JPH08202381A - 音声合成装置 - Google Patents

音声合成装置

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JPH08202381A
JPH08202381A JP7012903A JP1290395A JPH08202381A JP H08202381 A JPH08202381 A JP H08202381A JP 7012903 A JP7012903 A JP 7012903A JP 1290395 A JP1290395 A JP 1290395A JP H08202381 A JPH08202381 A JP H08202381A
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JP
Japan
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spectrum
syllable
vocal cord
parameter
source wave
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JP7012903A
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Inventor
Mikio Yamaguchi
幹雄 山口
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音声パタンの蓄積量と合成音声の音質とをバ
ランスさせる。 【構成】 音節蓄積パタン407に蓄えられている音節
のスペクトル傾斜が、音節パタン接続部409によって
接続され、波形パラメータ変換部410によって波形パ
ラメータに変換される。その波形パラメータを使って声
帯音源波が生成され、声道フィルタを通って合成音声が
生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力として与えられた
文字列(文字には記号が含まれるものとして説明する)
から文音声を合成する音声合成装置に関するもので、特
に、漢字仮名交じり文など正書法表記されたテキストを
音声に変換するテキスト音声合成装置、カタカナ等の表
音文字で表記された文を音声に変換する音声規則合成装
置、音節記号や韻律記号で表記された文を音声に変換す
る音声規則合成装置において使用される、声帯音源の制
御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、漢字仮名交じり文等の正書法表記
されたテキストを入力とした場合、その文の音声を出力
するテキスト音声合成装置が実現されている。この装置
は、広瀬啓吉、“音声合成の研究の現状と将来”、日本
音響学会誌48巻第1号、pp.39−45(199
2)で、示されているように言語処理、音韻処理、音響
処理(ただし、当該文献では、制御パラメータ生成処理
と呼ばれている)および信号処理(ただし、当該文献で
は、音声信号生成処理と呼ばれている)の4段階の処理
を実行する。まず、これらの処理について簡単に説明す
る。
【0003】(1)言語処理 形態素解析によってテキストを単語単位に区分し、品詞
情報を出力すると共に、構文解析によって構文情報を得
る。そして、形態素解析の結果に基づいて単語辞書にア
クセスし、単語の読み情報(漢字の読み仮名とアクセン
ト型)を得る。構文情報からは、係り受け関係と構文上
の切れ目(文境界、節境界など)を得る。
【0004】(2)音韻処理 日本語の場合、仮名と発音はほぼ1対1に対応するが、
撥音(/ン/)については前後の音素環境によって多少
異なって発音されるという異音化を考慮して、読み仮名
から適切な音節記号を生成する。この音節記号は実際の
発音と直接に対応する記号でありこの音韻処理内で生成
される。後続する音響処理のためには韻律記号として休
止記号とフレーズ記号とアクセント記号が必要である
が、まず、構文上の切れ目に対応して休止記号とフレー
ズ記号を生成する。なお、文全体に渡る声の緩やかな起
伏のパタンをフレーズと呼ぶことにする。さらに、単語
のアクセント型と係り受け関係を考慮してアクセント記
号を生成する。このアクセント記号はアクセントの上が
り下がりを示す。
【0005】(3)音響処理 休止と音節の時間長を考慮して、音節の時点を定める。
さらに音節の時点を基準にしてフレーズ指令やアクセン
ト指令が生起する時点を音響処理において定める。
【0006】音声の特徴には、単音(個々の母音又は子
音)や音節といった短い時間の範囲内の特徴である分節
的特徴と、句や文全体といった長い時間の範囲に渡る特
徴である超分節的特徴がある。分節的特徴としては、単
音それぞれの声道伝達特性や音源強度などがあり、超分
節的特徴としては、基本周波数の時間変化パタンがあ
る。文の分節的特徴の作成に関しては、音節それぞれの
分節的特徴量を記憶した蓄積パタンを、音節の出現順序
に従って読みだし、互いに接続することで文全体にわた
る声道伝達特性、音源強度等の時間変化パタンを生成す
る。文の超分節的特徴の作成に関しては、フレーズ指令
やアクセント指令を元に公知の基本周波数パタン生成過
程のモデルによって基本周波数の時間変化パタンを生成
する。
【0007】(4)信号処理 基本周波数と音源強度等の情報によって生成した音源波
形を、声道伝達特性に従って制御されたフィルタ回路
(以下、声道フィルタ)に通し、音声信号を生成する。
【0008】また、カタカナ、アクセント符号、句読
点、構文構造等からなる表音情報を入力し、その音声を
合成する音声規則合成装置も実現されている。この装置
は、上述の(2)(3)(4)の処理を行なう。また、
音節記号と韻律記号を入力とする音声規則合成装置にお
いては上述の(3)(4)の処理を行なう。
【0009】なお、蓄積パタンに記憶しているのは、上
記の説明では音節としたが、単音あるいは、母音−子音
−母音連鎖、といったように種々の単位が可能である。
また、上記の説明では、音韻処理で生成する記号とし
て、蓄積単位に関連するように音節記号で説明したが、
使用すべき蓄積パタンを直接的に示す蓄積パタン記号を
使ってもよく、代わりに単音記号や音素記号を使うこと
も、もちろん可能である。
【0010】次に、本発明と関連の深い信号処理につい
て説明する。信号処理の方法は、使用するパラメータの
種類によって種々の信号処理方法に細分されるが、ここ
では、人間の音声生成過程を模擬する方法について説明
する。
【0011】人間の音声生成過程を概略すると、声帯
振動(有声音の場合)や空気の乱流(摩擦音等の場合)
によって音源波を生成する段階(この音源波の特性は音
源特性と呼ばれる)、音源波を声道に通すことによっ
て種々の音に対応した周波数特性(声道伝達特性と呼ば
れる)を付与する段階、口から音波を放射する(この
放射による周波数特性は放射特性と呼ばれる)段階、の
3段階に分けられる。このうち、の放射特性は+6d
B/Octaveの高域強調であり、簡単な一次微分に
よって実現することができるので、音声合成における信
号処理では、の音源波の生成段階に含めて装置を実現
することが多い。の音源波生成においては、生成すべ
き音源波の種類毎に音源を用意する方が装置を構成しや
すいので、声帯音源と摩擦音源に分けることが多い。
【0012】また、声帯音源の基本周波数、周波数特性
と強度は別々に制御できた方が制御が容易である。
【0013】これらの点を考慮した、信号処理系を図1
に示す。図1において101は声帯音源であり、与えら
れた基本周波数F0と波形パラメータ(声帯音源波の波
形を制御するパラメータ)に従って、声帯音源波を生成
する。102は声帯音源の強度を制御する強度制御部で
ある。103は摩擦音源であり、104は摩擦音源の強
度を制御する強度制御部である。強度制御部102の出
力と強度制御部104の出力は加算器105で足し合わ
され、106の声道フィルタを通過することによって合
成音声が作成される。
【0014】声道フィルタ106は与えられた声道伝達
特性を有するように制御されるが、その声道伝達特性を
表現するパラメータの種類に適した手段で声道フィルタ
を実施する。声道伝達特性を表現するパラメータは、た
とえば、線形予測(LPC)係数、偏自己相関(PAR
COR)係数、線スペクトル対(LSP)係数、ホルマ
ント及び極零対パラメータ、声道断面積係数、などがあ
り、それぞれのパラメータに対応する声道フィルタの具
体的構成は周知の通りである。
【0015】声道伝達特性を急峻に変化させると、クリ
ック音を生じがちであるので、声道伝達特性の大幅に異
なる音毎に別々の声道フィルタを用意する場合もあり、
たとえば、ホルマント及び極零対パラメータを使う場合
(ターミナルアナログ方式とも呼ばれる)における種々
の構成は、広瀬啓吉、“フォルマントによる音声合成技
術”、電子情報通信学会東京支部主催「音声認識・合成
技術の現状と将来課題」講習会テキスト、pp.69−
76(1991)、に示されている。
【0016】摩擦音源の実現手段としては、例えば、平
坦なスペクトル特性を有する一様乱数が用いられる。強
度制御102,104は単に、パラメータAG,AFの
値を、波形に乗ずることで振幅の制御を実現する。声帯
音源の実現手段としては、指数関数、三角関数、多項式
などの種々の関数の組合せで、声帯音源波を生成する声
帯音源波モデルがよく使用されている。声帯音源波モデ
ルの一例として、藤崎博也、マッツ ユンクヴィスト、
“声帯音源波形の新しいモデルとその音声分析への応
用”、電子情報通信学会論文誌D−II、vol.J72
−D−II、no.8、pp.1109−1117(19
89)に記載されているモデルを利用した例を図2に示
す。図2において、声帯音源波の体積流は∫g(t)で
示されるが、音声合成装置においては前述した通り放射
特性を含めたg(t)が声帯音源波として用いられる。
声帯音源波を生成するために必要なパラメータはF0,
SK,OQ,C,D,Bであり、図2下半分に記載され
た計算式によってg(t)は計算される。ただし、図2
においてg(t)の振幅を制御するパラメータBは一定
値としておき、図1の信号処理系と対応させれば判るよ
うに、声帯音源101の後に設けた声帯音源の強度制御
部102で、g(t)の振幅を制御する方が装置の構成
は容易である。声帯音源101の入力となる基本周波数
は図2ではF0で示され、また、声帯音源101の入力
となる波形パラメータは図2ではSK,OQ,C,Dの
4つのパラメータが該当する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】図2に示すような、基
本周波数以外に波形パラメータが必要な声帯音源を信号
処理に使用する場合、この波形パラメータを音響処理で
生成しなければならない。この波形パラメータ生成のた
めの一つの方法としては、音響処理における蓄積パタン
に声道伝達特性や音源強度だけでなく、この波形パラメ
ータも記憶しておき、個々の蓄積パタンを接続して文全
体の分節的特徴量を生成する際は、声道伝達特性等の他
に波形パラメータも接続することで、文全体の波形パラ
メータを得る方法がある。別の方法としては、個々の単
音の相違を無視して、波形パラメータには常に定数を与
える方法がある。ただし、合成する音声の性別によっ
て、最適な定数の値は異なる。
【0018】前者の方法では、SK,OQ,C,Dとい
う4種類の波形パラメータを蓄積パタンに含めて記憶し
なければならないので、記憶容量が4種類分余計に必要
になるという問題点がある。また、波形パラメータを接
続する場合は、SK,OQ,C,Dそれぞれの値を線形
補間などの補間方法により円滑に遷移させることになる
が、これらのパラメータ値はスペクトルと直接には対応
していないので、これらのパラメータ値を円滑に接続し
たとしても、声帯音源特性がスペクトル上で円滑に接続
されるという保証はないという問題点がある。
【0019】後者の方法では、所要メモリも僅少で、補
間にまつわる問題点も生じない。しかし、個々の蓄積パ
タンに登録されている声道伝達特性とは無関係に、波形
パラメータを与えることになるので、単音の相違に対応
して声帯音源特性を変えることができず、単音の種類に
よっては合成音声の音質の劣化を招きがちであるという
問題点がある。
【0020】本発明は、以上の問題点をバランス良く解
決するために創作されたものであり、少ないメモリ容量
で済み、かつ、スペクトル上での接続の連続性をも保証
できる波形パラメータを生成することの可能な音声合成
装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、文字(記号を含む)で示された文
を入力とし、予め蓄積しておいた分節的特徴量(以下、
蓄積パタン)を接続することによって、文全体の分節的
特徴量を生成した後、文音声を合成する音声合成装置に
おいて、個々の蓄積パタンの一部として声帯音源波のス
ペクトル傾斜を記憶する手段と、前記個々の蓄積パタン
に記憶された声帯音源波のスペクトル傾斜同士を接続す
る手段と、接続後の声帯音源波のスペクトル傾斜を声帯
音源波の波形パラメータに変換する手段と、変換後の波
形パラメータを使って声帯音源波を生成する手段とを具
え、この声帯音源波を使用して文音声を合成することを
特徴とする。
【0022】
【作用】本発明では、文音声を合成する際は、個々の蓄
積パタンに記憶されている声帯音源波スペクトル傾斜パ
ラメータが呼び出され、互いに接続された後に、当該文
音声の声帯音源波が生成され、この声帯音源波を使っ
て、文音声が合成される。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0024】まず、スペクトル傾斜について説明する。
図3は、図2の声帯音源波モデルによって生成された声
帯音源波の例を示す。ここで与えたパラメータの値は、
F0=200[Hz],SK=0.2,OQ=0.8,
C=0.8,D=0.2であり、サンプリング周波数は
12.8kHzである。図3の8周期分の声帯音源波
(丁度、サンプル数は512点になる)に対して、DF
T(離散的フーリエ変換)によって求めたスペクトルを
図4に示す。図5は、図4の横軸を対数軸に変えた表示
である。
【0025】いま、聴覚上重要な周波数範囲として、基
本周波数から4kHzまでの周波数範囲を考慮すること
にする。図4,図5は、図3での同じ波形8周期分をD
FTした結果なので、そのスペクトルは基本波及びその
高調波にスペクトルパワーがあるという調波構造をな
す。図5の直線l(英文字エル,図中では一点鎖線で示
す)は、この基本波及び高調波のスペクトルパワーの頂
点をたどる、一次回帰直線である。スペクトル傾斜と
は、この直線lの傾きを言う。
【0026】この図においては、直線lの傾きは、−1
0.6dB/Octaveとなっているので、図3の声
帯音源波のスペクトル傾斜は−10.6dB/Octa
veである。以上の説明から判るように、スペクトル傾
斜の大きさは、高い周波数成分と低い周波数成分の多寡
のバランスを表している。すなわち、スペクトル傾斜が
小さ(絶対値は大きい)ければ声帯音源波に含まれる低
い周波数成分はより大きく、スペクトル傾斜が大きけれ
ば声帯音源波に含まれる高い周波数成分はより大きくな
る。
【0027】図5において、直線lは基本波及び高調波
のスペクトルパワーの頂点をほぼたどる(あまり外れて
いない)ことから判るように、スペクトル傾斜は声帯音
源波の全体的な特徴を良く表している。なお、スペクト
ル傾斜の計算に使う周波数範囲の上限は上記の説明では
4kHzとしたが、より狭めて3kHzや2kHzとし
てもよい。スペクトル傾斜の計算に使う周波数範囲の下
限についても同様に、より狭めて300Hzや400H
zとしてもよい。あるいは、音声合成装置の用途によっ
ては、電話の周波数帯域に合わせて、スペクトル傾斜の
計算につかう周波数範囲を300Hz〜3.4kHzと
しても良い。また、周波数の対数軸上でスペクトルの傾
斜を求めたが、他の軸上で(たとえば、図4の横軸をメ
ル尺度に直したグラフで)スペクトル傾斜を求めてもよ
い。
【0028】次に、本発明を適用した音声合成装置の機
能構成を図6に示す。図6の例では入力として漢字仮名
交じり文を与える場合を示している。図6において40
1は形態素解析部であり、従来と同様にして単語辞書4
02を参照しながら、入力文の形態素解析を行なう。よ
り具体的には、形態素解析部401は単語辞書402に
記載された文字列(単語)を漢字、仮名文字列の中で検
出すると、単語単位で漢字仮名文字列を区切るととも
に、各単語の品詞情報を単語辞書402から読み出し、
構文解析部403に引き渡す。構文解析部403は従来
と同様にして単語間の係り受けを構文解析により同定す
る。
【0029】404は、休止記号とフレーズ記号の生成
部であり、統語境界、文節同士の係り受け関係から、休
止記号とフレーズ記号を生成する。405は、アクセン
ト記号生成部であり、単語に付されたアクセント符号と
文節同士の係り受け関係からアクセント記号を生成す
る。
【0030】406は、異音化処理であり、仮名と発音
はほぼ1対1に対応するが、撥音(/ン/)については
前後の音素環境によって多少異なって発音されるという
異音化を考慮して、読み仮名から適切な音節記号(実際
の発音と直接に対応する記号)を生成する。407は、
音節蓄積パタンであり、日本語の合成に必要な全音節の
分節的特徴量及び音節長の情報が蓄積されている。分節
的特徴としては、音節の声道伝達特性の時間変化パタン
と、音源強度の時間変化パタンと、声帯音源波のスペク
トル傾斜の時間変化パタンが記載されている。なお、一
つの音節内ではスペクトル傾斜の時間変化は少ないの
で、時間変化を有しないとして(すなわち、各音節それ
ぞれに対して一つの)スペクトル傾斜の値を登録してお
いても良い。408は音節の時点決定部であり、音節蓄
積パタン407から呼び出された音節の蓄積パタンの中
の音節長の情報に、休止記号で示される休止の種類に対
応した休止長を加味して、その音節の発生時点を決定す
る。
【0031】音節パタン接続部409は、音節蓄積パタ
ン407から順次送られてくる、音節の分節的特徴をそ
の音節の時点に配置した後に、互いに接続をする。接続
の方法は、従来の方法と同じで良い。具体的には、先行
音節から後続音節への遷移時間を定め、その遷移時間内
において、先行音節のパタンから後続音節へのパタンに
円滑にパラメータ値が遷移するように、パラメータを補
間する。補間の方法は、従来から良く用いられている、
直線による補間や、指数関数曲線による補間などがあ
る。接続の結果、文全体に渡る分節的特徴量(声道伝達
特性、音源強度、スペクトル傾斜)の時間変化パタンが
得られる。
【0032】410は、スペクトル傾斜を波形パラメー
タに変換する部分である。その実現方法としては、図7
に示す、スペクトル傾斜と波形パラメータの対応表を検
索し、所望のスペクトル傾斜をもたらす、波形パラメー
タ(SK,OQ,C,D)の値を求める実施例が可能で
ある。この場合、所望のスペクトル傾斜の値と丁度同じ
値が表に記載されていなければ、所望のスペクトル傾斜
の値の前後で近い値をもたらす波形パラメータの値を検
索し、線形補間によって、所望のスペクトル傾斜をもた
らす波形パラメータの値を求めることが可能である。
【0033】また、図7のような表形式の代わりに、波
形パラメータの値を多項式を使ってスペクトル傾斜の値
から算出できるように、予め多項式を定めておく実施例
も可能である。なお、図7に示すスペクトル傾斜と波形
パラメータの対応関係は、種々の音声を分析して得られ
る種々の波形パラメータの値の組合せそれぞれに対して
スペクトル傾斜の値を算出した後、スペクトル傾斜の値
で波形パラメータの値の組合せを分類し、平均処理等に
よって代表的な波形パラメータの組を求めることによっ
て、得ることができる。
【0034】アクセント指令とフレーズ指令の時点決定
部411では、アクセント記号生成部405から送られ
てくるアクセント記号と、休止記号とフレーズ記号生成
部404から送られてくるフレーズ記号を受け取り、音
節の時点を基準にしてアクセント指令とフレーズ指令の
時点を決定する。基本周波数(F0)パタン生成部41
2は、アクセント指令とフレーズ指令に基づきF0パタ
ンを生成する。この処理自体は従来から知られているの
で、詳細な説明を省略する。
【0035】音声信号生成部413は、このF0パタ
ン、波形パラメータ変化部410からの波形パラメータ
パタン、音節パタン接続部409からの音源強度パタン
と声道伝達特性パタンを用いて音声信号を生成する。音
声信号生成部412は、たとえば、図1に示す信号処理
系を用いることができる。
【0036】以上に説明した通り、音節蓄積パタン40
7に蓄えられている音節のスペクトル傾斜が、音節パタ
ン接続部409によって接続され、波形パラメータ変換
部410によって波形パラメータに変換される。その波
形パラメータを使って声帯音源波が生成され、声道フィ
ルタを通って合成音声が生成される。従って音節蓄積パ
タン407が本発明のスペクトル傾斜を記憶する手段に
対応し、音節パタン接続部409が本発明のスペクトル
傾斜同士を接続する手段に対応する。また、波形パラメ
ータ変換部410が、本発明の波形パラメータに変換す
る手段に対応する。図1の信号処理系が本発明の声帯音
源波を生成する手段に対応する。
【0037】言うまでもないことであるが、符号401
〜403の系が言語処理系であり、符号404〜406
の系が音韻処理系であり、符号407〜412の系が音
響処理系であり、413が信号処理である。従来の技術
で説明したことがらと合わせて考えれば容易に判るよう
に、カタカナ、アクセント符号、句読点、構文構造等か
らなる表音情報を入力し、その音声を合成する音声規則
合成装置で本発明を実施するには、符号404〜413
の処理を行なえばよい。また、音節記号と韻律記号を入
力とする音声規則合成装置で本発明を実施するには、符
号407〜413の処理を行なえばよい。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において、
声帯音源波のスペクトル傾斜は、スペクトルに直接的に
対応するパラメータなので、個々の蓄積パタンに蓄えら
れているスペクトル傾斜を互いに接続した後もスペクト
ル的な連続性は保証される。スペクトル傾斜は単一のパ
ラメータなので、SK,OQ,C,Dという4種類の波
形パラメータを記憶する場合に比べて、所要メモリを1
/4に低減することができる。
【0039】一方では、スペクトル傾斜のパラメータ
は、個々の音節毎に、声道伝達特性や音源強度と共に蓄
積パタンに記憶されているので、個々の音節に対して最
適な値を設定することができる。よって、従来技術で説
明した、性別別に常に一定値の音源パラメータを使う場
合に比べると、個々の音節毎に最適なスペクトル傾斜が
選択されることになり、合成音声の音質を向上すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】音声合成に関わる信号処理系の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】従来の声帯音源波モデルを示す説明図である。
【図3】声帯音源波を示す波形図である。
【図4】図3の波形に対するスペクトルを示す図であ
る。
【図5】図3の波形に対するスペクトルを示す図であ
る。
【図6】本発明実施例の機能構成を示すブロック図であ
る。
【図7】スペクトル傾斜と波形パラメータの対応表の内
容を示す説明図である。
【符号の説明】
101 声帯音源 102 (声帯音源の)強度制御部 103 摩擦音源 104 (摩擦音源の)強度制御部 105 加算器 106 声道フィルタ 401 形態素解析部 402 単語辞書 403 構文解析部 404 休止記号,フレーズ記号生成部 405 アクセント記号生成部 406 異音化処理部 407 音節蓄積パタン 408 音節の時点決定部 409 音節パタン接続部 410 波形パラメータ変換部 411 アクセント指令とフレーズ指令の時点決定部 412 F0パタン生成部 413 音声信号生成部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文字(記号を含む)で示された文を入力
    とし、予め蓄積しておいた分節的特徴量(以下、蓄積パ
    タン)を接続することによって、文全体の分節的特徴量
    を生成した後、文音声を合成する音声合成装置におい
    て、 個々の蓄積パタンの一部として声帯音源波のスペクトル
    傾斜を記憶する手段と、 前記個々の蓄積パタンに記憶された声帯音源波のスペク
    トル傾斜同士を接続する手段と、 接続後の声帯音源波のスペクトル傾斜を声帯音源波の波
    形パラメータに変換する手段と、 変換後の波形パラメータを使って声帯音源波を生成する
    手段とを具え、 この声帯音源波を使用して文音声を合成することを特徴
    とする音声合成装置。
JP7012903A 1995-01-30 1995-01-30 音声合成装置 Pending JPH08202381A (ja)

Priority Applications (1)

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JP7012903A JPH08202381A (ja) 1995-01-30 1995-01-30 音声合成装置

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JP7012903A JPH08202381A (ja) 1995-01-30 1995-01-30 音声合成装置

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JPH08202381A true JPH08202381A (ja) 1996-08-09

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JP7012903A Pending JPH08202381A (ja) 1995-01-30 1995-01-30 音声合成装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001147694A (ja) * 1999-11-18 2001-05-29 Sentan Kagaku Gijutsu Incubation Center:Kk 代用原音発生装置とその制御方法

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JP2001147694A (ja) * 1999-11-18 2001-05-29 Sentan Kagaku Gijutsu Incubation Center:Kk 代用原音発生装置とその制御方法

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