JPH0821477A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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Publication number
JPH0821477A
JPH0821477A JP17490294A JP17490294A JPH0821477A JP H0821477 A JPH0821477 A JP H0821477A JP 17490294 A JP17490294 A JP 17490294A JP 17490294 A JP17490294 A JP 17490294A JP H0821477 A JPH0821477 A JP H0821477A
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JP
Japan
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guide bush
groove
peripheral surface
guide
oil
Prior art date
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Pending
Application number
JP17490294A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yokoyama
寛 横山
Katsuhiro Sasase
勝浩 笹瀬
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
Original Assignee
SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガイドブッシュの摺接面への異物の付着量を
低減して、インナ部材とアウタ部材とを良好に摺動させ
ることができると共に、ガイドブッシュの摩耗の偏在化
を防止できるようにすること。 【構成】 インナ部材が筒形状のアウタ部材に挿通さ
れ、少なくとも上記アウタ部材の内周に筒形状のガイド
ブッシュ16、17、61が配設され、インナ部材が上
記ガイドブッシュの内周面に摺接してインナ部材及びア
ウタ部材が摺動可能に構成されると共に、上記インナ部
材及びアウタ部材内にオイルが充填された油圧緩衝器に
おいて、上記ガイドブッシュの内周面18には全周に亘
って溝73が形成され、この溝73の両端部73A及び
73Bがガイドブッシュの軸方向両端縁75A及び75
Bに連通可能に設けられたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動2輪車に適応され
る油圧緩衝器に係り、特に、そのガイドブッシュを改良
した油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動2輪車に適用される油圧緩
衝器としての倒立型フロントフォークは、アウタチュー
ブ内にインナチューブが挿通され、両チューブ間に懸架
スプリングが配設されると共に、インナチューブにダン
パ装置が内蔵して構成される。このフロントフォークで
は、路面からの衝撃を懸架スプリングにて吸収し、フロ
ントフォークの伸縮振動をダンパ装置にて抑制してい
る。
【0003】このようなフロントフォークにあっては、
上記アウタチューブの内周とインナチューブの外周にガ
イドブッシュがそれぞれ配設され、アウタチューブ及び
インナチューブは、これらのガイドブッシュを介して摺
動自在に構成される。このようなガイドブッシュには、
特公平4-2821号及び特開平4-83931 号公報記載の発明の
ように、内周面に溝が形成されて、この溝内にオイル
や、摺動による摩耗粉等の異物を収容し、インナチュー
ブとアウタチューブの摺動を良好にしたものが提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報記
載のガイドブッシュを備えた油圧緩衝器のうち、前者で
は、溝がめくら溝であり、ガイドブッシュの内周面に付
着した摩耗粉等の異物を十分に除去できない虞れがあ
る。また、後者では、ガイドブッシュ内周面に溝が形成
されていない部分があって、オイル潤滑の観点から、ガ
イドブッシュ内周面において、溝がない部分の摩耗が、
溝のある部分に比べて著しく大きくなる虞れがある。
【0005】本発明は、上述の事情を考慮してなされた
ものであり、ガイドブッシュの内周面への異物の付着量
を低減して、インナ部材及びアウタ部材を良好に摺動さ
せることができると共に、ガイドブッシュの摩耗の偏在
化を防止できる油圧緩衝器を提供することを目的とす
る。また、請求項4に記載の発明では、更に、オイルシ
ールの密閉機能を向上させることができる油圧緩衝器を
提供し、また、請求項5に記載の発明では、更に、ダン
パシリンダ内から良好に気泡を排出できる油圧緩衝器を
提供することをそれぞれ目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、インナ部材が筒形状のアウタ部材に挿通され、少な
くとも上記アウタ部材の内周に筒形状のガイドブッシュ
が配設され、上記インナ部材が上記ガイドブッシュの内
周面に摺接して上記インナ部材及び上記アウタ部材が摺
動自在に構成されると共に、上記インナ部材及びアウタ
部材内にオイルが充填された油圧緩衝器において、上記
ガイドブッシュの内周面には全周に亘って溝が形成さ
れ、この溝の両端部が上記ガイドブッシュの軸方向両端
縁に連通可能に設けられたことを特徴とするものであ
る。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のインナ部材がフロントフォークのインナチュー
ブであり、アウタ部材が上記フロントフォークのアウタ
チューブであり、上記インナチューブの外周にも筒形状
のガイドブッシュが配設され、このガイドブッシュの外
周面が上記アウタチューブの内周面に摺接可能とされ、
上記ガイドブッシュの外周面に全周に亘って溝が形成さ
れ、この溝の両端部が上記ガイドブッシュの軸方向両端
縁に連通可能に構成されたものである。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のアウタチューブがフロントフォークに内蔵されたダン
パシリンダであり、インナ部材が、上記ダンパシリンダ
内に配設されたピストンに連結したピストンロッドであ
るものである。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明のアウタチューブの内周に、ガイドブッシ
ュの軸方向外方に隣接してオイルシールが配設され、ガ
イドブッシュの溝を経て上記オイルシールへオイルが導
かれるものである。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項1又は3
に記載のアウタ部材の外周にリザーブ室が形成され、こ
のアウタ部材には、その内部を上記リザーブ室と連通す
る連通孔が形成され、ガイドブッシュは、上記アウタ部
材の開口部に配設されたものである。
【0011】
【作用】従って、請求項1、2及び3に記載の発明に係
る油圧緩衝器によれば、ガイドブッシュの内、外周面に
全周に亘り溝が形成され、この溝の両端部がガイドブッ
シュの軸方向両端部に連通可能に構成されたので、ガイ
ドブッシュを含めたアウタチューブとインナチューブと
の摺接部に発生した摩耗粉やスラッヂ等の異物は、ガイ
ドブッシュの内、外周面の摺接面にて掻き取られた後、
オイルと共に溝内に流れ込み、ガイドブッシュの両端縁
側へ流出される。このため、上記摩耗粉等の異物がガイ
ドブッシュの摺接面に付着する付着量を低減でき、従っ
て、ガイドブッシュとアウタ部材、インナ部材との間の
フリクションの発生を抑制でき、この結果両部材を円滑
に摺動させることができる。
【0012】また、ガイドブッシュの内、外周面の溝
は、ガイドブッシュの全周に亘って形成されているの
で、ガイドブッシュの内、外周面の接触面積(摺接面
積)をガイドブッシュの周方向において略均一化でき
る。このため、ガイドブッシュの上記摺接面積を周方向
に均一に摩耗させることができ、摩耗の偏在化を防止で
きる。
【0013】また、請求項4に記載の発明に係る油圧緩
衝器によれば、ガイドブッシュに対し軸方向に隣接配置
されたオイルシールに、ガイドブッシュの溝からオイル
が導かれることから、このオイルがオイルシールの潤滑
油となって、オイルシールによる密封性を良好に維持で
きる。
【0014】更に、請求項5に記載の発明に係る油圧緩
衝器によれば、ガイドブッシュがアウタ部材の開口端部
に配設され、このアウタ部材の外周に、アウタ部材の内
部に連通可能なリザーブ室が形成されたので、アウタ部
材内で発生した気泡を、上記ガイドブッシュの溝を経
て、オイルと共にアウタ部材外のリザーブ室へ排出でき
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。図1は、本発明に係る油圧緩衝器の一実施例が
適用された自動2輪車のフロントフォークにおける最圧
縮状態を示す縦断面図である。図2は、図1の上部拡大
断面図である。図3は、図1の中央部拡大断面図であ
る。図4は、図1の下部拡大断面図である。図5は、図
1のガイドブッシュを示し、(A)が第1及び第3ガイ
ドブッシュの断面図であり、(B)が第1及び第3ガイ
ドブッシュの斜視図であり、(C)が第2ガイドブッシ
ュの斜視図であり、(D)が第1及び第3ガイドブッシ
ュの内周面並びに第2ガイドブッシュの外周面を示す展
開図であり、(E)が図5(D)のVE−VE線に沿う断面
図である。図6は、図5のガイドブッシュにおけるフリ
クションの経時変化特性を示すグラフである。図7は、
溝形状が異なるガイドブッシュの変形例を示す展開図で
ある。
【0016】図1に示すように、自動2輪車の油圧緩衝
器としての倒立型のフロントフォーク10は、アウタ部
材としてのアウタチューブ11内にインナ部材としての
インナチューブ12が挿通され、両チューブ11及び1
2間に懸架スプリング13及びダンパ装置14が内蔵し
て構成されたものであり、アウタチューブ11が車体側
に支持され、インナチューブ12の軸受ブラケット15
に車軸が支持される。
【0017】アウタチューブ11の開口端部内周に第1
ガイドブッシュ16が、インナチューブ12の上端部外
周に第2ガイドブッシュ17がそれぞれ配設される。第
1ガイドブッシュ16の内周面18がインナチューブ1
2の外周面に摺接し、第2ガイドブッシュ17の外周面
21がアウタチューブ11の内周面に摺接することによ
り、アウタチューブ11及びインナチューブ12が摺動
自在に構成される。
【0018】懸架スプリング13の下端部は、ワッシャ
19及び懸架ロアカラー20を介してインナチューブ1
2に支持される。また、懸架スプリング13の上端はス
プリングジョイント22、懸架アッパカラー23及びス
プリングアジャスタ機構24を介してアウタチューブ1
1に支持される。この懸架スプリング13により、路面
からの衝撃力が吸収される。
【0019】上記スプリングアジャスタ機構24は、図
2に示すように、スプリングアジャスタ25、アジャス
トピース26、ワッシャ27及びアジャストスライダ2
8を有して構成される。一方、アウタチューブ11の上
端部にはフォークボルト29が螺合され(螺合部a)、
このフォークボルト29の内周にアジャストケース30
が螺合される(螺合部b)。このアジャストケース30
の外周に上記スプリングアジャスタ25が螺合されて
(螺合部c)、このスプリングアジャスタ25は軸方向
に移動可能とされる。また、アジャストピース26はフ
ォークボルト29を貫通し、アジャストスライド28
は、アジャストケース30に軸方向移動可能に嵌合され
ると共に、懸架アッパカラー23を装着する。従って、
スプリングアジャスタ25を回転調整することにより、
アジャストピース26及びアジャストスライダ28が軸
方向に移動し、懸架アッパカラー23及びスプリングジ
ョイント22を介して、懸架スプリング13の初期荷重
が変更される。尚、上記螺合部a及びbの締付トルク
は、螺合部cのねじ摩擦力以上に設定される。
【0020】上記ダンパ装置装置14は、図1に示すよ
うに、インナチューブ12から立設されたアウタ部材と
してのダンパシリンダ31と、ピストン32及びニード
ル弁33を備えたピストンバルブ機構34と、ボトムピ
ストン35及びボトムニードル弁36を備えたベースバ
ルブ機構37と、を有して構成される。これらのピスト
ンバルブ機構34及びベースバルブ機構37により発生
する減衰力によって、懸架スプリング13による衝撃力
の吸収に伴い発生するアウタチューブ11及びインナチ
ューブ12の伸縮摺動が抑制される。
【0021】ダンパシリンダ31は、図3及び図4に示
すように、インナチューブ12内に配置されて、インナ
チューブ12との間にリザーブ室38を形成する。この
リザーブ室38内に前記懸架スプリング13が配設され
る。また、このダンパシリンダ31には貫通孔39が開
設されて、ダンパシリンダ31の内部(ベースバルブ室
45C)とリザーブ室38とが連通される。
【0022】ピストンバルブ機構34におけるピストン
32は、上記アジャストケース30の下端部に螺合され
たインナ部材としての中空形状のピストンロッド40
に、ピストンホルダ41を介して固着される。このピス
トン32により、ダンパシリンダ31内が上室45Aと
下室45Bとに固着される。このピストン32に、伸側
流路42及び圧側流路(図示せず)が軸方向に貫通して
形成され、また軸方向両端面に伸側バルブ43及び圧側
バルブ(チェックバルブ)44が配設される。
【0023】また、ピストンバルブ機構34におけるニ
ードル弁33は、図2及び図4に示すように、アジャス
トロッド46を介してニードル弁アジャスタ47に連結
される。このニードル弁アジャスタ47はアジャストケ
ース30に螺合され、このニードル弁アジャスタ47を
回転させることにより、ニードル弁33は、ピストンホ
ルダ31との間で流路面積を変更するものである。この
ニードル弁33により、ピストンホルダ41の通路48
を経て、上室45Aと下室45Bとが連通可能とされ
る。また、上記ニードル弁アジャスタ47は、クリック
機構48Aを介して、アジャストケース30に対する停
止位置が保持される。
【0024】上記ピストン32の伸側バルブ43及び圧
側バルブ44並びにニードル弁33によって、インナチ
ューブ12がアウタチューブ11内へ侵入するフロント
フォーク10の圧縮時に、下室45Bからのオイル(オ
イル面H)が、圧側流路を通り圧側バルブ44を開いて
上室45Aへ導かれる。また、インナチューブ12がア
ウタチューブ11内から進出するフロントフォーク10
の伸長時には、ダンパシリンダ31とピストン32との
相対速度が低速のときに、上室45Aからのオイルが通
路48を経て、ニードル弁33とピストンホルダ41と
の流路を通り下室45Bへ導かれ、この間に伸側の減衰
力が発生する。また、フロントフォーク10の伸長時
で、ダンパシリンダ31に対するピストン32の相対速
度が中高速である場合には、上室45Aからのオイルが
伸側流路42を経て、伸側バルブ43を撓み変形させて
下室45Bへ流れ、この間に伸側の減衰力が発生する。
【0025】上記ベースバルブ機構37におけるボトム
ピストン35は、ボトムホルダ49に固着される。この
ボトムピストン35には、軸方向に貫通して圧側流路5
0及び伸側流路(図示せず)が形成され、また、軸方向
両端面に圧側バルブ51及び伸側バルブ(チェックバル
ブ)52が装着される。このボトムピストン35により
ベースバルブ室45Cが、下室45Bに区画して形成さ
れる。前記軸受ブランケット15には、中空形状のセン
タボルト53を介して中空形状のボトムピース54が螺
合され、このボトムピース54に上記ボトムホルダ49
が固着される。
【0026】また、ベースバルブ機構37におけるボト
ムニードル弁36は、ボトムニードル弁アジャスタ55
に回転一体に結合される。このボトムニードル弁アジャ
スタ55を回転させることにより、ボトムニードル弁3
6は、ボトムピース54との間で流路面積を変更する。
このボトムニードル弁36により、ボトムピース54の
ボトム通路56を経て、下室45Bとベースバルブ室4
5Cとが連通可能とされる。尚、符号56Aはクリック
機構である。
【0027】フロントフォーク10の圧縮時には、図1
に示すように、ダンパシリンダ31内にピストンロッド
40が侵入してダンパシリンダ31の容積が減少するの
で、ピストンロッド40の侵入体積分のオイルが、上記
ベ−スバルブ機構37の作用で、下室45Bからベース
バルブ室45C及び連通孔39を経て、リザーブ室38
へ排出される。つまり、ダンパシリンダ31とピストン
32との相対速度が低速のときには、下室45Bからの
オイルは、ボトムニードル弁36とボトムピース54と
の流路を経、ボトム通路56、ベースバルブ室45C及
び連通孔39を介してリザーブ室38へ導かれ、この間
に圧側の減衰力が発生する。また、ダンパシリンダ31
とピストン32との相対速度が中速度のときには、下室
45Bからのオイルは、圧側流路50を通り圧側バルブ
51を撓み変形させて、ベースバルブ室45C及び連通
孔39を介しリザーブ室38へ導かれる。オイルが圧側
バルブ51を変形される間に、圧側の減衰力が発生す
る。
【0028】フロントフォーク10の伸長時には、ダン
パシリンダ31からピストンロッド40が抜け出て、そ
の分ダンパシリンダ31内の容積が増大するので、リザ
ーブ室38内のオイルが連通孔39、ベースバルブ室4
5C及びボトムピストン35の伸側通路を経て、伸側バ
ルブ52を開き、下室45Bへ導かれる。従って、フロ
ントフォーク10の圧縮時には、ベースバルブ機構37
において、ボトムニードル弁36或いは圧側バルブ51
を流れるオイルにより圧側の減衰力が発生し、ピストン
バルブ機構34においては減衰力が発生しない。また、
フロントフォーク10の伸長時には、ピストンバルブ機
構34において、ニードル弁33或いは伸側バルブ43
を流れるオイルにより伸側の減衰力が発生し、ベースバ
ルブ機構37においては減衰力がほとんど発生しない。
これらの圧側及び伸側の減衰力によって、フロントフォ
ーク10の伸縮摺動が抑制される。
【0029】ところで、図1及び図3に示すように、ダ
ンパシリンダ31の上端開口部には、リバウンドスプリ
ング57を支持するロッドガイドケース58が装着さ
れ、このロッドガイドケース58内にロッドガイド59
が収容される。符号60はOリングである。上記ロッド
ガイド59の内周に第3ガイドブッシュ61が固着さ
れ、この第3ガイドブッシュ61の内周面18が、ピス
トンロッド40の外周面に摺接可能に構成される。
【0030】ピストンロッド40にオイルロックピース
62が固着される。このオイルロックピース62は、ピ
ース固着部63とピース筒部64とを有してなり、ピー
ス筒部64の内周にダンパシリンダ31が緊密状態で嵌
合可能に設けられる。ピース固着部63に貫通孔65が
形成される。このオイルロックピース62は、フロント
フォーク10の最圧縮状態で、ダンパシリンダ31の上
端部がピース固着部63に接近する位置に固定される。
従って、フロントフォーク10の最圧縮時に、ダンパシ
リンダ31の上端部とオイルロックピース62との間で
圧縮されたオイルによりオイルロック作用が発生し、図
2に示すインナチューブ12の上端部とフォークボルト
29との衝突が回避される。
【0031】また、図3に示すように、オイルロックピ
ース62のピース筒部64外周面とインナチューブ12
の内周面との間を、スプリングジョイント22が移動可
能に構成される。これにより、スプリングアジャスタ機
構24にて懸架スプリング13の初期荷重が調整され、
この結果、スプリングジョイント22のピストンロッド
40に対する軸方向位置が変更しても、オイルロックピ
ース62がピストンロッド40に固着されているので、
フロントフォーク10の伸縮に伴う上記オイルロックの
発生位置を一定化(フロントフォーク10の最圧縮時に
オイルロック発生)させることができる。
【0032】更に、図4に示すように、アウタチューブ
11の下端開口部には、第1ガイドブッシュ16に対し
軸方向に隣接してオイルシール66が装着される。この
オイルシール66は、ワッシャ69及びストッパリング
68によってアウタチューブ11によって挟持され、こ
のオイルシール66に隣接して更にダストシール69が
装着されている。
【0033】さて、図1に示す第1ガイドブッシュ16
(図4)、第2ガイドブッシュ17(図2)及び第3ガ
イドブッシュ61(図3)は、図5に示すように、例え
ば鋼裏金70に鉛青銅粉末を多孔質状に燒結して燒結層
71を形成し、この燒結層71の表面に、四フッ化エチ
レン樹脂と黒鉛からなる混合物を含浸被着して樹脂層7
2を形成し構成したものである。第1ガイドブッシュ1
6及び第3ガイドブッシュ61の内周面18並びに第2
ガイドブッシュ17の外周面21は上記樹脂層72にて
形成され、この樹脂層72の表面に溝73が形成され
る。
【0034】この溝73はスピンドル溝であり(展開状
態で直線溝)、図5(D)に示すように、第1ガイドブ
ッシュ16及び第3ガイドブッシュ61の内周面18並
びに第2ガイドブッシュ17の外周面21の全周に亘っ
て設けられる。各第1、第2及び第3ガイドブッシュ1
6、17及び61には、その軸方向にスリット74が形
成され、溝73の両端部73A及び73Bは、このスリ
ット74に至り、第1、第2及び第3ガイドブッシュ1
6、17及び61の軸方向両端縁75A及び75Bに連
通される。これにより、溝73内に導かれたオイルは、
図5(D)の矢印に示すようにスリット74を経て、第
1、第2及び第3ガイドブッシュ16、17及び61の
両端縁75A及び75B側へ排出される。また、溝73
の溝幅Wは、第1、第2及び第3ガイドブッシュ16、
17及び61の周方向において均一に形成される。第1
及び第2ガイドブッシュ16及び61の内周面18並び
に第2ガイドブッシュ17の外周面21は、上記溝73
を除いた部分が摺接面となる。
【0035】上記実施例によれば、第1及び第3ガイド
ブッシュ16及び61の内周面18並びに第2ガイドブ
ッシュ17の外周面21に全周に亘り溝73が形成さ
れ、この溝73の両端部73A及び73Bが第1、第2
及び第3ガイドブッシュ16、17及び61の軸方向両
端縁75A及び75Bに連通可能に構成されたので、ガ
イドブッシュ16、17及び61を含め、アウタチュー
ブ11の内周面、インナチューブ12の外周面及びピス
トンロッド40の外周面に発生した摩耗粉やスラッジ等
の異物は、第1及び第3ガイドブッシュ16及び61の
内周面18並びに第2ガイドブッシュ17の外周面21
の摺接面にて掻き取られた後、オイルと共に溝73内に
流れ込み、第1、第2及び第3ガイドブッシュ16、1
7及び61の両端縁75A及び75B側へ流出される。
このため、上記摩耗粉等の異物が第1、第2及び第3ガ
イドブッシュ16、17及び61の摺接面に付着する付
着量を低減でき、従って第1ガイドブッシュ16とイン
ナチューブ12との間、第2ガイドブッシュ17とアウ
タチューブ11との間、第3ガイドブッシュ61とピス
トンロッド40との間のフリクションの発生をそれぞれ
抑制できる。図6の1点鎖線は、内周面或いは外周面に
溝73の存在しないガイドブッシュのフリクションの経
時変化特性であり、実線は第1、第2及び第3ガイドブ
ッシュ16、17及び61のガイドブッシュのフリクシ
ョンの経時変化特性である。この図6によれば、フロン
トフォーク10の伸縮振動の所定時間経過後には、第
1、第2及び第3ガイドブッシュ16、17及び61の
フリクションが、溝が存在しないガイドブッシュに比べ
て低く略一定となって、フリクションが抑制されている
ことが分かる。この結果、アウタチューブ11とインナ
チューブ12、ダンパシリンダ31とピストンロッド4
0をそれぞれ円滑に摺動させることができる。
【0036】また、第1及び第3ガイドブッシュ16及
び61の内周面18並びに第2ガイドブッシュ17の外
周面21の溝73は、その溝幅Wが第1、第2及び第3
ガイドブッシュ16、17及び61の周方向において均
一に形成されると共に、その内周面18、外周面21の
全周に亘って形成されているので、第1及び第3ガイド
ブッシュ16及び61の内周面18並びに第2ガイドブ
ッシュ17の外周面21の摺接面面積を第1、第2及び
第3ガイドブッシュ16、17及び61の周方向におい
て均一化できる。このため、第1、第2及び第3ガイド
ブッシュ16、17及び61の摺接面を周方向に均一に
摩耗させることができ、その摩耗の偏在を防止できる。
【0037】更に、第1ガイドブッシュ16に対し軸方
向に隣接配置されたオイルシール66に、第1ガイドブ
ッシュ16の溝73からオイルが導かれることから、こ
のオイルがオイルシール66の潤滑油となり、オイルシ
ール66による密閉性を良好に維持できる。
【0038】また、第3ガイドブッシュ61がダンパシ
リンダ31の上端開口部に配設され、このダンパシリン
ダ31の外周に、ダンパシリンダ31の内部と連通孔3
9を介して連通可能なリザーブ室38が形成されたの
で、ダンパシリンダ31内でピストン32が往復動する
ことにより発生した気泡を、第3ガイドブッシュ61の
溝73を経て、オイルと共にダンパシリンダ31外のリ
ザーブ室38へ排出でき、気泡排出用の特別な隙間を上
記ダンパシリンダ31の上端開口部に形成する必要がな
い。
【0039】第1及び第3ガイドブッシュ16及び61
の内周面18並びに第2ガイドブッシュ17の外周面2
1には、図7(A)に示す溝76、図7(B)に示す溝
77、図7(C)に示す溝78がそれぞれ形成されてい
ても良い。溝76は、この両端部76A及び76Bが直
接ガイドブッシュ16、17、61の両端縁75A及び
75Bに連通されるが、溝幅Wが、ガイドブッシュ1
6、17、61の周方向に略均一に形成されたものであ
る。
【0040】また、溝77は、ガイドブッシュ16、1
7、61の周方向に複数形成され、それぞれが同一の直
線形状に設けられる。この場合、溝幅Wはガイドブッシ
ュ16、17、61の周方向に均一に形成される。更
に、溝77の端部77A及び77Bは、ガイドブッシュ
16、17、61の両端縁75A及び75Bにそれぞれ
直接或いはスリット74を介して連通されている。
【0041】更に、溝78は、ガイドブッシュ16、1
7、61の周方向に複数形成され、それぞれが同一の菱
形形状である。この溝78の溝幅Wは、周方向に均一に
形成される。また、溝78の両端部78A及び78B
は、ガイドブッシュ16、17、61の両端縁75A及
び75Bにそれぞれにスリット74を介して連通されて
いる。その他、溝78はハニカム形状の溝であっても良
い。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る油圧緩衝器
によれば、ガイドブッシュの摺接面への異物の付着量を
低減して、インナ部材とアウタ部材とを良好に摺動させ
ることができると共に、ガイドブッシュの摩耗の偏在化
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る油圧緩衝器の一実施例が
適用された自動2輪車のフロントフォークにおける最圧
縮状態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1の上部拡大断面図である。
【図3】図3は、図1の中央部拡大断面図である。
【図4】図4は、図1の下部拡大断面図である。
【図5】図5は、図1のガイドブッシュを示し、(A)
が第1及び第3ガイドブッシュの断面図であり、(B)
が第1及び第3ガイドブッシュの斜視図であり、(C)
が第2ガイドブッシュの斜視図であり、(D)が第1及
び第3ガイドブッシュの内周面並びに第2ガイドブッシ
ュの外周面を示す展開図であり、(E)が図5(D)の
VE−VE線に沿う断面図である。
【図6】図6は、図5のガイドブッシュにおけるフリク
ションの経時変化特性を示すグラフである。
【図7】図7は、溝形状が異なるガイドブッシュの変形
例を示す展開図である。
【符号の説明】
10 フロントフォーク 11 アウタチューブ 12 インナチューブ 14 ダンパ装置 16 第1ガイドブッシュ 17 第2ガイドブッシュ 18 内周面 21 外周面 31 ダンパシリンダ 38 リザーブ室 39 連通孔 40 ピストンロッド 61 第3ガイドブッシュ 66 オイルシール 73 溝 73A、73B 溝の端部 75A、75B ガイドブッシュの端縁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナ部材が筒形状のアウタ部材に挿通
    され、少なくとも上記アウタ部材の内周に筒形状のガイ
    ドブッシュが配設され、上記インナ部材が上記ガイドブ
    ッシュの内周面に摺接して上記インナ部材及び上記アウ
    タ部材が摺動自在に構成されると共に、上記インナ部材
    及びアウタ部材内にオイルが充填された油圧緩衝器にお
    いて、上記ガイドブッシュの内周面には全周に亘って溝
    が形成され、この溝の両端部が上記ガイドブッシュの軸
    方向両端縁に連通可能に設けられたことを特徴とする油
    圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 インナ部材がフロントフォークのインナ
    チューブであり、アウタ部材が上記フロントフォークの
    アウタチューブであり、上記インナチューブの外周にも
    筒形状のガイドブッシュが配設され、このガイドブッシ
    ュの外周面が上記アウタチューブの内周面に摺接可能と
    され、上記ガイドブッシュの外周面の全周に亘って溝が
    形成され、この溝の両端部が上記ガイドブッシュの軸方
    向両端縁に連通可能に構成された請求項1に記載の油圧
    緩衝器。
  3. 【請求項3】 アウタ部材がフロントフォークに内蔵さ
    れたダンパシリンダであり、インナ部材が、上記ダンパ
    シリンダ内に配設されたピストンに連結したピストンロ
    ッドである請求項1に記載の油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 アウタ部材の内周にはガイドブッシュの
    軸方向外方に隣接してオイルシールが配設され、上記ガ
    イドブッシュの溝を経て上記オイルシールへオイルが導
    かれる請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
  5. 【請求項5】 アウタ部材の外周にリザーブ室が形成さ
    れ、このアウタ部材には、その内部を上記リザーブ室と
    連通する連通孔が形成され、ガイドブッシュは、上記ア
    ウタ部材の開口部に配設された請求項1又は3に記載の
    油圧緩衝器。
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Effective date: 20030318