JPH08209710A - 構造物の埋設方法 - Google Patents

構造物の埋設方法

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JPH08209710A
JPH08209710A JP1616395A JP1616395A JPH08209710A JP H08209710 A JPH08209710 A JP H08209710A JP 1616395 A JP1616395 A JP 1616395A JP 1616395 A JP1616395 A JP 1616395A JP H08209710 A JPH08209710 A JP H08209710A
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burying
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shaft
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Takuya Nara
琢也 奈良
Yoichi Hasegawa
陽一 長谷川
Denji Nishimura
伝治 西村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水中の軟弱な地盤に、アンカーとなる構造物
をアンカーとして機能可能な深さまで容易に埋設する。 【構成】 アンカーとなるコンクリートブロック1にジ
ェット噴流水噴出口と土砂吸入口とを設ける。そして、
クレーン3により水中に降下させる。軟弱な地盤に達し
たコンクリートブロック1からジェット噴流水の噴出を
行う。また、ジェット噴流水により掘削された土砂を土
砂吸入口から吸入して上方に排出する。これらにより、
コンクリートブロック1の先端抵抗を減少させ、コンク
リートブロック1を自重により地盤中に沈下させる。ま
た、コンクリートブロック1に上方に延出するシャフト
6を設ける。そして、コンクリートブロック1とシャフ
ト6上端とを個別に吊り上げ操作することにより、コン
クリートブロック1を振り動かす。これにより、側面抵
抗を減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物を地盤中に埋設
するための構造物の埋設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に地中に構造物を構築もしくは埋設
する場合には、予め、立坑を設け、該立坑内に構築物を
降下して配置するか、もしくは該立坑内で構造物を構築
する方法と、予め立坑を設けずに、地盤中に構造物を押
し込む方法と、これらを組み合わせた方法とが考えられ
る。
【0003】従来、予め、立坑を設ける工法としては、
例えば、通常の地下室の構築や場所打ち杭の構築などが
挙げられ、地盤中に構造物を押し込む方法としては、杭
や矢板の埋設が挙げられ、これらを組み合わせた方法と
しては、オープンケーソン躯体の内部を掘削しながらオ
ープンケーソン躯体を圧入するオープンケーソン工法な
どが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来の地中に構造物を構築もしくは埋設する方法を、
河川、湖沼、海などの水域の底で行うものとしたり、地
盤がかなり軟弱な場所で行うものとした場合には、以下
のような問題点があった。例えば、上記水域で作業を行
うには、立坑を掘削するため、もしくは構造物を押し込
むための機器の設置や実際の作業のために、大がかりな
仮設工事を必要とし、該仮設工事に大きなコストがかか
る。
【0005】また、地盤がかなり軟弱な場所で立坑を掘
削するには、掘削中もしくは掘削された立坑において崩
落が起こるのを防止するための作業が必要となり、大き
なコストがかかる。
【0006】なお、地盤がかなり軟弱な場所において、
構造物を地盤中に押し込むことや、掘削と構造物の圧入
とを同時に行うことは、比較的容易であるが、基本的に
これらの工法では、地盤上から構造物を押し込むか、既
に構築された部分から反力を取ることになり、連続した
構造物を構築することはできるが、地下に単体で存在す
るような構造物を構築もしくは埋設することができな
い。また、地盤が極めて軟弱な場合には、構造物を押し
込むための装置を安定して地盤上に配置するために、仮
設工事を必要とし、やはり、仮設工事に大きなコストが
かかる。
【0007】また、浮き防波堤等の構造物を係留するた
めにアンカーを海底に設置するに際して、上記海底にヘ
ドロ状の極めて軟弱な地層が深く堆積した状態となって
いた場合には、アンカーを海底にほぼ固定された状態に
配置することが困難なので、アンカーを上記極めて軟弱
な地層の下の比較的固い地層の上まで埋設する必要があ
るが、このような場合には以下のような問題点がある。
【0008】すなわち、地盤が極めて軟弱なため土留等
も困難であり、立坑を掘削しようとしても、立坑周囲の
土砂が崩れて掘削した部分が埋まってしまうので、アン
カーを埋設するのにすり鉢状に広い範囲を掘削する必要
があり、大きなコストがかかる。
【0009】また、すり鉢状に広い範囲を掘削するに
は、大量の土砂を一時的に保管もしくは廃棄する場所が
必要となるが、そのような場所を確保することが難し
い。また、超軟弱地盤をすり鉢状に広い範囲で掘削した
場合には、多くの土砂が水中に舞い上がる可能性があ
り、周辺海域において濁りによる影響や、舞い上がった
土砂の海底への堆積による影響がでる可能性がある。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、水中や軟弱地盤において、低コストで容易に構
造物を単体で埋設することが可能な構造物の埋設方法を
提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
構造物の埋設方法は、ジェット噴流水噴出口と土砂吸入
口とを下端部に設けた構造物を埋設位置に配置し、次い
で、上記ジェット噴流水噴出口からジェット噴流水を噴
出することにより上記埋設位置の地盤を掘削するととも
に、上記土砂吸入口からジェット噴流水に掘削された土
砂を吸入して上方に排出し、上記構造物の重さにより上
記構造物を地中に降下させ、上記構造物を単体で埋設す
ることを上記課題の解決手段とした。
【0012】本発明の請求項2記載の構造物の埋設方法
は、上記構造物は、その上部と下部とを個別に吊り上げ
可能な状態とし、上記構造物を地中に降下させるに際し
て、上記構造物の上部と下部とを個別に吊り上げ操作す
ることにより、上記構造物を振り動かすことを上記課題
の解決手段とした。
【0013】本発明の請求項3記載の構造物の埋設方法
は、上記構造物の埋設を河川、湖沼、海等の水域の底部
で行うものとし、上記構造物を降下させるに際し、上記
構造物の周囲の水域を上端部に浮きを設けた筒状の汚濁
防止膜で覆うことを上記課題の解決手段とした。本発明
の請求項4記載の構造物の埋設方法は、上記構造物を河
川、湖沼、海等の水域の底部の軟弱な地盤に設置される
アンカーとし、上記構造物をアンカーとして安定する位
置に埋設することを上記課題の解決手段とした。
【0014】
【作用】上記請求項1記載の構造物の埋設方法によれ
ば、ジェット噴流水噴出口と、土砂吸入口とを下端部に
設けた構造物を埋設位置に配置し、次いで、上記ジェッ
ト噴流水噴出口からジェット噴流水を噴出することによ
り上記埋設位置の地盤を掘削するとともに、上記土砂吸
入口から土砂を吸入して排出することで、構造物の下面
で生じる先端抵抗が激減し、構造物は単体として自重に
より沈下することになる。また、ジェット噴流水の吐出
量を土砂吸入口の吸入量より多くし、ジェット噴流水が
構造物の側面に溢れるようにすれば、構造物の側面抵抗
も減少することができる。
【0015】なお、構造物を比較的固い地盤に打ち込む
際などに、ジェット噴流水を用いて先端抵抗を減らす工
法が知られているが、この場合上記構造物には、上方か
ら何らかの圧力(打撃、既設構造物に対する反力など)
が加えられているので、埋設される構造物に進行方向へ
の圧力を伝える必要があり、構造物自体の高さが埋設さ
れる深さに比較して高い場合や、順次構造物を上方に継
ぎ足しながら埋設する場合、すなわち連続する構造物を
埋設する場合に用いられ、ブロック状の構造物を単体で
埋設する場合には用いられていなかった。
【0016】それに対して、本発明の構造物の埋設方法
は、構造物を自重により単体で埋設するものであり、比
較的軟弱な地盤に構造物の高さに比較して深く構造物を
埋設する際に有効な方法である。
【0017】上記請求項2記載の構造物の埋設方法によ
れば、上記構造物の上部と下部とを個別に吊り上げ可能
な状態としているので、例えば、構造物の下部を一定の
力で吊り上げた状態とするとともに、構造物の上部を吊
り上げたり、吊り上げを解除した場合に、構造物の上部
の吊り上げ位置を支点として、構造物が振り動かされる
ことになる。
【0018】従って、構造物を埋設する途中において、
構造物が側面抵抗により自重による沈下が鈍った場合
に、上述のように構造物を振り動かすことにより、構造
物の側面において地盤の攪拌もしくは圧縮などにより構
造物の側面抵抗が軽減される。また、構造物を振り動か
すことにより、構造物下面において、ジェット噴流水に
よる地盤の掘削及び攪拌が促進される。
【0019】上記請求項3記載の構成によれば、上記構
造物を上記水域の底部に埋設する場合に、構造物の周囲
の水域を筒状の汚濁防止膜で覆うことにより、ジェット
噴流水により巻き上げられた土砂による周辺水域の汚濁
を防止することができる。
【0020】上記請求項4記載の構成によれば、上記構
造部を河川、湖沼、海等の水域の底部の軟弱な地盤に設
置されるアンカーとしている。極めて軟弱な地盤にアン
カーを埋設するための坑を掘るためには、周囲の土砂が
崩れないように、すり鉢状の坑を掘る必要があるが、上
記構成によれば、構造物が自重により沈下するので、す
り鉢状の坑を掘る必要がなく、水中の軟弱地盤へのアン
カーの設置を省力化することができる。
【0021】また、水中の軟弱な地盤にすり鉢状の坑を
掘削した場合には、舞い上がる土砂の量が多く、舞い上
がった土砂による汚濁を生じ、かつ、掘削範囲が広いた
め、掘削作業を行う水域と周囲の水域とを遮断しようと
すると大きなコストがかかることになるのに対して、請
求項4記載の構成によれば、狭い範囲を周囲の水域から
遮断すれば良く、容易に浮遊土砂による汚濁を防止する
ことができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を図面を参照して
説明する。なお、この実施例は、本発明の構造物の埋設
方法を、海底の超軟弱地盤中に浮き防波堤を係留するた
めのアンカーとなるコンクリートブロック1を埋設する
ために応用したものである。図1は、この実施例の構造
物の埋設方法によりアンカーとなるコンクリートブロッ
ク1を埋設するためのブロック埋設システム全体を示す
概略斜視図である。
【0023】ここで、この実施例の構造物の埋設方法を
説明する前に、上記ブロック埋設システムについて説明
する。ブロック埋設システムは、アンカーとして埋設さ
れるコンクリートブロック1と、埋設作業中に舞い上が
る土砂による周辺海域の汚濁を防止するための汚濁防止
枠2と、コンクリートブロック1を埋設位置に配置する
ための全旋回式起重機(クレーン)3と、コンクリート
ブロック1においてジェット噴流水の噴出、土砂の吸入
等を行うための支援設備4とからなるものである。
【0024】上記コンクリートブロック1は、図2及び
図3に示すように、コンクリートからなるブロック本体
5と、該ブロック本体5上に立設した状態に取り付けら
れた長尺な筒状の吊り込み用シャフト(図2に図示)6
と、上記ブロック本体5とシャフト6とを接続する接続
部(図3に図示)7と、上記ブロック本体5の下端部周
囲を囲むように配置されたスカート8と、上記ブロック
本体5の下面の上記スカート8内に設けられるとともに
ジェット噴流水の噴出口(噴出ノズル9a、図8に図
示)を有する導水枠(図3に図示)9と、最終的に浮き
防波堤(図19に図示)10の係留索となるアンカーチ
ェーン11を接続するためのアンカーリング(図3に図
示)12と、ブロック本体5の回転を抑止する回転防止
板(図3に図示)13、13と、吸泥口14a(図3に
後述する第二の貫通管14の下端として図示)とからな
るものである。なお、実際に埋設されるのは、コンクリ
ートブロック1のシャフトを除く部分であるり、この部
分が埋設される構造物となる。
【0025】上記ブロック本体5は、コンクリート製の
直方体状の構造物であり、その内部に、後述する複数の
ジェット噴流水用の吐出管(図示略)が挿通する挿通孔
を形成する第一の貫通管15が上下に貫通した状態で取
り付けられているとともに、後述する吸泥管(図示略)
が接続される上記第二の貫通管14が上下に貫通した状
態で取り付けられている。なお、上記第二の貫通管14
の下端の開口が吸泥口14aとなる。
【0026】上記シャフト6は、図2に示すように、複
数の鋼管6a…を上下に接続した構造となっている。そ
して、シャフト6は、ブロック本体5を埋設した際に、
シャフト6の上端部が水面上に露出可能な長さとなって
いる。また、シャフト6を構成する鋼管6a…の他の鋼
管6a…に接続される上端及び下端には、フランジ6b
が設けられ、該フランジ6bにより鋼管6a…同士が接
続されている。また、シャフト6の各鋼管6a…同士の
接続部及びシャフト6の上端部には、吊り上げワイヤ1
6を掛止可能な掛止片6c…が複数設けられている。ま
た、シャフト6の下端部には、側面に開口6d(図4に
図示)が形成されている。
【0027】また、上記シャフト6には、その側面に深
度を示す目盛(図示略)が設けられており、この目盛
(図示略)によりブロック本体5の沈下した深度を測る
ことができるようになっている。また、上記シャフト6
の周囲には、図4及び図5に示すように、後述する送水
ホース17…もしくは吸泥ホース18を接続するための
固定配管19…が取り付けられている。
【0028】上記固定配管19…の上端部には、上記支
援設備4から延出する上記送水ホース17…もしくは吸
泥ホース18が接続され、上記固定配管19…の下端部
には、導水枠9と固定配管19とを接続する吐出管(図
示略)及び第二の貫通管14と固定配管19とを接続す
る吸泥管(図示略)が接続される。そして、上記固定配
管19は、上記送水ホース17…及び吸泥ホース18を
ブロック本体5の上方でシャフト6に固定することによ
り、送水ホース17…や吸泥ホース18がブロック本体
5に絡み付いたりするのを防止するものである。
【0029】また、吸泥ホース18が接続される固定配
管19には、その途中に固定配管19に連通するノズル
20が取り付けられている。該ノズル20は、図示しな
いコンプレッサーからの圧縮空気用ホース(図示略)を
接続して、吸泥ホース18内に圧縮空気を注入して吸泥
ホース18内に気泡を発生させ、該気泡により後述する
吸泥ポンプ21(図1に図示)による吸泥を補助するた
めのものである。
【0030】上記接続部7は、図6及び図7に示すよう
に、上記シャフト6とブロック本体5とを着脱自在に接
続するためにシャフト6とブロック本体5とにまたがっ
て設けられるものであり、ブロック本体5上に固定され
た複数の接続リング7a…と、上記シャフト6の下端部
に水平に固定された接続板7bと、上記接続リング7a
…に挿入される連結ピン7c…とからなるものである。
【0031】上記接続板7bには、上記接続リング7a
…の位置に対応して接続リング7a…を上下に挿通する
挿通孔(図示略)が形成されている。従って、上記シャ
フト6をブロック本体5のアンカーリング12を覆う位
置に載せた状態とした場合には、上記接続リング7a…
が上記接続板7bを貫通した状態となる。そして、上記
接続板7bを貫通した状態の接続リング7a…に上記連
結ピン7c…を挿入することにより、上記シャフト6と
ブロック本体5とが接続されるようになっている。
【0032】また、上記連結ピン7c…の後端部には、
図7に示すように、引き抜きワイヤ7d…が接続されて
いる。この引き抜きワイヤ7d…をクレーン等に接続し
ておくことにより、コンクリートブロック1を埋設した
後に、上記引く抜きワイヤ7d…を牽引して、連結ピン
7c…を接続リング7a…から引き抜くことにより、シ
ャフト6とブロック本体5とを切り放すことができるよ
うになっている。
【0033】上記スカート8は、図3に示すように、四
角筒状に形成された鋼板であり、ブロック本体5の下端
部から下方に延出した状態で固定されている。そして、
上記スカート8は、ブロック本体5の下に配置される導
水枠9を支持するとともに、該導水枠9を保護するため
のものである。上記導水枠9は、図3に示すように、ブ
ロック本体5の下のスカート8内部に配置され、図示し
ない吐出管が接続されるようになっている。
【0034】そして、上記導水枠9は、図8に示すよう
に、断面ロ字状の鋼管9b…を矩形枠状に組むととも
に、その内部に2本の鋼管9b、9bを配置したもので
あり、各鋼管9b…は互いに連通した状態となってい
る。そして、各鋼管9b…には、ジェット噴流水を噴出
する噴出口となる多数の噴出ノズル9a…が取り付けら
れるとともに、吐出管を接続するための接続ノズル9c
…が取り付けられている。
【0035】そして、導水枠9は、各噴出ノズル9a…
から噴出されるジェット噴流水により、ブロック本体5
の下の地盤を掘削するとともに攪拌することにより、ブ
ロック本体5下面の先端抵抗を減少させ、ブロック本体
5が自重により地盤内に沈下できるようにするものであ
る。また、スカート8から溢れた水は、高圧な状態で、
ブロック本体5の側面側に回り込むので、ブロック本体
5の側面抵抗も減少させることができるようになってい
る。
【0036】上記汚濁防止枠2は、図1に示すように鋼
管からなる枠体にフローターを付けたフローター枠2a
と、該フローター枠2aから垂らされる汚濁防止膜2b
とからなるものである。そして、汚濁防止枠2は、図1
8に示すようにフローター枠2aを水面上に浮いた状態
とし、上記フローター枠2aから筒状の汚濁防止膜2b
をカーテン状に底まで垂らすことにより、埋設作業水域
の四方を上記汚濁防止膜2bにより水面から底まで覆う
ことで、埋設作業水域から周辺水域への汚濁の拡散を防
止するものである。
【0037】上記クレーン3は、図1に示すように、起
重機船22上のものである。また、上記クレーン3は、
複数の被吊り上げ物を個別に吊り上げ操作できるよう
に、少なくとも主吊り用フック3aと、二つのサブ吊り
用フック(図2に一つのサブ吊り用フックを図示)3b
が備えられている。
【0038】この実施例においては、上記クレーン3に
よりブロック本体5、シャフト6、接続部7の連結ピン
7cを個別に吊り上げ操作できるようになっており、ブ
ロック本体5とシャフト6とを個別に吊り上げ操作する
ことで、コンクリートブロック1を上下2点で個別に吊
り上げ操作することになり、コンクリートブロック1を
振り動かすことができるようになっている。また、コン
クリートブロック1埋設後に、接続部7の連結ピン7c
を引き上げることにより、ブロック本体5とシャフト6
とを切り放すことができるようになっている。
【0039】上記支援設備4は、台船23上に配置され
たものであり、導水枠9に高圧の水を送る複数の送水ポ
ンプ24…と、送水ポンプ24…用の水を貯える貯水槽
25と、貯水槽25に海水を汲み上げる吸水ポンプ26
と、吸泥口14aから吸泥するための上記吸泥ポンプ
(バキューマー)21と、吸泥された泥を一時的に貯え
る泥槽(図示略)と、該泥槽(図示略)の泥を汚濁防止
枠2内に戻すための排泥ポンプ(図示略)と、上記吸泥
ホース18が接続される固定配管19に圧縮空気をおく
るためのコンプレッサー(図示略)と、台船23上の各
種設備に電力を供給する発電機27とからなるものであ
る。
【0040】次に、以上のようなブロック埋設システム
を用いた構造物の埋設方法について図9及び図10の工
程図を参照して説明する。まず、上記クレーン3を搭載
した起重機船22を接岸して(ステップS1)、該起重
機船22にブロック本体5を搭載する(ステップS
2)。なお、ブロック本体5には、ブロック本体5を製
造する時点で、接続部7の接続リング7a、アンカーリ
ング12、回転防止板13、第一及び第二の貫通管1
5、14とが取り付けられた状態となっている。
【0041】また、ブロック本体5に取り付けられる吊
り込み用のシャフト6、導水枠9、その他のジェット噴
流水用部材、汚濁防止枠2の汚濁防止膜2b及びフロー
ター枠2a等の部材を工場で製作し(ステップS3)、
起重機船22の接岸された現場に搬入して(ステップS
4)、これらの部材を起重機船22に搭載する(ステッ
プS5)。そして、ブロック本体5とその他の部材を搭
載した起重機船22をコンクリートブロック1を埋設す
る埋設現場に曳航する(ステップS6)。
【0042】一方、支援設備4については、支援設備4
を搭載する台船23を接岸して(ステップS7)、支援
設備4を構成する各種機器を台船23に搭載し(ステッ
プS8)、各種機器の配線及び配管を行い(ステップS
9)、台船の艤装を完了させる(ステップS10)。そ
して、艤装の完了した台船23をコンクリートブロック
1を埋設する埋設現場に曳航する(ステップS11)。
また、埋設現場において起重機船22上のフローター枠
2aに汚濁防止膜2bを取り付けて汚濁防止枠2を製作
する(ステップS12)。
【0043】次に、起重機船22上において、図11に
示すようにブロック本体5に取り付けられたアンカーリ
ング12に、アンカーチェーン11を取り付ける(ステ
ップS13)。なお、この際には、ブロック本体5の第
二の貫通管14に、吸泥管(図示略)を接続するための
接続部(図示略、いわゆる竹の子)を溶接しておく。次
に、図12に示すように、ブロック本体5の近傍に寝か
せた状態に配置されたシャフト6にワイヤ28を通し、
該ワイヤ28の一方の端部にアンカーリング12に取り
付けられたアンカーチェーン11を接続し、上記ワイヤ
28の他方の端部を起重機船22上のウィンチ29によ
り牽引して、シャフト6内にアンカーチェーン11を通
す(ステップS14)。
【0044】次に、図13に示すように、アンカーチェ
ーン11をクレーン3の主吊り用フック3aに掛止する
とともに、シャフト6上端の掛止片6cに吊り上げワイ
ヤ16を接続するとともに、この吊り上げワイヤ16に
クレーン3のサブ吊り用フック3bを掛止し、図14に
示すようにアンカーチェーン11とシャフト6とを吊り
上げる(ステップS15)。そして、図6及び図7に示
すように、ブロック本体5のアンカーリング12の部分
にシャフト6を載せた状態とすることにより、ブロック
本体5の接続部7の接続リング7a…がシャフト6の接
続板7bを貫通した状態となり、接続リング7a…に連
結ピン7c…を挿入することにより、ブロック本体5と
シャフト6とを接続する(ステップS16)。
【0045】この際に、連結ピン7c…に接続された引
き抜きワイヤ7d…を図示しないサブ吊り用フックに接
続しておく。また、ブロック本体5とシャフト6とを連
結する前に、シャフト6の各固定配管19…と、ブロッ
ク本体5の第一及び第二の貫通管15、14との位置を
合わせて、吸泥用と送水用との配管の位置がずれないよ
うにしておく。また、ブロック本体5とシャフト6とを
連結する際には、アンカーチェーン11がシャフト6内
に入れ込まれた状態とし、ブロック本体5とシャフト6
との間にアンカーチェーン11が挟まれないようにす
る。
【0046】次に、クレーン3の主吊りによりアンカー
チェーン11を吊り上げて、図15に示すようにシャフ
ト6が接続されたブロック本体5を吊り上げる(ステッ
プS17)。そして、図16に示すように、吊り上げら
れたブロック本体5を2本の盤木上31、31に仮置き
する(ステップS18)。この際には、ブロック本体5
下面に突出した第一及び第二の貫通管15、14の下端
が盤木31、31に当たらないようにする。そして、ブ
ロック本体5が盤木31上に安定した状態で載置された
のを確認した後に、第一の貫通管15…に番線(図示
略)を挿入しておく。
【0047】次に、図17に示すように、ブロック本体
5の下部の四つの側面にホールインアンカーを使用して
鋼板8a…を取り付けるとともに、鋼板8a…同士を溶
接してスカート8とする(ステップS19)。スカート
8取付後、主吊りでアンカーチェーン11を介してブロ
ック本体5を吊り上げる(ステップS20)。そして、
第一の貫通管15…に上記番線を利用して吐出管(図示
略)を挿入し、ブロック本体5下面から吐出管が延出し
た状態とする。次に、上記吐出管の下端部を導水枠9の
接続ノズル9c…に接続する。そして、ブロック本体5
上面から吐出管を引き上げることにより、導水枠9をス
カート内に引き込み、導水枠9をスカート8を介してブ
ロック本体5に固定する(ステップS21)。
【0048】次に、台船23上の支援設備に接続された
送水ホース17…、吸泥ホース18、圧縮空気用ホース
(図示略)をシャフト6の固定配管19…の上端部に接
続する(ステップS22)。また、上述のように下端部
が導水枠9に接続された吐出管の上端部を送水ホース1
7…が接続された固定配管19…に接続するとともに、
吸泥ホース18が接続された固定配管19と第二の貫通
管14とを連通するように吸泥管(図示略)を接続す
る。これで起重機船22上においてコンクリートブロッ
ク1が完全に組み立てられた状態となる。
【0049】次に、コンクリートブロック1を吊った状
態で、クレーン3を旋回してコンクリートブロック1を
海上に配置し、支援設備4から送水することによりジェ
ット噴流水テストを行う(ステップS23)。そして、
噴出ノズル9a…の方向の修正が必要ならば、この時点
で修正を行う。次に、起重機船22をコンクリートブロ
ック1の正確な埋設位置まで、陸上からの測量誘導によ
り移動する(ステップS24)。
【0050】次に、汚濁防止枠2を埋設作業水域に設置
し、該汚濁防止枠2内の埋設位置に、クレーン3により
コンクリートブロック1を吊り下げ、コンクリートブロ
ック1の降下を開始する(ステップS25)。次に、コ
ンクリートブロック1が海底B(図18に図示)の少し
手前まで達した時点で、ジェット噴流水の噴射を開始す
る(ステップS26)。次いで、コンクリートブロック
1が海底Bに達した時点で、吸泥を開始する(ステップ
S27)。
【0051】そして、海底B上のコンクリートブロック
1下面からジェット噴流水が噴出されることにより、コ
ンクリートブロック1の下の地層が掘削されるとともに
攪拌され、コンクリートブロック1の下面の先端抵抗が
減少することになる。さらに、コンクリートブロック1
下面から攪拌された土砂を水と一緒に吸引することによ
り、先端抵抗がさらに減少される。そして、コンクリー
トブロック1は、その下面の先端抵抗が減少することに
より、自重により沈下し始める。なお、コンクリートブ
ロック1自体が軽量なため、充分な沈下速度が得られな
い場合には、コンクリートブロック1に錘を取り付けて
コンクリートブロック1の重量を増加さておいても良
い。
【0052】そして、コンクリートブロック1は、図1
8に示すように軟弱な地層A内に沈下していくことにな
る。そして、コンクリートブロック1が軟弱な地層A内
に沈下することによりコンクリートブロック1の側面に
側面抵抗が生じることになる。ここで、ジェット噴流水
の吐出水量よりも吸泥量を少ないものとすることによ
り、高圧の水がコンクリートブロック1の側面側に溢れ
出すことなる。そして、コンクリートブロック1の側面
側に溢れた水によりコンクリートブロックの側面側の土
砂が掘削・攪拌され、側面抵抗が減少し、側面抵抗によ
りコンクリートブロック1の沈下が停止するのを防止す
ることができる。
【0053】そして、軟弱な地層Aの中を上記コンクリ
ートブロック1が沈下していくことになるが、上記ジェ
ット噴流水の吐出と、吸泥により、コンクリートブロッ
ク1に下方向への力を外部から加えることなく、コンク
リートブロック1の自重によりコンクリートブロック1
の埋設が行われることになる。また、コンクリートブロ
ック1は、アンカーリング12と、シャフト6上端との
二カ所をクレーン3により吊り上げ可能となっているの
で、上記二カ所を別々に吊り上げ操作することにより、
コンクリートブロック1を振り動かすことができるよう
になっている。
【0054】そこで、上記ジェット噴流水及び吸泥でも
充分な沈下速度が得られない場合には、コンクリートブ
ロック1を振ることにより、ジェット噴流水によるコン
クリートブロック1下面及び側面における地層の掘削・
攪拌を促進して、さらに先端抵抗及び側面抵抗を減少さ
せ、沈下速度を高めることが可能である。なお、コンク
リートブロック1のシャフト6は、コンクリートブロッ
ク1を下方に押圧するためのものではなく、上述のよう
にコンクリートブロック1を振り動かすためのものであ
る。また、シャフト6は、その側面に設けられた目盛に
より、コンクリートブロック1の沈下深度を確認するの
に利用することができる。
【0055】そして、上述のようにして、コンクリート
ブロック1は軟弱な地層A内に沈下していくことにな
る。また、以上のようなジェット噴流水による地層の掘
削及び攪拌により、土砂が舞上げられて、汚濁が生じる
ことになるが、上記ブロック埋設水域は、汚濁防止枠2
に覆われた状態となっているので、ブロック埋設水域の
周囲に汚濁が拡がることがなく、周辺水域に汚濁による
被害が発生するのを防止することができる。また、上記
コンクリートブロック1の埋設作業は、極めて狭い範囲
で行われているので、汚濁防止枠2も小さなもので良
く、汚濁防止にかかるコストが低いものとなっている。
【0056】また、吸泥により台船上に土砂が貯まるこ
とになるが、掘削され吸泥される土砂は、コンクリート
ブロック1が通過可能な狭い範囲内のものであり、軟弱
地盤においてすり鉢状に掘削を行った場合に比較して、
極めて少ないものである。また、この実施例において
は、吸泥した土砂を、直ぐに埋設水域に戻しているの
で、吸泥された土砂の保管場所や廃棄場所を確保する必
要がない。また、上述のように埋設水域は、汚濁防止枠
2により囲まれた状態となっているので、吸泥された土
砂をそのまま、埋設水域に戻しても周辺水域に影響を与
えることがない。
【0057】次に、上記シャフト6の目盛により、コン
クリートブロック1の沈下深度を確認し、コンクリート
ブロック1が予め測量された比較的固い地層Cの上(底
着深度)に達した時点で、ジェット噴流水及び吸泥を停
止する(ステップS28)。すなわち、コンクリートブ
ロック1が、浮き防波堤10…のアンカーとして機能可
能な位置に達した時点でコンクリートブロック1の沈下
を終了する。次に、連結ピン7c…に接続された引く抜
きワイヤ7d…を引き上げることで、連結ピン7c…を
接合リング7a…から引き抜いて、シャフト6とブロッ
ク本体5とを切り外す(ステップS29)。
【0058】次に、一方の端部に浮きが取り付けられた
起こしワイヤ(図示略)の他方の端部をアンカーチェー
ン11に取り付けるとともにアンカーチェーン11を主
吊りフック3aから外し、アンカーチェーン11をシャ
フト6内に落下させる(ステップS30)。次に、サブ
吊りフック3bに掛止されていたシャフト6を、主吊り
フック3aに掛止し直し、シャフト6を引き上げる。こ
の際には、シャフト6の固定配管19…と導水枠9をつ
なぐ吐出管と、固定配管19と第二の貫通管14をつな
ぐ吸泥管が破断することになる。
【0059】また、シャフト6内にアンカーチェーン1
1に接続された起こしワイヤと該起こしワイヤに取り付
けられた浮きを通過させてシャフト6から取り外す。そ
して、複数のコンクリートブロック1を埋設する際に
は、引き続きステップ13に戻って、次のコンクリート
ブロック1の埋設作業を行う。この際には、上記シャフ
ト6を再使用することになり、コストを低減することが
できる。そして、全てのコンクリートブロック1を埋設
してコンクリートブロック1の埋設によるアンカーの据
え付け作業が完了したら(ステップS32)、台船23
を艤装と逆の手順により解体する。
【0060】なお、上記コンクリートブロック1の埋設
によるアンカーの据え付け作業が終了した後には、図1
9に示すように海上に浮き防波堤10…を配置するとと
もに、浮きの取り付けられた起こしワイヤを用いてアン
カーチェーン11…を引き上げて、アンカーチェーン1
1…を介して浮き防波堤10…とアンカーとなるブロッ
ク本体5…とを接続する。なお、図19において、符号
32は消波ブロックを示すものである。また、上記軟弱
な地層Aの土質は、シルト質粘土であり、上記比較的固
い地層Cの土質は、シルト混じり砂礫となっている。
【0061】以上のように、この実施例の構造物の埋設
方法によれば、超軟弱な地盤中にコンクリートブロック
1を埋設するに当たって、超軟弱な地盤をすり鉢状に広
い範囲で掘削する必要がないので、コンクリートブロッ
ク1の埋設作業の省力化、施工期間の短縮及びコストの
低減を図ることができる。また、起重機船22と支援設
備4が艤装された台船23と汚濁防止枠の設置以外に、
埋設現場で仮設工事を行う必要がなく、直接コンクリー
トブロックの埋設作業を行うことができるので、仮設工
事にかかるコスト及び施工期間を削減することができ
る。
【0062】すなわち、この実施例の構造物の埋設方法
によれば、コンクリートブロック1の埋設される地層の
一軸圧縮強度にまさるジェット噴流水圧を用いることに
より、地盤を掘削することが可能であり、また、掘削し
た土砂を吸泥してコンクリートブロック1の底外へ排出
することでコンクリートブロック1の水中重量が先端抵
抗及び側面抵抗より大きくなれば、コンクリートブロッ
ク1を自重で沈下させることができる。
【0063】また、ジェット噴流水の水量を吸泥量より
大きくすることにより、ジェット噴流水をコンクリート
ブロック1の側面側に溢れさせることで、側面抵抗を減
少することができるとともに、シャフト6によりコンク
リートブロック1を揺さぶることで、ジェット噴流水に
よる先端抵抗及び側面抵抗を減少させる効果を高めるこ
とができる。そして、コンクリートブロック1は、ジェ
ット噴流水と吸泥とシャフト6を用いたコンクリートブ
ロック1の振り動かしとにより、自重で沈下するので、
構造物の埋設に先だって、予め立坑を掘削する必要がな
いとともに、コンクリートブロック1を外力により下方
に押圧する設備を設ける必要がなく、水中での作業に適
している。
【0064】また、コンクリートブロック1を埋設する
際に掘削される部分の広さは、ほぼコンクリートブロッ
ク1の平面の面積と同じなので、掘削される土砂がわず
かなものとなり、超軟弱な地盤をすり鉢状に広い範囲で
掘削する場合のように、掘削土砂の広い保管場所もしく
は廃棄場所を確保する必要がなく、コストの低減を図る
ことができる。また、上述のように掘削される土砂の量
が少ないので、掘削による汚濁の拡がる範囲も少ないも
のとなる。また、上述のように掘削範囲が狭いので、小
さな汚濁防止枠2により、完全に汚濁の拡散を防止する
ことができ、低いコストで容易に埋設作業による海洋汚
染を防止することができる。
【0065】なお、上記実施例においては、コンクリー
トブロック1を水中の超軟弱地盤内に埋設するものとし
たが、上述のように地層の一軸圧縮強度にまさるジェッ
ト噴流水圧を用いれば、地盤を掘削することが可能であ
り、本発明のコンクリートブロック1の埋設場所が水中
の超軟弱地盤に限られるものではなく、比較的固い地盤
や地上においてもコンクリートブロック1の埋設を行う
ことが可能である。
【0066】また、上記実施例では、浮き防波堤10の
アンカーとなるコンクリートブロック1を埋設するもの
としたが、本発明の構造物は、アンカーとなるコンクリ
ートブロック1に限られるものではなく、埋設する必要
がある構造物ならどのような材質、どのような使用目
的、どのような形状でも埋設することが可能である。ま
た、上記実施例では、吸泥(浚渫)にバキューマー(吸
泥ポンプ21)を使用したが、これに代えて水中サンド
ポンプをコンクリートブロック1に備え付け、該水中サ
ンドポンプの排出用ホースをシャフト6に沿って上方に
延出させるものとしても良い。また、構造物自体が上下
に比較的長いものであれば、シャフト6を用いずに、構
造物の上部と下部との二カ所で吊り上げ操作すること
で、構造物を充分に振り動かすことが可能である。
【0067】
【発明の効果】上記請求項1記載の構造物の埋設方法に
よれば、ジェット噴流水噴出口と、土砂吸入口とを下端
部に設けた構造物を埋設位置に配置し、次いで、上記ジ
ェット噴流水噴出口からジェット噴流水を噴出すること
により上記埋設位置の地盤を掘削するとともに、上記土
砂吸入口から土砂を吸入して排出することで、構造物の
下面で生じる先端抵抗が激減し、構造物は単体として自
重により沈下することになり、構造物の埋設に先だって
予め立坑を掘削することも、仮設工事を行うこともな
く、構造物を単体で埋設することができる。従って、立
坑を掘削することが困難な超軟弱地盤や、多くの仮設工
事を必要とする水中での構造物の埋設において、省力
化、コストの削減、施工期間の短縮を測ることができ
る。また、ジェット噴流水の吐出量を土砂吸入口の吸入
量より多くし、ジェット噴流水が構造物の側面に溢れる
ようにすれば、構造物の側面抵抗も減少することができ
る。
【0068】上記請求項2記載の構造物の埋設方法によ
れば、上記構造物の上部と下部とを個別に吊り上げ可能
な状態としているので、例えば、構造物の下部を一定の
力で吊り上げた状態とするとともに、構造物の上部を吊
り上げたり、吊り上げを解除した場合に、構造物の下部
の吊り上げ位置を支点として、構造物を振り動かすこと
が可能となる。従って、構造物を埋設する途中におい
て、構造物が側面抵抗により自重による沈下が鈍った場
合に、上述のように構造物を振り動かすことにより、構
造物の側面において地盤の攪拌もしくは圧縮などにより
構造物の側面抵抗を軽減することができる。
【0069】また、構造物を振り動かすことにより、構
造物下面において、ジェット噴流水による地盤の掘削及
び攪拌が促進される。従って、構造物を降下した際に、
地層の変化などにより、ジェット噴流水及び吸泥による
構造物の沈下が困難になった際に、構造物を振り動かす
ことにより、再び、構造物を沈下させることが可能とな
る。
【0070】上記請求項3記載の構成によれば、上記構
造物を上記水域の底部に埋設する場合に、構造物の周囲
の水域を筒状の汚濁防止膜で覆うことにより、ジェット
噴流水により巻き上げられた土砂による周辺水域の汚濁
を防止することができる。
【0071】上記請求項4記載の構成によれば、上記構
造部を河川、湖沼、海等の水域の底部の軟弱な地盤に設
置されるアンカーとしている。極めて軟弱な地盤にアン
カーを埋設するための坑を掘るためには、周囲の土砂が
崩れないように、すり鉢状の坑を掘る必要があるが、上
記構成によれば、構造物が自重により沈下するので、す
り鉢状の坑を掘る必要がなく、水中の軟弱地盤へのアン
カーの設置において、省力化、コストの削減、施工期間
の短縮を図ることができる。
【0072】また、水中の軟弱な地盤にすり鉢状の坑を
掘削した場合には、舞い上がる土砂の量が多く、舞い上
がった土砂による汚濁を生じ、かつ、掘削範囲が広いた
め、掘削作業を行う水域と周囲の水域とを遮断しようと
すると大きなコストがかかることになるのに対して、請
求項4記載の構成によれば、狭い範囲を周囲の水域から
遮断すれば良く、容易に浮遊土砂による汚濁を防止する
ことができる。また、掘削土砂の量も、すり鉢状に坑を
掘削した場合に比較して僅かなものであり、掘削土砂の
保管や廃棄に困ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構造物の埋設方法に用いら
れるブロック埋設システムを示す概略斜視図である。
【図2】上記実施例の構造物の埋設方法により埋設され
るコンクリートブロックを示す側面図である。
【図3】上記コンクリートブロックのブロック本体を示
す側面図である。
【図4】上記コンクリートブロックのシャフトに取り付
けられた固定配管を示す側面図である。
【図5】上記シャフトに取り付けられた固定配管を示す
断面図である。
【図6】上記シャフトとブロック本体とを接続する接続
部を示す側面図である。
【図7】上記シャフトとブロック本体とを接続する接続
部を示す平面図である。
【図8】上記コンクリートブロックの導水枠を示す平面
図である。
【図9】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するため
の工程図である。
【図10】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するた
めの工程図である。
【図11】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するた
めの工程を示す側面図である。
【図12】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するた
めの工程を示す側面図である。
【図13】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するた
めの工程を示す側面図である。
【図14】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するた
めの工程を示す側面図である。
【図15】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するた
めの工程を示す側面図である。
【図16】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するた
めの工程を示す側面図である。
【図17】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するた
めの工程を示す側面図である。
【図18】上記実施例の構造物の埋設方法を説明するた
めの工程を示す側面図である。
【図19】上記実施例の構造物の埋設方法を浮き防波堤
のアンカーに応用した例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 コンクリートブロック(構造物) 2 汚濁防止枠 3 クレーン 2b 汚濁防止膜 9 導水枠 9a 導水枠の噴出ノズル(噴出口) 14 第二の貫通孔 14a 吸泥口(土砂吸入口)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジェット噴流水噴出口と土砂吸入口とを
    下端部に設けた構造物を埋設位置に配置し、次いで、上
    記ジェット噴流水噴出口からジェット噴流水を噴出する
    ことにより上記埋設位置の地盤を掘削するとともに、上
    記土砂吸入口からジェット噴流水に掘削された土砂を吸
    入して上方に排出し、上記構造物の重さにより上記構造
    物を地中に降下させ、上記構造物を単体で埋設すること
    を特徴とする構造物の埋設方法。
  2. 【請求項2】 上記構造物は、その上部と下部とを個別
    に吊り上げ可能な状態とし、上記構造物を地中に降下さ
    せるに際して、上記構造物の上部と下部とを個別に吊り
    上げ操作することにより、上記構造物を振り動かすこと
    を特徴とする請求項1記載の構造物の埋設方法。
  3. 【請求項3】 上記構造物の埋設を河川、湖沼、海等の
    水域の底部で行うものとし、上記構造物を降下させるに
    際し、上記構造物の周囲の水域を上端部に浮きを設けた
    筒状の汚濁防止膜で覆うことを特徴とする請求項1また
    は2記載の構造物の埋設方法。
  4. 【請求項4】 上記構造物を河川、湖沼、海等の水域の
    底部の軟弱な地盤に設置されるアンカーとし、上記構造
    物をアンカーとして安定する位置に埋設することを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の構造物の埋
    設方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013139702A (ja) * 2012-01-06 2013-07-18 Toyo Constr Co Ltd 堤脚部の洗掘防止工法及び堤脚部の洗掘防止構造

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