JPH08208772A - ワックス含有水性分散体およびそれを含有して成る水性樹脂組成物 - Google Patents

ワックス含有水性分散体およびそれを含有して成る水性樹脂組成物

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JPH08208772A
JPH08208772A JP1673595A JP1673595A JPH08208772A JP H08208772 A JPH08208772 A JP H08208772A JP 1673595 A JP1673595 A JP 1673595A JP 1673595 A JP1673595 A JP 1673595A JP H08208772 A JPH08208772 A JP H08208772A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、ワックス類の存在下、エチレン性
α,β−不飽和カルボン酸を必須の成分として含有する
単量体を重合せしめ、塩基性物質により中和した後、水
分散化することにより得られるワックス含有水性分散体
及び、該ワックス含有水性分散体を含有して成ることを
特徴とする水性樹脂組成物である。 【効果】熱転写性,被付着防止性,滑り性,撥水性等の
付与を目的として配合されるワックス類を、従来成し得
なかった微細な粒子として水性媒体中に分散せしめるこ
とが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワックス類を水を主体
とする液体媒体中に微細な粒子として分散させてなるワ
ックス含有水性分散体に関する。本発明のワックス含有
水性分散体は、水性インキ,水性塗料等をはじめとする
種々の水性樹脂組成物にそのまま若しくは配合して用い
ることにより、その乾燥被膜に熱転写性,被付着防止
性,滑り性,撥水性等を与える物として好適に用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンワックス,ポリプロ
ピレンワックス,ポリ(エチレン−プロピレン)共重合
体ワックス等のポリオレフィン系ワックス,マイクロク
リスタリンワックス,ライスワックス,モンタンワック
ス,カルナバワックス,キャンデリラワックス,白ロウ
等のワックスは,熱転写インキ,撥水性塗料,付着防止
塗料,離型剤等に広く用いられている。
【0003】感熱プリンタ等に用いられる熱転写リボン
の製造に用いられる熱転写インキにおいては、通常、ワ
ックス,バインダー樹脂等を芳香族系溶媒等に溶解せし
め、これに染料,顔料等の着色剤を溶解若しく分散せし
めたものや、ホットメルトタイプのものがインキとして
用いられている。有機溶剤系インキを用いる場合には、
PET等の基材に塗布し乾燥を行う工程において大量の
有機溶剤が揮散するため、労働安全衛生あるいは地球環
境保全上好ましくない。また、ホットメルトタイプの熱
転写インキを用いる場合には、その塗装条件上、ホット
メルトインキの溶融粘度等の許容範囲が狭い上、塗装時
の粘度管理を行うことが困難で、良好な塗装物を安定的
に得ることが困難となっている。このような中で、熱転
写インキにより形成される熱転写層を構成する各成分を
水を主体とした媒体に分散させた水性熱転写インキの開
発が望まれている。
【0004】一方、付着防止性,滑り性,撥水性等を目
的としたワックス配合樹脂組成物においても、作業環境
や引火性,可燃性等といった安全性の面から、有機溶剤
を用いたものから水性組成物への代替が進みつつある。
【0005】これらのような水性組成物中へ配合するべ
きワックスとして、ワックスを水中に微分散したものが
好適に用いられる。ワックス水分散体としては、有機溶
媒中にワックス類を溶解したものを水中に分散したもの
や、界面活性剤,高分子乳化剤等を用いて水中にワック
スを分散したもの等が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような方法でワックス類を水中に分散した場合、得ら
れるワックス分散体の分散粒子径はおおよそ1μm以上
と大きいため、分散安定性に乏しく保存中に粒子分離が
生じ使用時に十分な撹拌が必要となるばかりでなく、イ
ンキ,塗料等に用いた場合、得られる塗膜にワックス粗
大粒子に由来する塗膜欠陥が生じたり、塗膜の平滑性,
光沢等が損なわれたりして好ましくない。
【0007】本発明は、従来のワックス水性分散体のか
かる欠点を解決し種々の水性組成物に好適に配合できる
ワックス分散体を提供しようとするものである。本発明
者らは、水性インキ,水性塗料等においてホットメルト
適性,被付着防止性,滑り性,撥水性等を付与し、塗膜
にブツ,ハジキ等の被膜欠陥を生じない、1μm以下の
粒子径を有するワックス分散体を得るべく鋭意研究を重
ねた結果、ワックス類の存在下でアクリル系高分子乳化
剤の重合を行うことにより、従来の方法ではとうてい成
し得なかった微細な粒径のワックス含有水性分散体を得
られることを見い出し、本発明を完成するに至ったもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ワッ
クス類(A)の存在下、α,β−不飽和カルボン酸
(B)を必須の成分として含有するα,β−不飽和単量
体(C)を重合し、α,β−不飽和カルボン酸に由来す
るカルボン酸の一部または全部を塩基性物質により中和
した後、水に分散してなるワックス含有水性分散体に関
する。また本発明は、前述したワックス含有水性分散体
を固形分換算で0.01重量%以上含有してなる水性樹
脂組成物に関する。
【0009】以下、本発明のワックス含有水性分散体お
よび該水性分散体を含有する水性樹脂組成物に関して詳
細に説明する。本発明のワックス含有水性分散体は、ワ
ックス類(A)の存在下でアクリル系高分子乳化剤を形
成するべき単量体を(共)重合し、得られたワックス類
とアクリル系高分子乳化剤の混合物を水中に分散乳化す
ることにより得られる。このようにして得られるワック
ス含有水性分散体は、従来提案されている、有機溶剤を
用いる方法や、低分子量界面活性剤,スチレン/無水マ
レイン酸共重合体,α−オレフィン/無水マレイン酸共
重合体やアクリル系高分子乳化剤によるワックス類の水
分散化により得られる分散体に比べその粒子径が飛躍的
に微細であり、おおよそ0.1〜0.3μmの平均粒径
を有するものである。ワックス類存在下においてアクリ
ル系高分子乳化剤を重合することにより何故従来成し得
なかった様な微細な分散が可能となるのかについては未
だ十分明らかにされてはいないが、非常に疎水性の強い
物質であるワックス類と比較的親水性の強い高分子乳化
剤との相溶状態が、ワックス類と高分子乳化剤を混合し
た場合と、本発明のようにワックス類と単量体の混合物
からスタートしワックス中において重合反応により高分
子乳化剤を形成せしめた場合と、大きく異なっているこ
とが推測される。このような差異が生じる原因は、まだ
良く分かってはいないが、ワックス存在下において形成
される(共)重合体のブロック性に由来するミクロ相分
離構造が形成されるためか、あるいは連鎖移動反応、水
素引き抜き反応等が起こっているため,等によるものと
考えられる。
【0010】本発明において用いられるワックス類
(A)としては、ポリエチレンワックス,ポリプロピレ
ンワックス,酸化ポリエチレンワックス,酸化ポリプロ
ピレンワックス,パラフィンワックス,マイクロクリス
タリンワックス,フィッシャートロピッシュワックス等
の合成ワックスの他、ライスワックス,シュガーワック
ス,カルナバワックス,キャンデリラワックス,モンタ
ンワックス,木ロウ,密ロウ,ホホバ油,鯨ロウ等の天
然ワックス,ラノリン酸,パルミチン酸,ミリスチン
酸,ステアリン酸,12−ヒドロキシステアリン酸等の
高級脂肪酸等を例として挙げることが出来る。
【0011】また、本発明において上記したようなワッ
クス類の存在下において重合せしめるα,β−不飽和単
量体(C)のうち、必須の成分であるα,β−不飽和カ
ルボン酸(B)としては、アクリル酸,メタクリル酸,
マレイン酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸等を一
例として挙げることが出来る。これらのα,β−不飽和
カルボン酸は、単独であるいは二種類以上の混合物とし
て用いることが出来る。
【0012】また、上記α,β−不飽和カルボン酸
(B)と共重合されるべき、その他のα,β−不飽和単
量体(C’)としては、通常の方法によりラジカル
(共)重合しうるものであれば特に制限無く用いること
ができ、例として、スチレン,ビニルトルエン,メチル
スチレン,酢酸ビニル等のビニル系単量体類,メチルア
クリレート,エチルアクリレート,ブチルアクリレー
ト,イソプロピルアクリレート,2−エチルヘキシルア
クリレート,2−メトキシエチルアクリレート,メチル
メタクリレート,エチルメタクリレート,プロピルメタ
クリレート,ブチルメタクリレート,2−エチルヘキシ
ルメタクリレート,グリシジルメタクリレート,2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート,イソオクチル
アクリレート,ラウリルメタクリレート等の(メタ)ア
クリル系単量体,アクリルアミド,N−メチロールアク
リルアミド,N−メチロールメタクリルアミド,N−メ
トキシメチルアクリルアミド,N−エトキシメチルアク
リルアミド,N−ブトキシメチルアクリルアミド等のア
クリルアミド系単量体等が例として挙げられる。これら
のラジカル重合性単量体類は、単独あるいは2種類以上
の混合物として用いることが出来る。
【0013】本発明のワックス含有水性分散体は、前述
したワックス類(A)の存在下において前記α,β−不
飽和単量体(C)を(共)重合することを必須の要件と
して得られるものであるが、α,β−不飽和単量体
(C)の共重合の方法としては従来知られている通常の
方法を用いて行うことが出来る。(共)重合反応は、ワ
ックス類(A)とα,β−不飽和単量体(C)の相溶
性,作業性等に鑑み、ワックス類の融点以上の温度で行
うことがより好ましいと推測される。また、重合反応の
操作上等、必要であれば適当な有機溶剤類を適宜併用し
て重合反応を行っても構わない。
【0014】本発明のワックス含有水性分散体は、その
固形分中にワックス類(A),α,β−不飽和カルボン
酸(B),α,β−不飽和カルボン酸(B)以外のα,
β−不飽和単量体(C’)を必須の構成成分として含有
するが、これらのうち、ワックス類(A)と単量体の構
成組成としては、(A):(B)+(C’)=100:
10〜300の範囲がより好ましい。ワックス類(A)
の量がこれよりも大きくなると、得られるワックス含有
水性分散体中の分散粒子の粒子径が大きくなり、使用に
際して問題となる場合もある。またこれとは逆にワック
ス類(A)の量が小さくなると、得られるワックス含有
水性分散体中のワックス比率が低くなるため、ワックス
類に期待するべき特性の発現が望めなくなる場合もあ
る。
【0015】また、α,β−不飽和単量体(C)中に必
須の成分として含有されるα,β−不飽和カルボン酸
(B)の含有比率としては、単量体全量に対して10〜
60重量%がより好ましい。単量体中におけるα,β−
不飽和カルボン酸の比率が10重量%よりも低いと、得
られるワックス含有水性分散体中の分散粒子の粒子径が
大きくなったり、分散体の安定性が損なわれ、長期の保
存において分離・離水が見られるようになる場合もあ
る。また、これとは逆に単量体中におけるα,β−不飽
和カルボン酸の比率が60重量%よりも高いと、高分子
乳化剤となるべきアクリル(共)重合体の親水性が高く
なりすぎるために、分散粒子の安定性を損なったり、得
られるワックス含有水性分散体の粘度が高くなり過ぎた
りする場合がある。
【0016】このようにして得られるワックス類(A)
とアクリル樹脂の混合物は、その含有するカルボキシル
基の一部もしくは全部を適当な塩基性物質により中和す
ることにより水分散性を具備するようになる。本発明に
おいて中和剤として用いられる塩基性物質としては特に
制限無く用いることができ、一例として、水酸化ナトリ
ウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム,アンモニア,
エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン,エ
タノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノール
アミン,ジメチルエタノールアミン,シクロヘキシルア
ミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。用いる塩基性物質は、得られるワックス含有水性分
散体の使用目的により適宜選択できるが、本発明のワッ
クス含有水性分散体により得られる被膜等に耐水性が要
求される場合には、容易に揮散させることが出来る塩基
性物質を用いることがより好ましい。用いる塩基性中和
剤の量は、分散安定性等に鑑み、系内のカルボキシル基
に対して通常、80モル%以上の中和を施すことがより
好ましい。
【0017】このようにして得られたワックス類/アク
リル系高分子乳化剤混合物は、水を添加し撹拌すること
により乳化し、ワックス含有水性分散体が得られる。添
加する水の量は、ワックス類を水中油滴型に分散できる
ような量であれば特に制限はないが、所望するワックス
含有水性分散体の不揮発分,粘度等に鑑み適宜選択でき
るものである。また先に単量体の重合過程において、粘
度の調整,反応の制御等のために有機溶剤を併用するこ
とができる事を述べたが、有機溶剤を併用して重合を行
った場合には、得られるワックス含有水性分散体中の有
機溶剤が、実用上支障ない量であれば、除去することな
くそのまま使用に供する事もできる。また、ワックス含
有水性分散体中に有機溶剤成分が含有されない方が好ま
しい場合には、必要に応じて該有機溶剤を除去し、実質
的に有機溶剤を含有しないワックス含有水性分散体を得
ることが出来る。用いた有機溶剤の除去方法には特に制
限はないが、加熱による脱溶剤が通常行われる。また、
必要に応じて減圧下で行ってもよい。この時、水を添加
することにより共沸混合物として脱有機溶剤を行っても
よい。このような場合にはより脱有機溶剤を行い易いも
の、すなわち比較的低沸点の有機溶剤を使用することが
より好ましい。なお、この脱有機溶剤を行う場合には、
中和を施した後に行うことが好ましい。
【0018】また本発明の水性樹脂組成物は、その樹脂
固形分中に本発明のワックス含有水性分散体固形分の
0.01重量%以上を含有せしめることが望ましい。水
性樹脂組成物へのワックス含有水性分散体の配合量は、
該水性樹脂組成物により得られる被膜等に所望される特
性に鑑み適宜選択されるが、該水性樹脂組成物固形分中
のワックス含有水性分散体固形分が0.01重量%未満
であると、ワックス類の配合される量が少なすぎるた
め、実質的にワックスに由来する特性が発現されにく
い。本発明の水性樹脂組成物において、ワックス含有水
性分散体が配合されるべき水性樹脂としては、インキ,
塗料等としての特性を満足するものであれば特に制限無
く用いることが出来るが、本発明のワックス含有水性分
散体がいわゆるアニオン性分散体であるため、配合され
るべき水性樹脂もアニオン性水性樹脂である方が好まし
い。このような水性樹脂としては、水性アルキド樹脂,
水性アクリル樹脂,水性ウレタン樹脂,水性ポリエステ
ル樹脂,水性エポキシ樹脂,水性メラミン樹脂,水性フ
ェノール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0019】また本発明の水性樹脂組成物には、必要に
応じて染料,顔料の他、各種添加剤類、例えばフィラー
類,レベリング剤,消泡剤,硬化剤,難燃剤,増粘剤,
酸化防止剤,紫外線吸収剤,可塑剤,帯電防止剤,水溶
性有機溶剤等を含有せしめることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を具体的に説明す
るが、これらは本発明に何等制限を与えるものではな
い。なお、以下の実施例及び比較例において、特に断ら
ない限り「部」は重量部を意味する。
【0021】
【実施例1】 撹拌装置付き反応容器に、ライスワック
ス(野田ワックス製「CP200」)250部を仕込
み、窒素気流下、80℃に加熱する。滴下管より、スチ
レン30部,アクリル酸2−エチルヘキシル10部,ア
クリル酸10部及び過酸化ベンゾイル0.5部の混合物
を3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で更に3
時間反応を継続し、その後、十分に撹拌を行うながらト
リエチルアミン15部とイオン交換水685部を添加
し、固形分約30%で固形分中にワックスを約83重量
%含有する水性分散体(a)を得た。この水性分散体
(a)の光散乱法による平均粒子径は280nmであ
り、50℃1カ月保存後、粒径変化,沈降とも見られな
かった。
【0022】
【実施例2】 撹拌装置付き反応容器に、ポリエチレン
ワックス(三洋化成製「サンワックス131P」)50
部,トルエン100部を仕込み、窒素気流下、80℃に
加熱する。滴下管より、スチレン60部,アクリル酸2
−エチルヘキシル30部,アクリル酸エチル45部,メ
タクリル酸15部及び過酸化ベンゾイル3部の混合物を
3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で更に3時
間反応を継続し、その後、十分に撹拌を行いながらジメ
チルアミノエタノール17部とイオン交換水850部を
添加し水分散化した後、系内のトルエンを溜出させ、固
形分約20%で固形分中にワックスを約25重量%含有
する水性分散体(b)を得た。この水性分散体(b)の
光散乱法による平均粒子径は120nmであり、50℃
1カ月保存後、粒径変化,沈降とも見られなかった。
【0023】
【実施例3】 撹拌装置付き反応容器に、カルナバワッ
クス(野田ワックス製精製カルナバ1号)150部,イ
ソプロパノール50部を仕込み、窒素気流下、80℃に
加熱する。滴下管より、メタクリル酸メチル60部,ア
クリル酸ブチル60部,アクリル酸30部及び過酸化ベ
ンゾイル1.5部の混合物を3時間かけて滴下した。滴
下終了後、同温度で更に3時間反応を継続し、その後、
十分に撹拌を行いながらトリエチルアミン50部とイオ
ン交換水720部を添加し水分散化した後、系内のイソ
プロパノールを溜出させ、固形分約30%で固形分中に
ワックスを50重量%含有する水性分散体(c)を得
た。この水性分散体(c)の光散乱法による平均粒子径
は180nmであり、50℃1カ月保存後、粒径変化,
沈降とも見られなかった。
【0024】
【実施例4】 撹拌装置付き反応容器に、ポリエチレン
ワックス(三井石油化学製「ハイワックスNL−50
0」)250部,イソプロパノール100部を仕込み、
窒素気流下、80℃に加熱する。滴下管より、メタクリ
ル酸メチル5部,アクリル酸n−ブチル10部,アクリ
ル酸15部及びアゾビスイソビチロニトリル1.25部
の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度
で更に3時間反応を継続し、その後、十分に撹拌を行い
ながらジメチルアミノエタノール19部とイオン交換水
650部を添加し水分散化した後、系内のイソプロパノ
ールを溜出させ、固形分約27%で固形分中にワックス
を約91重量%含有する水性分散体(d)を得た。この
水性分散体(d)の光散乱法による平均粒子径は380
nmであり、50℃1カ月保存後、粒径変化,沈降とも
見られなかった。
【0025】
【実施例5】 片面に耐熱バックコート層を設けた厚さ
6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのバック
コート層とは反対側の面に、下記組成の水性樹脂組成物
を乾燥膜厚が1μmとなるように塗布・乾燥し、感熱転
写材(e)を得た。 ワックス分散体(a) 300部 青色顔料(東洋インキ製「リオノールブルーFG7351」) 10部 イソプロパノール 50部 このようにして得た感熱転写材(e)の転写インキ面と
上質紙を重ね合わせ、感熱転写材の耐熱バックコート面
からサーマルヘッドで加熱し、記録物を得た。得られた
記録物にはヌケ,色ムラ等は見られなかった。
【0026】
【実施例6】 実施例2において得られた水性分散体
(b)を上質紙の片面に塗布し、120℃で2分間乾燥
し、剥離紙(f)を得た。この剥離紙(f)の水性分散
体(b)を塗布した面にセロハンテープを圧着し、剥離
強度を測定したところ、5g・f/25mmであった。
なお、水性分散体(b)を塗布しないただの上質紙にセ
ロハンテープを圧着し、剥離強度を測定しようとしたと
ころ、上質紙を破壊してしまい剥離強度を測定すること
はできなかった。
【0027】
【実施例7】 実施例3において得られた水性分散体
(c)8部にアクリル樹脂水性分散体(三洋化成製 サ
ンスパールPS−2 不揮発分39%)400部,エポ
キシ樹脂水性分散体(東都化成製 アクアトート352
0 不揮発分(20%)150部及びp−トルエンスル
ホン酸ナトリウム2部を添加し、十分混合して水性樹脂
組成物(g)を得た。この水性樹脂組成物(g)を乾燥
膜厚が5μmとなるようにアルミ板に塗布し、150℃
で5分間焼き付けし、塗装板を得た。この塗装板の動摩
擦係数を測定したところ、0.01であった。
【0028】
【実施例8】 実施例4において得られた水性分散体
(d)10部にアクリル樹脂水性分散体(三洋化成製
サンスパールPS−2 不揮発分39%)200部,エ
ポキシ樹脂水性分散体(東都化成製 アクアトート35
20 不揮発分20%)150部を添加し、十分混合し
て水性樹脂組成物(h)を得た。この水性樹脂組成物
(h)を乾燥膜厚が5μmとなるようにアルミ板に塗布
し、150℃で5分間焼き付けし、塗装板を得た。この
塗装板への水の接触角を測定したところ、約80度であ
った。
【0029】
【比較例1】 撹拌装置付き反応容器に、トルエン10
0部を仕込み、窒素気流下、80℃に加熱する。滴下管
より、スチレン60部,アクリル酸2−エチルヘキシル
30部,アクリル酸エチル45部,メタクリル酸15部
及び過酸化ベンゾイル3部の混合物を3時間かけて滴下
した。滴下終了後、同温度で更に3時間反応を継続し、
ポリエチレンワックス(三洋化成製「サンワックス13
1P」)50部を添加した。その後、十分に撹拌を行い
ながらジメチルアミノエタノール17部とイオン交換水
850部を添加し水分散化した後、系内のトルエンを溜
出させたところ、二層に分離し、ワックス含有分散体は
得られなかった。
【0030】
【比較例2】 撹拌装置付き反応容器に、イソプロパノ
ール100部とカルナバワックス100部を仕込み、窒
素気流下、80℃に加熱する。滴下管より、メタクリル
酸メチル40部,アクリル酸2−ヒドロキシエチル40
部,アクリル酸エチル20部及び過酸化ベンゾイル3部
の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度
で更に3時間反応を継続し、十分に撹拌を行いながらイ
オン交換水900部を添加し水分散化した後、系内のイ
ソプロパノールを溜出させ、固形分約20%で固形分中
にワックスを約50重量%含有する水性分散体(i)を
得た。この水性分散体(i)の光散乱法による平均粒子
径は2400nmであり、室温で一日保存したところ、
粒子の沈降が見られた。
【0031】
【比較例3】 片面に耐熱バックコート層を設けた厚さ
6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのバック
コート層とは反対側の面に、下記組成物を塗工膜厚が1
μmとなるようにホットメルトコートし、感熱転写材
(j)を得た。 ライスワックス 80部 有機顔料(東洋インキ製「リオノールブルーFG7351」) 10部 このようにして得た感熱転写材(j)の転写インキ面と
上質紙を重ね合わせ、感熱転写材の耐熱バックコート面
からサーマルヘッドで加熱し、記録物を得た。得られた
記録物は、感熱転写層の厚み分布に由来すると思われる
ヌケ,色ムラが著しかった。
【0032】
【比較例4】 アクリル樹脂水性分散体(三洋化成製
サンスパールPS−2不揮発分39%)400部,エポ
キシ樹脂水性分散体(東都化成製 アクアトート352
0 不揮発分20%)150部及びp−トルエンスルホ
ン酸ナトリウム2部を添加し、十分混合して水性樹脂組
成物(k)を得た。この水性樹脂組成物(k)を乾燥膜
厚が5μmとなるようにアルミ板に塗布し、150℃で
5分間焼き付けし、塗装板を得た。この塗装板の動摩擦
係数を測定したところ、0.5であった。
【0033】
【比較例5】 アクリル樹脂水性分散体(三洋化成製
サンスパールPS−2不揮発分39%)200部,エポ
キシ樹脂水性分散体(東都化成製 アクアトート352
0 不揮発分20%)150部を添加し、十分混合して
水性樹脂組成物(l)を得た。この水性樹脂組成物
(l)を乾燥膜厚が5μmとなるようにアルミ板に塗布
し、150℃で5分間焼き付けし、塗装板を得た。この
塗装板への水の接触角を測定したところ、約50度であ
った。
【0034】
【発明の効果】本発明により、熱転写性,被付着防止
性,滑り性,撥水性等の付与を目的として配合されるワ
ックス類を、従来成し得なかった微細な粒子として水性
媒体中に分散せしめることが可能となり、水系において
も広範な自由度を以て用いることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三保谷 隆 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワックス類(A)の存在下、α,β−不
    飽和カルボン酸(B)を必須の成分として含有するα,
    β−不飽和単量体(C)を重合し、α,β−不飽和カル
    ボン酸に由来するカルボン酸の一部または全部を塩基性
    物質により中和した後、水に分散してなるワックス含有
    水性分散体。
  2. 【請求項2】 ワックス類(A)100重量部の存在
    下、α,β−不飽和単量体(C)10〜300重量部を
    重合してなることを特徴とする請求項1記載のワックス
    含有水性分散体。
  3. 【請求項3】 α,β−不飽和単量体(C)中に、α,
    β−不飽和カルボン酸(B)の10〜60重量%を必須
    の成分として含有することを特徴とする請求項1ないし
    2いずれか記載のワックス含有水性分散体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載のワック
    ス含有水性分散体を固形分換算で0.01重量%以上含
    有してなる水性樹脂組成物。
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