JPH08194684A - 固体表面吸着解析方法および装置 - Google Patents

固体表面吸着解析方法および装置

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JPH08194684A
JPH08194684A JP625195A JP625195A JPH08194684A JP H08194684 A JPH08194684 A JP H08194684A JP 625195 A JP625195 A JP 625195A JP 625195 A JP625195 A JP 625195A JP H08194684 A JPH08194684 A JP H08194684A
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solid surface
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atoms
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JP625195A
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Tomoyuki Hamada
智之 浜田
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Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体表面上への原子の吸着をシミュレーショ
ンする場合、その吸着シミュレーションを正しく行う。 【構成】 金属、絶縁体、半導体、またはそれらのうち
少なくとも2種類の複合体からなる固体5の表面上に吸
着する原子1の微視的挙動を解析する際に、固体5の表
面と吸着原子1間の相互作用力を古典力学に基づく方法
で求めるとともに、固体5の表面と吸着原子1の表面電
荷による相互作用力を古典電磁気学に基づく方法で求め
る。次に、求めた両相互作用力に基づいて計算機シミュ
レーションを実行して、吸着原子1の微視的挙動を解析
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子、磁気デイ
スク、触媒等固体表面の処理が必要なデバイス又は材料
を設計する際に用いられる、固体表面吸着現象をシミュ
レーションするため固体表面吸着解析方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の微細化、磁気デイス
ク記録密度の高密度化に伴い、表面状態を原子レベルで
制御することが必要となりつつあり、表面における原子
・分子の挙動を微視的に解明する計算機シミュレーショ
ンの重要性が認識されている。
【0003】表面に吸着する原子・分子の微視的挙動を
解明する方法としては分子力学法、分子動力学法、モン
テカルロ法等の手法があり、吸着原子・分子の微視的挙
動を古典力学的に記述してその構造、運動、並びにその
統計分布を直接計算することができる。分子力学法では
吸着構造の力学的なポテンシャルを原子間の経験的な2
体間ポテンシャルより計算し、安定構造すなわちポテン
シャルが局所的に安定であるような構造をニュートン−
ラプソン法を初めとするエネルギ極小化手法により求め
る方法である。分子動力学法では分子力学法で用いる力
学的なポテンシャルを微分して、原子に働く力を算出
し、原子に対するニュートンの運動方程式をリープフロ
ッグ法等を差分法により数値的に解き、吸着状態におけ
る原子の微視的な運動を計算する方法である。また、モ
ンテカルロ法は統計力学におけるミクロカノニカルアン
サンブルの考え方に従い、分子力学法の力学的ポテンシ
ャルをより、統計分布関数を計算し、吸着構造の統計的
力学的な分布を算出する方法である。
【0004】分子力学法、分子動力学法、モンテカルロ
法はそれぞれ原子間の相互作用を古典力学の範疇で捉
え、相互作用を経験的な2体間ポテンシャル関数により
記述し、原子の微視的構造を静力学、動力学、統計力学
の手法により解明するものである。分子力学法、分子動
力学法、モンテカルロ法は有機分子、あるいはその集合
体に適用され、ある程度の成功を収めている。先に述べ
たように、これら手法は原子間相互作用が古典力学によ
り記述できることをその基盤としており、電子状態が容
易に励起されず量子効果が直接現われない有機分子の場
合は妥当である。
【0005】固体表面の取り扱いに関しては、固体表面
の一部をクラスタとして取り扱う方法、及び表面の2次
元的な周期性を利用して、表面を表面近傍の原子層から
なる2次元的なスラブによりモデル化する方法があり、
吸着原子・分子と組み合わせたモデルにより、吸着原子
・分子の挙動解明が行われている。
【0006】
【発明が解明しようとする課題】上記従来技術における
固体表面の取り扱いは、固体表面を分子の延長として捉
えたものであり、固体表面吸着に特徴的な表面電荷分布
の再構成を考慮できず、その計算結果は信頼性に欠ける
という問題点がある。すなわち、従来の分子力学法、分
子動力学法、モンテカルロ法では、原子間の相互作用を
経験的な2体間ポテンシャル関数により記述し、原子・
分子の微視的挙動を古典力学の法則に従って記述するも
のであり、分子の電子状態は常に基底状態にあることを
仮定している。
【0007】しかしながら、固体の電子状態は連続的で
あるため、吸着等の摂動により容易に励起され、表面電
荷分布の再構成を生ずる。そして、表面電荷分布の再構
成の結果生ずる吸着分子と表面の静電相互作用は固体表
面吸着の支配的因子となっている。そのため電子状態が
常に基底状態であることを仮定する従来の分子力学法、
分子動力学法、モンテカルロ法では、これを適切に取り
扱うことができず、固体表面上への原子・分子の吸着を
正しくシミュレーションすることはできない。
【0008】本発明の目的は、固体表面上への原子・分
子の吸着を正しくシミュレーションすることができる固
体表面吸着解析方法および装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、固体表面
の一部あるいは全てを連続的な誘電体あるいは導体とみ
なし、吸着原子・分子の電荷分布が引き起こす表面電荷
再構成の効果を古典電磁気学を用いて、分子力学法、分
子動力学、モンテカルロ計算に取り込むことにより達成
される。
【0010】すなわち、本発明の固体表面吸着解析方法
は、金属、絶縁体、半導体、またはそれらのうち少なく
とも2種類の複合体からなる固体の表面上に吸着する原
子・分子の微視的挙動を解析する際に、前記固体表面と
吸着原子・分子間の相互作用力を古典力学に基づく方法
で求めるとともに、前記固体表面と吸着原子・分子間の
表面電荷による相互作用力を古典電磁気学に基づく方法
で求め、次に、前記求めた両相互作用力に基づいて計算
機シミュレーションを実行して、吸着原子・分子の微視
的挙動を解析するようにしたことである。
【0011】そして、本発明の固体表面吸着方解析方法
では、古典電磁気学に基づく前記方法として、電気映像
法、またはラプラス−ポアソン方程式の解である静電ポ
テンシャル関数から計算する方法を用いて、分子力学、
分子動力学あるいはモンテカルロ計算を行う。
【0012】また、本発明は、金属、絶縁体、半導体、
またはそれらのうち少なくとも2種類の複合体からなる
固体の表面上に吸着する原子・分子の微視的挙動を、計
算機シミュレーションにより解析する固体表面吸着解析
装置において、前記固体表面と吸着原子・分子間の相互
作用力を古典力学に基づく方法で求める第1の手段と、
前記固体表面と吸着原子・分子間の表面電荷による相互
作用力を古典電磁気学に基づく方法で求める第2の手段
と、前記第1・2の手段で求めた両相互作用力に基づい
て計算機シミュレーションを実行して、吸着原子・分子
の微視的挙動を解析する第3の手段と、を備えたもので
ある。
【0013】
【作用】図1は本発明の固体表面吸着解析装置により原
子・分子の絶縁体、半導体及び金属の非理想表面吸着シ
ミュレーションを行う場合の、表面吸着モデルである。
図1では非理想表面上の吸着部位近傍のみを原子クラス
タにより記述し、クラスタが連続体のなかに埋め込まれ
た形として固体表面をモデル化している。
【0014】図1において、1は原子M1,M2,……,
Mmからなる吸着原子、2は原子S1,S2,……,Snか
らなる任意の形状の表面原子クラスタである。また、3
は連続関数z=f(x,y)で表される非理想表面、4
は座標軸、5は連続体により近似される残余の固体表面
及び表面近傍である。ここで、1の吸着分子は原子電荷
Q1,Q2,…,Qmを有する原子M1,M2,…,Mmによ
り構成され、2の表面クラスタを構成する原子Siの座
標Xi,Yi,Ziは、Zi=f(Xi,Yi)なる関係を満た
す。3のf(x,y)値は表面原子クラスタ2が定義さ
れる領域外で常に零である。すなわち、5の連続体によ
り近似される残余の固体表面は理想表面であるとする。
吸着分子1を構成する原子Miに関するポテンシャルは
数式1で与えられる。
【0015】
【数1】
【0016】ここでV(Mi)は吸着分子1を構成する原
子Miに関するポテンシャル、右辺第1項は通常の分子
力学、分子動力学、モンテカルロ計算に用いられる経験
的ポテンシャル関数、rMは吸着分子1を構成する原子
の座標ベクトル、rSは原子クラスタ2を構成する原子
の座標ベクトル、右辺第2項は数式2に示す本発明によ
る静電相互作用項 surfHiである。本発明の固体表面吸
着解析装置では表面電荷再構成の効果を静電相互作用項
surfHiにより考慮する。そして、本発明では、surfH
iは一般的に数式2に従い計算する。
【0017】
【数2】
【0018】数式2においてφ(rMi)は吸着分子1を
構成する原子Miの座標における静電ポテンシャル関
数、Qiは原子Miの電荷である。静電ポテンシャル関数
は数式3を解くことにより求める。
【0019】
【数3】
【0020】数式3において、Qi は図1における吸着
分子1を構成する原子Miの電荷、rMiは原子Miの座標
ベクトル、δはデイラックのデルタ関数、εは誘電率で
ある。εの値は固体内部においてε0εS、固体外部にお
いてε0とする。ここでε0は真空の誘電率、εSは固体
5の比誘電率である。数式3のラプラス−ポアソン方程
式を数式4の境界条件のもとで解くことにより、誘電ポ
テンシャル関数φを求める。数式4は誘電ポテンシャル
関数φが固体表面において連続であることを保証するも
のである。
【0021】
【数4】
【0022】数式4において、nは固体表面の形状を示
す連続関数3の法線ベクトルであり、偏微分条件S,V
はそれぞれ、固体側、真空側の微係数をとることを示し
ている。
【0023】ラプラス−ポアソン方程式の解である静電
ポテンシャル関数は一般的に差分法により求めることが
できる。また、固体5が金属であり導体とみなすことが
できるときは、グリーン関数法により静電ポテンシャル
関数を求めてもよい。グリーン関数法はラプラス−ポア
ソン方程式を境界条件のもとで解く方法である。グリー
ン関数G(x,y,z|rMi)は原子電荷が存在する各
点rMiにおいて定義される境界条件を満たすラプラス−
ポアソン方程式の解である。図1において固体5が金属
であり、導体として近似される場合には、金属表面の電
位は零であるから、静電ポテンシャル関数φは金属表面
上、すなわち連続関数3上の点において零となるような
境界条件を満たすグリーン関数G(x,y,z|rMi
を用い、数式5に従い計算される。
【0024】
【数5】
【0025】数式5においてQiは吸着分子1を構成す
る原子Miの電荷、rMiは原子Miの座標ベクトル、ε0
は真空の誘電率である。また、図1の固体5が金属であ
り、導体としてみなすことができ、かつ表面が理想表面
であるときは、電気映像法により直接数式1の静電相互
作用項 surfHiを計算してもよい。図2は、本発明によ
り、電気映像法を用いて金属の理想表面への分子吸着を
シミュレーションする場合の表面吸着モデル図である。
図2では、表面の吸着部位近傍を当該金属の原子クラス
タによりモデル化している。金属の理想表面に分子が吸
着する場合、表面電荷再構成による分子と表面の静電相
互作用は、電気映像法を用い、イメージ分子を用いて計
算することができる。イメージ分子は、吸着する分子と
表面に関して鏡像の関係にあり、吸着する分子と反対の
電荷分布をもつ仮想分子として定義される。電気映像法
によれば、分子と金属表面の静電相互作用は、吸着分子
とそのイメージ分子の相互作用として計算できる。
【0026】図2において、6はそれぞれ電荷Q1,Q
2,…,Qmを有する原子M1,M2,…,Mmからなる吸
着分子、7は当該金属原子S1,S2,…,Snからなる
原子クラスタ、8は座標軸、9は電気映像法による吸着
分子1のイメージ分子、10は連続体(導体)として扱
われる金属である。
【0027】先にのべたように金属の理想表面に吸着す
る分子と表面の静電相互作用は、吸着分子6とイメージ
分子9の相互作用として計算できる。したがって、吸着
分子6を構成する原子Miに関するポテンシャルは数式
6により計算される静電相互作用項 surfHiを用いて計
算できる。
【0028】
【数6】
【0029】数式6においてrMiは吸着分子6を構成す
る原子Miの座標ベクトル、rMjはイメージ分子9を構
成するイメージ原子Mjの座標ベクトルである。
【0030】以上のように、本発明においては、静電相
互作用項 surfHiを固体表面・吸着分子相互作用系の静
電ポテンシャル関数をラプラス−ポアソン方程式を解く
ことにより、あるいは固体表面が金属理想表面である場
合には、電気映像法により求め、固体表面の電荷分布再
構成効果を取り入れて吸着シミュレーションを行う。ま
た図1、図2の場合、吸着に直接関与すると考えられる
固体表面部分を原子クラスタによりモデル化している
が、固体表面の全てを連続体としてモデル化してもよ
い。この場合、吸着原子1を構成する原子Miに関する
ポテンシャル関数は数式7に従い計算できる。この場合
の吸着分子と固体表面の相互作用は静電相互作用項 sur
fHiのみとなる。
【0031】
【数7】
【0032】数式7において、静電相互作用項 surfHi
は、先に説明したラプラス−ポアソン方程式の解である
静電ポテンシャル関数を、差分法、グリーン関数法によ
り求め数式2に従って計算されるか、あるいは電気映像
法を用いて直接計算される。
【0033】本発明では、以上のようにして静電相互作
用項 surfHiを求め、数式1あるいは数式7のポテンシ
ャルを求めることにより、吸着における表面電荷分布の
再構成を考慮して、原子・分子の吸着過程を分子力学
法、分子動力学法、あるいはモンテカルロ法により原子
レベルでシミュレーションすることができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に従って説明す
る。 (第1実施例)図3は本発明の固体表面吸着解析装置を
半導体表面吸着シミュレータとして用いた例を示してい
る。図1に示した固体5がシリコン半導体である場合の
表面吸着のシミュレーションを分子力学法により行う場
合の処理手順を示したものである。図1において、5は
誘電率εの誘電体として近似されるシリコン半導体であ
り、その表面は非理想表面である。
【0035】分子力学法では各原子に働く力をポテンシ
ャル関数の微分より求め、ニュートン−ラプソン法を初
めとする手法により、原子に働く力のノルムが零となる
ような安定構造を求める。最初に適当な初期構造を仮定
し、その構造における図1の吸着分子1を構成する原子
の座標ベクトルrMi、及び原子クラスタ2を構成する原
子の座標ベクトルrSjを入力する(ステップ30)。入
力した原子座標より、分子力学法における経験的ポテン
シャル関数を用いて数式1の右辺第1項Miを計算し
(ステップ31)、続いて、静電相互作用項 surfHi
求め(ステップ32)、吸着分子1を構成する原子Mi
の力学的ポテンシャル関数V(Mi)を求める(ステップ
33)。静電相互作用項の計算は図1の吸着原子・分子
−固体表面相互作用系の静電ポテンシャル関数φを、ラ
プラス−ポアソン方程式(数式3)を差分法によって解
くことにより求め、数式2に従い計算する。
【0036】続いて、V(Mi)より原子Miに作用する
力F(Mi)を数式8に従い計算し(ステップ34)、ニ
ュートン−ラプソン法を適用して、数式9に示すような
力のノルムが零となるような安定原子配置を求める(ス
テップ35)。これにより、吸着分子1がシリコン半導
体5の表面に吸着される場合の吸着構造が算出される
(ステップ36)。
【0037】
【数8】
【0038】
【数9】
【0039】このように、本発明により分子力学計算を
行う場合、表面電荷分布の再構成効果を考慮してエネル
ギ的に安定な吸着構造を計算することができる。
【0040】(第2実施例)図4は本発明の固体表面吸
着解析装置を潤滑シミュレータとして用いた例を示す。
図2に示す表面吸着のシミュレーションを分子動力学法
により行う場合の処理手順を示したものである。この場
合、図2において10は金属であり、その表面は理想表
面である。また吸着分子6は潤滑剤分子に相当する。本
実施例において、金属10は導体として近似される。分
子動力学では、各原子に働く力をポテンシャル関数の微
分より求め、数式10のニュートンの運動方程式を差分
法により解くことにより、吸着原子・分子の運動を解明
することができる。
【0041】
【数10】
【0042】数式10は図2の吸着分子6を構成する原
子Miの運動方程式である。最初に適当な初期構造を仮
定し、その構造における図2の吸着分子6を構成する原
子の座標ベクトルrMi、及び原子クラスタ2を構成する
原子の座標ベクトルrSを入力する(ステップ40)。
入力した原子座標より、分子動力学法における経験的ポ
テンシャル関数を用いて数式1の右辺第1項Miを計算
し(ステップ41)、続いて静電相互作用項 surfHi
求め(ステップ42)、吸着分子1を構成する原子Mi
の力学的ポテンシャル関数V(Mi)を求める(ステップ
43)。図2の静電相互作用項の計算は電気映像法によ
り数式6に従って算出する。続いて、V(Mi)より原子
Miに作用する力F(Mi)を数式8に従い算出し(ステ
ップ44)、ニュートンの運動方程式数式9を差分法で
あるリープフロッグ法により数値的に解く(ステップ4
5)。これにより、金属理想表面における潤滑剤吸着分
子の運動状態を算出することができる(ステップ4
6)。
【0043】(第3実施例)図5は、本発明の固体表面
吸着解析装置により、図1の表面吸着のシミュレーショ
ンをモンテカルロ法により行う場合の処理手順を示した
ものである。本実施例ではメトロポリスモンテカルロ法
により、数式11に示すミクロカノニカルアンサンブル
に従って、吸着原子・分子の原子配置を生成するもので
ある。
【0044】
【数11】
【0045】最初に、初期吸着構造を仮定し、モンテカ
ルロ法における経験的ポテンシャル関数を用いて数式1
の右辺第1項を計算し(ステップ50,51)、続いて
静電相互作用項 surfHiを求め(ステップ52)、数式
1の左辺であるV(Mi)を決定する(ステップ53)。
そして、メトロポリスモンテカルロ法に従い、吸着原子
構造をランダムに発生させ、発生させた原子配置の採用
確率を数式11に従うようにすることにより、ミクロカ
ノニカルアンサンブルに従う吸着原子・分子の原子配置
の統計分布を計算できる(ステップ54〜56)。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸着において支配的な表面電荷再構成による吸着ポテン
シャルを取り入れて、固体表面吸着の計算機シミュレー
ションを行うため、原子・分子の吸着を正しくシミュレ
ーションすることができる また、吸着において支配的な表面電荷再構成による、吸
着原子・分子と表面の静電相互作用を、表面の一部ある
いはすべてを連続体として取り扱い、古典電磁気学の範
囲内で取り扱うものであるから、大規模計算を必要とせ
ず、従来の分子力学、分子動力学計算アルゴリズムを大
幅に変更することなく、吸着等の固体表面シミュレーシ
ョンが可能である。
【0047】さらに、固体表面が理想的であるか非理想
的であるかによらず、絶縁体、半導体、金属のあらゆる
固体表面に対する原子・分子の吸着に適用可能である。
また表面近傍の任意部分を当該固体を構成する原子から
なるクラスタとして扱うことができ、吸着等の界面現象
を微視的に捉えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を非理想固体表面に適用した場合の説明
図である。
【図2】本発明を理想固体表面に適用した場合の説明図
である。
【図3】本発明の第1実施例による固体表面吸着解析方
法の処理手順説明図である。
【図4】本発明の第2実施例による固体表面吸着解析方
法の処理手順説明図である。
【図5】本発明の第3実施例による固体表面吸着解析方
法の処理手順説明図である。
【符号の説明】
1 吸着分子 2 原子クラスタ 3 連続関数 4 座標軸 5 連続体により近似される固体 6 吸着分子 7 原子クラスタ 8 座標軸 9 イメージ分子 10 導体として近似される金属

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属、絶縁体、半導体、またはそれらの
    うち少なくとも2種類の複合体からなる固体の表面上に
    吸着する原子・分子の微視的挙動を解析する際に、前記
    固体表面と吸着原子・分子間の相互作用力を古典力学に
    基づく方法で求めるとともに、前記固体表面と吸着原子
    ・分子間の表面電荷による相互作用力を古典電磁気学に
    基づく方法で求め、次に、前記求めた両相互作用力に基
    づいて計算機シミュレーションを実行して、吸着原子・
    分子の微視的挙動を解析する固体表面吸着解析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の固体表面吸着解析方法に
    おいて、 計算機シミュレーションに用いる固体表面のモデルを、
    吸着に直接関与する固体表面を形成する原子クラスタと
    し、かつ前記固体表面以外の固体部分を当該固体に相当
    する誘電体または導体等の連続体とすることを特徴とす
    る固体表面吸着解析方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の固体表面吸着解析方法に
    おいて、 計算機シミュレーションに用いる固体表面のモデルを、
    当該固体に相当する誘電体または導体等の連続体とする
    こと特徴とする固体表面吸着解析方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の固体表面吸着解析方法に
    おいて、 古典力学に基づく前記方法として、分子力学法、分子動
    力学法、またはモンテカルロ法を用いることを特徴とす
    る固体表面吸着解析方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の固体表面吸着解析方法に
    おいて、 古典電磁気学に基づく前記方法として、電気映像法を用
    いることを特徴とする固体表面吸着解析方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の固体表面吸着解析方法に
    おいて、 古典電磁気学に基づく前記方法として、ラプラス−ポア
    ソン方程式の解である静電ポテンシャル関数から計算す
    る方法を用いることを特徴とする固体表面吸着解析方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の固体表面吸着解析方法に
    おいて、 前記ラプラス−ポアソン方程式の解法として、差分法あ
    るいはグリーン関数法を用いることを特徴とする固体表
    面吸着解析方法。
  8. 【請求項8】 金属、絶縁体、半導体、またはそれらの
    うち少なくとも2種類の複合体からなる固体の表面上に
    吸着する原子・分子の微視的挙動を、計算機シミュレー
    ションにより解析する固体表面吸着解析装置において、 前記固体表面と吸着原子・分子間の相互作用力を古典力
    学に基づく方法で求める第1の手段と、前記固体表面と
    吸着原子・分子間の表面電荷による相互作用力を古典電
    磁気学に基づく方法で求める第2の手段と、前記第1・
    2の手段で求めた両相互作用力に基づいて計算機シミュ
    レーションを実行して、吸着原子・分子の微視的挙動を
    解析する第3の手段と、を備えたことを特徴とする固体
    表面吸着解析装置。
JP625195A 1995-01-19 1995-01-19 固体表面吸着解析方法および装置 Pending JPH08194684A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003071297A (ja) * 2001-08-31 2003-03-11 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 金属酸化物触媒の活性予測方法
JP2003529514A (ja) * 1999-08-03 2003-10-07 ヤング,ロバート・ダグラス セメント組成物の成分に前処理を受けさせて吸着ポテンシャルを制御する方法
JP2011088542A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Technical Research & Development Institute Ministry Of Defence 船舶のuep低減方法及び装置
JP2019186200A (ja) * 2018-04-12 2019-10-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 パラメータ決定方法および細孔内のガスまたはイオンの輸送性を求めるシミュレーション方法
WO2024053509A1 (ja) * 2022-09-05 2024-03-14 Eneos株式会社 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

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