体化することを特徴とする更生タイヤの
製造方法である。
【0012】なお、タイヤ補強部材としてスチールコー
ドを用いて形成されたカーカス、ベルト層、さらにはバ
ンド層にスチールコードを用いた場合にはそのバンド層
を含めそれらの何れであってもよい。
【0013】又高周波加熱に必要な高周波電力は周波数
が10kHz〜3MHz、出力が500W〜50kwの
範囲とするのが好ましい。
【0014】
【作用】リトレット部材は、予め加硫されているため、
更生タイヤとして形成されたトレッド部はゴム質が緻密
となり耐摩耗性に優れた更生タイヤを形成しうる。
【0015】本発明の製造方法は、台タイヤのトレッド
更生面とリトレット部材との間に生ゴム系接着剤からな
る接着層を介在させるとともに、スチールコードからな
るタイヤ補強部材を高周波加熱により加熱することによ
り接着層を加硫し、一体化する方法である。
【0016】これによって、スチールコードは電磁誘導
により生じた電流により、周囲のトレッドゴムに比して
より早期にかつより高温に、しかも高効率で昇温し、こ
れによってスチールコードの熱は、その近傍に位置する
接着層を効率よく加熱することが出来る。このように接
着層を加熱しかつ加硫することによって、台タイヤとリ
トレット部材とは強固に一体化される。
【0017】従って、従来のプリキュア方式のように台
タイヤのトレッド部及びリトレット部材の全体を高温に
加温する必要がないため、トレッドゴムの変質を防止で
きゴム特性値を保持しうることによって、従来の更生タ
イヤに比して耐摩耗性が向上する。さらに加硫時間が短
縮される結果、製造コストの低減を図りうる。
【0018】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1、2において更生タイヤ1は、トレッド面21
が摩耗し用済みとなった空気入りタイヤの残存トレッド
部をバフ等を用いて削除することにより得られたトレッ
ド更生面4を有する台タイヤ2と、この台タイヤ2に貼
着されるリトレット部材3とからなる。
【0019】前記台タイヤ2には、トレッド部22の両
端からタイヤ半径方向内方へのびるサイドウォール部2
3、23と、各サイドウォール部23の半径方向内方端
に位置する前記ビード部24とを具え、又各ビード部2
4、24間には、前記トレッド部22からサイドウォー
ル部23を通り両端がビード部24のビードコア25の
回りで折返して係止されるトロイド状のカーカス6が架
け渡されるとともに、その半径方向外側かつトレッド部
22内方には強靭なベルト層7が円周方向に巻装され、
タイヤを補強しかつ必要な剛性を付与している。
【0020】本実施例では前記カーカス6及びベルト層
7によって台タイヤ2を補強する補強部材9を形成す
る。なおベルト層7の半径方向外側にベルト層7のリフ
ティングを防止するバンド層8(図1に一点鎖線で示
す)を設けた場合にはこのバンド層8も前記補強部材9
に含まれる。
【0021】前記カーカス6は、本例では、1枚のカー
カスプライからなり、カーカスプライは、ナイロン、ポ
リエステル、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊
維又はスチールコードからなるカーカスコードをタイヤ
赤道Cに対して70〜90°の角度で傾けて並置したラ
ジアル、又はセミラジアル配列として形成される。
【0022】ベルト層7は、本例では、2枚のベルトプ
ライ7A、7Bからなり、各ベルトプライ7A、7B
は、スチールコードを間隔を有して平行に配したベルト
コードを各ベルトプライ7A、7B間では互いに交差す
る向きに配している。
【0023】なお前記ベルト層7は、前記トレッド更生
面4と小距離を隔ててかつ該トレッド更生面と略平行に
のびている。
【0024】リトレット部材3は、前記トレッド更生面
4と向き合う内向き面12と更生タイヤ1のトレッド面
13とを有するリング状体をなす。又、トレッド面13
には、周方向にのびる周方向溝を含む溝27が設けら
れ、このリトレット部材3は、台タイヤ2に嵌め合わせ
に先立ち前記溝27を含め定められた形状に予め成形さ
れるとともに、加硫処理が施される。
【0025】なお、リトレット部材3は、台タイヤ2の
トレッドゴムと略同質のゴムからなり、又加硫処理を行
うことによって前記トレッドゴムと同質のゴム特性を具
える。
【0026】前記台タイヤ2とリトレット部材3とを貼
着する手順について説明する。本例では次に述べる工程
により従って施行される。
【0027】(1)台タイヤ2の前記トレッド更生面4
に接着剤を塗布し接着層10を形成する。接着剤として
は加硫可能な生ゴム系接着剤が用いられる。
【0028】(2)台タイヤ2の更生面4を囲んでかつ
前記接着層10の外周に沿ってリトレット部材3を嵌め
合わせる。
【0029】(3)図3、図4に示すように高周波誘導
コイル15を収容した複数の加熱具16…をリトレット
部材3のトレッド面21に沿って配設する。
【0030】(4)加熱具16の前記高周波誘導コイル
15に高周波電流を通電し、その通電によりベルト層7
のスチールコードを電磁誘導により発熱させ、このスチ
ールコードに生じた熱により前記接着層を加温し、加硫
することにより、台タイヤ2とリトレット部材3とを接
着し一体化する。
【0031】前記加熱具16は、リトレット部材3を囲
んで周方向に複数個、本例では12ケ配されかつ該リト
レット部材3のトレッド面13を押圧する押圧面30の
対向側に、加熱具16を囲むリング状の基枠31からこ
の加熱具16に向かってのびるロッドを有する押圧具3
2が取付けられる。又前記基枠31は、台タイヤ2及び
リトレット部材3の装脱を容易とするため、複数片本例
では3片に分離可能に形成される。
【0032】高周波誘導コイル15に通電される高周波
電力は、通常の四輪車両用の更生タイヤにおいて、周波
数を10kHz〜3MHz、出力を500W〜50kw
とするのが好ましい。又これらの周波数、出力を調整す
ることによって、スチールコードの発熱量、スチールコ
ードの発熱に至るまでに要する時間、さらにはスチール
コードからの電熱により加熱される接着層の昇温温度等
を規制することが出来る。
【0033】又、通電により加熱する際には、嵌め合わ
された台タイヤ2及びリトレット部材3の両側面を図4
に示す如く断熱シート33、33によって覆うことによ
り、熱の発散を防止し、熱効率を高める。
【0034】然して、高周波誘導コイル15に通電する
ことにより、その電磁誘導によりベルト層7のスチール
コードが発熱する。なお、台タイヤ2のトレッドゴム、
及びリトレット部材3は、不伝導体のゴム材によって形
成されているため電磁誘導による発熱は少なく、前記ス
チールコードのみが昇温することとなる。
【0035】又、トレッド更生面4はベルト層7に近接
して形成されかつ両者は略平行にのびているため、スチ
ールコードの発熱による熱は、効率よく接着層10を昇
温することが出来、接着層10の昇温により台タイヤ2
とリトレッド部材3とは溶着しかつ加硫され強固に一体
化される。
【0036】なお、前記高周波誘導コイルは、リトレッ
ト部材3のトレッド面13に沿って周方向に巻回するよ
う形成してもよい。
【0037】さらに、前記補強部材9において、カーカ
ス6にスチールコードからなるカーカスコードを用いて
形成することが出来、このようにスチールコードからな
るカーカス6によって形成した場合は、ベルト層7を含
めてリトレットすることが可能となる。
【0038】又、ベルト層7の半径方向外側に図1に一
点鎖線で示すようにスチールコードを用いたバンド層8
を設けた場合には、このバンド層8のスチールコードが
誘導発熱することにより、接着層10を昇温できるた
め、ベルト層7に有機繊維コードを採用することが可能
となる。このように本発明の方法は種々な態様に変形し
うる。
【0039】
【発明の効果】叙上の如く本発明の更生タイヤの製造方
法は、台タイヤの補強部材にスチールコードを用いかつ
予め加硫されたリトレット部材と台タイヤとの間に接着
層を介在させるとともに、この補強部材を高周波数加熱
により加熱し接着層を加硫することを要旨とする方法で
あるため、トレッドゴムなどのゴム材の特性を劣化させ
ることなく、接着層を加温しかつ加硫でき、これによっ
て完成された更生タイヤの品質を高めるとともに、トレ
ッド部を全面的に加熱する従来の方法に比べて熱エネル
ギーを節減でき、加硫時間の短縮が可能となることによ
ってコストダウンを図りうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造された更生タイヤの一
実施例を示す断面図である。
【図2】その要部を示す分解断面図である。
【図3】高周波加熱に用いる装置の一例を示す正面図で
ある。
【図4】その部分断面図である。
【図5】従来の更生タイヤの加硫方法の概要を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 更生タイヤ 2 台タイヤ 3 リトレット材 4 トレッド更生面 6 カーカス 7 ベルト層 8 バンド層 9 補強部材 10 接着層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:24 B29L 30:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーカスおよびベルト層又はバンド層など
    のタイヤ補強部材を有する台タイヤのトレッド更生面
    に、加硫されたリトレット部材を貼着する更生タイヤの
    製造方法であって、 前記台タイヤは、前記トレッド更生面に近い前記タイヤ
    補強部材をスチールコードを用いて形成し、かつ前記台
    タイヤのトレッド更生面とリトレット部材との間に生ゴ
    ム系接着剤からなる接着層を介在させるとともに、 前記スチールコードからなるタイヤ補強部材を、高周波
    加熱により加熱することにより接着層を加硫し、台タイ
    ヤと、リトレット部材とを一体化することを特徴とする
    更生タイヤの製造方法。
  2. 【請求項2】前記スチールコードからなるタイヤ補強部
    材は、ベルト層であることを特徴とする請求項1記載の
    更生タイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】前記高周波加熱は、高周波電力の周波数が
    10kHz〜3MHz、出力が500W〜50KWであ
    ることを特徴とする請求項1記載の更生タイヤの製造方
    法。
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