JPH08210886A - フルイディック流体素子及びフルイディック流量計及び流量計 - Google Patents

フルイディック流体素子及びフルイディック流量計及び流量計

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JPH08210886A
JPH08210886A JP7086576A JP8657695A JPH08210886A JP H08210886 A JPH08210886 A JP H08210886A JP 7086576 A JP7086576 A JP 7086576A JP 8657695 A JP8657695 A JP 8657695A JP H08210886 A JPH08210886 A JP H08210886A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フルイディック流量計の高流量時のS/Nを
改善する。 【構成】 フルイディック流体素子43の各部の寸法関
係を規定して形状を最適化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルイディック流体素
子及びフルイディック流量計及び流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、都市ガスやLPG(Liquefied Pet
roleum Gas)などの流量を計測する流量計として、フル
イディック流量計が利用されている。このフルイディッ
ク流量計とは、フルイディック流体素子にフルイディッ
ク振動計を接続したものであり、例えば、特開平2-2682
28号公報、特開平2-268229 号公報、特開平2-268230 号
公報、特開平4-203936号公報などに開示されている。
【0003】ここで、この特開平4-203936号公報に開示
されたフルイディック流量計を第一の従来例として図1
6に基づいて以下に説明する。このフルイディック流量
計1では、フルイディック流体素子2の本体ブロック3
に、ノズル4と流路拡大部5と排出口6とからなる流路
7が形成されている。前記流路拡大部5の内部には、誘
振子8が設けられており、前記流路拡大部5の下面に
は、前記ノズル4と前記誘振子8との近傍に一対の圧力
検出口9が形成されている。
【0004】つまり、前記フルイディック流体素子2
は、全体が二次元的な対称形状に形成されている。二個
の圧力センサ(図示せず)の各々の圧力導入口と前記フ
ルイディック流体素子2の一対の圧力検出口9とが連結
管(図示せず)などにより個々に接続されている。
【0005】このような構造において、フルイディック
流体素子2の流路7に流体が流動すると、圧力検出口9
にフルイディック振動の圧力が発生するので、この圧力
に基づいてフルイディック振動計が流体の流量を電気的
に計測する。このフルイディック流量計1は、流体の流
量とフルイディック振動との線形性に着目し、流路拡大
部5に誘振子8を設けることにより、小型化と流量の測
定範囲の拡大とを実現している。
【0006】一方、本出願人は上述のようなフルイディ
ック流体素子の流路拡大部にエンドブロックを付加し、
誘振子により付加された流動を誘振子の前方に帰還さ
せ、フルイディック振動を増強することを提案した。こ
のフルイディック流量計を第二の従来例として図17に
基づいて以下に説明する。
【0007】このフルイディック流量計10では、フル
イディック流体素子11の本体ブロック12に、ノズル
13と流路拡大部14と排出口15とからなる流路16
が形成されており、前記流路拡大部14の内部には、誘
振子17とエンドブロック18とが流体の流動方向に順
次設けられている。
【0008】前記流路拡大部14は、四隅が湾曲した矩
形に形成されており、前記誘振子17は単純な四角柱状
に形成されている。前記エンドブロック18は、前記誘
振子17と対向する中央部19は平板状に形成され、こ
の中央部19に連続する両翼部20が前記誘振子17を
両側から包囲するような湾曲形状に形成されている。
【0009】前記流路拡大部14の下面には、前記ノズ
ル13と前記誘振子17との近傍に一対の圧力検出口2
1が形成されており、この圧力検出口21には圧力セン
サを有するフルイディック振動計(図示せず)が接続さ
れている。
【0010】このような構造において、このフルイディ
ック流量計10は、流路拡大部14の流体がエンドブロ
ック18により良好に循環されるので、フルイディック
振動が増強されて測定精度が向上する。
【0011】このようなフルイディック流量計10をガ
スメータに利用する場合、流量の測定領域を 300〜3000
(L/H)とすると、フルイディック振動計の圧力セン
サの信号強度は1〜100 もの割合で変化する。このよう
な割合で変化する信号からフルイディック振動を良好に
検出するためには、図18に示すように、フルイディッ
ク振動計の圧力センサ22に、増幅器23とイコライザ
24とを介して波形整形回路25を接続することが一般
的である。この場合、圧力センサ22の出力信号は、増
幅器23により増幅され、周波数特性が 12(db/oct)の
イコライザ24により強度が揃えられ、波形整形回路2
5により整形される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
回路を実際に製作し、イコライザ24の出力信号をFF
T(Fast Fourier Transform)波形として調査したとこ
ろ、図19に示すように、数ヘルツ程度の周波数の入力
信号とノイズとは殆ど減衰されず、高流量時に低周波の
ノイズを受けやすいことが判明した。
【0013】このような課題を解決するため、本出願人
はフルイディック振動の周波数領域を数帯域に付加した
フィルタにより、イコライザ24の出力信号をフィルタ
リングすることを提案した。この場合、高流量時の測定
精度は向上するが、ソフトウェアの負担は増加する。
【0014】フルイディック流量計のS/N(Signal-to
-Noise ratio)を改善する場合、フルイディック流量計
に発生するノイズを低減するだけでなく、外部から作用
する振動による影響を軽減することも重要である。この
ように外部から作用する振動をキャンセルするフルイデ
ィック流量計が、特開平2-268228号公報、特開平2-2682
29号公報、特開平2-268230号公報等に開示されている。
【0015】これらの公報に開示されたフルイディック
流量計26は、図20に示すように、フルイディック流
体素子27の一対の圧力検出口28,29に接続された
フルイディック振動計30に特徴がある。このフルイデ
ィック振動計30は、二個の本体ブロック31,32の
内部に形成された空洞が、圧電膜33,34により一対
の圧力検出室35〜38に分割されている。途中から分
岐した連結管39により、フルイディック流体素子27
の一方の圧力検出口28が、フルイディック振動計30
の両方の本体ブロック31,32の一方の圧力検出室3
6,37に連結され、同様に、連結管40により他方の
圧力検出口29が両方の本体ブロック31,32の他方
の圧力検出室35,38に連結されている。圧電膜3
3,34には一個の差動増幅器41が接続されている。
【0016】このフルイディック流量計26では、フル
イディック流体素子27の内部の流体のフルイディック
振動により圧力検出口28,29に作用する圧力が交互
に増減すると、フルイディック振動計30の圧電膜3
3,34は相互に反対方向に振動するので、これらの圧
電膜33,34の差信号を差動増幅器41により検出す
る。この時、圧電膜33,34の振動方向は相互に反対
であり、一方、フルイディック流量計26に外部から振
動が作用した場合、この振動は圧電膜33,34の両方
に同一方向に作用するので差動増幅器41により影響は
相殺される。
【0017】しかし、このような構造のフルイディック
流量計26は、連結管39,40が立体的に交差するの
で、圧力損失や圧力伝達の遅れを発生させることなく小
型化することが困難であり、生産性が低下する。
【0018】また、上述のようなフルイディック流量計
の圧電膜の材料としては、PVDF(Polyvinylidene Fl
uoride)等の高分子圧電膜やPZT(Lead Zirco Titana
te)等の圧電セラミックが提案されている。
【0019】例えば、フルイディック流量計を都市ガス
のメータに利用する場合、その環境温度は最高で60〜80
(℃)にもなると予想される。高分子圧電膜はキュリー
温度が80〜100(℃)程度であるので、上述のようなメー
タに使用すると経時劣化が問題である。上述のような温
度環境でも、圧電セラミックは利用できるが、圧電セラ
ミックは薄型化が困難であるため、必然的に剛性が向上
して低流量の検出精度が低下する。
【0020】例えば、LPGのガスメータとして、フル
イディック流量計と熱式フローセンサとを併用し、フル
イディック流量計により高流量を計測し、熱式フローセ
ンサにより低流量を計測する流量計もある。しかし、ヒ
ータを有する熱式フローセンサは消費電力が大きいの
で、この熱式フローセンサを常時駆動しておくことは好
ましくない。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
流体が流入するノズルと流路拡大部と流体が流出する排
出口とを流体の流動方向に順次位置させて流体の流路を
形成し、前記流路拡大部の内部で前記ノズルと対向する
位置に誘振子を配置し、この誘振子から前記排出口に連
通する位置にエンドブロックを配置し、全体を二次元的
な対称形に形成したフルイディック流体素子において、
前記誘振子を前記ノズルに対向する湾曲した凹面を有す
る直径φRY の円柱状に形成し、前記流路の深さをD、
前記ノズルの横幅をWN 、前記流路拡大部の前記ノズル
の両側に位置する二つの角部の曲率半径をRF 、前記流
路拡大部の横幅をWE 、前記ノズルと前記誘振子との間
隔をLY 、前記誘振子と前記エンドブロックとの間隔を
E 、前記エンドブロックの湾曲した両翼部の前記ノズ
ルに対向する凹面の曲率半径をRW 、前記エンドブロッ
クの両翼部の内幅をWB 、前記エンドブロックの両翼部
と前記流路拡大部との間隔をS、前記流路拡大部の前記
排出口の両側に位置する二つの角部の曲率半径をRB
前記エンドブロックと前記排出口との距離をLE とした
ときに、 2WN≦D≦10WN 0.5LY≦RF≦1.5LY 3RF
≦WE≦5RFN≦φRY≦2WNN≦YE≦3WN 0.3LY
≦RW≦0.7LY 4RW≦WB≦5.5RWN≦S≦3WN 2S≦
E の関係を満足する。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、ノズルと誘振子との近傍で流路拡大部の上
面か下面かに一対の圧力検出口を形成し、流体の流動方
向における前記ノズルと前記圧力検出口の中心との距離
をX、流体の流動方向と直交する方向における前記ノズ
ルの中心と前記圧力検出口の中心との距離をY、流体の
流動方向と直交する方向における前記圧力検出口の内幅
をRとしたときに、 R≒WN X≒R/2 Y≒WN の関係を満足する。
【0023】請求項3記載の発明は、本体ブロックの下
面に圧力導入口が開口し、内部に空洞が形成され、この
空洞が圧電膜により前記圧力導入口に連通する圧力検出
室と連通しない圧力参照室とに分割され、前記圧電膜の
信号出力により圧力を検出する圧力センサをフルイディ
ック流体素子の圧力検出口に接続し、一対の前記圧力検
出口の圧力を前記圧力センサで検出し、その出力差によ
りフルイディック振動を検出するフルイディック振動計
を設け、このフルイディック振動計と前記フルイディッ
ク流体素子とからなる。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、板厚が同等の支持基板と圧電セラミックと
を一体に接合して圧電膜を形成した。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項3又は4記
載の発明において、硬化後も弾性を有する接着剤により
空洞の内面に圧電膜を接着した。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項3記載の発
明において、外面から圧力参照室に導通する細孔を本体
ブロックに形成した。
【0027】請求項7記載の発明は、高流量を計測する
フルイディック流量計と低流量を計測する熱式フローセ
ンサとを有する流量計において、前記フルイディック流
量計の少なくとも一方の圧電膜の出力値に基づいて前記
熱式フローセンサをオンオフするセンサ制御手段を設け
た。
【0028】
【作用】請求項1記載の発明は、フルイディック流体素
子の各部の寸法の関係を規定し、高流量時の低周波ノイ
ズに対するS/Nを向上させた。
【0029】請求項2記載の発明は、圧力検出口の形状
とノズルに対する位置とを最適化し、流体の流動が 150
〜3000(L/H)の場合のS/Nを向上させた。
【0030】請求項3記載の発明は、フルイディック流
体素子の二個の圧力検出口に接合した圧力センサによ
り、フルイディック振動により発生する静圧を各々測定
し、その差信号よりフルイディック振動を検出するもの
であり、圧力センサの圧力導入口とフルイディック流体
素子の圧力検出口とが短絡する極めて簡単な構造で、フ
ルイディック振動計が小型かつ低価格に実現できた。
【0031】請求項4記載の発明は、一体に接合されて
圧電膜を形成する支持基板と圧電セラミックとの板厚が
同等なので、圧電膜の湾曲により圧電セラミックが面方
向に変形する度合いが大きく感度が増大する。
【0032】請求項5記載の発明は、空洞の内面に圧電
膜を接着した接着剤が弾性を有するので、圧電膜が周辺
支持の状態で本体ブロックの空洞に装着される。
【0033】請求項6記載の発明は、外面から圧力参照
室に導通する細孔を本体ブロックに形成したことによ
り、この本体ブロックの外部と内部とに空気が流通して
温度差が発生しない。
【0034】請求項7記載の発明は、フルイディック流
量計の少なくとも一方の圧電膜の出力値に基づいて熱式
フローセンサをオンオフするセンサ制御手段を設けたこ
とにより、このセンサ制御手段はフルイディック流量計
の圧電膜の出力値から流体の流動の有無を判断できるの
で、流体の流動時のみ熱式フローセンサをオンする。
【0035】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1ないし図14に
基づいて以下に説明する。なお、本実施例で示すフルイ
ディック流量計42に関し、前述したフルイディック流
量計10と同一の部分は、同一の名称及び符号を利用し
て詳細な説明は省略する。
【0036】まず、本実施例のフルイディック流量計4
2では、図1ないし図3に示すように、フルイディック
流体素子43の誘振子44が、直径φRY の円柱状に形
成されており、ノズル13に対向する位置に湾曲した凹
面45が形成されている。
【0037】そして、本実施例のフルイディック流体素
子43は、以下の関係を満足する形状に各部が形成され
ている。つまり、図1に示すように、流路16の深さを
D、ノズル13の横幅をWN 、流路拡大部14のノズル
13の両側に位置する二つの角部46の曲率半径を
F 、流路拡大部14の横幅をWE 、ノズル13と誘振
子44との間隔をLY 、誘振子44とエンドブロック1
8との間隔をYE 、エンドブロック18の湾曲した両翼
部20の凹面の曲率半径をRW 、エンドブロック18の
両翼部20の内幅をWB 、エンドブロック18の両翼部
20と流路拡大部14との間隔をS、流路拡大部14の
排出口15の両側に位置する二つの角部47の曲率半径
をRB 、エンドブロック18と排出口15との距離をL
E としたときに、 2WN≦D≦10WN 0.5LY≦RF≦1.5LY 3RF
≦WE≦5RFN≦φRY≦2WNN≦YE≦3WN 0.3LY
≦RW≦0.7LY 4RW≦WB≦5.5RWN≦S≦3WN 2S≦
E が成立する。
【0038】さらに、図2に示すように、流体の流動方
向におけるノズル13と圧力検出口21の中心との距離
をX(mm)、流体の流動方向と直交する方向におけるノズ
ル13の中心と圧力検出口21の中心との距離をY(m
m)、流体の流動方向と直交する方向における圧力検出口
21の内幅をR(mm)としたときに、 R=WN±1.0(mm) X=(R/2)±1.0(mm) Y=
N±1.5(mm) として、 R≒WN X≒R/2 Y≒WN の関係を満足している。なお、圧力検出口21は円形に
形成されているので、その内幅Rは直径φRである。
【0039】また、図3及び図4に示すように、前記フ
ルイディック流体素子43の上面には、フルイディック
振動計48が固定されている。このフルイディック振動
計48の構造を以下に説明する。まず、一個の本体ブロ
ック49の内部に一対の円筒形の空洞50が形成されて
おり、これらの空洞50に各々連通する圧力導入口51
の各々が前記本体ブロック49の下面に開口している。
一対の前記空洞50の内周面には、略中央の高さに一対
の圧電膜52が水平に接着されており、これら一対の圧
電膜52により、一対の前記空洞50が一対の圧力参照
室53と一対の圧力検出室54とに各々分割されてい
る。
【0040】そこで、前記フルイディック振動計48の
本体ブロック49と前記フルイディック流体素子43の
本体ブロック12とが一体に接合され、前記フルイディ
ック流体素子43の一対の圧力検出口21の各々に、前
記フルイディック振動計48の一対の圧力導入口51が
個々に連通している。これらの圧力導入口51は、一対
の前記圧力検出室54に各々導通している。なお、前記
圧力参照室53は構造的に密閉されているので、前記圧
電膜52の結露などを防止するため、露点が−20(℃)
以下の乾燥空気が封入されている。
【0041】前記圧電膜52は、図5に示すように、支
持基板55と圧電板56と電極層57とを順次積層した
円盤状に形成されている。前記支持基板55は、前記本
体ブロック49の空洞50を密閉する半径R1の円盤状
に形成されており、前記圧電板56と前記電極層57と
は、前記支持基板55より一回り小さい半径R2の円盤
状に形成されている。また、前記支持基板55と前記圧
電板56とは、同等の板厚に形成されており、この板厚
は、具体的には30〜250(μm)、好ましくは30〜50(μm)
である。なお、前記支持基板55は真鍮からなるが、そ
の材料としては、42アロイなどの合金やステンレスも利
用可能である。また、圧電板56は、ジルコン酸チタン
酸鉛系を主体とするPZT系の圧電セラミックからな
る。
【0042】そして、前記圧電膜52の支持基板55
は、その片面の端部の位置で前記本体ブロック49の空
洞50の内面に接着されており、この接着は硬化後も弾
性を有するシリコン系ゴム接着剤による。
【0043】このような構成において、フルイディック
流体素子43の流路16を流体が流動すると、図6に示
すように、この流体にフルイディック振動が発生して一
対の圧力検出口21に作用する流体の圧力が交互に増減
する。すると、フルイディック振動計48の一対の圧力
検出室54に作用する流体の圧力も交互に増減して一対
の圧電膜52が交互に上下するので、これらの圧電膜5
2の出力信号を差動増幅器41により差動増幅すること
により流体の流量が測定される。
【0044】本実施例のフルイディック流量計42で
は、図1に基づいて説明したように、フルイディック流
体素子43の形状が最適化されているので、流量測定の
S/Nが測定領域の略全域で良好である。このため、本
出願人は、本実施例のフルイディック流量計42と前述
したフルイディック流量計1,10とを実際に試作し、
低周波ノイズと信号強度とのS/Nを各種流量で測定し
た。
【0045】この測定結果を図7に示す。図中、G2が
第一の従来例のフルイディック流量計1の測定結果、T
Gが第二の従来例のフルイディック流量計10の測定結
果、SVが本実施例のフルイディック流量計42の測定
結果である。同図から明白であるように、本実施例のフ
ルイディック流量計42は、測定領域の略全域で従来の
フルイディック流量計1,10よりS/Nが良好であ
り、特に高流量時のS/Nが向上している。
【0046】しかも、図2に基づいて説明したように、
圧力検出口21の位置と寸法も最適化されているので、
さらに流量測定のS/Nが改善されている。このため、
本出願人は、本実施例の圧力検出口21の位置や寸法を
変更したフルイディック流量計(図示せず)を実際に試
作して圧力信号を測定した。
【0047】流体の流動方向と直交する方向におけるノ
ズル13の中心と圧力検出口21の中心との距離Yを変
更した場合の測定結果を図8に示す。まず、距離Yを短
縮して圧力検出口21を図2におけるA点に形成したと
ころ、図8(a)に示すように、圧力信号の出力は増大
したが、圧力信号の波形に二つのピークが発生した。こ
れはフルイディック振動を往復の両方で検出してしまう
ためである。つぎに、距離Yを延長して圧力検出口21
を図2におけるB点に形成したところ、図8(b)に示
すように、圧力信号の出力が低下し、波形が正弦波に近
似しなくなった。これはフルイディック振動による流動
が拡散して流速が低下することと、乱流が発生すること
に起因する。
【0048】また、流体の流動方向におけるノズル13
と圧力検出口21の中心との距離Xを変更したところ、
この距離Xの増加に従って信号出力は単調に低下した
が、この信号出力は誘振子44の直前では急激に増加し
た。これは誘振子44により流体の流動が急角度に偏向
される際に圧力が増加することに起因する。
【0049】さらに、圧力検出口21の直径φRを変更
したところ、この直径φRの増加により信号出力は増大
してから減少した。圧力信号の出力増大は、圧力検出口
21に圧力を作用させる流体の容量が増加することに起
因しており、出力減少は、圧力検出口21が有効な流動
の横幅より拡大されると、圧力検出口21に圧力を作用
させない流体の容量が増加することに起因している。
【0050】そして、上述のような直径φRと距離Xと
距離Yとを各種に変更してフルイディック振動計48の
出力信号のS/Nを測定したところ、図9に示すように
なり、最高のS/Nから、これの 90(%)程度までを好
ましいS/Nの範囲とすると、圧力検出口21の最適な
内径φR(mm)と位置X,Y(mm)とは、ノズル13の内幅
をWn とすると、 R=WN±1.0(mm) X=(R/2)±1.0(mm) Y=
N±1.5(mm) となった。
【0051】なお、本実施例のフルイディック流量計4
2では、圧力検出口21を単純な円形に形成することを
示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、楕円形や矩形や多角形なども可能であり、この場
合、圧力検出口の内幅Rは、Y方向の内幅となる。ま
た、ノズル13の内面はX方向と平行に形成されている
必要があり、ノズル13の開口から角部46に連通する
流路拡大部14の内面はY方向と平行に形成されている
必要がある。さらに、フルイディック流体素子43の圧
力検出口21とフルイディック振動計48の圧力導入口
51との形状と位置とを一致させることにより、流体の
流量を最適な効率で計測できるが、例えば、圧力検出口
21と圧力導入口51とが一致しない場合には、これら
を連通させる流路部材(図示せず)をフルイディック流
体素子43とフルイディック振動計48とに介在させる
ことになる。
【0052】さらに、本実施例のフルイディック流量計
42は、図5に示すように、圧電膜52の圧電板56が
キュリー温度の高い圧電セラミックであるPZTからな
るので、都市ガスやLPGのガスメータが設置されてい
る環境下で使用されても、経時劣化を懸念する必要がな
い。しかも、この圧電膜52は、真鍮製の半径R1の支
持基板55とPZT製の半径R2の圧電板56とを同等
の板厚として一体に接合した構造なので、圧電板56の
単体で圧電膜52を形成した構造に比較して全体が薄く
大きく形成されており、流体の圧力により支持基板55
を湾曲させて圧電板56を面方向に伸縮させることがで
きるので、圧電板56の単体で圧電膜52を形成した構
造に比較して感度が十倍以上に改善されている。
【0053】さらに、圧電膜52の支持基板55は、硬
化後も弾性を有するシリコン系ゴム接着剤により、その
片面の端部の位置で本体ブロック49の空洞50の内面
に接着されているので、この部分は位置固定であるが角
度は可変自在である。つまり、圧電膜52は、周辺支持
の状態で空洞50に装着されているので、周辺固定の場
合に比較して出力強度が向上している。
【0054】このため、本出願人は支持基板55と圧電
板56との板厚の比率と半径の比率とを各種に変更した
圧電膜52を製作し、これを周辺支持と周辺固定との状
態で本体ブロック49の空洞50に接着し、一定圧力で
の出力電圧を測定した。支持基板55と圧電板56との
板厚の比率を一対一とし、半径の比率を各種に変更した
場合の、周辺支持の測定結果を図10(a)に示し、周
辺固定の測定結果を図10(b)に示す。また、支持基
板55と圧電板56との板厚を各種に組み合わせた場合
の測定結果を図11に示す。
【0055】図10(a)(b)から明白であるように、
圧電膜52は周辺固定に比較して周辺支持の方が出力強
度が良好である。周辺支持の場合、図10(a)に示す
ように、圧電膜52の出力強度は支持基板55と圧電板
56との半径の比率R2/R1に略比例して増大し、R
2/R1≒0.85で略飽和して最高となるので、R2/R
1=0.85〜1.0 であることが望ましい。また、周辺固定
の場合は、図10(b)に示すように、圧電膜52の出
力強度はR2/R1≒0.75でピークとなるので、R2/
R1=0.65〜0.75であることが望ましい。
【0056】また、図11から明白であるように、圧電
膜52の出力強度は、支持基板55の板厚が薄いほど良
好であり、圧電板56の板厚は支持基板55と同等の場
合に良好である。つまり、支持基板55と圧電板56と
の板厚は同等で薄いほど良好であり、実用範囲としては
30〜250(μm)程度であり30〜 50(μm)が望ましい。
【0057】なお、ここでは真鍮製の支持基板55を使
用した場合の結果を示したが、これを他の金属で製作し
ても同様な結果となることを本出願人は確認している。
【0058】また、本実施例のフルイディック流量計4
2では、図5に示すように、支持基板55と圧電板56
と電極層57とを順次積層した単純な構造で圧電膜52
を形成したが、本発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、図12に示すように、ガラスエポキシ樹脂など
からなる絶縁性の支持基板58上に、電極層59と圧電
板56と電極層60とを順次積層して圧電膜61を形成
することも可能である。この場合、圧電膜52と同様
に、圧電板56の全面に電極層59,60を成膜するこ
とも可能であるが、図13に示すように、電極層59,
60を複数のセグメントに分割して接続を直列とし、圧
電膜61の出力強度を向上させることも可能である。
【0059】また、本実施例のフルイディック流量計4
2は、図20に基づいて前述した従来例のフルイディッ
ク流量計26と同様に、同一方向に配置された一対の圧
電膜52の差信号によりフルイディック振動を検出する
ので、全体に作用する振動は一対の圧電膜52に同相に
作用して差動増幅器41の差動増幅により相殺される。
しかし、本実施例のフルイディック流量計42では、フ
ルイディック振動計48とフルイディック流体素子43
とが一体に接合されており、圧電膜52により圧力参照
室53と分割された圧力検出室54のみが圧力検出口2
1に導通しているので、複雑な構造の連結管は必要でな
く、構造が単純で小型化されている。
【0060】本実施例のフルイディック流量計42で
は、フルイディック振動計48とフルイディック流体素
子43とが一体に接合されているので、外部から作用す
る振動に対する出力信号のS/Nが良好である。このた
め、本実施例のフルイディック流量計42と従来のフル
イディック流量計26とを実際に試作して性能を比較し
た。
【0061】まず、フルイディック信号のS/Nを各種
流量で測定したところ、図14(a)に示すように、同
等な結果となった。これは、本実施例のフルイディック
流量計42の圧電膜52が高感度なことに起因してい
る。
【0062】つまり、従来のフルイディック流量計26
は流体のフルイディック振動の差圧を検出するが、本実
施例のフルイディック流量計42は流体のフルイディッ
ク振動の絶対圧を検出するので、ダイナミックレンジが
拡大されてS/Nが低下することになる。より具体的に
は、LPGメータの場合、流体の静圧は300(mmH2O)であ
るのに対し、フルイディック振動により発生する差圧は
0.03〜3.0(mmH2O)であるので、差圧を検出する従来のフ
ルイディック流量計26のダイナミックレンジは 100程
度で良いのに対し、絶対圧を検出する本実施例のフルイ
ディック流量計42のダイナミックレンジは 10000程度
となる。しかし、本実施例のフルイディック流量計42
は、前述のように圧電膜52が高感度であるので、結果
的に従来と同様なS/Nを得ることができた。
【0063】つぎに、外部振動が作用した場合のフルイ
ディック信号のS/Nを測定した。この場合、外部振動
の周波数は40(Hz)、流体の流量は1000(L/H)とした。す
ると、図14(b)に示すように、本実施例のフルイデ
ィック流量計42は従来のフルイディック流量計26よ
り良好な結果となった。これは、フルイディック流体素
子43にフルイディック振動計48が一体に接合されて
いるので、全体に作用する振動がフルイディック振動計
48の一対の圧電膜52に完全に同相に作用することに
起因している。
【0064】なお、本実施例のフルイディック流量計4
2では、一対の空洞50が形成された一個の本体ブロッ
ク49からフルイディック振動計48を形成し、これを
フルイディック流体素子43に接合することにより、単
純な構造で良好なS/Nを実現している。しかし、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、空
洞50が各々形成された一対の本体ブロックからフルイ
ディック振動計(図示せず)を形成し、これをフルイデ
ィック流体素子43に接合することも可能である。
【0065】また、本実施例のフルイディック流量計4
2では、フルイディック振動計48の圧力参照室53が
密閉されているので、露点が−20(℃)以下の乾燥空気を
封入して結露を防止することを示したが、本発明は上記
実施例に限定されるものではなく、例えば、外部から圧
力参照室53の各々に導通する細孔を本体ブロック49
に形成して結露を防止することも可能である。この場
合、外部から細孔を介して圧力参照室53の各々に作用
する空気振動も同一位相なので相殺されるが、細孔に金
網などを充填して空気振動の影響を軽減することが望ま
しい。
【0066】つぎに、本発明の第二の実施例を図15に
基づいて以下に説明する。まず、本実施例の流量計であ
るLPGメータ62は、第一の実施例として前述したフ
ルイディック流量計42を、熱式フローセンサ63と共
に有している。
【0067】フルイディック流量計42の一対の圧電膜
52には差動増幅器41が接続されており、この差動増
幅器41には、波形整形回路25とカウンタ64とを介
してCPU(Central Processing Unit)65の流量変換
器66が接続されている。前記熱式フローセンサ63に
は、駆動制御回路67が接続されており、この駆動制御
回路67にはA/DC(Analog/Digital Convertor)6
8を介して前記CPU65の流量変換器69が接続され
ている。このCPU65の内部で前記流量変換器66,
69はセレクタ70に接続されており、このCPU65
のセレクタ70に別体のディスプレイ71が接続されて
いる。
【0068】また、前記フルイディック流量計42の一
対の圧電膜52の一方に増幅器72が接続されており、
この増幅器72は前記CPU65の流量判断器73に接
続されている。この流量判断器73は前記CPU65の
内部でパルス発生器74に接続されており、このパルス
発生器74が前記駆動制御回路67に接続されている。
これらの回路により、前記フルイディック流量計42の
一方の圧電膜52の出力値に基づいて前記熱式フローセ
ンサ63をオンオフするセンサ制御手段が形成されてい
る。
【0069】このような構成において、本実施例のLP
Gメータ62は、流体であるLPGのガスボンベからガ
ス器具に至る配管に設けられ、LPGの流量を検出して
ディスプレイ71に表示する。この時、高流量はフルイ
ディック流量計42により検出し、低流量は熱式フロー
センサ63により検出することにより、LPGの流量を
広範囲で高感度に検出する。
【0070】そして、本実施例のLPGメータ62で
は、フルイディック流量計42の一方の圧電膜52の出
力値に基づいて熱式フローセンサ63をオンオフするこ
とにより、LPGが使用されて流動する場合のみ熱式フ
ローセンサ63を駆動する。このため、熱式フローセン
サ63は、ヒータを有するために消費電力が大きいが、
LPGが流動する場合のみ駆動されるので、全体の消費
電力が低減されている。
【0071】より詳細には、LPGメータ62に作用す
るLPGの圧力は一般的に300(mmH2O)程度であるが、ガ
ス器具の弁が開放されると、LPGの圧力は瞬間的に低
下してから上昇し、ガス器具の弁が閉止されると、LP
Gの圧力は瞬間的に上昇する。
【0072】このため、本実施例のLPGメータ62
は、フルイディック流量計42の圧電膜52の出力信号
からLPGの流動の有無を判断したCPU65が熱式フ
ローセンサ63のオンオフを制御することにより、消費
電力が大きい熱式フローセンサ63はLPGの流動時の
み駆動して全体の消費電力を低減する。
【0073】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、誘振子をノズル
に対向する湾曲した凹面を有する直径φRY の円柱状に
形成し、流路の深さをD、ノズルの横幅をWN 、流路拡
大部のノズルの両側に位置する二つの角部の曲率半径を
F 、流路拡大部の横幅をWE、ノズルと誘振子との間
隔をLY 、誘振子とエンドブロックとの間隔をYE 、エ
ンドブロックの湾曲した両翼部のノズルに対向する凹面
の曲率半径をRW 、エンドブロックの両翼部の内幅をW
B 、エンドブロックの両翼部と流路拡大部との間隔を
S、流路拡大部の排出口の両側に位置する二つの角部の
曲率半径をRB 、エンドブロックと排出口との距離をL
E としたときに、 2WN≦D≦10WN 0.5LY≦RF≦1.5LY 3RF
≦WE≦5RFN≦φRY≦2WNN≦YE≦3WN 0.3LY
≦RW≦0.7LY 4RW≦WB≦5.5RWN≦S≦3WN 2S≦
E の関係を満足することにより、フルイディック流体素子
の形状を最適化することができるので、高流量時の低周
波に対するフルイディック信号のS/Nを改善すること
ができ、高流量時の測定精度が良好なフルイディック流
量計を得ることができる。
【0074】請求項2記載の発明は、ノズルと誘振子と
の近傍で流路拡大部の上面か下面かに一対の圧力検出口
を形成し、流体の流動方向におけるノズルと圧力検出口
の中心との距離をX、流体の流動方向と直交する方向に
おけるノズルの中心と圧力検出口の中心との距離をY、
流体の流動方向と直交する方向における圧力検出口の内
幅をRとしたときに、 R≒WN X≒R/2 Y≒W の関係を満足することにより、圧力検出口の形状と位置
とを最適化することができるので、フルイディック信号
のS/Nを改善することができ、測定精度が良好なフル
イディック流量計を得ることができる。
【0075】請求項3記載の発明は、本体ブロックの下
面に圧力導入口が開口し、内部に空洞が形成され、この
空洞が圧電膜により圧力導入口に連通する圧力検出室と
連通しない圧力参照室とに分割され、圧電膜の信号出力
により圧力を検出する圧力センサをフルイディック流体
素子の圧力検出口に接続し、一対の圧力検出口の圧力を
圧力センサで検出し、その出力差によりフルイディック
振動を検出するフルイディック振動計を設け、このフル
イディック振動計とフルイディック流体素子とからなる
ことにより、外部から作用する振動に対するフルイディ
ック信号のS/Nを改善することができ、測定精度が良
好なフルイディック流量計を得ることができる。
【0076】請求項4記載の発明は、板厚が同等な支持
基板と圧電セラミックとを一体に接合して圧電膜を形成
したことにより、圧電膜に作用する圧力を支持基板の湾
曲により圧電セラミックの面方向の伸縮に変換すること
ができるので、単純な構造で高感度な圧電膜を得ること
ができる。
【0077】請求項5記載の発明は、硬化後も弾性を有
する接着剤により空洞の内面に圧電膜を接着したことに
より、圧電膜を周辺支持と同様な構造で本体ブロックの
空洞に装着することができるので、単純な構造で高感度
な圧電膜を得ることができる。
【0078】請求項6記載の発明は、外面から圧力検出
室と圧力参照室とに各々導通する細孔を本体ブロックに
形成したことにより、この本体ブロックの外部と内部と
に空気が流通して温度差が発生しないので、圧力参照室
の結露を防止することができる。
【0079】請求項7記載の発明は、フルイディック流
量計の少なくとも一方の圧電膜の出力値に基づいて熱式
フローセンサをオンオフするセンサ制御手段を設けたこ
とにより、フルイディック流量計の圧電膜の出力値から
流体の流動の有無を判断し、流体の流動時のみ熱式フロ
ーセンサを駆動することができるので、全体の消費電力
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のフルイディック流体素子を
示す平面図である。
【図2】拡大した要部を示す平面図である。
【図3】フルイディック流量計を示す分解斜視図であ
る。
【図4】フルイディック流量計を示す縦断正面図であ
る。
【図5】圧電膜を示し、(a)は平面図、(b)は側面
図である。
【図6】フルイディック振動計に差動増幅器を接続した
状態を示す模式図である。
【図7】各種流量における低周波ノイズと信号強度との
S/Nを示す特性図である。
【図8】ノズルと圧力検出口との距離Yを変更した場合
の圧力信号を示し、(a)は距離Yを短縮した場合の特
性図、(b)は距離Yを延長した場合の特性図である。
【図9】ノズルに対する圧力検出口の直径φRと距離X
と距離Yとを各種に変更した場合の出力信号のS/Nを
示し、(a)は直径φRを変更した場合の特性図、
(b)は距離Xを変更した場合の特性図、(c)は距離
Yを変更した場合の特性図である。
【図10】圧電膜の支持基板と圧電板との半径の比率を
各種に変更した場合の出力電圧を示し、(a)は周辺支
持の場合の特性図、(b)は周辺固定の場合の特性図で
ある。
【図11】支持基板と圧電板との板厚を各種に組み合わ
せた場合の出力電圧を示す特性図である。
【図12】圧電膜の一変形例を示す側面図である。
【図13】一変形例の圧電膜の電極を示す平面図であ
る。
【図14】(a)は各種流量におけるフルイディック信
号のS/Nを示す特性図、(b)は外部振動に対するフ
ルイディック信号のS/Nを示す特性図である。
【図15】本発明の第二の実施例を示すブロック図であ
る。
【図16】第一の従来例のフルイディック流量計を示す
平面図である。
【図17】第二の従来例のフルイディック流量計を示す
平面図である。
【図18】フルイディック流量計に接続する回路を示す
ブロック図である。
【図19】フルイディック流量計の出力信号を示す特性
図である。
【図20】第三の従来例のフルイディック流量計を示す
模式図である。
【符号の説明】
12 本体ブロック 13 ノズル 14 流路拡大部 15 排出口 16 流路 18 エンドブロック 21 圧力検出口 42 フルイディック流量計 43 フルイディック流体素子 44 誘振子 45 凹面 46,47 角部 48 フルイディック振動計 49 本体ブロック 50 空洞 51 圧力導入口 52,61 圧電膜 53 圧力参照室 54 圧力検出室 55,58 支持基板 56 圧電セラミック 62 流量計 63 熱式フローセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 善一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 高宮 敏行 東京都品川区南大井6−16−10 リコー精 器株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が流入するノズルと流路拡大部と流
    体が流出する排出口とを流体の流動方向に順次位置させ
    て流体の流路を形成し、前記流路拡大部の内部で前記ノ
    ズルと対向する位置に誘振子を配置し、この誘振子から
    前記排出口に連通する位置にエンドブロックを配置し、
    全体を二次元的な対称形に形成したフルイディック流体
    素子において、 前記誘振子を前記ノズルに対向する湾曲した凹面を有す
    る直径φRY の円柱状に形成し、前記流路の深さをD、
    前記ノズルの横幅をWN 、前記流路拡大部の前記ノズル
    の両側に位置する二つの角部の曲率半径をRF 、前記流
    路拡大部の横幅をWE 、前記ノズルと前記誘振子との間
    隔をLY 、前記誘振子と前記エンドブロックとの間隔を
    E 、前記エンドブロックの湾曲した両翼部の前記ノズ
    ルに対向する凹面の曲率半径をRW 、前記エンドブロッ
    クの両翼部の内幅をWB 、前記エンドブロックの両翼部
    と前記流路拡大部との間隔をS、前記流路拡大部の前記
    排出口の両側に位置する二つの角部の曲率半径をRB
    前記エンドブロックと前記排出口との距離をLE とした
    ときに、 2WN≦D≦10WN 0.5LY≦RF≦1.5LY 3RF
    ≦WE≦5RFN≦φRY≦2WNN≦YE≦3WN 0.3LY
    ≦RW≦0.7LY 4RW≦WB≦5.5RWN≦S≦3WN 2S≦
    E の関係を満足することを特徴とするフルイディック流体
    素子。
  2. 【請求項2】 ノズルと誘振子との近傍で流路拡大部の
    上面か下面かに一対の圧力検出口を形成し、流体の流動
    方向における前記ノズルと前記圧力検出口の中心との距
    離をX、流体の流動方向と直交する方向における前記ノ
    ズルの中心と前記圧力検出口の中心との距離をY、流体
    の流動方向と直交する方向における前記圧力検出口の内
    幅をRとしたときに、 R≒WN X≒R/2 Y≒WN の関係を満足することを特徴とする請求項1記載のフル
    イディック流体素子。
  3. 【請求項3】 本体ブロックの下面に圧力導入口が開口
    し、内部に空洞が形成され、この空洞が圧電膜により前
    記圧力導入口に連通する圧力検出室と連通しない圧力参
    照室とに分割され、前記圧電膜の信号出力により圧力を
    検出する圧力センサをフルイディック流体素子の圧力検
    出口に接続し、一対の前記圧力検出口の圧力を前記圧力
    センサで検出し、その出力差によりフルイディック振動
    を検出するフルイディック振動計を設け、このフルイデ
    ィック振動計と前記フルイディック流体素子とからなる
    ことを特徴とするフルイディック流量計。
  4. 【請求項4】 板厚が同等の支持基板と圧電セラミック
    とを一体に接合して圧電膜を形成したことを特徴とする
    請求項3記載のフルイディック流量計。
  5. 【請求項5】 硬化後も弾性を有する接着剤により空洞
    の内面に圧電膜を接着したことを特徴とする請求項3又
    は4記載のフルイディック流量計。
  6. 【請求項6】 外面から圧力参照室に導通する細孔を本
    体ブロックに形成したことを特徴とする請求項3記載の
    フルイディック流量計。
  7. 【請求項7】 高流量を計測するフルイディック流量計
    と低流量を計測する熱式フローセンサとを有する流量計
    において、前記フルイディック流量計の少なくとも一方
    の圧電膜の出力値に基づいて前記熱式フローセンサをオ
    ンオフするセンサ制御手段を設けたことを特徴とする流
    量計。
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