JPH08216034A - 研磨材とそれを用いた研磨方法 - Google Patents

研磨材とそれを用いた研磨方法

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JPH08216034A
JPH08216034A JP2567095A JP2567095A JPH08216034A JP H08216034 A JPH08216034 A JP H08216034A JP 2567095 A JP2567095 A JP 2567095A JP 2567095 A JP2567095 A JP 2567095A JP H08216034 A JPH08216034 A JP H08216034A
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polishing
abrasive
wafer
weight
polished
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JP2567095A
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Hidemi Nishiyama
秀美 西山
Yoshihisa Kusunoki
義久 楠
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体ウエハを、面ダレ現象を抑制し、高精
度に研磨することができる研磨材とそれを用いた研磨方
法を提供する。 【構成】 この研磨材はとくにGaAsウエハの研磨に
用いて有効であり、JISK6301で規定する硬度が
50〜85である軟質ポリウレタン樹脂のマトリックス
60〜90重量%と、前記マトリックスの中に分散さ
れ、シリカ、アルミナ、炭化ケイ素の群から選ばれる少
なくとも1種の研磨砥粒10〜40重量%とから成る発
泡体であって、その嵩密度をD2 、発泡前の嵩密度をD
1 としたとき、D1 /D2 で示される発泡倍率が1.5〜
4.0の範囲に調整されていて、定盤2,3の互いの対向
面2a,3aに貼着され、キャリア5a,5bに保持さ
れた被研磨材4,4を研磨するために用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研磨材とそれを用いた
研磨方法に関し、更に詳しくは、GaAsウエハのよう
な化合物半導体ウエハを高精度、低コストで鏡面研磨す
ることができる研磨材とそれを用いた研磨方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】GaAsウエハのような半導体ウエハ
は、そのインゴットを所定の厚みにスライスし、得られ
たウエハの両面に鏡面研磨が施されたのち各種素子の基
板として実使用に供される。この鏡面研磨過程において
重要なことは、研磨後に得られたウエハの表面が高精度
の平滑面になっていることと、また研磨面の周縁部が中
心部よりも薄くなっていないこと、すなわち、いわゆる
面ダレ現象を起こしていないということである。
【0003】更に、研磨速度が速く研磨時の生産性が高
いことや、研磨時に用いる研磨液や研磨材の消耗量が少
ないことも、工業的には重要な問題である。このような
問題を考慮にいれて、従来から、半導体ウエハの鏡面研
磨に関しては各種の方法が提案されている。例えば、特
開昭64−71661号公報には、定盤の上に、ショア
硬度が72以上のウレタン製のパッドを基布として貼着
し、ここにGaAsウエハを圧接した状態で研磨砥粒と
エッチャントを含む研磨液を供給して研磨する方法が開
示されている。
【0004】また、特開平5−8178号公報には、フ
ェルト状繊維質シートを熱可塑性ポリウレタン樹脂で囲
繞して多孔質体とし、更に前記ポリウレタン樹脂より硬
質な樹脂をそこに充填せしめた複合材料の研磨材と、そ
れに半導体ウエハを圧接し、ここにシリカを研磨砥粒と
する研磨液を供給して研磨する方法が開示されている。
【0005】更に、特開平5−177539号公報に
は、上下に一対の定盤を備えていて、各定盤には微細繊
維から成る不織布タイプの研磨布が貼着されており、定
盤の間には自公転するキャリアが介装された構造の装置
を用いた研磨方法が開示されている。この装置を用いた
研磨作業においては、キャリアに形成されている孔に半
導体ウエハをセットした状態で上下の定盤によって当該
半導体ウエハを所定の面圧で挟みつけ、上定盤からシリ
カ砥粒などを界面活性剤に分散させて成る研磨液を半導
体ウエハと研磨布の間に供給しながらキャリアの自転・
公転を行わせ、定盤に貼着されている研磨布で半導体ウ
エハの研磨を進めていく。
【0006】上記した先行技術は、いずれも、研磨後の
ウエハにおける表面平滑性の向上と面ダレ現象の抑制を
主たる目的として開発されたものである。しかしなが
ら、これらの先行技術の研磨方法は概してその研磨速度
が遅く、必ずしも生産性が高いとはいえない。しかも、
研磨過程では、研磨面に高価な研磨液を常時流し続けな
ければならず、研磨液の大量使用が不可避であって研磨
コストは著しく高くなってしまうという問題がある。
【0007】この問題を解消するためには、使用済の研
磨液を循環方式で再利用することが考えられる。しかし
ながら、一度使用した研磨液を再使用して研磨すると、
ウエハの表面平滑性は悪くなり、得られたウエハは実使
用に耐え得なくなってしまう。一方、前記したタイプの
研磨材と異なり、研磨砥粒をポリウレタン樹脂のような
マトリックスの中に分散させたタイプの研磨材が知られ
ている。
【0008】例えば、特開昭60−80566号公報に
は、ダイヤモンド砥粒をレジノイド結合材で結合して砥
粒層とし、その砥粒層にポリウレタンゴムボンドで潤滑
剤を保持した構造の研磨材が提案されている。また、特
開昭62−297072号公報には、焼結アルミナのよ
うな無機系砥粒とポリウレタン弾性体とを一体化した構
造の砥石が提案されている。
【0009】このタイプの研磨材の場合は、研磨材それ
自体に研磨砥粒が含まれているので、前記したタイプの
場合のように外部から研磨液などを供給する必要がなく
なり、高価な研磨液が節約できるという点で研磨コスト
の低減に資する。また、研磨材のマトリックスはポリウ
レタン樹脂のような弾力性に富む材料で形成されている
ので、凹凸のある被研磨材の表面に対して良好に適合
し、研磨時の能率向上に資するという利点を備えてい
る。
【0010】しかしながら、これらの研磨材は、いずれ
も、窒化チタン系サーメットのような難研磨材や、スチ
ールのような高硬度材料を研磨対象として開発されたも
のであり、これら研磨材が前記した半導体ウエハのよう
な低硬度材料に対して要求されている表面平滑性などを
実現できるか否かは不明である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した各
先行技術における問題を解決し、研磨後のウエハの表面
平滑性は高精度であり、面ダレ現象も抑制されることは
勿論のこと、研磨速度は速く、また高価な研磨液を使用
することを必要とせず、コスト低減を実現することがで
きる研磨材とそれを用いた研磨方法の提供を目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段・作用】上記した目的を達
成するために、本発明においては、JISK6301で
規定する硬度が50〜85である軟質ポリウレタン樹脂
のマトリックス60〜90重量%と、前記マトリックス
の中に分散され、シリカ、アルミナ、炭化ケイ素の群か
ら選ばれる少なくとも1種の研磨砥粒10〜40重量%
とから成る研磨材であって、発泡倍率が1.5〜5.0の範
囲に調整されていることを特徴とする研磨材が提供され
る。また、互いの対向面に前記研磨材が貼着されている
上下一対の定盤で、キャリアに保持された被研磨材を圧
接し、前記一対の定盤と前記キャリアの間で相対的な平
面運動をさせることにより、前記被研磨材の両面を研磨
することを特徴とする研磨方法が提供される。
【0013】本発明の研磨材は、軟質ポリウレタン樹脂
をマトリックスとし、そのマトリックスの中に研磨砥粒
が分散していて、全体が発泡体構造になっている。そし
て、後述する研磨方法において、上下一対の定盤のそれ
ぞれの対向面に貼着され、これら定盤の間に位置する半
導体ウエハの面と圧接した状態で実使用に供される。本
発明の研磨材は、後述する樹脂組成物に後述の研磨砥粒
の所定量を配合し、得られた組成物全体を発泡させた発
泡体として製造される。
【0014】そして、マトリックスである軟質ポリウレ
タン樹脂の硬度は、JISK6301(発行日、昭和5
8年10月1日)が規定する硬度でA硬度50〜85の
範囲内に調整されている。この硬質ポリウレタン樹脂の
硬度は、後述するようなポリオールと鎖延長剤とイソシ
アネートとを配合して得られた無発泡のものについて測
定した値で規定する。
【0015】また、発泡倍率は1.5〜5.0に調整されて
いる。ここで、発泡倍率とは、後述する研磨砥粒が配合
された樹脂組成物に発泡剤を配合することなく無発泡の
硬化物を製造し、その重さと寸法から計算した嵩密度を
1 とし、同じ研磨砥粒が配合された樹脂組成物に発泡
剤を配合して発泡させた硬化物を製造し、その重さと寸
法から計算した嵩密度をD2 としたときに、D1 /D2
で示される値をいう。
【0016】上記した硬度が50未満の場合には、研磨
剤は全体として適度な弾力性をもってウエハを圧接して
いるので、ウエハの表面平滑性を高めることは可能であ
るが、他方では、ウエハの面周縁部と接触している部分
における厚みの変形度合は大きく、その結果、研磨後の
ウエハには面ダレ現象が生じやすくなる。また、この硬
度が85を超える場合には、全体として弾力性が乏し
く、そのため、面ダレ現象の発生は抑制されるが、他方
では、研磨砥粒の影響が大きく発現するようになって研
磨後のウエハの表面平滑性が低下する。
【0017】発泡倍率が5.0を超える研磨材は、その気
泡構造が粗であるため、研磨時における研磨速度は速く
なるが、他方ではウエハ表面を粗らしてしまい、研磨後
におけるウエハの表面平滑性を低下させる。また、発泡
倍率が1.5未満の場合には、その気泡構造は密であるた
め、ウエハの表面平滑性を高めるが、他方では研磨速度
が遅く、研磨時の生産性は低下する。
【0018】このマトリックスを形成する軟質ポリウレ
タン樹脂の出発原料としては、一般にフォーム用の原料
として使用されているものであればよい。すなわち、常
温で液状を呈する活性水素含有化合物と、1分子中に2
個以上のイソシアネート基を含有し、常温または少しの
加温で液状を呈する例えば4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネートのようなイソシアネートとをあげるこ
とができる。活性水素含有化合物としては、OH基やN
2 基のような官能基が1分子中に2個以上好ましくは
3個以上含有されていて、数平均分子量が1000〜4
000程度である例えばポリエチレンアジペート、ポリ
ジエチレンアジペート、ポリプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコールのようなポリオール;1分子中に
官能基を2個以上含有し、数平均分子量が50〜500
程度の例えばジエチレングリコール、トリメチルプロパ
ン、ジアミノフェニルメタンのような鎖延長剤とを配合
したものをあげることができる。この活性水素含有化合
物には、必要に応じて、更に水やフロンのような発泡
剤;トリメチレンジアミンやトリエチルアミンのような
触媒;および、例えばシリコーン系界面活性剤などを配
合することができる。
【0019】上記した各原料の配合量は、マトリックス
である軟質ポリウレタン樹脂の硬度と発泡倍率との関係
で選定される。例えば、軟質ポリウレタン樹脂の硬度を
50〜85に調製するためには、ポリオールと鎖延長剤
の配合量は、前者と後者のモル比で、1:4〜1:0.2
の範囲内に設定することが好ましく、また、ポリオール
等から成る前記活性水素含有化合物とイソシアネートの
配合量は、前者と後者のモル比で、1:1.2〜1:1.0
4の範囲内に設定することが好ましい。
【0020】更に、発泡倍率を1.5〜5.0の範囲内に調
製するためには、例えば、発泡剤として水を使用した場
合、樹脂組成物の全量に対し、水を0.05〜0.5重量%
となるように配合することが好ましい。本発明の研磨剤
において、上記マトリックスの中に分散される研磨砥粒
としては、シリカ、アルミナ、炭化ケイ素の1種または
2種以上が使用される。
【0021】高硬度の研磨砥粒は研磨速度を速めるとい
う点では有用であるが、他方ではウエハの表面平滑性を
低下させるという欠点をもち、また低硬度の研磨砥粒の
場合は、ウエハの表面平滑性を高めるという点で有用で
あるが、研磨速度は遅くなって生産性は高くならないと
いう問題がある。上記したシリカ、アルミナ、炭化ケイ
素は、その硬度が適切な値であり、そのため、適正な研
磨速度と表面平滑性を両立させることができるので有用
である。
【0022】このような研磨砥粒のうち、炭化ケイ素と
しては、例えば、GC#8000(商品名、フジミイン
コーポレーテッド社製)、アルミナとしては例えばWA
#8000(商品名、フジミインコーポレーテッド社
製)、シリカとしては例えばニップシールE−743
(商品名、日本シリカ工業(株)製)などをあげること
ができる。
【0023】この研磨砥粒の含有量は、研磨材の全体重
量に対し、10〜40重量%となるように調整される。
逆にいえば、前記した軟質ポリウレタン樹脂は60〜9
0重量%となるように調整される。研磨砥粒の含有量が
10重量%より少ない場合(軟質ポリウレタン樹脂が9
0重量%より多い場合)には、その研磨材を用いたとき
の研磨速度が遅くなって所望する高い生産性を実現する
ことができず、また逆に40重量%より多い場合(軟質
ポリウレタン樹脂が60重量%より少ない場合)には、
後述するようにして研磨材を製造するときに、マトリッ
クスになる液状ポリウレタン樹脂の流動性が著しく低下
して所望する形状に成形することが困難になる。
【0024】本発明の研磨材は次のようにして製造する
ことができる。まず、前記した各出発原料の所定量を配
合して液状の樹脂組成物を調製し、ここに研磨砥粒の所
定量を投入して全体を撹拌し、前記研磨砥粒を均一に分
散させる。この場合、化学的に安定な前記した活性水素
含有化合物に研磨砥粒を配合して全体を充分に混合撹拌
したのち、その混合物にイソシアネートを配合するとい
う方法が好適である。
【0025】ついで、所定の寸法形状をした金型に樹脂
組成物を注型し、所定の時間、加熱する。樹脂組成物は
硬化と同時に発泡する。その後、発泡体を金型から取り
出し、表面のスキン層を除去して気泡構造を露出させる
ことにより、本発明の研磨材が得られる。次に、本発明
の研磨材を用いた研磨方法を説明する。
【0026】図1で示したように、互いの対向面2a.
3aに研磨材1a,1bが貼着されている上下一対の定
盤2,3が用意される。ここで、定盤2,3は、互いに
反対方向に回転できるようになっている。定盤2,3の
間には、研磨対象の半導体ウエハ4,4を保持してキャ
リア5a,5bが配置される。キャリア5a,5bは半
導体ウエハ4,4よりも薄くなっているので、半導体ウ
エハ4,4の上面は定盤2の研磨材1aと所定の面圧で
接触し、下面は定盤3の研磨材1bと所定の面圧で接触
する。
【0027】また、キャリア5a,5bは図示しないイ
ンターナルギヤとサイドギヤと噛合することにより、定
盤2,3の間で自転、公転ができるようになっている。
この状態で、定盤2,3を回転させ、またキャリア5
a,5bを自公転させる。研磨材1a,1bそれ自体が
含有している研磨砥粒の働きで半導体ウエハ4,4の上
面と下面は同時に研磨される。
【0028】このとき、研磨材1a,1bは、前記した
ように適度の硬度と発泡倍率を有するので、研磨後の半
導体ウエハの表面平滑性は良好であり、また面ダレ現象
も抑制されている。そして研磨速度は速く、しかも研磨
液を使用しないので研磨時のコストも低減している。
【0029】
【実施例】
実施例1〜10、比較例1〜7 下記の出発原料を用意した。 ポリオール:デスモフェン0331(商品名、住友バイ
エル(株)製、数平均分子量2400、OH価47、官
能基の個数2〜3個のポリエーテルポリオール) 鎖延長剤A:スミフェンTM(商品名、住友バイエル
(株)製、数平均分子量470、OH価376、官能基
の個数3個のポリオール) 鎖延長剤B:数平均分子量90、OH価1250、官能
基の個数2個の1,4−ブタンジオール) 発泡剤:水 触媒:ダブコ33LV(商品名、三共エアプロダクツ
(株)製のアミン系触媒) シリコーン整泡剤:L−5420(商品名、日本ユニカ
(株)製) イソシアネート:スミジュールPF(商品名、住友バイ
エル(株)、NCO含量22.7重量%) シリカ:ニップシールE−743(商品名、日本シリカ
工業(株)製) アルミナ:WA#8000(商品名、フジミインコーポ
レーテッド(株)製) 炭化ケイ素:GC#8000(商品名、フジミインコー
ポレーテッド(株)製) 上記した各原料を、表1で示した割合(重量部)で配合
して、各種組成の液状樹脂組成物を調製した。
【0030】
【表1】
【0031】これらの各樹脂組成物を金型の中に注型し
たのち常温(20〜40℃)で60分間放置して、発泡
させると同時に硬化した。ついで、発泡体を金型から取
り出し、表面のスキン層を研削除去して内部の気泡構造
を露出せしめ、厚み約1.2mmの発泡体シートにした。得
られた各発泡体シートにおけるマトリックスの硬度と発
泡倍率は次のようにして測定した。
【0032】まず、硬度に関しては、表1に示した各組
成において、水とシリコーン整泡剤と研磨砥粒とを配合
しない状態で各成分を混合したのちそれを硬化し、すな
わち、ポリオールと鎖延長剤と触媒のみを混合して硬化
し、得られた硬化物の硬度を、JIS−A型硬度計を用
いて測定した。また、発泡倍率に関しては、まず、表1
に示した各組成において、水とシリコーン整泡剤を配合
しない状態で各成分を混合したのちそれを硬化して無発
泡の硬化物を製造し、得られた硬化物の重さと体積を測
定して嵩密度D1 を算出した。
【0033】他方、表1で示した組成の通り、水とシリ
コーン整泡剤を加えて発泡させた硬化物を製造し、その
硬化物の重さと体積を測定してその嵩密度D2 を算出
し、D 1 /D2 を求めてこれを発泡倍率とした。更に、
得られた発泡体シートの重さを測定し、その重さに対す
る配合した研磨砥粒の重さの割合を求めて研磨材におけ
る研磨砥粒の重量比率(重量%)を算出し、残りはマト
リックスである軟質ポリウレタン樹脂の重量比率とし
た。
【0034】その結果を表2に示した。得られた各発泡
体シートを図1で示した定盤2,3の対向面に貼着し、
定盤2,3の間に、厚み640μm、直径76mmのGa
Asウエハを厚み500μmのキャリアに保持した状態
で配置し、面圧100g/cm2 をかけながら前記Ga
Asウエハを研磨して各研磨材に関する下記仕様の研磨
特性を調査した。
【0035】なお、比較のために、研磨材として従来の
不織布タイプのサーフィンII−X(商品名、フジミイ
ンコーポレーテッド(株)製)を用い、また研磨液とし
てインセックP1(商品名、フジミインコーポレーテッ
ド(株)製)を用いて同一の条件でGaAsウエハの両
面研磨を行った。これを比較例7とする。 研磨速度:単位時間(1分)当りの研磨される厚み(μ
m)。
【0036】表面平滑性:研磨後のウエハの表面を、米
国ワイコ社製の表面粗さ測定機(機種:トッポ3D型)
で測定。なお、ここでいう表面平滑性とは、次式で算出
される値(R)をいう。すなわち、ウエハ表面の凹凸を
表す粗さ曲線をf(x)とし、測定範囲の長さをLとし
たとき、
【0037】
【数1】
【0038】で示される値である。換言すれば、ウエハ
表面の凹凸をある線で全て凸にした状態でそれを積分
し、その積分値を測定範囲の長さで除算して得られた平
均値である。 端部における面ダレ:研磨後のウエハを、米国トロベル
社製の平坦度測定機(機種:スーパーソート3/5型)
で測定。
【0039】なお、ここでいう面ダレとは、図2で示し
たように、ウエハ4の周縁側部4aから中心部に向かっ
て3.264mmの表面位置にある点Aと0.635mmの表面
位置にある点Bとを結んで線1とし、この線1と平行で
かつウエハ4の表面と点Cで接触する線2を引いたとき
に、この線1と線2との間の距離のことをいう。すなわ
ち、この値が大きいほど面ダレが大きいことになる。
【0040】研磨コスト:前記した比較例7の場合の研
磨コストを100とし、それに対する相対値として表
示。 以上の結果を一括して表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】表2の結果から明らかなように、本発明の
研磨材を用いてGaAsウエハを研磨すると、その研磨
速度は4μm/分以上と迅速な研磨が可能となり、しか
も研磨後のGaAsウエハの表面平滑性、面ダレはそれ
ぞれ100Å以下、500Å以下であって高精度に研磨
されている。更に、従来の研磨方法に比べてその研磨コ
ストは80以下であり経済性に優れていることが判る。
これは、マトリックスである軟質ポリウレタン樹脂と研
磨砥粒との割合をそれぞれ60〜90重量%、10〜4
0重量%とし、また軟質ポリウレタン樹脂の硬度を50
〜85に調整し、かつ発泡倍率を1.5〜5.0に調整した
ことがもたらす効果である。
【0043】これに反し、マトリックスが軟らかすぎる
比較例1は、研磨速度が遅く、しかも面ダレが激しく起
こっている。またマトリックスが硬すぎる比較例2の場
合は、面ダレは抑制されているとはいえ表面平滑性が著
しく低下している。更に、研磨砥粒が少なすぎる比較例
3の場合は研磨前の表面状態がGaAsウエハに転写し
て研磨材としての用をなさず、また研磨砥粒が多すぎる
比較例4の場合は成形することができない。
【0044】発泡倍率が1.5より小さい比較例5の場合
は、表面平滑性と面ダレ現象に対して有効であるが、研
磨コストは著しく上昇し、工業的なメリットは少ない。
また、発泡倍率が大きすぎる比較例6の場合は、研磨コ
ストは低減されるとはいえ、表面平滑性は著しく悪くな
ってしまう。
【0045】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
の研磨材は、研磨時に、面ダレ現象を抑制した状態で表
面平滑性に優れた研磨面を、高い生産性の下で研磨コス
トを低減して形成することができる。とくに、GaAs
ウエハの研磨に用いて有用である。
【0046】また、請求項2の方法は、上記した研磨材
を用いることにより例えばGaAsウエハの両面を迅速
かつ1度に研磨することができるので、良好な研磨面の
ウエハを安価に提供する方法としてその工業的価値は大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨方法を示す概略説明図である。
【図2】ウエハの端部における面ダレの大きさを測定す
る方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1a,1b 研磨材 2,3 定盤 2a,3a 定盤の対向面 4 ウエハ 4a ウエハ4の周縁側部 5a,5b キャリア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/304 321 H01L 21/304 321M

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JISK6301で規定する硬度が50
    〜85である軟質ポリウレタン樹脂のマトリックス60
    〜90重量%と、前記マトリックスの中に分散され、シ
    リカ、アルミナ、炭化ケイ素の群から選ばれる少なくと
    も1種の研磨砥粒10〜40重量%とから成る研磨材で
    あって、発泡倍率が1.5〜5.0の範囲に調整されている
    ことを特徴とする研磨材。
  2. 【請求項2】 互いの対向面に請求項1の研磨材が貼着
    されている上下一対の定盤で、キャリアに保持された被
    研磨材を圧接し、前記一対の定盤と前記キャリアの間で
    相対的な平面運動をさせることにより、前記被研磨材の
    両面を研磨することを特徴とする研磨方法。
JP2567095A 1995-02-14 1995-02-14 研磨材とそれを用いた研磨方法 Pending JPH08216034A (ja)

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JP2567095A JPH08216034A (ja) 1995-02-14 1995-02-14 研磨材とそれを用いた研磨方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004337992A (ja) * 2003-05-13 2004-12-02 Disco Abrasive Syst Ltd 固定砥粒研磨パッド,及び固定砥粒研磨パッドを使用したシリコンウェハの研磨方法
KR100485884B1 (ko) * 2002-09-04 2005-04-29 김혜옥 연마 및 세정용 폴리우레탄 스폰지 블록의 제조방법
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