JPH08210403A - ブレーキ摺動部 - Google Patents
ブレーキ摺動部Info
- Publication number
- JPH08210403A JPH08210403A JP27539495A JP27539495A JPH08210403A JP H08210403 A JPH08210403 A JP H08210403A JP 27539495 A JP27539495 A JP 27539495A JP 27539495 A JP27539495 A JP 27539495A JP H08210403 A JPH08210403 A JP H08210403A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- friction coefficient
- brake
- pad
- sliding part
- brake sliding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来にない、摩擦係数が高く、摩耗量が少く、
かつガク効きを生じないブレーキ摺動部を提供する。 【構成】 炭素繊維強化炭素複合材で形成されたディス
ク及びパッドから成り平均摩擦係数が0.30以上で且
つブレーキ圧力が設定値に到達する時間までのブレーキ
ング初期に、瞬間動摩擦係数が0.60以上となるよう
な特性を有するブレーキ摺動部であって、ディスク、及
びパッドそれぞれの摩耗量が1停止、1面当たり7.0
×10-3mm以下であることを特徴とするブレーキ摺動
部。
かつガク効きを生じないブレーキ摺動部を提供する。 【構成】 炭素繊維強化炭素複合材で形成されたディス
ク及びパッドから成り平均摩擦係数が0.30以上で且
つブレーキ圧力が設定値に到達する時間までのブレーキ
ング初期に、瞬間動摩擦係数が0.60以上となるよう
な特性を有するブレーキ摺動部であって、ディスク、及
びパッドそれぞれの摩耗量が1停止、1面当たり7.0
×10-3mm以下であることを特徴とするブレーキ摺動
部。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は摩擦、摺動特性に優れた
炭素繊維強化炭素複合材(以下C/C複合材という)製
のブレーキ摺動部に関するものである。
炭素繊維強化炭素複合材(以下C/C複合材という)製
のブレーキ摺動部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用ディスクブレーキでは軽量
化と性能向上の観点から、C/C複合材をディスクやパ
ッドのブレーキ摺動部に用いている。航空機や鉄道車両
及び一般乗用車等は滑らかに停止する事が望ましく、シ
ステムに適した摩擦係数と制動トルクが一定である事が
要求される。
化と性能向上の観点から、C/C複合材をディスクやパ
ッドのブレーキ摺動部に用いている。航空機や鉄道車両
及び一般乗用車等は滑らかに停止する事が望ましく、シ
ステムに適した摩擦係数と制動トルクが一定である事が
要求される。
【0003】一方レース用のブレーキでは速度、圧力、
温度等の使用条件の異なる各コーナーで短時間に減速す
る事が望ましく、高い摩擦係数と共にブレーキ開始より
短期間に制動トルクが高くなる応答の速さが要求され
る。又こういった過酷な使用条件下に於いても、少なく
ともレースを完走できる低摩耗性が必要となる。しかし
同質のC/C複合材を用いたディスク、パッドでは低速
・低圧の条件下では制動トルクが低く、又応答速度が遅
かったり、高速・高温・高面圧下では摩擦係数が低下
し、摩耗量が増加する等安定した制動効果が得られなか
った。
温度等の使用条件の異なる各コーナーで短時間に減速す
る事が望ましく、高い摩擦係数と共にブレーキ開始より
短期間に制動トルクが高くなる応答の速さが要求され
る。又こういった過酷な使用条件下に於いても、少なく
ともレースを完走できる低摩耗性が必要となる。しかし
同質のC/C複合材を用いたディスク、パッドでは低速
・低圧の条件下では制動トルクが低く、又応答速度が遅
かったり、高速・高温・高面圧下では摩擦係数が低下
し、摩耗量が増加する等安定した制動効果が得られなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題と手段】そこで、発明者
等はC/C複合材製ブレーキ摺動部のかかる問題につい
て鋭意検討を重ねた結果、低速から高速・高圧の条件に
至るまで高摩擦係数を維持すると同時にブレーキ初期
に、瞬間動摩擦係数が高く更に耐摩耗性にも優れた特性
が得られ、安定した制動効果が得られることを知得し
た。
等はC/C複合材製ブレーキ摺動部のかかる問題につい
て鋭意検討を重ねた結果、低速から高速・高圧の条件に
至るまで高摩擦係数を維持すると同時にブレーキ初期
に、瞬間動摩擦係数が高く更に耐摩耗性にも優れた特性
が得られ、安定した制動効果が得られることを知得し
た。
【0005】慣性型摩擦試験機を使用して、C/C複合
材で形成されたディスク及びパッドの摩擦試験(図1)
を実施する。試験条件はブレーキ圧力(摺動面圧力とし
て)20kg/cm2 、摺動面速度=10m/sec
(単位面積当たりの吸収エネルギーE=1.2×103
J/cm2 )から25m/sec(E=7.7×103
J/cm2 )で実施し、平均動摩擦係数、ブレーキング
初期(ブレーキ圧力が設定値に到達する時間まで)の瞬
間動摩擦係数、摩耗量を測定する。種々のサンプルをテ
ストした結果C/C複合材で形成されたディスク及びパ
ッドから成り、上記の全ての測定条件に渡って平均摩擦
係数が0.30以上、好ましくは0.35〜0.70で
且つブレーキ圧力が設定値に到達する時間までのブレー
キング初期に、瞬間動摩擦係数が0.60以上、好まし
くは0.65〜3.0となるような特性を有し、且つデ
ィスク、パッドの摩耗量が1停止、1面当たり7.0×
10 -3mm以下、好ましくは5.0×10-3mm以下で
あるブレーキ摺動部を知得した。
材で形成されたディスク及びパッドの摩擦試験(図1)
を実施する。試験条件はブレーキ圧力(摺動面圧力とし
て)20kg/cm2 、摺動面速度=10m/sec
(単位面積当たりの吸収エネルギーE=1.2×103
J/cm2 )から25m/sec(E=7.7×103
J/cm2 )で実施し、平均動摩擦係数、ブレーキング
初期(ブレーキ圧力が設定値に到達する時間まで)の瞬
間動摩擦係数、摩耗量を測定する。種々のサンプルをテ
ストした結果C/C複合材で形成されたディスク及びパ
ッドから成り、上記の全ての測定条件に渡って平均摩擦
係数が0.30以上、好ましくは0.35〜0.70で
且つブレーキ圧力が設定値に到達する時間までのブレー
キング初期に、瞬間動摩擦係数が0.60以上、好まし
くは0.65〜3.0となるような特性を有し、且つデ
ィスク、パッドの摩耗量が1停止、1面当たり7.0×
10 -3mm以下、好ましくは5.0×10-3mm以下で
あるブレーキ摺動部を知得した。
【0006】本発明のC/C複合材の製造は、例えば、
長繊維あるいは短繊維状の炭素繊維に樹脂またはピッチ
を含浸あるいは混合し、これを所望の任意の方向に配列
した後、加熱加圧成形して所望の形状のディスク及びパ
ット材とし、これを不活性雰囲気で焼成し、さらに必要
に応じて、適宜、ピッチまたは樹脂を含浸して気孔を充
填した後に不活性雰囲気で焼成して炭化する工程を複数
回繰り返したり、または、メタンなどの炭素を含有する
気体と高温で接触させて熱分解によって生じる炭素を気
孔中に沈積させたりしさらにはこれらの緻密化および熱
処理を様々に組み合わせることによって行われる。この
時、例えばディスクとパッドの炭素繊維体積含有量を適
切な比率にしたり、熱処理温度を変える事によって良好
な摩擦摩耗特性が得られる。
長繊維あるいは短繊維状の炭素繊維に樹脂またはピッチ
を含浸あるいは混合し、これを所望の任意の方向に配列
した後、加熱加圧成形して所望の形状のディスク及びパ
ット材とし、これを不活性雰囲気で焼成し、さらに必要
に応じて、適宜、ピッチまたは樹脂を含浸して気孔を充
填した後に不活性雰囲気で焼成して炭化する工程を複数
回繰り返したり、または、メタンなどの炭素を含有する
気体と高温で接触させて熱分解によって生じる炭素を気
孔中に沈積させたりしさらにはこれらの緻密化および熱
処理を様々に組み合わせることによって行われる。この
時、例えばディスクとパッドの炭素繊維体積含有量を適
切な比率にしたり、熱処理温度を変える事によって良好
な摩擦摩耗特性が得られる。
【0007】この条件としては、原料により異なるため
具体的には限定されないが、例えば、炭素繊維の含有量
としては、通常5乃至60%の範囲で、ディスク材の方
が繊維含有率が低いことが好ましい。そして繊維の配列
の方向としては、摺動面に平行な面内で、かつランダム
な方向を向いている、いわゆる2次元ランダムな配向が
好ましい。そして熱処理温度としては、少なくとも1回
は1400℃以上の温度で焼成されていることが好まし
く、特にディスク材はパッド材より高い温度で熱処理す
ることが好ましい。また、それぞれにつき、最終熱処理
温度をそれ以前の熱処理温度より高くすることが好まし
い。以下本発明を実施例に基づき、より詳細に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、実施例に限定さ
れるものではない。
具体的には限定されないが、例えば、炭素繊維の含有量
としては、通常5乃至60%の範囲で、ディスク材の方
が繊維含有率が低いことが好ましい。そして繊維の配列
の方向としては、摺動面に平行な面内で、かつランダム
な方向を向いている、いわゆる2次元ランダムな配向が
好ましい。そして熱処理温度としては、少なくとも1回
は1400℃以上の温度で焼成されていることが好まし
く、特にディスク材はパッド材より高い温度で熱処理す
ることが好ましい。また、それぞれにつき、最終熱処理
温度をそれ以前の熱処理温度より高くすることが好まし
い。以下本発明を実施例に基づき、より詳細に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、実施例に限定さ
れるものではない。
【0008】
[実施例1]以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、下記実施例
によって限定されるものではない。30mm長のピッチ
系炭素繊維束を解繊して、二次元ランダムに配向させ、
これをエタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸さ
せ、乾燥して、プリプレグ・シートを作製した。このシ
ートを金型内へ積層し、250℃にて加熱加圧成形し、
ディスク及びパッド材の成形体を得た。この成形体を2
000℃まで熱処理した後、ピッチを含浸して気孔を充
填し、不活性雰囲気で1000℃で焼成して炭化する緻
密化工程を複数回繰り返し、ディスク材は2400℃、
パッド材は1800℃でそれぞれ熱処理を行って、ディ
スク材は炭素繊維体積含有率(Vf)約20%、パッド
材はVf約40%のC/C複合材を得た。
するが、本発明はその要旨を越えない限り、下記実施例
によって限定されるものではない。30mm長のピッチ
系炭素繊維束を解繊して、二次元ランダムに配向させ、
これをエタノールで希釈したフェノール樹脂を含浸さ
せ、乾燥して、プリプレグ・シートを作製した。このシ
ートを金型内へ積層し、250℃にて加熱加圧成形し、
ディスク及びパッド材の成形体を得た。この成形体を2
000℃まで熱処理した後、ピッチを含浸して気孔を充
填し、不活性雰囲気で1000℃で焼成して炭化する緻
密化工程を複数回繰り返し、ディスク材は2400℃、
パッド材は1800℃でそれぞれ熱処理を行って、ディ
スク材は炭素繊維体積含有率(Vf)約20%、パッド
材はVf約40%のC/C複合材を得た。
【0009】慣性型摩擦試験機によって摺動面速度1
1、18、25m/sec、摺動面圧20kg/cm2
で試験を行い、平均摩擦係数、ブレーキング初期の瞬間
摩擦係数、摩耗量を測定した。結果を表1に示す。実施
例1は表中の比較例1、2に比べ、優れた摩擦特性を示
した。
1、18、25m/sec、摺動面圧20kg/cm2
で試験を行い、平均摩擦係数、ブレーキング初期の瞬間
摩擦係数、摩耗量を測定した。結果を表1に示す。実施
例1は表中の比較例1、2に比べ、優れた摩擦特性を示
した。
【0010】[比較例1]Vf約20%の同質のC/C
複合材をディスクとパッドに用い、実施例1と同様の試
験を行った結果を表1に示す。実施例1に比べ、18m
/secでは摩擦係数が低く、又ブレーキング初期の瞬
間摩擦係数が極めて低い。パッドの摩耗量が18、25
m/sec共に多い。 [比較例2]Vf約40%のディスク材とパッド材を用
いて、実施例1と同様の試験を行った結果を表1に示
す。実施例1に比べていずれの条件においても平均摩擦
係数、ブレーキング初期の瞬間摩擦係数が低く、また摩
耗量も18m/secを除いて多くなった。
複合材をディスクとパッドに用い、実施例1と同様の試
験を行った結果を表1に示す。実施例1に比べ、18m
/secでは摩擦係数が低く、又ブレーキング初期の瞬
間摩擦係数が極めて低い。パッドの摩耗量が18、25
m/sec共に多い。 [比較例2]Vf約40%のディスク材とパッド材を用
いて、実施例1と同様の試験を行った結果を表1に示
す。実施例1に比べていずれの条件においても平均摩擦
係数、ブレーキング初期の瞬間摩擦係数が低く、また摩
耗量も18m/secを除いて多くなった。
【表1】
【図1】本発明の摩擦試験における瞬間動摩擦係数、ブ
レーキ圧力と時間との関係を示す。
レーキ圧力と時間との関係を示す。
フロントページの続き (72)発明者 草原 敏郎 香川県坂出市番の州町1番地 三菱化学株 式会社坂出事業所内 (72)発明者 井上 吉明 香川県坂出市番の州町1番地 三菱化学株 式会社坂出事業所内
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素繊維強化炭素複合材で形成されたデ
ィスク及びパッドから成り、平均摩擦係数が0.30以
上で且つブレーキ圧力が設定値に到達する時間までのブ
レーキング初期に、瞬間動摩擦係数が0.60以上とな
るような特性を有するブレーキ摺動部であって、ディス
ク、及びパッドそれぞれの摩耗量が1停止、1面当たり
7.0×10-3mm以下であることを特徴とするブレー
キ摺動部。 - 【請求項2】 平均摩擦係数が0.35以上、瞬間動摩
擦係数が0.65以上、かつ摩耗量が5.0×10-3m
m以下である請求項1記載のブレーキ摺動部。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27539495A JPH08210403A (ja) | 1994-11-02 | 1995-10-24 | ブレーキ摺動部 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26977994 | 1994-11-02 | ||
JP6-269779 | 1994-11-02 | ||
JP27539495A JPH08210403A (ja) | 1994-11-02 | 1995-10-24 | ブレーキ摺動部 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08210403A true JPH08210403A (ja) | 1996-08-20 |
Family
ID=26548910
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27539495A Pending JPH08210403A (ja) | 1994-11-02 | 1995-10-24 | ブレーキ摺動部 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08210403A (ja) |
-
1995
- 1995-10-24 JP JP27539495A patent/JPH08210403A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040413 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |