JPH08204289A - 面発光型半導体レーザ - Google Patents

面発光型半導体レーザ

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JPH08204289A
JPH08204289A JP1347695A JP1347695A JPH08204289A JP H08204289 A JPH08204289 A JP H08204289A JP 1347695 A JP1347695 A JP 1347695A JP 1347695 A JP1347695 A JP 1347695A JP H08204289 A JPH08204289 A JP H08204289A
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JP
Japan
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layer
semiconductor laser
quantum well
barrier layer
type semiconductor
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JP1347695A
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English (en)
Inventor
Kazunori Shinoda
和典 篠田
Kiyohisa Hiramoto
清久 平本
Misuzu Sagawa
みすず 佐川
Kazuhisa Uomi
和久 魚見
Tomonobu Tsuchiya
朋信 土屋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高効率、高出力、小型で且
つ低閾値の面発光型半導体レーザを提供することにあ
る。 【構成】 InGaAs歪量子井戸活性層(4)を有する0.98mm
帯面発光型半導体レーザにおいて、障壁層が引張歪のIn
GaAsP層(5)より構成され、さらに量子井戸層の層数が4
層以上である。 【効果】 本発明によれば、欠陥の少ない多重量子井戸
層を提供できるので、面発光型半導体レーザの高効率
化、高出力化、小型化、閾電流低減に効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光インターコネクショ
ン、並列光情報処理の光源として用いられる面発光型半
導体レーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】InGaAs歪量子井戸型0.98mm帯面発光レー
ザにおいて、高出力化、高効率化、小型化と同時に低閾
値発振を達成するには、量子井戸層の多重化が必須であ
る。ところが従来の0.98μm帯面発光レーザでは、井戸
層にInGaAs、障壁層にGaAsを用いており、InGaAs層の歪
みの蓄積のため多重量子井戸層の積層数は3層までが限
界であった。これに対し、2層以下の薄いInGaAs/GaAs多
重量子井戸層をGaAsのスペーサ層中に離して配置するこ
とで歪みを緩和し、量子井戸層総数を6層まで増やした
素子の特性がElectronics Letters, vol. 30, pp. 794-
795, 1994に報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、Ga
Asを障壁層としてInGaAs量子井戸層を積層していくと、
図2中の白丸(○)に示すように、量子井戸層のフォト
ルミネッセンスのピーク強度は4周期以上で著しく低下
した。これはInGaAs層の圧縮歪みが蓄積し、格子欠陥が
発生するためである。このような格子欠陥は非発光再結
合中心となり、面発光レーザの特性、特に閾値電流の増
加、量子効率の低下を引き起こした。さらに、量子井戸
層中のInがGaAs障壁層中に拡散することによる量子井戸
層と障壁層の界面の急峻性の劣化に起因した量子井戸層
の発光スペクトルのブロードニングにより、素子特性を
劣化させた。また、2層以下の薄いInGaAs/GaAs多重量子
井戸層をGaAsのスペーサ層中に離して配置する方法で
は、歪みは緩和されるものの、正孔の拡散長が短いため
に、全ての多重量子井戸層にキャリアを均一に注入する
ことができず、面発光レーザの発振閾値電流が増加し
た。
【0004】本発明の目的は、歪みの蓄積による多重量
子井戸層における格子欠陥の発生と、量子井戸層と障壁
層の界面の急峻性の劣化を抑止し、高出力、高効率、小
型で、且つ低閾電流の面発光型半導体レーザを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、InGaAs圧
縮歪量子井戸型活性層を有する0.98mm帯面発光型半導体
レーザにおいて、障壁層としてIn(1-x)Ga(x)As(y)P(1-
y)を用いる手段により達成される。特に、GaAs基板より
も格子定数の小さいIn(1-x)Ga(x)As(y)P(1-y)を用いる
こと、In(1-x)Ga(x)As(y)P(1-y)障壁層の組成が、xが0.
7以上、yが0.4以上であること、あるいはIn(1-x)Ga(x)A
s(y)P(1-y)障壁層の格子定数が基板に対して-1%から0%
の間の歪みを有すること、活性層が4層以上のInGaAs量
子井戸で構成されることにより達成される。
【0006】
【作用】以下、本発明の作用について図2及び図3を用い
て説明する。図2はInGaAs圧縮歪量子井戸型活性層を有
する0.98mm帯面発光型半導体レーザの閾値電流及び効率
と光出射側反射鏡反射率の関係の量子井戸数依存性を示
している。なお、効率と光出射側反射鏡反射率の関係
は、量子井戸数を変えてもほとんど変化しないので、一
本の点線で示した。図3はGaAs基板上に作製したInGaAs
圧縮歪量子井戸層の積層数とフォトルミネッセンス強度
の関係の障壁層依存性を示している。図3中の白丸は従
来のGaAs障壁層を用いた場合、黒丸はGaAs基板と格子整
合したInGaAsP障壁層を用いた場合、白四角はGaAs基板
より格子定数の小さいInGaAsP障壁層を用いた場合であ
る。
【0007】図2中の点線で示すように量子井戸型面発
光レーザの高効率化のためには光出射側反射鏡の反射率
を下げる必要がある。このとき、反射鏡の反射率を下げ
ることは多層膜反射鏡層数を減らすことであり、素子を
小型化する効果があり、また、半導体多層膜の場合には
多層膜界面のバンド不連続に起因する素子抵抗を低減す
る効果がある。ところが、図2中の実線で示すように、
光出射側反射鏡の反射率を下げると、発振に必要な閾値
利得が上昇するため閾値電流が高くなる。とくに量子井
戸数が少ないと利得の飽和現象により閾値電流が著しく
高くなる。したがって、高出力、高効率、小型で、且つ
低閾値動作の面発光型レーザを実現するためには、量子
井戸層を多層化する必要がある。たとえば図2の例で
は、効率0.5mW/mA以上で閾値電流0.6mA以下の素子を得
るには4層以上の量子井戸層が必要となる。ところが、
図3に示すように、GaAs障壁層を用いた場合、フォトル
ミネッセンス強度は3層で低下しはじめ、4層以上では著
しく低下する。これはInGaAs層の圧縮歪みが蓄積し、格
子欠陥が発生するためである。このような格子欠陥は非
発光再結合中心となり、素子の閾電流の増加、量子効率
の低下、さらには信頼性の低下を引き起こす。このため
4層以上積層した素子では良好な素子特性は得られなか
った。これに対して障壁層として引張歪InGaAsP層を用
いた場合は、障壁層の引張歪と量子井戸層の圧縮歪が相
殺し、多重量子井戸層全体での歪量を無くするかまたは
小さくすることができるので、多重量子井戸層での格子
欠陥の発生を抑さえることができる。図3に示すように2
0層積層してもフォトルミネッセンス強度は低下しなか
った。このため、高出力、低しきい値を実現するために
量子井戸層を多層化しても、量子井戸層と障壁層の界面
で結晶欠陥が発生せず、良好な素子特性が得られる。
【0008】さらに、本発明のInGaAsP障壁層を用いた
場合は、GaAsを障壁層に用いた場合に比べ、量子井戸層
から障壁層へのInの拡散が防止され、量子井戸層と障壁
層の界面の急峻性が高くなり、量子井戸層の発光スペク
トルのブロードニングが起こらない。このため、図3に
示すごとく、障壁層としてGaAsに格子整合したInGaAsP
を用いた場合でも、GaAsを障壁層に用いた場合に比べて
フォトルミネッセンス強度が高くなり、素子特性の向上
に効果がある。
【0009】以上のように、InGaAs歪量子井戸活性層を
有する0.98mm帯面発光型半導体レーザにおいて、障壁層
として引張歪あるいは無歪のInGaAsPを用いることで、
結晶欠陥が少なく、且つ界面の急峻な多重量子井戸層を
得ることができ、素子の特性を向上させることができ
る。但し、In(1-x)Ga(x)As(y)P(1-y)四元混晶には非混
和領域と呼ばれる熱力学的に不安定であり良好な結晶が
得られない組成が存在する為、Ga組成xが0.7以上、As組
成yが0.4以上であることが必要である。また、量子井戸
層と障壁層の格子定数差が大きいと、量子井戸層と障壁
層の界面で格子定数差に起因した三次元成長が起こり、
結晶性が低下する。結晶性の良質な多重量子井戸層を得
るには、障壁層の格子定数を基板に対して-1%から0%の
範囲で歪ませる必要がある。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1および図4を用い
て説明する。
【0011】[実施例1]図1は本発明をポリイミド埋め
込み型0.98mm帯面発光レーザに適用したものである。図
1(a)は、素子断面構造を、図1(b)は活性層の拡大図を示
している。n-GaAs基板1上に、GaAsに格子整合した膜厚7
1nmのn-InGaPと膜厚5nmのn-InGaAsP(組成波長780nm)の
組合せと、膜厚65nmのn-GaAsと膜厚5nmのn-InGaAsP(組
成波長780nm)の組合せを交互に積層した周期構造(30周
期)からなるn型の半導体多層膜反射鏡2、GaAs基板に格
子整合したInGaAsPスペーサ層3、In(1-z)Ga(z)As歪量子
井戸層(z=0.16、井戸層厚7nm)4とIn(1-x)Ga(x)As(y)P
(1-y)引張歪障壁層(x=0.97、y=0.80、障壁層厚8nm)5
の5周期構造からなる多重量子井戸活性層16、GaAs基板
に格子整合したInGaAsPスペーサ層3、GaAs基板に格子整
合したp-InGaPクラッド層6、GaAs基板に格子整合したp-
InGaAsPバッファー層7、p-GaAsコンタクト層8を有機金
属気相成長法により順次形成する。次に、CVD工程とホ
トレジスト工程により直径10mmの円形のSiO2膜を形成
し、これをマスクとしてn型の半導体多層膜反射鏡2の途
中までウエットエッチングして凸状にする。その後、Si
O2マスクを残したままCVD工程によりSiO2接着強化層9を
形成し、ポリイミドを塗布し、硬化する。次に、RIE工
程によりSiO2マスクが露出するまでポリイミド10をエッ
チングし、メサの上部のSiO2マスクを図に示したように
除去することで平坦な面が得られる。この後、リフトオ
フ法によりリング状のp側電極11を形成し、さらにスッ
パタ蒸着法によりSiO2膜とa-Si膜をそれぞれの媒質内に
おける発振波長の1/4倍の厚みで交互に積層した周期構
造(4周期)からなる誘電体多層膜反射鏡12を形成し、n
側電極13を形成した。レーザ光14は誘電体多層膜反射鏡
側から取り出す。
【0012】本実施例による0.98mm帯面発光型半導体レ
ーザでは、室温での閾値電流0.5mA、スロープ効率0.5mW
/mA、最大出力10mWの素子特性が得られ、高出力で且つ
低しきい値の面発光レーザが得られた。この実施例で
は、誘電体多層膜反射鏡として、a-SiとSiO2の組合せを
用いた場合について説明したが、TiO2とSiO2の組合せや
CaF2とSiO2の組合せ、さらにSiNとSiO2の組合せを用い
た場合、そしてMgO2とSiO2の組合せを用いた場合のレー
ザ素子でもほぼ同様の特性が得られた。
【0013】[実施例2]図4は本発明を円柱型0.98mm帯
面発光レーザに適用したものである。図4(a)は、素子断
面構造を、図4(b)は活性層の拡大図を示している。n-Ga
As基板1上に、n-GaAsとGaAs基板に格子整合したn-InGaP
をそれぞれの媒質内における発振波長の1/4倍の厚みで
交互に積層した周期構造(30周期)からなるn型の半導
体多層膜反射鏡2、GaAs基板に格子整合したInGaAsPスペ
ーサ層3、In(1-z)Ga(z)As歪量子井戸層(z=0.16、井戸
層厚7nm)4とIn(1-x)Ga(x)As(y)P(1-y)無歪障壁層(x=
0.82、y=0.63、障壁層厚8nm)5の4周期構造からなる多
重量子井戸活性層16、GaAs基板に格子整合したInGaAsP
スペーサ層3、p-GaAsとGaAs基板に格子整合したp-InGaP
をそれぞれの媒質内における発振波長の1/4倍の厚みで
交互に積層した周期構造(20周期)からなるp型の半導
体多層膜反射鏡15をガスソースMBE法により順次形成す
る。次に、p側電極11を形成し、イオンミリング法によ
り直径5mmの円形パターンを形成した後、これをマスク
にして、反応性イオンビームエッチングにより、n型の
半導体多層膜反射鏡2の途中までエッチングし、円柱状
の発光領域を形成する。この後、n側電極13を形成し
た。レーザ光14は基板側から取り出す。試作した素子
は、室温連続動作において、発振閾値電流0.2mA、最大
光出力10mWの、低閾値、高出力特性を示した。さらに、
半導体多層膜反射鏡の積層周期数は従来のGaAs障壁層を
用いた単一量子井戸0.98mm帯面発光レーザに比べて約1/
2であり、素子寸法が小型になると共に、素子抵抗が約5
0オームと従来構造の素子抵抗の約1/2に低減することが
出来た。また、以上の実施例では、単体の面発光半導体
レーザへの適用について説明したが、本発明は光インタ
コネクトや光情報処理に使用する2次元レーザアレイに
ついても適用可能であることは自明である。また、以上
の実施例では、0.98mm帯面発光レーザへの適用について
説明したが、本発明は、他の波長帯の面発光レーザにつ
いても適用可能である。
【0014】
【発明の効果】本発明では、障壁層としてInGaAsPを用
いることにより、InGaAs歪量子井戸層を多層化した場合
の欠陥の発生を低減でき、良質な多重量子井戸活性層を
提供できる。その結果、0.98mm帯面発光型半導体レーザ
の高効率化、高出力化、小型化、低閾値化に効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を表す構造図。
【図2】本発明の作用を表す原理図。
【図3】本発明の作用を表す原理図。
【図4】本発明の実施例を表す構造図。
【符号の説明】
1;n型GaAs基板、2;n型半導体多層膜反射鏡、3;InGaAsP
スペーサ層、4;InGaAs量子井戸層、5;InGaAsP障壁層、
6;p-InGaPクラッド層、7;InGaAsPバッファー層、8;GaAs
コンタクト層、9;SiO2接着強化層、10;ポリイミド埋め
込み層、11;p電極、12;誘電体多層膜反射鏡、13;n電
極、14;レーザ光、15;p型半導体多層膜反射鏡、16;多重
量子井戸活性層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 魚見 和久 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 土屋 朋信 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】GaAs基板上に、少なくとも1層の光を発生
    するInGaAs量子井戸層と該量子井戸層に隣接する障壁層
    とから構成される活性層の上下を反射鏡で挟んだ積層構
    造を有し、前記GaAs基板に垂直に光を出射する面発光型
    半導体レーザにおいて、上記障壁層が、In(1-x)Ga(x)As
    (y)P(1-y)からなることを特徴とする面発光型半導体レ
    ーザ。
  2. 【請求項2】請求項1の面発光型半導体レーザにおい
    て、上記In(1-x)Ga(x)As(y)P(1-y)障壁層の格子定数がG
    aAsの格子定数よりも小さいことを特徴とする面発光型
    半導体レーザ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の面発光型半導体レーザにお
    いて、上記In(1-x)Ga(x)As(y)P(1-y)障壁層の組成が、x
    が0.7以上、yが0.4以上であることを特徴とする面発光
    型半導体レーザ。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかの面発光型半導体
    レーザにおいて、式 Da/a=[{(In(1-x)Ga(x)As(y)P(1-y)障壁層の格子定数)-
    (GaAsの格子定数)}/(GaAsの格子定数)]x100 (%) で定義される値が、-1%から0%の範囲であることを特徴
    とする面発光型半導体レーザ。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかの面発光型半導体
    レーザにおいて、上記活性層が4層以上のInGaAs量子井
    戸層で構成されることを特徴とする面発光型半導体レー
    ザ。
JP1347695A 1995-01-31 1995-01-31 面発光型半導体レーザ Pending JPH08204289A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016513889A (ja) * 2013-03-15 2016-05-16 プレビウム リサーチ インコーポレイテッド 広帯域可変掃引光源

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016513889A (ja) * 2013-03-15 2016-05-16 プレビウム リサーチ インコーポレイテッド 広帯域可変掃引光源
US20170373469A1 (en) 2013-03-15 2017-12-28 Praevium Research, Inc. Widely tunable swept source
US10263394B2 (en) 2013-03-15 2019-04-16 Praevium Research, Inc. Widely tunable swept source

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