JPH08197424A - ワイヤ工具を用いる加工方法・ワイヤ工具を用いる加工装置 - Google Patents

ワイヤ工具を用いる加工方法・ワイヤ工具を用いる加工装置

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JPH08197424A
JPH08197424A JP1203095A JP1203095A JPH08197424A JP H08197424 A JPH08197424 A JP H08197424A JP 1203095 A JP1203095 A JP 1203095A JP 1203095 A JP1203095 A JP 1203095A JP H08197424 A JPH08197424 A JP H08197424A
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JP
Japan
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wire tool
wire
electrolytic solution
tool
negative electrode
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JP1203095A
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English (en)
Inventor
Yutaka Shimazaki
裕 島崎
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ワイヤ工具の電解ドレッシングをオンマシーン
で行う得る加工装置を実現する。 【構成】靱性のある金属細線の表面に金属をボンド材と
する砥粒層を有するワイヤ工具10を長手方向へ走行さ
せて被加工物に対する加工を行い、ワイヤ工具10の走
行路に近接して配備された電解用陰電極183とワイヤ
工具10との近接部にボンド材をイオン化して溶解させ
るための電解液180を供給しつつ、電解用陰電極18
3とワイヤ工具10との間に電解用の電圧を印加するこ
とにより、被加工物の加工とワイヤ工具10の電解ドレ
ッシングを同時に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は「ワイヤ工具を用いる
加工方法・ワイヤ工具を用いる加工装置」に関する。こ
の発明は、切断加工や溝形成加工を行う「マシニングセ
ンタ」用の加工装置に利用できる。
【0002】
【従来の技術】LSIの製造に用いられるSiウエファ
を初めとする電子部品等に用いられる硬脆材料の精密切
断加工等に用いられる「ワイヤ工具」として、「ピアノ
線の表面にニッケルをボンド材としてダイヤモンド粒を
電着した」ものが提案されている(精密工学会誌 58
/12/1992 69頁以下の研究論文「ダイヤモン
ド電着ワイヤ工具」)。
【0003】このワイヤ工具は、被加工物を選ばず(従
来から知られたワイヤ放電加工では被加工物が導電性の
ものに限られてしまう)、良好な加工が可能であるが、
被加工物が硬い場合には、砥粒として用いられているダ
イヤモンド粒の摩耗や脱落により工具としての切れ味が
低下し易く、比較的頻繁にドレッシング(目立て)を行
わねばならず、ドレッシングの度にワイヤ工具の着脱・
調整を行う必要があるため所謂「タクトタイム」が長
く、加工作業の能率が悪いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑みてなされたものであって、ワイヤ工具を用い、
加工と同時にドレッシングを行うことのできる新規な加
工方法および加工装置の提供を目的とする(請求項1〜
11)。
【0005】この発明の別の目的は、ワイヤ工具を取り
外すこと無く、ワイヤ工具の再生を実現できる新規な加
工装置の提供を目的とする(請求項3〜11)。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の「ワイヤ工具
を用いる加工方法」は、「被加工物の加工とワイヤ工具
の電解ドレッシングとを同時に行う加工方法」であっ
て、以下の点を特徴とする(請求項1)。
【0007】「ワイヤ工具」は、「靱性のある金属細線
の表面に、金属をボンド材とする砥粒層を有する」もの
であり、その長手方向へ走行して被加工物に対する加工
を行う。
【0008】ワイヤ工具の走行路に近接して配備された
電解用陰電極とワイヤ工具との間に「電解用の電圧」が
印加され、電解用陰電極とワイヤ工具との近接部に、
「ボンド材をイオン化して溶解させるための電解液」が
供給される。
【0009】請求項1記載の発明においては、上記の如
く「被加工物の加工とワイヤ工具の電解ドレッシング
と」が同時に行われる。被加工物の加工と電解ドレッシ
ングとは、常に同時に行っても良いが、複数回の加工に
対して1回の割合で電解ドレッシングを行う場合、例え
ば、加工回数:5回は電解ドレッシングを行わずに加工
を行い、6回目の加工の際に加工と同時に電解ドレッシ
ングを行うような場合をも含む。
【0010】請求項2記載の「ワイヤ工具を用いる加工
装置」は、請求項1記載の加工方法を実施できる装置で
あって、ワイヤ工具と、ワイヤ工具走行手段と、電解用
陰電極と、電圧印加手段と、電解液供給手段とを有す
る。
【0011】「ワイヤ工具」は上記と同様のものであ
る。
【0012】「ワイヤ工具走行手段」は、ワイヤ工具
を、加工部を通る所定の走行路に沿って長手方向へ走行
させる手段である。
【0013】「電解用陰電極」は、砥粒層の成分である
ボンド材(金属)をイオン化して溶かす電解作用を実行
するためのものであり、ワイヤ工具の走行路に近接して
配備される。この電解用陰電極に対する「陽電極」はワ
イヤ工具自体である。
【0014】「電圧印加手段」は、電解用陰電極とワイ
ヤ工具との間に電解用の電圧を印加する手段である。
【0015】「電解液供給手段」は、電解用陰電極とワ
イヤ工具との近接部に、ボンド材をイオン化して溶解さ
せるための電解液を供給する手段である。
【0016】請求項3記載の「ワイヤ工具を用いる加工
装置」は、上記請求項2記載の加工装置において、「ワ
イヤ工具の走行路が、ボンド材のイオンと砥粒とを含む
電着液槽中を通り、電着液槽中において電着用陽電極に
近接するとともに、ワイヤ工具と電着用陽電極との間に
電着用電圧を印加する手段を有する」ことを特徴とす
る。この場合、電着用陽電極に対する陰電極が「ワイヤ
工具」自体となる。
【0017】上記請求項2または3記載の加工装置にお
いて、電解液を蓄えた電解液槽を電解液供給手段とし、
ワイヤ工具の走行路と電解用陰電極とを電解液槽中に浸
漬してもよいし(請求項4)、あるいは、ワイヤ工具の
走行路を囲繞する円筒状電極を電解用陰電極とし、電解
液供給手段が「円筒状電極の所定の端部側に近接して電
解液を射出させるノズル」を有するように構成してもよ
い(請求項5)。
【0018】あるいは上記請求項2または3記載の加工
装置において、ワイヤ工具を、1対の巻きかけ部材に互
いに逆向きに巻きかけ、電解用陰電極を、1対の巻きか
け部材に近接して配備し、電解液供給手段が「1対の巻
きかけ部材に巻きかけられたワイヤ工具と電解用陰電極
の近接部に電解液を射出させる1対のノズル」を有する
ように構成することもできる(請求項6)。
【0019】上記の如く、ワイヤ工具は加工部を通って
走行するが、「加工部をワイヤ工具の直線的な走行路部
分に設定し、被加工物の切断加工を行う」ように構成す
ることができる(請求項7)。
【0020】あるいは、「ワイヤ工具を、その断面直径
よりも小さい受け溝を有するプーリーに巻きかけ、巻き
かけによる曲率部により、被加工物の切断加工および/
または溝加工を行う」ように構成してもよい(請求項
8)。
【0021】上記請求項2〜8の任意の1に記載された
加工装置において、ワイヤ工具は、これを「ループ状」
とし、「常に1方向へ走行させる」ようにしてもよく
(請求項9)、あるいは、ワイヤ工具を「有端」とし、
「長手方向にわたる走行を交互に逆向きに行う」ように
構成することもできる(請求項10)。
【0022】即ち、ワイヤ工具の両端をそれぞれ巻きか
け部材に巻きかけ、一方の巻きかけ部材からワイヤ工具
を繰り出すと供に他方の巻きかけ部材で巻き取りつつ、
長さ方向へ走行させて加工を行い、他方の巻きかけ部材
に完全に巻き取られたら、ワイヤ工具を逆向きに走行さ
せて上記一方の巻きかけ部材に巻き取るようにするので
ある。
【0023】ワイヤ工具において「母地」となる「靱性
のある金属細線」としては、各種の太さのピアノ線が好
適であるが、他に、「銅線」や「ニクロム線」等を適宜
に利用できる。
【0024】また「ボンド材」である金属としては「鋳
鉄・鉄・青銅・ニッケル・コバルト等」を用いることが
でき、「砥粒」としては、ダイヤモンド粒やCBN(キ
ュービック・ボロン・ナイトライド)粒を好適に用いる
ことができる。
【0025】また、請求項2〜10の任意の1に記載さ
れた加工装置において「電解液」としては、従来から広
く知られたPh:3程度の酸性の電解液を使用すること
もできるが、「弱電解性の水溶性研削液」は好適である
(請求項11)。
【0026】
【作用】図1(a)は、ワイヤ工具の微視的光像を模式
的に示している。符号3で示す「金属細線(母地)」の
上に、符号2で示す「砥粒」が、符号1で示す金属の
「ボンド材」により固定されている。
【0027】換言すれば、金属細線3上に「金属のボン
ド材1と、これに含まれた砥粒2とによる砥粒層」が形
成されているわけである。説明の具体性のため、ボンド
材1としては「鉄」が用いられているものとする。
【0028】図1(b)は、初期状態で電解ドレッシン
グが行われた状態を示している。初期状態であるので砥
粒2は殆ど摩耗していない。
【0029】電解ドレッシングが行われると、ボンド材
である鉄が「鉄イオン」となって電解液中に溶出する。
溶出した鉄イオンは電解液中の「水酸基」および「酸素
イオン」と結合して、それぞれ「水酸化鉄」および「酸
化鉄」となる。
【0030】この水酸化鉄と酸化鉄とは、砥粒層のボン
ド材表面に「絶縁性」の被膜4を形成する。被膜4の絶
縁性のため、被膜4の厚さがある程度になると、ボンド
材である鉄の溶出が止まる。
【0031】この状態でワイヤ工具が使用されると、被
膜4から突出している砥粒2により加工が行われ、ワイ
ヤ工具表面の砥粒1は次第に摩耗する。
【0032】このようにしてワイヤ工具の「切れ味」は
次第に低下するが、図1(c)に示すように、被膜4の
表面近傍にまで砥粒の摩耗が進行するすると、被膜4と
被加工物とが直接に摩擦しあうようになり、この摩擦に
より、被膜4は次第に失われる。
【0033】このようにして、図1(d)に示すように
皮膜4の厚さが薄くなると、皮膜4の導電性が回復し、
再び電解によりボンド材1が溶出・後退する。
【0034】これにより図1(e)に示すように皮膜が
形成され、新たな砥粒が突出する。これでワイヤ工具は
「目立て」された状態となる。
【0035】皮膜4は再びその厚さを増して絶縁性を再
獲するため、過度のボンド材溶出が防止される。以上が
「電解ドレッシング」のあらましである。
【0036】上には、電解ドレッシングの回数を2回と
して説明したが、実際には、砥粒突出・皮膜成長・砥粒
摩耗・皮膜摩耗・電解再開・砥粒突出...の各現象が
上記順序に連続して発生するため、加工性能の変動が殆
ど無く安定的に進行する。
【0037】この発明に於いては、上記の電解ドレッシ
ングを、ワイヤ工具による加工と同時、即ち「インプロ
セス」で行うことができる。
【0038】請求項3記載の発明の加工装置では、ワイ
ヤ工具が「ボンド材のイオンと砥粒とを含む電着液槽中
に浸漬され、電着液槽中において電着用陽電極に近接す
る」ので、ワイヤ工具を陰電極とし、電着用陽電極との
間に電着用の電圧を印加すると、ボンド材のイオンがワ
イヤ工具表面に鍍金されつつ、砥粒を取り込んで着床・
固定し「砥粒層を再生」する。
【0039】
【実施例】以下、具体的な実施例を説明する。
【0040】図2は、請求項2,4,9,11記載の発
明の1実施例を要部のみ説明図的に示す図である。この
実施例により、請求項1記載の加工方法が実施される。
【0041】加工ワイヤ10は「靱性のある金属細線の
表面に金属をボンド材とする砥粒層を有する」ものであ
り、例えば、金属細線はピアノ線、ボンドは鉄、砥粒は
ダイヤモンド粒である。
【0042】加工ワイヤ10はループ状に形成され、駆
動プーリー14に巻きかけられ、モーター14により常
に1方向(反時計回り)に走行される(請求項9)。
【0043】即ち、ワイヤ工具10を、加工部16を通
る所定の走行路に沿って長手方向へ走行させる「ワイヤ
工具走行手段」は、駆動プーリー12を初めとし、加工
ワイヤー10の走行路を形成する図示されないプーリー
等と、モーター14とにより構成される。
【0044】ワイヤ工具10の走行路に近接して電解用
陰電極183が配備され、ワイヤ工具10には接触子と
してカーボンブラシ182が接触している。電解用陰電
極183は「銅」製であるが、他にグラファイト等も電
解用陰電極の材料として好適である。
【0045】電解用陰電極183は直流電源184の陰
極に、カーボンブラシ182は直流電源184の陽極に
それぞれ連結されている。これによって、ワイヤ工具1
0と電解用陰電極183との間に電解用の電圧が印加さ
れるようになっている。
【0046】従ってカーボンブラシ182と直流電源1
84とは「電圧印加手段」を構成している。
【0047】ワイヤ工具10は、プーリー171,17
2,173,174により走行路を「コ字状」に曲げら
れることにより、電解液槽181内の電解液180内に
浸漬され、電解液槽181中に配備された電解用陰電極
183に近接している。
【0048】電解液180は、phが中性もしくは弱ア
ルカリ性の「弱電解性の水溶性研削液」である(請求項
11)。電解液槽183等を「耐酸性」にすれば、電解
液として旧来から知られた酸性の電解液を用いることも
できる。
【0049】電解用陰電極18とワイヤ工具10との近
接部に電解液180を供給する「電解液供給手段」は、
この実施例においては「電解液180を蓄えた電解液槽
181」であり、ワイヤ工具10の走行路と電解用陰電
極183とが電解液180中に浸漬されている(請求項
4)。
【0050】陽極となるワイヤ工具10と電解用陰電極
183とがともに電解液180内に浸漬された状態で電
解ドレッシングが行われるので、電解用陰電極183の
形状をワイヤ工具10に合わせる必要はなく、両者間の
ギャップを調整する必要もない。
【0051】モーター14の駆動によりワイヤ工具10
を長さ方向へ走行させつつ、加工部16において加工を
行い、電解用陰電極183とワイヤ工具10との間に電
解用の電圧を印加すれば、ボンド材がイオン化して溶解
することにより電解ドレッシングが実行されるので、被
加工物の加工とワイヤ工具10の電解ドレッシングを同
時に行うことができる(請求項1)。
【0052】なお、前記「作用」の欄において、電解ド
レッシングの際に「ボンド材の表面に絶縁性の被膜が形
成される場合」を説明したが、電解液とボンド材との組
合せによっては、絶縁性の被膜が形成されないような場
合もある。
【0053】このような場合には、電解用の電圧を調整
することにより、ボンド材の金属が過度に溶出しないよ
うにすればよい。例えば、トルクセンサー等によりモー
ター14のトルク負荷を検出し、「砥粒の脱落、摩耗、
加工部における目詰まり等」によりトルク負荷が所定の
閾値を超えて大きくなった場合のみに、電解用電圧を印
加し、それ以外のときは電圧の印加を行わないようにす
ることも一法である。
【0054】図2において符号16で示す加工部の構成
は、加工の種類により適宜に構成することができる。
【0055】例えば、「被加工物の切断加工」を行う場
合であれば、図3(a)に示すように、加工部16を、
ワイヤ工具10がプーリー11A,11Bにより案内さ
れる「直線的な走行路部分」に設定し、被加工物7を矢
印方向へ送ることにより、切断加工を行うことができる
(請求項7)。
【0056】また、「溝加工」を行う場合であれば、図
3(b),(c)に示すように、ワイヤ工具10を「そ
の断面直径よりも小さい受け溝」を有するプーリー11
cに巻きかけ、この巻きかけによる曲率部により、被加
工物7Aの溝加工を行うことができ、溝深さが一定でな
い溝の加工や、曲面に対する溝加工も可能である。勿
論、図3(b),(c)の例では「切断加工」も可能で
ある(請求項8)。
【0057】図1の実施例では、ワイヤ工具10を電解
液中に浸漬して電解ドレッシングを行ったが、図4
(a)に示すように、電解用陰電極20を「ワイヤ工具
10の走行路を囲繞する円筒状電極」とし、電解液供給
手段のノズル50を円筒状電極の所定の端部側に近接さ
せて、電解液40を射出させ、ワイヤ工具10の走行に
従って「円筒状電極内に電解液を通じ」て、電解ドレッ
シングを行うことができる(請求項5)。
【0058】あるいは、図4(b)に示すように、ワイ
ヤ工具10を1対の巻きかけ部材であるプーリー61,
62に「互いに逆向き」に巻きかけ、電解用陰電極2
1,22を1対のプーリー61,62に近接して配備
し、電解液供給手段の1対のノズル51,52により、
プーリー61,62に巻きかけられたワイヤ工具10と
電解用陰電極21,22の近接部に電解液を射出させ
て、電解ドレッシングを行うようにすることができる
(請求項6)。巻きかけの向きが互いに逆なので、ワイ
ヤ工具の全周を満遍なく電解ドレッシングできる。
【0059】図5は、請求項3記載の発明の1実施例を
要部のみ、即ち、電着を行う部分のみ模式図として示し
ている。
【0060】ワイヤ工具10は、例えば図の左方にあり
図示されていない「加工部(図3(a)もしくは
(b),(c)に示すような方式が可能である)」と
「電解ドレッシング部(図2または図4(a),(b)
に示すような方式が可能である)」を通過した後、プー
リー63,64,65,66により走行路を曲げられて
処理液25中をくぐらされて前処理され、さらにプーリ
ー67,68,69,70により走行路を曲げられて電
着液槽200の電着液100中に浸漬される。
【0061】電着液中においては円筒形状の電着用陽電
極70の中をくぐる。電着液100は「ボンド材のイオ
ンと砥粒と」を含む。電圧印加手段は、直流電圧電源7
5とカーボンブラシ30であり、カーボンブラシ30は
ワイヤ工具10を直流電圧電源75の陰極に接続し、電
着用陽電極70は直流電圧電源75の陽極に接続され
る。
【0062】ボンド材としてはニッケルやニッケル/コ
バルト合金が好適であり、砥粒としてはダイヤモンド粒
が好適である。「電着液」は、ボンド材がニッケルの場
合は「硫酸ニッケルやスルファミンニッケル」、ボンド
材がニッケル/コバルト合金の場合は「ワット浴」が好
適である。
【0063】上記状態でワイヤ工具10を走行させれば
「ボンド材のイオンがワイヤ工具表面に鍍金されつつ、
砥粒を取り込んで着床・固定し、砥粒層を再生する」こ
とができる。
【0064】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば、ワイヤ工具を用いる新規な加工方法・加工装置を提
供できる。
【0065】この発明は上記の如き構成となっているか
ら、加工と同時に電解ドレッシングを行うことができる
ため、目立てのために一々ワイヤ工具を着脱する必要が
なく、作業性を一段と向上させることができる(請求項
1,2〜11)。
【0066】請求項3記載の発明は、ワイヤ工具を加工
装置に装着したままで「再生」できる。請求項11記載
の発明は、電解液が「弱電解性の水溶性研削液」である
ので電解液槽等に耐酸処理を施す必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の特徴となる電解ドレッシングを説明
するための図である。
【図2】請求項2記載の発明の1実施例を要部のみ模式
的に示す図である。
【図3】加工部の形態を説明するための図である。
【図4】電解液供給手段の具体例を2例説明するための
図である。
【図5】請求項3記載の発明の1実施例を特徴部分のみ
示す図である。
【符号の説明】
1 ボンド材 2 砥粒 3 金属細線

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】靱性のある金属細線の表面に金属をボンド
    材とする砥粒層を有するワイヤ工具を長手方向へ走行さ
    せて被加工物に対する加工を行い、 上記ワイヤ工具の走行路に近接して配備された電解用陰
    電極とワイヤ工具との近接部に、上記ボンド材をイオン
    化して溶解させるための電解液を供給し、 上記電解用陰電極とワイヤ工具との間に電解用の電圧を
    印加することにより、 被加工物の加工と、ワイヤ工具の電解ドレッシングを同
    時に行うことを特徴とするワイヤ工具を用いる加工方
    法。
  2. 【請求項2】靱性のある金属細線の表面に金属をボンド
    材とする砥粒層を有するワイヤ工具と、 このワイヤ工具を、加工部を通る所定の走行路に沿って
    長手方向へ走行させるワイヤ工具走行手段と、 上記ワイヤ工具の走行路に近接して配備された電解用陰
    電極と、 この電解用陰電極と上記ワイヤ工具との間に電解用の電
    圧を印加する電圧印加手段および、 上記電解用陰電極とワイヤ工具との近接部に、上記ボン
    ド材をイオン化して溶解させるための電解液を供給する
    電解液供給手段とを有することを特徴とするワイヤ工具
    を用いる加工装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の加工装置において、 ワイヤ工具の走行路が、ボンド材のイオンと砥粒とを含
    む電着液槽中を通り、電着液槽中において電着用陽電極
    に近接するとともに、上記ワイヤ工具と電着用陽電極と
    の間に電着用電圧を印加する手段を有することを特徴と
    する、ワイヤ工具を用いる加工装置。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載の加工装置におい
    て、 電解液供給手段は、電解液を蓄えた電解液槽であり、ワ
    イヤ工具の走行路と電解用陰電極とが上記電解液槽の電
    解液中に浸漬されていることを特徴とするワイヤ工具を
    用いる加工装置。
  5. 【請求項5】請求項2または3記載の加工装置におい
    て、 電解用陰電極は、ワイヤ工具の走行路を囲繞する円筒状
    電極であり、 電解液供給手段が、上記円筒状電極の所定の端部側に近
    接して、電解液を射出させるノズルを有することを特徴
    とするワイヤ工具を用いる加工装置。
  6. 【請求項6】請求項2または3記載の加工装置におい
    て、 ワイヤ工具は、1対の巻きかけ部材に互いに逆向きに巻
    きかけられ、 電解用陰電極は、上記1対の巻きかけ部材に近接して配
    備され、 電解液供給手段が、上記1対の巻きかけ部材に巻きかけ
    られたワイヤ工具と電解用陰電極の近接部に電解液を射
    出させる1対のノズルを有することを特徴とするワイヤ
    工具を用いる加工装置。
  7. 【請求項7】請求項2または3または4または5または
    6記載の加工装置において、 加工部が、ワイヤ工具の直線的な走行路部分に設定さ
    れ、被加工物の切断加工を行うように構成されたことを
    特徴とするワイヤ工具を用いる加工装置。
  8. 【請求項8】請求項2または3または4または5または
    6記載の加工装置において、 ワイヤ工具が、その断面直径よりも小さい受け溝を有す
    るプーリーに巻きかけられ、この巻きかけによる曲率部
    により、被加工物の切断加工および/または溝加工を行
    うように構成されたことを特徴とするワイヤ工具を用い
    る加工装置。
  9. 【請求項9】請求項2または3または4または5または
    6または7または8記載の加工装置において、 ワイヤ工具がループ状であり、常に1方向へ走行される
    ことを特徴とするワイヤ工具を用いる加工装置。
  10. 【請求項10】請求項2または3または4または5また
    は6または7または8記載の加工装置において、 ワイヤ工具が有端であり、長手方向にわたる走行を交互
    に逆向きに行われることを特徴とするワイヤ工具を用い
    る加工装置。
  11. 【請求項11】請求項2または3または4または5また
    は6または7または8または9または10記載の加工装
    置において、 電解液が弱電解性を有する水溶性研削液であることを特
    徴とするワイヤ工具を用いる加工装置。
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