JPH0819564A - 保温材及びその使用方法 - Google Patents

保温材及びその使用方法

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JPH0819564A
JPH0819564A JP15832894A JP15832894A JPH0819564A JP H0819564 A JPH0819564 A JP H0819564A JP 15832894 A JP15832894 A JP 15832894A JP 15832894 A JP15832894 A JP 15832894A JP H0819564 A JPH0819564 A JP H0819564A
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JP
Japan
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heat
heat insulating
insulating material
heat storage
hot water
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Application number
JP15832894A
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English (en)
Inventor
Mamoru Ishiguro
守 石黒
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間温熱が持続する蓄熱タイプの保温材を
提供する。 【構成】 蓄熱材を内包するマイクロカプセルの水性分
散液が包材に固定化されてなる保温材。加熱及び蓄熱は
電子レンジの如きマイクロ波を照射することにより可能
である。蓄熱材は脂肪族炭化水素類、脂肪酸類、エステ
ル化合物等が好ましく、融点が40℃以上のものが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気又は燃料等による
エネルギーを連続的に用いることなく対象物を加熱又は
保温することが可能な蓄熱タイプの保温材及びその加熱
方法に関するものであり、従来から知られているカイ
ロ、湯たんぽ、行火等と同様の用途に利用可能である。
本発明の保温材は従来のものに比べ簡便な操作で加熱、
蓄熱が可能で、しかも保温効果が長時間持続するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気や燃料のエネルギーを使用しないで
用いられる保温材、特に寒冷時に暖を取るための保温材
として、カイロ、行火、湯たんぽ等が挙げられる。カイ
ロは最近では鉄粉の酸化反応を利用した使い捨て化学カ
イロがその簡便さと安価さが受け入れられ大きな市場へ
と成長を遂げているが再利用出来ないという問題があ
る。
【0003】また最近ではあまり使われなくなったが就
寝時の暖房用具として湯たんぽが一般に用いられてい
る。湯たんぽは水(熱湯)の顕熱を利用した蓄熱タイプ
の保温材であるが、お湯を沸かしたり詰めたりする煩雑
さや火傷の危険性、そして発熱持続性が劣る等の点であ
まり使われなくなっているのが現状である。湯たんぽ等
で代表される蓄熱タイプの保温材の持続時間を長くする
手段としては保温材の熱容量を高めてやればよく、その
ためには、1.蓄熱材(湯たんぽの場合は熱湯)の量を増
す、2.水の代わりに相変化を有する化合物すなわち潜熱
蓄熱材を用いる等の方法がある。
【0004】しかしながら1.の方法では保温材の重量が
増し、持運びに苦労するばかりでなく蓄熱材である「お
湯」を沸かすにも時間と多大なエネルギーを必要とす
る。一方、2.の方法を実現しようとすると少なくとも40
℃以上の融点を有する化合物、例えばパラフィンワック
スの如き潜熱蓄熱材をお湯の代わりに湯たんぽの中に投
入することになり、その結果凝固点以下の温度での取出
しが煩雑であったり、加熱する際にも引火の危険性を伴
う等実用性に欠けるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の課題
は、前記蓄熱タイプの保温材の有する問題点を解決する
ことにあり、具体的には潜熱蓄熱材を用いることにより
発熱の保持時間を長時間持続させることにある。第2の
課題は従来の湯たんぽで行なわれていた様な熱湯を注ぎ
込むような操作は必要とせず簡単な操作で繰り返し蓄熱
と放熱を可能とすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記2つの課題は、潜熱
蓄熱材を内包するマイクロカプセルの水性分散液を包材
に充填することにより解決され、これをマイクロ波に照
射することにより簡単かつ短時間に蓄熱が可能となる。
すなわち本発明は、1.潜熱蓄熱材を内包するマイクロ
カプセルの水性分散液が包材に充填されてなる保温材で
あり、2.その保温材をマイクロ波を照射し加熱して使
用する方法である。
【0007】マイクロカプセルとは直径約1μm〜数m
mの微小な容器であり、内包物の保護、隠蔽等の効果や
見掛け上液体を固体に、また逆に固体を液体として取り
扱うことが可能となる。また本発明による潜熱蓄熱材を
内包するマイクロカプセルの水性分散液は潜熱蓄熱材の
融点以下の温度であっても常に良好な流動性を示すもの
であるため柔らかな感触を常に維持できるという効果も
有する。
【0008】また、通常潜熱蓄熱材のみにマイクロ波を
照射してもいっこうに融解、蓄熱は為されないが潜熱蓄
熱材を内包するマイクロカプセルの水分散液であればマ
イクロ波を照射することによりまずマイクロカプセルの
分散媒である水の温度が上昇してきて、さらに温度が上
がるとマイクロカプセル内の潜熱蓄熱材が融け始め蓄熱
材の種類に応じた融点で潜熱蓄熱が可能となる。
【0009】本発明で使用可能な潜熱蓄熱材は相変化を
伴う化合物であれば無機系、有機系いずれのものでも使
用可能であるが人体に接した場合に心地よい温熱を感じ
得る温度域に融点を有する化合物が好ましい。好ましい
融点としては40℃以上であり、具体的には、塩化マグ
ネシウム・6水塩、酢酸ナトリウム・3水塩、硝酸マグ
ネシウム・2水塩等の多量の結晶水を含む無機化合物。
脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ステアリン酸、ミリ
スチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコー
ル、ステアリルアルコール等の高級アルコール、安息香
酸フェニル、フタル酸ジシクロヘキシル等の有機化合物
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】潜熱蓄熱材のマイクロカプセル化方法は用
いられる潜熱蓄熱材の性状により異なるが、代表的な手
法、膜材としてはコアセルベーション法によるゼラチン
皮膜、insitu法によるアミノプラスト樹脂皮膜、
界面重合法によるポリウレタン、ナイロンあるいはポリ
尿素樹脂皮膜、液中乾燥法による樹脂皮膜等の公知の手
法及び膜材が挙げられる。これらの手法により得られた
マイクロカプセル分散液の分散媒が水系であればそのま
まの状態で本発明で使用可能な水分散液が得られるが、
分散媒が非極性の有機系溶剤等である場合には遠心分離
法、圧搾濾過法などの手法で脱溶剤化した後再度水系分
散媒に分散させれば良い。
【0011】マイクロカプセルの粒子径は特に限定はさ
れないが0.1 〜500 μm、好ましくは1 〜50μmであ
る。この範囲より小さい粒子径のマイクロカプセルを製
造するには工業的に長時間と多大なエネルギーを必要と
するため得策ではなく、またこれより大きい粒子径にな
ると物理的に弱いものになったり、包材に充填した場合
の感触として異物感を生じるため好ましくない。潜熱蓄
熱材中には過冷却防止材、比重調節材、劣化防止剤、分
散補助材等が添加できる。また、マイクロカプセル分散
液中には増粘剤を添加して適当な粘度に調節したり、凝
固点調節剤、沸点調節剤、消泡剤、防腐剤等を必要に応
じ適宜添加できる。
【0012】マイクロカプセル分散液を充填する包材の
種類や大きさ、形状は特に限定はされないが、マイクロ
波をよく通過させ得るもので且つ繰り返し照射にも耐え
得るような丈夫なものでなければならない。またマイク
ロカプセル分散液が包材内で流動し易くするためにはあ
る程度の柔軟性をも兼ね備える必要がある。包材の具体
例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ナイロン、天然ゴム等の合成又は天然の素材が使
用できる。マイクロ波の照射により次第に包材の表面が
高温になるため、熱をある程度断熱、保温できるような
素材、例えば布製の袋等でこの包材の外側を覆うことに
より使用感も良くなるし発熱持続時間の調節も可能とな
る。
【0013】分散液中のマイクロカプセルの濃度は高い
ほど融解熱量が増すため好ましいが、マイクロカプセル
の製造条件、そしてある程度水が必要であることを考慮
すると固形分重量比率として40〜70%が好ましい濃
度範囲である。
【0014】マイクロ波は通常高周波とも呼ばれ、極性
を有する液体に照射するとその分子運動が盛んになるこ
とにより加熱が可能となる。最も一般的な照射装置は電
子レンジでありマグネトロンから発射される波長2450 M
Hzの高周波が一般に利用されている。本発明による保温
材の加熱方法はマイクロ波照射に限定される訳ではな
く、潜熱蓄熱材の融点以上の温度の熱湯中で蓄熱材が融
解するまで加熱することによっても同様に蓄熱可能であ
るが、保温材を迅速に高温に加熱できる点でマイクロ波
による加熱方法が好ましい。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。尚、本発明の
融点及び融解熱は示差熱熱量計(米国パーキンエルマー
社、DSC−7型)を用いて測定した。 実施例1 潜熱蓄熱材マイクロカプセルの製法 pHを4.5に調整した5%のスチレン−無水マレイン
酸共重合体のナトリウム塩水溶液100gの中に、潜熱
蓄熱材としてパラフィンワックス(融点60℃、融解熱5
0kcal/kg)80gを激しく攪拌しながら添加
し、平均粒子径が5.0μmになるまで乳化を行なっ
た。
【0016】次にメラミン5gと37%ホルムアルデヒ
ド水溶液7.5g及び水15gを混合し、これをpH8
に調整し、約80℃でメラミン−ホルマリン初期縮合物
水溶液を調製した。この全量を上記乳化液に添加し70
℃で2時間加熱攪拌を施してカプセル化反応を行なった
後、この分散液のpHを9に調整してカプセル化を終了
した。得られたマイクロカプセルの堆積平均粒子径は
5.2μmであった。このマイクロカプセル分散液1k
gを保温材を厚さ0.5mm の硬質ポリエチレン製の袋に充
填し端部を融着させて保温材を得た。
【0017】実施例2 5%のポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA
117)水溶液100gの中に、多価イソシアネート
(住友バイエルウレタン社製スミジュールN−320
0)6gを含む80℃に加熱した潜熱蓄熱材としてのス
テアリン酸(融点70℃、融解熱45kcal/kg)
80gを激しく攪拌しながら添加し平均粒子径が10μ
mになるまで乳化を行なった。
【0018】次にジエチレントリアミン3.2gを水5
0gに溶解し全量を上記乳化液中に添加した後、60℃
で3時間攪拌を続けステアリン酸を内包するカプセルの
水分散液を得た。このマイクロカプセル分散液を実施例
1と同様の包材に充填することにより保温材を得た。
【0019】実施例3 実施例1及び実施例2で得られた保温材を家庭用の電子
レンジで約5分間マイクロ波照射を行なったところ、心
地よい温熱を発する保温材が得られ、保温効果も長時間
持続するものであった。
【0020】比較例 実施例1と同様の包材に実施例のマイクロカプセル分散
液の代わりに水1kgを充填し同様の保温材を得、また
実施例3と同様にして電子レンジを用いて加熱を行なっ
たところ、水の加熱は可能であったが肌で暖かいと感じ
得る保温時間は極めて短いものであった。
【0021】実施例4 実施例1、2、及び比較例で得られた保温材を家庭用の
電子レンジを用いて約10分間マイクロ波照射を行なった
ところ何れの保温材も表面温度が85℃まで上昇した。
これら加熱した保温材を20℃の雰囲気下に静置させ表
面の温度を経時的に測定した結果を図1に示す。曲線A
は実施例1、曲線Bは実施例2、曲線Cは比較例を示
す。
【0022】
【発明の効果】図1からも明らかな様に、本発明による
保温材は湯たんぽの如き蓄熱タイプの保温材として使用
することが可能で温熱の保持時間を長時間持続させるこ
とが可能である。しかも従来の様に使用するごとに熱湯
を充填したり抜いたり必要もなく、マイクロ波を照射す
るだけで何回でも使用可能である。さらに感触も常に柔
らかさを維持するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4における保温材表面温度の測定結果を
示すグラフ。
【符号の説明】
A 実施例1の保温材 B 実施例2の保温材 C 比較例の保温材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜熱畜熱材を内包するマイクロカプセル
    の水性分散液が包材に充填されてなる保温材。
  2. 【請求項2】 潜熱畜熱材の融点が40℃以上である請
    求項1に記載の保温材。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の保温材をマイクロ波照
    射により加熱して使用する方法。
JP15832894A 1994-07-11 1994-07-11 保温材及びその使用方法 Pending JPH0819564A (ja)

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JP15832894A JPH0819564A (ja) 1994-07-11 1994-07-11 保温材及びその使用方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003158A (ja) * 2001-06-26 2003-01-08 Mitsubishi Paper Mills Ltd 蓄熱材マイクロカプセルおよびそれを用いた建材または布帛類

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003158A (ja) * 2001-06-26 2003-01-08 Mitsubishi Paper Mills Ltd 蓄熱材マイクロカプセルおよびそれを用いた建材または布帛類

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