JPH08196949A - 超微量液体吐出装置 - Google Patents

超微量液体吐出装置

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JPH08196949A
JPH08196949A JP3164095A JP3164095A JPH08196949A JP H08196949 A JPH08196949 A JP H08196949A JP 3164095 A JP3164095 A JP 3164095A JP 3164095 A JP3164095 A JP 3164095A JP H08196949 A JPH08196949 A JP H08196949A
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JP
Japan
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liquid
pump
viscosity liquid
diaphragm
low
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JP3164095A
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English (en)
Inventor
Nobuo Kito
信雄 木藤
Toru Kuwata
透 桑田
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Anest Iwata Corp
Original Assignee
Anest Iwata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 瞬間接着剤等の低粘度液体を微量吐出する装
置において、圧電素子を駆動源とするダイヤフラム式ポ
ンプを用いて、該ポンプに一定の水位を維持して液体を
供給する供給装置を持つ吐出装置で、該吐出装置が高精
度の超微量定量性と、高速応答性を可能にすると共に吐
出する液滴を飛翔させ、吐出ノズル先端に液だまりがな
く、取扱性が容易で、耐久性の高い超微量液体吐出装置
を提供することを目的とする。 【構成】 圧電素子を駆動源とするダイヤフラム式ポン
プが逆止弁を持たないポンプで、該ポンプのガラス製ダ
イヤフラムを供給口から傾斜してポンプケースに挟設
し、ポンプ室に直結して吐出ノズルを付設し、低粘度液
体を飛滴させると共に、前記ポンプに供給する透明材料
製の供給装置が、同心二重管からなり、外周管に負圧で
蓄積する液体を、中心管に、自然現象を利用して、一定
水位で自動的に低粘度液体を補給する機構をもつ超微量
間欠定量高速吐出装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生産、研究分野におけ
る、小部品の組立、液体の分注等に、接着剤の塗布、潤
滑材の塗布、塗料等の塗布、または試薬品の分注等を行
うもので、低粘度液体を被塗物等に非接触で、微量間欠
定量吐出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の低粘度液体、例えば瞬間接
着剤、潤滑油、フラックス、嫌気性接着剤、磁性流体、
インク、低粘度塗料等を、微量間欠または、連続的に吐
出するディスペンサー装置として、回転するローラーを
公転させて弾性チューブをしごきながら液体をポンピン
グするスクイズ形のチューブポンプ、または、シリンジ
と称する透明円筒容器に液体材料を封入し、正確に制御
されたパルスエアで直接液体を加圧して定量吐出するパ
ルス方式のもの、あるいは、一般のシリンダー形のポン
プのような逆止弁機構をなくして、二本のピストンの相
対動作により液体の吸引、計量、吐出を行うプランジャ
ー形のシリンジポンプと称するポンプ等で行われてい
る。
【0003】スクイズ形のチューブポンプ式のディスペ
ンサーは、バルブ機構がなく、低圧での連続圧送には適
するが、量産工場等で必要とする高速応答性がないこと
や、ポンピングのための弾性チューブの寿命が短く、性
能の安定性、精密定量性に難があり、短期間で弾性チュ
ーブを交換しなければならない欠点をもっている。ま
た、ローラーで絞りながら圧送することから吐出ノズル
での液だまりが発生しやすく、これを防止するために
は、回転するローラーの逆回転によって圧送した液を引
き戻す操作が必要になるものである。
【0004】また、透明円筒容器にパルスエアで加圧す
る方式は、加圧する圧縮気体であるパルスエアでの圧力
制御が微妙で、吐出精度の維持、調整に難があると共
に、吐出ノズル先端での液だまりが発生しやすい問題を
もっている。
【0005】また、プランジャー形のシリンジポンプ式
は、低粘度液体を二本のピストンの相対駆動によって定
量性を確保するための複雑微妙な制御が必要であるこ
と、また、液体吸引時の負圧は、供給する液体の水頭差
によって、吸引量に差が生じ、したがって、吐出量が変
化してしまうために、供給圧力の制御が複雑となる問題
を持っている。また、低粘度液体の場合チューブポンプ
式と同じく、吐出ノズル先端に液だまりが発生しやす
く、吐出後ピストン作動の調整によって、圧送液体を引
き戻す動作が必要となっている。そして、この方式では
超微量吐出には難がある。また、上記いずれのディスペ
ンサー装置も飛滴させることが困難であることから、上
方からの滴下以外は、被塗物に接触させるか、または極
く近接して塗布する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
前記ディスペンサー装置において、接着剤等の低粘度液
体を超微量定量吐出する場合、従来機は、量産工場等で
使用する際の高速応答ができない難点、吐出ノズル先端
での液だまり発生、塗布時吐出ノズルを接触または、極
く近接しなければならない点、また、超微量定量吐出の
精度確保が困難かまたは、複雑な制御が必要である難点
を持っている。
【0007】本発明の目的は、前記問題点を解決するた
めに、圧電素子を用いたダイヤフラム式ポンプでポンピ
ングすることによって、超高速応答を可能にすると共
に、吐出ノズルから吐出する液滴を飛翔させることによ
って、吐出ノズル先端での液だまりをなくすと共に、吐
出ノズルが被塗物から離れていても塗布できるようにし
て、被塗物の立面部、凹部等にも容易に塗布できる作業
性の容易な超微量間欠定量液体吐出装置を提供しようと
するものである。
【0008】また、前記吐出装置の耐久性を確保するた
めに、たわみ量が正確で耐久性の高いガラス製のダイヤ
フラムを採用すると共に、低粘度液体の補給時等に発生
しやすい、液体中に混入する気泡の発生を排除すること
である。
【0009】また、超微量定量性の精度を維持するため
に、前記ガラス製ダイヤフラムの理想的弾性体としての
精度を利用すると共に、自然現象を利用して、水位が自
動的に一定に維持される低粘度液体供給装置を提供せん
とするものである。そして、該液体供給装置は、外観か
ら液体の減量が一見できるもので、そのための、減量検
知装置のような新たな装置を必要としないもので、蓄積
される低粘度液体材料が長時間使用できる十分な量が確
保され、かつ、最終使用残量が少ないものを提供するこ
とである。
【0010】さらに、間欠的に噴射される低粘度液体量
の調整制御は、直流電源から圧電素子に加えられるパル
ス印荷制御によって行い、液体補給時または、洗浄時等
に使用される切替えのためのバルブ機構は、バルブ制御
機構と共に一括して制御ボックスに収納し、制御しよう
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電素子を駆
動源とするダイヤフラム式ポンプと、該ポンプのダイヤ
フラムが変位するたわみ量に応じて、低粘度液体を一定
の水位圧力で供給する液体供給装置を持つ液体吐出装置
であって、前記ダイヤフラム式ポンプが、ガラス製ダイ
ヤフラムで、かつ、逆止弁を持たないポンプで、ポンプ
に供給する低粘度液体供給装置の水位が自動的に一定に
保持される供給容器を持つ超微量液体吐出装置である。
【0012】そして、圧電素子を駆動源とするダイヤフ
ラム式ポンプにおいて、該ポンプのポンプケースに挟設
されるダイヤフラムが、気泡を排除するために、ダイヤ
フラムに近接して穿設される液体供給口側から下向き方
向に、傾斜して配設されたポンプ室となっていて、該ポ
ンプが、逆止弁を持たないものであるとき、ポンプケー
スに穿設される低粘度液体供給通路が、十分絞られた小
孔通路であり、該小孔通路に対応して、ポンプに直結す
る吐出ノズル口径が、低粘度液体が自由滴下しない口径
である、ダイヤフラム式ポンプ本体を持つ超微量液体吐
出装置である。
【0013】また、ダイヤフラム式ポンプに低粘度液体
を供給するための供給装置が、透明材料製の同心二重管
からなり、中心管が大気圧に開放され、供給液体を蓄積
する外周管が、液面上が負圧の密閉管となる、供給装置
であって、該供給装置の中心管が大気圧に開放された液
面で、吐出ノズル先端と同一水頭を持ち、該液面の水位
と略同一面に明けられる低粘度液体補給通路孔が、微小
量づつ空気を補給するために、十分に絞られた小孔とな
っている低粘度液体供給装置をもつ、超微量液体吐出装
置である。
【0014】また、圧電素子を駆動源とするダイヤフラ
ム式ポンプと、液体供給装置を持つ液体吐出装置におい
て、低粘度液体の補給、および液体吐出装置の洗浄を、
ダイヤフラム式ポンプの吐出ノズルを介して、補給また
は洗浄を行うための吸排気両用ポンプからの配管回路を
持つ超微量液体吐出装置である。
【0015】
【作用】超微量液体吐出装置の作用、動作を図1を参照
して説明する。低粘度液体を加圧するためのポンプ室
(1)に直結して、交換可能な、吐出ノズル(2)が取
りつけられる。吐出ノズル(2)に対向する位置にガラ
ス製ダイヤフラム(3)が、ポンプケース(5)にパッ
キンを介して挟設され、ポンプ室(1)のガラス製ダイ
ヤフラム(3)の背面に圧電素子(4)が接着されてい
る。ここでは板状の圧電素子で説明するが、積層状の圧
電素子を使用することも可能である。直流電源からケー
ブル(4a)を介しパルス電圧が印荷されると、前記圧
電素子(4)がポンプ室(1)側に歪んで、ガラス製ダ
イヤフラム(3)がポンプ室側にたわむことによって、
低粘度液体に高液圧が加えられ、ダイヤフラムの対向面
に配設されている吐出ノズル(2)から、高速で低粘度
液体が吐出される。低粘度液体が加圧される際、ポンプ
室(1)内の液体は当然供給口(6c)側にも逆流する
が、ポンプケース下蓋(5a)に穿設される液体供給通
路が小孔径に絞られて逆流を緩和すると共に、ダイヤフ
ラムで加えられる圧力伝播方向に吐出ノズル(2)が配
設されているので、より強く吐出ノズル側に圧力が加わ
り、低粘度液体は勢いよく噴射する。パルス印荷が終わ
るとダイヤフラムは元に戻る。ダイヤフラムが元に戻る
ときポンプ室内は負圧となり、この負圧によって液体供
給口(6c)から低粘度液体が供給される。この供給と
同時に吐出ノズル(2)先端部の低粘度液体もポンプ室
側に引き戻される。これは、吐出ノズル(2)先端に溜
まりやすい液だまりの防止となり、従来機が逆回転等の
別体の機構を必要とするのに対して、非常に有効な液だ
まり防止機構となるものである。
【0016】ガラス製ダイヤフラム(3)が、ポンプケ
ース(5)に傾斜して挟設されるのは、低粘度液体を、
吐出ノズル(2)から強力な真空力で吸引して、低粘度
液体の蓄積容器である外周管(7)内に蓄積する際、吐
出ノズル(2)から、たまたま液体と共に吸引される空
気が、ポンプ室(1)内、特に気泡の溜まりやすいガラ
ス製ダイヤフラム(3)の近傍に、空気が残らないよう
に液体供給口(6)側から下向きに傾斜させて、これを
回避するためである。
【0017】ポンプ室(1)内に供給される低粘度液体
の供給圧力は、僅かの圧力差でも微量な吐出量に誤差が
生じるため、供給圧力は精度の非常に高いものでなけれ
ばならない。透明材料製の同心二重管容器は、外周管
(7)を低粘度液体蓄積容器に、中心管(8)を水位一
定装置として大気圧に開放された構成としている。そし
て、中心管(8)の大気圧に開放される液面レベル(8
a)は、ポンプ室(1)に配設される吐出ノズル(2)
の先端と同水頭となっている。外周管(7)への低粘度
液体の蓄積は、密閉された外周管(7)の液面上を負圧
にすることによって蓄積されている。そして、その下部
は液体供給通路(6)に直結している。水位レベルを一
定に供給するための中心管(8)の下部に大気に開放さ
れた液面レベル(8a)と略同一面に低粘度液体補給通
路孔(6b)が十分に絞られた形状で明けられている。
吐出ノズル(2)から液体が吐出され、供給通路(6)
を介して供給口(6c)から液体が供給された分、中心
管の液面レベル(8a)は低下する。液面レベル(8
a)は、前記補給通路孔(6b)と同一レベル面に明け
られているので、液面が、該補給通路(6b)孔の上面
より僅かでも下がると、大気が液体と共に吸引される。
そして、吸引された大気は供給通路(6)に直結した外
周管(7)の下部から気泡となって、外周管の上部の負
圧部に浮上する。負圧で支えられている蓄積液面(7
a)は気泡が入った分だけ下がり、低粘度液体は中心管
(8)に補給される。したがって、中心管(8)の液体
は補給通路孔(6b)の孔の上面レベルで常に一定に保
たれ、精密な水位が維持されることになる。
【0018】透明材料製の同心二重管の外周管(7)、
中心管(8)に通ずる配管が、二方バルブ(13)(1
4)を介して配設されている。作業前、低粘度液体を外
周管(7)に補給するとき、二方バルブ(13)が開か
れ真空ポンプにより、吐出ノズル(2)から低粘度液体
が補給される。このとき、中心管(8)の上の二方バル
ブ(14)は閉じられている。また、作業終了時は、こ
の外周管(7)中心管(8)に空気を加圧して液体材料
や洗浄剤の排出を早めることができるようになってい
る。そして、洗浄時は洗浄剤を吸引して洗浄剤に加圧、
負圧を繰返して、吐出ノズル(2)、ポンプ室(1)を
含めた吐出装置装置内部の洗浄を容易にするようになっ
ている。中心管(8)に大気圧の気体を供給する配管に
は除湿装置(15)が配設されている。該除湿装置は、
大気中の湿気と反応するシアノアクリレートのような瞬
間接着剤の使用に対処されている。低粘度液体の外周管
(7)への補給または、装置内の洗浄時は、中心管
(8)が補給通路孔(6b)によって連通していること
から、二方バルブ(13)(14)の関連制御、およ
び、吸引、加圧等の切替えのための三方バルブ、パルス
電圧印荷のための直流電源等の制御機器は、一括して制
御ボックス(106)に収納され、これら運転、調節
は、制御ボックス(106)で操作され、遠隔制御され
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明の超微量液体吐出装置の要部
断面図を示し、図2は本発明の全体構成を示す模式図で
ある。本装置で説明する構成部品の配置等については、
本発明を限定するものではなく一実施例として説明する
ものである。図1において、1は低粘度液体をポンピン
グするためのポンプ室、2は吐出ノズルで、吐出ノズル
2は袋ナット2aで取付けられている。吐出ノズル2
は、液体材料の粘度や特性、または基本吐出量の設定等
のために、吐出ノズル口径、形状等の異なる吐出ノズル
を、袋ナット2aによって、交換取付けが可能となって
いる。ポンプ室1はポンプケース5の下蓋5aと、上蓋
5bに穿設した凹部空間で形成されている。下蓋5aと
上蓋5bは互いに、フランジ形にボルト5cで締め付け
られている。ポンプ室1の上部に、理想的弾性体として
の、ガラス製ダイヤフラム3が、下蓋5aと上蓋5bと
の間に、パッキンを介して、挟設されている。下蓋5a
には、ポンプ室1から吐出ノズル2を取付けるためのね
じが切られている。また、下蓋5aの側面から低粘度液
体を供給するための供給通路6が穿設されている。該供
給通路6には、供給口6cが、ガラス製ダイヤフラム3
に近接した位置に明けられている。供給口6cの可及的
近傍に、小孔通路6aが穿設され、ポンプ室1での液体
加圧時に、液体の供給装置側への逆流を緩和するために
設けられている。この小孔通路6aは、細すぎると液体
供給時の高い抵抗となり、太すぎると逆流緩和の効果が
少なくなる。したがって、この小孔通路6aはポンピン
グ量に関係するガラス製ダイヤフラムのたわみ量と、吐
出ノズルの口径等との関連において適正な値に決められ
る。本発明を限定するものではないが、本装置では略孔
径2mmの通路となっている。
【0020】ガラス製ダイヤフラム3は、供給口6cか
ら下向きの吐出ノズル2の方向に傾斜して、下蓋5aと
上蓋5bの間に挟設されている。これは、作業前等の液
体材料補給時に、吐出ノズル2からたまたま吸引した空
気が上部のガラス製ダイヤフラム面に残らないようにす
るためである。ポンプケース5は、供給装置側のロング
ボルト20に取付けられるホルダー18からの支え棒1
6で支えられ、所定位置で固定されている。ポンプケー
ス下蓋5aの供給通路6は、可撓性チューブ6dによっ
て、供給装置の下部フランジ11に接続されている。
【0021】ポンプケース5を支えるためのホルダー1
8は、ロングボルト20に固定されるホルダー軸19に
よって、上下に摺動可能に嵌合されている。そして、ホ
ルダー18は、所定の高さ位置で固定つまみ(図示せ
ず)によって固定される。ホルダー18に嵌入される支
え棒16は、出入りおよび、回転可能に支えられてい
て、吐出ノズルの水平方向への移動と吐出ノズル2の噴
射方向の調節が可能となっている。調節終了後固定つま
み17によって固定される。吐出ノズル2の先端は、供
給容器9の中心管8の大気圧に開放される液面8aと同
一水頭でなければならない。ホルダー軸19に上下に摺
動可能に嵌合されているホルダー18は、吐出ノズル2
の先端高さを、前記液面8aに調節する際に使用され
る。
【0022】供給装置の主体は、中心管8と外周管7の
同心二重管から形成されている。同心二重管は透明材料
製で外周管7に蓄積される低粘度液体の蓄積量が外観か
ら一見して、その減量が目視できるようにするものであ
る。したがって、透明材料はガラスパイプか、または耐
溶剤性のある透明樹脂パイプが使用される。同心二重管
は、下部フランジ11と上部フランジ12の間に、数本
のロングボルト20によって、パッキンを介して挟設さ
れている。下部フランジ11には同心二重管をセットす
るためのインロー溝11a、中心管8のインロー溝11
bが円周状に穿設されている。そして外周管7の下部の
インロー溝11a、と11bの間に蓄積した低粘度液体
を補給するための円周溝11cが供給通路6に交差する
深さで穿設されている。円筒穴11dの下部に、フラン
ジ11の外周面から水平に、供給通路6が明けられてい
る。そして円筒穴11dに連通する部分で、補給通路孔
6bが小孔に絞られて明けられている。ここで小孔に絞
られるのは、大気圧に開放される液面8aが、吐出ノズ
ル2からの吐出によって、液面レベルが低下して、補給
通路孔6bの上面より下がって空気が吸引される際、徐
々に吸引されるように小さくしたもので、ポンプケース
5の小孔通路6aと同じように、あまり小さくすると供
給抵抗が高くなり、大きくすると一度に大量の空気が吸
込まれ、液体が大量補給されて、液面8aが上昇して、
吐出量誤差や吐出ノズル先端液だまりの原因となる。本
発明を限定するものではないが、本装置では略2mmの
孔径で明けられている。
【0023】下部フランジ11の円周側面に伸びている
レベル棒11eは、中心管8の補給通路孔6bの上面、
すなわち、大気圧開放液面8aを示す標識棒で、このレ
ベル棒11eの高さに吐出ノズル先端位置を調節するた
めのものである。この吐出ノズルの位置高さは重要で、
故障の原因となりやすい逆止弁が無いことから、中心管
の液面レベル8aより、吐出ノズル先端が下がると、低
粘度液体は水頭差によって液体が流れ出る。また吐出ノ
ズル位置が高すぎると、吐出ノズル先端に空隙ができ正
確な液体吐出が得られなくなる。
【0024】下部フランジ11に載台21がボルト24
によって固定されている。載台21は載台ホルダー22
に、上下、および回転可能に嵌入されている。そして調
節された吐出ノズル2の位置を変えずに、本装置全体の
位置を被塗物に合わせて移動可能となっている。調節さ
れた位置で、固定つまみ23によって固定される。ホル
ダー22はベース25上にボルト26で固定されてい
る。
【0025】上部フランジ12には、同心二重管を密閉
挟設するためのインロー溝12c、12dが、下部フラ
ンジと同じように、円周上に穿設されている。インロー
溝12c、12dの間の外周管7の上部に低粘度液体
を、吐出ノズルを介して吸引補給するための、吸引気体
通路12aが設けられている。そして、上部フランジ1
2の外周面に遠隔制御可能な二方バルブ13が取付けら
れている。二方バルブ13からエア操作部105に、可
撓性配管チューブ27によって、配管されている。上部
フランジ12の中心部の中心管の上に、大気圧に開放す
るための、大気圧供給通路12bが明けられていて、上
部フランジの上面に、遠隔制御可能な、二方バルブ14
が接続されている。そして二方バルブ14からエア操作
部105に、可撓性チューブ配管28で配管される途中
に除湿装置15が配設されている。
【0026】以上の構成において、低粘度液体補給時
は、真空ポンプによる可撓性チューブ配管27からの負
圧によって、吐出ノズル口2からポンプ室1、供給路6
を経て、供給容器9の外周管7に低粘度液体が吸い上げ
られる。低粘度液体が所定の位置まで蓄積されると、二
方バルブ13は閉じられ、蓄積した液体は、負圧力によ
って、そのまま蓄積されている。この負圧吸引の際は、
中心管8の上の二方バルブ14は、閉じた状態となって
いる。そして、低粘度液体の蓄積完了後、中心管8を大
気圧に開放することによって、中心管の液面レベル8a
は、補給通路孔11dの上面に調節された吐出ノズル先
端位置迄下がり、低粘度液体の補給が終わり、作業準備
の完了となる。これによって、常に正確な水位位置でポ
ンプ室1に低粘度液体が供給され、圧電素子4を駆動さ
せることによって、ポンピングが開始される。吐出ノズ
ル2からの吐出量は、ガラス製ダイヤフラム3のたわみ
量、すなわち、圧電素子4に加えられる電圧を変化させ
ることにより調節することができ、最小吐出量は1サイ
クル当たり0.0001g前後の微量吐出が可能とな
り、間欠吐出される吐出サイクルも百数拾ヘルツの飛滴
が可能となる。これは従来機の数十倍の高速吐出が可能
となるものである。作業終了後、蓄積されている低粘度
液体の残量の排出を早めるために、制御ボックス内にあ
る三方切替えバルブ(図示せず)の切替えにより、加圧
空気が、負圧配管と同じ可撓性チューブ配管27、28
から送られる。その際、三方切替バルブの切替えと同時
に、供給装置側に設けられる二方バルブ13、14は開
かれ、外周管7、中心管8の両液面を加圧して、液体の
排出を早めるようになっている。低粘度液体排出後、装
置内の洗浄を行う。洗浄は補給時と同じく、吐出ノズル
から洗浄剤を負圧によって吸引し、三方切替えバルブの
切替えによって加圧して、洗浄剤を排出する。この作動
を数回繰返すことによって、ポンプ室1内、供給通路
6、および同心二重管内等が完全に洗浄される。
【0027】図2の超微量液体吐出装置の全体構成を示
す模式図を説明する。図2において、上記図1で説明し
た装置内容の説明は原則省略する。101は圧電素子を
駆動するダイヤフラム式ポンプ、102は低粘度液体供
給装置、103、104は遠隔制御可能な二方バルブ、
105は真空ポンプ、圧縮空気発生源、空気供給圧力を
切替えるための三方電磁切替バルブ等を収納したエア操
作部、107は発振機、108は直流電源を示す。10
6は、前記エア操作部105、発振機、直流電源を一括
関連して制御するための制御ボックスである。前記エア
操作部105、パルス発振機107、直流電源108等
の装置は、一括して制御ボックスに収納されるかまた
は、部分的に別体で構成されることもある。制御ボック
ス106内には、パルス発振機から出た信号を計数する
カウンターがあり、任意の数に制御される発振数を計測
表示する。また、単発の信号を与えるために、印荷時間
を制御するタイマーが収納されている。エア操作部から
可撓性のチューブの配管111、112によって、低粘
度液体供給装置に接続されている。直流電源108から
の電流は制御ボックス106でコントロールされてお
り、必要塗布信号発振源で、ケーブル113を介して、
ダイヤフラムポンプ101の圧電素子に印荷される。1
09は試験的に噴射する場合等に使用するための手押し
スイッチである。110は吸湿材を内蔵する一般的な除
湿装置である。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので以下に記載するような効果を奏する。
【0029】圧電素子を駆動源とする逆止弁を持たない
ダイヤフラム式ポンプを使用することによって、低粘度
液体を、高速応答、高速噴射を可能にして、量産工場等
に適応した生産性の高い超微量液体吐出装置が提供でき
る。
【0030】ダイヤフラム式ポンプのダイヤフラムにガ
ラス性ダイヤフラムを使用することによって、吐出量精
度が精密で、耐久性の高い装置となる。
【0031】ダイヤフラム式ポンプのポンプ室に直結し
て吐出ノズルを配設して、液滴を飛翔させることによっ
て、吐出ノズル先端に液だまりの発生がなく、被塗物の
立面部、凹部等に容易に塗布できる、作業性の良い吐出
装置となる。
【0032】また、前記ポンプ室のダイヤフラムを傾斜
して挟設したことによって、低粘度液体の補給時、空気
がポンプ室に残らないで安定した定量吐出が維持でき
る。
【0033】また、前記ダイヤフラム式ポンプが逆止弁
を持たないポンプとしたことによって、逆止弁部で発生
しやすい、弁の固着等のない、洗浄容易な吐出装置とな
る。
【0034】低粘度液体供給装置が、自然現象を利用し
て、水位が自動的に一定となる供給装置としたことによ
って、安定的な超微量吐出を可能にした。
【0035】また、供給装置の同心二重管を透明材料と
したことによって、レベル検知装置の必要としない安価
で、確実な供給装置を持つ吐出装置となる。
【0036】液体の補給および洗浄を行うためのポンプ
を吸排気両用ポンプにて行うことにより装置の簡略化が
可能となる。
【0037】超微量液体吐出装置の操作、制御を一括し
た制御ボックスで制御できるようにしたことによって、
吐出液量の調節、補給、洗浄等の操作性が容易な装置が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、一実施例を示す超微量液体吐出装置
の要部断面図である。
【図2】本発明の、超微量液体吐出装置の全体構成を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 ポンプ室 2 吐出ノズル 3 ガラス製ダイヤフラム 4 圧電素子 5 ポンプケース 6 供給通路 6a 小孔通路 6b 補給通路孔 6c 供給口 7 外周管 8 中心管 11、12 下部、上部フランジ 13、14 二方バルブ 15 除湿装置 101 ダイヤフラム式ポンプ 102 液体供給装置 106 制御ボックス 107 発振機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子を駆動源とするダイヤフラム式
    ポンプと、該ポンプのダイヤフラムが変位するたわみ量
    に応じて、低粘度液体を一定の水位圧力で供給する液体
    供給装置を持つ液体吐出装置であって、前記ダイヤフラ
    ム式ポンプが、ガラス製ダイヤフラムで、かつ逆止弁を
    持たないポンプで、該ポンプに供給する低粘度液体供給
    装置の水位が自動的に一定に保持される供給容器を持つ
    超微量液体吐出装置。
  2. 【請求項2】 圧電素子を駆動源とするダイヤフラム式
    ポンプにおいて、該ポンプのポンプケースに挟設される
    ダイヤフラムが、気泡を排除するために、ダイヤフラム
    に近接して穿設される液体供給口側から下向き方向に、
    傾斜して配設されたポンプ室となっている請求項1記載
    の超微量液体吐出装置。
  3. 【請求項3】 圧電素子を駆動源とするダイヤフラム式
    ポンプにおいて、該ポンプが、逆止弁を持たないもので
    あるとき、ポンプケースに穿設される低粘度液体供給通
    路が、十分絞られた小孔通路であり、該小孔通路に対応
    して、ポンプに直結する吐出ノズル口径が、低粘度液体
    が自由滴下しない口径である、請求項1記載の超微量液
    体吐出装置。
  4. 【請求項4】 圧電素子を駆動源とするダイヤフラム式
    ポンプにおいて、該ポンプに低粘度液体を供給するため
    の供給装置が、透明材料製の同心二重管からなり、中心
    管が大気圧に開放され、供給液体を蓄積する外周管が、
    液面上が負圧の密閉管となる供給装置である、請求項1
    記載の超微量液体吐出装置。
  5. 【請求項5】 透明材料製の同心二重管からなる供給装
    置の中心管が、大気圧に開放された液面で、吐出ノズル
    先端と同一水頭を持ち、該液面の水位と略同一面に明け
    られる低粘度液体補給通路孔が、微小量づつ空気を補給
    するために、十分に絞られた小孔となっている、請求項
    1記載の超微量液体吐出装置。
  6. 【請求項6】 圧電素子を駆動源とするダイヤフラム式
    ポンプと、液体供給装置を持つ液体吐出装置において、
    低粘度液体の外周管への補給、および液体吐出装置の洗
    浄を、ダイヤフラム式ポンプの吐出ノズルを介して行う
    ための、吸排気両用ポンプからの配管回路を持つ、請求
    項1記載の超微量液体吐出装置。
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