JPH0820990B2 - 異なるファイル・システムにまたがる記憶管理システム - Google Patents
異なるファイル・システムにまたがる記憶管理システムInfo
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- JPH0820990B2 JPH0820990B2 JP3196770A JP19677091A JPH0820990B2 JP H0820990 B2 JPH0820990 B2 JP H0820990B2 JP 3196770 A JP3196770 A JP 3196770A JP 19677091 A JP19677091 A JP 19677091A JP H0820990 B2 JPH0820990 B2 JP H0820990B2
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Description
テムに亙る記憶管理に関するものである。また、より詳
しくは、本発明は、単一の仮想機械オペレーティング・
システム環境の中に存在するミニディスク方式のファイ
ル・システムと共用式のファイル・システムの、双方の
ファイル・システムに対する記憶管理であって、ミニデ
ィスク方式のファイル・システムの複数のファイルに割
当てた夫々の管理クラスのうちの少なくとも幾分かを、
共用式のファイル・システムの中のカタログに記憶させ
るようにした、記憶管理に関するものである。
上の中央処理装置(CPU)を備えたホスト・プロセッ
サと、記憶装置と、入出力(I/O)システムと、相互
接続システム(即ちバス)とを含んだ構成としたものが
多い。そして、記憶装置に記憶させてあるデータに対し
て、ホスト・プロセッサが、与えられた命令に従って操
作を加えるようにしている。従って記憶装置は、ホスト
・プロセッサが必要とするだけの量のデータを記憶して
おく能力と共に、そのデータをホスト・プロセッサへ転
送する際に、コンピュータ全体としての動作が適当なも
のとなり得る速度でその転送を行なえる能力を備えてい
なければならない。このような理由から、るコンピュー
タ・システムに関して商業的な成功を納めようとするな
らば、そのコンピュータ・システムの記憶装置のコスト
・パフォーマンスが重要な要因となるのである。
量は増加の一途をたどっており、そのため、コンピュー
タに必要とされる記憶容量も増大している。広く利用さ
れているコンピュータ用の記憶装置の中にも、幾種類も
の形態のものがある。一般的に、ある形態の記憶装置の
読み書き速度が他のものより高速であれば、その記憶装
置は他のものより高価である。例えば、マイクロチップ
は高速であるけれども高価であり、そのため典型的な用
途としては、ホスト・プロセッサに組み込むなり接続す
るなりして、1次記憶装置、即ち主記憶装置として使用
している。広く利用されているその他の記憶装置の形態
としては、補助記憶装置、即ち周辺記憶装置に用いられ
るものがあり、極めて多くの種類の周辺記憶デバイス
が、その種の記憶装置に含まれる。例えば、磁気直接ア
クセス記憶装置(DASD)、磁気テープ記憶デバイ
ス、それに光記録デバイス等は、いずれも周辺記憶デバ
イスである。この種の記憶デバイスは、主記憶装置と比
較して記憶容量が大きく、価格も低廉であるが、しかし
ながら主記憶装置と同等の性能を提供することはできな
い。例えば、テープないしディスクを、それらを駆動す
るドライブ装置の読み書き機構の真下に、適切に位置さ
せるために必要な時間は、主記憶装置の純粋に電子的な
高速のデータ転送速度とは比較にならない。ただし、1
つのシステムの中の全てのデータを、ただ1種類の記憶
デバイスに記憶させるようにするのは、非効率的であ
る。即ち、全てのデータをそのまま主記憶装置に記憶さ
せるようにしたのでは、余りにもコストが高くなってし
まうし、一方、全てのデータを単純に周辺記憶デバイス
に記憶させるようにしたのでは、性能が著しく低下して
しまうことになる。なお、1台以上の周辺記憶デバイス
の全ての記憶領域のうちの、物理的な一部分を、「記憶
空間」と呼んでいる。
置と共に1種類または2種類以上の周辺記憶装置を備え
ている。また、階層構造を成すように配列した複数の周
辺記憶デバイスを備えたデータ処理システムを「データ
記憶階層」と呼んでいる。あるデータ記憶階層の中で、
1次レベルの、ないしはレベル0のデータ記憶装置と呼
ばれるのは、通常、そのデータ記憶階層の中で、最も性
能が高く、最も記憶容量が小さいレベルである。また、
2次レベルの、ないしはレベル1の(或いは、より低レ
ベルの)記憶装置と呼ばれるものは、1次レベルのデー
タ記憶装置と比較して、記憶容量が(等しいか或いは)
より大きく、ただし性能は(等しいか或いは)より低
く、従ってよりコストがより低廉な記憶装置である。デ
ータを記憶する際の記憶単位としては、データ・セット
をその単位とすることもあれば、ファイルや、オブジェ
クトをその単位とすることもある。データ・セットとい
う用語とファイルという用語とは、種々のオペレーティ
ング・システム環境において殆ど相互に交換可能な使い
方をされており、即ち、所定の配列を持ち、制御情報に
よって記述されたデータの集合体であって、システムが
アクセス可能なものを意味するものとして使用されてい
る。また、オブジェクトとは、様々な大きさを持ったバ
イトのストリームであって、レコード等をはじめとする
内部的な境界が設定されていないものをいう。ただしこ
こでは、説明の都合上、「ファイル」という用語をもっ
て、データ・セット、ファイル、オブジェクト、ないし
はその類のあらゆる種類のデータ・エンティティを包括
的に指し示すことにする。記憶階層内の異なったレベル
の間でデータを移動ないし複写する際には、データ記憶
装置の性能と記憶容量と価格との釣り合いを得るために
必要な、所要の大きさのファイルを単位として(ないし
はそれより大きなデータ単位で)、その移動ないし複写
を行なうようにしている。そして、その種のデータの転
送や、それに関連した、データ記憶階層に対して操作を
加える諸動作(例えば使用しなくなったデータを、デー
タ記憶階層から削除する等の動作)のことを、「記憶管
理」と呼んでいる。
素としては、例えば性能管理、信頼性管理、容量管理、
空間管理、それにアベイラビリティ管理等がある。これ
ら構成要素はいずれも、記憶階層の異なったレベルの間
のデータ転送を伴う可能性を持っている。特に空間管理
は、周辺記憶デバイスの記憶階層のレベルのうちの最適
のレベルにのみデータを記憶させるために行なう、記憶
階層の異なったレベルの間のデータの移動である。例え
ば、比較的高い活動性を持ったデータは、記憶階層のレ
ベルのうちでも、比較的性能が高いレベルに記憶させる
べきであり、一方、比較的活動性が低いデータは、記憶
階層のレベルのうちの、比較的性能が低いレベルに記憶
させるべきである。一般的にデータは、時間を経るに従
って参照される回数が減少して行く(即ち活動性が低下
して行く)ものであるため、時間と共に、データ記憶階
層のレベルのうちの、より低いレベルへ移動させて行く
のが良い。この、データ記憶階層の1つのレベルから他
のレベルへのデータの移動は、「移送(migration )」
と呼ばれており、この移送の際には、記憶空間の無駄を
なくすための、データの詰め直しが併せて行なわれるこ
ともある。
記憶階層の内部で行なうデータのバックアップのことで
あり、ホスト・プロセッサがそのデータを必要としたと
きにそれが得られる可能性を高水準に維持するためのも
のである。このアベイラビリティ管理では、データのオ
リジナル・コピー、即ち1次コピーを削除することな
く、そのデータの更にもう1つのコピー、即ち2次コピ
ーを生成し、そしてその生成した2次コピーを、データ
記憶階層の別の部分へ転送するようにしている。通常、
この2次コピーを記憶させておく周辺記憶デバイスは、
1次コピーを記憶させておく周辺記憶デバイスとは別の
ものとしており、それによって、そのデータのアベイラ
ビリティを確保するようにしている。即ち、そうしてお
くことによって、あるデータの1次コピーが、例えばそ
の記憶デバイスの故障等によってアベイラビリティを失
った場合にも、そのデータの2次コピーが参照可能な状
態にあるようにしておくことができる。データの2次コ
ピーを記憶させるデータ記憶階層のレベルは、必ずしも
1次コピーのレベルと異なったものにしておく必要はな
いが、しかしながら、通常、2次コピーの活動性は、1
次コピーの活動性ほどには高くないため、異なったレベ
ルに記憶させておく方が好ましいことが多い。データの
バックアップを行なう方法としては、無条件的に行なう
方法と、増加分に対して行なう方法とがある。無条件的
バックアップは、指定されたファイルは全てそのコピー
を生成するというものであり、一方、増加分バックアッ
プは、以前に、2次コピーの生成を行なったときからそ
のときまでの間に、更新されたファイルだけをコピーす
るようにしたものである。また特に、移送を行なう際の
ファイル転送処理には、ファイルの1次コピーをレベル
0の記憶装置の中に維持する処理が含まれることがあ
る。ただし、その場合の1次コピーは空ファイルであ
る。即ち、そのファイル内のデータは、レベル1の記憶
装置の中の、そのファイルの2次コピーへと転送されて
しまっているのである。
うというものである。即ち、データの移送処理ないしは
バックアップを取る処理をいつ行なうかということや、
ファイルの移送先ないしバックアップ・ファイルを記憶
させる場所をどこにするかについては、そのデータの所
有者がみずから決定していた。この決定には時間がかか
り、それは、多くの場合、記憶させてある各ファイルの
見直しを行なわねばならないからである。これを行なう
ための操作は、しばしば時間集約的な操作となるため、
手操作によるファイルの見直しとそれによる処理の決定
とは、そうする以外に手がないという状況になってか
ら、ようやく行なわれるのが普通である。例えば、レベ
ル0の記憶装置の記憶空間の全てが使用されて一杯にな
ってしまうまでは、ユーザが、レベル1の記憶装置への
ファイルの移送を一切行なわないということもあり得
る。更に、大型のシステムでは、また、大型小型を問わ
ず、ともかく記憶しているデータの量が比較的多量のシ
ステムでは、記憶管理を手操作で実行するというのは、
全く実際的なことではない。
ュータ用ソフトウェアが一般に入手可能となっている。
「IBMデータ機構階層記憶マネジャ(IBM Data Facil
ityHierarchical Storage Manager: DFHSM)」と
いうアプリケーション・プログラムは、その種のソフト
ウェアの一例である。このDFHSMは、IBM社の
「多重仮想記憶(Multiple Virtual Storage: MV
S)」シリーズのオペレーティング・システムのための
ユーティリティである。DFHSMは、指定された管理
基準を用いてファイルの管理を行なうものであり、この
管理基準には、転送したファイルをユーザが参照したい
と考えたときに、そのファイルを自動的に呼び出すため
の自動リコール等が含まれている。また、この管理基準
には、ファイルがデータ記憶階層の中に、或いはそのデ
ータ記憶階層の特定のレベルの中に、少なくともこの時
間が経過するまでは、そのファイルが移送ないし削除の
対象となることなく存在し続けられるという、存在可能
時間の最短限度や、ファイルが更新された後に、少なく
ともこの時間が経過するまでは、そのファイルがバック
アップを取られることなく存続することが許されるとい
う、許容時間の最長限度が含まれている。更に、多くの
管理基準がシステムに対して定義されており、それら管
理基準は、1つの構成ファイル(configuration file)
の中に記憶させるようにしている。DFHSMのそれら
管理基準の選択は、DFHSMに対して個々のファイル
を識別する処理の際に、手操作によってその選択を行な
うようにしてある。このように、DFHSMは、記憶管
理の性能を強化するものではあるが、管理基準の選択が
手操作であることが、煩わしい点になっている。
の量は更に低減されている。システム管理記憶(system
-managed storage)という用語があり、これは、システ
ムそれ自体が、データに適用する管理基準を選択した上
で、記憶管理を実行するようにしたことをいい表したも
のである。この場合、記憶管理者は、構成ファイルの中
に複数の管理基準を定義しておくだけで良く、そうして
おけば、システムが、個々のファイルを生成したときに
そのファイルに適した管理基準を選択し、そしてその選
択した管理基準に従って、そのファイルを管理する。ソ
フトウェアによって提供されるシステム管理記憶の一例
としては、「IBMデータ機構記憶管理サブシステム
(IBM Data Facility Storage Management Subsyste
m)」という名のソフトウェアがあり、これを以下の説
明では、短縮してDFSMSと呼ぶことにする(この
「DFSMS」はIBM社の商標である)。DFSMS
は、IBM社の多重仮想記憶(MVS)シリーズのオペ
レーティング・システムのサブシステムである。DFS
MSに包含されている、その構成要素には、例えばDF
HSMや、「IBM多重仮想記憶/データ機構プロダク
ト(IMB Multiple Virtual Storage / Data Facility P
roduct)」という名のソフトウェアがあり、特に後者を
以下の説明では、短縮してMVS/DFPと呼ぶことに
する(「MVS/DFP」はIBM社の商標である)。
するために、MVS/DFPに加えて更に、自動クラス
選択(automatic class selection:ACS)ルーチンを
使用している。管理基準を定義する際には、複数の管理
基準をまとめてセットにし、そのようにした管理基準セ
ットを複数組、構成ファイルの中に定義するようにして
おり(それらの管理基準セットは一般に「記憶及び管理
クラス」等の名で呼ばれているが、以下の説明では簡単
に「管理クラス」と呼ぶことにする)、またACSルー
チンそれ自体も、システムの記憶管理者が、最初に一度
定義しておくようにしている。そして、DFSMSが個
々のファイルの存在を認識するときに、MVS/DFP
が、ACSルーチンに、各々のファイルの管理クラスを
自動的に選択させる。ACSルーチンは、当該ファイル
の何らかの特性に基づいてその管理クラスを選択し、こ
のファイル特性に含まれるものは、例えば、そのファイ
ルのファイルネーム、そのファイルの所有者、そのファ
イルへ至るためのディレクトリ・パス、それにそのファ
イルのサイズ等である。ACSルーチンが、あるファイ
ルの管理クラスを選択したならば、選択されたその管理
クラスは、ホスト・プロセッサの中に設けられているカ
タログの中の、1つないし複数のフィールドに記憶され
る。
ている、現在データ管理属性を記憶しておくことのでき
る機能を備えている必要がある。この管理属性は、カタ
ログの中の1つないし複数のフィールド、及び/また
は、データの各ボリュームに対応した内容のボリューム
・テーブルの中に記憶させるようにしている。管理属性
に含まれるのは、各々のファイルのステータス並びに使
用状況に関係したデータであり、その種のデータがその
使用中に変化するのに伴って、管理属性も更新される。
例を挙げるならば、管理属性に含まれるのは、例えば、
そのファイルがデータ記憶階層の中に、或いはそのデー
タ記憶階層の特定のレベルの中に存在し始めた日時、そ
のファイルが最新にアクセスされた(そのファイルが更
新されたか否かは問わない)日時、それに、そのファイ
ルの最新にバックアップを取った日時や、そのファイル
が最新に更新された日時等である。
であり、この制御情報は、1台ないし複数台の共通DA
SDの中に設けた、1つないし複数の制御ファイルの中
に記憶するようにしている。制御ファイルは、それ自身
がDFSMSによって管理されるものではないが、共通
DASD上に、管理されるデータ・ファイルと共存させ
ることができる。また、記憶管理のため処理動作には幾
種類もの処理動作があるが、その各々ごとに個別の制御
ファイルを設けるようにしている(即ち、移送処理のた
めに1つの制御ファイルを設け、バックアップ処理のた
めにも1つの制御ファイルを設け、以下同様としてい
る)。例えばある制御ファイルには、移送した、複数の
ファイルの夫々の2次コピーを、それらファイルのカタ
ログ並びに内容エントリのテーブルと、及び/または、
それらファイルの1次コピー(即ちレベル0にある、そ
れらファイルのソース・ファイル)と、関連付けておく
ために必要な情報を、記憶させるようにしている。この
関連付け(マッピング)をしておくことによって、ユー
ザがあるファイルを指定した際に、そのファイルの、移
送した正しいコピー、ないしは正しい2次コピーを呼び
出すことができる。即ち、あるファイルの1次コピーが
移送されたと判断された後には、或いは、2次コピーが
必要であると判断されたときには、このマッピング・デ
ータを用いて、その移送されたファイル、ないしはその
2次コピーの位置の同定とアクセスとを行なうようにし
ている。
間は、システムの活動性が比較的低下している期間であ
るようにしてあり、それによって、他の処理との間の干
渉を最小限に抑えるようにしている。この所定の期間中
に、DFHSMをコールし、夫々のファイルの管理属性
と、それらファイルに割当てられている管理クラスが規
定しているそれらファイルに対して取るべき処理を指示
する管理基準との比較を行なわせる。続いてDFHSM
は、その比較の結果管理属性が管理基準で指示する基準
に合致するならばその基準が指示するファイルの管理を
実行し、即ち、必要に応じて、ファイルの転送や、管理
属性ないし制御情報の更新を行なう。更に加えて、「フ
ァイル」よりも大きなデータ単位に対する記憶管理も、
行なうことができる。例えば、何らかの共通の管理処理
を必要としている複数のファイルを1つのグループに編
成し、そのグループ全体を、1つのものとして管理する
こともできる。この種のグループに対しては、そのグル
ープ自身の管理クラスとして1つの管理クラスを割当て
ておき、その管理クラスに従って管理を行なうようにす
る。ここで特に注記しておくと、本明細書においてこれ
以後、記憶管理の実行中にファイルを管理するというと
きには、特に別の意味であると明示しない限り、それ
は、グループやその他のデータ単位の全体を、ファイル
と同様に管理することも含めて意味しているのである。
ュータ・ソフトウェアの、更に別の例としては、「IB
Mデータ機構記憶管理サブシステム/仮想機械用(IBM
DataFacility Storage Management Subsystem for Virt
ual Machines )」という名のソフトウェア(以下、短
縮してDFSMS/VMという)があり、このソフトウ
ェアは、IBM社の仮想機械(VM)シリーズのオペレ
ーティング・システムに、その構成要素として組み込ま
れている。現在入手可能なDFSMS/VMのリリース
1では、空間管理並びにアベイラビリティ管理の機能こ
そ備えていないが、VMオペレーティング・システムに
対する、幾つかの改良機能を提供している。これまでV
Mオペレーティング・システムは、ユーザのデータを周
辺記憶デバイス上に編成するためのシステムとしては、
伝統的に、ミニディスク方式のファイル・システム(mi
nidisk file system: MFS)を採用してきている。M
FSは、データ記憶階層の中の、連続した記憶空間(物
理記憶空間の連続してアドレスされる論理部分)を、個
々のユーザへ予め割当てるようにしたものである。こう
して予め割当てられた連続記憶空間の各々を、「ミニデ
ィスク」と名付けてあり、そのように呼んでいるのは、
割当てたその空間が、そのユーザには、1台の完全な周
辺記憶デバイス(例えばDASD等)のように見えるか
らである。また、1つのミニディスクは、連続したアド
レスを付した複数のDASDシリンダの集合としてあ
る。ミニディスクの1つ1つは、夫々が特定のユーザに
所有され(即ち割当てられ)るようにしてあり、ミニデ
ィスクを所有しているユーザの許可なしには、他のユー
ザは、そのミニディスク上にファイルを記憶させたり、
そのミニディスク上のファイルにアクセスすることはで
きないようになっている。ミニディスクが(即ちMFS
が)「予め」割当てられるものであるという言い方をし
ているのは、通常、ユーザが現在必要としている記憶空
間よりも大きな記憶空間が、そのユーザのために予約さ
れることを言い表すためである。ユーザは、ミニディス
クにファイルを詰め込んで行くにつれて、少なくともそ
のミニディスクの一部分を、新たなファイルを入れられ
るように空けておきたいと考える傾向があり、そのため
には、手操作によって、現在入っている使用されていな
いファイルを削除しようとする。「低利用率」状態とい
うものがあり、これは、使用されない記憶空間が、デー
タ記憶階層のいたるところに分散して、増加し続けるこ
とを意味したものであり、これによって結果的に、相当
な量の記憶空間が浪費されることになる。更には「断片
化」も発生し、この断片化は、あるミニディスクが、あ
るユーザから割当て解除されたのであるが、そのミニデ
ィスクの領域が小さ過ぎてその他のユーザの必要を満た
すことができないために、他のユーザに再割振りできな
いという場合に生じるものである。
ある、「共用式」ファイル・システム(shared file sy
stem: SFS)という名のファイル・システムが、幾つ
かのVMオペレーティング・システムの現在リリース分
(例えば、仮想機械/システム・プロダクト(Virtual
Machine/System Product: VM/SP)のリリース6
等)に組み込まれている。共用式ファイル・システムで
は、MFSと比較して、低利用率並びに断片化の問題が
大幅に改善されている。しかしながら、これまで既にV
Mオペレーティング・システムのユーザが多数存在して
いるため、MFSが使用されなくなったわけではない。
それゆえ、1つのデータ記憶階層の中に、SFSとMF
Sとの両方が同時に存在していることもある。SFSを
使用すれば周辺記憶デバイスの記憶空間を複数のユーザ
の間で、動的に分配して共用させることができる。即
ち、ユーザの「口座」に物理記憶空間を割当てるのでは
なく、各々のユーザが、実際にあるファイルを記憶させ
ようとする際に、そのファイルのためだけに、動的に記
憶空間を割当てるようにしている。ユーザは、ファイル
・プールに対する口座を割当てられており、このファイ
ル・プールとは、1組のユーザに関するファイルの単純
な集合体である。VMオペレーティング・システムの中
では、1つのファイル・プールは、単一の仮想機械が所
有している複数のミニディスクであって、しかも複数の
ユーザの複数のファイルを包含している複数のミニディ
スクの、集合体である。それら複数のユーザの各々がフ
ァイルを記憶させるのは、SFS記憶グループの中の論
理ファイル空間の中であり、このSFS記憶グループと
は、1つのファイル・プールの中に含まれる複数のミニ
ディスクの集合体である。ある1つのファイル空間とし
て割当てられる記憶空間は、そのファイル空間へファイ
ルが追加されたり、そのファイル空間からファイルが削
除されたり、或いは、そのファイル空間の中のファイル
が更新されるときに、動的に変更される。1つのファイ
ル空間の中の複数のファイルは、1つまたは複数のディ
レクトリの中へ分けて入れることによって(また更に、
各ディレクトリの中の複数のサブディレクトリの中へ分
けて入れることによって)編成することができ、従って
「ファイル空間」それ自体は、このディレクトリ階層の
最上位のレベルを成すものである。
として、レベル0の記憶装置に制御情報を包含させるよ
うにしている。この制御情報は、複数のファイルの形を
した情報を含んでおり、それら複数ファイルの情報を用
いて、夫々のファイル・プール内におけるミニディスク
の位置の同定と、前述の記憶空間のブロックのうちのい
ずれが使用中であるかの追跡を行なうようにしている。
この制御情報は更に、1つのカタログの形をした情報を
含んでおり、このカタログの情報は、ファイル・プール
の中の、ディレクトリ並びにファイルに関する情報(例
えば各ファイルの所有者等の情報)である。DFSMS
/VMの1つのインスタンス毎に、複数のファイル・プ
ールが存在するようにすることができ、その1つ1つの
ファイル・プールが、SFSのインスタンスであるよう
にすることができる。
ディスクと、SFSのファイル・プールとの両方を(並
びにそれらミニディスク及びファイル・プールの夫々の
複数のファイルを)管理することのできる、記憶管理機
能を提供するためには、1つ1つのファイルに対して、
ないしは、システム内の共通して管理する複数のファイ
ルから成る1つ1つのファイル・グループに対して割当
ててある、管理クラスとその管理属性との両方を記憶し
ておける能力が必要とされる。このようすることは、S
FSのファイルに関しては比較的容易である。なぜなら
ば、SFSのカタログは、その設計の時点で既に、1つ
1つのファイルについての、ないしは、共通して管理す
る複数のファイルから成る1つ1つのファイル・グルー
プについての、管理クラスと管理属性とを記憶させるこ
とのできる充分な記憶空間が残されているようにしてあ
るからである。しかしながら、MFSのファイルに関し
ては、思わぬ問題が発生することになる。その問題と
は、どのようにすればMFSのファイルの管理クラスと
管理属性との双方を、記憶しておけるようにすることが
できるかということである。MFSの各々のミニディス
クの第1シリンダは、そのミニディスク内のその他のシ
リンダの中に記憶させてあるユーザ・ファイルについて
の情報のカタログを記憶させるために使用している。し
かしながら、MFSの、このカタログ用に割当てたシリ
ンダには、管理クラスと管理属性との両方を記憶させる
ことのできる空間は残っていない。この問題の1つの解
決法は、カタログ用に割当てるシリンダの数を増やすこ
とである。しかしながら、そのようにしてカタログ領域
を増大させるならば、そのために、VMオペレーティン
グ・システムを再構成し、また、プログラミング変更す
ることが余儀なくされることになり、これは、現在既に
使用されているアプリケーションであって、カタログの
現在記憶位置が正確に定められていることを必要として
いるアプリケーションにとっては、非常な打撃となる。
従ってこの問題に対しては、これとは異なった解決法が
必要である。
たる目的は、ファイル・システムの記憶管理機能の向上
にある。本発明の更なる目的は、ファイル・システムの
カタログには記憶管理に必要な管理クラスと管理属性と
の双方を記憶するための余裕がないようなファイル・シ
ステムの、記憶管理を行なうことにある。本発明の更な
る目的は、単一の仮想機械オペレーティング・システム
環境の中にある、MFSのファイルとSFSのファイル
との両方に対する記憶管理を行なうことにある。
並びに更なる目的を達成するために、SFSファイル貯
蔵空間を利用するようにしたものである。このSFSフ
ァイル貯蔵空間の中に、MFSの各ファイルに対応した
空ファイルを生成する。また、このSFSファイル貯蔵
空間の中に、MFSの各ミニディスクに対応したディレ
クトリを生成する。このように、SFSファイル貯蔵空
間の中に、空ファイル及び/またはディレクトリを生成
することによって、ACSルーチンが、SFSのファイ
ルないしディレクトリに対して行なうのと同様に、その
生成したファイル及び/またはディレクトリの管理クラ
スを選択し、且つ、その選択した管理クラスの表示をS
FSカタログの中に記憶させるという動作を、自動的に
行なえるようになる。更に、ネーム付与規則を利用し
て、SFSファイル貯蔵空間の中のそれらファイル及び
/またはディレクトリの各々を、それに関連したMFS
のファイル及び/またはミニディスクとリンクさせる。
こうしてSFSに追加したファイルは、空ファイルのま
まにしておくが、それは、記憶管理を行なうという目的
のためには、更に他の情報を記憶させる必要はないから
である。以上のようにした上で、DFSMS/VMが、
夫々のファイルの管理属性をSFSカタログの中に記憶
させてある管理クラスによって示されている管理基準と
比較対照し、その比較の結果に従ってそのMFSファイ
ルの管理を行なうようにしている。
にその他の目的と特徴と利点は、添付図面に図示した本
発明の好適実施例についての、以下の、より詳細な説明
によって明らかとなる。
する。尚、異なった図面中の同一ないし対応する特徴な
いし構成要素には、同一ないし対応する引用符号を付し
てある。また、以下の本発明の説明においては、複数の
ホスト・プロセッサの各々が複数台の周辺データ記憶デ
バイスを備えているようにした、複数ホスト・プロセッ
サ式データ処理環境のネットワークの中において実施し
た場合について説明することにする。ただし、容易に理
解されるように、本発明は様々なデータ処理システム構
造の中において実施し得るものであり、例えば、それら
データ処理システム構造には、接続されている周辺デー
タ記憶デバイスの台数がより少ないものや、異なった種
類の周辺データ記憶デバイスを備えたもの、或いは、ホ
スト・プロセッサを1つしか備えていない単一ホスト・
プロセッサ環境にあるもの等も含まれる。
ロセッサ環境にあるデータ記憶階層12について説明す
る。このシステムは、ホスト・プロセッサ10a及びホ
スト・プロセッサ10b等のように、2つ以上のホスト
・プロセッサを含んでおり、それらホスト・プロセッサ
の各々は、通常のホスト・プロセッサ構成要素(例え
ば、演算論理機構、制御機構、等々)を含んだものであ
る。また、各ホスト・プロセッサは、ユニプロセッサ式
のものであっても、マルチプロセッサ式のものであって
も良い。図示のデータ処理システムに使用可能なホスト
・プロセッサの具体例としては、IBM3090メイン
フレーム・コンピュータ等を挙げることができる。各ホ
スト・プロセッサは、それらの動作をスーパーバイズす
ることができる1つ以上のオペレーティング・システム
を使用することができる。本好適実施例においては、ホ
スト・プロセッサは、IBM VMオペレーティング・
システムを使用したユニプロセッサとしてある。
比較的活動性の高いデータを記憶させるための比較的高
性能なDASDと、比較的活動性の低いデータを記憶さ
せるための比較的低性能なDASDとに、結合してあ
る。高性能DASD14は、データ記憶階層12の、レ
ベル0(「L0」)の構成要素である。レベル0はこの
データ記憶階層12の最高位のレベルである。一方、低
性能DASD15は、このデータ記憶階層12の、レベ
ル1(「L1」)の構成要素である。レベル1はこのデ
ータ記憶階層12の最高位から2番目のレベル(また
は、少なくとも比較的低位のレベル)である。このデー
タ記憶階層12に使用可能なDASDの具体例として
は、IBM3380DASDや、IBM3390DAS
Dを挙げることができる。高性能DASD14をIBM
3390DASDとし、低性能DASD15をIBM3
380DASDとしても良く、或いは、高性能DASD
14をキャッシュ付きのDASDとし、低性能DASD
15をキャッシュ無しのDASDとするようにしても良
い。各々のDASDに、データの1つのボリュームを記
憶させるようにする。データ記憶階層12は、更にその
他の記憶レベルを含むものとしても良く、また、例えば
テープ・ドライブ等の異なった種類の周辺記憶デバイス
を含んでいるものとしても良い。また、レベル0の記憶
装置とレベル1の記憶装置とが、単に、同一の性能の周
辺記憶デバイスの、夫々の論理区画であるようにしても
良い。従って、単一の周辺記憶デバイスを、レベル0の
記憶装置とレベル1の記憶装置との間で共用するような
実施例とすることも可能である。
要素、例えばシステム・コンソール等は、図には示して
いない。また、図中の点線並びに破線は、更に追加して
備えることのできる、システム構成要素を表わしたもの
である。即ち、必要に応じてホスト・プロセッサや、周
辺記憶デバイスを追加することができ、特に周辺記憶デ
バイスについては、異なった種類の周辺記憶デバイスを
追加することも可能である。システムの構成要素を追加
する能力に対する制約となるのは、構成要素の接続適性
だけである。このデータ処理システムの、その他の構成
要素ないし追加の構成要素と、それら構成要素の間の接
続の詳細とは、周知のものであり、図中には示していな
い。
のVMオペレーティングシステムが図示の如くネットワ
ーク30を構成しており、各オペレーティングシステム
は、DFSMS/VMを走らせている。ネットワークと
は、2組以上のコンピュータ・システムを、それらの間
でのデータ転送が可能なように相互連結した、コンピュ
ータ・システムの集合のことをいう。本実施例では、ネ
ットワーク30は、IBMシステム・ネットワーク・ア
ーキテクチャ(SNA)に従って設計されている。ネッ
トワーク30は、一連の複数のサブネットワーク31に
分けられており(図にはそれら複数のサブネットワーク
のうち2つだけを示した)、それらサブネットワーク3
1は、ゲートウェイ32を介して相互に結合してある。
各サブネットワーク31は、1つ以上の透明サービス・
アクセス機構(transparent services access facilit
y: TSAF)の集合体33を含んでおり、(図にはそ
れらTSAFのうちの4つだけを示した)、各TSAF
は、1つ以上のゲートウェイ34で結合してある。TS
AFとは、VMオペレーティング・システムの構成要素
であって、通信経路を適切に設定することを通して、他
のオペレーティング・システムとの間の通信に携わるも
のである。TSAF集合体は、相互連結した最大8つま
でのVMオペレーティング・システムから成るグループ
である。また、ゲートウェイというのは、サブネットワ
ーク31、ないしはTSAF集合体33に備えられ、そ
れらの間の通信のために使用される、固有のネームを付
与された論理機構のことである。特に、ゲートウェイ3
2と34とは、論理プロセッサを含んだ通信サーバであ
り、その論理プロセッサは、複数のサブネットワーク3
1ないしTSAF集合体33の間の通信のためのプロト
コルを提供するものである。本実施例では、「IBM最
先端プログラム間通信/VM用(IBM Advanced Program
-to-Program Communications for VM:APPC/V
M)」というプロトコルを使用している。このネットワ
ークの構造についての更に詳しい説明は、IBMマュア
ル、SC24−5378−00、「仮想機械/システム
・プロダクトの接続の計画、管理、及び操作:リリース
6(VIRTUAL MACHINE/SYSTEM PRODUCT CONNECTIVITY PL
ANNING, ADMINISTRATION AND OPERATION RELEASE
6)」、並びに、IBMマニュアル、SC24−537
7−00、「仮想機械/システム・プロダクトの接続プ
ログラミングのためのガイド及びレファレンス:リリー
ス6(VIRTUAL MACHINE/SYSTEM PRODUCT CONNECTIVITY
PROGRAMMING GUIDE AND REFERENCERELEASE 6 )」に記
載されている。これらのマニュアルはIBM社から入手
することができ、また、これらのマニュアルはこの言及
をもって本開示に包含するものとする。
ペレーティング・システム35(図には、1つのTSA
F集合体33につき、2つずつのVMオペレーティング
・システムを示した)は、その各々がDFSMS/VM
を含んでいる。この、DFSMS/VMアプリケーショ
ンを含んだVMオペレーティング・システムは、ホスト
・プロセッサのデータ記憶媒体上に置いてあり、必要に
応じて主記憶装置にアップロードするようにしている。
各VMオペレーティング・システム35の中には、1つ
以上のSFSファイル・プール36(並びにそのファイ
ル・プール36の中の複数のSFS記憶グループ)及び
/または1つ以上のMFSミニディスク(不図示)を設
けてある。一方、図中に引用符号37で示した方のファ
イル・プール(ないしは記憶グループ)は、複数のVM
オペレーティング・システムのうちの、1つのオペレー
ティング・システムの構成要素であって、DFSMS/
VMが所有しているファイル空間(即ち、DFSMS/
VMであるユーザIDに対して割当てられているファイ
ル空間)を含んでいる。このネットワーク30の複数の
ユーザに対しては、このファイル・プール37の中のフ
ァイル空間も、割当てることができる。DFSMS/V
Mが所有しているファイル空間の使用権は、ネットワー
ク30の中の全てのVMオペレーティング・システム3
5の間での共用としている。DFSMS/VMが所有す
るファイル空間として更に追加のファイル空間を生成
し、例えば、記憶管理のための複数種類の管理処理の各
々に1つずつのファイル空間を使用するようにしても良
く、或いは、単一の統合したファイル空間を使用するよ
うにしても良い。更には、DFSMS/VMが所有する
ファイル空間を単一のファイル空間とした場合には、記
憶管理のための1種類の管理処理ごとに、そのファイル
空間の中に1つずつのディレクトリを生成して使用する
ようにしても良く、或いは、単一の統合したディレクト
リを使用するようにしても良い。
SMS/VMを使用するようにしたIBM VMオペレ
ーティング・システム環境の1つについて説明する。1
台以上のユーザ端末20が、このオペレーティング・シ
ステムを走らせているホスト・プロセッサとの間で、入
出力端子を介して対話するようにしてある。即ち、それ
ら端末20は、IBM VMオペレーティング・システ
ムを走らせている1台ないし複数台のホスト・プロセッ
サ10に結合してあり、更にそのホスト・プロセッサ1
0を、複数台の周辺記憶デバイスに結合してあり、それ
らによってデータ記憶階層12を形成している。VMオ
ペレーティング・システムは、図中に示した2つの基本
的な構成要素を含んでおり、それらは制御プログラム
(controlprogram:CP)21と、会話型モニタ・シス
テム(conversational monitor system:CMS)22と
の2つである。
に、ユーザが、あたかも、1つの独立した、完全な機能
を備えたプロセッサ環境にあるかのように感じるよう
に、その管理を行なう。複数の仮想機械をこのように管
理すると、それら仮想機械が、互いに独立して、且つ互
いに同時に動作しているように見えるようになる。CP
21は更に、システムの資源のモニタ並びに管理を行な
い、ハードウェアのトラブルからの回復を制御し、そし
て、システムの使用状態の管理にあたる。通常、ユーザ
が実際に必要な仕事をさせるためには、例えばCMS2
2等のように、このCP21とは別の何らかのオペレー
ティング・システムが必要である。
自身の中に備えられている対話のための構成要素である
CMS22をサポートするものであり、このCMS22
が、実際には、仮想機械上を走る唯一のオペレーティン
グ・システムである。CMS22は、ユーザとシステム
との間の双方向会話機能を提供する。そしてこの機能に
よって、ユーザは、アプリケーション・プログラムの開
発及び実行、他のユーザとの間での通信、並びにファイ
ルの生成及び編集を行なうことができるようになる。C
MS22は、ファイルの生成並びに編集をするためのフ
ァイル・システムとして、公知の2種類のファイル・シ
ステムを含んでおり、それらは、既に説明した、MFS
と、SFS23との2つである(夫々にそれらのための
ファイル・サーバを含んでいる)。MFSは、図中に
は、ユーザ端末20と、レベル0のDASD14a及び
14bとの間の接続線で、模式的に表わしてある。DA
SD14aはCMS用のミニディスク、また、DASD
14bは非CMS用のミニディスクであり、これらはレ
ベル0の記憶装置として使用するものである。SFS2
3は、レベル0のDASD14cと、レベル1のDAS
D15とに接続してあり、また、SFSカタログ29を
含んでいる。図中には、このSFSのインスタンスが1
つだけのもの(即ちファイル・プールが1つだけのも
の)を示したが、しかしながら、このSFSのインスタ
ンスを複数含んだものとすることも可能である。CMS
22は更に、様々なアプリケーションのために、その他
のプログラムもサポートしている。VMオペレーティン
グ・システムのそれら構成要素についての更に詳しい説
明は、IBMマニュアル、SC24−5284−01、
「仮想機械/システム・プロダクトのアプリケーション
開発レファレンス/CMS用:リリース6(VIRTUAL MA
CHINE/SYSTEM PRODUCT APPLICATION DEVELOPMENT REFER
ENCE FOR CMS RELEASE 6)」、ないしは、IBMマニュ
アル、SC24−5367−00、「仮想機械/システ
ム・プロダクトのCMS共用ファイル・システム管理:
リリース6(VIRTUAL MACHINE/SYSTEM PRODUCT CMS SHA
RED FILE SYSTEM ADMINISTRATION RELEASE 6)」、並び
に、IBMマニュアル、SC24−5369−00、
「リリース6の強化機能を使用した仮想機械/システム
・プロダクト:リリース6(VIRTUAL MACHINE/SYSTEM P
RODUCT USING RELEASE 6 ENHANCEMENTS RELEASE 6 )」
に記載されている。これら全てのマニュアルはIBM社
から入手することができ、また、これらはこの言及を持
って本開示に包含するものとする。
の、更に別の構成要素を、図中にDFSMS/VM24
として示してある。このDFSMS/VMは公知のもの
であるが、ただし、その公知のものに、集中形(centra
lized )の、そしてシステム管理式(system-managed)
の、記憶管理機構とするための変更を加えてある。本発
明によれば、DFSMS/VMには、空間管理とアベイ
ラビリティ管理との両方の機能を備えるさせることがで
きる。従って、実施例によっては、アベイラビリティ管
理と空間管理との両方が、MFSのファイルとSFSの
ファイルとの両方に対して行なわれるようにすることも
でき、また、別の実施例として、アベイラビリティ管理
はMFSのファイルとSFSのファイルとの両方に対し
て行なわれるが、空間管理はSFSのファイルに対して
のみ行なわれるようにすることも、或いはその逆とする
こともでき、更には、アベイラビリティ管理と空間管理
とのいずれか一方のみが、MFSのファイルとSFSの
ファイルとの両方に対して行なわれるような実施例とす
ることも可能である。ただし、ここで説明する実施例
は、アベイラビリティ管理はMFSのファイルとSFS
のファイルとの両方に対して行なわれ、一方、空間管理
はSFSのファイルに対してのみ行なわれるようにした
ものである。
CSルーチン(自動クラス選択ルーチン)25を使用す
るようにしてあり、その使用の仕方は、このACSルー
チンをDFSMSの中で使用するときと同じである。ま
た、APPC/VMプロトコルを用いて、SFS23と
DFSMS/VM24との間の通信を行なうと共に、ユ
ーザ端末20と、SFS23ないしDFSMS/VM2
4との間の通信を行なうようにしている。このDFSM
S/VMの、更にその他のインターフェース、基本的操
作原則、それにディレクトリ及びカタログは、本明細書
において特に説明するもの以外については、DFSMS
ないしDFSMS/VMの現在リリースにおけるものと
同様である。なお、DFSMS/VMをどのようにイン
プリメントするかについての更に詳細な情報は、例え
ば、IBMマニュアル、GC26−4604−01、
「DFSMS/VM総合情報:リリース1(DFSMS/VM G
ENERALINFORMATION RELEASE 1)」、ないしは、IBM
マニュアル、SC26−4605−00、「DFSMS
/VMユーザーズ・ガイド(DFSMS/VM USER'S GUIDE
)」、ないしは、IBMマニュアル、LY27−95
83−00、「DFSMS/VM診断法:リリース1
(DFSMS/VM DIAGNOSIS RELEASE 1)」、等々のサポート
用の書籍や、或いは、記憶管理機能に関してDFSMS
/VMに先行して出された製品のサポート用の書籍であ
る、例えば、IBM書籍G321−5349−00、
「システム管理記憶(SYSTEM-MANAGED STORAGE)」(1
989年刊、IBMシステム・ジャーナル、第28巻、
第1号、第77〜第103頁からのリプリント)や、I
BMマニュアル、GG24−3403−00、「DFS
MSインプリメンテーション・プライマ・シリーズ:A
CSルーチンの作成法(DFSMS IMPLEMENTATION PRIMER
SERIES: WRITING ACS ROUTINES)」や、IBMマニュア
ル、SC26−4514−01、「MVS/ESA記憶
管理レファレンス:バージョン3:リリース1(MVS/ES
A STORAGE ADMINISTRATION REFERENCE VERSION 3 RELEA
SE 1)」や、IBMマニュアル、GC26−4507−
01、「MVS/ESAデータ機構プロダクト総合情
報:バージョン3(MVS/ESA DATA FACILITY PRODUCT GE
NERAL INFORMATION VERSION 3 )」や、IBMマニュア
ル、SH35−0083−04、「データ機構階層化記
憶管理システム・プログラマ・コマンド・レファレン
ス:バージョン2:リリース5(DATA FACILITY HIERAR
CHICAL STORAGEMANAGER SYSTEM PROGRAMMER COMMANDS R
EFERENCE VERSION 2 RELEASE 5 )」に記載されてい
る。以上の全ての書籍は、IBM社から入手することが
できるものであり、また、それら書籍はこの言及をもっ
て本開示に包含するものとする。更なる情報としては、
米国特許第4638424号、同第4771375号、
及び、同第4876662号に記載されているものがあ
り、これら米国特許も、この言及を持って本開示に包含
するものとする。なお、ユーザ端末20、SFS23、
及びDFSMS/VM24は、CP21の制御下にある
複数の仮想機械としてインプリメントされている。CM
S22は、実際にはそれら複数の仮想機械に組み込まれ
ているのであるが、図には、その機能を明示するため
に、独立した領域として示してある。
の記憶管理を行なうためには、管理基準と管理属性とを
記憶しておく必要がある。管理基準は、複数の管理クラ
スの形で定義して、構成ファイルの中に、制御情報の一
部として入れておくもので、前に述べたように管理属性
がある基準に達したときに取るべき処理を指示するもの
である。更に、それら管理クラスのうちから、ACSル
ーチン25が、SFSの各々のファイルに対して選択し
た管理クラスを、SFSのカタログ29の中に記憶させ
ておく。このSFSのカタログ29には更に、SFSの
各々のファイルの管理属性も、併せて記憶させておく。
SFSのファイルの記憶管理のための処理動作には、管
理クラスによって指定されている管理基準と、管理属性
とを比較対照するための通常の比較処理と、それに伴っ
て必要となるその他の動作とが含まれる。SFSファイ
ル空間のうちの、レベル0の記憶空間26の各々には、
1つないし複数のディレクトリ並びにサブディレクトリ
を包含させることができる。そのようにして形成したフ
ァイルの論理グループに対しても、1つのファイルに対
すると同様に、管理クラスを付与することができ、そし
て、DFSMS/VM24で管理をすることができる。
そうした場合の種々のデータ構造の更なる説明は、引用
文献として本明細書に包含した上記文献に記載されてい
る。
ル及びミニディスクの管理クラスと管理属性との両方を
記憶しておけるようにするために、DASD14c上
に、レベル0の記憶空間27を有するSFSファイル貯
蔵空間を1つ生成しておく。このファイル貯蔵空間は、
ファイル・プール37の中に置くようにすることがで
き、またこのファイル貯蔵空間は、DFSMS/VM2
4に所有させるようにする。更に、DFSMS/VM2
4がその存在を認識したMFSの各々のファイルに対応
させて、このファイル貯蔵空間内に空ファイルを生成す
るようにする。このMFSのミニディスクに関しては、
このファイル貯蔵空間のレベル0の部分27に、ディレ
クトリを生成するようにする。このように、ファイル貯
蔵空間のレベル0の部分27に、空ファイルないしディ
レクトリを生成するたびに、ACSルーチン25が自動
的に動作して、その生成したファイルないしディレクト
リに対応した管理クラスを選択し、そしてその選択した
管理クラスの表示をSFSのカタログ29の中に記憶さ
せる。この管理クラスの選択とその表示の記憶とは、S
FSのファイルないしディレクトリを対象としてそれら
を行なう場合と同様にして行なわれる。こうしてMFS
のファイルに対応させて生成したSFSのファイルは、
空ファイルのままにしておくのであるが、それは、記憶
管理に関しては、その他の情報を記憶させる必要がない
からである。以上のようにした上で、DFSMS/VM
24が、MFSのカタログ(図を見易くするために不図
示としてある)の中に記憶させてある管理属性と、SF
Sのカタログ29の中の管理クラスによって指定されて
いる管理基準とを比較し、その比較結果に基づいて、M
FSのファイル並びにミニディスクを管理するようにし
ている。これは即ち、SFSとMFSの両方のファイル
・システムを対象とした記憶管理を行なうために、SF
Sファイル・システムに、MFSファイル・システムの
記憶管理を「補助」させているということである。
ファイル貯蔵空間のレベル0の部分27の中に生成し
た、それらに対応したSFSのファイルないしディレク
トリと関連付ける(マッピングする)には、ネーム付与
規則を利用するようにしている。即ち、先ず、ディレク
トリに対しては、以下のようにネームを付与するように
している。
me.smsglobresid.mdowner.vaddr このネームの各部分については、以下のとおりである。
ームである。
ある。このネーム形態は、DFSMS/VM24へ、フ
ァイル貯蔵空間をそのDFSMS/VMが管理すべきで
あるが、ただし、ファイル貯蔵空間内の複数のファイル
自体は移送すべきではないことを知らせるものである。
のためのファイル貯蔵空間を、その他の記憶管理の機能
(例えば空間管理の機能等)のためのファイル貯蔵空間
から明確に区別するための、固定したネームである。た
だし、ただ1つのファイル貯蔵空間を、全ての記憶レベ
ルのために使用することも可能であることに注意された
い。
ゲートウェイ34との組合せネーム(連結ネーム)であ
る。このネームは、管理が現在行なわれているミニディ
スクがその中に存在しているTSAF集合体33を、一
義的に特定するものであり、また、DFSMS/VM2
4の記憶アドミニストレータが指定しているパラメータ
から得られるものである。
理を実行しているVMオペレーティング・システム35
ないしDFSMS/VM24に対応した、TSAF集合
体の全域の中でのAPPC/VM資源のネームであり、
そのTSAF集合体の内部において当該APPC/VM
資源を一義的に特定するものである。このネームもま
た、DFSMS/VM24の制御ファイルから得られ
る。
ミニディスクの所有者のユーザ・ネームである。
ニディスクの仮想アドレスである。
ファイルネームとファイルタイプとが必要である。ファ
イル貯蔵空間のディレクトリの中の複数のファイルに
は、それらファイルが各々代表している元のMFSファ
イルのものと、同一のファイルネームとファイルタイプ
とを持たせるようにしている。また、ファイル貯蔵空間
は、それをそれ自身のSFS記憶グループの中に置くよ
うにすることも可能であり、そうすれば、その他のSF
Sユーザの性能に対して及ぼす影響を最小限にとどめる
ことができる。
を、SFSの内部識別子に対しても適用するようにして
おり、それによって、レベル1の記憶装置を、ネットワ
ーク30の全域に亙って記憶管理のために共用すること
ができるようにしている。即ち、ファイル・プール37
に含まれているファイル空間は、ファイル貯蔵空間とす
ることのできるものであり、そのファイル空間に、幾ら
かの、レベル1の共通の記憶空間28を持たせてある。
そして、ネットワーク30において移送が行なわれたS
FSファイルについては、そのSFSファイルの所有者
並びにそのSFSファイルのソース・ファイルの位置の
如何にかかわらず、その移送の行なわれたSFSファイ
ルの全てを、この記憶空間28に記憶させるようにして
いる。更に、上述のネーム付与規則を使用しているた
め、移送が行なわれたSFSファイルないしディレクト
リについては、そのファイル・プール36、オペレーテ
ィング・システム35、TSAF集合体33、並びにそ
のSFSファイルの移送元のサブネットワーク31の如
何にかかわらず、そのSFSファイルないしディレクト
リに対して、固有の、一義的な識別が施される。即ち、
ディレクトリには、以下のようにネームを付与するよう
にしている。
luname.smsglobresid.file-pool.storagegroup このネームの各部分については、以下のとおりである。
及び "smsglobresid" については、既に説明したとおり
である。
のファイル・プールである。
元の記憶グループである。
するためには、更に、ファイルネーム並びにファイルタ
イプが必要である。記憶空間28内のファイルは、ファ
イルネームとファイルタイプとを備えており、それらフ
ァイルネームとファイルタイプとは、当該ファイルに対
応した、レベル0にあるソース・ファイルに備えられて
いる、SFS内部識別子に基づいて生成されるようにし
てある。また、VMオペレーティング・システムの現在
リリースにおいては、SFS23が、その内部識別子を
利用して、ファイル・プール36の中の1つ1つのファ
イルを一義的に識別するようにしている。これが必要で
あるのは、同一のファイル・プールへ複数のユーザがア
クセスするため、個々のユーザがそのファイル・プール
の中に、ファイルネームもファイルタイプも同一のファ
イルを入れてしまうおそれがあるからである。SFS2
3は、それらの、同一のネームとなりかねないファイル
どうしを、SFS内部識別子によって区別することがで
きるのである。好適実施例においては、このネーム付与
規則は、8個の拡張2進化10進数変換(EBCDI
C)キャラクタから成るファイルネームと、同じく8個
のEBCDICキャラクタから成るファイルタイプとを
使用するようにした規則としている。SFS内部識別子
は、8個のキャラクタから成る2進数データの形(SF
S23の内部ではこれが使用されている)から、16進
コードを表わす16個のEBCDICキャラクタの形へ
と変換した上で(この場合、2進値データの半バイト分
が16進コードのキャラクタの1個分に相当する)、そ
れを記憶空間28のディレクトリの中で使用するように
している。
の中の各SFSソース・ファイルないしディレクトリ
を、記憶空間28ないしそのディレクトリの中で、一義
的に識別できるようにしている。このため、この記憶空
間28に、ネットワーク30の全域におけるレベル1の
SFS移送ファイルの全てを記憶させることが可能とな
っており、従って、各ファイル・プール36のレベル1
の記憶装置、VMオペレーティング・システム環境3
5、TSAF集合体33等々に関する、ファイル空間、
及び/または記憶デバイスの維持に付随するオーバーヘ
ッドが低減されている。また、MFSファイルに対して
も同様に他の空間管理を行なうようにした実施例の場合
には、このネーム付与規則において、"filepool"や "st
oragegroup"の替わりに、"mdowner" や "vaddr"を使用
すれば、レベル1のMFSファイルを一義的に識別する
ことができる。
性質によって、ネットワーク30の全域におけるSFS
ファイルのファイルネームの一義性を保証するものであ
るため、DFSMSでは必要とされている、移送したフ
ァイルをそのファイルの一次コピーに関連付ける(マッ
ピングする)ために用いられる制御ファイルが、ここで
は不要となっている。また、このネーム付与規則を、レ
ベル1の共通記憶装置に関して、その空間管理以外のそ
の他の種類の記憶管理にも、同様に使用するようにすれ
ば、レベル1の記憶装置に関する全ての種類の記憶管理
を、1つだけのファイル空間を用いて行なうことも可能
になり、或いは、レベル1の記憶装置に関する空間管理
機能の各々ごとに、1つずつのファイル空間を使用する
ようにすることも可能になる。なお、このネーム付与規
則を、レベル1の共通記憶装置に関して、そのアベイラ
ビリティ管理にも同様に使用するようにした場合には、
マッピングのための制御ファイルを完全に不要化するこ
とはできず、なぜならば、そうした場合には、ファイル
の一次コピーをそのファイルの二次コピーに関連付ける
ために、何らかのマッピングがなお必要とされるからで
ある。
Mに対してデータ・エンティティを定義する方法につい
て説明する。この動作は、ホスト・プロセッサがコール
を発すると、ステップ100またはステップ105から
開始し、実際にどちらのステップから開始するかは、そ
のデータ・エンティティがSFSのファイルないしディ
レクトリであるのか、それともMFSのファイルないし
ミニディスクであるのかに応じて決まる。DFSMS/
VMが管理するものが、SFSのファイルないしディレ
クトリである場合には、ステップ115において、その
ファイルないしディレクトリを生成する。続いてステッ
プ120において、ACSルーチンが、そのファイルな
いしディレクトリに管理クラスを割当て、その割当てら
れた管理クラスは、SFSのカタログの中に記憶され
る。続いて制御の流れは、ステップ125においてリタ
ーンする。一方、管理するものが、MFSのファイルな
いしミニディスクである場合には、ステップ110にお
いて、そのファイルないしミニディスクを生成する。次
に、ステップ115において、生成したそのMFSのフ
ァイルに対応したSFSの空ファイルを(及び/また
は、生成したそのMFSのミニディスクに対応したSF
Sのディレクトリを)ファイル貯蔵空間の中に生成す
る。この場合も同様に、ステップ120において、AC
Sルーチンが管理クラスの割当てを行ない、更に、この
場合も制御の流れはステップ125においてリターンす
る。
FSMS/VMの種々の記憶管理動作について説明す
る。先ずステップ130において、ホスト・プロセッサ
が、記憶装置の管理を行なわせるためにDFSMS/V
Mをコールする。次にステップ135において、DFS
MS/VMが、SFSのカタログ及び/またはMFSの
カタログの中のリストとして入れられている、管理すべ
きデータ・エンティティのうちの最初のものを調べる。
ステップ140では、そのリストの中のその先頭のアイ
テム(即ちデータ・エンティティ)が、SFSのファイ
ル(ないしはディレクトリ)であるのか、それともMF
Sのファイル(ないしはミニディスク)であるのかに応
じて、流れが分岐する。その先頭のデータ・エンティテ
ィがMFSのファイルないしミニディスクであったなら
ば、DFSMS/VMは、ステップ145において、S
FSのカタログの中に記憶させてある管理クラスが指定
している管理基準を、MFSのカタログの中にある、そ
のデータの管理属性と比較対照する。一方、その先頭の
データ・エンティティがSFSのファイルないしディレ
クトリであったならば、DFSMS/VMは、ステップ
150において、SFSのカタログの中に記憶させてあ
る管理クラスが指定している管理基準を、同じこのSF
Sのカタログの中にあるそのデータの管理属性と比較対
照する。これらいずれかの比較対照の結果、いかなる管
理動作も必要でないことが判明した場合には、制御の流
れはステップ155から分岐して直接ステップ175へ
進む。一方、何らかの管理動作、例えばデータの移送、
バックアップ、ないしは削除等の動作が必要とされてい
ることが判明した場合には、ステップ160において、
その必要な動作を実行する。ここで実行する動作には、
前述のネーム付与規則を用いて、レベル1のあるファイ
ルに対して、ネットワーク内における固有の一義的な識
別を施すという動作も含まれることになる。そこで、前
述のネーム付与規則におけるネームの構成要素のうちの
必要なものを適宜取り出してきて連結し、使用するよう
にする。また、データ転送を行なう場合には、それに伴
って、データの詰め直しを行なうこともある。このステ
ップ160での動作には、更に、例えば、あるファイル
が移送されたことや、そのファイルの二次コピーが存在
していることの表示等の、データのステータスの変化を
反映するための、関連したディレクトリのエントリを更
新するという動作も含まれる。ステップ170において
は、それらの動作の実行の結果を反映させるために、S
FSのカタログの中の管理属性の更新を行なう(場合に
よっては、MFSのカタログの中の管理属性の更新も併
せて行なう)。次に、ステップ175では、記憶管理の
ための以上の調べが済んでいないデータ・エンティティ
が、まだその外に存在しているか否かに応じて、流れが
分岐する。調べの済んでないデータ・エンティティが存
在していた場合には、流れはステップ180へ進み、そ
こで、次のデータ・エンティティの調べを行ない、そし
てステップ140へ戻る。一方、調べを行なうべきファ
イルが最早存在していなかったならば、DFSMS/V
Mは、ステップ185において、ホスト・プロセッサへ
制御を返す。
かのリストを以下に示す。最初のリストは、MFSのフ
ァイル並びにミニディスクを、DFSMS/VMに対し
て定義し、且つ、定義したそのファイル並びにミニディ
スクに対し、それに対応した管理クラスを選択するため
のリストである。
トリを対象とした空間管理のためのリストである。この
リストの中において、 "MC" は管理クラスを表わし、"M
L1" は、移送が行なわれたデータが記憶されているレベ
ル1の記憶装置を表わしている。また、"Null(ヌル)"
は、あるファイルないしディレクトリに対して、その管
理クラスとして、意図的に空白の集合を割当ててあるこ
とを表わしている。このリストは、先ず最初に、ファイ
ルに割当てられている管理クラスを取り出したときに、
そのファイルに管理クラスとして「ヌル」が割当てられ
ている場合、そのファイルに何の管理クラスも割当てら
れていない場合、そしてそのどちらでもなく、そのファ
イルに(普通に)管理クラスが割当てられている場合に
ついて示す。これらのうち、ファイルに管理クラスとし
て「ヌル」が割当てられている状態がデフォールトであ
り、その場合、ディレクトリに割当てられている管理ク
ラスを取り出しにかかるが、ディレクトリに関しても、
そのディレクトリに「ヌル」が割当てられている場合、
そのディレクトリに何の管理クラスも割当てられていな
い場合、そしてそのどちらでもなく、そのディレクトリ
に(普通に)管理クラスが割当てられている場合があ
る。このリストは続いて、管理クラスと管理属性とに基
づいた、データの期限切れ及び移送についての判定/動
作を示す。
るデータの生成及びアクセスの際に、ファイル及びディ
レクトリのネームを発生させるためのリストである。
別子(ID)を、16バイトのEBCDICキャラクタ
で表わされる、ファイルネーム及びファイルタイプへ変
換する。ID(hex)の各々の半バイトは、’0’x
から’F’xまでの間の16進数値を表わしている。そ
れらの数値を、それらの数値の全バイトのEBCDIC
キャラクタである、’0’から’F’までのキャラクタ
へ変換する。こうして得られた16個のEBCDICキ
ャラクタは、所有している記憶ファイルのファイルネー
ム及びファイルタイプとなる。
ァイル・プールID(filepoolid)と、所有しているレ
ベル1の記憶装置のネーム(DFSMSxxx)とを取り出す。
全に修飾した lu-name(fqluname)を取り出す。
源のID(SMSglobresid)を取り出す。
(storagegroup)を取り出す。
(filepool)を取り出す。
装置の中のファイルのディレクトリを、次のフォーマッ
トで構成する。
luname. SMSglobresid.filepool.storagegroup 以上に本発明をその具体的な実施例に即して説明してき
たが、当業者には理解されるように、本発明の概念、範
囲、並びに教示から逸脱することなく、種々の形態的な
変更、並びに細部構造の変更を加えることが可能であ
る。例えば、図2において、そのネットワーク、TSA
F集合体、VMシステム、ファイル・プール、等々の数
を、異なったものとすることができる。従って、本明細
書に開示した発明は、請求項以外の何物によっても限定
されるものではない。
ク図である。
連のオペレーティング・システム環境の模式的なブロッ
ク図である。
のネットワークの中の、オペレーティング・システム環
境の模式的なブロック図である。
ファイルを定義するための処理のフローチャートであ
る。
トである。
Claims (4)
- 【請求項1】高性能で記憶容量が小さいレベル0の記憶
装置と低性能で記憶容量が大きいレベル1の記憶装置と
を含むデータ記憶階層システムであって、該階層システ
ムに第1ファイル・システム及び第2ファイル・システ
ムが共存しており、第1ファイル・システムは該第1フ
ァイル・システムに従って編成した複数のファイルに付
随する管理基準情報及び管理属性情報を含む第1カタロ
グを有し、第2ファイル・システムは該第2ファイル・
システムに従って編成したファイルに付随する管理属性
情報を含むが管理基準情報は含まない第2カタログを有
するようなものであるデータ記憶階層システムにおい
て、 前記第1ファイル・システムに従って編成した複数のフ
ァイルを有する第1記憶空間と、前記第2ファイル・シ
ステムに従って編成した複数のファイルを有する第2記
憶空間と、前記第2ファイル・システムに従って編成さ
れかつ前記第2記憶空間にある各ファイルについて空フ
ァイル及びそのディレクトリを記憶する前記第1記憶空
間のファイル貯蔵空間と、を有するレベル0の記憶装置
と、 レベル1の記憶装置と、 前記レベル0の記憶装置と前記レベル1の記憶装置とに
結合したホスト・プロセッサと、 前記第2記憶空間上の各ファイルに対応してデータを含
まない空ファイル及びそのディレクトリを前記ファイル
貯蔵空間内に生成する手段と、 前記空ファイル及びディレクトリから前記第2記憶空間
にある各ファイルについて管理基準情報を生成して前記
第1カタログに記憶させる手段と、 前記ホスト・プロセッサにより制御され、前記第1カタ
ログにある前記第2空間上のファイルの前記管理基準情
報を用いて前記レベル0の記憶装置と前記レベル1の記
憶装置との間で前記第2記憶空間上のファイルを移動ま
たはコピーするための管理手段と、 前記ホスト・プロセッサにより制御され、前記第1カタ
ログにある前記第1空間上のファイルの前記管理基準情
報及び管理属性情報を用いて前記レベル0の記憶装置と
前記レベル1の記憶装置との間で前記第1記憶空間上の
ファイルを移動またはコピーするための管理手段と、 を備えた記憶管理システム。 - 【請求項2】前記第1ファイル・システムは、ファイル
を記憶するとき複数のユーザの間で動的に記憶空間を割
り当てる共用式ファイル・システムSFSであり、前記
第2ファイル・システムはファイルが記憶される前に連
続した記憶空間が複数のユーザに予め割当てられている
方式のミニ・ディスク・ファイル・システムMFSであ
ることを特徴とする請求項1の記憶管理システム。 - 【請求項3】高性能で記憶容量が小さいレベル0の記憶
装置及び低性能で記憶容量が大きいレベル1の記憶装置
がホスト・プロセッサに結合されて成るデータ記憶階層
システムであって、該階層システムに第1ファイル・シ
ステム及び第2ファイル・システムが共存しており、第
1ファイル・システムは該第1ファイル・システムに従
って編成した複数のファイルに付随する管理基準情報及
び管理属性情報を含む第1カタログを有し、第2ファイ
ル・システムは該第2ファイル・システムに従って編成
したファイルに付随する管理属性情報を含むが管理基準
情報は含まない第2カタログを有しており、前記レベル
0の記憶装置は前記第1ファイル・システムに従って編
成した複数のファイルを有する第1記憶空間と、前記第
2ファイル・システムに従って編成した複数のファイル
を有する第2記憶空間と、前記第2ファイル・システム
に従って編成されかつ前記第2記憶空間にある各ファイ
ルについて空ファイル及びそのディレクトリを記憶する
前記第1記憶空間のファイル貯蔵空間とを有し、前記第
1カタログは更に前記第2ファイル・システムに従って
編成されかつ前記第2記憶空間にあるファイルの前記管
理基準情報をも記憶するようになっている、データ階層
記憶システムにおけるデータ記憶管理の方法において、 前記第2記憶空間上の各ファイルに対応してデータを含
まない空ファイルを、前記ファイル貯蔵空間内に生成す
る、機械実行ステップと、 前記機械実行ステップに応答して、前記ファイル貯蔵空
間上の前記各ファイルに対して管理基準を割当て、且
つ、割当てたその管理基準を、前記第1カタログの中に
記憶させる、機械実行ステップと、 前記第1カタログに記憶された管理基準に従って、前記
レベル0の記憶装置と前記レベル1の記憶装置との間で
前記2記憶空間上の前記ファイルを移動又はコピーする
機械実行ステップと、 を含んでいる方法。 - 【請求項4】前記第1記憶空間上の各ファイルに対して
管理基準を割当て、且つ、割当てたその管理基準を、前
記第1ファイル・システムのカタログの中に記憶させ
る、機械実行ステップと、 前記第1ファイル・システムのカタログに記憶された管
理基準に従って、前記レベル0の記憶装置と前記レベル
1の記憶装置との間で前記1記憶空間上の前記ファイル
を移動又はコピーする機械実行ステップと、 を更に含んでいることを特徴とする請求項3の方法。
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