JPH08196812A

JPH08196812A - 濾過設備

Info

Publication number: JPH08196812A
Application number: JP7009634A
Authority: JP
Inventors: Noboru Shiromizu; 暢白水; Saburo Hosoda; 三朗細田; Fujitoshi Mukai; 藤利向井; Takayoshi Nishida; 孝義西田
Original assignee: NIPPON SUIDO KYOKAI; Maezawa Industries Inc
Current assignee: NIPPON SUIDO KYOKAI; Maezawa Industries Inc
Priority date: 1995-01-25
Filing date: 1995-01-25
Publication date: 1996-08-06

Abstract

(57)【要約】【目的】既存の浄水施設に設けられている濾過池や濾
過槽等の濾過設備をそのままの状態で使用しながら活性
炭処理を行うことができ、しかも、粒状活性炭を用いて
再生使用することが可能な濾過設備を提供する。【構成】濾材層１２の上方から被処理水を供給し、下
方から処理水を導出する濾過設備において、濾材層１２
の上面に、粒径が１．２〜１．５ｍｍの粒状活性炭層１
３を敷設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浄水施設に設けられて
いる濾過池や濾過槽等の濾過設備に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図２に
示すように、浄水施設は、一般に、河川等から沈砂池１
を介して着水井２に取込んだ水に凝集剤Ａや酸化剤Ｂを
注入し、凝集沈殿池３でフロックを分離した後、さら
に、濾過設備４で水中の懸濁物質を除去し、消毒剤Ｃを
注入して清浄な水とし、これを配水池５から供給するよ
うに構成されている。

【０００３】このような浄水施設において、原水の有機
汚濁等が進行している場合には、上記設備に加えて、各
種有機物やアンモニア等を除去するための生物処理設備
や、脱臭，脱色，殺菌及びＢＯＤやＣＯＤの除去に効果
があるオゾン処理設備、さらに、異臭味等を除去する活
性炭処理設備等の高度処理設備を設けるようにしてい
る。

【０００４】しかしながら、新設の浄水施設では、原水
の水質に応じて当初から上記のような高度処理設備を設
置することができるが、既設の浄水施設では、スペース
的に上記各種の高度処理設備を付加することが困難であ
る。

【０００５】このため、既設の浄水設備においては、凝
集，沈殿，砂濾過という通常の浄水処理では除去できな
い異臭味原因物質，合成洗剤，フェノール類，トリハロ
メタン及びその前駆物質，トリクロロエチレン等の低沸
点有機塩素化合物，農薬等の微量有害物質，水源域での
事故等により一時的に混入する化学物質，その他の有害
物を除去することができる活性炭を、前記着水井２等に
投入し、これらの物質を除去するようにしているが、こ
のとき用いる活性炭としては、２００メッシュ程度のい
わゆる粉末活性炭が用いられている。

【０００６】上記粉末活性炭を用いた処理は、既設の施
設をそのままの状態で使用できるだけでなく、活性炭処
理が短期間の場合には経済的であるなどの利点を有して
いるものの、長期的に使用する場合には不経済になり、
また、活性炭を含む黒色のスラッジが発生するため、そ
の廃棄や処理管理に特別な注意をはらう必要があった。

【０００７】一方、活性炭として粒径が０．２ｍｍ以上
の粒状活性炭を用いる場合は、活性炭の再生処理を行う
ことにより繰返して使用することができるため、長期間
の使用でも経済的であり、スラッジの発生もないため、
処理管理も容易であるという利点がある。

【０００８】ところが、上記粒状活性炭を用いる場合
は、通常、活性炭専用の濾過槽を別個に設置する必要が
あるため、前述のように既設の浄水施設には対応するこ
とができなかった。すなわち、活性炭濾過設備を既設の
浄水施設に新たに設置する場合は、通常、既存の濾過設
備（砂濾過池）の半分を活性炭濾過池として利用するこ
とになるので、通常の濾過設備の処理能力が半減してし
まい、浄水施設全体の浄水能力が１／２に落ちてしまう
ことになる。これは、他の設備部分に活性炭濾過設備を
設置した場合も略同様であり、浄水設備の処理能力を大
幅に悪化させることになる。さらに、ポンプ等の付帯設
備を新設したり、変更したりする必要が生じることがあ
り、コスト的な問題も発生する。

【０００９】そこで本発明は、既存の浄水施設に設けら
れている濾過池や濾過槽等の濾過設備をそのままの状態
で使用しながら活性炭処理を行うことができ、しかも、
粒状活性炭を用いて再生使用することが可能な濾過設備
を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の濾過設備は、濾材層の上方から被処理水
を供給し、濾材層の下方から処理水を導出する濾過池あ
るいは濾過槽等の濾過設備において、前記濾材層の上面
に、粒径が１．２〜１．５ｍｍの粒状活性炭層を敷設し
たことを特徴としている。

【００１１】さらに、本発明は、上記構成において、前
記濾材層の下部に、逆洗用空気噴出装置を設けたこと、
前記粒状活性炭層の上方に配置する逆洗用排水トラフの
上下位置を調節可能に形成したことを特徴としている。

【００１２】

【作用】上記構成によれば、被処理水は粒状活性炭層
で活性炭処理されて異臭味物質等が除去された後、通常
の砂濾過等の濾過処理が行われる。このとき用いる活性
炭の粒径を１．２〜１．５ｍｍの範囲とすることによ
り、十分な処理能力が得られるとともに、逆洗時の洗浄
速度を適当な速度にすることができる。

【００１３】また、空気を噴出させて逆洗を行うことに
より、粒状活性炭の逆洗を効率よく行うことができ、排
水トラフを位置調節可能にすることにより、粒状活性炭
層の厚さに応じて最適な位置に排水トラフを配置するこ
とができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を、図面に示す実施例に基づい
てさらに詳細に説明する。図１は、本発明を適用した濾
過設備として砂濾過池の一例を示すもので、砂濾過池１
１の濾材（砂）層１２の上面に粒状活性炭層１３を敷設
したものである。この砂濾過池１１は、下部に設けた集
水装置１４の上面に支持材としての砂利層１５を敷設
し、その上面に濾材層１２を敷設した一般的な構成を有
するもので、砂濾過池１１の底部には処理水流出管１６
及び逆洗水導入管１７が、砂利層１５内には複数本の逆
洗用の空気噴出管１８が、また、上部には、被処理水流
入管１９がそれぞれ設けられるとともに、上方中央部に
は、逆洗水を排出するための排水トラフ２０が設けられ
ている。

【００１５】上記砂濾過池１１は、例えば、支持材であ
る砂利層１５を２００ｍｍ、濾材層１２を６００〜７０
０ｍｍの厚さとして通常の砂濾過池として用いられてい
た既存の設備であって、本実施例では、濾材層１２の砂
を２００〜３００ｍｍ抜いて厚さを４００ｍｍにすると
ともに、該濾材層１２の上面に粒状活性炭層１３を、少
なくとも６２５ｍｍの厚さに敷設したものである。

【００１６】上記粒状活性炭層１３に用いる活性炭とし
ては、その粒径が１．２〜１．５ｍｍの範囲の粒状活性
炭を用いる。この粒径範囲の粒状活性炭を用いることに
より、濾材層１２及び粒状活性炭層１３の逆洗の際の逆
洗水の上昇速度に対して、粒状活性炭の沈降速度が僅か
に遅いか、あるいは同じ速度にすることができ、しか
も、処理能力や通水抵抗も適切な値とすることが可能で
あり、濾過速度を、砂濾過池１１として適当な範囲であ
る１２０〜１５０ｍ／日に保つことができる。

【００１７】すなわち、粒状活性炭の径が１．２ｍｍよ
りも小さいと沈降速度が遅くなり、逆洗水の上昇に伴っ
て活性炭が排水トラフ２０部分まで上昇してしまい、排
水トラフ２０から逆洗水と共に活性炭が流出してしま
う。さらに、径が小さすぎると、通水抵抗が増加して処
理水量にも影響を与えることになる。一方、粒径が１．
５ｍｍより大きいと、活性炭の洗浄時の膨張が小さくな
り、洗浄効果が不十分となる。また、活性炭の単位容量
当たりの能力も小さくなる。

【００１８】上述のように、濾材層１２の上面に粒状活
性炭層１３を設けることにより、砂濾過池１１とは別に
活性炭処理槽を設けることなく、被処理水の活性炭処理
を行うことができる。このとき、粒状活性炭自体も濾材
の一部として作用するので、濾材層１２の一部を抜いて
濾材自体の厚みが減少した状態でも、濾材層１２の上面
に粒状活性炭層１３が存在するので、砂濾過池１１とし
ての濾過能力はむしろ増大し、活性炭処理と濾過処理と
を同時に行うことができる。

【００１９】また、粒状活性炭層１３に用いる粒状活性
炭の粒径を１．２〜１．５ｍｍの範囲にすることによ
り、濾材層１２の逆洗時に活性炭が排水トラフ２０から
流出することを防止できるとともに、活性炭としての十
分な処理能力を得ることができる。

【００２０】なお、粒状活性炭層１３の厚さは、濾過速
度と空間速度との関係で決定すればよく、排水トラフ２
０の上下位置は、決定した粒状活性炭層１３の厚さでの
逆洗による膨張，逆洗速度，濁質の終端速度の関係から
決定すればよい。

【００２１】上記実施例に示すように、通常の砂濾過池
１１の濾材層１２の上面に、粒径が１．２〜１．５ｍｍ
の粒状活性炭を用いた粒状活性炭層１３を所定の厚さで
敷設することにより、濾過処理に加えて活性炭処理も同
時に行うことができ、さらに、既存の砂濾過池１１にお
いても、濾材層１２の濾材の一部を粒状活性炭に入替え
て実施することが可能となり、設備自体を大幅に変更す
ることなく被処理水の活性炭処理を行うことができ、被
処理水中の異臭味物質等を除去することができる。

【００２２】また、逆洗時に逆洗水導入管１７から逆洗
水を導入するとともに、空気噴出管１８から空気を噴出
させることにより、濾材層１２の砂及び粒状活性炭層１
３の粒状活性炭を効率よく逆洗することができる。加え
て、粒状活性炭を用いているので、所定の期間毎に該活
性炭を取出して再生処理を行うことにより、活性炭自体
を長期間にわたって使用することができるとともに、ス
ラッジの発生もないため、処理管理も容易である。

【００２３】さらに、既存の設備においても、濾材層１
２を構成する砂の一部を粒状活性炭に入替え、粒状活性
炭層１３の厚さに応じて排水トラフ２０の位置を変更す
るだけでよく、洗浄ポンプ，流量計等の逆洗用付帯設備
は既存のものをそのまま使用することができるので、活
性炭処理を追加することによるコストも僅かなもので済
む。

【００２４】したがって、既存の浄水施設に設けられて
いる砂濾過池に大幅な変更を加えることなく、そのまま
の状態で活性炭処理を行うことができ、既存の浄水施設
の改善を図れるが、新設の浄水施設にも同様に適用する
ことができる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の濾過設備
は、濾材層の上面に、粒径が１．２〜１．５ｍｍの粒状
活性炭層を敷設したので、別途活性炭処理設備を設ける
ことなく活性炭処理を行うことができ、特に、既存の濾
過設備を、活性炭処理と濾過処理とを行う設備として、
そのままの状態で使用することができ、ポンプ等の機器
の新設や変更の必要もほとんどない。

【００２６】したがって、既存の浄水施設でも容易に活
性炭処理を行うことができ、しかも、粉末活性炭を用い
ずに粒状活性炭を用いているので、連続的に安全な処理
ができ、活性炭の再生処理を行うことにより繰返して使
用することができるため、長期間の処理でも経済的であ
り、スラッジの発生もないため、処理管理も容易であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す濾過設備の概略図で
ある。

【図２】浄水施設の一般的な構成を示す流れ図であ
る。

【符号の説明】１１…砂濾過池、１２…濾材層、１３…粒状活性炭層、
１４…集水装置、１５…砂利層、１６…処理水流出管、
１７…逆洗水導入管、１８…空気噴出管、１９…被処理
水流入管、２０…排水トラフ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者向井藤利東京都中央区京橋１丁目３番３号前澤工業株式会社内 (72)発明者西田孝義東京都中央区京橋１丁目３番３号前澤工業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】濾材層の上方から被処理水を供給し、濾
材層の下方から処理水を導出する濾過池あるいは濾過槽
等の濾過設備において、前記濾材層の上面に、粒径が
１．２〜１．５ｍｍの粒状活性炭層を敷設したことを特
徴とする濾過設備。
【請求項２】前記濾材層の下部に、逆洗用空気噴出装
置を設けたことを特徴とする請求項１記載の濾過設備。
【請求項３】前記粒状活性炭層の上方に配置する逆洗
用排水トラフの上下位置を調節可能に形成したことを特
徴とする請求項１記載の濾過設備。