JPH08196801A - 閉鎖系の多段式超精製再結晶 - Google Patents

閉鎖系の多段式超精製再結晶

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JPH08196801A
JPH08196801A JP738795A JP738795A JPH08196801A JP H08196801 A JPH08196801 A JP H08196801A JP 738795 A JP738795 A JP 738795A JP 738795 A JP738795 A JP 738795A JP H08196801 A JPH08196801 A JP H08196801A
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F Griffith Kenneth
ケネス・エフ・グリフィス
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 99.999%の純度水準に結晶性の物質を
超純度に精製する方法と装置。 【構成】 複数の段階の間で物質の制御された移送を保
つ閉鎖系の多段式再結晶システムが与えられる。此の方
法と装置は一つの段階から別の段階へ固体の結晶を移送
する必要を避けて、精製された結晶をそれらの母液から
能率的に、非常に有効に分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に多段式の再結晶
法に関し、より詳しくは環境の変動が方法と装置に及ぼ
す影響を最小化するために閉鎖された状態で操業するの
に特に好適な多段の方法と装置に関する。結晶性の物質
は極度に高い水準にまで、典型的には99.999パー
セント程度の純度にまで精製される。物質は多段の方法
と装置の各段階の内部と各段階の間で、容器または段階
の間で結晶した物質をこれ以上取り出す必要が無くなる
まで循環される。
【0002】
【従来の技術】再結晶の技術を用いた結晶性物質の精製
は公知であり、長年に亙って実施されて来た。一般的に
言えば、飽和溶液から再結晶によって、又は分別結晶と
分別凍結の手順を含む他の技法によって結晶性の物質か
ら痕跡量の不純物を取り除くのは極度に困難である。帯
域精製の手順もあるが、これは再結晶の段階を加えるこ
とによって典型的には製品の純度を増すであろうが、し
かしこの方法は最後の段階、即ち最も純度の高い再結晶
段階で形成される製品の%収率を犠牲にすることによっ
て為されるだろう。例えば、何ダースもの多くの別々の
蒸発皿または晶析器の複雑なグリッドパターンを利用す
る古典的な分離手順によって塩化バリウムから塩化ラジ
ウムを分離するときに分別結晶を用いることはよく知ら
れている。此の手順では各晶析器の結晶収穫物は隣接す
る晶析器へ一方向に運ばれ、一方母液は反対方向に、即
ち、向流方向に運ばれる。一つの晶析器から次の晶析器
への結晶収穫物の移動に伴って塩化ラジウムの濃度は増
加するけれど、それには非常に多数の晶析器が必要であ
り、そして此のタイプのシステムの操業コストは非常に
高い。
【0003】一般的に言って、分別結晶のために現在利
用できる適用は、最適な還流比での操業の好ましさを認
めて来たが、一方で此の好ましいアプローチを実効のあ
るものにする為には必ずしも適当な特定事実を効果的に
は与えない。還流比の条件は厳密に、好ましくはシステ
ムの各段階に定常状態の条件を確立し維持することと関
連して厳密に制御することが重要であり、それによって
システムの各段階に対して選ばれた物質移動、入力およ
び/または出力を厳密に監視し計量することによって一
般に還流比の条件の自動制御を容易にする。此の点に関
する例としては、茲に参考として本明細書に引用するG
riffithsの米国特許第4,885,061号と同5,12
7,921号がある。この形式の実施は、典型的には此
れらの多段再結晶システムの容器間と段階間で固体の結
晶化された物質の移送運搬を必要とする。
【0004】多段再結晶技法は同じくまた、二つ又は二
つ以上の異なる成分を有する流体物質の分離のためのマ
ルチステップの再結晶システムも含む。例えば、米国特
許再発行番号32,241は、成分を含む物質が冷却表
面を流れ下るときに冷却表面の上で成分が結晶化する例
を記述している。此のアプローチでは、或る与えられた
段階の溶液が、結晶が次に純度の高い段階に移送される
前にその段階で形成した結晶を洗浄するために使用され
る。此の洗浄溶液はその段階から任意の物質が結晶化す
る直前に此の段階に有る溶液である。此の開発の具体例
では、適当なバルブが次に純度の高い段階の液体を結晶
に接触させ、結晶を溶解させるやいなや直ちに結晶は次
に純度の高い精製段階へ移送される。或る与えられた段
階の結晶収穫物を洗浄するのに使用される洗浄溶液は、
任意の物質が其処から晶析する前に其の与えられた段階
に存在する溶液の最も純粋な部分である。
【0005】再発行特許出願番号32,241のアプロ
ーチでは、段階は好ましくは逐次連続して操業する。結
晶化の間に結晶のケーキの自立性の固体層が、母液を排
水した後に晶析装置の冷却した表面の上に形成される。
此のシステムは、晶析装置の冷却した表面の上に自立性
の固体の結晶のケーキの付着層を形成できない結晶性の
物質を精製するのに特に適している訳ではない。此のシ
ステムは、流動性のスラリーを形成するか又は冷却した
表面に付着しないような任意の他の形状を形成する供給
物質に対しては特に有用ではない。例えば、精製される
物質の溶質と此の物質に対する溶媒から成る溶液から再
結晶される物質の場合は特に有用ではない。更には、此
の形式のシステムによって形成される結晶のケーキは、
ケーキを粉砕せずに個々の結晶を有効に洗浄し、次いで
粉末化した結晶を適当な洗浄溶液で洗浄するような時は
特に適している訳ではない。典型的には、此れらのケー
キは固くて硬質であり、その剥き出しになった表面上の
結晶だけが有効に洗浄され、内部の結晶には洗浄溶液が
容易に到達しない。
【0006】米国特許第4,787,985号は、逐次連
続する晶析装置の使用による多段式の精製法を示唆し、
此の場合は結晶の大きさと純度は段階を経るにつれて増
加する。結晶は沈降濃縮機または洗浄カラムを使用して
処理されるが、此のアプローチは結晶が溶解しないで、
その後に最初に結晶が形成された元の溶液よりも純度の
高い溶液から再結晶されるという欠点を有する。
【0007】米国特許第4,588,414号は遠心機の
配列を含むシステムの使用を示唆する。此の向流式のア
プローチは構成成分間の温度差の使用を具体化する。結
晶は一つの晶析装置から取り出され、より高い温度で別
の晶析装置に供給され、一方母液はより低い温度の別の
晶析装置へ移動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明に従ってプロセ
スを進行させることによって、純度水準が99,999
パーセント程度に達すると同時に結晶収量が極めて高い
多段式再結晶手順を通して、結晶から或る種の不純物を
除去することによって結晶性の物質の超純化精製を達成
できることが発見された。これらは多段式の再結晶手順
にとっては例外的な結果である。還流比の条件を制御す
ると共に定常状態の操業条件を達成し、維持する有効な
様式である。
【0009】
【課題を解決するための手段】要約すると、本発明は最
も純度の低い段階と最も純度の高い段階を含む複数の段
階が段階内で事実上同時に行われる二度繰り返されるサ
イクルを通して進行する多段式の再結晶の手順によって
結晶性の物質を超純度に精製するための方法と装置であ
る。結晶性の物質は各段階の中で溶解され、所謂新しい
溶液の完全溶解した成分として夫れ夫れ一段純度の高い
次の段階に送られ、其処で結晶性の物質は再結晶され、
この手順は最も純度の高い段階の中で超純度に精製され
た結晶が形成されるまで続く。各段階で生成した結晶は
結晶化した物質の個々の結晶の間から母液を引き抜いて
跡に洗浄手順に特によく適合し洗浄手順に曝される個々
の結晶を残す程度に結晶はその母液から分離される。好
ましくは此れらの結晶は洗浄されるが、好ましくは洗浄
流体は一段純度の高い次の段階から出る母液である。全
ての容器と移送装置は環境の影響に対して閉鎖され、そ
して固体の移送を必要としないから此れらの装置を同じ
ように特にプロセスの自動化と特に効率的な操業および
改善された結晶収量によく適合したものにする。
【0010】結晶性の物質を超純度に精製するための改
良された方法と装置を提供するのが本発明の全般的な目
的である。
【0011】本発明の別の目的は、環境に対して閉鎖さ
れ、そしてプロセスの自動化、商業規模の操業に特に適
合した多段式の再結晶を利用する改善された超純度精製
システムを提供することである。
【0012】本発明の別の目的は、還流比の条件を有効
に、能率的に、そして非常に厳密に制御し、定常状態の
条件を達成し次いでそれを維持することのできる多段式
の再結晶における改良を提供することである。
【0013】此の発明の別の目的は、極度に高い純度へ
の精製ならびに特に高い結晶収量を達成する結晶性の物
質の改善された超純度精製法を提供することである。
【0014】本発明の別の目的は、多段式再結晶システ
ムの一つの段階からの洗浄液還流を、洗浄液の出所であ
る段階よりも低い純度水準で操業する段階で形成された
結晶から残留母液を置換するのに使用するような配置の
使用を含む結晶性物質の超純度精製のための改良された
装置と方法を提供することである。
【0015】本発明の別の目的は、大きな比率を占める
主要成分から少ない比率の少量成分の特に能率的で完全
な分離が行われる改良された多段式の再結晶システムを
提供することである。
【0016】此の発明の別の目的は、多段式の精製段階
を使用し、その溶剤と一緒に精製される溶解成分を含む
新しい溶液から各段階の中で新しい結晶の収穫物を形成
することを含む改良された装置と方法を提供することで
ある。
【0017】此の発明の別の目的は、或る与えられた偏
析(又は凝離)係数を有する少ない比率を占める少量成分
を分離するのに適当な還流比を使用できるように制御さ
れた還流比を有する改良された多段式の分別結晶システ
ムを提供することである。
【0018】本発明の別の目的は、多段式システムの或
る与えられた段階を離れる還流が出来るだけ不純であ
り、そして其の段階から出る結晶物質が各段階の分離効
率を最大化するために出来るだけその母液を含まないよ
うな改良された装置と方法を提供することである。
【0019】此の発明の別の目的は、晶析装置の中では
流動性のスラリーを形成し、それによって慣用のスラリ
ー生成晶析装置を使用できるような結晶性物質を容易に
処理加工するための改良された方法と装置を提供するこ
とである。
【0020】本発明の別の目的は、完全に閉鎖された様
式で且つ過圧下に操業することができ、それによって商
業的に重要な量の結晶性の物質を溶解するために過熱さ
れた溶剤を必要とする物質の超純度の精製を容易にする
方法と装置を提供することである。
【0021】此の発明の別の目的は、自動化され、外界
に対して閉鎖され、そして医薬品産業のような公衆衛生
の必要条件を満たすような多段式の再結晶プロセスを提
供することである。
【0022】発明の此れらの及びその他の目的、特徴お
よび有利性は以下に述べる発明の詳細な記述を考慮する
ことによって容易に理解されるだろう。
【0023】特別の具体例の記述 図1に例示された配置では、閉鎖された多段式の再結晶
システムは三つの異なる段階を含むことが示される。最
も純度の高い精製段階を除いて各段階は事実上等しい容
積の、但し段階から段階へと異なる純度水準が保たれた
成分を有する。図示された具体例では、段階Lは図示さ
れている段階の中では最低の純度水準にある結晶性の物
質が入っている段階である。段階Pは純度水準が最高の
段階である。段階Iは例示された設備の中で代表的な中
間段階を示し、純度水準も中程度であり、段階Iが段階
Lよりも純度が高く段階Pよりも純度が低いことを意味
する。中間段階は省略することができるか又は追加の他
の中間段階を加えても良い。典型的な状況では、純度が
99,999パーセント程度の超純度の水準は複数の中
間段階が組み込まれたときに得られる。もっと大きな純
度、又は過純度を望むならば、追加の中間段階を利用す
ることができる。尤も中間段階の数が大きくなればなる
ほど装置コスト、操業コストおよび所要時間は増加する
が。此れらの段階間の流量は事実上同じであり、各段階
の内部で指定された時間で結晶を溶解するために十分な
量の溶剤が存在することが確実であれば流量も増大す
る。
【0024】各段階は液体受け容器21a,21b,2
1cを含む。各液体受け容器は還流セクションを含むこ
とができる。図示された具体例では、還流セクションは
個別の還流コンパートメント22a,22b,22cの形
を取る。此れらの装置は各サイクルの種々の段階中の液
体の保持および/または計量の役目をする。圧力制御の
多岐管(マニホールド)23a,23b,又は同じようなア
センブリーは、選ばれた個々のコンパートメント又は容
器内の圧力条件がサイクル内の或る与えられた処理時間
において各段階の中で事実上同一になるように設けられ
ている。圧力制御のマニホールド23aは、例えば此れ
らのコンパートメント又は容器から液体を除去し、それ
を別の容器に送るために此れらのコンパートメント又は
容器を加圧するだろう。制御マニホールド23bは容器
またはコンパートメントに、別の容器またはコンパート
メントからその中に液体を引き抜くのを助けるために減
圧条件または真空条件を負荷するかも知れない。マニホ
ールド又は図示された排気孔(ベント)のような他の適当
な手段は、同じくまた此れらの容器またはコンパートメ
ントへの液体の導入を容易にするために此れらの装置か
らのガス抜きに使うことができる。
【0025】此れらの液体受け容器またはコンパートメ
ントは、容器またはコンパートメントを単に一杯に満た
すか又は適当な容量の信号装置を使用するかの何れかに
よって、中に送られて来た又はそれによって供給された
容積を計量するときに使用することができる既知の容積
の包囲された空間を提供する。容積の変動も同じくまた
既知容積の液体を置換する既知数のガラスのビーズ又は
プラスチックのビーズ24などを包含させることによっ
て調節することができる。そのようなビーズの所望の数
は内部容積を細かく調節するために此れらの容積に添加
することができる。
【0026】各段階には同じく処理装置25,26,27
が含まれる。最も純度の高い段階、段階Pは他の処理装
置25,26によって設けられた結晶床容積29よりも
事実上大きな結晶床容積を有する晶析装置27の形を取
ることができる。このようにして超純度に精製された製
品は超純度製品として晶析装置27の内部に収集され保
存される。純粋な溶剤の供給は、好ましくは適当な供給
装置28を通して系に添加される。精製すべき結晶は入
り口31を通して供給原料溶解装置32に供給される。
好ましくは、溶解装置はそれと関連する液体受け容器2
1dを持っている。各処理装置25,26と供給原料の
溶解装置32は、典型的には処理サイクルの特定局面の
間に結晶の溶解を容易にするための混合装置33a,3
3b,33dを含む。各処理装置25,26はその底部近
くにスクリーン(篩)又は小孔の付いたプレート又は濾過
機34a,34bを持っている。そのようなスクリーン
又は濾過機34a,34bの各の大きさは、図1に示さ
れる結晶35a,35bのように物質がその結晶状態に
ある時に結晶性の物質が通り抜けるのを防止するような
寸法に作られている。しかしながら、各スクリーン又は
フィルターはサイクルの途中の或る与えられた時間に処
理装置から抜き取らなければならない総ての液体物質の
通過は許す。
【0027】“新しい溶液”という専門用語は処理装置
25,26などの内部で形成される溶剤中の溶質の溶液
を指している。そのような新しい溶液の中に結晶性の物
質は存在するが、しかしシステム内で処理される特定の
結晶性の物質に対する溶剤中に溶解した状態では、新し
い溶液は結晶性の物質をその溶解状態に保つような高め
られた温度にある。明確に言えば供給溶液と呼ぶことが
できる新しい溶液の供給原料は処理装置25,26の各
の中で新しい溶液が形成されると事実上同時に供給原料
溶解装置32の内部に形成される。多くの結晶性物質の
場合に此の溶液形成は、流体が高められた温度で通過す
る図示された熱交換機36a,36b,36dのような加
熱アセンブリー(加熱用の集成体)によってアシストされ
る。操業中は新しい加温された供給溶液の相当量のサプ
ライが供給原料溶解装置の中に保持される。此のサプラ
イは、操業の各サイクルの間の適当な時間に段階Lの処
理装置への新しい供給溶液の適当量を与えるのに常に足
るであろうことを保証するのに十分な量である。
【0028】図1に例示されたシステムに対する典型的
なサイクルの始めには、結晶35a,35b,35c,3
5dは夫れ夫れの容器の中に図1に全般的に図示される
量で存在する。最近では、洗浄された結晶35a,35
bは夫れ夫れスクリーン34a,34bによって支えら
れる。以前のサイクルのなかで製造されて来た程度まで
超純度に精製された製品結晶35cは処理装置の晶析器
27の中に存在する。結晶供給原料35dは供給原料溶
解装置の中に存在することができる。好ましくは、各液
体受け容器21a,21b,21cは母液で事実上一杯で
ある。此の具体例の好ましい操作では、母液は所謂混合
母液であり、これはその同じ段階の中で結晶化した後に
残った母液と同じ処理シーケンスのその後の段階で同じ
結晶を洗浄するのに用いられた母液を一緒にした混合物
である。
【0029】此の処理シーケンスの最初の段階では、弁
37a,37b,37c又は類似の装置の口は開けられて
いて加圧した空気または窒素などの他の気体が各液体受
け容器21a,21b,21cの中に進入し、一方で弁3
8a,38b,38cなども開けられているので、結果と
して夫れ夫れ液体受け容器21a,21b,21cの中の
母液は次の一段純度の低い段階の処理装置25,26の
中、又は液体受け容器21aの場合は供給原料溶解装置
32の中に輸送される。此の段階が完了した後は、結晶
35a,35b,35dは此のようにして移送された混合
母液によって覆われるか又は氾濫させられる。
【0030】結晶の溶解は二番目の段階の中で行われ
る。此の溶解は処理装置25,26の中で起こる。典型
的には、溶解の手順は混合装置33a,33bの活性化
によって、そして母液と結晶に、例えば熱交換機26
a,36bの活性化などを通して熱を適用することによ
って援助される。此の作用によって、中に移送されて来
た母液の中で各処理装置の中にあった結晶のスラリーは
溶解され、それによって溶液は個々の段階の各に対する
新しい溶液に転換される。此の新しい溶液の装入量の正
規の又は予定された容積に対してシステムは較正され
る。此の新溶液の装入は今や液体として移送する用意が
できている。
【0031】此の図示されたプロセスの第三段階では、
各処理装置25,26の各の内部にある熱い新溶液の全
てが同じ段階の液体受け容器21a,21bの中に移送
される。此の移送手順には個々の処理装置からの出口と
個々の液体受け容器への入り口の間に設けられた弁39
a,39bの開放が含まれる。此の移送は、例えば排気
孔41a,41bにおける液体受け容器の適当なガス抜
き及び/又は適当な手段(図示されてはいない)による各
処理装置の加圧によって援助される。此の段階が完了す
る時までに、熱い溶解した供給溶液のサプライは供給原
料溶解装置32から液体受け容器21dの中に、弁42
の開口を含む適当な移送配置によって転送される。好ま
しくは、此の時点では、このようにして移送された熱新
溶液と熱供給溶液の等しい容積が個々の液体受け容器2
1a,21b,21dの内部に存在する。
【0032】此の図示された手順の第四段階では、液体
受け容器21d,21a,21bの各の中にある熱新溶液
の全部が次の一段高い純度の段階の処理装置25,26,
27の中に移送される。此の移送手順には、個々の液体
受け容器の出口と個々の処理装置への入り口の間に位置
する弁43d,43a,43bの開放が含まれる。此の移
送は、処理装置(図示されていない)の適当なガス抜き及
び/又はマニホールド23aの加圧による各液体受け容
器の加圧と弁37d,37a,37bの開口によって助け
られるだろう。此の段階が完了する時までには、液体受
け容器21dの中の新供給溶液は処理装置25に移さ
れ、液体受け容器21aの中の新溶液は処理装置26に
移され、そして液体受け容器21bの中の新溶液は処理
装置の晶析器27へ移されているだろう。夫れ夫れこの
ようにして移送された各溶液は、此の手順の第五段階で
結晶化条件を受ける。結晶化は、典型的には処理装置2
5,26及び晶析装置27の内部の温度を下げることに
よって促進される。例えば、結晶の生成中は溶液を典型
的には撹拌しながら、熱交換機36a,36b,36cの
作用を通して促進される。此の段階が完了した後、結晶
は各母液の内部に形成されるが、結晶は両方とも処理装
置25,26と晶析処理装置27の中に存在する。
【0033】次の段階、即ち第六段階で、此の母液は処
理装置25,26及び晶析器処理装置27から同じ段階
の液体受け容器(単数又は複数の)へ転送される。此の点
に関して好ましい配置では、此の母液の制御された量は
最初に、弁で調節された導管を通して母液の移動を容易
にする為に、典型的には排気孔45a,45b,45cを
開きながら弁44a,44b,44cを開くことによっ
て、還流コンパートメント22a,22b,22cの中に
移送される。好ましい配置では、此の移送にはただ重力
の更なる助けを要するだけである。但し、望むならばポ
ンピング又は加圧の設備も使用することができるが。典
型的には、還流コンパートメント22a,22b,22c
は全部の母液を保持するのに十分なほど大きくはないだ
ろう。従って母液の移送は排気孔41a,41b,41c
を開き、弁44a,44b,44cを閉じながら同じく弁
39a,39b,39cを開くことによって続行される。
【0034】関連する第七段階では、結晶は脱水手順を
受ける。図示されるように、少なくとも液体受け容器2
1a,21bの内部の圧力を下げるか、又は真空状態を
作り出すようにマニホールド23bが活性化される。こ
れが吸引フィルター又はプレートフィルターの機能を与
え、処理装置25,26から母液の最初の転送の後に結
晶の間に残る母液を抜き取るという有益な結果を達成す
る。此れらの第六と第七の段階の母液の移送の進行の間
に、新しく形成された結晶がスクリーン又はフィルター
34a,34bによって支えられて残る。有利には、結
晶35a,35bは典型的にはスクリーン34a,34b
の表面積と等しいか又は大凡同じ面積をカバーする。脱
水手順が、若しも脱水条件を受けた母液が結晶のより大
きな厚さを通過しなければならなかった時よりも効果的
に達成されるためには、スクリーンによって支えられた
結晶の厚さよりも此の面積が有意的に大きいのが好まし
い。結晶35a,35bが、結晶化が完成した後に晶析
装置の側壁に沿って、例えばケーキ状に形成されるより
は寧ろスクリーン34a,34bによって支えられるこ
とが特に重要である。
【0035】此の図示された手順の第八段階と最終段階
は、勿論あるに越したことはないが或る無しは随意的な
問題である。次の一段純度の高い段階で形成された結晶
から分離した母液を用いて脱水したばかりの結晶を洗浄
する段階に就いても同じことが言える。図解された具体
例では、これは弁46b,46cを開きそして弁47b,
47cを開いたままマニホールド23aを活性化して還
流コンパートメントを加圧することによって最も容易に
達成される。結果として、より純度の高い段階の母液
は、脱水された結晶を依然として濡らしている此の段階
からの母液の大部分を除去するために還流洗浄の手順を
実行するために処理装置25,26の中で結晶を通り越
し通り抜ける。結晶は此のようにして一段純度の高い次
の段階からの液体で、それらの結晶が一段純度の高い次
の段階の混合母液の中に溶解される前に洗浄される。此
の洗浄の有効性は、此の中で一般的に論じたように晶析
装置の側壁に沿ってケーキ状に析出する結晶よりは寧ろ
スクリーン34a,34bによって支えられた結晶35
a,35bを含むケーキを遠心分離することによって促
進される。最低純度の段階からの母液の形をした副産物
は弁46aを開くと系外に排出されるが、此の除去は例
えばマニホールド23aを活性化し、弁47aを開くこ
とによって一層容易になる。図1に示す配置によって、
各段階から一段純度の低い次の段階へ還流として移送さ
れるのと同じ容積の母液を系外に排出させることができ
る。同じくまた、十分量の純粋な溶剤が段階Pの晶析装
置に、その段階の中に適当な量の母液を維持し、そして
段階Iの処理装置26へ供給しなければならない還流液
を補充するために入って来る。結晶生成物35Cは任意
の適当な方法で何時でも除去できるが、しかし典型的に
は幾つかのサイクルを走行し、それによって超純度に精
製された結晶の手頃の量が得られた後に除去される。晶
析装置が結晶で過負荷になるのを防止するのに十分な頻
度で蓄積された結晶は取り出すべきである。
【0036】望むならば唯一の処理装置26だけを使用
することもできるが、その場合は処理装置25と他の任
意の低純度の段階の処理装置は新溶液を受け取る及び/
又は新溶液を形成するための単なる容器にしか過ぎな
い。次いで色々な純度の新溶液は夫れ夫れ順番に唯一の
処理装置26に移送され、其処で新溶液を結晶化する
か、さもなければ此処に論じるように結晶を処理する。
例えば、此のような配置で容器25は依然として液体受
け容器21b及び/又は還流コンパートメント22bか
ら母液を受け取り、其処で形成された新溶液を弁43a
を含む導管を通して処理装置26へ送る。
【0037】図2は本発明の閉鎖系の多段式再結晶シス
テムの別の好ましい具体例を示すが、此処でも三つの異
なる段階が示されている。図1の具体例と図2の具体例
の間の主な機能の差異は処理装置のアセンブリーに在
る。図2は、晶析装置、遠心分離装置のアセンブリー、
母液の循環ポンプと母液の加熱装置、処理装置として段
階Lと段階I、以上の組み合わせを含む。此の配置で
は、スクリーンと吸引フィルター又はプレートフィルタ
ーを含む図1の具体例に図示されているような処理装置
(プロセッサー)は含める必要はない。新しく調製された
結晶の脱水から母液の除去は遠心分離のアセンブリーに
よって達成される。
【0038】例示されている図2の具体例の中で、段階
Lはその中の結晶性の物質が図示された段階の中で最も
低い純度水準にある段階である。段階Pは純度水準が最
高の段階である。段階Iは設置されるかもしれない中間
段階の代表例であり、其処では純度水準は中間程度であ
り、此のことは段階Iは段階Lよりも純度が高く、段階
Pよりは純度が低いことを意味している。中間段階は省
略することができるか又は追加の中間段階を加えること
ができる。典型的な状況では、99.999パーセント
程度又はそれ以上の超純度(superpurity)水準は、倍数
の中間段階を組み込むときに得られる。若しももっと大
きな純度、即ち、過純度(hyperpurity)を望むならば、
追加の中間段階を利用することもできるが、但しその場
合は中間段階の数が大きくなればなるほど装置コスト、
処理コスト、処理時間が増加することは考慮しておかね
ばならない。此れらの段階の間の流量は事実上同一であ
り、各段階の中で指定された時間に結晶を溶解するのに
十分な溶剤があることを保証するように流量は高められ
る。
【0039】各段階は液体受け容器121a,121b,
121cを含む。各流体受け容器は還流セクションを含
むことができる。図示された具体例では、還流セクショ
ンは別々の還流コンパートメント122a,122b,1
22cの形をとる。此れらの装置は各サイクルの種々の
段階の間に液体の保持および/または計量の役目をす
る。圧力制御のマニホールド123a、又は類似のアセ
ンブリーが、選ばれた個々のコンパートメント又は各段
階の容器の中の圧力条件がサイクル内の与えられた処理
時間の間に事実上同一になるように設けられている。圧
力制御のマニホールド123aは、例えば、此れらのコ
ンパートメント又は容器を加圧して、此れらから液体を
除去してそれを別の容器に移送する。好ましくは、此れ
らの容器またはコンパートメントはそこに液体が入って
来るのを容易にするために排気孔を含む。此れらの液体
受け容器又はコンパートメントは既知容積の回りを取り
囲まれた空間を与え、此の空間はそこに入って来る、又
はそれによって供給される容積を計量するために使用す
ることができる。計量には単に容器又はコンパートメン
トを満たすか又は適当な容量の信号装置を使用するの何
れかによって行われる。
【0040】各段階は同じくまた、一般に125,12
6,127と名付けられる処理装置(プロセサー)を含
む。最高純度の段階、すなわち段階Pの処理装置は結晶
床容積129を有する晶析装置127の形をとることが
できる。此の結晶床容積は他の処理装置125,126
によって与えられる結晶床容積よりも事実上大きい。此
のようにして、各サイクルの間に形成された超純度に精
製された製品は超精製製品として晶析装置127の内部
に収集し保存することができる。純粋な溶剤供給原料
は、好ましくは適当な供給装置128を通して系に入
る。精製すべき結晶は入り口131を通して供給原料溶
解装置132の中に供給される。溶解装置は、好ましく
はそれと関連する液体受け容器121dを有する。供給
原料の溶解装置132は、典型的にはその中での結晶の
溶解を容易にする為に混合装置133dを含む。
【0041】各処理装置125,126は晶析装置15
1a,151b、遠心分離機152a,152b、液体循環
ポンプ156a、156b及び液体加熱装置136a,1
36bのアセンブリーである。各遠心分離機は遠心バス
ケット153a,153b又は類似の保持装置を含み、
これらは回転するシャフト154a,154bに適当な
様式で取り付けられている。適当な動力手段に連結する
回転シャフトはシャフトとバスケットを回転する。各バ
スケット153a,153bは、小孔を持つプレート又
はフィルターとして作用するスクリーン材料から構成さ
れる壁面積を有する。それらの各バスケット153a,
154bなどのスクリーン又はフィルター材料は、図2
に示された結晶135a,135bのようにそれが結晶
化された状態にあるときに結晶性の物質が通り抜けるの
を防止するような大きさに作られている。しかしなが
ら、各バスケットのスクリーン又はフィルター材料は結
晶に伴う液体の通り抜けは許す。これには母液と前に定
義した新溶液が含まれる。
【0042】運転の各サイクルの間に段階Lの晶析装置
151aへの新溶液の十分な供給を保証するために供給
原料の溶解装置の中には十分量の熱供給溶液が存在しな
ければならない。同じくまた、各サイクルの間に供給原
料の溶解装置は段階Lから冷たい混合母液の充填量を受
取り、その充填量を予め決められた温度に加熱し、その
加熱した溶液が供給原料の結晶の適当な量を溶解できる
ような条件を提供する。此の溶液の加熱は、図示された
熱交換機136dのような加熱アセンブリーによって一
層高めることができる。熱交換機は、典型的にはその中
を制御された高められた温度で流体が通過する加熱ジャ
ケットの付いた通路を持っている。同じくまた、熱交換
機136aと136bはその中に結晶を溶解する目的で
此れらの段階の中にある母液を加熱するために使用され
る。
【0043】図2に例示されたシステムに対する典型的
なサイクルの始めには、結晶135a,135b,135
dが、例えば一般に図2に示されたような量で個々の容
器の中に存在する。若しもシステムが始動操作の間に既
に循環させられていて超精製された結晶を形成していた
ならば、超精製された結晶135cも処理装置の晶析器
127の中に存在することも有り得る。最近洗浄された
ばかりの結晶135a,135bは、夫れ夫れバスケッ
ト153a,153bの内部に支えられる。結晶の供給
原料135dも供給原料溶解装置132の中に存在する
ことがある。好ましくは、液体受け容器121a,12
1b,121cは、各が混合母液で事実上一杯に満たさ
れている。此の具体例の好ましい操作では、混合母液は
同じ段階からの結晶化の母液と前のサイクルの間に段階
の中の同じ結晶を洗浄するのに使用された一段純度の高
い次の段階からの母液の還流を一緒にした混合母液であ
る。
【0044】此の処理シーケンスの最初の段階では、弁
137a,137b,137c又はバルブ機能を遂行する
他の装置は開かれて、加圧された空気または窒素などの
他の気体が夫れ夫れの液体受け容器121a,121b,
121cに進入するが、一方、弁138a,138b,1
38cなどは開かれたままであり、その結果、夫れ夫れ
液体受け容器121a,121b,121cの中の母液は
一段純度の低い次の段階の遠心分離バスケット153
a,153bの中に、又は液体受け容器121aの場合
は供給原料の溶解装置132の中に送られる。
【0045】此の段階が完了した後、夫れ夫れ結晶13
5a,135b,135dは、そのようにして送られて来
た混合母液によって覆われるか氾濫させられる。此の場
合、各遠心分離機の排水枡(catch basin)の中の液体水
準を、遠心分離機の中で脱水された結晶の如何なる充填
量をもカバーし、氾濫させられた結晶を加熱された母液
と完全に混合させるように、遠心分離機のバスケットを
氾濫させるのに十分な高さに達するようにする。母液の
熱交換機の熱端から出る導管の排出端は、バスケットの
中の結晶と加熱された母液の混合物を撹拌するような位
置に設けられる。それとも又は、遠心分離機の排水枡を
空にし、バスケットの中の結晶の一塊の外に向かって開
かれた表面の上に加熱された母液をスプレーすることに
よって遠心分離機の中で結晶を溶解させることもでき
る。此の場合、バスケットは結晶の溶解時に回転させて
も回転させなくてもよい。
【0046】結晶の溶解は第二段階で行われる。此の溶
解は遠心分離機152a,152bの中で起こる。典型
的には、溶解手順は結晶の溶解を促進する為に母液と結
晶を加熱しながら母液と結晶を循環し、母液と結晶を混
合する為に熱交換機136a,136bとポンプ156
a,156bを含む循環導管155a,155bの活性化
によって一層高められる。此の作用によって、移送され
て来た母液の中で遠心分離機の各の中にあった結晶は必
要な容積に又は夫れ夫れの段階の各に対する加熱された
新溶液の充填量に転換される。この充填量は液体として
何時でも移送される準備ができている。
【0047】茲に論じたシーケンスの第三段階では、遠
心分離機152a,152bの各の中にある溶液の全て
が、一段純度が高い次の段階の処理装置の晶析器151
b,127の中に送られる。例示された好ましい具体例
では、溶液の送りは弁157a,157bを閉じ、弁1
58a,158bを開きながらポンプ156a,156b
の操作を続けるか又は再開することによって行われる。
【0048】第三段階の為に、その後に、又はそれと同
時に行われる第四段階は、供給原料の溶解装置132か
ら一段純度の高い次の段階の処理装置の晶析器151a
へ熱供給溶液を移す。例示された具体例の場合は、これ
は段階Lである。此の移送は、典型的には新溶液の充填
量の正規の又は予定の制御された容積と同じ容積の熱供
給溶液で最初に液体受け容器121dを満たすことによ
って行われる。此の供給原料溶液の充填量は次に液体受
け容器121dから処理装置の晶析器151aへ送られ
る。図示された具体例では、これは排気孔141dを閉
じ、弁142を閉じ、弁143dを開きながら、弁13
7dを開いてマニホールド123aによって正圧を加え
ることによって達成される。此の時点で、夫れ夫れの処
理装置の晶析器151a,151bの中には、このよう
にして送られて来た熱供給溶液と熱新溶液の等容積が存
在する。加えて、最高純度の熱新溶液の此の同じ容積の
充填量が処理装置の晶析器127へ送られる。このよう
にして送られて来た溶液の各は、此の手順の第五段階の
中で結晶化条件を受ける。結晶化は、典型的には結晶の
生成の間は溶液を撹拌しながら熱交換機136a,13
6b,136cの冷却作用などによって処理装置の晶析
器の内部の温度を下げることにょって促進される。此の
段階が完了した後に、結晶は母液の内部に形成されて処
理装置の晶析器151a,151bの中で母液中に結晶
のスラリーを形成する。
【0049】次の段階、即ち、第六段階では、此の結晶
と母液のスラリーは処理装置の晶析器151a,151
bからその同じ段階の遠心分離機のバスケットと処理装
置のアセンブリーの中に移される。結晶はバスケットの
中に留まり、母液はその同じ段階の液体受け容器(単数
または複数の)の中に進入するのを許される。此の点に
関して好ましい配置では、此の母液の移送は最初に遠心
分離機の排水枡159a,159bから還流コンパート
メント122a,122bの中に向かって為される。此
の場合は、典型的には中間の弁導管を通して母液の移動
を容易にするために排気孔145a,145bを開きな
がら、弁144a,144bを開く。各段階で母液の制
御された容積が此のようにして移送される。
【0050】同様に、溶剤の供給原料128を含むこと
ができる最高純度の母液は同じ段階の、即ち、段階Pの
液体受け容器(単数または複数の)へ移送される。此の移
送は、最初に同じ制御された量の母液を還流コンパート
メント122cに通すことによって行うことができる。
此の際は、典型的には排気孔145cを開きながら弁1
44cを開いて行う。
【0051】此れらの移送にはポンピング又は加圧を用
いてもよいが、最初は重力によって開始することができ
る。図示された好ましい具体例では、段階Lと段階Iの
処理装置の中で結晶の母液からの分離は、遠心分離機1
52a,152bを活性化することによって促進され
る。
【0052】典型的には、還流コンパートメント122
a,122b,122cは母液の全部を保持できる程大き
くはない。従って、好ましくは、排気孔141a,14
1b,141cを開きながら弁139a,139b,13
9cを同じく開くことによって母液の移送を続行する。
此の時点で、弁144a,144b,144cは閉じても
よい。関連する第七段階で、遠心機のバスケットの中の
結晶153a,153bは脱水手順を受ける。遠心分離
は吸引フィルター又はプレートフィルターの機能を与
え、遠心分離機からの母液の最初の移送の後に結晶の間
に残る母液を抜き取るという有益な結果を達成するため
に続く。此れらの第六と第七の段階の母液の移送の過程
の間に新たに形成した結晶は遠心分離機のバスケット1
53a,153bによって支えられたまま残る。
【0053】此の図示された手順の最後の段階は、勿論
あるに越したことはないが随意である。それは脱水され
たばかりの結晶を一段純度の高い次の段階で形成した結
晶から分離された母液で洗浄する段階である。図示され
た具体例では、これは弁146b,146cを開け、弁
147b,147cを開いたままマニホールド123a
を活性化することによって還流コンパートメント122
b,122cを加圧することによって最も容易に達成さ
れる。
【0054】移送の過程の間に新たに形成した結晶は遠
心分離機のバスケット153a,153bによって支え
られたまま残る。
【0055】此の図示された手順の最後の段階は、勿論
あるに越したことはないが随意である。それは脱水され
たばかりの結晶を一段純度の高い次の段階で形成した結
晶から分離された母液で洗浄する段階である。図示され
た具体例では、これは弁146b,146cを開け、弁
147b,147cを開いたままマニホールド123a
を活性化することによって還流コンパートメント122
b,122cを加圧することによって最も容易に達成さ
れる。結果として、より純度の高い段階の母液は、脱水
した後でも残っているより低純度の母液を除去するため
に遠心機125,126、特に遠心分離機のバスケット
153a,153bの中にある結晶の上を通り越し、中
を通り抜ける。結晶を効率的に洗浄するためにケーキを
破壊したり又は粉末化する必要はないから洗浄は容易に
行われる。
【0056】最も純度の低い段階から母液の形をした副
産物は弁146aを開くと系外に出るが、此の場合、マ
ニホールド123aを活性化したり排気孔145aを閉
じたまま弁147aを開く等の手段で還流コンパートメ
ント122aを加圧することによって此の副産物の除去
は一層容易になる。図2に示された配置によって、一段
純度の低い段階へ各段階から還流として移送されるのと
同じ容積の母液を系外に排出させることが可能である。
同じくまた、容器122cと121cに適当量の母液を
供給する為に晶析装置の中に十分な母液を保つのに十分
な量の純粋な溶剤が段階Pの晶析装置に入り込む。結晶
製品135cは任意の適当な方法で何時でも除去するこ
とができるが、しかし典型的には幾つかのサイクルが運
転されそれによって超純度に精製された結晶の手ごろの
量が最終の収集に利用できるようになった時である。
【0057】若しも望むならば、唯一つだけの遠心分離
処理装置126を使用することができるが、その場合は
遠心分離処理装置125と任意の他の低純度の段階の処
理装置は新溶液を受け取る及び/又は新溶液を形成する
ための容器である。色々な純度のそれらの新溶液の各が
次に一つずつ順番に唯一の遠心分離処理装置126に移
送され、其処で溶液を結晶化し、さもなければ茲に論ず
るように結晶を処理する。例えば、此の配置の中で容器
125は必要とされる新溶液を形成するために加熱能力
を持つ容器であり、それは一段純度の高い次の段階から
母液を受け取り、それは新溶液の中に組み込まれ次に弁
162を通して遠心分離処理装置126へ送られる。
【0058】或る場合には、段階Iに用いられたのと同
じような晶析装置と遠心機の組み合わせを段階Pに使用
してもよい。此の場合は、遠心機は各サイクルの間の適
当な時間に遠心分離機のバスケットから脱水された結晶
の負荷を排出する型式のものでもよい。このアプローチ
を用いる時は、結晶の洗浄のための各サイクルの間に還
流液の補充のために溶剤を添加するのが好ましい。同じ
くまた、此の場合は段階Pの母液の保持量(ホールドア
ップ)は、その段階に大きな晶析装置を用いる時よりも
小さくすることができる。
【0059】図2に示されたような遠心機の利用は、図
1の吸引フィルターの配置よりも大きな液体‐固体の分
離度を与えるものと信じられる。図2の遠心機の配列
は、母液の粘度が高くて結晶から排出するのが困難であ
り、溶質が極端に溶剤に溶け易いか、又は結晶が異常に
細かくて母液を流出させるのが難しいような状況の中で
は典型的に好ましい。
【0060】液体受け容器および/または既知容積の還
流コンパートメントの使用は、制御された還流比と定常
状態の条件を維持するために重要な計量機能に重要な役
割を果たすことができることが理解されるだろう。予め
容積および/または重量を選択するには還流コンパート
メントのような此れらの容器を希望する水準に満たすこ
とによって行うことができる。希望する水準は、例えば
何時一定容積の母液が得られたかを検出するために容器
内の、又は容器に関連する液体水準応答の探査子によっ
て示すことができる。他のアプローチはオーバーフロー
ダクト等の使用を含む。例えば、多くの液体水準探査子
を備えることによって調整機能が得られるが、その中の
選ばれた調整機能の一つは異なる結晶性の物質を処理す
る為に制御量を変化させたり及び/又は標線を調整する
為に活性化される。
【0061】種々の制御および/または計量の機能と手
段を特別に参照すると、以下の制御および/または計量
の局面が好ましい。各サイクルの間に、混合母液の事実
上同じ容積または制御された量を各段階から一段純度の
低い次の段階に移さなければならない。各サイクルの間
に、供給溶液または新溶液の実質的に同じ容積または制
御された量を各段階から一段純度の高い次の段階に移さ
なければならない。各サイクルの間に、母液の制御され
た量または容積を最も純度の低い段階から精製系からの
副産物として排出しなければならない。制御された容積
は還流コンパートメント122cによって段階Lへ添加
された還流液と事実上同じでなければならない。各サイ
クルの間に、処理装置に移された新供給溶液の中に含ま
れる結晶の供給原料の重量は、段階Pの晶析装置の中で
形成される結晶と事実上同じでなければならない。還流
比は還流溶質(システムの各段階から排出され、例えば
最も純度の高い段階で監視される)の1サイクル当たり
の重量と此の同じ段階で形成された結晶生成物の1サイ
クル当たりの重量との比である。一般的に言うと、還流
比が高ければ高いほど一つの段階から次に純度の高い段
階への1段階当たりの純度の差は大きくなり、還流比が
低ければ低いほど各サイクルの中で製造される結晶生成
物の量は大きくなる。還流比の制御は、各段階から一段
純度の低い次の段階への単位時間当たりに移送される還
流溶質の重量を制御することと、各段階から一段純度の
高い次の段階へ単位時間当たりに移送される溶液内の結
晶生成物の重量を制御することを含む。
【0062】茲に一般的に述べるように、運転の各サイ
クルの間に各段階で同じ量の溶剤を保つことは望ましく
もあり必要でもある。同じ量の母液は各サイクルの終点
で各段階の中に保たれるべきである。図2と段階Pの還
流受け容器122C及び液体受け容器121Cを参照す
ると、各サイクルの間に段階Pから段階Lへ移送される
還流液の容積は段階Pの還流受け容器の容積によって制
御される。段階Iと段階Lの各では液体受け容器121
a,121bは、好ましくは弁166a,166bを持
ち、同じ段階の還流受け容器122a,122bに流れ
込むオーバーフロー導管165a,165bを備えてい
る。好ましくは此の導管165a,165bは、溢れた
液体がオーバーフロー導管を通して還流受け容器へ排出
された後に任意の希望する量の母液が液体受け容器の中
に残るのを許すために可変(例えば、その入り口の高さ
を調節できるようにするなど)になっている。
【0063】此の配置は、例えば下記のようにして操業
される可変の計量アセンブリーを与える。スラリーの遠
心分離の間に、母液は平常どおりその段階の液体受け容
器の中に集められる。しかしながら、この液体受け容器
121a,121bは此の液体の予め決められた容積だ
けを保持し、過剰分はその段階の還流受け容器の中に溢
流させる。母液が液体受け容器に流れ込んでいる期間中
は、オーバーフロー導管の中の弁は開けられている。還
流受け容器への母液の流れが完了する此の期間の終わり
には此の弁は閉じられている。還流の移送と結晶洗浄の
期間中は、弁166a,166bは閉じられ、結晶洗浄
の還流排液は液体受け容器の中に集められる。従って、
何らの還流排液も還流受け容器の中には入らず、その全
ては液体受け容器の中に保持される。
【0064】此の可変の計量手順を用いるときは、各サ
イクルの間に各段階から一段純度の低い次の段階へ移さ
れた還流の容積は、段階Pの還流受け容器121Cから
段階Iへ移された還流の容積と等しい。同じく、段階
(例えば、段階Iまたは段階L)の中で結晶の遠心分離か
ら出てくる母液の排液の容積は、その段階の液体受け容
器のホールドアップにサイクルの間にその段階によって
受け取られた還流容積を加えたものに等しい。ホールド
アップ容積は、過剰の母液がオーバーフロー導管を通し
て排出された後にその段階の液体受け容器の中に保持さ
れた母液の容積である。此のシステムを正規の平衡条件
下で操業しているときは、各段階Iと段階Lの中にある
溶剤の重量は、母液の還流受け容器への溢流が完了した
時に液体受け容器と還流受け容器の中に入っている溶剤
の重量に等しい。
【0065】例えば、段階Pの還流受け容器122cの
容積を仮に1ガロンとし、段階Lと段階Iの液体受け容
器のホールドアップ容積の各を仮に4ガロンとすると、
母液の過剰分が溢流導管を通って流出した後で各は4ガ
ロンを保持するだろう。従って、各サイクルの間に段階
Pの還流液の1ガロンが段階Iに移される。此の例で
は、各サイクルの間にシステムが平衡操業に達するやい
なや母液の1ガロンが段階Iと段階Lの液体受け容器か
らその同じ段階の還流受け容器に溢流する。此の例で精
製装置の此の操業方法の正味の結果は、各サイクルの液
体‐固体の分離期間中は各段階(段階Iと段階L)の中に
は常に5ガロンの母液が存在するだろうということであ
る。溢流導管165a,165bの計量を適当に変化さ
せることによって、一回の運転に対する還流液の容積
は、容易に例えば2ガロンに変えることができる。段階
Pの還流受け容器の容積は1ガロンから2ガロンに変え
られ、溢流導管165a,165bの水準は、此れらの
液体受け容器の各のホールドアップ容積を3ガロンに減
らすために下げられる。段階Iと段階Lの中の母液のホ
ールドアップは各サイクルの液体‐固体の分離期間の間
は5ガロンに留まる。
【0066】間接的な計量方法は、必要に応じて特定の
容器の中にサンプルポート等を設けることによって使用
することができる。還流の中の溶質のパーセンテージは
その比重の函数であり、それを監視することは溶質の精
確な重量を還流として移送させる為に必要な還流の適当
な容積を与えるのに有用である。同じくまた、各サイク
ルの間に造られる新溶液の比重を監視し、制御すること
は望ましくもあり、好ましくもある。
【0067】本発明によって定常状態の条件が得られる
ときは、システムは下記のような特性を現す。精製すべ
き結晶性の物質の同じ重量が、結晶化が起こりつつある
間に各段階の新溶液の中に存在する。このように各段階
は各サイクルの間に同じ重量の結晶生成物を製造する。
各サイクルの間に同じ重量の副産物の溶質が製造され
る。1サイクル当たりの製品の重量は供給原料の溶解装
置の中に溶解した供給原料の重量から1サイクル当たり
製造された副産物の溶質の重量を減じたものと事実上同
じである。各サイクルは事実上同じ還流比を持つ。定常
状態条件の維持は、典型的には監視(必要ならば)と各段
階の結晶化段階の最終温度の調節を含む。精製装置の正
規の操業条件の下では、此の温度は処理装置の中の液体
‐固体の分離温度と同じである。更に、此の温度は同じ
く液体‐固体の分離段階から流出する母液の結晶化温度
と同じである。溶液1リットル当たりの溶質の重量は溶
液の結晶化温度の函数であり、通常は此の温度の上昇と
ともに増加する。従って、精製装置の操業者は各段階ご
との結晶化ステップの最終温度を調節することによって
母液の各容積または各リットル中の溶質の重量を最良に
調節することができる。此の温度は、全ての段階の母液
が1リットル当たり溶質の同じ重量を含むために全ての
段階と全てのサイクルに対して同一であることが好まし
い。各段階で形成される結晶化の為の新溶液の全てが各
サイクルの間に一段純度の高い次の段階に移送される。
生成物、副産物および供給原料は同様に制御される。
【0068】此の発明の多段式再結晶システムは、大気
圧以上の過圧下で操業することのできる完全に閉鎖され
た精製装置の中で行われるシステムである。そのような
完全に閉鎖されたシステムは、例えば医薬品産業などに
よって必要とされる衛生標準を満足させることができ
る。大気圧以上の過圧下の操業は、或る与えられた段階
の結晶溶解装置の中で適当な量の結晶物質を溶解するた
めに過熱された溶剤を使用しなければならない物質の精
製を可能にする。これはテレフタル酸のように水中に2
35℃で溶解するような物質の処理を可能にする。
【0069】遠心分離の技術を組み入れた好ましい方法
を用いて処理するときは、遠心分離機のバスケットへ流
れるスラリーを非常に流動性の状態に維持し、それによ
って晶析装置から遠心分離機のバスケットへ導く導管の
閉塞の如何なる可能性でも防止することが望ましい。此
の点に関して重要なのは、精製すべき物質に依存してス
ラリー中の固体または結晶物質のパーセンテージが10
〜20重量パーセントを越えるのを防止することであ
る。此の点に関して助けとなることが見いだされたもの
は、遠心分離機の排水枡、晶析装置、遠心分離のバスケ
ットを含む導管の中で新溶液の本体を連続してポンピン
グすることである。此のサイクルは図2の段階Lの中で
一般的に図示されている。回路には晶析装置151a、
バスケット153a、排水枡159、ポンプ156aの
運転、弁162を開けながら弁158aと161を開け
ることが含まれる。遠心分離機の排水枡から出る新溶液
の排出液は事実上結晶を含まず、スラリーの中の結晶は
遠心分離機のバスケットの中に沈着する。熱交換機13
6aを通過する母液の温度降下は、温度降下する熱交換
機136aを出るスラリー中の固体の結晶物質の重量パ
ーセント含量が、晶析装置と遠心分離機のバスケットの
間の導管163の如何なる閉塞の可能性も防止するのに
十分な流動性を持つ程度に低くなるように限定すべきで
ある。
【0070】有り得べき閉塞の可能性は、同じくまた少
なくとも二つの別々の徐々に温度が低くなる結晶化段階
(複数の)を実施することにょって最小化し得る。最初の
そのような段階は、導管163を容易に通過するような
結晶の液体スラリーを製造するような温度で実施される
だろう。その母液が晶析装置151aに再流入する為に
今論じたばかりのサイクルを通過した後に、熱交換機1
36aによって与えられる温度は追加的な結晶が導管1
63を通過するように形成されるまで下げられる。この
ように導管163を通過する各スラリーは、新溶液の中
の結晶性の物質の全部が結晶化され、シングルステップ
の中で遠心分離機に流入する時よりも少ない量の結晶を
含む。
【0071】精製中は物質収支と物質の流れは次のよう
に制御される。供給原料の溶解装置からの温かい新供給
溶液の同じ容積が各サイクルの間に段階Lの処理容器に
計量装入される。段階Pの晶析装置で製造された冷たい
混合母液の同じ容積が、段階Iの処理容器に計量装入さ
れる。各サイクルの間に、各段階の液体受け容器の中に
集められた混合母液の全部が一段純度の低い次の段階へ
移送される。各段階の間で処理容器の中で製造された温
かい新溶液の全部が、処理容器または一段純度の高い次
の段階の晶析装置に移送される。各サイクルの間に各段
階の処理容器の中で製造された結晶の全部はそれらの母
液から分離され、次いで一段純度の高い次の段階から出
る混合母液の中に溶解される。
【0072】どのサイクルの間でも、同じ容積の還流液
は一段純度の低い次の段階へ移送されるか又は副産物と
して排出され、そして此の同じ容積の純粋な還流液が段
階Pの中に発生する。どのサイクルの間でも、還流液の
溶質の同じ重量が各段階から一段純度の低い次の段階に
移送されるか又は段階Lの場合は副産物排出導管へ移送
される。これを為す最善の方法は、各段階からサイクル
当たり同じ容積の還流を移送すること、そして運転の間
に行われる全ての液体‐固体の分離手順に対して同じ液
体‐固体の分離温度を使用することであることが発見さ
れた。各運転の間に十分量の供給結晶物質と温かい新供
給溶液を供給原料の溶解装置の中に保ち、段階Lの処理
容器へ十分な量の結晶物質と溶液を供給する。段階Pの
晶析装置は、一段純度の低い次の段階に対してその必要
なサプライを与えるために十分な量の母液のホールドア
ップを持っている。
【0073】処理容器または晶析装置へ供給される温か
い新溶液の各本体と処理容器または供給原料の溶解装置
へ移送される冷たい混合母液の各本体は、運転の各サイ
クルの間に事実上同じ重量の溶剤を含む。二つの隣接す
る処理容器へ供給する溶液の各本体は、温かい新供給溶
液の各装入量と同じである常に一定して包含された重量
の溶剤で維持される。
【0074】温度条件に関しては、各サイクルの結晶化
期間中は各処理容器または晶析装置に含まれるスラリー
の中で同じ最低温度が達成されねばならない。この最低
温度は溶剤の結晶が母液から形成し始める温度よりも高
くなければならない。同じくまた、各サイクルの結晶の
溶解期間の間は各処理容器の中にある結晶と混合母液の
混合物は、混合物の中の結晶の全てを十分に溶解するた
めに、供給原料の溶解装置の中の温度よりも僅か数度
(℃)高い温度に加熱されねばならない。更に、供給原料
の溶解装置の中にある供給結晶と母液の混合物は、温か
い新供給溶液の各装入量が同じ結晶化温度を持つように
一定温度に維持されるべきである。
【0075】本発明による方法と装置は、種々の結晶性
の無機物質と有機物質を水、アルコール、エーテル、ケ
トン等の溶剤の中で超純度に精製するのに適している。
これに関して再結晶可能な物質の代表例には、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩化セシウム、硝酸バリウム、
硝酸銅、沃化ナトリウム、塩化バリウム、硫酸銅、硫酸
ニッケル、硫酸アンモニウムアルミニウム、モリブデン
酸アンモニウム、グアニジン塩酸塩、尿素、ナフタレ
ン、クエン酸、アクリルアミド、安息香酸などが含まれ
る。
【0076】
【実施例】以下に記す実施例は此れらのタイプの物質に
適した幾つかの特定の手順を例示する。
【0077】
【実施例1】図1に一般的に示す形式の超純度の精製シ
ステムを、溶剤として水を用いた塩化カリウムの精製に
使用する。システムを用意するために下記のステップを
設ける。
【0078】15キログラムの蒸留水と10キログラム
の塩化カリウムの供給原料を原料供給型の溶解装置に添
加する。此の添加した水は全運転の間に溶液本体の中に
残る水溶剤の15キログラムの永久ホールドアップを提
供する。此の水と供給原料を次に40℃に加熱し、原料
供給型の溶解装置が4キログラムの未溶解結晶と21キ
ログラムの温かい“新しい”供給溶液を含むまで混合す
る。此の溶液は15キログラムの水溶剤と6キログラム
の塩化カリウム溶質を含む。それは同じくまた40℃の
結晶化温度を有する。蒸留水(5キログラム)を段階Lの
処理装置のアセンブリの容器の他に任意の段階Iのそれ
にも添加する。此の添加は、全運転の期間中それらの各
段階の溶液本体の中に留まる水溶剤の5キログラムの永
久ホールドアップを与える。全運転の期間を通して段階
Pの溶液本体の中に留まる10キログラムの永久ホール
ドアップを与える為に段階Pの晶析装置の処理容器に蒸
留水(10キログラム)を添加する。塩化カリウムが漸進
的に純度が高くなる段階を通過して最終的に溶液から晶
析して段階Pの結晶生成物を形成するまで正規のサイク
ルの十分な数に対してシステムを運転する。此の段階
で、精製プラントは正規の定常状態の操業にある。大凡
そ最初の10サイクルで段階Pの晶析装置の中に此の最
初の蓄積が得られる。
【0079】精製装置の内部の手順を晶析段階から始め
て順番に説明する。処理容器と晶析装置に送られて来た
ばかりの温かい新溶液または新供給溶液を45℃からー
10℃に冷却して、撹拌しながら大凡そ800グラムの
塩化カリウムの結晶を生成させる。撹拌を中止し、各処
理容器のスクリーン(篩)の頂面の上に事実上均一な深さ
に結晶を沈殿させる。母液をその同じ段階の還流コンパ
ートメント又は容器にそれが1240グラムの還流で完
全に一杯に充満するまで排水する。母液の排水を夫れ夫
れ同じ段階の液体受け容器の中に向けて続行し、結晶の
間にある母液を少なくとも純粋な段階Lの液体受け容器
の中に向けて及び段階Iの中に“引き抜く”ために真空
を引っ張り込む。製品の晶析装置から十分な量の段階P
の母液を排水して段階Pの液体受け容器を6200グラ
ムの冷たい母液で完全に満杯する。各液体受け容器の中
の母液を一段純度の低い次の段階Lまたは段階Iまたは
供給原料溶解装置へ送る。
【0080】次に、供給原料溶解装置の中の段階Lの混
合母液の装入量を40℃に加熱し、それが此れらの結晶
の800グラムを溶解するまで供給原料結晶と混合す
る。段階Iの混合母液の段階Lへの装入量を大凡そ45
℃に加熱し、全部の結晶がその中に溶解するまで段階L
の結晶と混合する。段階Iの中の段階Pの混合母液の装
入量を大凡そ45℃に加熱し、段階Iの結晶とその中で
それらの結晶の全部が溶解するまで混合する。サイクル
の間と段階Lの還流容器が段階Lの母液で満たされた後
の任意の時に、その内容物を精製装置から1キログラム
の水と240グラムの塩化カリウムの溶質からなる溶液
として排出する。
【0081】此の実施例の各サイクルの間に、800グ
ラムの塩化カリウムの結晶を一段階上流に移し、240
グラムの還流溶質を一段階下流に移す。同じく、各サイ
クルの間に大凡そ560グラムの段階Pの結晶の最終生
成物と240グラムの精製装置のための還流溶質を段階
Pの晶析装置の中で製造する。更に、6200グラムの
段階Pの母液を此の晶析装置の中で製造する。完全なサ
イクルは時間毎に完了し、19.2キログラムの供給原
料から1日当たり超純度に精製された塩化カリウムの結
晶製品13.44キログラムの日産を与え、5.76キロ
グラムの副産物の溶質が1日の各24時間に排出された
ことが計算される。
【0082】若しも望むならば、此の副産物溶液は蒸発
によって水溶剤の3/4を除去するためにエバポレータ
ーの中で処理することができる。これは供給原料の結晶
と事実上同じ純度の結晶として塩化カリウムの溶質の3
/4の回収を毎日可能にする。それは此れらの結晶(4.
32キログラム)を供給原料の溶解装置へリサイクルす
るのを許す。エバポレーターから出る母液は非常に不純
な副産物である。
【0083】冷母液は水溶剤の各1000グラムに対し
て240グラムの塩化カリウムの溶質を含むはずであ
る。溶液の比重は1.14gms/cm3である。温新溶液は水
溶剤の各1000グラムに対して400グラムの塩化カ
リウムの溶質を含み、1.2gms/cm3の比重を持つはずで
ある。各段階の還流受け容器は1.09リットルの内部
容積を持つべきである。此れらの容器の各が冷還流母液
で満たされたときは、与えられた比重において1240
グラムがある。各段階の液体受け容器から各サイクルの
間に一段純度の低い次の段階の結晶に送られた混合母液
の重量は5000グラムの水と1200グラムの塩化カ
リウムを含み、合計した重量は6200グラムである。
その比重から計算した容積は5.438リットルであ
る。各サイクルの間に各段階の液体受け容器が受け取っ
た温新溶液は7000グラムの重量があり、5000グ
ラムの水と2000グラムの塩化カリウムを含み、その
比重から計算した容積は5.833リットルである。液
体受け容器も段階Lと段階Iの処理装置の何れも運転の
どのサイクルの間にも完全には満杯になっているべきで
はない。従って、各が此れらの容積よりも大きくなけれ
ばならず、6リットルが適当である。段階Pの液体受け
容器の容積は、各サイクルの間に一段純度の低い次の段
階へ送られる混合母液の容積を調節する。此の実施例で
は、此の母液の5.438リットルが送られるべきであ
り、段階Pの液体受け容器5.438リットルの必要と
される容積を作る。他方、供給溶液の液体受け容器の容
積は、各サイクルの間に段階Lの処理容器へ供給される
新しい供給溶液の容積を適当に調節するために5.83
3リットルとすべきである。
【0084】各サイクルの間に供給原料溶解装置と段階
Lの処理装置の間で移送すべき溶液本体は、供給原料溶
解装置の中に供給された800グラムの塩化カリウムを
溶解し、そして段階Lの結晶を形成するために各サイク
ルの間に処理容器中に800グラムの溶解した塩化カリ
ウムを沈殿させるのに使用される。此の実施例では、此
の液体本体母液は15キログラムの水溶剤と種々の量の
塩化カリウムの溶質を含む。
【0085】各サイクルの間に段階Lと段階Iの処理装
置の間で移送する予定の別の溶液本体は、段階Lの処理
装置の中の段階Lの結晶800グラムを溶解し、段階I
の処理装置の中で段階Iの結晶800グラムを沈着させ
るのに使用される。此の全溶液本体は5キログラムの水
溶剤と種々の量の塩化カリウム溶質を含むだろう。
【0086】各サイクルの間に段階Iの処理装置の容器
と段階Pの晶析装置の間で移送される予定の別の溶液本
体は、段階Iの処理容器の中で段階Iの結晶800グラ
ムを溶解して560グラムの段階Pの結晶を与えるのに
使用される。理論的には、これは段階Pの晶析装置の中
の段階Pの結晶性物質の800グラムの沈着物である。
しかしながら、此れらの結晶の240グラムは段階Pの
晶析装置から出る還流供給原料の製造に消費され、1サ
イクル当たり段階3の結晶540グラムの正味の生産量
を造る。全運転期間を通して、此の溶液本体は事実上一
定した10キログラムの水溶剤と、任意のサイクルの中
の任意の特定の瞬間の温度条件に依存して種々の量の塩
化カリウムの溶質を含むだろう。
【0087】此の実施例では、精製装置に対する還流供
給液は段階Pの晶析装置の中で発生されるべきである。
各サイクルの間に、1キログラムの純粋な水溶剤を此の
必要な還流供給液を補充するために段階Pの晶析装置の
中に導入されるべきである。
【0088】ー10℃の温度で、此のキログラムの水は
段階Pの塩化カリウムの結晶240グラムを溶解して、
各サイクルの間に段階Pの還流1240グラムを段階I
へ送る為の還流1240グラムを製造するするだろう。
此の物質収支は、全運転期間の間、段階Pの溶液本体が
大凡そ10キログラムの必要とされる水溶剤を含むよう
にする。
【0089】此の実施例の場合の供給原料溶解装置は、
10キログラム迄の供給結晶と最高15キログラム迄の
温新供給溶液をホールドアップする能力を持つだろう。
段階Pの晶析装置は最高で8キログラム迄の蓄積された
結晶と最高で10リットル迄の母液をホールドアップす
るのに十分な大きさである。
【0090】
【実施例2】図2に一般的に示されるタイプの3段式の
超純度精製システムを、溶剤として水を用いてグアニジ
ン塩酸塩を精製するために使用する。
【0091】段階Lと段階Iに対する各遠心分離機のア
センブリーは、100メッシュのスクリーンで裏打ちし
た孔あきバスケット、内径25cm(10インチ)、内側の
深さ25cm(10インチ)を持っていた。各バスケットは
その頂端の上に据え付けられた電動機によって駆動され
る回転シャフトによって支えられていた。各排水枡は3
5cm(14インチ)の内径と35cmの深さ、その内部の底
面はバスケットの底よりも2cm(0.8インチ)下に配置
されている。排水枡の中心軸はバスケットのそれと同じ
である。排水枡は図2に示される毎分15リットル(3
ガロン)の循環ポンプに通じるその最低点に底の開口部
を持っていた。図2に示すように位置した各段階の熱交
換機は、循環ポンプによって上方向にポンプアップした
母液が通る管を持っていた。此の管は回りをもっと大き
な直径の管によって囲まれており、その中を熱水が下方
向にポンプ送りされていた。熱水を80℃の一定温度に
保つためにサーモスタット制御された加熱手段を備えた
大きなタンクへ、そしてタンクから熱水を循環させた。
各段階の晶析装置は20cm(8インチ)の内径、55cm
(22インチ)の内側高さ、その内部に螺旋状の、中を冷
水が循環できるコイルを持っていた。晶析装置は、各結
晶化期間中は懸濁液の中に結晶を保つように十分にスラ
リーを撹拌するパドル型の撹拌機を備えていた。各晶析
装置はその底にプラッグ型の弁を備え、その弁がその最
低点から段階の遠心分離機のバスケットの内部に通じる
導管へのスラリーの流れを調節した。各晶析装置の中の
コイルは冷水で冷却した。
【0092】正規の生産用に精製装置を準備する為に下
記の手順を実施した。
【0093】30キログラムの蒸留水と120キログラ
ムのグアニジン塩酸塩の供給原料の結晶を精製プラント
の供給原料の溶解装置の中に入れた。次に、此れらの物
質の混合物を撹拌しながら50℃に加熱して温かい(5
0℃)新供給原料溶液の本体を製造した。この新供給原
料溶液の結晶化温度は50℃であった。この加熱した本
体は大凡そ72キログラムの溶質と28キログラムの水
溶剤を含んでいた。同じく、48キログラムの未溶解の
結晶が加熱段階が完了した後に供給原料溶解装置の中に
残った。運転の残りの期間を通して、供給原料溶解装置
の内容物を50℃に保った。
【0094】段階Iの液体受け容器を前の運転で残った
段階Iの母液20キログラムで満杯にした。同じく、段
階Pの液体受け容器を、前の運転で余った段階Pの母液
20キログラムで充満させた。残った母液の此れらの本
体の各は15℃の結晶化温度を持ち、大凡そ7キログラ
ムの水溶剤と13キログラムの溶質を含んでいた。前に
行われた運転で繰り越されて余った段階Pの母液40キ
ログラムで段階Pの晶析装置を満たした。これは15℃
の結晶化温度を持ち、14キログラムの水溶剤と26キ
ログラムの溶質を含んでいた。
【0095】此れらを精製装置へ添加した後、三つの特
別なサイクル、即ち、始動サイクルを実施し、供給原料
溶解装置から結晶物質を段階LとIに進め、次いで最終
的に段階Pの晶析装置へ進めた。此れらのサイクルの第
一は次のステップを含む: 1. 段階Lの晶析装置を晶析装置からの25キログラム
の温かい供給原料溶液の装入量で満たす。此の装入量は
大凡そ7キログラムの水と18キログラムの溶質を含
み、21.4リットルの容積を占める。
【0096】2. この装入物を撹拌しながら段階Lの晶
析装置で冷やして、約5キログラムの結晶と20キログ
ラムの母液を含むスラリーを製造する。
【0097】3. 次に、此のスラリーを重力を利用して
段階Lの遠心分離機のバスケットの中に流し込むと、そ
れは急速に遠心分離されて遠心分離機のバスケットの中
には脱水された結晶を留め、母液は段階Lの液体受け容
器の中に流入させる。(此の時点では段階Lの還流受け
容器を使用する必要はない。) 遠心分離機から出る母
液の排出液の実際の温度と結晶化温度は10℃である。
【0098】4. 段階Iの液体受け容器から段階Iの母
液を段階Lの母液加熱回路へ送り、そこで母液は段階L
の遠心分離機のバスケットの中にある段階Lの結晶の中
を通って循環し、その間に母液は60℃の最終温度に加
熱される。此の加熱と段階Lの結晶と混合された結果と
して、母液は急速に此れらの結晶の全てを溶解する。こ
れは60℃の実際温度、50℃の結晶化温度および7キ
ログラムの水溶剤と18キログラムの溶質から成る組成
を有する段階Lの新溶液の本体を齎す。
【0099】此れらのサイクルの第二は次のステップを
含む: 1. 新しい供給原料の溶液の25キログラムの装入量を
供給原料溶解装置から段階Lの晶析装置へ移す。此の同
じ時点で、段階Lの新溶液25キログラムを段階Lの加
熱した母液の回路から段階Iの晶析装置へ移す。
【0100】2. 段階Lと段階Iの晶析装置が夫れ夫れ
の新溶液を撹拌しながら15℃に冷却する。
【0101】3. 段階Lのスラリーを段階Lの晶析装置
から段階Lの遠心分離機のバスケットへ移し、段階Iの
スラリーを段階Iの晶析装置から段階Iの遠心分離機の
バスケットへ移す。
【0102】4. 段階Lと段階Iの遠心分離機を運転す
る。段階Lの結晶は段階Lの遠心分離機のバスケットの
中に保留され、段階Iの結晶は段階Iの遠心分離機のバ
スケットの中に保留される。段階Lの母液を段階Lの液
体受け容器の中に集め、段階Iの母液は段階Iの液体受
け容器の中に集める。
【0103】5. 段階Lの母液を段階Lの液体受け容器
から供給原料溶解装置へ移し、そこで母液を50℃に加
熱し、追加の供給結晶5キログラムを溶解する。此のち
ょうど前に、前に行われた運転で余って繰り越された段
階Iの母液20キログラムを段階Lの液体受け容器の中
にいれる。次いで、此の段階Lの母液を段階Lの母液の
加熱回路に移し、そこで母液を60℃に加熱し、段階L
の遠心分離機のバスケットの中にある段階Lの結晶の全
部を溶解する。これは該回路の中に新しい段階Lの溶液
の普通のサイズの本体を齎す。同時に、段階Pの母液2
0キログラムを段階Pの液体受け溶液から段階Iの母液
の加熱回路に移す。此の回路を、段階Iの遠心分離機の
バスケットから得られる段階Iの結晶の5キログラムを
溶解して、加熱された段階Iの新溶液の25キログラム
の本体を製造するために普通の方法で今や操業する用意
がある。
【0104】此れらのサイクルの第三は、第二のサイク
ルにその各の中で次に述べる追加の操作を加えて行われ
る5段階の繰り返しを含む: 1. 段階Iの新溶液の本体を段階Iの母液の加熱回路か
ら段階Pの晶析装置へ移す。
【0105】2. 段階Pの晶析装置が段階Iの新溶液の
25キログラムの装入量を15℃に冷却し、段階Pの結
晶の5キログラムを製造する。
【0106】3. 新たに形成された段階Pの結晶(段階
2から)は、それらの結晶を収穫するのが便利になるま
で段階Pの晶析装置の中に保留することができる。
【0107】4. 温度が15℃の段階Pの母液20キロ
グラムを段階Pの晶析装置から段階Pの液体受け容器に
移す。
【0108】此の第三サイクルが終わった時点で、精製
装置は一連の正規の製造サイクルの第一を実施する用意
ができている。此れらのサイクルの各は、結晶の上流へ
の移動の各5キログラム毎に対して還流溶質の各2キロ
グラムの下流への移動に相当する。此の場合に、下流と
は或る段階から一段純度の低い次の段階への移動を意味
する。此の場合は、各段階の還流受け容器の容積は比重
が1.12gms/cm3の溶液3.077キログラムを保持す
るように調節される。従って、各還流受け容器の容積は
2.75リットルである。正規の各サイクルの間に物質
の移動は次のものを含む: 段階Pの正味の結晶生産 3kgs 段階Pの中で発生する還流溶質 2kgs 還流を作るために段階Pへの水の添加 1077gms 各段階における結晶の生産 5kgs 段階Lから副産物として出る溶質 2kgs 供給原料溶解装置の中に溶解する供給原料の結晶 5kgs 各生産サイクルには次のステップが含まれる: 1. 各段階の晶析装置へ新溶液の負荷:段階Lの晶析装
置は供給原料の溶解装置から供給原料としての新溶液2
5キログラムを受け取る。段階Iの晶析装置は段階Lの
母液の加熱回路から段階Lの新供給原料溶液25キログ
ラムを受け取る。段階Pの晶析装置は段階Iの母液加熱
回路から段階Iの新供給原料溶液25キログラムを受け
取る。
【0109】2. 結晶化ステップ:各段階の晶析装置の
中に導入された新溶液は15℃に冷却され、5キログラ
ムの結晶と20キログラムの夫れ夫れの段階の母液を生
産する。
【0110】3. 液体‐固体の分離ステップ:段階Lと
Iの中では、同じ段階の晶析装置の中でちょうど生産さ
れたばかりのスラリーは遠心分離され、脱水された結晶
は遠心分離機のバスケットの中に保留され、母液の排出
液は同じ段階の還流受け容器と液体受け容器の中に集め
られる。此れらの段階の両方の還流受け容器は還流とし
て2.75リットルの母液を保持するように調節され
る。各段階の母液の16.923KGS(15.1リット
ル)の残り分(balance)は同じ段階の液体受け容器の中に
集められる。
【0111】4. 還流の移送と結晶の洗浄ステップ:此
のステップは段階LとIの中で行われ、還流母液を一段
純度の高い次の段階の還流受け容器からその遠心分離機
のバスケットの中にある結晶へ移送することを含む。此
れらの遠心分離機のバスケットは結晶洗浄の時点で回転
していてもよい。此の洗浄操作から出る排液は、洗浄が
行われている遠心分離機と同じ段階の液体受け容器の中
に集められる。此れらの段階の双方で、一段純度の高い
次の段階から生ずる還流洗浄排液はその段階の液体受け
容器の中に既に集められた母液と混合する。此の混合物
は混合母液と呼ばれる。此のようにして、此の段階の終
点では段階lの液体受け容器の中には段階Lの混合母液
が20キログラム、段階Iの液体受け容器の中にも同じ
重量の段階Iの混合母液が存在する。
【0112】5. 結晶の溶解ステップ:各段階の混合母
液は一段純度の低い次の段階の加熱した母液の循環系へ
送られる。此れらの段階の各の此の回路は、加熱された
母液を該段階の遠心分離機のバスケットの中にある結晶
と混合させ、結晶を溶解させる手段を与える。これは段
階Lの母液の加熱された回路の中には25キログラムの
新しい段階L溶液の本体を、そして段階Iの加熱された
母液の回路の中にも同じような量の段階Iの新供給原料
溶液を齎す結果となる。
【0113】此の時点で、精製装置は何時でも次のサイ
クルをスタートする準備ができている。追加のサイクル
を行うときは供給原料の結晶の十分なサプライが、結晶
物質の使い尽くしを防止するために供給原料の溶解装置
の中に導入される。超純度に精製された結晶製品は、晶
析装置が結晶で過負荷になるのを防止する為に十分に頻
繁に段階Pの晶析装置から収穫される。
【0114】以上に亙り記述して来た本発明の具体例は
本発明の原理の幾つかの応用を例示したものであること
が理解されるだろう。発明の真の精神と範囲から外れる
ことなしに当該技術に熟練した人々によって数多くの修
飾が為されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による閉鎖系の多段式の超精製システム
の一般的な図式的な概念図または流れ図である。
【図2】本発明に従って閉鎖系の多段式再結晶による超
純度の精製を実施するための別の具体例の一般的な図式
的な概念図または流れ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 595009279 415 Whitewater Avenu e,Fort Atkinson,Wis consin 53538,United S tates of America

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中に結晶性の物質を入れた容器を有する
    複数の段階を用意し、結晶性の物質を最も純度の低い精
    製段階から始まる各段階の中で溶解し、新しい溶液の完
    全に溶解した成分として一段純度の高い次の段階に移
    し、最も高い純度の精製段階の中で再結晶することによ
    って超純度に精製するまで一段純度の高い次の精製段階
    の中で再結晶するように各段階の内部で行われる複数の
    サイクルを通して循環的に一連の段階の順序(シーケン
    ス)を進行させることによって該段階を操業する精製方
    法において、該段階のシーケンスが: (a) 各段階の液体受け容器から母液の一定量を、結晶
    可能な物質の結晶を含む一段純度の低い次の各段階の結
    晶化能力を有する処理装置へ移し; (b) 段階(a)の結晶を段階(a)の母液の中で溶解して一
    段純度の低い次の精製段階の各処理装置の中で新しい溶
    液を形成し; (c) 段階(b)の中で形成された新しい溶液の各を一段純
    度の高い次の精製段階の処理装置に移し; (d) 各処理装置の新しい溶液の各の中で、結晶可能な
    物質を結晶化して結晶を形成し、最も高い純度の精製段
    階の該結晶は再結晶され超純度に精製された物質であ
    り; (e) 分離された結晶を得る為に最も純度の高い段階以
    外の段階の少なくとも幾つかの処理装置の中でその母液
    から段階(d)で形成された結晶を分離し、このようにし
    て分離された母液を次のサイクルの段階(a)の中でそれ
    以降の使用のために集め;そして (f) 最も純度の低い段階から副産物として母液を排出
    する 以上の要素を含むことから成る多段式再結晶手順によっ
    て結晶性の物質を超純度に精製する方法。
  2. 【請求項2】 更に、ステップ(e)の分離された結晶を
    一段純度の高い次の段階からの母液で洗浄するステップ
    を含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該ステップ(e)の分離が更に、ステップ
    (e)の分離された結晶から母液を分離し、それによって
    結晶間から母液を抜き出し、脱水された結晶を得ること
    を含む請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ステップ(a)で移された母液が、その同
    じ段階からの母液を該洗浄ステップの間にその段階に移
    された母液と一緒にすることによって形成される混合母
    液である請求項2または3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ステップ(a)が結晶を含むバスケットを
    有する遠心分離処理装置の内部で行われ、それによって
    溶解ステップ(b)によって形成された新しい溶液は遠心
    分離機の内部に含まれ;ステップ(c)の各新しい溶液の
    移送は一段純度の高い次の段階の処理装置の晶析器へ向
    けられ;そして該ステップ(d)の結晶化ステップは各の
    該晶析装置の内部で行われる請求項1乃至4の何れかに
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 該ステップ(d)の結晶化が、夫れ夫れ各
    新しい溶液の内部にある結晶性の物質の全部よりも少な
    い量を結晶化する複数のステップの中で行われる請求項
    5記載の方法。
  7. 【請求項7】 該溶解ステップ(b)が結晶と母液の温度
    を高める熱交換機と遠心分離機との間で結晶と母液の再
    循環(リサイクリング)を含む請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 複数の段階が段階の外部への望ましくな
    い環境の影響に対して閉ざされている請求項1乃至7の
    何れかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 移された母液の量がステップ(a)の各の
    中で事実上同じであり、そしてステップ(f)の中で排出
    される母液と事実上同じである請求項1乃至8の何れか
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 各段階の間で等量の結晶性の物質が移
    送される請求項1乃至9の何れかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 該ステップの順序が各段階の内部で事
    実上同時に行われる実質的に二度繰り返しのサイクルの
    複数を通じて進行する請求項1乃至10の何れかに記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 該ステップ(a)の移送が多段式再結晶
    系の一つの段階の液体受けから容器への母液の一定量で
    あり、母液の量は一段純度の低い次の段階からのもので
    あって結晶可能な物質の結晶を含む請求項1乃至11の
    何れかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 最も純度の低い段階と最も純度の高い
    段階を含む複数の段階において、該段階の各は液体受け
    容器と処理装置を有し、該段階は段階の内部で事実上同
    時に行われる事実上二度繰り返しのサイクルを通して進
    行し;結晶性の物質の溶剤を含む母液内部の結晶性物質
    の制御された量を最高純度の段階を除く各段階の処理装
    置容器へ添加する手段、該制御された量の結晶性物質の
    各は結晶性の物質が添加される段階よりも一段純度の高
    い次の段階の液体受け容器から移送され;その母液の内
    部に結晶性の物質を溶解し、各処理装置の容器の中で結
    晶性の物質と母液から新しい溶液を形成する為に各処理
    装置の容器と連合する手段;精製すべき結晶性の物質を
    溶剤供給原料の中に溶解して供給原料溶解装置の中に新
    しい供給溶液を形成するための手段を有する供給原料の
    溶解装置;供給原料溶解装置から新しい供給溶液を移送
    し、各処理装置の容器から各新しい溶液を一段純度の高
    い次の段階の処理装置の容器へ移送するための手段であ
    って該最も純度の高い精製段階の処理装置が晶析装置で
    あり;該処理装置の容器の少なくとも一つは新しい供給
    溶液または移送されて来た新しい溶液から結晶を形成す
    るための手段を有し、結晶を形成するための該手段は結
    晶の集まりを支えるための小孔部材を含み、結晶は新し
    い溶液が形成される元の母液の内部にあり、最も純度の
    高い精製段階の母液からの結晶は超純度に精製された製
    品結晶であり;還流部分を有する各液体受け容器と結晶
    を形成するための手段を備えた処理装置容器から母液の
    制御された量を同じ段階の還流部分へ移送するための手
    段;結晶を形成するための手段を有する処理装置の容器
    の中に残っている残留母液を同じ段階の液体受け容器の
    中に移送するための手段、該移送手段は該処理装置の容
    器の小孔部材の上に載っている該結晶間から母液を抜き
    出して脱水した結晶を形成するための手段を含み;最も
    純度の低い段階の還流部分以外の各還流部分内の母液の
    制御された量を、一段純度の低い次の段階からの結晶を
    内部に有する処理装置容器に移し、それによって処理装
    置容器内の脱水された結晶を還流容器からの母液で洗浄
    し;そして最も純度の低い段階の還流容器の内部の母液
    の制御された量を副産物用の収集容器へ移送するための
    手段:以上の要素から成る循環式多段再結晶手順によっ
    て結晶性の物質を超純度に精製するための装置。
  14. 【請求項14】 結晶を形成するための手段を備えた処
    理装置の容器が、その上流にある処理装置の晶析器とス
    ラリーとして通過連絡する遠心分離機との組み合わせか
    ら成り、新しい溶液を移送する該手段は該処理装置の晶
    析器の中に開口し、そして結晶間から母液を抜き出す手
    段が遠心装置の遠心分離機のアセンブリー(集成装置)を
    含む請求項13記載の装置。
  15. 【請求項15】 装置の各構成成分が循環式の多段再結
    晶手順の間に外部環境に対して閉鎖されている請求項1
    3または14に記載の装置。
  16. 【請求項16】 更に、各液体受け容器の外へ母液を移
    すために各液体受け容器に同時に加圧された流体を付与
    するマニホールド(多岐管)システムを含む請求項13、
    14または15に記載の装置。
  17. 【請求項17】 更に、小孔部材の上に載っている結晶
    間から残留母液を外に移し、それによって脱水された結
    晶を形成するための手段を助ける為に液体受け容器に減
    圧を付与する為に各液体受け容器を連結するマニホール
    ドシステムを含む請求項13、14または15に記載の
    装置。
  18. 【請求項18】 最も純度の高い段階以外の各段階の該
    処理装置容器の各が、新しい供給溶液または移送されて
    来た新しい溶液から結晶を形成するための手段を有する
    請求項13〜17の何れかに記載の装置。
  19. 【請求項19】 該処理装置容器の各が遠心分離機の上
    流にある処理装置の晶析器とスラリーとして通過連絡す
    る遠心分離機の組み合わせから成り、該新しい溶液を移
    送するための該手段は該処理装置の晶析器の中に開口
    し、そして結晶の間から母液を抜き出すための該手段が
    遠心装置の遠心分離機アセンブリーを含む請求項13〜
    17の何れかに記載の装置。
JP738795A 1995-01-20 1995-01-20 閉鎖系の多段式超精製再結晶 Pending JPH08196801A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019156654A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 住友金属鉱山株式会社 晶析設備および晶析方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019156654A (ja) * 2018-03-07 2019-09-19 住友金属鉱山株式会社 晶析設備および晶析方法

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