JPH08209248A - 方向性電磁鋼板の仕上焼鈍方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板の仕上焼鈍方法

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JPH08209248A JP1377995A JP1377995A JPH08209248A JP H08209248 A JPH08209248 A JP H08209248A JP 1377995 A JP1377995 A JP 1377995A JP 1377995 A JP1377995 A JP 1377995A JP H08209248 A JPH08209248 A JP H08209248A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 方向性電磁鋼板の仕上焼鈍を、効率の良い炉
床回転式の箱型炉で行う場合に問題となっていた製品の
磁気特性、被膜特性の劣化を抑制するとともに、仕上焼
鈍雰囲気の焼鈍途中からの還元性雰囲気ガスの通入に伴
う雰囲気ガスの露点の急上昇が引起こす製品の磁気特性
や被膜特性の劣化をも有効に抑制する。 【構成】 炉内で、インナーカバーの下端部を粒径0.2
〜5mmの粒体でシールする。また、インナーカバー内に
通入するガスの流量について、上記シールを通過してイ
ンナーカバーから排出される直前のガスの露点を一定値
以下に維持する流量変更、制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、方向性電磁鋼板の最
終仕上焼鈍方法に係わり、詳しくは、箱型炉を用いた焼
鈍の際に雰囲気ガスを制御して特性の良好な製品を得よ
うとする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、鋼中にインヒビター
を含有させた熱延鋼板を冷間圧延工程で最終板厚とし、
1次再結晶焼鈍を施した後に、2次再結晶の発現とイン
ヒビターなどの鋼中不純物の除去とを目的として高純度
の所定雰囲気中で高温長時間の最終仕上焼鈍が行われ
る。
【0003】この最終仕上焼鈍は、磁気特性に優れる方
向性電磁鋼板を製造するための重要な要素の一つであ
り、それゆえ焼鈍の際には、要求される諸条件を満たす
ことが必要である。例えば、雰囲気ガスは、純度を厳密
に保つ必要がある。
【0004】この雰囲気ガス中の純度は不純物成分の混
入により低下する。かかる不純物成分のなかでも、雰囲
気ガス中の露点で示される水蒸気成分は、MgO を主成分
とする焼鈍分離剤中に含有される水和水から400 〜600
℃で放出されたもの等から混入するものであるが、鋼板
表面を酸化させ、鋼板表層部のインヒビターを劣化させ
たり、表面被膜の形成を阻害するので好ましくなく、そ
のため、例えば特開昭50−134917号公報の技術で示され
るとおり特定の範囲に制御されたり、あるレベル以下に
制限されてきた。
【0005】このような研究に基いて、焼鈍の際には炉
内でコイルを直接加熱するのではなく、インナーカバー
をコイルにかぶせ、インナーカバーの外より、可燃性ガ
スの燃焼熱により加熱する一方で、インナーカバー内に
所定の雰囲気ガスを通入する技術が一般化している。
【0006】かかる技術において、インナーカバー内の
雰囲気の純度を保つための考え方として、2種類の異な
る技術思想があった。ひとつは、特公昭63−46129 号公
報に開示されるようにインナーカバー下端部を白珪砂か
らなる気密性の良い耐熱性粉体でシールしておき、イン
ナーカバー内の雰囲気ガス圧をインナーカバー外のガス
圧より高めることによって、外部から内部への不純なガ
スの流入を防ぐ考え方である。もうひとつは、特公昭57
−50862 号公報に開示されているように、インナーカバ
ー下端部のシールにあたり、粒状の粗粒サンドを用いて
雰囲気のガス流通性を良くし、不断にインナーカバー内
に送入される雰囲気ガスが速やかにインナーカバー外部
へ流出するようにして、外部から内部への不純なガスの
流入を防ぐ考え方である。
【0007】両者を比較した場合、製品の被膜特性、磁
気特性の向上のためには明らかに後者の方が有効であっ
た。というのは、前述したように最終仕上焼鈍時のコイ
ル鋼板表面に焼鈍分離剤として塗布されたMgO が含む多
量の水和水は、焼鈍中の400〜600 ℃で分解して、イン
ナーカバー内の雰囲気中の水蒸気成分を増加させるので
あるが、特公昭63−46129 号公報の技術の場合にはイン
ナーカバー下端部のシールの気密性が高いために、この
水蒸気成分の悪影響を多分に受け、製品の被膜特性や、
磁気特性を劣化させるからであった。したがって、実際
の焼鈍には、専ら特公昭57−50862 号公報の技術が用い
られてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、最終仕
上焼鈍の能率向上を目的として、炉床回転式の箱型炉が
採用されるに至った。すると、上述した技術を用いた従
来の焼鈍炉ではみられなかった磁気特性、被膜特性の劣
化が認められるようになった。
【0009】また、この炉床回転式の焼鈍炉を用いた場
合の問題とは別の問題として、一般に、最終仕上焼鈍に
おいては初期はN2などの中性雰囲気ガスで処理し、焼鈍
途中からN2+H2混合雰囲気や、H2雰囲気といった還元性
雰囲気ガスに切替えられるのであるが、この切替えの
際、蓄積された鉄酸化物の還元によってインナーカバー
内の雰囲気ガスの露点が急上昇するため、製品の磁気特
性や被膜特性の劣化が生じる場合があった。
【0010】この発明は、かかる炉床回転式の箱型炉化
に伴う製品の磁気特性、被膜特性の劣化を抑制するとと
もに、仕上焼鈍雰囲気の焼鈍途中からの還元性雰囲気ガ
スの通入に伴う雰囲気ガスの露点の急上昇が引起こす製
品の磁気特性や被膜特性の劣化を有効に抑制することの
できる方向性電磁鋼板の仕上焼鈍方法を提案することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、前述した従
来技術を詳細に検討し、その欠点を抑止する技術につい
て鋭意研究を重ねた結果、新規知見に基づく技術開発に
成就して完成させたものである。
【0012】すなわちこの発明は、方向性電磁鋼板の最
終仕上焼鈍を、炉床回転焼鈍炉を用いて行い、この炉内
で、インナーカバーの下端部を粒径0.2 〜5mmの粒体で
シールする一方、このインナーカバー内に雰囲気ガスを
通入可能にして、このインナーカバー内で載置された被
処理物コイルを、炉内温度を異ならせた複数の領域に順
次に移動させて焼鈍を行うものとし、インナーカバー内
に通入するガスの流量について、上記シールを通過して
インナーカバーから排出される直前のガスの露点を一定
値以下に維持する流量変更、制御を行うことを特徴とす
る方向性電磁鋼板の最終仕上焼鈍方法である。
【0013】ここに、シールを通過してインナーカバー
から排出される直前のガスの露点は、15℃以下に維持す
るようにガス流量の変更、制御を行うことが好ましい。
【0014】以下、この発明を成就するに至った実験及
びその結果について説明する。図1に回転炉床式箱型焼
鈍炉の一例を示す。図中、番号1は炉壁、2は炉壁1に
装着したバーナー、3は、ガス排出管、4は回転炉床、
5はベースプレート、6はこのベースプレート5に載置
された被処理物たる電磁鋼コイル、7はこの電磁鋼コイ
ル6を覆うインナーカバーである。このインナーカバー
7の側面には、偏熱防止のための断熱絶縁体8が必要に
応じて設けられる。このインナーカバー7の下端部は、
粒体9でシールされている。そして、このインナーカバ
ー7内にガス供給管10より雰囲気ガスを導入しつつ粉体
のシール9を通してインナーカバー外部へ流出させるこ
とで、外部から内部への不純なガスの流入を防ぎながら
所定の雰囲気で電磁鋼コイル6の焼鈍が可能となってい
る。
【0015】このような回転炉床式焼鈍炉は、図2に平
面的に示すように、炉内温度を異ならせた複数の領域が
円環状に設けられている。そして、炉床を各領域でスタ
ックさせて所定時間加熱、均熱あるいは冷却処理を行
い、その時間経過後は炉床を次の領域に移動させ、それ
に応じて雰囲気も適宜変えることで、所定温度、雰囲気
での焼鈍が順次に行われるのである。
【0016】かかる回転炉床式箱型焼鈍炉を用い、イン
ナーカバー7下端部のシールに関し前掲特公昭57−5086
2 号公報に開示された技術を適用して、1mm径の粗粒ム
ライトボールでシールしつつ、雰囲気ガスを1Nm3/hrの
流量でインナーカバー内のガス供給管10を通して供給し
て、電磁鋼コイルの最終焼鈍を行ってみた。
【0017】この時、インナーカバー7のシール9を通
過する直前、直後の雰囲気の露点をガスサンプラー11a,
11b を用いて測定した。その結果を図3に示す。図3の
曲線aは、インナーカバー7のシール9を通過する直前
の雰囲気の露点であり、曲線bは、インナーカバー7の
シール9を通過した直後の雰囲気の露点である。図3で
注目されるのは、雰囲気ガス中の露点が高くなるのは、
従来から認められていた、400 〜600 ℃におけるMgO 中
の水和水の分解放出の時期と、雰囲気ガスを切り換えて
H2ガスを通入する時期のみならず、スタックの位置が移
動するたびに露点が上昇している点である。
【0018】このような現象が生ずる理由については、
十分には解明されていないが、スタックの切替に伴う、
通入ガスの一時停止と関係があると考えられる。すなわ
ち、スタックを切替えて炉床を次の領域に移動させる際
は、ガス供給管の接続部12も切替えているために、イン
ナーカバー内へガスを通入させることが一時的に停止す
る。この時にインナーカバーのシールの通気性が良いた
め、外部の雰囲気がインナーカバー内に一時的に逆流
し、また、インナーカバー内のガスの容量に対してイン
ナーカバー内に通入するガスの流量が相対的に小さく、
ガス置換が十分にされないこともあって、その影響が、
インナーカバー内へのガスの供給が再開された後も長時
間にわたって継続したものと考えられる。このことは、
インナーカバーのシール通過直後の雰囲気ガスの露点変
化(曲線b)からも推定できる。
【0019】以上の知見から、発明者らは炉床回転式焼
鈍炉を用いて電磁鋼コイルの焼鈍をする際に、インナー
カバー内に通入するガス流量を変化させ、具体的には図
4に示すガス流量バターンで処理し、その時にインナー
カバー内から排出される直前のガスの露点を測定した。
その結果を図4に併せて示す。
【0020】図4を図3と対比してみれば明らかなよう
に、図3において露点の上昇が認められたMgO の水和水
の分解放出時期、スタック切替の時期、雰囲気へのH2
スの通入時期においても、図4に示したガス流量制御の
ように、これらの時期にインナーカバー内への通入ガス
流量を増加させることによって、インナーカバー内のガ
スを通入ガス雰囲気に速やかに置換することができ、露
点を低下させることができることがわかる。なお、図4
に示したガス流量制御では、炉床回転式焼鈍炉の構造
上、スタックの切替時に各スタック間でのガスの通入が
短時間、中断されているのであるが、この発明では、か
かるガスの通入が中断されないような方策を採ったうえ
で図4に示したようなガス流量制御を行っても良い。
【0021】次に、インナーカバーの下端部をシールす
る酸化物粒子の粒径についても関係があるのではないか
という考察に基づき、粒子径を種々に変化させて実験を
行った。すなわち、平均粒径が、0.05, 0.1, 0.2, 1.5
mmのアルミナ粒子のそれぞれで下端部をシールし、図4
に示したのと同じガス供給量パターンで板厚0.23mm、3.
2 % Si の方向性電磁鋼コイルの最終仕上焼鈍を行っ
た。この時のインナーカバー内から排出される直前のガ
スの露点測定の結果を図5に示す。また、これらの製品
の被膜特性及び磁気特性について調べた結果を表1に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】表1及び図5より、シール材のアルミナ粒
子が0.2 mm以上でかつガス流量の制御を行った場合に、
インナーカバー内から排出される直前のガスの露点が常
に15℃以下となり、かつ、製品の磁気特性及び被膜特性
も向上することがわかる。
【0024】
【作用】この発明において、最終仕上焼鈍に用いる炉
は、図1に示されるような、焼鈍炉のスタックが図2の
ように複数個連結したものでかつ、炉床と炉床に設置さ
れた被熱処理物が、次スタックへ一定時間毎に移動する
炉床回転式の焼鈍炉である。各スタック群は適宜、異な
る温度と雰囲気に設定されることにより、通過する被熱
処理は定まった温度パターンと雰囲気パターンの熱処理
が施こされる。かかる回転炉床式焼鈍炉では、被熱処理
物であるコイルはインナーカバーによ
【0025】って炉内雰囲気とは遮蔽され、このインナ
ーカバーの下端部は図1に示されるように流動性のある
物質、例えば酸化物粉粒体でシールされている。この点
は、従来でも同様である。
【0026】この発明では、このシール材に平均粒径0.
2 〜5mmの粒体を使用して、通気性を向上させることが
必須要件である。シール材の粒径が0.2 mmより小さいと
インナーカバーの内から外へ流出する雰囲気ガス中の水
蒸気成分の排出が十分でなく、逆に5mmより大きいと、
炉圧差がなくなり、外部雰囲気の逆流が発生する可能性
があり、いずれにせよ良好な被膜特性、磁気特性のコイ
ルが得られない。
【0027】次にこの発明では、電磁鋼帯の仕上焼鈍
を、炉床回転式焼鈍炉を用いて行った場合に特有の露点
上昇問題を解決するために、インナーカバー内から排出
される直前のガスの露点を測定し、その値が一定値以
下、好ましくは15℃以下となるようにインナーカバー内
に通入するガスの流量を変更、制御することを必須とす
る。ガスの露点が15℃を超えると製品の被膜特性及び磁
気特性が劣化するためである。
【0028】これによって、インナーカバー内で雰囲気
中の水蒸気量が増加することに起因して、製品の被膜特
性及び磁気特性が劣化することを防ぐことが可能にな
る。なお、インナーカバー内から排出される直前のガス
の露点の測定は必ずしも常に行う必要はなく、適宜測定
を行い、その測定結果に基づいて、インナーカバー内へ
通入するガス流量のパターンを予め設定しておき、操業
を行う方法であっても良い。また、ガス流量パターン
は、図4に示したものに限らず、焼鈍時にわたって露点
を所定値以下に抑制できるパターンであればよい。
【0029】このようなこの発明の仕上焼鈍方法を実現
するために、インナーカバー内に雰囲気ガスを導入する
ガス供給管については、従来の回転炉床式焼鈍炉のよう
に、各スタックへの移動毎に切替え、再接続するのでは
なく、切替えせずに常時、雰囲気ガスを導入可能な接続
形式にすることも有効である。
【0030】なお、用いる炉床回転式焼鈍炉の加熱方法
は、図1に示したようにバーナーでの燃焼方式に限ら
ず、電熱式であっても、またラジアントチューブによる
加熱方式でも良い。また、インナーカバーの周囲又は、
炉壁とインナーカバーの周囲に偏熱防止のための断熱絶
縁体を設置しても良い。
【0031】次にこの発明の方法に用いる方向性電磁鋼
コイルについて述べる。鋼成分は、方向性電磁鋼板とし
て従来公知のものであれば、いかなるものであっても良
いが、代表的な成分組成範囲を述べると、まずCにつき
0.010 〜0.10wt%が多用される。C量が低いと組織改善
効果が十分でなく、逆に過剰に含有させた場合には途中
での脱炭が困難になる。Siは鉄損改善のために含有させ
るが、上限は5wt%である。Si量が5wt%を超えた場合
は、冷間圧延が困難となる。Mnは熱延性を改善する成分
であり、0.02〜2.50wt%の範囲で含有させる。Mn量が0.
02wt%未満では熱延性改善効果に乏しく、逆に2.50wt%
を超すと脱炭が困難となる。
【0032】以上の成分の他にインヒビター成分が必要
である。インヒビター成分としては通常、Al, S,Se,
Te, Sb, As, Bi, Sn, Cr, Bなどが用いられるが、これ
らの成分のうち1種類でも良いし、2種以上を用いても
良い。
【0033】こうした鋼成分を有する方向性電磁鋼板は
熱延鋼帯とされ、さらに必要に応じて熱延板焼鈍を施
し、1回もしくは複数回の冷間圧延により最終板厚とさ
れた後、1次再結晶焼鈍に供される。この後、鋼帯は焼
鈍分離剤を塗布した後、コイル状に巻きとられ、この発
明に従う最終仕上焼鈍に供される。
【0034】かかる最終仕上焼鈍を施された鋼帯は未反
応の焼鈍剤を除去した後、必要に応じて、絶縁コーティ
ングの塗布及び平坦化焼鈍を施されて製品とされる。
【0035】
【実施例】C:0.07wt%, Si:3.35wt%, Mn:0.07wt
%, Al:0.025 wt%, Se:0.018 wt%, P:0.05wt%,
Cu:0.08wt%及びN:0.008 wt%を含み、残部は、Fe及
び不可避的不純物よりなる方向性電磁鋼板用スラブを20
個用意し、いずれも熱間圧延し、次いで熱延板焼鈍をし
た後、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を行って最終板厚
とした。その後、脱炭焼鈍を施し、さらにMgO を主剤と
する焼鈍分離剤を塗布してからコイル状に巻き取った
後、図1、図2に示される炉床回転式焼鈍炉で最終仕上
焼鈍を施した。この仕上焼鈍の際に、雰囲気と温度のパ
ターンは図6に示すものとしたが、先行の10コイルは図
6の実線aに示される供給ガスのパターンを採用し、実
施例とした。また後行の10コイルは図6の点線bに示さ
れる供給ガスのパターンを採用し、従来例とした。ま
た、インナーカバーのシール通過直前のガスの露点を上
述したa,bの供給パターンのそれぞれにおいて測定し
たところ図6に示されるように、実施例においては、い
ずれの時期においても露点は15℃以下であったが、比較
例においては、スタックの移動直後において、露店が15
℃を超えていた。
【0036】焼鈍後、各コイルは未反応分離剤を除去し
た後、張力コーティングを施し、平坦化焼鈍後、製品と
した。これらのコイルの時期特性と被膜特性を表2に示
す。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
この発明によれば、能率よく最終仕上焼鈍を行うための
炉床回転式焼鈍炉において、インナーカバー内の雰囲気
の水蒸気量を一定値以下に常に保つことが可能となるの
で、被膜特性、磁気特性ともに優れた方向性電磁鋼板の
製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が対象とする炉床回転式箱型焼鈍炉の
構造の1例を示す図である。
【図2】この発明が対象とする炉床回転式焼鈍炉のスタ
ックの構成と炉床の移動の一例を示す概要図である。
【図3】従来の焼鈍方法におけるシール前後でのガスの
露点変化を示すグラフである。
【図4】この発明の通入ガス供給法とシール直前ガスの
露点変化の1例を示すグラフである。
【図5】シール材の粒径がシール直前ガスの露点変化に
及ぼす影響を示したグラフである。
【図6】この発明の方法(a) と従来の方法(b) とにおけ
る通入ガス供給量のパターンと、シール直前ガスの露点
変化を示す図である。
【符号の説明】
1 炉壁 2 バーナー 3 ガス排出管 4 回転炉床 5 ベースプレート 6 方向性電磁鋼板コイル 7 インナーカバー 8 断熱絶縁体 9 インナーカバー下部シール 10 ガス供給管 11a ガスサンプラーシール直前側 11b ガスサンプラーシール直後側 12 ガス供給管接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸田 広朗 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 渡辺 誠 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方向性電磁鋼板の最終仕上焼鈍を、炉床
    回転焼鈍炉を用いて行い、この炉内で、インナーカバー
    の下端部を粒径0.2 〜5mmの粒体でシールする一方、こ
    のインナーカバー内に雰囲気ガスを通入可能にして、こ
    のインナーカバー内で載置された被処理物コイルを、炉
    内温度を異ならせた複数の領域に順次に移動させて焼鈍
    を行うものとし、 インナーカバー内に通入するガスの流量について、上記
    シールを通過してインナーカバーから排出される直前の
    ガスの露点を一定値以下に維持する流量変更、制御を行
    うことを特徴とする方向性電磁鋼板の最終仕上焼鈍方
    法。
  2. 【請求項2】 シールを通過してインナーカバーから排
    出される直前のガスの露点を15℃以下に維持するガス流
    量の変更、制御を行う請求項1記載の方向性電磁鋼板の
    最終仕上焼鈍方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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