JPH08212959A - 電子顕微鏡 - Google Patents

電子顕微鏡

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JPH08212959A
JPH08212959A JP1926895A JP1926895A JPH08212959A JP H08212959 A JPH08212959 A JP H08212959A JP 1926895 A JP1926895 A JP 1926895A JP 1926895 A JP1926895 A JP 1926895A JP H08212959 A JPH08212959 A JP H08212959A
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electron beam
thin tube
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JP1926895A
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Inventor
Yutaro Yanagisawa
雄太郎 柳沢
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3次元観測ができる電子顕微鏡を提供する。 【構成】 電子銃16から出射された電子線が細管26
の内部を通って被測定試料Mに照射され、それにより放
出される2次電子等が光電子増倍器37で検出される。
細管26はピエゾ素子の圧縮歪みによりz方向に変形す
る第1の微調整機構24に支持されている。被測定試料
Mは、ピエゾ素子の圧縮歪みによりx,y,z方向に変
形する第2の微調整機構29に設けられた試料受皿35
に載せられる。そして、第1,第2の微調整機構を制御
して被測定試料Mと細管26の相対位置を調整すること
によって、被測定試料Mに対する電子線の照射位置を3
次元に走査し、中央制御部40が光電子増倍器37から
出力された信号Eと3次元の座標のデータに基いて3次
元画像をモニタ4に再生表示させることにより、3次元
観測を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定試料の表面部分
のみならず、その深部をも精度よく観測することができ
る電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高真空でなく数Torr オーダーの
圧力中で、水分等を含む試料を測定する電子顕微鏡の典
型的な構造を、図8と共に説明すると、高真空ポンプ
(図示せず)によって室内が高真空状態に設定される容
器1と、低真空ポンプ(図示せず)によって室内が低真
空状態(数Torr )に設定される容器6が、小さな径の
穴5を接して差動排気されている。そして、高真空容器
1内の上部に電子銃2が設けられ、電子銃2から出射さ
れた電子線を磁界レンズ機構の集束レンズ3と対物レン
ズ4によって収束し、被測定試料Mに照射するようにな
っている。
【0003】被測定試料Mは、容器1に密閉して連設さ
れた試料収容器6内に設置されている試料ステージ7の
試料受皿8上に載せられ、操作者がマイクロマニピュレ
ータ9を操作して試料ステージ7内の移動機構を微調整
し、試料受皿8の位置をx,y,z直交座標の任意方向
に適宜に移動することによって、被測定試料Mに対する
電子線αの照射位置を可変制御することができるように
なっている。更に、試料収容器6内は低真空ポンプ(図
示せず)によって排気される。
【0004】このように被測定試料Mに対して電子線α
を照射すると、被測定試料Mの表面から主として2次電
子が放出され、試料収容器6の内部に設置されているシ
ンチレータ及び光電子増倍管10等がこの2次電子を検
知し、電気信号Eに変換して出力する。そして、電気信
号Eは、前置増幅器11で信号処理可能な電圧レベルま
で増幅され、計測部12によってデジタルの映像データ
に変換されたり種々のデータ処理が行われた後、中央制
御部13へ転送され、テレビジョンモニタ14に画像情
報として再生表示される。
【0005】尚、計測部12、中央制御部13及びテレ
ビジョンモニタ14は所謂マイクロコンピュータシステ
ムとして構築されており、中央制御部13が、電子銃2
と集束レンズ3及び対物レンズ4の動作を制御するよう
になっている。
【0006】そして、従来の電子顕微鏡では、例えば、
水分を含む生の葡萄の一切片を20nmオーダーの分解
能で観測することができるという報告がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電子顕微鏡にあっては、被測定試料の内部(深部)を観
測することができない。即ち、2次電子はエネルギーが
数十eVと非常に小さいので、被測定試料の内部で発生
した2次電子は、その表面に到達する前に内部で吸収さ
れてしまい、シンチレータ及び光電子増倍管によっても
鮮明な映像を得ることが困難である。よって、専ら、被
測定試料の表面形状(表面の凸凹)の映像を得ることが
できるのに止まっている。
【0008】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
みて成されたものであり、被測定試料の表面のみならず
その内部をも観測することができる、即ち、被測定試料
を三次元で観測することができる電子顕微鏡を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、被測定試料に電子線を照射し、その
被測定試料の電子線照射部分から放出される2次電子等
を検出することにより、その被測定試料の形状を観察す
る電子顕微鏡において、前記電子線を中空内を通過させ
て前記被測定試料へ照射させる細管と、前記細管を支持
すると共に、前記電子線の出射方向に沿って前記細管の
位置を変化させる第1の微調整機構と、前記被測定試料
を載せる試料受皿を有し、前記試料受皿の位置を3次元
的に移動させることにより、前記被測定試料に対する前
記電子線の照射位置を変化させる第2の微調整機構と、
前記2次電子等を検出する光電子増倍手段と、前記光電
子増倍手段から出力される信号を、前記第1,第2の微
調整機構により設定される前記被測定試料の3次元座標
に対応して3次元表示する表示手段とを具備する構成と
した。
【0010】また、前記第1,第2の微調整機構は、ピ
エゾ素子によって発生する圧縮歪みにより、前記前記細
管の位置と前記電子線の照射位置を変化させる構成とし
た。また、前記細管には、ガスや試薬等を前記被測定試
料に供給する供給通路を形成する構造とした。
【0011】また、ガスや試薬等を前記被測定試料に供
給する配管を設ける構成とした。
【0012】
【作用】細管を被測定試料(例えば、生態細胞や電解質
溶液)の所望の部分に注入し、この細管内を介して電子
線を照射すると、被測定試料から主として2次電子が放
出されて光電子増倍がこれを検出する。第1,第2の微
調整機構のピエゾ素子に所定の電圧を印加すると、圧縮
歪みによって、第1,第2の微調整機構が被測定試料の
位置と細管の位置を3次元で変更する。よって、第1,
第2の微調整機構により、被測定試料と細管の相対位置
を3次元的に変化させて、電子線を被測定試料に照射す
ることにより、3次元走査が可能となり、被測定試料を
3次元観察することができる。
【0013】
【実施例】
(第1の実施例)本発明による電子顕微鏡の第1の実施
例を図1〜図3と共に説明する。図1に基づいて全体構
造を説明する。高真空ポンプ(図示せず)によって室内
が真空状態に設定される容器15と、低真空ポンプ(図
示せず)によって低真空状態(数Torr)に設定される試
料収容器20が、小さな径の穴19を介して接続される
と共に、この穴19を介して差動排気が実現されてい
る。そして、高真空容器15内の上部に電子銃16が設
けられ、電子銃16から出射された電子線を磁界レンズ
機構の集束レンズ17と対物レンズ18によって収束
し、穴19を介して被測定試料Mに照射するようになっ
ている。
【0014】試料収容器20内には、図8に示したのと
同様、マイクロマニピュレータを操作する機械式の可動
ステージ23が設けられ、可動ステージ23の上には略
円筒状の第1の微調整機構24が固着されている。
【0015】第1の微調整機構24の上端は上板25に
よって密閉されており、上板25の中央部分には、穴1
9に対向配置された約10μm〜約100μmの内径を
有する細管26が内側に向けて固着されている。また、
細管26の下端は、約0.1μm〜約10μmの内径に
絞られてその先端部分が開口している。したがって、被
測定試料Mを計測するときは、第1の微調整機構24の
内部が、細管26の上記開口のみを介して試料収容器2
0の内部と僅かに連通する。
【0016】第1の微調整機構24は、略円筒状のピエ
ゾ素子27と、その外側壁に形成された電極27a及び
その内側壁に形成された電極27bを有しており、電圧
源を有する駆動部28からの電圧Va,Vbが電極27
a,27bに印加されると、ピエゾ素子27がz方向へ
圧縮歪みを生じることにより、上板25に固着されてい
る細管26のz方向における高さを微調整する。
【0017】第1の微調整機構24の内側には、可動ス
テージ23上に固着された第2の微調整機構29が収容
されている。この微調整機構29は、図2及び図3に示
すように、略円筒状のピエゾ素子30と、その内側壁及
び外側壁に形成された複数の電極31x1,31x2,31
y1,31y2,32z1,32z2とを有しており、ピエゾ素
子30の上端には被測定試料Mを載せるための試料受皿
35が取り付けられている。より具体的には、電極31
x1,31x2,31y1,31y2は、ピエゾ素子30の上方
の側壁に等間隔で設けられ、電極32z1,32z2は、ピ
エゾ素子30の下方の内側壁と外側壁に同心円状に設け
られている。そして、これらの電極31x1,31x2,3
y1,31y2,32z1,32z2には、電圧源を有する駆
動部36から出力される各電圧x1,x2,y1,y
2,z1,z2が、所定の配線を介して印加されるよう
になっている。
【0018】ピエゾ素子32z1,32z2が設けられた部
分の要部縦断面を示す図3において、電極32z1,32
z2に電圧z1,z2を印加すると、それらの電圧の値に
応じてピエゾ素子30がz方向へ圧縮歪みを生じるの
で、被測定試料Mを載せる試料受皿35をz方向に任意
に移動させることができる。
【0019】また、電極31x1,31x2,31y1,31
y2に電圧x1,x2,y1,y2を印加すると、それら
の電圧の値に応じてピエゾ素子30がxy平面の任意の
方向へ圧縮歪みを生じるので、試料受皿35をxy平面
の任意の位置へ移動させることができる。
【0020】更に、これらの印加電圧x1,x2,y
1,y2,z1,z2を様々に組み合わせて変化させる
と、ピエゾ素子30の変形する方向及び変形量を様々に
調節することができる。
【0021】尚、説明の都合上、典型例として、ピエゾ
素子30を述べたが、これに代えて従来例と同様に、周
知の粗動機構を適用しても良いことは言うまでもない。
【0022】再び図1において、穴19の近傍には、シ
ンチレータ及び光電子増倍管37等が細管26の内側に
対向して固着され、この光電子増倍管37等は、電子線
αが照射されるのに応じて被測定試料Mから発生される
2次電子等を受けて、これを電気信号Eに変換して出力
する。そして、電気信号Eは、前置増幅器38で信号処
理可能な電圧レベルまで増幅され、計測部39によって
デジタルの映像データに変換されたり種々のデータ処理
が行われた後、中央制御部40へ転送され、テレビジョ
ンモニタ41に画像情報として再生表示される。
【0023】尚、レンズ17,18に制御電流を供給す
る電力供給部42、計測部39、中央制御部40、テレ
ビジョンモニタ41、駆動部28,36は、所謂マイク
ロコンピュータシステムとして構築されており、中央制
御部40が、操作者のキーボード入力情報に応じてこれ
らの各部の動作を制御する。
【0024】次に、かかる構造を有する電子顕微鏡の動
作を、被測定試料Mの観測手順に対応付けて説明する。
【0025】図1において、第1の微調整機構24をz
軸方向の最も高い位置へ上げると共に、第2の微調整機
構29をz軸方向の最も低い位置へ下げることにより、
細管26と試料受皿35の間を広げた後、試料収容器2
0の側壁と第1の微調整機構の側壁に夫々設けられてい
る扉(図示せず)を開いて、生体細胞の切片等の被測定
試料Mを試料受皿35に載せる。このように操作する
と、細管26と試料受皿35との隙間間隔を十分に取る
ことができるので、被測定試料Mを容易に試料受皿35
に載せることができる。
【0026】次に、ピエゾ素子27,30の電極27
a,27b,31x1,31x2,31y1,31y2,3
z1,32z2に印加される電圧Va,Vb,x1,x
2,y1,y2,z1,z2を制御することによって、
細管26の下端と被測定試料Mの対向位置を微調整す
る。
【0027】例えば、被測定試料Mの表面を観測する場
合には、細管26の下端を被測定試料Mの表面に僅かに
接触する程度に微調整し、被測定試料Mの内部(深部)
を観測したい場合には、細管26の下端を被測定試料M
の当該部位に到達するまで差し込むように微調整する。
そして、細管26の先端は開口しているものの、その内
径は極めて小さいので、被測定試料Mが細管26の内部
へ殆ど侵入せず、よって所望の観測部位まで細管26の
先端を挿入することができる。
【0028】次に、上記扉を閉じて試料収容器20内を
密閉した後、高真空ポンプの動作とHeガスの供給及び
低真空ポンプの動作を開始させることにより、容器15
内を高真空状態、試料収容器20内を低圧状態にする。
【0029】次に、電力供給部42からレンズ17,1
8に電流を供給すると同時に、電子線銃16から電子線
αを出射させ、穴19及び細管26の開口を介して被測
定試料Mに極微小面積の電子線αを照射する。この電子
線αの照射に応じて被測定試料Mからは主として2次電
子が放出され、この2次電子等がシンチレータ及び電子
増倍管37等で電気信号Eに変換される。そして、電気
信号Eは、前置増幅器38及び計測部39を介して中央
制御部40へ転送され、モニタ41に画像情報として表
示される。
【0030】尚、被測定試料Mに対する電子線αの照射
位置(三次元座標)は、中央制御部40が駆動部28,
36に対して指令した座標データと等価であるので、中
央制御部40は、計測された電気信号Eの電圧レベル等
をその三次元座標を基準にしてプロット表示する。
【0031】更に、被測定試料Mの観測部位を変更する
場合には、電極27a,27b,31x1,31x2,31
y1,31y2の印加電圧Va,Vb,x1,x2,y1,
y2を制御して、ピエゾ素子27に圧縮歪みを生じさせ
ることにより、細管26の下端と被測定試料Mの間を一
旦離した後、再びこれらの電極27a,27b,3
x1,31x2,31y1,31y2の印加電圧Va,Vb,
x1,x2,y1,y2を制御することによって、細管
26と被測定試料Mの対向位置又は注入位置を変更す
る。そして、この変更位置に対応して得られる電子信号
Eは、上記三次元座標の移動位置の情報として三次元表
示される。
【0032】このように、この実施例によれば、被測定
試料Mに照射するための電子線αの照射位置を三次元で
調整することができる。即ち、ピエゾ素子の圧縮歪みを
巧みに利用して、被測定試料Mを三次元走査することが
できる。そして、計測された電気信号Eをこれらのピエ
ゾ素子の制御情報に基づいて座標設定するので、モニタ
41に被測定試料Mの立体映像を得ることができるとい
う優れた効果を発揮する。
【0033】(第2の実施例)次に、第2の実施例を図
4と共に説明する。尚、同図において図1〜図3と同一
又は相当する部分を同一符号で示す。この実施例と第1
の実施例との相違点は、試料収容器20の構造にあり、
被測定試料Mに対して細管26を三次元移動させるため
の走査機構と電子線αを照射するための機構及び信号処
理機構は第1の実施例と共通である。
【0034】図4において当該実施例の特徴部分を説明
すると、試料収容器20の一端に形成された貫通孔を通
して細管26の内側まで延びる細い配管43が設けら
れ、観測の際には、試料収容器20の外部から配管43
を介して被測定試料Mに各種のガスや試薬等を供給する
ことができるようになっている。例えば、観測の最中に
被測定試料Mの表面の蒸発を抑制するためのガスや溶液
や試薬等を、被測定試料Mに添加するようにしたり、電
子線αにより被測定試料Mがイオン化するのを抑制する
ためのNa+ イオンを含む導電性溶液等を供給する等に
使用される。
【0035】このように、この実施例によれば、最適な
観測条件を得るための試薬等を添加しながら観測でき、
更に、第1の実施例で説明した如く、ピエゾ素子の圧縮
歪みを巧みに利用して、被測定試料Mを三次元走査し
て、計測された電気信号Eをこれらのピエゾ素子の制御
情報に基づいて座標設定するので、被測定試料Mを立体
的に観測することができるという優れた効果を発揮す
る。
【0036】(第3の実施例)次に、第3の実施例を図
5と共に説明する。尚、同図において図1〜図3と同一
又は相当する部分を同一符号で示す。更に、図5におい
て、図4と同一又は相当する部分を同一符号で示す。よ
って、被測定試料Mに対して細管26を三次元移動させ
るための走査機構と電子線αを照射するための機構及び
信号処理機構は第1の実施例と共通である。
【0037】図5において当該実施例の特徴部分を述べ
ると、細管26の内側壁に導電性の薄膜層44が塗布さ
れており、図示されていない電源回路から出力電圧を印
加することによって、薄膜層44を所定極性に帯電させ
るようになっている。
【0038】この実施例によれば、被測定試料Mがイオ
ン性質物質の場合に、薄膜層44の帯電によって被測定
試料Mの電離を抑制することができるので、電子線αを
被測定試料Mに照射したときに生じる2次電子の減少を
低減することができ、シンチレータ及び電子増倍器37
による検出感度の向上を図ることができる。
【0039】(第4の実施例)次に、第4の実施例を図
6及び図7と共に説明する。尚、図6及び図7において
図1〜図3と同一又は相当する部分を同一符号で示す。
更に、図6及び図7において、図4と同一又は相当する
部分を同一符号で示す。よって、被測定試料Mに対して
細管26を三次元移動させるための走査機構と電子線α
を照射するための機構及び信号処理機構は第1の実施例
と共通である。
【0040】この実施例の特徴は、図1に示す細管26
と異なる構造の細管45を適用した点にある。即ち、図
6及び図7に示すように、第1の微調整機構24の上部
に設けられた細管45には、ガスや試薬等を供給するた
めの細い供給通路46,47が形成されており、試料収
容器20の一端に形成された貫通孔を通して密閉して嵌
め込まれた供給配管48,49の先端が、細管45の外
側壁から上記の供給通路46,47に連通されている。
尚、供給配管48,49は可撓性を有し、第1の微調整
機構24がz方向に伸縮することの妨げとならないよう
になっている。
【0041】そして、観測の際には、試料収容器20の
外部から供給配管48,49を介して被測定試料Mに各
種のガスや試薬等を供給することができるようになって
いる。例えば、観測の最中に被測定試料Mの表面の蒸発
を抑制するためのガスや溶液や試薬等を、被測定試料M
に添加するようにしたり、電子線αにより被測定試料M
がイオン化するのを抑制するためのNa+ イオンを含む
導電性溶液等を供給する等に使用される。
【0042】このように、この実施例によれば、最適な
観測条件を得るための試薬等を添加しながら観測でき、
更に、第1の実施例で説明した如く、ピエゾ素子の圧縮
歪みを巧みに利用して、被測定試料Mを三次元走査し
て、計測された電気信号Eをこれらのピエゾ素子の制御
情報に基づいて座標設定するので、被測定試料Mを立体
的に観測することができるという優れた効果を発揮す
る。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、細管を被測定試料(例えば、生態細胞や電解質溶
液)の所望の部分に注入し、この細管内を介して電子線
を照射すると、被測定試料から主として2次電子が放出
されて光電子増倍がこれを検出する。更に、第1,第2
の微調整機構のピエゾ素子に所定の電圧を印加すると、
圧縮歪みによって、第1,第2の微調整機構が被測定試
料の位置と細管の位置を3次元で変更する。よって、第
1,第2の微調整機構により、被測定試料と細管の相対
位置を3次元的に変化させて、電子線を被測定試料に照
射することにより、3次元走査が可能となり、被測定試
料を3次元観察することができる電子顕微鏡を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子顕微鏡の第1の実施例の全体
構造を示す説明図である。
【図2】第1の実施例における第2の調整機構の構造を
示す斜視図である。
【図3】第2の調整機構の要部構造を示す縦断面図であ
る。
【図4】第2の実施例の要部構造を示す縦断面図であ
る。
【図5】第3の実施例の要部構造を示す縦断面図であ
る。
【図6】第4の実施例の要部構造を示す縦断面図であ
る。
【図7】第4の実施例の要部構造を更に示す斜視図であ
る。
【図8】電子顕微鏡の従来例の構造を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
15…容器、16…電子銃、17,18…レンズ、19
…穴、20…試料収容器、21…ガス供給ポート、22
…排出ポート、23…可動ステージ、24…第1の微調
整機構、25…上板、26…細管、27,30…ピエゾ
素子、27a,27b,31x1,31x2,31y1,31
y2,32z1,32z2…電極、28,36…駆動部、29
…第2の微調整機構、35…試料受皿35、37…光電
子増倍管37、38…前置増幅器、39…計測部、40
…中央制御部、41…モニタ、42…電力供給部、43
…配管、44…薄膜層、45…細管、46,47…供給
通路、48,49…供給配管48,49。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定試料に電子線を照射し、その被測
    定試料の電子線照射部分から放出される2次電子等を検
    出することにより、その被測定試料の形状を観察する電
    子顕微鏡において、 前記電子線を中空内を通過させて前記被測定試料へ照射
    させる細管と、 前記細管を支持すると共に、前記電子線の出射方向に沿
    って前記細管の位置を変化させる第1の微調整機構と、 前記被測定試料を載せる試料受皿を有し、前記試料受皿
    の位置を3次元的に移動させることにより、前記被測定
    試料に対する前記電子線の照射位置を変化させる第2の
    微調整機構と、 前記2次電子等を検出する光電子増倍手段と、 前記光電子増倍手段から出力される信号を、前記第1,
    第2の微調整機構により設定される前記被測定試料の3
    次元座標に対応して3次元表示する表示手段と、を具備
    することを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記第1,第2の微調整機構は、ピエゾ
    素子によって発生する圧縮歪みにより、前記前記細管の
    位置と前記電子線の照射位置を変化させることを特徴と
    する請求項1に記載の電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記細管は、ガスや試薬等を前記被測定
    試料に供給する供給通路が形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】 ガスや試薬等を前記被測定試料に供給す
    る配管が設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の電子顕微鏡。
JP1926895A 1995-02-07 1995-02-07 電子顕微鏡 Pending JPH08212959A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006079868A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Casio Comput Co Ltd 電子顕微鏡
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