JPH08197707A - 孔版印刷用原紙の製版方法および孔版印刷用原紙 - Google Patents

孔版印刷用原紙の製版方法および孔版印刷用原紙

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JPH08197707A
JPH08197707A JP1013495A JP1013495A JPH08197707A JP H08197707 A JPH08197707 A JP H08197707A JP 1013495 A JP1013495 A JP 1013495A JP 1013495 A JP1013495 A JP 1013495A JP H08197707 A JPH08197707 A JP H08197707A
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solvent
soluble resin
resin film
stencil printing
compound
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JP1013495A
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Yasuo Nakamura
康男 中村
Hideo Watanabe
秀夫 渡辺
Masahiro Takahashi
正浩 高橋
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Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】コンピュータやワードプロセッサ等で作成した
電子原稿から、高価な製版装置を使わずに高品質な孔版
印刷版を直接かつ手軽に製版できる孔版印刷用原紙の製
版方法およびこの製版方法に用いる孔版印刷用原紙を提
供する。 【構成】(1) 溶剤に対する接触角が40〜 100°の範囲に
ある溶剤可溶性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合
わせてなる孔版印刷用原紙の溶剤可溶性樹脂フィルム表
面に、溶剤をノズルから噴射させて選択的に接触させ、
該接触部分の溶剤可溶性樹脂フィルムを溶解し、該溶解
液を多孔性支持体内部に浸透させて穿孔する孔版印刷用
原紙の製版方法。(2) 溶剤可溶性樹脂フィルムが、ジメ
チルシロキサン結合を有する化合物、パーフルオロアル
キル基を有する化合物および炭素数12以上の長鎖アル
キル基を有する化合物の少なくとも1つを含有するか、
またはこれらの少なくとも1つの化合物との共重合物を
含有する前記(1) の製版方法に用いる孔版印刷用原紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷用原紙の製版方
法および孔版印刷用原紙に関し、さらに詳しくはワード
プロセッサやコンピュータ等で編集された電子原稿を、
溶剤を用いて高解像度の孔版印刷版に直接かつ手軽に製
版できる孔版印刷用原紙の製版方法およびこの製版方法
に使用される孔版印刷用原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワードプロセッサやパーソナルコ
ンピュータ等の発達に伴い、簡単に高品質な電子原稿が
作れるようになっている。この電子原稿のハードコピー
を少量複製する場合は、レーザープリンターやインクジ
ェットプリンターが適しているが、大量に複製する場合
は、1枚当たりの単価が安価な孔版印刷やオフセット印
刷が有効な手段である。しかしながら、電子原稿を直接
印刷用原紙に製版する装置は、印刷専門業者の製版工程
以外では使用されることが少なく、また高価であるた
め、オフィスなどで簡便に製版し、印刷することが困難
である。このため、実際には一度レーザープリンターな
どで電子原稿のハードコピーを作成し、さらにこのハー
ドコピーを原稿として複写機で複写したり、印刷専門業
者に印刷を依頼しているのが現状であるが、このような
作業により、電子原稿の高品質な画質が損なわれたり、
作業が煩雑になる等の問題が生じる。
【0003】このような背景からコンピュータやワード
プロセッサ等で作成した電子原稿から、高価な製版装置
を使わずに高品質な孔版印刷版を直接製版できる孔版印
刷用原紙および製版方法の開発が望まれている。一方、
平版印刷においては、汎用のレーザープリンターを用い
て親水性の印刷用原紙に直接親油性の画像を形成する製
版方法が開発されているが(特開昭54−94901号
公報等)、この方法では得られる画像の解像力不足や地
汚れ発生等に問題がある。
【0004】またインクジェット方式を用いた平版印刷
板の製版方法が種々提案されている。例えば、特開昭6
3−102936、特開昭63−109052、特開平
4−282249、特開平4−317065、特開平5
−204138等が挙げられる。しかしながら、これら
はいずれも感光層に光を照射して画像部を形成するもの
であり、インクジェット方式で噴射された成分で直接原
紙を溶解穿孔して製版する孔版印刷用原紙に関するもの
ではない。また、インクジェットヘッドから吐出される
成分に対する印刷用原紙表面の濡れ特性が考慮されてい
ないため、吐出される成分が印刷用原紙表面で広がり、
解像度の低下を招いたり、吐出成分がはじかれてベタ画
像がカケてしまう等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コン
ピュータやワードプロセッサ等で作成した電子原稿か
ら、高価な製版装置を使わずに高品質な孔版印刷版を直
接かつ手軽に製版できる孔版印刷用原紙の製版方法およ
びこの製版方法に用いる孔版印刷用原紙を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願で特許請求される発
明は以下のとおりである。 (1)溶剤に対する接触角が40〜100°の範囲にあ
る溶剤可溶性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わ
せてなる孔版印刷用原紙の溶剤可溶性樹脂フィルム表面
に、溶剤をノズルから噴射させて選択的に接触させ、該
接触部分の溶剤可溶性樹脂フィルムを溶解し、該溶解液
を多孔性支持体内部に浸透させて穿孔することを特徴と
する孔版印刷用原紙の製版方法。 (2)ノズルの口径が150μm以下であることを特徴
とする(1)の孔版印刷用原紙の製版方法。 (3)溶剤可溶性樹脂フィルムが、ジメチルシロキサン
結合を有する化合物、パーフルオロアルキル基を有する
化合物および炭素数12以上の長鎖アルキル基を有する
化合物の少なくとも1つを含有するか、またはこれらの
少なくとも1つの化合物との共重合物を含有することを
特徴とする(1)または(2)の製版方法に用いる孔版
印刷用原紙。 (4)溶剤可溶性樹脂フィルム表面に、ジメチルシロキ
サン結合を有する化合物、パーフルオロアルキル基を持
つ化合物および炭素数12以上の長鎖アルキル基を有す
る化合物の少なくとも1つを含有する層またはこれらの
少なくとも1つの化合物との共重合物を含有する層が形
成されていることを特徴とする(1)または(2)の製
版方法に用いる孔版印刷用原紙。
【0007】本発明に用いられる溶剤可溶性樹脂フィル
ムは、水または有機溶剤等の溶剤により溶解可能な熱可
塑性樹脂または熱硬化性樹脂を主成分とし、選択的に供
給される溶剤との接触によって当該接触部分が溶解して
穿孔される。本発明においては、溶剤可溶性樹脂フィル
ムの表面は、該フィルムを溶解する溶剤と40〜100
°、好ましくは50〜90°の接触角で接するように調
整される。この接触角が小さすぎると溶剤可溶性樹脂フ
ィルム上で溶剤が広がるため、微細な穿孔画像を形成す
ることが困難であり、また隣合う溶剤同士が接触し連続
してしまうために、鮮明なドットが得られない。一方、
接触角が大きすぎると溶剤可溶性樹脂フィルム上で溶剤
がはじかれ、ベタ画像等にカケが生じる。
【0008】フィルム表面に対する溶剤の接触角の調整
方法としては、撥水剤または撥油剤を溶剤可溶性樹脂フ
ィルムに含有させる方法、撥水剤等の成分とモノマーを
共重合して得られる共重合物を溶剤可溶性樹脂フィルム
として用いるかこれに含有させる方法、上記成分をフィ
ルム面に塗布する方法、シリル化剤等でフィルム表面の
改質を行う方法等が挙げられる。撥水剤等を塗布する場
合には必ずしも溶剤可溶性樹脂フィルム全体に塗布する
必要はなく、少なくとも溶剤を選択的に接触させる部分
にのみパターン状に塗布または印刷してもよい。また表
面改質を行う場合も同様である。
【0009】撥水剤または撥油剤としては特に制約はな
く、例えばシリコーン系化合物、シリコーン系樹脂、フ
ッ素系化合物、フッ素系樹脂、ワックス等を単独でまた
は2種以上併用して用いられるが、少量の使用により効
果が得られる等の点から、ジメチルシロキサン結合を有
する化合物(シリコーンオイル等)、パーフルオロアル
キル基を持つ化合物(フッ素系界面活性剤等)および炭
素数12以上の長鎖アルキル基を有する化合物(パラフ
ィン系ワックス等)の少なくとも1つを用いることが好
ましい。撥水剤等は、フィルム表面の接触角を調整でき
る最小の量で使用するのが好ましく、使用量が多くなる
と溶剤可溶性樹脂フィルムの溶解性を低下させる要因と
なる。その使用量は接触角の調整方法および撥水剤等の
能力によって異なるが、例えば撥水剤を溶剤可溶性樹脂
フィルムに含有させる方法の場合は、通常樹脂に対して
0.1〜5重量%程度であり、表面に接触角を調整する
層を設ける場合の坪量は0.005〜0.5g/m2
度である。撥水剤等の塗布層は染料、顔料、充填剤、結
着剤、硬化剤等を含有していてもよい。
【0010】溶剤可溶性樹脂フィルムに用いられる有機
溶剤に溶解可能な樹脂成分としては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、アセタール樹
脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリウレタン等が挙げられる。また水溶解性
樹脂成分としては、水または水と混和し得る有機溶剤を
含む水溶液に溶解する樹脂、例えばポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンオ
キサイド、ポリビニルエーテル、ポリビニルアセター
ル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、カルボン酸
塩やスルフォン酸塩などを構成単位に含む高分子が挙げ
られる。
【0011】これらの有機溶剤に溶解可能な樹脂成分お
よび水溶解性樹脂成分は単独でもまたは混合してもよ
く、さらに上記樹脂のモノマー成分を共重合した共重合
物であってもよい。溶剤可溶性樹脂フィルムには上記樹
脂成分のほかに染料、顔料、充填剤、結着剤、硬化剤等
を含有していてもよい。溶剤可溶性樹脂フィルムの厚さ
は0.01〜100μmの範囲が好ましく、より好まし
くは0.1〜50μmの範囲である。厚さが薄すぎると
溶剤可溶性樹脂フィルムの強度が不充分となり、厚すぎ
ると溶剤可溶性樹脂フィルムを溶解させる溶剤が多量に
必要となり、溶剤可溶性樹脂フィルムの溶解が不充分に
なる場合がある。
【0012】溶剤可溶性樹脂フィルムを溶解する溶剤と
しては特に制約はないが、ノズルから安定した吐出を行
うためには20℃における表面張力が30〜60dyn
e/cmであることが好ましい。このような溶剤として
は、例えば、水の他、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、
アルコール、フェノール、エーテル、アセタール、ケト
ン、脂肪酸、エステル、窒素化合物、硫化化合物、酸性
溶液、アルカリ性溶液等、具体的には、ヘキサン、トル
エン、ジクロロメタン、イソプロピルアルコール、フェ
ノール、エチレングリコール、メチルイソブチルケト
ン、酢酸、ステアリン酸エステル、2−ピロリドン、ト
リメチルアミン、エチレングリコールモノアルコキシ等
が挙げられる。これらの溶剤は単独でまたは混合して用
いてもよいが、オフィス内で使用される場合には人体に
対して安全なものを選定するのが好ましい。溶剤にはイ
ンクジェットヘッドからの吐出性を考慮して界面活性
剤、保湿剤、着色剤等の添加剤を含有させてもよい。
【0013】本発明に用いられる多孔性支持体として
は、マニラ麻、パルプ、ミツマタ、コウゾ、和紙等の天
然繊維、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、アセテー
ト等の合成繊維、金属繊維、ガラス繊維などを単独また
は混合して用いた薄葉紙、不織布、スクリーン紗等が挙
げられる。これらの多孔性支持体の秤量は1〜20g/
2 の範囲が好ましく、より好ましくは5〜15g/m
2 の範囲である。坪量が少ないと原紙としての強度が弱
くなり、多すぎると印刷時のインクの通過性が悪くなる
ことがある。また多孔性支持体の厚さは、原紙強度およ
びインキ通過性等の点から、5〜100μmの範囲が好
ましく、より好ましくは10〜50μmの範囲である。
【0014】本発明の孔版印刷用原紙の製造方法の一例
を以下に説明する。溶剤可溶性樹脂フィルムは、キャス
ティング法、延伸法等により製造することができるが、
ここではコーティングにより製造する方法を説明する。
まず、溶剤可溶性樹脂を溶剤に溶解して樹脂溶液を調整
する。この溶剤は、後述する孔版印刷用原紙の製版に用
いられる溶剤と同一でも異なっていてもよいが、原紙の
製造効率の点からは乾燥性、造膜性のよい溶剤を用いる
のが好ましい。樹脂溶液の粘度や表面張力等は、後記の
非接着性支持体への塗布条件を考慮して適宜調整され
る。次に上記樹脂溶液を非接着性支持体の上に、例えば
ロールコーター、グラビアコーター、ワイヤバーコータ
ー、リバースコーター等の手段により塗布し、乾燥し、
溶剤可溶性樹脂フィルムを形成する。
【0015】次に非接着性支持体上に形成された溶剤可
溶性樹脂フィルムを、多孔性支持体に貼り合わせる。貼
り合わせ方法には、(1)接着剤または粘着剤を使用す
る方法、(2)溶剤可溶性樹脂フィルムと多孔性支持体
を熱融着する方法等が採用される。(1)の方法では、
溶剤溶解型または水分散型の接着剤を溶剤可溶性樹脂フ
ィルムか多孔性支持体に塗布し、接着または熱硬化、ま
たは光硬化させることにより貼り合わせる。またホット
メルト型の接着剤または粘着剤を熱融着させてもよい。
このような接着剤または粘着剤としては、硬化後の皮膜
が上記溶剤可溶性樹脂フィルムを溶解する溶剤に溶解す
るものが好ましく、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹
脂、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アク
リル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、ポリイソブチレン、イソプレン、ブ
チルゴム、ポリアクリルアミド、ロジン、テルペン、ス
チレンなどを用いることができる。また必要に応じて硬
化剤、軟化剤、粘着付与剤、充填剤等を混合して使用し
てもよい。
【0016】(2)の方法は、溶剤可溶性樹脂フィルム
および/または多孔性支持体に熱溶融性成分を含有した
場合に採用することができる。この場合には多孔性支持
体をヒートローラなどの加熱装置により貼り合わせる。
次いで非接着性支持体を溶剤可溶性樹脂フィルムから剥
離して多孔性支持体に溶剤可溶性樹脂フィルムを貼り合
わせてなる孔版印刷用原紙を得る。
【0017】溶剤可溶性樹脂フィルムに対する溶剤の接
触角は、あらかじめ撥水剤または撥油剤を混合してまた
はこれらとモノマーを共重合して得られる共重合物の使
用により調整してもよいが、フィルム形成後に調整する
場合には、溶剤可溶性樹脂フィルムを多孔性支持体と貼
り合わせた後に、該フィルム面上にコーティングやスプ
レにより撥水剤等を全面にまたは溶剤を接触させる部分
に選択的に塗工して接触角調整層を形成してもよい。ま
た非接着性支持体上に、あらかじめ接触角調整層を形成
し、その上に溶剤可溶性樹脂フィルムを形成し、さらに
多孔性支持体と貼りあわせてもよい。
【0018】図1は、本発明の一実施例を示す孔版印刷
用原紙の製造工程の説明図であり、(A)は、非接着性
支持体2上に溶剤可溶性樹脂フィルム1を形成した状態
を示し、(B)は多孔性支持体4の表面に接着剤または
粘着剤層3を形成した状態を示す。また(C)は、
(A)を(B)に貼り合わせた後、非接着性支持体2を
溶剤可溶性樹脂フィルム1から剥離している状態を示
す。さらに(D)は、溶剤可溶性樹脂フィルム面に接触
角を調整する層5を形成した状態を示す。
【0019】本発明において、孔版印刷用原紙は、溶剤
吐出ノズルを備えた溶剤吐出装置により非接触状態で溶
剤を溶剤可溶性樹脂フィルムに吐出供給し、該溶剤と接
触する部分を溶解穿孔して製版される。溶剤吐出ノズル
の口径は、解像度等の点から150μm以下、好ましく
は30〜100μmとされる。上記ノズルからは文字画
像信号に応じて溶剤が間欠的または連続的に、すなわち
ドット状またはライン状に溶剤が吐出される。また樹脂
成分を溶解した液は、多孔性支持体の内部に浸透する。
本発明の製版方法によれば、孔版印刷用原紙の溶剤可溶
性樹脂フィルム表面の溶剤に対する接触角が40〜10
0°に調整されているため、製版時に溶剤のはじき等が
なくなり、高品質の穿孔画像を得ることができる。
【0020】上記のようにして製版した孔版印刷用原紙
は、一般的な孔版印刷に使用することができる。例えば
製版された孔版印刷用原紙の1つの面にインクを載置
し、他方の面に印刷用紙を重ね合わせ、上記インクを押
圧、減圧、スキージなどの手段により穿孔部分から通過
させて印刷用紙にインクを転移させて印刷物を得ること
ができる。印刷インクには、従来の印刷に用いられてい
る油性インク、水性インク、油中水滴(W/O)型エマ
ルジョンインク、水中油滴(O/W)型エマルジョンイ
ンクなどが使用される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、例中の部および%は、特に限定がない限り、それぞ
れ重量部および重量%を意味する。 実施例1 (1)孔版印刷用原紙の製造 非接着性支持体である厚さ40μmのポリプロピレンフ
ィルムに、ポリビニルアセタール樹脂5部、酢酸エチル
95部およびサーフロン101(旭硝子社製商品名、フ
ッ素系撥水剤)0.05部からなる溶液をロールコータ
ーで塗布、乾燥し、厚さ1μmの溶剤可溶性樹脂フィル
ムを設けた。次に200メッシュのポリエステル繊維布
帛に、アクリル系粘着剤(固形分40%)25部、イソ
プロパノール60部およびトルエン15部からなる粘着
剤溶液を塗布した後、該粘着剤層と上記のポリプロピレ
ンフィルム上に形成された溶剤可溶性樹脂フィルムとを
重ね合わせ、ニップ圧2kg/cm2 の圧着ローラで貼り合
わせ、次いでポリプロピレンフィルムを剥がして孔版印
刷用原紙を得た。
【0022】(2)接触角の測定 得られた孔版印刷用原紙の溶剤可溶性樹脂フィルムに対
する溶剤の接触角を、協和界面科学社製CA−DT・A
型接触角計を用いて測定したところ、62°であった。
なお、溶剤としてはトリエチレングリコールモノブチル
エーテル20部および水80部からなる溶液(表面張力
40dyne/cm)を使用した。
【0023】(3)孔版印刷用原紙の製版 8ドット/mm(口径45μm)のノズルと圧電素子を備
えた吐出装置を用い、接触角の測定に用いた溶剤を文字
状に吐出させ、溶剤可溶性樹脂フィルムを文字状に穿孔
した。穿孔形状を光学顕微鏡で観察したところ、250
μmの距離で隣合う穿孔部同士がつながらずに穿孔でき
た。
【0024】(4)孔版印刷 上記で製版された孔版印刷用原紙のポリエステル繊維側
に、黒色のプリントゴッコ用ハイメッシュインク(理想
科学工業社製)を載置し、他方に印刷用紙を重ね合わせ
てプリントゴッコPG−10(理想科学工業社製商品
名)で孔版印刷をしたところ、穿孔部分に対応した鮮明
な文字が印刷できた。
【0025】実施例2 (1)孔版印刷用原紙の製造 非接着性支持体である厚さ40μmのポリプロピレンフ
ィルムに、ポリビニルアセタール樹脂5部、イソプロパ
ノール40部および水60部からなる溶液をロールコー
ターで塗布、乾燥し、厚さ1μmの溶剤可溶性樹脂フィ
ルムを設けた。次に200メッシュのポリエステル繊維
布帛に、アクリル系粘着剤(固形分40%)25部、イ
ソプロパノール60部およびトルエン15部からなる粘
着剤溶液を塗布した後、該粘着剤層と上記ポリプロピレ
ンフィルム上に形成された溶剤可溶性樹脂フィルムとを
重ね合わせ、ニップ圧2kg/cm2 の圧着ローラで貼り合
わせた。
【0026】次に溶剤可溶性樹脂フィルムからポリプロ
ピレンフィルムを剥離しながら、該樹脂フィルム表面
に、ユニダインTG652(ダイキン化学工業社製商品
名、フッ素系撥水剤)0.5部およびn−ヘプタン10
0部からなる溶液をワイヤバーコーターで塗布、乾燥
し、撥水剤層(坪量0.01g/m2 )を形成し、孔版
印刷用原紙を得た。 (2)接触角の測定 実施例1と同様の方法で溶剤の溶剤可溶性樹脂フィルム
に対する接触角を測定したところ80°であった。 (3)孔版印刷用原紙の製版および孔版印刷 実施例1と同様の方法で溶剤可溶性樹脂フィルムを文字
状に穿孔した。穿孔形状を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、250μmの距離で隣合う穿孔部同士がつながらず
に穿孔できた。また実施例1と同様にして孔版印刷した
ところ、穿孔部分に対応した鮮明な文字が印刷できた。
【0027】実施例3 (1)孔版印刷用原紙の製造 非接着性支持体である厚さ40μmのポリプロピレンフ
ィルムに、ポリビニルアセタール樹脂5部、イソプロパ
ノール40部および水60部からなる溶液をロールコー
ターで塗布、乾燥し、厚さ1μmの溶剤可溶性樹脂フィ
ルムを設けた。次に200メッシュのポリエステル繊維
布帛に、アクリル系粘着剤(固形分40%)25部、イ
ソプロパノール60部およびトルエン15部からなる粘
着剤溶液を塗布した後、該粘着層と上記ポリプロピレン
フィルム上に形成された溶剤可溶性樹脂フィルムとを重
ね合わせ、ニップ圧2kg/cm2 の圧着ローラで貼り合わ
せた。溶剤可溶性樹脂フィルムからポリプロピレンフィ
ルムを剥離しながら、該樹脂フィルム表面に、シリコー
ンオイル5部および酢酸エチル100部からなる溶液を
ワイヤバーコーターで塗布、乾燥し、撥水剤層(坪量
0.2g/m2 )を形成し、孔版印刷用原紙を得た。
【0028】(2)接触角の測定 実施例1と同様の方法で溶剤と溶剤可溶性樹脂フィルム
の接触角を測定したところ52°であった。 (3)孔版印刷用原紙の製版および孔版印刷 実施例1と同様の方法で溶剤可溶性樹脂フィルムを文字
状に穿孔した。穿孔形状を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、250μmの距離で隣合う穿孔部同士がつながらず
に穿孔できた。また実施例1と同様にして孔版印刷した
ところ、穿孔部分に対応した鮮明な文字が印刷できた。
【0029】比較例1 (1)孔版印刷用原紙の製造 非接着性支持体である厚さ40μmのポリプロピレンフ
ィルムに、ポリビニルアセタール樹脂5部、イソプロパ
ノール40部および水60部からなる溶液をロールコー
ターで塗布、乾燥し、厚さ1μmの溶剤可溶性樹脂フィ
ルムを設けた。次に200メッシュのポリエステル繊維
布帛に、アクリル系粘着剤(固形分40%)25部、イ
ソプロパノール60部およびトルエン15部からなる粘
着剤溶液を塗布した後、該粘着剤層と上記ポリプロピレ
ンフィルム上に形成された溶剤可溶性樹脂フィルムとを
重ね合わせ、ニップ圧2kg/cm2 の圧着ローラで貼り合
わせ、ポリプロピレンフィルムを剥がして孔版印刷用原
紙を得た。
【0030】(2)接触角の測定 実施例1と同様の方法で溶剤と溶剤可溶性樹脂フィルム
の接触角を測定したところ25°であった。 (3)孔版印刷用原紙の製版および孔版印刷 実施例1と同様の方法で溶剤可溶性樹脂フィルムを文字
状に穿孔した。穿孔形状を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、250μmの距離で隣合う穿孔部同士がつながって
穿孔されていた。また実施例1と同様の方法で孔版印刷
したところ、つながった穿孔部分に対応した文字がつぶ
れており、鮮明な印刷物が得られなかった。
【0031】比較例2 非接着性支持体である厚さ40μmのポリプロピレンフ
ィルムに、ポリビニルアルコール樹脂5部および水95
部からなる溶液をロールコーターで塗布、乾燥し、厚さ
1μmの溶剤可溶性樹脂フィルムを設けた。次に200
メッシュのポリエステル繊維布帛に、アクリル系粘着剤
(固形分40%)25部、イソプロパノール60部およ
びトルエン15部からなる粘着剤溶液を塗布した後、該
粘着剤層と上記ポリプロピレンフィルム上に形成された
溶剤可溶性樹脂フィルムとを重ね合わせ、ニップ圧2k
g/cm2 の圧着ローラーで貼り合わせた。次に溶剤可
溶性樹脂フィルムからポリプロピレンフィルムを剥離し
ながら、該樹脂フィルム表面に、ニユダインTG652
(ダイキン化学工業社製商品名、フッ素系撥水剤)5部
およびn−ヘプタン100部からなる溶液をワイヤーバ
ーコーターで塗布、乾燥し、撥水剤層(坪量0.1g/
2 )を形成し、孔版印刷用原紙を得た。
【0032】(2)接触角の測定 得られた孔版印刷用原紙の溶剤可溶性樹脂フィルムに対
する溶剤の接触角を、協和界面科学社製CA−DT・A
型接触角計を用いて測定したところ、105°であっ
た。なお、溶剤としてはエチレングリコール20部およ
び水80部からなる溶液(表面張力58dyne/c
m)を使用した。 (3)孔版印刷用原紙の製版および孔版印刷 実施例1と同様の方法で溶剤可溶性樹脂フィルムを文字
状に穿孔した。穿孔形状を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、文字に溶剤のハジキに起因すると思われるカケが認
められた。また実施例1と同様にして孔版印刷したとこ
ろ、穿孔不良に対応する文字のカケが発生し、鮮明は印
刷物が得られなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明の孔版印刷用原紙の製版方法によ
れば、コンピュータやワードプロセッサ等で作成した電
子原稿から、高品質な印刷版を直接かつ手軽に製版して
孔版印刷版を得ることができる。また本発明の孔版印刷
用原紙を用いて孔版印刷を行うと、鮮明な印刷画像を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す孔版印刷用原紙の製造
工程の説明図。
【符号の説明】
1…溶剤可溶性樹脂フィルム、2…非接着性支持体、3
…接着剤または粘着剤、4…多孔性支持体、5…接触角
を調整する層、6…孔版印刷用原紙。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤に対する接触角が40〜100°の
    範囲にある溶剤可溶性樹脂フィルムと多孔性支持体とを
    貼り合わせてなる孔版印刷用原紙の溶剤可溶性樹脂フィ
    ルム表面に、溶剤をノズルから噴射させて選択的に接触
    させ、該接触部分の溶剤可溶性樹脂フィルムを溶解し、
    該溶解液を多孔性支持体内部に浸透させて穿孔すること
    を特徴とする孔版印刷用原紙の製版方法。
  2. 【請求項2】 ノズルの口径が150μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の孔版印刷用原紙の製版方
    法。
  3. 【請求項3】 溶剤可溶性樹脂フィルムが、ジメチルシ
    ロキサン結合を有する化合物、パーフルオロアルキル基
    を有する化合物および炭素数12以上の長鎖アルキル基
    を有する化合物の少なくとも1つを含有するか、または
    これらの少なくとも1つの化合物との共重合物を含有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の製版方法に
    用いる孔版印刷用原紙。
  4. 【請求項4】 溶剤可溶性樹脂フィルム表面に、ジメチ
    ルシロキサン結合を有する化合物、パーフルオロアルキ
    ル基を持つ化合物および炭素数12以上の長鎖アルキル
    基を有する化合物の少なくとも1つを含有する層または
    これらの少なくとも1つの化合物との共重合物を含有す
    る層が形成されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の製版方法に用いる孔版印刷用原紙。
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