JPH08198678A - 炭素材の製造方法 - Google Patents
炭素材の製造方法Info
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- JPH08198678A JPH08198678A JP7008582A JP858295A JPH08198678A JP H08198678 A JPH08198678 A JP H08198678A JP 7008582 A JP7008582 A JP 7008582A JP 858295 A JP858295 A JP 858295A JP H08198678 A JPH08198678 A JP H08198678A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】非溶融性の粉末とバインダーピッチからなる金
属繊維を含まない原料を加圧最高温度500〜600℃
で加圧加熱成型するに際し、成型時に成型用原料を加圧
するパンチ面の少なくとも一方に金属繊維を分散させて
成型し、その後この金属繊維を含む部分を除去し、次い
で炭化あるいは黒鉛化する炭素材の製造方法。加圧加熱
成型時に、上下のパンチ面間に温度差をつけて昇温する
場合は、先に昇温する側のパンチ面に金属繊維を分散さ
せると効果的である。 【効果】縦割れの発生を抑制して、割れのない、カーボ
ンすり板や摺動材料として好適な焼結体を製造すること
ができる。
属繊維を含まない原料を加圧最高温度500〜600℃
で加圧加熱成型するに際し、成型時に成型用原料を加圧
するパンチ面の少なくとも一方に金属繊維を分散させて
成型し、その後この金属繊維を含む部分を除去し、次い
で炭化あるいは黒鉛化する炭素材の製造方法。加圧加熱
成型時に、上下のパンチ面間に温度差をつけて昇温する
場合は、先に昇温する側のパンチ面に金属繊維を分散さ
せると効果的である。 【効果】縦割れの発生を抑制して、割れのない、カーボ
ンすり板や摺動材料として好適な焼結体を製造すること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーボンすり板や摺動
材料として好適な、高強度の炭素材や炭素金属複合材の
製造方法に関する。
材料として好適な、高強度の炭素材や炭素金属複合材の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道用パンタグラフすり板などに用いる
摺動材料として、炭素の焼結体や炭素・金属複合材(本
明細書では、これらを「炭素材」と総称する)が多く使
用されているが、摺動性、耐摩耗性、耐衝撃性等に優れ
ていることが要求されるため、その材質ならびに製造方
法について従来から多くの研究開発がなされてきた。
摺動材料として、炭素の焼結体や炭素・金属複合材(本
明細書では、これらを「炭素材」と総称する)が多く使
用されているが、摺動性、耐摩耗性、耐衝撃性等に優れ
ていることが要求されるため、その材質ならびに製造方
法について従来から多くの研究開発がなされてきた。
【0003】このような従来技術として、例えば以下の
技術がある。
技術がある。
【0004】(1)炭素材原料に電解銅粉を添加し、5
00〜600℃で加圧加熱成型した後焼成する炭素材の
製造方法(特開平6−172029号公報)。
00〜600℃で加圧加熱成型した後焼成する炭素材の
製造方法(特開平6−172029号公報)。
【0005】(2)炭素材原料に金属繊維を配合して成
型、焼成する方法(特開昭62−72564号公報)。
型、焼成する方法(特開昭62−72564号公報)。
【0006】(3)成型時に、金型の上方向(摺動部
側)と下方向(非摺動部側)でそれぞれ金属繊維を含ま
ない原料と金属繊維を含む原料に分けて仕込み、摺動部
には金属繊維を含有させず、非摺動部には金属繊維を含
有させた炭素材(特開平5−279120号公報)。
側)と下方向(非摺動部側)でそれぞれ金属繊維を含ま
ない原料と金属繊維を含む原料に分けて仕込み、摺動部
には金属繊維を含有させず、非摺動部には金属繊維を含
有させた炭素材(特開平5−279120号公報)。
【0007】しかしながら、前記(1)の方法で得られ
る炭素材は、成型過程で成型体が不均等に固化収縮する
ことに起因する応力で、成型中に割れが発生しやすいと
いう問題があり、(2)の方法で得られる炭素材は、繊
維の補強効果で割れは抑制されるが、アーク発生条件下
での耐摩耗性等が必要とされるパンタグラフすり板など
に用いた場合摩耗が大きいという問題があった。また、
(3)の方法で得られる炭素材も、パンタグラフすり板
として耐摩耗性および耐衝撃性には優れているが、金属
繊維を含む層と含まない層の熱膨張係数が異なるため、
成型後の冷却過程で層間に応力が発生し、金属繊維を含
まない層に割れが発生しやすいという問題があった。
る炭素材は、成型過程で成型体が不均等に固化収縮する
ことに起因する応力で、成型中に割れが発生しやすいと
いう問題があり、(2)の方法で得られる炭素材は、繊
維の補強効果で割れは抑制されるが、アーク発生条件下
での耐摩耗性等が必要とされるパンタグラフすり板など
に用いた場合摩耗が大きいという問題があった。また、
(3)の方法で得られる炭素材も、パンタグラフすり板
として耐摩耗性および耐衝撃性には優れているが、金属
繊維を含む層と含まない層の熱膨張係数が異なるため、
成型後の冷却過程で層間に応力が発生し、金属繊維を含
まない層に割れが発生しやすいという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術における問題点を解決し、カーボンすり板や摺動材料
として好適な炭素材の製造方法、特に、アーク発生条件
下での耐摩耗性の優れたカーボンすり板を製造するため
に金属繊維を含まない原料を用いて炭素材を製造するに
際し、500〜600℃での加圧加熱成型時に発生しや
すい縦割れを抑制し、割れのない焼結体を製造する方法
を提供することを目的としてなされたものである。
術における問題点を解決し、カーボンすり板や摺動材料
として好適な炭素材の製造方法、特に、アーク発生条件
下での耐摩耗性の優れたカーボンすり板を製造するため
に金属繊維を含まない原料を用いて炭素材を製造するに
際し、500〜600℃での加圧加熱成型時に発生しや
すい縦割れを抑制し、割れのない焼結体を製造する方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は下記お
よびの炭素材の製造方法にある。
よびの炭素材の製造方法にある。
【0010】 非溶融性の粉末とバインダーピッチか
らなる金属繊維を含まない原料を加圧最高温度500〜
600℃で加圧加熱成型し、その後炭化あるいは黒鉛化
する炭素材の製造方法であって、加圧加熱成型時に成型
用原料を加圧するパンチ面の少なくとも一方に金属繊維
を分散させて成型し、その後この金属繊維を含む部分を
除去し、次いで炭化あるいは黒鉛化することを特徴とす
る炭素材の製造方法。
らなる金属繊維を含まない原料を加圧最高温度500〜
600℃で加圧加熱成型し、その後炭化あるいは黒鉛化
する炭素材の製造方法であって、加圧加熱成型時に成型
用原料を加圧するパンチ面の少なくとも一方に金属繊維
を分散させて成型し、その後この金属繊維を含む部分を
除去し、次いで炭化あるいは黒鉛化することを特徴とす
る炭素材の製造方法。
【0011】 加圧加熱成型時に、上下のパンチ面間
に温度差をつけて昇温し、先に昇温する側のパンチ面に
金属繊維を分散させる前記記載の炭素材の製造方法。
に温度差をつけて昇温し、先に昇温する側のパンチ面に
金属繊維を分散させる前記記載の炭素材の製造方法。
【0012】前記の成型用原料とは、非溶融性の粉末や
バインダーピッチとして配合する個々の原料を所定の粒
度に粉砕、混合し、加圧加熱成型に供し得る状態に調製
した原料をいう。
バインダーピッチとして配合する個々の原料を所定の粒
度に粉砕、混合し、加圧加熱成型に供し得る状態に調製
した原料をいう。
【0013】
【作用】以下、本発明方法について詳細に説明する。
【0014】本発明方法では、原料として非溶融性の粉
末とバインダーピッチを用いる。非溶融性の粉末として
は、石油コークス粉や、ピッチコークス粉、黒鉛粉等の
炭素粉末、および銅粉、鉄粉等の金属粉末が、また、バ
インダーピッチとしては、コールタールピッチ、石油ピ
ッチ等が挙げられる。これらの原料を適切な粒度に粉砕
して適宜配合し、成型用原料とする。なお、金属繊維を
添加しないのは、前述したように、金属繊維は炭素材の
アーク発生条件下での耐摩耗性を悪化させるからであ
る。
末とバインダーピッチを用いる。非溶融性の粉末として
は、石油コークス粉や、ピッチコークス粉、黒鉛粉等の
炭素粉末、および銅粉、鉄粉等の金属粉末が、また、バ
インダーピッチとしては、コールタールピッチ、石油ピ
ッチ等が挙げられる。これらの原料を適切な粒度に粉砕
して適宜配合し、成型用原料とする。なお、金属繊維を
添加しないのは、前述したように、金属繊維は炭素材の
アーク発生条件下での耐摩耗性を悪化させるからであ
る。
【0015】図1は炭素材の製造に用いる加圧加熱成型
装置の要部を模式的に示す断面図である。1および2は
プレス、3および4はそれぞれ上パンチおよび下パンチ
で、これらのパンチ3、4を加熱するためのヒーター7
-1を内蔵する熱板7がそれぞれ上下に取り付けられてい
る。金枠5内に仕込まれた粉末状の原料(成型用原料)
6はプレス1、2で加圧されるとともに熱板7により加
熱される。
装置の要部を模式的に示す断面図である。1および2は
プレス、3および4はそれぞれ上パンチおよび下パンチ
で、これらのパンチ3、4を加熱するためのヒーター7
-1を内蔵する熱板7がそれぞれ上下に取り付けられてい
る。金枠5内に仕込まれた粉末状の原料(成型用原料)
6はプレス1、2で加圧されるとともに熱板7により加
熱される。
【0016】本発明方法(前記の方法)においては、
粉末状の原料を成型するに際し、図1に示す成型装置の
少なくとも一方のパンチと原料とが接する面に、金属繊
維を分散させておく。通常、加圧加熱成型の際に生じる
縦割れはこのパンチと接する面から発生することが多い
が、パンチと接する面に金属繊維を分散させることによ
ってこの面が補強され、この部分を起点とする割れの発
生を抑制することができる。なお、金属繊維の分散は、
上下両パンチと原料とが接する両面で行うのが最も効果
的であるが、いずれか一方のパンチ側で行っても効果が
認められる。
粉末状の原料を成型するに際し、図1に示す成型装置の
少なくとも一方のパンチと原料とが接する面に、金属繊
維を分散させておく。通常、加圧加熱成型の際に生じる
縦割れはこのパンチと接する面から発生することが多い
が、パンチと接する面に金属繊維を分散させることによ
ってこの面が補強され、この部分を起点とする割れの発
生を抑制することができる。なお、金属繊維の分散は、
上下両パンチと原料とが接する両面で行うのが最も効果
的であるが、いずれか一方のパンチ側で行っても効果が
認められる。
【0017】この縦割れは、成型体の固化収縮に伴って
発生するものであるから、昇温時に成型体の最も高温の
部分を起点として発生する。従って、上下のパンチ面の
間に温度差をつけて昇温する場合は、先に昇温する側の
パンチ面にのみ金属繊維を分散させてやれば顕著な割れ
抑制効果が認められる(前記の方法)。
発生するものであるから、昇温時に成型体の最も高温の
部分を起点として発生する。従って、上下のパンチ面の
間に温度差をつけて昇温する場合は、先に昇温する側の
パンチ面にのみ金属繊維を分散させてやれば顕著な割れ
抑制効果が認められる(前記の方法)。
【0018】特に、本発明者等の一人が先に出願した、
成型体内に大きな温度差をつけて成型し、先に昇温した
部分から硬化を進め、成型体内に内包されたガスを除去
して横割れを抑制する方法(特開昭63−154310
号公報)においては、上下の不均等な固化収縮によって
逆に縦割れが発生しやすくなるので、加圧加熱成型時に
パンチ面に金属繊維を分散させる本発明方法の適用が有
効である。この場合、先に昇温する側のパンチ面に金属
繊維を分散させると効果的である。
成型体内に大きな温度差をつけて成型し、先に昇温した
部分から硬化を進め、成型体内に内包されたガスを除去
して横割れを抑制する方法(特開昭63−154310
号公報)においては、上下の不均等な固化収縮によって
逆に縦割れが発生しやすくなるので、加圧加熱成型時に
パンチ面に金属繊維を分散させる本発明方法の適用が有
効である。この場合、先に昇温する側のパンチ面に金属
繊維を分散させると効果的である。
【0019】パンチ面に分散させる金属繊維としては、
加圧加熱成型時の温度である500〜600℃で十分な
強度を有するものであることが必要で、スチールファイ
バーや銅ファイバー等が使用できる。
加圧加熱成型時の温度である500〜600℃で十分な
強度を有するものであることが必要で、スチールファイ
バーや銅ファイバー等が使用できる。
【0020】金属繊維の形態は特に限定されるものでは
なく、短繊維や織物、金網等が使用可能である。短繊維
を少量使うだけでも十分効果があるので、安価な短繊維
が好ましい。
なく、短繊維や織物、金網等が使用可能である。短繊維
を少量使うだけでも十分効果があるので、安価な短繊維
が好ましい。
【0021】金属繊維の添加量は少量でも顕著な縦割れ
抑制効果が認められ、繊維が混入した層の厚みが高々1
mm程度でも亀裂の発生が十分抑制される。
抑制効果が認められ、繊維が混入した層の厚みが高々1
mm程度でも亀裂の発生が十分抑制される。
【0022】次いで、上記のように加熱加圧成型した成
型体に対して炭化処理を施すが、この金属繊維を分散さ
せた層が存在する状態で炭化すると、繊維の入った部分
とそれ以外の部分の加熱時における収縮量が異なり、こ
の界面を起点として割れが発生しやすくなる。従って、
炭化前に機械加工等でこの金属繊維を分散させた層を除
去することが必要である。これによって、炭化時の割れ
の発生を抑制することができるので、縦割れのない炭素
材を製造することが可能となる。
型体に対して炭化処理を施すが、この金属繊維を分散さ
せた層が存在する状態で炭化すると、繊維の入った部分
とそれ以外の部分の加熱時における収縮量が異なり、こ
の界面を起点として割れが発生しやすくなる。従って、
炭化前に機械加工等でこの金属繊維を分散させた層を除
去することが必要である。これによって、炭化時の割れ
の発生を抑制することができるので、縦割れのない炭素
材を製造することが可能となる。
【0023】
【実施例1】粒径が20μmの銅粉73重量%、粒径1
2μmのピッチコークス17重量%、粒径20μmの人
造黒鉛粉5重量%および軟化点が260℃のメソフェー
ズピッチ5重量%からなる原料を、内径25cm、長さ
30cmの磁製の円筒容器型ポットミル内にその容積の
1/3だけ仕込み、2秒間に1回の速度で2時間回転さ
せて混合した。なお、ポットミル内にはその容積の1/
3の容積の磁製ボール(直径30mm)が予め容れられ
ている。この処理を繰り返し行い、計15kgの成型用
原料を調製した。
2μmのピッチコークス17重量%、粒径20μmの人
造黒鉛粉5重量%および軟化点が260℃のメソフェー
ズピッチ5重量%からなる原料を、内径25cm、長さ
30cmの磁製の円筒容器型ポットミル内にその容積の
1/3だけ仕込み、2秒間に1回の速度で2時間回転さ
せて混合した。なお、ポットミル内にはその容積の1/
3の容積の磁製ボール(直径30mm)が予め容れられ
ている。この処理を繰り返し行い、計15kgの成型用
原料を調製した。
【0024】次いで、前記の図1に示した構造を有し、
内寸が40cm×40cmの普通鋼製の金型を有する加
圧加熱成型装置を使用して加圧加熱成型を行なった。
内寸が40cm×40cmの普通鋼製の金型を有する加
圧加熱成型装置を使用して加圧加熱成型を行なった。
【0025】金型への成型用原料の投入に先立ち、太さ
0.1mm角×長さ3mmのスチールファイバー500
gを下パンチ上の全面に均一に分散させ、その上に、上
記の成型用原料15kgを、スチールファイバーをみだ
さないように慎重に装入した。
0.1mm角×長さ3mmのスチールファイバー500
gを下パンチ上の全面に均一に分散させ、その上に、上
記の成型用原料15kgを、スチールファイバーをみだ
さないように慎重に装入した。
【0026】加圧加熱成型は、図2に示すヒートパター
ンで、下パンチの温度を先に昇温させる方法で行い、上
下パンチの温度が300℃に達した時点から200kg
/cm2 で加圧し、加圧したまま室温まで冷却し、成型
体を取りだした。
ンで、下パンチの温度を先に昇温させる方法で行い、上
下パンチの温度が300℃に達した時点から200kg
/cm2 で加圧し、加圧したまま室温まで冷却し、成型
体を取りだした。
【0027】得られた成型体は割れのない良好なもので
あった。
あった。
【0028】一方、比較例として、下パンチ上へのスチ
ールファイバーの分散を行わず、その他は上記の実施例
1と同じ条件で成型を行なった。この成型体には、亀甲
状の縦割れが発生した。
ールファイバーの分散を行わず、その他は上記の実施例
1と同じ条件で成型を行なった。この成型体には、亀甲
状の縦割れが発生した。
【0029】次いで、実施例1で得られた成型体を2分
割し、片方の成型体についてはスチールファイバーが混
入した約2mmの層を機械加工で切削除去し、スチール
ファイバーを含まない成型体を得た。
割し、片方の成型体についてはスチールファイバーが混
入した約2mmの層を機械加工で切削除去し、スチール
ファイバーを含まない成型体を得た。
【0030】このスチールファイバーを除去した成型体
とスチールファイバーを除去しない成型体を粉コークス
中に埋設し、窒素雰囲気中で15℃/分の昇温速度で1
040℃まで昇温し、6時間保持した後冷却する炭化処
理を行った。
とスチールファイバーを除去しない成型体を粉コークス
中に埋設し、窒素雰囲気中で15℃/分の昇温速度で1
040℃まで昇温し、6時間保持した後冷却する炭化処
理を行った。
【0031】その結果、スチールファイバーを除去しな
かった成型体では、スチールファイバーの入っている部
分と入っていない部分の境界部から横割れが入り、スチ
ールファイバーのない部分まで大きく割れが進展してい
たが、スチールファイバーを除去した成型体では炭化後
も割れが認められなかった。
かった成型体では、スチールファイバーの入っている部
分と入っていない部分の境界部から横割れが入り、スチ
ールファイバーのない部分まで大きく割れが進展してい
たが、スチールファイバーを除去した成型体では炭化後
も割れが認められなかった。
【0032】
【実施例2】粒径が8μmの仮焼石油コークス80重量
%と軟化点が260℃のメソフェーズピッチ20重量%
をV型混合機で混合し、成型用原料を調製した。
%と軟化点が260℃のメソフェーズピッチ20重量%
をV型混合機で混合し、成型用原料を調製した。
【0033】次いで、前記の図1に示した構造を有し、
内寸が40cm×40cmの普通鋼製の金型を有する加
圧加熱成型装置を使用して加圧加熱成型を行なった。
内寸が40cm×40cmの普通鋼製の金型を有する加
圧加熱成型装置を使用して加圧加熱成型を行なった。
【0034】金型への成型用原料の投入に先立ち、太さ
0.05mm角×長さ2.5mmの銅ファイバー300
gを下パンチ上に均一に分散させ、その上に、上記の成
型用原料7kgを装入した。
0.05mm角×長さ2.5mmの銅ファイバー300
gを下パンチ上に均一に分散させ、その上に、上記の成
型用原料7kgを装入した。
【0035】加圧加熱成型は、図3に示すヒートパター
ンで、下パンチの温度を先に昇温させる方法で行い、上
下パンチの温度が300℃に達した時点から80kg/
cm2 で加圧し、加圧したまま室温まで冷却し、成型体
を取りだした。
ンで、下パンチの温度を先に昇温させる方法で行い、上
下パンチの温度が300℃に達した時点から80kg/
cm2 で加圧し、加圧したまま室温まで冷却し、成型体
を取りだした。
【0036】得られた成型体は割れのない良好なもので
あった。
あった。
【0037】一方、比較例として、下パンチ上への銅フ
ァイバーの分散を行わず、その他は上記の実施例2と同
じ条件で成型を行なった。この成型体には、亀甲状の縦
割れが発生した。
ァイバーの分散を行わず、その他は上記の実施例2と同
じ条件で成型を行なった。この成型体には、亀甲状の縦
割れが発生した。
【0038】次いで、実施例2で得られた成型体を2分
割し、片方の成型体については銅ファイバーが混入した
層を機械加工で切削除去し、銅ファイバーを含まない成
型体を得た。
割し、片方の成型体については銅ファイバーが混入した
層を機械加工で切削除去し、銅ファイバーを含まない成
型体を得た。
【0039】この銅ファイバーを除去した成型体と銅フ
ァイバーを除去しない成型体を粉コークス中に埋設し、
窒素雰囲気中で15℃/分の昇温速度で1040℃まで
昇温し、6時間保持した後冷却した。
ァイバーを除去しない成型体を粉コークス中に埋設し、
窒素雰囲気中で15℃/分の昇温速度で1040℃まで
昇温し、6時間保持した後冷却した。
【0040】銅ファイバーを除去しなかった成型体で
は、銅ファイバーの入っている部分と入っていない部分
の境界部から横割れが入り、銅ファイバーのない部分ま
で大きく割れが進展していたが、銅ファイバーを除去し
た成型体では炭化後も割れが認められなかった。
は、銅ファイバーの入っている部分と入っていない部分
の境界部から横割れが入り、銅ファイバーのない部分ま
で大きく割れが進展していたが、銅ファイバーを除去し
た成型体では炭化後も割れが認められなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明方法によれば、金属繊維を含まな
い原料を用いて炭素材を製造するに際し、加圧加熱成型
時に発生しやすい縦割れの発生を抑制することができ
る。この炭素材はカーボンすり板や摺動材料として好適
である。
い原料を用いて炭素材を製造するに際し、加圧加熱成型
時に発生しやすい縦割れの発生を抑制することができ
る。この炭素材はカーボンすり板や摺動材料として好適
である。
【図1】炭素材の製造に用いる加圧加熱成形装置の要部
を模式的に示す断面図である。
を模式的に示す断面図である。
【図2】実施例1で行った加圧加熱成型時のヒートパタ
ーンである。
ーンである。
【図3】実施例2で行った加圧加熱成型時のヒートパタ
ーンである。
ーンである。
1:プレス(上部) 2:プレス(下部) 3:上パンチ 4:下パンチ 5:金枠 6:原料 7-1:ヒーター 7:熱板 8:断熱材
Claims (2)
- 【請求項1】非溶融性の粉末とバインダーピッチからな
る金属繊維を含まない原料を加圧最高温度500〜60
0℃で加圧加熱成型し、その後炭化あるいは黒鉛化する
炭素材の製造方法であって、加圧加熱成型時に成型用原
料を加圧するパンチ面の少なくとも一方に金属繊維を分
散させて成型し、その後この金属繊維を含む部分を除去
し、次いで炭化あるいは黒鉛化することを特徴とする炭
素材の製造方法。 - 【請求項2】加圧加熱成型時に、上下のパンチ面間に温
度差をつけて昇温し、先に昇温する側のパンチ面に金属
繊維を分散させる請求項1記載の炭素材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7008582A JPH08198678A (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 炭素材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7008582A JPH08198678A (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 炭素材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08198678A true JPH08198678A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11697009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7008582A Pending JPH08198678A (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 炭素材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08198678A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102432293A (zh) * | 2011-09-26 | 2012-05-02 | 邢台驰宇电碳有限责任公司 | 电力机车受电弓碳滑板 |
JP2017537861A (ja) * | 2014-10-15 | 2017-12-21 | ベイカー ヒューズ インコーポレイテッド | 炭素複合体を含有する物品及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-01-24 JP JP7008582A patent/JPH08198678A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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