JPH08195050A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置

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Publication number
JPH08195050A
JPH08195050A JP7003087A JP308795A JPH08195050A JP H08195050 A JPH08195050 A JP H08195050A JP 7003087 A JP7003087 A JP 7003087A JP 308795 A JP308795 A JP 308795A JP H08195050 A JPH08195050 A JP H08195050A
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JP
Japan
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head
disk
carriage
magnet
yaw angle
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Application number
JP7003087A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Hanada
一良 花田
Satoru Yamaura
悟 山浦
Akio Takatsuka
章郎 高塚
Toshio Matsushita
敏男 松下
Toshihisa Okazaki
寿久 岡崎
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】装置の出荷時または停止時にヘッド1をヘッド
退避領域21に移動、固定するのを達成できる実施方法
とその装置を提供する。 【構成】ディスク5面上のヘッド退避領域21を、ヘッ
ド1がディスク5面上を移動する範囲のディスク5最内
周位置に設け、ディスク5面上の半径方向が任意のヘッ
ド1位置でヘッド1とディスク5が接触するとき、その
摩擦力がはたらく方向によって常にキャリッジ3が内周
側に回転するように、ヘッドyaw角1bを設定する。
または、ディスク5面上の半径方向が任意のヘッド1位
置において常にヘッドyaw角1bが存在するようにヘ
ッド1を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータの記憶装
置の一つである磁気ディスク装置に係り、ディスク面上
のヘッド退避領域を、ヘッドがディスク面上を移動する
範囲のディスク最内周位置に設け、ディスク面上の半径
方向が任意のヘッド位置でヘッドとディスクが接触する
とき、その摩擦力がはたらく方向によって常にキャリッ
ジが内周側に回転するように、ヘッドyaw角を設定す
る。または、ディスク面上の半径方向が任意のヘッド位
置において常にヘッドyaw角が存在するようにヘッド
を設ける。また、ヘッドをディスク面上の特定の位置に
一時的に固定するための、キャリッジ固定機構を備え
る。また、キャリッジ固定機構の固定力を、外部からの
衝撃あるいは振動によってキャリッジが移動しようとす
る力よりも大きくする。また、キャリッジと共に回転す
る部分に磁性部材を設け、キャリッジを揺動するための
ボイスコイルモ−タを構成するマグネットの漏洩磁束を
利用して上記磁性部材を引き寄せるマグネットリトラク
ト機構を備え、上記マグネットリトラクト機構によって
磁性部材がマグネットに引き寄せられることが可能なデ
ィスク面上のヘッド位置の範囲内に、ヘッドyaw角が
消滅する位置を設ける。また、ヘッドがディスク面上を
移動する範囲のディスク最内周位置で、ヘッドyaw角
が最小角度となるようにヘッドを設ける。
【0002】以上により、更に装置の小型化及び薄型
化、高記録密度化、高信頼度化、低消費電力化、低価格
化、情報処理速度の高速化をはかる実施方法とその装置
に関する。
【0003】
【従来の技術】従来からヘッドをディスク面上のヘッド
退避領域に移動、固定する手段として、特開平6−24
3605(以下第一の従来例という。)及び特開平6−
251517(以下第二の従来例という。)に記載の例
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気ディスク装置は、
ノートブック型パソコン19(図7)の内部に実装され
るなど、従来から小型化及び薄型化が要求されている。
また、ノートブック型パソコン19は外部からの給電以
外に、内部にバッテリーを搭載し身近にコンセントが無
くても使用できるタイプが主流であることから、低消費
電力化についても要求されている。この他にも、装置の
信頼性や低価格化、情報処理速度の高速化が要求されて
いることはいうまでもない。
【0005】磁気ディスク装置は、小型化及び薄型化の
要求からヘッド1の薄膜技術による小型化によってディ
スク5の積層間隔を縮小することで高さ方向を縮小し、
また、ヘッド1のディスク5面上に対する浮上高さを低
減して、ディスク5の面上に記録するディスク5半径方
向のピッチを縮小しディスク5の直径を縮小することで
幅方向を縮小して上記要求を達成してきた。このような
高記録密度化を達成するために、ディスク5の品質は高
い水準が要求されており、装置に搭載後もこれを維持し
なければならないので、装置の出荷時や停止時に外部か
らの衝撃や振動によってヘッド1がディスク5面上に記
録された情報を損傷しないようにディスク5面上にヘッ
ド退避領域21(図1)を設けて装置の出荷時や停止時
にヘッド1がこの領域内に一時的に固定できるようにし
ていた。このヘッド退避領域21はヘッド1が情報を記
録しない領域である。また、停止時に面精度の良いディ
スク5面上とヘッド1の面が吸着して装置の起動時にス
ピンドルモ−タ6が回転できなくなる事故を防止するた
めに、一般的にヘッド退避領域21は、吸着したヘッド
1に対してスピンドルモ−タ6の起動トルクが最も大き
く働くディスク5面上の位置、すなわち、ヘッド1がデ
ィスク5面上を移動する範囲のディスク5最内周位置に
設けている。また、この領域内にヘッド1を一時的に固
定する方法として、第一の従来例及び第二の従来例にあ
るような方式が検討されてきたが、これまでの技術では
以下のような問題があった。
【0006】第一の従来例によれば、ヘッド退避領域2
1にヘッド1を一時的に移動、固定する方法としてヘッ
ド1を固定するためのア−ム及び磁石があり、また、こ
れを備えるためのスペ−スが必要であり、装置の小型化
及び薄型化、低価格化に問題がある。
【0007】第二の従来例によれば、ヘッド退避領域2
1にヘッド1を一時的に移動、固定する方法として磁性
部材を引き寄せるための専用の磁石があり、低価格化に
問題がある。
【0008】以上の従来例の他に、第二の従来例にある
磁性部材を、ボイスコイルモ−タ2を構成するマグネッ
ト2aの漏洩磁束を利用して引き寄せるマグネットリト
ラクト機構がある。上記マグネットリトラクト機構によ
れば、第一の従来例及び第二の従来例にある高価な磁石
を専用に設ける必要が無いので比較的低価格な構造で、
ヘッド退避領域21にヘッド1を一時的に移動、固定す
ることができる。しかし、上記マグネットリトラクト機
構においても、以下のような問題がある。
【0009】ボイスコイルモ−タ2は、ヘッド1をディ
スク5面上の所望の位置に精度良く位置決めするための
キャリッジ3を移動させるものである。情報処理速度を
速くするためにキャリッジ3を速く移動させる必要があ
る。しかし、小型化及び薄型化によりボイスコイルモ−
タ2の実装スペ−スがとれないこと、低消費電力化から
キャリッジ3に固定しているコイル9にあまり大きな電
流を流せないことから、マグネット2aは従来から高磁
束密度のものを既に採用している。磁性部材を引き寄せ
る力が最も大きいマグネット2aの位置は、最も漏洩磁
束が集中している部分であるマグネット2aの中央部近
傍である。ヘッド1がヘッド退避領域21にあるときに
磁性部材の位置が漏洩磁束の集中している位置の近傍に
くるようになっている。また、ヘッド1がディスク5面
上の最外周位置にあっても磁性部材が漏洩磁束に引き寄
せられなければならない。しかし、磁性部材を引き寄せ
る力は、本来のボイスコイルモ−タ2の役割であるキャ
リッジ3を移動させる力を妨げるものであり、装置の稼
働時には、キャリッジ3を移動させるときの負荷とな
る。これを、磁性部材の負荷という。従って、この磁性
部材の負荷を無視できる程度、コイル9に大きな電流が
必要となることから低消費電力化または情報処理速度の
高速化に問題がある。また、マグネット2aの磁束を効
率良くキャリッジ3を移動させる力に結び付けるために
も、漏洩磁束が多いことは好ましくない。また、キャリ
ッジ3は任意の回転軸を中心にして片側にヘッド1を備
え回転軸に対抗する位置にコイル9を備えており、回転
軸にベアリング(図示せず)を介してキャリッジ3を設
け、これを揺動させる構造から、キャリッジ3と共に回
転する部分の質量をヘッド1位置に換算したものを低減
しなければならない。すなわち、キャリッジ3自体の質
量を低減することの他に、キャリッジ回転中心3aから
距離が離れている部分ほど軽量化されなければならな
い。キャリッジ3自体の質量が大きかったり、キャリッ
ジ回転中心3aから距離が離れている部分が軽量化され
ていない場合、キャリッジ3を移動させるときの負荷の
原因となる。これを、キャリッジ3回転負荷という。ま
た、キャリッジ回転中心3aからコイル9の力が発生す
るところまでの距離は、長いほどコイル9の力を必要と
しない。但し、スペ−スがないことからこの距離には限
度がある。また、ヘッド1の信号をリードライト制御基
板12に伝達することやコイル9を駆動する電力を供給
するために、キャリッジ3の側面に固定しているFPC
(CARRIAGE)(フレキシブルプリント基板)1
4a(図1)がある。FPC(CARRIAGE)(フ
レキシブルプリント基板)14aは、剛性が高いほど曲
率が小さくなるに従い、反発力が大きくなる。(以下、
FPCの反力という。)図1のような実装状態で剛性が
高いFPC(CARRIAGE)(フレキシブルプリン
ト基板)14aを使用している場合、ヘッド1がディス
ク5面上の最外周位置にあるとき、最も反発力が大きく
なる。従来このFPCの反力を利用してヘッド1をディ
スク5面上の最内周位置に設けられたヘッド退避領域2
1に移動させるものがあるが、上記磁性部材の負荷と同
様に、FPCの反力はキャリッジ3を移動させるときの
負荷となる。従って、装置の稼働時には、FPCの反力
を無視できる程度、コイル9に大きな電流が必要となる
ことから低消費電力化または情報処理速度の高速化に問
題がある。
【0010】また、装置の停止時、スピンドルモ−タ6
の回転数が低下してヘッド1の浮上高さが低下すること
から、ヘッド1がディスク5面上と接触するため、ヘッ
ド退避領域21にヘッド1を移動する手段が上記従来例
の場合、キャリッジ3回転負荷に加えて、この時の、ヘ
ッド1とディスク5の摩擦力も考慮し、マグネット2a
が磁性部材を引き寄せる力を設定しなければならない。
【0011】また、一般的に従来からのヘッドyaw角
1bの設定は、ヘッドyaw角1bが無い位置をディス
ク5面上の半径方向でヘッド1が移動する範囲の中間近
傍に設けて、その位置からディスク5面上の外周あるい
は内周に移動するに従いヘッドyaw角1bが大きくな
るように設定されていた。
【0012】以上に記載の従来技術では、装置の小型化
及び薄型化、高記録密度化、高信頼度化、低消費電力
化、低価格化、情報処理速度の高速化に対して配慮され
ておらず問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、ディスク5面上のヘッド退避領域21を、ヘッド1
がディスク5面上を移動する範囲のディスク5最内周位
置に設け、ディスク5面上の半径方向が任意のヘッド1
位置でヘッド1とディスク5が接触するとき、その摩擦
力がはたらく方向によって常にキャリッジ3が内周側に
回転するように、ヘッドyaw角1bを設定する。また
は、ディスク5面上の半径方向が任意のヘッド1位置に
おいて常にヘッドyaw角1bが存在するようにヘッド
1を設ける。また、ヘッド1をディスク5面上の特定の
位置に一時的に固定するための、キャリッジ3固定機構
を備える。また、キャリッジ3固定機構の固定力を、外
部からの衝撃あるいは振動によってキャリッジ3が移動
しようとする力よりも大きくする。また、キャリッジ3
と共に回転する部分に磁性部材20を設け、キャリッジ
3を揺動するためのボイスコイルモ−タ2を構成するマ
グネット2aの漏洩磁束を利用して上記磁性部材20を
引き寄せるマグネットリトラクト機構を備え、上記マグ
ネットリトラクト機構によって磁性部材20がマグネッ
ト2aに引き寄せられることが可能なディスク5面上の
ヘッド1位置の範囲内に、ヘッドyaw角1bが消滅す
る位置を設ける。また、ヘッド1がディスク5面上を移
動する範囲のディスク5最内周位置で、ヘッドyaw角
1bが最小角度となるようにヘッド1を設ける。
【0014】以上の手段によって解決できる。
【0015】
【作用】ディスク5面上のヘッド退避領域21を、ヘッ
ド1がディスク5面上を移動する範囲のディスク5最内
周位置に設け、ディスク5面上の半径方向が任意のヘッ
ド1位置でヘッド1とディスク5が接触するとき、その
摩擦力がはたらく方向によって常にキャリッジ3が内周
側に回転するように、ヘッドyaw角を設定する。また
は、ディスク5面上の半径方向が任意のヘッド1位置に
おいて常にヘッドyaw角1bが存在するようにヘッド
1を設ける。装置の停止時ヘッド1は、スピンドルモ−
タ6の回転数が低下してヘッド1の浮上高さが低下する
ことから、ヘッド1がディスク5面上と接触する。ヘッ
ドyaw角1b設定は、ディスク5回転方向に対してヘ
ッド1を浮上させるために設けられたレ−ル1aの側面
1dに対する摩擦抵抗が最も少なくなる位置、すなわ
ち、ヘッドyaw角1bが消滅する位置を、ヘッド1が
ディスク5面上を移動する範囲のディスク5最内周位
置、あるいは、それよりも更に内周位置に設定する。ヘ
ッド1は、ディスク5面上の半径方向が任意の位置で、
レ−ル1aの側面1dに対する摩擦抵抗によって常にキ
ャリッジ3が内周側に回転し、ヘッド退避領域21に移
動する。以上により、新たな部品を追加することなく、
装置の停止時、スピンドルモータ6の惰性回転中にヘッ
ド1をヘッド退避領域21に移動することを可能とす
る。
【0016】また、ヘッド1を特定の位置に一時的に固
定するための、キャリッジ3固定機構を兼ね備えること
によって、ヘッド1は装置の出荷時または停止時に、ヘ
ッド退避領域21に固定されることから、外部からの衝
撃あるいは振動によってヘッド1がディスク5面上に記
録された情報を損傷したり、停止時に面精度の良いディ
スク5面上とヘッド1の面が吸着して装置の起動時にス
ピンドルモ−タ6が回転できなくなるという事故を防止
する。
【0017】また、キャリッジ3固定機構の固定力を、
外部からの衝撃あるいは振動によってキャリッジ3が移
動しようとする力よりも大きくすることから、ヘッド1
は装置の出荷時または停止時に、ヘッド退避領域21か
ら離脱することがない。
【0018】また、キャリッジ3と共に回転する部分に
磁性部材20を設け、キャリッジ3を揺動するためのボ
イスコイルモ−タ2を構成するマグネット2aの漏洩磁
束を利用して上記磁性部材20を引き寄せるマグネット
リトラクト機構を備え、上記マグネットリトラクト機構
によって磁性部材20がマグネット2aに引き寄せられ
ることが可能なディスク5面上のヘッド1位置の範囲内
に、ヘッドyaw角1bが消滅する位置を設ける。装置
の停止時ヘッド1は、スピンドルモ−タ6の回転数が低
下してヘッド1の浮上高さが低下することから、ヘッド
1がディスク5面上と接触する。ヘッドyaw角1b
は、ディスク5回転方向に対してヘッド1を浮上させる
ために設けられたレ−ル1aの側面1dに対する摩擦抵
抗が最も少なくなる位置、すなわち、ヘッドyaw角1
bが消滅する位置を、キャリッジ3と共に回転する部分
に設けられた磁性部材20が、キャリッジ3を揺動する
ためのボイスコイルモ−タ2を構成するマグネット2a
の漏洩磁束によって引き寄せることが可能なディスク5
面上の範囲内に設定する。よって、ヘッド1は、ディス
ク5面上でレ−ル1aの側面1dに対する摩擦抵抗によ
って、磁性部材20をマグネット2aの漏洩磁束によっ
て引き寄せることが可能なディスク5面上の範囲内であ
るところの、ヘッド退避領域21近傍に移動する。次
に、キャリッジ3の磁性部材20がマグネット2aの漏
洩磁束によって引き寄せられることによって、ヘッド1
はヘッド退避領域21に固定される。以上により、新た
な部品を追加することなく、装置の停止時にヘッド1を
ヘッド退避領域21に移動することを可能とする。ま
た、装置の出荷時においては、キャリッジ3動作時の磁
性部材の負荷、FPCの反力を最小限にした状態で、ヘ
ッド1をヘッド退避領域21に固定することを可能とす
る。
【0019】また、ヘッド1がディスク5面上を移動す
る範囲のディスク5最内周位置で、ヘッドyaw角1b
が最小角度となるようにヘッド1を設けることから、ヘ
ッド1がディスク5面上の全ての位置で、できるだけ均
一な浮上高さを得られるようにする。
【0020】
【実施例】磁気ディスク装置の基本構造を以下に説明す
る。
【0021】アルミニウムまたは硝子を基板材料としそ
の表面に磁性膜を形成した磁気的に情報を保持するディ
スク5(図1)は、スピンドルモ−タ6により回転駆動
させる。スピンドルモータ6は、ステンレスを素材とす
るモータシャフト6fと、この上下に圧入したモータベ
アリング6b(図2)を介して精度良く回転するアルミ
ニウムを素材とするハブ6aがあり、ハブ6aは、軸方
向にスプリング(図示せず)で予圧をかけられている。
モータシャフト6fのモータベアリング6b間に固定さ
れたモータコイル6dとそれに対向するハブ6a内面に
永久磁石のモータ磁石6cを固定し、モータコイル6d
に通電することによってハブ6aを回転させる。ハブ6
aにディスク5を挿入し、アルミニウムまたはステンレ
スまたは鉄を素材とし、リング形状となっているクラン
プリング4を用いてディスク5をハブ6aに締結する。
クランプリング4の締結方法はハブ6aに焼きばめして
締結する。あるいは、ハブ6aの上面にネジを用いて締
結しても良い。回転駆動しているディスク5の表面上
に、0.1ミクロン程度の一定な空間を保ちながら浮上
させて、磁気的に情報を書き込み或いは読みだす為の電
気信号と磁界との間を変換する電磁コイルを備えるフェ
ライトまたは金属薄膜による形成を主流とした材料でつ
くられたヘッド1と、これをディスク5の面上に正確に
位置決めするためのアルミニウムまたはマグネシウムを
素材としたキャリッジ3があり、これらは絶縁皮膜のあ
るアルミニウム線または銅線にて巻き線状態としたコイ
ル9と永久磁石のマグネット2aとこれを支持し磁気回
路を形成するためのヨーク2bにより構成されるボイス
コイルモータ2により駆動位置決めされる。コイル9の
上下に配置するヨーク2bの一方は、コイル9に対して
S極になっているマグネット2aとコイル9に対してN
極になっているマグネット2aの2種類を備えている。
これらはディスク5面上に情報を書き込み或いは読み出
すためにヘッド1が移動する時の、コイル9移動角度の
中心から左右方向にコイル9が回転する円弧に沿ってそ
れぞれ固定されている。もう一方のヨーク2bには上記
マグネット2a位置とコイル9をはさんで対象な位置に
マグネット2aが固定されており、マグネット2aの極
性は、対向するマグネット2aの極性と逆になってい
る。これによってマグネット2aの間の同一方向に巻き
線されたコイル9に電力量と電流方向を制御しながら流
すことによりキャリッジ3を駆動位置決めする。ヘッド
1の読み書き時の信号は、ヘッド1に設けられた電磁コ
イルの細線によってキャリッジ3を通り(図示せず)F
PC(CARRIAGE)(フレキシブルプリント基
板)14a(図1)によってヘッド1の読み書き時の信
号を制御するリードライト制御基板12に伝達され、リ
ードライト制御基板12の下面に位置するアルミニウム
またはステンレスまたは鉄を素材としたベース7に接着
することにより設けられた密閉型コネクタ10(図2)
によってHDA外に伝達されている。密閉型コネクタ1
0とはHDA内外間の電気信号を中継するもので、信号
を伝達するための複数からなるピンとそれを保持するた
めのモールド成型部分との密閉が完全になっているもの
である。コイル9の電流についてもFPC(CARRI
AGE)14a(図1)を通って密閉型コネクタ10
(図2)に伝達されている。また、スピンドルモ−タ6
の駆動電流はFPC(MOTOR)14b(図1)によ
って密閉型コネクタ10(図2)に伝達されている。ス
ピンドルモ−タ6の駆動電流によるノイズがヘッド1の
読み書き時の信号を妨害するような場合、スピンドルモ
−タ6の駆動電流のみ別の密閉型コネクタに接続する場
合がある。上記密閉型コネクタ10(図2)はHDA外
に設けられた装置を制御するための回路基板11に伝達
されている。異常時にコイル9に規定以上の電流が流れ
キャリッジ3が暴走しヘッド1によってディスク5を損
傷したり或いはヘッド1がディスク5面上から脱落する
ことを防止するためのストッパ16(図1)が設けられ
ている。モ−タシャフト6fとキャリッジ3の回転中心
軸、ボイスコイルモータ2はベ−ス7に固定し、アルミ
ニウムまたはステンレスまたは鉄を素材としたカバー8
をネジにてベ−ス7に固定する。カバー8に設けられた
ネジの穴付近は、ネジ頭が締結後にカバー8の上面から
飛び出ないように凹んでいる。HDA内を外気から密閉
するためにベ−ス7とカバー8の合わせ面上に湿気を透
さない程度の厚みをもったアルミニウム泊を素材としそ
の片面に接着剤を施した密閉シール17を貼り付ける。
(図2)上記にて構成されるHDAは、ヘッド1とディ
スク5の間の情報の書き込み或いは読みだす動作状態に
おいて、その信号を正確に処理するために、この空間に
介在物が進入して磁界を妨げてはならないことから、常
に清浄に保たなければならないので、内部フィルタ13
(図1)を設けディスク5の回転により発生するHDA
内部の空気循環によって内部塵埃の捕獲を行なうように
している。また、HDA内部の湿度制御やガスの吸着を
するために空調剤15を搭載して、HDA内の湿度を常
に一定の範囲内に設定するとともに、ヘッド1とディス
ク5間の接触耐力に悪影響のあるガスを吸着させて装置
の信頼性を向上させている。大容量形の磁気ディスク装
置は、記憶容量を得るために複数のディスク5を搭載し
ており、このディスク5の面に対しそれぞれヘッド1が
存在するため、ディスク5とディスク5の間にディスク
スペ−サ18を設け、ヘッド1とヘッド1の間隔はキャ
リッジ3のヘッド1取付け面を精度良く仕上げることに
より間隔を一定に保つようしている。
【0022】以下、更に装置の小型化及び薄型化、高記
録密度化、高信頼度化、低消費電力化、低価格化、情報
処理速度の高速化をはかることが可能な、装置の出荷時
または停止時にヘッド1をヘッド退避領域21に移動、
固定する構造を図1から図6により説明する。
【0023】図1は本発明の一実施例を示したカバ−8
開放状態の上面図であり、ヘッド1がディスク5面上の
最内周位置と最外周位置にあるときのヘッド1、キャリ
ッジ3、コイル9の位置を破線で示したものである。図
2は図1の断面図である。ディスク5面上のヘッド退避
領域21(図1)を、ヘッド1がディスク5面上を移動
する範囲のディスク5最内周位置に設ける。図3はヘッ
ドyaw角1bの設定を示した図である。実線で示され
たヘッド1はヘッドyaw角1bが無い状態を示してお
り、ディスク5に情報を記録再生するためのヘッド1の
記録再生部1cとディスク回転中心22を結ぶ直線に対
してレール1aの側面1dが直角に位置している。ま
た、装置の停止時、スピンドルモ−タ6の回転数が低下
してヘッド1の浮上高さが低下し、ヘッド1がディスク
5面上と接触してスピンドルモ−タ6の回転が完全に停
止したとき、ディスク5面上のヘッド1の位置は、キャ
リッジ3を移動させるときの負荷が無い場合、ディスク
5面上の潤滑剤と、ヘッド1のディスク5面側に、ヘッ
ド1を浮上させるために設けられたレ−ル1a(図3)
によって、ディスク5回転方向に対してレ−ル1aの側
面1dに対する潤滑剤の摩擦抵抗が最も少ない位置の近
傍、すなわち、ヘッドyaw角1bが無い位置の近傍で
停止する。また、この現象はヘッド1の形状が例えば球
状であったり、レ−ル1aの側面1dが存在しない形状
でない限り、装置の停止時、スピンドルモ−タ6の回転
数が低下してヘッド1の浮上高さが低下し、ヘッド1が
ディスク5面上と接触する構造であればレ−ル1aの側
面1dと潤滑剤の摩擦が発生するので、今後更にヘッド
1が小型化されても摩擦によって再現できる。よって、
実施例におけるヘッドyaw角1bの設定は、ヘッドy
aw角1bが消滅する位置を、ヘッド1がディスク5面
上を移動する範囲のディスク5最内周位置、あるいは、
それよりも更に内周位置に設定する。従って、ディスク
5面上のヘッドyaw角1bは、ヘッドyaw角1bが
消滅する位置を、ヘッド1がディスク5面上を移動する
範囲のディスク5最内周位置に設定した場合、ヘッド1
がヘッド退避領域21にある以外は、図3の破線で示し
た方向となる。また、ヘッドyaw角1bが消滅する位
置を、ヘッド1がディスク5面上を移動する範囲のディ
スク5最内周位置よりも更に内周位置に設定した場合、
常に図3の破線で示した方向となる。これによって、デ
ィスク5面上の半径方向が任意のヘッド1位置でヘッド
1とディスク5が接触するとき、その摩擦力がはたらく
方向によって常にキャリッジ3が内周側に回転するよう
になる。また、ヘッド1がディスク5面上の最外周位置
から最内周位置に移動するのに要するディスク5面上と
の摩擦力は、通常のキャリッジ3回転負荷やFPCの反
力が存在しても、装置が停止するときのスピンドルモー
タ6の惰性回転内で十分満足できる。キャリッジ3を移
動させるときの負荷となる、キャリッジ3の質量をヘッ
ド1位置に換算したものをできるだけ低減し、キャリッ
ジ3回転負荷を低減する。また、装置停止時、ヘッド1
をヘッド退避領域21に移動するためのキャリッジ3の
移動は、FPCの反力に依存しないので、キャリッジ3
の側面に固定しているFPC(CARRIAGE)(フ
レキシブルプリント基板)14a(図1)を薄いタイプ
のものを採用し、キャリッジ3側面への固定もできるだ
け曲率が大きくなるように配置して、剛性をできるだけ
低くすることにより、FPCの反力を低減する。以上に
より、キャリッジ3動作時のキャリッジ3回転負荷及び
FPCの反力を最小限にした状態で、新たな部品を追加
することなく、装置の停止時、スピンドルモータ6の惰
性回転中にヘッド1をディスク5面上のヘッド退避領域
21に移動することが可能となる。また、装置の起動時
は、ヘッド1が浮上することでディスク5面上との摩擦
が発生しないので、通常のキャリッジ3回転時の動作に
は、全く影響が無い。(ヘッド1の浮上変動について
は、後で説明する。) ヘッド1をディスク5面上の特定の位置に一時的に固定
するための、キャリッジ3固定機構を兼ね備えることに
よって、ヘッド1は装置の出荷時または停止時に、ヘッ
ド退避領域21に固定され、外部からの衝撃あるいは振
動によってヘッド1がディスク5面上に記録された情報
を損傷したり、停止時に面精度の良いディスク5面上と
ヘッド1の面が吸着して装置の起動時にスピンドルモ−
タ6が回転できなくなるという事故を防止できる。
【0024】また、キャリッジ3固定機構の固定力を、
外部からの衝撃あるいは振動によってキャリッジ3が移
動しようとする力よりも大きくすることによって、ヘッ
ド1は装置の出荷時または停止時に、ヘッド退避領域2
1から離脱することを防止できる。
【0025】また、上記キャリッジ3固定機構として、
図4に示すようにキャリッジ3と共に回転する部分に磁
性部材20を設ける。磁性部材20を設ける位置は、ヘ
ッド1がヘッド退避領域21にあるとき、マグネット2
aの漏洩磁束が最も集中するマグネット2aの中央部近
傍に位置するところのキャリッジ3の一部に設ける。磁
性部材20とマグネット2aの漏洩磁束が最も集中する
マグネット2a中央部との距離に対して、磁性部材20
が引き寄せられる力の関係は、図5のグラフに示す特性
をもっている。また、図4では、磁性部材20をコイル
9の中空部側面に接着することにより設けている。キャ
リッジ3のコイル保持部3bとコイル9の間に挾み込ん
で接着する。あるいは、キャリッジ3のコイル保持部3
bに填め込む、あるいは、接着して設けても良い。マグ
ネット2aは、ヘッド1がディスク5面上の最外周位置
にあっても磁性部材20が引き寄せられるような大きな
漏洩磁束を備える必要はない。ヘッドyaw角1bの設
定は、磁性部材20がマグネット2aに引き寄せられる
ことが可能なディスク5面上のヘッド1位置の範囲内
に、ヘッドyaw角1bが消滅する位置を設ける。これ
によって、装置の停止時、スピンドルモ−タ6の回転数
が低下してヘッド1の浮上高さが低下することから、ヘ
ッド1がディスク5面上と接触するとき、ヘッド1は、
ディスク5面上でレ−ル1aの側面1dに対する摩擦抵
抗によって、磁性部材20をマグネット2aの漏洩磁束
によって引き寄せることが可能なディスク5面上の範囲
内のヘッド退避領域21近傍、すなわち、ヘッドyaw
角1bが消滅する位置に移動する。次に、キャリッジ3
の磁性部材20がマグネット2aの漏洩磁束によって引
き寄せられることによって、ヘッド退避領域21近傍に
あるヘッド1はヘッド退避領域21に固定される。ヘッ
ド1がヘッド退避領域21に固定されることを確実にす
るために、ヘッド1がヘッド退避領域21に固定される
までの動作は、ヘッド1を移動するための力が小さくて
済むスピンドルモータ6が惰性回転している間に行われ
なければならない。また、キャリッジ3を移動させると
きの負荷となる、キャリッジ3の質量をヘッド1位置に
換算したものをできるだけ低減し、キャリッジ3回転負
荷を低減する。また、装置停止時、ヘッド1をヘッド退
避領域21に移動するためのキャリッジ3の移動は、F
PCの反力に依存しないので、キャリッジ3の側面に固
定しているFPC(CARRIAGE)(フレキシブル
プリント基板)14a(図1)を薄いタイプのものを採
用し、キャリッジ3側面への固定もできるだけ曲率が大
きくなるように配置して、剛性をできるだけ低くするこ
とにより、FPCの反力を低減する。また、ヘッド1が
ディスク5面上と接触するとき、ヘッド1は、ディスク
5面上でレ−ル1aの側面1dに対する摩擦抵抗によっ
て、磁性部材20をマグネット2aの漏洩磁束によって
引き寄せることが可能なディスク5面上の範囲内のヘッ
ド退避領域21近傍に移動することにより、漏洩磁束の
力によってヘッド1をヘッド退避領域21に移動する時
のキャリッジ3の移動距離は、図5に示すように、Bは
磁性部材20がマグネット2aの漏洩磁束集中部に最も
近く配置されたときの距離、Cは実施例で使用する距離
の範囲、Dは従来例で使用する距離の範囲、Eはキャリ
ッジ3を固定するために最低限必要な力であり、従来ほ
ど漏洩磁束の力に依存しないので、図5の実施例のカー
ブ(実線)に示すように、マグネット2aの漏洩磁束を
小さくして、キャリッジ3を移動する力を充実させて、
磁性部材20の負荷を低減する。以上により、キャリッ
ジ3動作時のキャリッジ3回転負荷及びFPCの反力、
磁性部材20の負荷を最小限にした状態で、新たな部品
を追加することなく、装置の停止時、スピンドルモータ
6の惰性回転中にヘッド1をディスク5面上のヘッド退
避領域21に移動、固定することが可能となる。また、
ヘッド1は装置の出荷時または停止時に、ヘッド退避領
域21に固定されるので、外部からの衝撃あるいは振動
によってヘッド1がディスク5面上に記録された情報を
損傷したり、停止時に面精度の良いディスク5面上とヘ
ッド1の面が吸着して装置の起動時にスピンドルモ−タ
6が回転できなくなるという事故を防止できる。また、
磁性部材20がマグネット2aの漏洩磁束によって引き
寄せられる力を、外部からの衝撃あるいは振動によって
キャリッジ3が移動しようとする力よりも大きくするこ
とによって、ヘッド1は装置の出荷時または停止時に、
ヘッド退避領域21から離脱することを防止できる。ま
た、ヘッド1、コイル9、FPC(CARRIAGE)
(フレキシブルプリント基板)14aを含めたキャリッ
ジ3が回転する部分の重心をできるだけキャリッジ回転
中心3a(図1)の近傍に設定(バランス取り)するこ
とによって、キャリッジ3が外部からの衝撃あるいは振
動を受けてもキャリッジ3が移動しにくくなり、マグネ
ット2aの漏洩磁束を更に低減して、磁性部材20を引
き寄せる力を小さくしても、ヘッド1がヘッド退避領域
21から離脱することを防止できる。
【0026】また、通常のヘッド1はヘッドyaw角1
bが無い状態で最もディスク5面に対して高く浮上す
る。また、ディスク5面上の全ての位置でなるべく均一
な浮上高さを得られるようにヘッドyaw角1bを設定
しなければならない。図6に示すように、ヘッド1の浮
上高さとディスク回転中心22からの距離(ヘッド1位
置半径)の関係は、従来最も浮上高さが高いところを1
00%としたときの、最も浮上高さが低いところまでの
浮上変動幅が、約30から35%程度だったのに対し
て、実施例では負圧力を利用し浮上安定性をはかった、
負圧型の図3に示すような3本のレ−ル1aを備えたヘ
ッド1を使用し、ヘッドyaw角1bを、ヘッド1がデ
ィスク5面上を移動する範囲のディスク5最内周位置で
最小角度となるように設けた場合、図6に示すように浮
上変動幅を約25%程度以下にすることができることか
ら、ディスク5面上の全ての位置で、できるだけ均一な
浮上高さを得ることが可能となる。
【0027】以上により、本実施例によれば、従来、情
報処理速度を高速化するためにキャリッジ3を速く移動
させる必要がありながら、小型化及び薄型化によりボイ
スコイルモ−タ2の実装スペ−スがとれない。低消費電
力化からキャリッジ3に固定しているコイル9にあまり
大きな電流を流せない。マグネット2aは従来から高磁
束密度のものを既に採用している。ヘッド1がディスク
5面上の最外周位置にあっても磁性部材が漏洩磁束に引
き寄せられなければならなので、磁性部材の負荷を無視
できる程度、コイル9に大きな電流が必要となる。マグ
ネット2aの磁束を効率良くキャリッジ3を移動させる
力に結び付けるためにも、漏洩磁束が多いことは好まし
くない。キャリッジ回転中心3aからコイル9の力が発
生するところまでの距離は、長いほどコイル9の力を必
要としないが、スペ−スがないことからこの距離には限
度がある。FPCの反力を無視できる程度、コイル9に
大きな電流が必要となる。などの制約から、小型化及び
薄型化、低消費電力化、情報処理速度の高速化に限界が
あった装置に対して、装置停止時、ヘッド1をヘッド退
避領域21に移動するためのキャリッジ3の移動は、F
PCの反力に依存しないので、キャリッジ3の側面に固
定しているFPC(CARRIAGE)(フレキシブル
プリント基板)14a(図1)を薄いタイプのものを採
用し、キャリッジ3側面への固定もできるだけ曲率が大
きくなるように配置して、剛性をできるだけ低くし、F
PCの反力を低減できるので、コイル9の電力量を低減
して装置の低消費電力化がはかれるという利点がある。
反対に、コイル9に従来の電力量を供給することにより
装置の情報処理速度の高速化がはかれるという利点があ
る。また、新たな部品を追加することなく、装置の停止
時、スピンドルモータ6の惰性回転中にヘッド1をディ
スク5面上のヘッド退避領域21に移動、固定すること
ができるので、装置の小型化及び薄型化、低価格化がは
かれるという利点がある。
【0028】また、装置の停止時、スピンドルモ−タ6
の回転数が低下してヘッド1の浮上高さが低下すること
から、ヘッド1がディスク5面上と接触するため、ヘッ
ド退避領域21にヘッド1を移動する手段が従来例の場
合、キャリッジ3回転負荷に加えて、この時の、ヘッド
1とディスク5の摩擦力も考慮し、マグネット2aが磁
性部材を引き寄せる力を設定しなければならなかった
が、ヘッド1がディスク5面上と接触するとき、ヘッド
1は、ディスク5面上でレ−ル1aの側面1dに対する
摩擦抵抗によって、磁性部材20をマグネット2aの漏
洩磁束によって引き寄せることが可能なディスク5面上
の範囲内のヘッド退避領域21近傍に移動することによ
り、ヘッド1をヘッド退避領域21に移動するためのキ
ャリッジ3の移動距離は、従来ほど漏洩磁束の力に依存
しないので、マグネット2aの漏洩磁束を小さくして、
キャリッジ3を移動する力を充実させて、磁性部材20
の負荷を低減することができるので、磁性部材20の負
荷を最小限にし、コイル9の電力量を低減して装置の低
消費電力化がはかれるという利点がある。反対に、コイ
ル9に従来の電力量を供給することにより装置の情報処
理速度の高速化がはかれるという利点がある。また、新
たな部品を追加することなく、装置の停止時、スピンド
ルモータ6の惰性回転中にヘッド1をディスク5面上の
ヘッド退避領域21に移動、固定することができるの
で、装置の小型化及び薄型化、低価格化がはかれるとい
う利点がある。
【0029】また、ヘッド1は装置の出荷時または停止
時に、ヘッド退避領域21に固定され、外部からの衝撃
あるいは振動によってヘッド1がディスク5面上に記録
された情報を損傷したり、停止時に面精度の良いディス
ク5面上とヘッド1の面が吸着して装置の起動時にスピ
ンドルモ−タ6が回転できなくなるという事故を防止す
ることができるので、装置の高信頼度化がはかれるとい
う利点がある。
【0030】また、キャリッジ3固定機構の固定力を、
外部からの衝撃あるいは振動によってキャリッジ3が移
動しようとする力よりも大きくすることによって、ヘッ
ド1は装置の出荷時または停止時に、ヘッド退避領域2
1から離脱することを防止することができるので、装置
の高信頼度化がはかれるという利点がある。
【0031】また、ヘッド1、コイル9、FPC(CA
RRIAGE)(フレキシブルプリント基板)14aを
含めたキャリッジ3が回転する部分の重心をできるだけ
キャリッジ回転中心3a(図1)の近傍に設定(バラン
ス取り)することによって、外部からの衝撃あるいは振
動を受けてもキャリッジ3が移動しにくくなり、マグネ
ット2aの漏洩磁束を更に低減して、磁性部材20を引
き寄せる力を小さくしても、ヘッド1がヘッド退避領域
21から離脱することを防止することができるので、装
置の高信頼度化がはかれるという利点がある。また、コ
イル9の電力量を低減して装置の低消費電力化がはかれ
るという利点がある。反対に、コイル9に従来の電力量
を供給することにより装置の情報処理速度の高速化がは
かれるという利点がある。
【0032】また、従来ヘッド1の浮上変動幅が、約3
0から35%程度だったのに対して、実施例では負圧力
を利用し浮上安定性をはかった、負圧型の図3に示すよ
うな3本のレ−ル1aを備えたヘッド1を使用し、ヘッ
ドyaw角1bを、ヘッド1がディスク5面上を移動す
る範囲のディスク5最内周位置で最小角度となるように
設けた場合、図6に示すように浮上変動幅を約25%程
度以下にすることができることから、ディスク5面上の
全ての位置で、できるだけ均一な浮上高さを得ることが
できるので、装置の高記録密度化がはかれるという利点
がある。
【0033】以上に記載のように、本実施例によれば、
更に装置の小型化及び薄型化、高記録密度化、高信頼度
化、低消費電力化、低価格化、情報処理速度の高速化を
はかることが可能な、装置の出荷時または停止時にヘッ
ド1をヘッド退避領域21に移動、固定する構造を提供
することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明により、更に装置の小型化及び薄
型化、高記録密度化、高信頼度化、低消費電力化、低価
格化、情報処理速度の高速化をはかることが可能な、装
置の出荷時または停止時にヘッド1をヘッド退避領域2
1に移動、固定する方法とその装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のカバ−開放状態を示す上面
図である。
【図2】本発明の一実施例の断面図である。
【図3】本発明の一実施例のヘッドyaw角を説明する
ための図である。
【図4】本発明の一実施例のカバ−開放状態を示す上面
図である。
【図5】磁性部材の距離と磁性部材が引き寄せられる力
の関係を示すグラフである。
【図6】ヘッドの浮上高さとヘッド位置半径の関係を示
すグラフである。
【図7】ノートブック型パソコンの外観を示す図であ
る。
【符号の説明】
1:ヘッド 7:ベース 1a:レ−ル 8:カバー 1b:ヘッドyaw角 9:コイル 1c:記録再生部 10:密閉型コネ
クタ 1d:側面 11:回路基板 2:ボイスコイルモータ 12:リードライ
ト制御基板 2a:マグネット 13:内部フィル
タ 2b:ヨーク 14a:FPC
(CARRIAGE) 3:キャリッジ 14b:FPC
(MOTOR ) 3a:キャリッジ回転中心 15:空調剤 3b:コイル保持部 16:ストッパ 4:クランプリング 17:密閉シール 5:ディスク 18:ディスクス
ペーサ 6:スピンドルモータ 19:ノートブッ
ク型パソコン 6a:ハブ 20:磁性部材 6b:モータベアリング 21:ヘッド退避
領域 6c:モータ磁石 22:ディスク回
転中心 6d:モータコイル 6f:モータシャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 敏男 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 岡崎 寿久 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報を記録する円板状の記録媒体(以下デ
    ィスクという。)と、これを保持し回転させるためのス
    ピンドルモータと、ディスクに情報を記録再生するため
    の変換器(以下ヘッドという。)と、ヘッドを固定し任
    意の回転軸を中心に揺動させてヘッドをディスク面上の
    半径方向に移動位置決めするためのキャリッジと、これ
    らを保持し、且つ、これらを外気から遮断するためのベ
    ース及びカバーを有するヘッドディスク組立体(以下、
    HDAという。)から成る情報記録再生装置において、
    ディスク面上に設けたヘッドが退避するための領域(以
    下ヘッド退避領域という。)を、ヘッドがディスク面上
    を移動する範囲内のディスク最内周位置に設け、ディス
    ク面上の半径方向が任意のヘッド位置でヘッドとディス
    クが接触するとき、その摩擦力がはたらく方向によって
    常にキャリッジが内周側に回転するように、ヘッドがデ
    ィスク面上に情報を記録あるいは再生するための、ディ
    スク回転中心を中心とした情報記録帯の位置に接した仮
    想直線に対するヘッドの傾き角度(以下ヘッドyaw角
    という。)を設定したことを特徴とする磁気ディスク装
    置。
  2. 【請求項2】ディスク面上の半径方向が任意のヘッド位
    置において常にヘッドyaw角が存在するようにヘッド
    を設けたことを特徴とする磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】ヘッドをディスク面上の特定の位置に一時
    的に固定するための、キャリッジ固定機構を備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  4. 【請求項4】キャリッジ固定機構の固定力を、外部から
    の衝撃あるいは振動によってキャリッジが移動しようと
    する力よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記
    載の磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】キャリッジと共に回転する部分に磁性部材
    を設け、キャリッジを揺動するためのボイスコイルモ−
    タを構成する永久磁石(以下マグネットという。)の漏
    洩磁束を利用して上記磁性部材を引き寄せるキャリッジ
    固定機構(以下マグネットリトラクト機構という。)を
    備え、上記マグネットリトラクト機構によって磁性部材
    がマグネットに引き寄せられることが可能なディスク面
    上のヘッド位置の範囲内に、ヘッドyaw角が消滅する
    位置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の磁気デ
    ィスク装置。
  6. 【請求項6】ヘッドがディスク面上を移動する範囲のデ
    ィスク最内周位置で、ヘッドyaw角が最小角度となる
    ようにヘッドを設けたことを特徴とする請求項1に記載
    の磁気ディスク装置。
JP7003087A 1994-11-16 1995-01-12 磁気ディスク装置 Pending JPH08195050A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7003087A JPH08195050A (ja) 1995-01-12 1995-01-12 磁気ディスク装置
CN95119702A CN1151078A (zh) 1994-11-16 1995-11-16 磁盘装置
EP95308222A EP0713210A1 (en) 1994-11-16 1995-11-16 Magnetic disk apparatus
US08/977,942 US5953178A (en) 1994-11-16 1997-11-24 Magnetic disk apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7003087A JPH08195050A (ja) 1995-01-12 1995-01-12 磁気ディスク装置

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